JP2006230687A - 生体組織再生用移植材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より簡易な構成で、培養した生体組織補填体に生体内でその機能を早期に発揮させる生体組織再生用移植材を製造する。
【解決手段】 採取された間葉系幹細胞を2つに区分し(S2)、一方の間葉系幹細胞を生体組織細胞に分化させて(S3)、生体組織補填材に付着させ(S4)た状態で培養する(5)ことにより生体組織補填体を製造し、他方の間葉系幹細胞を得られた生体組織補填体に付着させる(S6)生体組織再生用移植材の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、生体組織再生用移植材とその製造方法に関するものである。
従来、この種の生体組織再生用移植材として、例えば、特許文献1に記載されたものが挙げられる。
この生体組織再生用移植材は、血管または人工血管の周囲に多孔性の生体組織補填材および骨髄を混合したものを配置し生体適合性材料からなる膜で包んだ構造のものである。
この生体組織再生用移植材によれば、血管または人工血管内部に流通させる血液等の液体の作用により、血管外部に配置されている骨髄等に栄養分を供給し、生体組織補填材を足場とした細胞の成長を促進し、血行のある生きた状態の生体組織再生用移植材を製造することができる。
また、特許文献1においては、培養骨移植により、良好な異所性骨化の現象を得られるものの、in vitroでの培養に時間を要すること等の課題についても指摘している。
特開2004−147926号公報
しかしながら、特許文献1に記載の生体組織再生用移植材は、血管や人工血管等の管状部材の周囲に生体組織補填材と骨髄との混合物を配置し、膜で包み込み、この膜を縫合するなど、作り込む必要がある。このため、移植部位の大きさや形状に合わせた生体組織再生用移植材を製造するには、種々のサイズの管状部材や膜を用意したり、顆粒状の生体組織補填材がこぼれないように縫合したりする手間がかかるという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、より簡易な構成で、培養した生体組織補填体に生体内でその機能を早期に発揮させることができる生体組織再生用移植材とその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体適合性のある材料からなる生体組織補填材に、幹細胞または生体組織細胞を播種して培養した後、得られた生体組織補填体に間葉系幹細胞を付着させてなる生体組織再生用移植材を提供する。
幹細胞は、分化した生体組織細胞よりも高い血管新生因子の分泌生産能力を持っているので、こうして作成した生体組織再生用移植材が生体に移植された後、生体内に血管新生が促進され、より早く治癒効果が発揮されることが期待される。
この発明によれば、生体内に移植することにより、生体組織補填体に含まれている幹細胞を培養して分化された生体組織細胞または生体組織補填材に播種されて培養された生体組織細胞が、生体組織補填材を足場として生体組織を形成していく。生体組織補填体には間葉系幹細胞が付着しているので、生体組織の形成過程において、間葉系幹細胞がVEGF(vascular endothelial
growth factor)やbFGF(basic fibroblast growth factor)等の血管新生因子を持続的に産生する。VEGFおよびbFGFの作用により、血管の新生が促され、また、bFGFの作用により、血管の成熟が促進される。その結果、生体組織補体内に血管新生が誘導され血流を生じさせて、栄養分や酸素を生体組織細胞または形成された生体組織に行き渡らせることが可能となる。
上記発明においては、付着させる間葉系幹細胞が2×10個以上であることが望ましい。
研究の結果、10個の間葉系幹細胞が1日あたりに産生するVEGFの産生量は2〜10ngであることが判明した。また、1日あたり5ng前後のVEGFが血管新生を促進するという動物実験結果が報告されている。そこで、付着させる間葉系幹細胞が2×10個以上とすることにより、生体組織再生用移植材に血管新生を生じさせ、生体組織の早期再生を図ることが可能となる。
また、本発明は、採取された間葉系幹細胞を2つに区分し、一方の間葉系幹細胞を生体組織細胞に分化させて、生体組織補填材に付着させた状態で培養することにより生体組織補填体を製造し、他方の間葉系幹細胞を得られた生体組織補填体に付着させる生体組織再生用移植材の製造方法を提供する。
