JP2006228782A - 枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置およびその保守方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エピタキシャルウェーハに対する重金属汚染を防止することが可能な枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置を提供する。
【解決手段】 ガス流路Gが設けられてなるとともに被処理基板6を水平に保持するサセプター9がガス流路G内に設けられてなる箱形の反応容器2と、反応容器2の一端2a側に備えられて反応容器2内にガスを供給するガス供給部3と、反応容器2の他端2b側に備えられて反応容器2からガスを排出するガス排出部とが少なくとも備えられてなり、ガス供給部3とは別に反応容器2内にエッチングガスを供給する供給ノズル5が反応容器2に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置を採用する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ガス流路Gが設けられてなるとともに被処理基板6を水平に保持するサセプター9がガス流路G内に設けられてなる箱形の反応容器2と、反応容器2の一端2a側に備えられて反応容器2内にガスを供給するガス供給部3と、反応容器2の他端2b側に備えられて反応容器2からガスを排出するガス排出部とが少なくとも備えられてなり、ガス供給部3とは別に反応容器2内にエッチングガスを供給する供給ノズル5が反応容器2に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置を採用する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置およびその保守方法に関するものであり、特に、ウェーハの重金属による汚染を低減させることが可能な枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置およびその保守方法に関する。
従来から、エピタキシャルウェーハ製造装置として、単一のシリコンウェーハ上にシリコン単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる枚葉式のエピタキシャルウェーハ製造装置が知られている。図8および図9に、従来の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の一例を示す。
図8及び図9に示す枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置51(以下「製造装置」と表記する)は、箱形の反応容器52と、反応容器52の一端側に備えられたガス供給部53と、反応容器52の他端側に備えられたガス排出部54とから概略構成されている。また、反応容器52の一端側には、シリコンウェーハ等の被処理基板56を反応容器52の内部に出し入れするための搬送路57が設けられている。この搬送路57の外側には開閉扉58が開閉自在に取り付けられている。また、反応容器52の内部全体がガス流路Gとされており、このガス流路Gの途中に被処理基板56をエピタキシャル成長させるためのサセプター59が備えられている。
ガス排出部54は、反応容器52の底面の他端側寄りに設けられた排気管54aにより構成されている。
一方、ガス供給部53には、中空箱状の供給本体部61と、供給本体部61の内部に配置されたガス導入二重管62とが備えられている。供給本体部61の内部空間61aは、連結流路60によって搬送路57に連通されている。ガス導入二重管62は、外挿管62aとこの外挿管62aの内部に挿入された内挿管62bとから構成されており、その長手方向がガス流路Gと交差するように配置されている。内挿管62bには、供給本体部61外側の図示しないガス供給機構からエッチングガス、反応ガス等を供給する供給管62cが接続されている。また、内挿管62bの外径が外挿管62aの内径よりも小さく設定されており、これにより外挿管62aと内挿管62bとの間に環状路62dが形成されている。内挿管62bの長手方向中央の下側には内挿側ガス供給孔62eが1つだけ設けられ、この内挿側ガス供給孔62eによって内挿管62bの内部と環状路62dとが連通されている。一方外挿管62aの上側にはその長手方向に沿って複数の外挿側ガス供給孔62fが設けられ、この外装側ガス供給孔62fによって環状路62dと供給本体部61の内部空間61aとが連通されている。
