JP2006232099A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP2006232099A JP2005049718A JP2005049718A JP2006232099A JP 2006232099 A JP2006232099 A JP 2006232099A JP 2005049718 A JP2005049718 A JP 2005049718A JP 2005049718 A JP2005049718 A JP 2005049718A JP 2006232099 A JP2006232099 A JP 2006232099A
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Abstract

【課題】 特に、操舵アシスト量が小さく、負荷の過渡変動が大きく発生する場合であっても、モータを円滑に回転させることで、操舵フィーリングの悪化を回避できるパワーステアリング制御装置を提供する。
【解決手段】 モータ回転位置を検出する回転位置検出手段と、ステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、操舵負荷に基づきモータに対して駆動信号を出力するとともに、モータ回転位置を推定する回転位置検出手段により推定されたモータ回転位置の推定値と、回転位置検出手段によって検出されたモータ回転位置の検出値とに基づきモータを回転制御するモータ制御手段とを備え、モータ制御手段は、モータ回転位置の推定値が検出値を先行した場合、負荷変動やそれに伴うモータトルクの減衰分を考慮した形で駆動信号を増量補正する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電動油圧ポンプにより運転者の操舵をアシストするパワーステアリング装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるようなパワーステアリング装置においては、パワーシリンダと、このパワーシリンダに接続された双方向ポンプと、この双方向ポンプを正・逆回転駆動する電動機を備え、パワーシリンダの左右の圧力室に油圧を供給することにより、操舵アシスト力を得ている。
特開2004−306721号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、特に操舵アシスト量が小さく電動機の駆動トルクが小さい領域において、電動機の駆動トルクが回転体フリクションや作動油の脈圧よりも過少となってしまう場合がある。このような場合、駆動指令どおりに電動機が回転せず、トルク不足により回転が停止したり、断続的な回転となり、結果として油圧シリンダへの伝達力が止まってしまうため、操舵アシスト力が変動し、操舵時に引っかかり感が生じ、アシスト力が振動するという問題があった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、脈圧などの負荷変動によるモータの回転変動を抑制し、電動機を円滑に回転させることで、操舵フィーリングの悪化を回避したパワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明では、転舵輪に接続された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、前記油圧パワーシリンダの両圧力室に対し、第1、第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、前記可逆式ポンプに接続され、この可逆式ポンプを正・逆回転駆動させるモータと、前記モータ回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記転舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、前記操舵負荷に基づき、前記モータに所望の油圧を発生させるため、前記モータに対して駆動信号を出力するとともに、モータ回転位置を推定する回転位置検出手段により推定されたモータ回転位置の推定値と、前記回転位置検出手段によって検出されたモータ回転位置の検出値とに基づきモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備え、前記モータ制御手段は、前記モータ回転位置の推定値が前記検出値を先行した場合、前記モータの軸負荷変動によるモータ軸の急減速が発生したと判断し、前記駆動信号を増量補正することとした。