本発明によれば、採取した間葉系幹細胞を2つに区分して、分化させた生体組織細胞および未分化のまま間葉系幹細胞として使用するので、間葉系幹細胞の採取が1カ所で済み、患者にかける負担を低減することができる。
本発明によれば、生体組織再生用移植材の生体内への移植後に血管新生および血管成熟を促して、血流を確保することができるので、生体組織欠損部の早期修復を図ることができるという利点がある。また、血管や人工血管等の管状部材の周囲に生体組織補填材と骨髄との混合物を配置し、膜で包み込み、この膜を縫合するなどの複雑な工程を必要とせず、簡易に上記効果を有する生体組織再生用移植材を製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材とその製造方法について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織再生用移植材は、生体組織補填材に生体組織細胞が付着した形態の生体組織補填体に、さらに間葉系幹細胞を付着させたものである。
生体組織補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やβリン酸三カルシウム(β−TCP)等のリン酸カルシウム系多孔体、ポリグリコール、コラーゲン、ヒアルロン酸等の任意の生体適合性のある材料を使用目的に応じて選択することができる。生体組織再生用移植材を補填すべき移植先が骨欠損部である場合には、HAPやβ−TCP等のリン酸カルシウム系多孔体が好ましく、軟骨組織や皮膚組織等を再生するための生体組織再生用移植材である場合には、ポリグリコール、コラーゲン、ヒアルロン酸等の材料が好ましい。
生体組織補填体を構成するための生体組織細胞の細胞ソースは任意である。例えば、骨髄、脂肪、臍帯血、胚、海綿骨、骨膜等から採取した間葉系幹細胞を分化させて生体組織細胞としてもよく、また、骨組織、軟骨組織、皮膚組織、心筋組織等から直接採取した生体組織細胞を用いてもよい。
また、生体組織補填体に付着させる間葉系幹細胞の細胞ソースも、生体組織細胞同様任意である。
このように構成される本実施形態に係る生体組織再生用移植材の製造方法について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る生体組織再生用移植材の製造方法は、図1に示されるように、まず第1に間葉系幹細胞を採取する(S1)。間葉系幹細胞の採取は、上述した任意の細胞ソースから分離回収することにより行われる。例えば、骨髄からの分離回収は、骨髄液を遠心分離することにより行われる。
次に、得られた間葉系幹細胞を2つに区分する(S2)。一方の間葉系幹細胞は未分化のまま保存または培養し、他方の間葉系幹細胞は生体組織補填体の製造に使用する。未分化の間葉系幹細胞は、そのまま保存する場合には、2×10個以上確保しておくことが好ましい。また、培養して増殖させる場合には、培養終了後に2×10個以上となるようにしておくことが好ましい。
他方の間葉系幹細胞については、分化誘導培地内において培養することにより、目的の生体組織の生体組織細胞に分化させる(S3)。例えば、骨組織を再生するためには骨芽細胞に分化させ、軟骨組織を再生するには軟骨細胞に分化させ、皮膚組織を再生するためには繊維芽細胞に分化させる。
その後、間葉系幹細胞を分化させた生体組織細胞を生体組織補填材に播種し(S4)、所定の培養条件下で培養することにより、生体組織細胞が生体組織補填材を足場として成長した生体組織補填体が製造される(S5)。次いで、製造された生体組織補填体に保存または培養しておいた間葉系幹細胞を付着させる(S6)。付着は、例えば、間葉系幹細胞を生体組織補填体に滴下あるいは塗布等した後に接着のために4時間程度培養することにより行われる。
これにより、生体組織補填体に間葉系幹細胞が付着した生体組織再生用移植材が製造される。
次に、このようにして製造された本実施形態に係る生体組織再生用移植材の作用について説明する。
本実施形態に係る生体組織再生用移植材を生体組織の欠損部に移植すると、生体組織補填体を構成している生体組織細胞が生体組織補填材を足場として成長し、生体組織を再生していく。例えば、本実施形態に係る生体組織補填体が培養骨である場合、骨欠損部に移植されると、培養骨を構成している骨芽細胞が骨補填材を足場として成長し、骨組織が再生されていくことになる。