一方、ガス供給部53には、中空箱状の供給本体部61と、供給本体部61の内部に配置されたガス導入二重管62とが備えられている。供給本体部61の内部空間61aは、連結流路60によって搬送路57に連通されている。ガス導入二重管62は、外挿管62aとこの外挿管62aの内部に挿入された内挿管62bとから構成されており、その長手方向がガス流路Gと交差するように配置されている。内挿管62bには、供給本体部61外側の図示しないガス供給機構からエッチングガス、反応ガス等を供給する供給管62cが接続されている。また、内挿管62bの外径が外挿管62aの内径よりも小さく設定されており、これにより外挿管62aと内挿管62bとの間に環状路62dが形成されている。内挿管62bの長手方向中央の下側には内挿側ガス供給孔62eが1つだけ設けられ、この内挿側ガス供給孔62eによって内挿管62bの内部と環状路62dとが連通されている。一方外挿管62aの上側にはその長手方向に沿って複数の外挿側ガス供給孔62fが設けられ、この外装側ガス供給孔62fによって環状路62dと供給本体部61の内部空間61aとが連通されている。
次に、上記構成の製造装置におけるガスの流通について説明する。まず、供給管を介して、エッチングガス、反応ガス等のガスを、図示しないガス供給機構からガス供給部53に供給する。供給されたガスは供給管から内挿管62bに送られ、内挿側ガス供給孔62eを通過して環状路62dに入り、環状路62dに入ったガスは環状路62dの上方に送られ、外挿側ガス供給孔62fを通って供給本体部61の内部空間61aに放出される。更にガスは内部空間61aの下側に送られ、連結流路60および搬送路57を経て反応容器52に供給される。
反応容器52に供給されたガスは内部のガス流路Gを通って反応容器52の他端側に送られ、排気管54aから反応容器52の外部に排出される。
反応容器52に供給されたガスは内部のガス流路Gを通って反応容器52の他端側に送られ、排気管54aから反応容器52の外部に排出される。
反応容器52を流れるガスには、パージガス、エッチングガス、反応ガス等が含まれる。パージガスには主に窒素が用いられ、エッチングガスには主に塩酸ガスが用いられ、反応ガスには主に水素等のキャリアガスにエピタキシャル層の原料となるシラン類が混合されたガスが用いられる。
エッチングガスは、反応容器52の内壁面に堆積したシリコンや、被処理基板56の表面をエッチングために供給される。また反応ガスは、エッチング後の被処理基板56の表面にエピタキシャル層を形成するために供給される。こうしたガスは、当該製造装置51におけるエピタキシャルウェーハの成長工程に合わせて、全て上述のガス供給部53を経由して順次反応室52内に供給される。
エッチングガスは、反応容器52の内壁面に堆積したシリコンや、被処理基板56の表面をエッチングために供給される。また反応ガスは、エッチング後の被処理基板56の表面にエピタキシャル層を形成するために供給される。こうしたガスは、当該製造装置51におけるエピタキシャルウェーハの成長工程に合わせて、全て上述のガス供給部53を経由して順次反応室52内に供給される。
ところで上記の製造装置51においては、ガス供給部53における各種ガスの流路が複雑になっており、特にガス導入二重管62の内部にガスが滞留しやすい構造になっている。エッチングガスである塩酸ガスは比較的重いガスなので特に滞留が起きやすい。このため、被処理基板56のエッチング終了後にガスを塩化水素ガスから反応ガスに切り替えた場合、系内に残留する塩化水素ガスが徐々に反応容器52に流出してエピタキシャル層の形成に悪影響を及ぼす場合があった。
また、製造装置51の保守点検時にガス供給部53を分解する場合があるが、この際に空気中の水分がガス導入二重管62に付着する場合がある。こうした付着水をそのままにしてガス供給部53を再度組み立ててエピタキシャルウェーハの製造を開始すると、ガス導入二重管62の内部に滞留した塩化水素ガスと付着水とが反応して塩酸が生じてしまい、ガス導入二重管62を腐食させるおそれがある。ガス導入二重管62は一般に耐食性に優れたモリブデン含有ステンレス鋼(SUS316L等)が用いられるが、塩酸に対しては比較的弱いので腐食が進み、痕跡量のモリブデン等の重金属が反応容器52中に飛散して被処理基板58を汚染させてしまうという問題があった。
特開2000−68210号公報
特開平11−329975号公報
特許文献1には、メンテナンス時の水分混入による塩酸の発生に対する解決手段が示されているが、塩酸による腐食部位を完全に無くすまでには至っていない。また特許文献2には、エッチングガスの供給管を別個に設けた技術が開示されているが、この供給管は反応容器と一体に形成されているので、水分混入による塩酸の発生に伴う腐食部位が生じたとしても、その腐食部位を取り除くのが容易ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、エピタキシャルウェーハに対する重金属汚染を防止することが可能な枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置およびその保守方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置は、内部にガス流路が設けられてなるとともに被処理基板を保持するサセプターが前記ガス流路内に設けられてなる箱形の反応容器と、該反応容器の一端側に備えられて前記反応容器内にガスを供給するガス供給部と、前記反応容器の他端側に備えられて前記反応容器からガスを排出するガス排出部とが少なくとも備えられてなる枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置であり、前記ガス供給部とは別に前記反応容器内にエッチングガスを供給する供給ノズルが前記反応容器に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向両側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向上流側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルの内面が石英により被覆されていることが好ましい。