よって、特に操舵アシスト量が小さく、軸負荷変動の影響を受けやすい場合であっても、モータを円滑に回転させることで操舵フィーリングの悪化を回避したパワーステアリング装置を提供できる。
以下、本発明のパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[パワーステアリング装置のシステム構成]
実施例1につき図1ないし図5に基づき説明する。図1は、本願パワーステアリング装置のシステム構成図である。ステアリングホイール1はトルクセンサ2およびピニオン3を介してラック軸4と接続する。トルクセンサ2はコントロールユニット10に対しトルク信号を出力する。
ラック軸4には、運転者の操舵トルクに応じてラック軸4の移動をアシストするパワーステアリング機構が設けられている。このパワーステアリング機構には、モータMにより駆動する可逆式のポンプPと、転舵輪6に接続するラック軸4が設けられている。本願におけるポンプPはギヤポンプとするが、他のポンプであってもよい。
シリンダ5はラック軸4に設けられ、内部には軸方向移動可能なピストン7が設けられ、シリンダ5内部を隔成して第1、第2シリンダ室5a,5bを形成する。モータMの実回転角θは回転位置センサ8により検出される。
第1、第2シリンダ室5a,5bはそれぞれ油路11,12によりポンプPと接続し、ポンプPから作動油の供給を受けて容積変化し、ピストン7を駆動する。これによりラック軸4にアシスト力が作用し、運転者による転舵をアシストする。
コントロールユニット10には、トルクセンサ2からのトルク信号、イグニッション信号、車速信号、回転位置センサ8からのモータ回転角θが入力される。これらに基づきコントロールユニット10内のモータトルク演算ブロック100においてモータMの基本目標トルクTを演算し、モータ電流制御ブロック200において駆動電流に変換し、目標トルクT*に対応した電圧指令値を出力する。
なお、回転位置センサ8はU,V,Wの3相ホール素子からなるものとするが、レゾルバを用いてもよく特に限定しない。また、モータMはブラシレスモータであるが、その他のモータであってもよい。
[コントロールユニットの制御構成]
(モータトルク演算ブロック)
図2は、コントロールユニット10におけるモータトルク演算制御ブロック100の構成を示すブロック図である。基本制御量算出部110では、トルクセンサ2により検出されたトルク信号、及び車速信号に基づいて基本制御量(操舵アシスト量)を算出する。
位相補償制御量算出部120では、モータイナーシャ、アシストトルク伝達系の位相遅れ補償量を算出し、制御系の安定化を図る位相補償制御量を算出する。ダンピング制御量算出部130では、車両の収斂性向上のために、モータ回転数に応じてダンピングトルク制御量を算出する。
戻し制御量算出部140では、舵角及び車速に基づいてステアリングを中立付近へ戻す方向のトルクを算出する。上記基本制御量、位相補償制御量、ダンピングトルク制御量、反力トルク制御量の値に基づいて最終的な目標モータトルクを演算し、モータ電流制御ブロック200に出力する。
(モータ電流制御ブロック)
図3はモータ電流制御ブロック200の制御構成を示すブロック図である。電流指令演算部210では、目標モータトルク、モータ回転速度より界磁電流、トルク電流を算出する。
推定位相進み判断部262は、速度検出値と位相推定演算処理部261にて、実位相角検出値θcより位相推定値θsを演算する。また、ポンプ急減速補正トルク演算部220にて回転角の実際値θcとの差に基づき補正量γを決定し、加算部221においてiqとγを加算して目標電流iq*を算出する。
なお、補正量γは、例えば実回転角検出手段の検出分解能が荒い場合は誤差のワースト値で設定してもよいし、逆にレゾルバセンサのような分解能の細かなセンサを用いる場合は、任意の時間間隔での速度変化量を使用するが、補正間隔を発生し得る振動間隔に合わせて任意で設定してもよい。
電流PI制御部230では、モータMに流れる電流値に基づいてフィードバック制御電流を算出し、目標電流を流すための指令電圧を算出する。dq/UVW変換部240では、d,q座標系で演算された電流指令値を三相座標系の電流値に変換する。マイコン出力処理部250では、演算された三相座標系の電流値に対応する電圧をPWM制御による電圧指令値に変換し、ブラシレスモータ駆動回路に出力する。