この場合において、本実施形態に係る生体組織再生用移植材には、未分化のままの間葉系幹細胞が付着しているので、生体組織補填体による生体組織の再生の過程において、間葉系幹細胞が継続的に高濃度のVEGFやbFGFを産生する。
ここで、間葉系幹細胞のVEGFおよびbFGFの産生の様子を図2および図3に示す。これらの図は、10個の間葉系幹細胞をビタミンC入り培地内で培養したときの培養日数とVEGFあるいはbFGFの蓄積量との関係を示したグラフである。
図2によれば、10個の間葉系幹細胞は、培養工程の全行程にわたって、2ng〜10ng/日の速度で、継続的にVEGFを産生していることがわかった。また、bFGFについても、培養日数が経過するごとにその産生量は増大していることがわかった。
一方、VEGFおよびbFGFは強力な血管新生因子として機能することが知られている。またbFGFは、新生された血管を成熟させる成熟因子としての機能も有していることが知られている。さらに、動物実験の結果、血管新生を生じさせるVEGFの産生速度は約5ng/日前後であることが知られている。
本実施形態においては、生体組織補填体に2×10個以上の間葉系幹細胞を付着させているので、そのVEGFの産生量は、4ng〜20ng/日以上となり、十分に血管新生を生じさせることができる。
また、血管が新生した後には、bFGFの作用によって血管の成熟が行われ、血管がより太いものとなって、十分な血流を生じさせることができる。
生体組織の再生過程において血管が新生および成熟することにより、生体組織補填体内に血流が生じ、血液に載せて栄養分や酸素が生体組織補填体内の生体組織細胞に供給されるとともに、生体組織駆細胞が成長する際に放出する老廃物も血流に載せて排出することができるようになる。その結果、生体組織細胞による生体組織の形成作用が促進され、生体組織欠損部の早期修復を図ることができる。
また、本実施形態に係る生体組織再生用移植材の製造方法によれば、同一の細胞ソースから入手した間葉系幹細胞を用いて生体組織補填体の製造および生体組織再生用移植材の製造を行うことができるので、患者にかける負担を低減することができるという効果がある。
また、本実施形態に係る生体組織再生用移植材によれば、単に、未分化のままの間葉系幹細胞を付着させるだけで、移植後に血管新生を促進する生体組織再生用移植材を製造できるので、製造容易であり、短時間に、あるいは移植手術の現場においても実施することができるという利点がある。
なお、本実施形態に係る生体組織再生用移植材の製造方法においては、同一の細胞ソースから入手した間葉系幹細胞を2つに区分して使用したが、これに代えて、異なる細胞ソースから入手してもよい。
また、図4に示されるように、間葉系幹細胞の採取(S1)の他に生体組織細胞を生体組織から直接採取(S11)できる場合には、採取した生体組織細胞を生体組織補填材に播種(S4)して培養する(S5)ことにより、生体組織補填体を製造することとすれば、分化工程を省略してさらに短期間に生体組織再生用移植材を製造することができる(S6)。
本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材に用いる間葉系幹細胞のVEGF産生特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る生体組織再生用移植材に用いる間葉系幹細胞のbFGF産生特性を示すグラフである。 図1の製造方法の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
S1 採取ステップ
S2 区分ステップ
S3 分化ステップ
S4 播種ステップ
S5 培養ステップ
S6 付着ステップ

Claims (3)

  1. 生体適合性のある材料からなる生体組織補填材に、幹細胞または生体組織細胞を播種して培養した後、得られた生体組織補填体に間葉系幹細胞を付着させてなる生体組織再生用移植材。
  2. 付着させる間葉系幹細胞が2×10個以上である請求項1に記載の生体組織再生用移植材。
  3. 採取された間葉系幹細胞を2つに区分し、
    一方の間葉系幹細胞を生体組織細胞に分化させて、生体組織補填材に付着させた状態で培養することにより生体組織補填体を製造し、
    他方の間葉系幹細胞を得られた生体組織補填体に付着させる生体組織再生用移植材の製造方法。
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