本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置は、内部にガス流路が設けられてなるとともに被処理基板を保持するサセプターが前記ガス流路内に設けられてなる箱形の反応容器と、該反応容器の一端側に備えられて前記反応容器内にガスを供給するガス供給部と、前記反応容器の他端側に備えられて前記反応容器からガスを排出するガス排出部とが少なくとも備えられてなる枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置であり、前記ガス供給部とは別に前記反応容器内にエッチングガスを供給する供給ノズルが前記反応容器に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向両側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向上流側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置においては、前記供給ノズルの内面が石英により被覆されていることが好ましい。
上記の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置(以下「製造装置」と表記する場合がある)によれば、エッチングガスを供給する供給ノズルがガス供給部とは別に備えられているので、ガス供給部の腐食が低減されて、ガス供給部の保守頻度が少なくなる。また供給ノズルが反応容器に対して着脱自在に取り付けられているので、保守作業を容易に行うことが可能となり、これにより供給ノズルに腐食が生じた場合であってもすぐに清掃または交換を行うことが可能となり、反応容器内部の汚染を防止することができる。
また、供給ノズルをガス流路のガス流れ方向両側に配置させることで、反応容器の内壁に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。また当該ノズルをガス流れ方向両側に配置することで、ノズルと被処理基板との距離が短くなり、被処理基板のエッチングを効率よく行える。
更に、供給ノズルをガス流路のガス流れ方向上流側に配置させることで、エッチングガスを反応容器全体に均一に拡散させることが可能になり、これにより反応容器の内壁に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。
また、供給ノズルの内面が石英によって被覆されているので、供給ノズルの腐食をより低減させることが可能になる。
また、供給ノズルをガス流路のガス流れ方向両側に配置させることで、反応容器の内壁に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。また当該ノズルをガス流れ方向両側に配置することで、ノズルと被処理基板との距離が短くなり、被処理基板のエッチングを効率よく行える。
更に、供給ノズルをガス流路のガス流れ方向上流側に配置させることで、エッチングガスを反応容器全体に均一に拡散させることが可能になり、これにより反応容器の内壁に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。
また、供給ノズルの内面が石英によって被覆されているので、供給ノズルの腐食をより低減させることが可能になる。
次に、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法は、先のいずれかに記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法であり、前記枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置によって前記被処理基板に形成されたエピタキシャル層における重金属濃度が1×1012atoms/cm3以上になったときに、前記供給ノズルを清掃するか若しくは新品の供給ノズルに交換することを特徴とする。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法においては、前記供給ノズルの材質がモリブデン含有ステンレス鋼であり、前記重金属がモリブデンであることが好ましい。