磁極位置演算部260では、回転位置センサ8により検出されたホール素子の位置信号、またはレゾルバセンサを用いる場合は割り込み間隔に基づいて磁極位置(位相)及びモータ回転速度を求める。さらに、ホールセンサを用いる場合は演算された磁極位置及びモータ速度より、位相推定演算処理部261で位相推定し、dq/UVW変換部240及びUVW/dq変換部280に出力される。なお、レゾルバセンサの場合は位相推定値ではなく検出位相θcをそのまま用いる。
電流検出部270では、モータMの各相に流れる電流値をコントロールユニット10内に設けられた3相電流検出部9により検出する。UVW/dq変換部280では、検出された三相座標系の電流値をdq座標系に変換し、電流PI制御部230に出力する。
実施例1のモータ駆動力制御では、モータMの回転数が低いときは120°通電法が実行され、モータMの回転数が高いときは、正弦波特性で通電するベクトル制御法が実行される。以下、それぞれの制御方法について説明する。
(120°通電法について)
回転位置センサ8からの信号は、それぞれのホール素子の位相が電気角で60°ずれて配置されており、磁極の位相が60°変化するごとに異なる信号(0,1)を出力するものである。
よって、磁極の位相変化が検出されたときには、30°位相が進んだ電流値を出力することで、60°の回動範囲内において安定した駆動力を与えることができる。すなわち、安価なセンサ構成によって低回転領域であってもモータMの駆動力制御を達成している。
(ベクトル制御について)
上述したように、三つのホール素子から成る回転位置センサ8の信号は、モータ回転数が高くなると、単位時間当たりの信号変化数が増えるため、60°毎の出力から磁極の位相及びモータ回転数を精度良く推定することが可能となる。
この推定された磁極位相及びモータ回転数に基づいて、モータロータの位相に対して電流が常に直交方向に流れるように正弦波状の通電を行い、効率よく制御を行う。なお、ベクトル制御では、正弦波特性の通電を行うため、120°通電法のように30°位相を進めることはせず、検出される位相に応じた正弦波信号が出力される。
[ポンプ停止回避制御]
本願パワーステアリング装置におけるポンプPは、エンジンにより常時駆動されるものではなく、操舵アシスト力が必要なときのみモータMによって駆動される構成である。
この構成にあっては、アシスト力が必要なときのみモータ駆動を行うことで不要ポンプ圧の発生を抑制して燃費向上に貢献できるが、回転に伴ってポンプPは作動油の流動抵抗やポンプP自体の振動(ギヤの噛合い振動、脈動)、及びモータMのトルクリプル振動、その他回転体のフリクションロスにより、モータMには回転の抵抗力が作用している。ポンプPがギヤポンプでなくとも、一般にポンプは振動源であるため同様の問題が発生する。
そのため、特にアシスト開始時や低速時など、操舵アシスト量が小さくモータMの駆動トルクが小さい領域にある場合、モータMの駆動トルクがポンプP等の回転体や作動油のフリクションよりも過少となる場合がありうる。その場合、駆動指令値が小さいままだとモータMの回転が負荷トルクに抑制され、回転が継続的または断続的に停止してアシスト量が安定せず、操舵フィーリングの悪化を招いてしまう。
そのため、本願実施例ではモータ回転速度もしくは速度とトルク目標から推定された位相角の推定値θsと、回転位置センサ8により検出された位相角の実際値θcとを比較する。θsがθcを超過した場合、要求駆動力に見合う回転が発生していないと判断し、モータMに対する駆動指令値の増加させる制御を行う。
具体的には、ポンプ急減速補正トルク演算部220において回転位置センサ8の3相のホール素子により60°ごとにモータMの実位相角θcを検出し、推定位相角θsとの比較を行う。すなわち、ホール素子のON/OFFの切り替わる点(ホールエッジ)を検出することにより、60°ごとにモータMの位相角を検出し、エッジ間は推定した位相θsで制御する。
このとき、ホールエッジ検出と同時に位相角推定値θsが60°と推定されれば、モータMは安定的に回転しており、かつ要求駆動力通りに駆動していると判断できる。一方、ホール素子は安価ではあるが角度検出精度は低く、本願実施例でも60°ごとにしか位相角を検出することができない。
したがって、ホールエッジの一端から他端に至るまでの時間は正確な回転位置検出ができず、検出された実際値と位相推定値とのズレが生じる。推定値θsが60°進んだと推定されているにもかかわらずホールエッジが検出されない場合、推定値θsが実際値θcを先行しており、制御位相がずれてしまうため要求駆動力に見合うトルクが発生しておらず、また急激な負荷変動が発生し急減速していると判断できる。