また、本発明の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法においては、前記供給ノズルの材質がモリブデン含有ステンレス鋼であり、前記重金属がモリブデンであることが好ましい。
上記の製造装置の保守方法によれば、エピタキシャル層における重金属濃度が上記の濃度以上になったときに供給ノズルを清掃するか若しくは新品の供給ノズルに交換するので、エピタキシャル層の重金属による汚染を低減させることが可能となり、また反応容器内部の清浄度を向上させることができる。
また、供給ノズルの材質をモリブデン含有ステンレス鋼とした場合には、エピタキシャル層の重金属汚染を測る指標としてモリブデンを用いることが可能になる。
また、供給ノズルの材質をモリブデン含有ステンレス鋼とした場合には、エピタキシャル層の重金属汚染を測る指標としてモリブデンを用いることが可能になる。
本発明によれば、エピタキシャルウェーハに対する重金属汚染を防止することが可能な枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置およびその保守方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の一例を示す斜視図であり、図2は図1の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の内部を示す平面断面図である。また図3は、図1のエピタキシャルウェーハ製造装置において運転時間とエピタキシャル層のモリブデン濃度との関係を示すグラフである。また、図4は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の他の例を示す斜視図であり、図5は図4の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の内部を示す平面断面図である。更に図6は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の別の例を示す斜視図であり、図7は枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置に備えられる供給ノズルの一例を示す断面図である。
尚、これらの図は枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の寸法関係とは異なる場合がある。
図1は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の一例を示す斜視図であり、図2は図1の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の内部を示す平面断面図である。また図3は、図1のエピタキシャルウェーハ製造装置において運転時間とエピタキシャル層のモリブデン濃度との関係を示すグラフである。また、図4は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の他の例を示す斜視図であり、図5は図4の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の内部を示す平面断面図である。更に図6は本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の別の例を示す斜視図であり、図7は枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置に備えられる供給ノズルの一例を示す断面図である。
尚、これらの図は枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の寸法関係とは異なる場合がある。
図1及び図2に示す枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置1(以下「製造装置」と表記する場合がある)は、箱形の反応容器2と、反応容器2の一端2a側に備えられたガス供給部3と、反応容器2の他端2b側に備えられたガス排出部4と、一対の供給ノズル5とから概略構成されている。また、反応容器2の一端2a側には、シリコンウェーハ等の被処理基板6を反応容器2内部に出し入れするための搬送路7が設けられている。この搬送路7の外側には開閉扉8が開閉自在に取り付けられている。なお、図1では開閉扉の図示を省略している。また、反応容器2の内部全体がガス流路Gとされており、このガス流路Gの途中には被処理基板6を回転自在に保持するためのサセプター9が備えられている。また搬送路7は、図示略のウェーハ供給部に連結されており、搬送路7とウェーハ供給部は前記の開閉扉8によって仕切られている。ウェーハ供給部には被処理基板6を一時的に貯留するスペースが設けられており、反応容器2に対して被処理基板6を1枚ずつ供給できるように構成されている。
ガス排出部4は、反応容器2の底面2cの他端2b側寄りに設けられた排気管4aにより構成されている。
一方、ガス供給部3には、中空箱状の供給本体部11と、供給本体部11の内部に配置されたガス導入二重管12とが備えられている。供給本体部11の内部空間11aは、図示略の連結流路によって搬送路7に連通されている。ガス導入二重管12は、断面視円環状の外挿管12aとこの外挿管12aの内部に挿入された断面視円環状の内挿管12bとから構成されており、その長手方向がガス流路と交差するように配置されている。内挿管12bには、供給本体部11外側の図示しないガス供給機構から反応ガス等を供給するための供給管12cが接続されている。また、内挿管12bの外径が外挿管12aの内径よりも小さく設定されており、これにより外挿管12aと内挿管12bとの間に環状路12dが形成されている。内挿管12bの長手方向中央の下側には内挿側ガス供給孔12eが1つだけ設けられ、この内挿側ガス供給孔12eによって内挿管12bの内部と環状路12dとが連通されている。一方外挿管12aの上側にはその長手方向に沿って図示略の複数の外挿側ガス供給孔が設けられ、この外装側ガス供給孔によって環状路12dと供給本体部11の内部空間11aとが連通されている。
一方、ガス供給部3には、中空箱状の供給本体部11と、供給本体部11の内部に配置されたガス導入二重管12とが備えられている。供給本体部11の内部空間11aは、図示略の連結流路によって搬送路7に連通されている。ガス導入二重管12は、断面視円環状の外挿管12aとこの外挿管12aの内部に挿入された断面視円環状の内挿管12bとから構成されており、その長手方向がガス流路と交差するように配置されている。内挿管12bには、供給本体部11外側の図示しないガス供給機構から反応ガス等を供給するための供給管12cが接続されている。また、内挿管12bの外径が外挿管12aの内径よりも小さく設定されており、これにより外挿管12aと内挿管12bとの間に環状路12dが形成されている。内挿管12bの長手方向中央の下側には内挿側ガス供給孔12eが1つだけ設けられ、この内挿側ガス供給孔12eによって内挿管12bの内部と環状路12dとが連通されている。一方外挿管12aの上側にはその長手方向に沿って図示略の複数の外挿側ガス供給孔が設けられ、この外装側ガス供給孔によって環状路12dと供給本体部11の内部空間11aとが連通されている。
また、反応容器2の側壁2d、2dには、エッチングガスを反応容器2に供給する一対の供給ノズル5、5が着脱自在に取り付けられている。反応容器2の側壁2dには貫通孔2eが設けられており、この貫通孔2eに供給ノズル5が着脱自在に挿入されている。貫通孔2eは側壁2dの厚み方向に対して斜め方向に穿孔されており、これにより供給ノズル5が反応容器2に装着された時に供給ノズル5の先端部5aがガス排出部4側を向くようになっている。供給ノズル5の基端5b側には、図示略のエッチングガス供給管が接続されており、供給ノズル5とエッチングガス供給管は相互に着脱できるようになっている。供給ノズル5の材質はモリブデン含有ステンレス鋼等の耐食性に優れた材質が好ましく、具体的にはSUS316L等が好ましい。
次に、上記構成の製造装置1におけるガスの流通形態について説明する。パージガス及び反応ガスは、図示しないガス供給機構から供給管12cを介してガス供給部3に供給される。供給されたガスは供給管12cから内挿管12bに送られ、内挿側ガス供給孔12eを通過して環状路12dに入り、環状路12dに入ったガスは環状路12dの上方に送られ、外挿側ガス供給孔を通って供給本体部11の内部空間11aに放出される。更にガスは内部空間11aの下側に送られ、連結流路および搬送路7を経て反応容器2に供給される。
反応容器2に供給されたガスは内部のガス流路Gを通って反応容器2の他端2b側に送られ、排気管4aから反応容器2の外部に排出される。
一方、エッチングガスは、図示略のエッチングガス供給管から一対の供給ノズル5、5に送られ、供給ノズル5から反応容器2内部に供給される。反応容器2に供給されたエッチングガスは、上記の反応ガス等と同様に、ガス流路Gを通って反応容器2の他端2b側に送られ、排気管4aから反応容器2の外部に排出される。
反応容器2に供給されたガスは内部のガス流路Gを通って反応容器2の他端2b側に送られ、排気管4aから反応容器2の外部に排出される。
一方、エッチングガスは、図示略のエッチングガス供給管から一対の供給ノズル5、5に送られ、供給ノズル5から反応容器2内部に供給される。反応容器2に供給されたエッチングガスは、上記の反応ガス等と同様に、ガス流路Gを通って反応容器2の他端2b側に送られ、排気管4aから反応容器2の外部に排出される。
反応容器2を流通するガスには、上述の通りパージガス、エッチングガス、反応ガス等が含まれる。パージガスには主に窒素および水素が用いられ、エッチングガスには主に塩酸ガスが用いられ、反応ガスには主に水素等のキャリアガスにエピタキシャル層の原料となるシラン類が混合されたガスが用いられる。
パージガスは、反応容器2の雰囲気制御のために供給される。またエッチングガスは、反応容器2の内壁面に堆積したシリコンや、被処理基板6の表面をエッチングために供給される。更に反応ガスは、エッチング後の被処理基板6の表面にエピタキシャル層を形成するために供給される。上述の通り、パージガス及び反応ガスはガス供給部3から反応容器2に供給され、エッチングガスは供給ノズル5から反応容器2に供給される。