したがって位相角の推定値θsが60°進んだと推定されたにもかかわらずホールエッジが検出されない場合、駆動力が負荷エネルギーに抗することができず、さらに位相推定のズレによりモータMが停止または急減速したと判断し、駆動力増量制御を実行する。なお、モータMが停止制御中であれば駆動指令値の増加は不要であるため増量制御は行わない。
駆動指令値の増量制御は、モータMの電流を増加させることにより行う。すなわち、補正係数及び油温等の環境補正係数Ktを乗じることにより補正量γを決定し、q軸の基本目標電流iqに補正量γを付加して補正電流iq*とすることにより電流を増加させる。補正係数は、例えばセンサで検出できる分解能誤差によるモータの発生トルク減衰分の最悪値とすればよいが、他にもあらかじめモータの軸に発生する負荷の変動レベルが分かっていれば、それらを考慮したものを置くことができる。
また、駆動力増量制御中にホールエッジが検出された時点で正確なモータ回転角が分かり、かつモータが回転動作していると判断できるため、これ以上駆動力を増量するとアシスト力が過大となるおそれがある。したがって、この場合駆動力増量制御を中止して基本駆動指令値によるモータMの駆動を行い、要求に見合ったアシスト力を発生させる。
回転位置センサ8の3相ホール素子により所定角度(60°)ごとにモータMの位相角を検出し、さらにその間は簡易な位相推定で補完しており、特別な演算手段を設けることなく角度検出を行い、演算負荷の低減を図っている。また、位相角の推定値θsと実際値θcを比較することにより、モータMの回転状態を簡易に検出可能となっている。
[ポンプ停止回避制御処理]
図4は、ポンプ停止回避制御処理の流れを示すフローチャートである。ステップS100は位相角推定処理フロー、ステップS200は実位相角検出処理フロー、ステップS300は電流目標算出処理フローである。以下、各ステップにつき説明する。
(ステップS100:位相角推定制御処理)
ステップS101では位相角検出処理を実行し、ステップS102へ移行する。
ステップS102ではモータMが停止制御中であるかどうかが判断され、YESであればステップS103へ移行し、NOであればステップS104へ移行する。
ステップS103では位相角の推定値θsが実際値θcよりも大きいかどうかが判断され、YESであればステップS105へ移行し、NOであればステップS200へ移行する。
ステップS104では急減速判定ステータスを0とし、ステップS200へ移行する。
ステップS105では急減速判定ステータスを1とし、ステップS200へ移行する。
(ステップS200:実位相角検出制御処理)
ステップS201ではホールエッジを検出したかどうかが判断され、YESであればステップS202へ移行し、NOであればステップS300へ移行する。
ステップS202では実位相角検出制御を実行し、ステップS203へ移行する。
ステップS203では急減速判定ステータスを0とし、ステップS300へ移行する。
(ステップS300:電流目標算出制御処理)
ステップS301では急減速判定ステータスは1であるかどうかが判断され、YESであればステップS302へ移行し、NOであればステップS303へ移行する。
ステップS302では電流目標補正量γを0とし、ステップS304へ移行する。
ステップS303では、q軸の基本電流目標値iqに補正係数K、及び油温に基づく環境補正係数Ktを乗じて電流目標補正量γを演算し、ステップS304へ移行する。
ステップS304では、基本電流目標値iqに補正量γを加算して補正後電流目標値iq*とし、制御を終了する。
[ポンプ停止回避制御の経時変化]
図5は、ポンプ停止回避制御のタイムチャートである。
(時刻t1)
時刻t1においてU相ホール素子がONとなり、W相ホール素子がOFFとなる。V相はOFF値を継続する。位相角θの推定値θsは増加傾向である。
(時刻t2)
時刻t2において、V相ホール素子がONとなる。U相はONを、w相はOFFをそれぞれ継続する。また位相角推定値θsも増加を継続する。
(時刻t3)
時刻t3において位相角推定値θsが実際値θcと同一値となる。推定値θsはさらに増加を継続するが、実際値θcは一定値で推移するため、推定値θs≧実際値θcとなって電流目標増量補正制御が開始される。
(時刻t4)
時刻t4において位相角推定値θsが一定値となる。依然として推定値θs≧実際値θcの関係が継続しているため、増量補正制御も継続される。
(時刻t5)
時刻t5において位相角実際値θcが上昇を開始するが、未だ推定値θs≧実際値θcの関係が継続しているため、増量補正制御も継続される。
(時刻t6)
時刻t6において位相角の推定値θsと実際値θcが同一値となり、以降は同一値を保ったまま増加傾向となる。したがって位相角増量補正制御も終了する。