パージガスは、反応容器2の雰囲気制御のために供給される。またエッチングガスは、反応容器2の内壁面に堆積したシリコンや、被処理基板6の表面をエッチングために供給される。更に反応ガスは、エッチング後の被処理基板6の表面にエピタキシャル層を形成するために供給される。上述の通り、パージガス及び反応ガスはガス供給部3から反応容器2に供給され、エッチングガスは供給ノズル5から反応容器2に供給される。
上記の製造装置1によりシリコンウェーハにエピタキシャル層を形成する方法について説明する。まず、水素雰囲気下で被処理基板6をサセプター9上に載置して開閉扉8を閉じる。次に、反応容器2内を所定のエッチング温度まで加熱して被処理基板6の表面を水素ベークする。次に、供給ノズル5から塩化水素ガスを供給して被処理基板6の表面をエッチングし、パーティクル等を除去する。次に反応容器2内の温度を所定の成長温度に設定し、シラン等の反応ガスをガス供給部3から導入してエピタキシャル層を成長させる。エピタキシャル成長後、反応容器2内を降温する。次に、反応容器2から処理済の被処理基板6を取り出し、供給ノズル5から反応容器2の内部に塩化水素ガスを供給して反応容器2の内壁面に付着したシリコンの堆積物をエッチングして除去する。このようにして一連の処理が終了したなら、別の被処理基板を反応容器2内部に設置して成膜処理を続行する。
以上のように、塩化水素ガスが供給ノズル5から反応容器2に供給されるので、ガス供給部3に塩化水素が滞留するおそれがなく、ガス供給部3における腐食を防止することができる。また、供給ノズル5が脱着自在とされているので、供給ノズル5が腐食した場合でもその保守作業を容易に行うことができ、反応容器2内部の汚染を防止できる。また、供給ノズル5の腐食の程度が酷くなって交換を要する場合でも交換作業を容易に行うことができる。
また、供給ノズル5をガス流路Gのガス流れ方向Aの両側に配置させることで、反応容器2の内壁面に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することができる。また供給ノズル5をガス流れ方向のA両側に配置することで、ノズル5と被処理基板6との距離が短くなり、被処理基板6のエッチングを効率よく行える。
また、供給ノズル5をガス流路Gのガス流れ方向Aの両側に配置させることで、反応容器2の内壁面に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することができる。また供給ノズル5をガス流れ方向のA両側に配置することで、ノズル5と被処理基板6との距離が短くなり、被処理基板6のエッチングを効率よく行える。
また上記の製造装置1において、供給ノズル5を保守する際の目安としては、前記製造装置1によって被処理基板6に形成されたエピタキシャル層における重金属濃度が、1×1012atoms/cm3以上になったときに、供給ノズル5を清掃するか、若しくは新品の供給ノズルに交換することが望ましい。供給ノズル5の材質がモリブデン含有ステンレス鋼である場合は、供給ノズル5の腐食に伴ってエピタキシャル層がモリブデンにより汚染されるので、モリブデンの濃度を監視することで反応容器2内部の重金属汚染状況を監視できる。
なお、一例として交換の目安を1×1012atoms/cm3以上としたのは、エピタキシャル層における重金属濃度がこの範囲になると、エピタキシャルウェーハを用いて製造されたデバイスの歩留まり、性能等に悪影響を及ぼすおそれがあるためである。
なお、一例として交換の目安を1×1012atoms/cm3以上としたのは、エピタキシャル層における重金属濃度がこの範囲になると、エピタキシャルウェーハを用いて製造されたデバイスの歩留まり、性能等に悪影響を及ぼすおそれがあるためである。
図3には、供給ノズル5の材質をSUS316Lとした上記の製造装置1において、運転時間とエピタキシャル層のモリブデン濃度との関係をグラフで示す。図3に示すように、エピタキシャル層のモリブデン濃度は、保守作業の後から徐々に上昇していく。これは、保守作業時に供給ノズル5に水分が付着し、この水分と塩酸ガスとが化合して塩酸を形成し、この塩酸によって供給ノズル5が腐食されてエピタキシャル層のモリブデン濃度が増加するためである。そして、モリブデン濃度が1×1012atoms/cm3以上になった時点で供給ノズル5を清掃するか、あるいは交換することで、エピタキシャル層におけるモリブデン濃度が大幅に低下する。
上記の製造装置1の保守方法によれば、エピタキシャル層における重金属濃度が上記の濃度以上になったときに供給ノズル5を清掃するか若しくは新品の供給ノズルに交換するので、エピタキシャル層の重金属による汚染を低減させることが可能となり、また反応容器2内部の清浄度を低減させることができる。
上記の製造装置1の保守方法によれば、エピタキシャル層における重金属濃度が上記の濃度以上になったときに供給ノズル5を清掃するか若しくは新品の供給ノズルに交換するので、エピタキシャル層の重金属による汚染を低減させることが可能となり、また反応容器2内部の清浄度を低減させることができる。
図4及び図5には、本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の他の例を示す。この製造装置21には、反応容器2のガス流路Gの上流側に供給ノズル25が着脱自在に取り付けられている。すなわち、反応容器2のガス供給部3側の両側の壁部22aに貫通孔22bが設けられ、この貫通孔22bに供給ノズル25が着脱自在に取り付けられている。この構成によって、パージガス等の供給手段であるガス供給部3の両側からエッチングガスを供給できるようになる。これにより、エッチングガスを反応容器2全体に均一に拡散させることが可能になり、反応容器2の内壁に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。
図6には、本実施形態の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の別の例を示す。この製造装置には、反応容器2のガス流路の上流側に供給ノズル35が着脱自在に取り付けられている。すなわち、ガス供給部3の搬送路7の左右両側に供給ノズル35が引き込まれ、供給ノズル35の先端部35aが反応容器2内部に挿入されている。この構成によって、パージガス等の供給手段である搬送路7の両側からエッチングガスを供給できるようになる。これにより、エッチングガスを反応容器2全体に均一に拡散させることが可能になり、反応容器2の内壁面に堆積したシリコン等を効率よくエッチングして除去することが可能になる。
また図7に示すように、供給ノズル35の内面35bを石英層(石英)35cによって被覆させてもよい。これにより、供給ノズル35の腐食をより低減させることが可能になる。
また図7に示すように、供給ノズル35の内面35bを石英層(石英)35cによって被覆させてもよい。これにより、供給ノズル35の腐食をより低減させることが可能になる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記の実施形態では、図6の製造装置の供給ノズル35の内面35bを石英35cで被覆させた例について説明したが、石英による供給ノズル内面の被覆を、図1もしくは図4の製造装置1、21に適用しても良い。
また、供給ノズルの取り付け位置は本実施形態に限定されるものではなく、例えばガス流通路の上下方向、上方向または下方向のいずれかの位置に取り付けても良い。
また、供給ノズルの取り付け位置は本実施形態に限定されるものではなく、例えばガス流通路の上下方向、上方向または下方向のいずれかの位置に取り付けても良い。
1、21…製造装置(枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置)、9…サセプター、2…反応容器、2a…一端、2b…他端、3…ガス供給部、4…ガス排出部、5…供給ノズル、35b…内面、35c…石英層(石英)、6…被処理基板、G…ガス流路
Claims (6)
- 内部にガス流路が設けられてなるとともに被処理基板を保持するサセプターが前記ガス流路内に設けられてなる箱形の反応容器と、該反応容器の一端側に備えられて前記反応容器内にガスを供給するガス供給部と、前記反応容器の他端側に備えられて前記反応容器からガスを排出するガス排出部とが少なくとも備えられてなる枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置であり、
前記ガス供給部とは別に前記反応容器内にエッチングガスを供給する供給ノズルが前記反応容器に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置。 - 前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置。
- 前記供給ノズルが前記ガス流路のガス流れ方向上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置。
- 前記供給ノズルの内面が石英により被覆されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法であり、
前記枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置によって前記被処理基板に形成されたエピタキシャル層における重金属濃度が1×1012atoms/cm3以上になったときに、前記供給ノズルを清掃するか若しくは新品の供給ノズルに交換することを特徴とする枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法。 - 前記供給ノズルの材質がモリブデン含有ステンレス鋼であり、前記重金属がモリブデンであることを特徴とする請求項5に記載の枚葉式エピタキシャルウェーハ製造装置の保守方法。
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