[従来例と本願実施例における作用効果の対比]
従来パワーステアリング装置においては、双方向ポンプによりパワーシリンダの左右の圧力室に油圧を供給することにより、操舵アシスト力を得ている。しかしながら上記従来技術にあっては、操舵アシスト量が小さく電動機の駆動トルクが小さい領域において、モータの駆動トルクが回転体や作動油の負荷変動に抗することができず、さらにこれによってモータの位相推定に誤差が生じ、脈動トルクが減衰して回転が停止したり、断続的な回転となって操舵アシスト量が減少し、操舵時に引っかかり感が生じてしまうという問題があった。
これに対し本願実施例では、回転位置センサ8の3相のホール素子により60°ごとにモータMの実位相角θcを検出し、モータMに対する要求駆動力から推定された位相角の推定値θsが60°進んだと推定されているにもかかわらずホールエッジが検出されない場合、モータMが停止または急減速したと判断し、モータMに対する駆動指令値を、指令値に負荷変動レベルや位相推定誤差によるトルク減衰を考慮したトルクの係数を掛けた形で増加させることとした。
これにより、モータにより必要に応じてポンプを駆動しアシストを得るパワーステアリング装置において、操舵アシスト量が小さく、モータMの駆動力がポンプPや作動油の負荷変動に抗することができない状態を簡易に推定し、かつ減衰分を考慮した形で、駆動指令値を補正係数で増量補正することでモータMをモータ軸の負荷変動に抗して円滑に回転させることが可能となり、アシスト力を安定させて操舵フィーリングの悪化を回避することができる。
(他の実施例)
以上実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、その他の電動ポンプシステムや直動式の電動パワーステアリングシステム、あるいはホールセンサより位相検出精度の高いセンサを用いたモータ制御に用いてもよい。
更に、上記各実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記モータ制御手段は、前記回転位置推定手段が前記所定角度に対応する角度にあると推定するとき、前記回転位置検出手段の回転位置信号が検出されない場合は、前記モータ回転位置の推定値が前記モータ回転位置の検出値をを先行したと判断することを特徴とするパワーステアリング装置。
(ロ)上記(イ)に記載のパワーステアリング装置において、
前記モータ制御手段は、前記回転位置検出手段が次の回転位置信号を検出した場合、駆動信号の増量補正を停止することを特徴とするパワーステアリング装置。
回転位置検出手段が次の回転位置信号を検出した場合には、モータが回転していることを意味するため、増量補正を停止し、操舵負荷に見合った操舵アシストを行うことができる。
(ハ)請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
前記回転位置センサは、所定角度ごとにモータ回転位置信号を出力し、
前記モータ制御手段は、前記回転位置推定手段が前記所定角度に対応する角度にあると推定するとき、前記回転位置センサの回転位置信号が検出されない場合には、前記モータ回転位置の推定値が前記モータ回転位置の検出値を先行したと判断することを特徴とするパワーステアリング装置。
所定角度ごとに位置信号を出力する回転位置センサの検出信号とモータ回転位置の推定値とを比較することにより、簡便にモータ軸負荷変動によるモータの停止を検出することができる。
(ニ)上記(ハ)に記載のパワーステアリング装置において、
前記モータ制御手段は、前記回転位置センサが次の回転位置信号を検出した場合、駆動信号の増量補正を停止することを特徴とするパワーステアリング装置。
回転位置センサが次の回転位置信号を検出した場合には、モータが回転していることを意味するため、増量補正を停止し、操舵負荷に見合った操舵アシストを行うことができる。
(ホ)請求項1または請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
前記モータ制御手段は、前記駆動信号に補正係数を乗ずることにより、この駆動信号を増量補正することを特徴とするパワーステアリング装置。
モータを停止させる負荷の変動は通常油圧の脈動であり、モータの発生トルクに比例して生じるものである。また、急減速による位相推定誤差もモータトルクに比例するため、所定値を乗じることで、一定値を加算して補正を行う場合に比べてより適切な増量補正を行うことができる。さらに、この所定値は脈圧はあらかじめ油圧特性や配管構成で推定可能であり、位相誤差はセンサの検出分解能の最悪値で設定すればよい。
なお、本願の場合実位相が検出できた時点で補正を中止するため、推定位相と実位相のギャップが大きいほど、補正時間が長くなって付与されるエネルギー量が大きくなり、ギャップが小さい場合は小さくなる特性となるため、モータの推定位相誤差の影響(誤差が大きいほど出力がダウンする)をを打ち消す形で作用するため、簡易な補正で高い効果を得ることができる。
本願パワーステアリング装置を適用したパワーステアリング装置のシステム構成図である。 モータトルク演算制御ブロックの制御構成を示す図である。 モータ電流制御ブロックの制御構成を示す図である。 ポンプ停止回避制御処理の流れを示すフローチャートである。 ポンプ停止回避制御のタイムチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 トルクセンサ
3 ピニオン
4 ラック軸
5 シリンダ
5a,5b シリンダ室
6 転舵輪
7 ピストン
8 回転位置センサ
9 3相電流検出部
10 コントロールユニット
11,12 油路
100 モータトルク演算ブロック
110 基本制御量算出部
120 位相補償制御量算出部
130 ダンピング制御量算出部
140 制御量算出部
200 モータ電流制御ブロック
210 電流指令演算部
220 ポンプ急減速補正トルク演算部
221 加算部
230 電流PI制御部
240 dq/UVW変換部
250 マイコン出力処理部
260 磁極位置演算部
261 位相推定演算処理部
262 推定位相進み判断部
270 電流検出部
280 UVW/dq変換部
M モータ
P ポンプ

Claims (2)

  1. 転舵輪に接続された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの両圧力室に対し、第1、第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプに接続され、この可逆式ポンプを正・逆回転させるモータと、
    前記モータ回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記転舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、
    前記操舵負荷に基づき、前記モータに所望の油圧を発生させるため、前記モータに対して駆動信号を出力するとともに、モータ回転位置を推定する回転位置検出手段により推定されたモータ回転位置の推定値と、前記回転位置検出手段によって検出されたモータ回転位置の検出値とに基づきモータを制御するモータ制御手段と、
    を備え、
    前記モータ制御手段は、前記モータ回転位置の推定値が前記検出値を先行した場合、前記駆動信号を増量補正すること
    を特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 転舵輪に接続された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの両圧力室に対し、第1、第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプに接続され、この可逆式ポンプを正・逆回転させるとともに、回転位置センサを有するブラシレスモータと、
    前記転舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、
    前記操舵負荷に基づき、前記モータに所望の油圧を発生させるために前記モータに対して駆動信号を出力するとともに、前記ブラシレスモータの回転位置を推定する回転位置推定手段により推定されたモータ回転位置の推定値と、前記回転位置センサによって検出されたモータ回転位置の検出値とに基づき前記ブラシレスモータを制御するモータ制御手段と、
    を備え、
    前記モータ制御手段は、前記モータ回転位置の推定値が前記検出値を先行した場合、前記駆動信号を増量補正すること
    を特徴とするパワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008120460A1 (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Daikin Industries, Ltd. パワーステアリング装置及びその駆動方法

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