JP2006228753A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】パレータを薄くし、コンパクト化、軽量化、システムの簡略化、ならびに低コスト化を図り、また反応ガスを加湿するために必要な冷却水を不要として、システムの信頼性、およびメンテナンス性の向上を図ること。
【解決手段】少なくとも固体高分子電解質膜9を挟んで配置された燃料極3・酸化剤極4とからなる単電池を、セパレータ1を介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた体高分子電解質型燃料電池において、セパレータ1を金属製の薄板で構成し、セパレータ1のほぼ中央部分に、プレス加工による複数の平行な波形状の溝10を表裏に形成して、燃料極3と酸化剤極4との間に反応ガスの流路7,8 を設け、セパレータ1のほぼ中央部分を囲むようにシート状のシール部材2a,2b を表裏に配置し、シール部材2a,2b の接触部に、反応ガスと冷却媒体を夫々供給・排出する複数のマニホールド孔11a,11b,12a,12b,13a,13b を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなる単電池を、複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池に係り、特に積層された単電池の厚みを薄くすることにより電池スタックをコンパクト化し、また同時に電池の信頼性の向上ならびに製造コストの大幅な低減を図れるようにした固体高分子電解質型燃料電池に関するものである。
一般に、燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料ガスの有する化学的エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
この燃料電池の一つとして、固体高分子膜を電解質として用いた固体高分子電解質型燃料電池がある。
図40は、この種の従来の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの基本的構成(単電池構成)の一例を示す概要図である。
図40において、単電池101は、イオン導電性を有する固体高分子膜102を挟んで配置した燃料極(以下、アノード電極と称する)103および酸化剤極(以下、カソード電極と称する)104からなり、さらにこの単電池101を、アノード電極103およびカソード電極104に反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための溝103c,104cを設けた導電性を有するガス不透過性のガス供給溝付きのセパレータ105を介して複数個積層して、電池スタックが構成されている。
なお、アノード電極103は、アノード触媒層103aとアノード多孔質カーボン平板103bとから形成され、カソード電極104は、カソード触媒層104aとカソード多孔質カーボン平板104bとから形成されている。
かかる構成の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、アノード電極103に燃料ガスを供給し、カソード極104に酸化剤ガスを供給すると、単電池101のアノード電極103およびカソード極104間で、電気化学反応によって起電力(電気的出力)が発生する。
ここで、通常、燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気がそれぞれ使用されている。アノード電極103に水素、カソード電極104に空気をそれぞれ供給すると、アノード電極103では、供給された水素がアノード触媒層103aで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは固体高分子膜102を通って、電子は外部回路を通ってカソード電極104にそれぞれ移動する。
一方、カソード電極104では、供給された空気中の酸素と上記水素イオンと電子が、カソード触媒層104aで反応して水を生成する。この時、外部回路を通った電子は電流となり、電力を供給することができる。
すなわち、アノード電極103とカソード電極104では、それぞれ以下のような反応が進行する。なお、生成した水は、未反応ガスと共に電池外に排出される。
アノード反応:H2 →2H+ +2e- カソード反応:2H+ +1/2O2 +2e- →H2 O単電池101の発生する起電力は、1V以下と低いため、通常は、上記セパレータ105を介して数十〜数百枚の単電池101を積層し、電池スタックとして使用される。また、発電に伴なう電池スタックの昇温を制御するために、冷却板が数枚の単電池101毎に挿入されている。
一方、イオン導電性を有する固体高分子膜102としては、例えばプロトン交換膜であるパーフルオロロカーボンスルホン酸(ナフィオンR :米国、デュポン社)が知られている。この膜は、分子中に水素イオンの交換基を持ち、飽和含水することによりイオン導電性電解質として機能すると共に、燃料ガスと酸化剤ガスとを分離する機能も有する。
逆に、膜の含水量が少なくなると、イオン抵抗が高くなり、燃料ガスと酸化剤ガスとの混合(クロスオーバ)が発生して、電池での発電が不可能となる。このため、固体高分子膜102を飽和含水としておくことが望ましい。
一方、発電によってアノード電極103で分離した水素イオンが、固体高分子膜を通ってカソード電極104に移動する時に、水も一緒に移動するため、アノード電極103側では固体高分子膜102は乾燥傾向になる。また、供給する燃料ガスまたは酸化剤ガスに含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反応ガスの入口付近で、固体高分子膜102は乾燥傾向になる。
このため、上記のような理由から、固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックには、あらかじめ加湿した燃料ガスと酸化剤ガスを供給することが一般的に行なわれている。
一方、この種の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックで用いられているセパレータ105は、各単電池101を分離する機能を持たせるために、反応ガスあるいは冷却水等に対しては不透過性である必要があり、しかも積層化した電池として機能させるために、電気的には導電体である必要がある。
固体高分子電解質型燃料電池は、通常70℃〜90℃の範囲で動作するが、電池内部のセパレータ105は、その温度における飽和蒸気圧に近い水蒸気を含んだ空気にさらされると同時に、電気化学反応に伴なう電位差が生じる厳しい環境下に置かれている。そのため、セパレータ105としては、耐腐食性の材料が選択されている。
この場合、ステンレス等、一般的に用いられている耐食性の材料では、表面が酸化して、不動態膜が形成されてしまうために、電池の抵抗損失が大きくなり、発電効率が大きく低下するといった問題点がある。
そこで、最近では、かつて1970年代に米国でスペースシャトル用に開発された固体高分子電解質型燃料電池スタックのセパレータとして、耐食性の貴金属であるニオブ等が用いられている。
しかしながら、このような貴金属系の材料は、非常に高価であると共に、重いという問題点がある。
そこで、このような問題を解決するために、カナダのバラード社が米国特許US−5521018に示したように、セパレータとして、カーボン板を使用して、軽量化とコスト低減化を試みている。
図41は、この種のカーボン板を用いた固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの構成例を示す概要図である。
図41において、電池スタックは、反応ガスを反応させて発電を行なう電池部110と、反応ガスを加湿するための加湿部111とから構成されている。
電池部110は、複数の単電池112を積層した構成となっており、それぞれの単電池112の構成は、例えば図42に示すように、カソード電極側のセパレータ132と高分子電解質膜134、アノード電極側のセパレータ136と冷却用セパレータ138を積層したものである。
冷却用のセパレータは、反応に伴なって生じる反応熱を冷却水に吸収し、電池部110の加熱を防止する目的で設置されている。
図43は、この種の代表的なセパレータの構成例を示す平面図であり、図43ではカソード電極側のセパレータを示している。
図43において、カーボン板からなるセパレータ113に、酸化剤ガスである空気入口側流路114と空気出口流路115、燃料ガス入口流路116と燃料ガス出口流路117、さらに冷却水入口、および出口流路が設けられており、酸化剤ガスである空気を反応面に導くために、サーペンタイン状の空気溝118が形成されている。この空気溝118は、比較的柔らかいカーボン板にプレス加工によって形成されている。なお、アノード電極側のセパレータ、冷却用セパレータも、同様な構成となっている。
一方、加湿部の構成は、電池部とほぼ同様であるが、反応ガス同志が固体高分子電解質膜を介して接するのとは異なり、水蒸気透過用の膜を介して反応ガスである酸化剤ガスまたは燃料ガスが冷却水と接することにより加湿される構成となっている。
ところで、上述したような従来の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、次に示すような問題点がある。
すなわち、まず、セパレータにカーボン板を用いた電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池では、以下のような理由により、セパレータの厚みを薄くするのには限界がある。
(a)セパレータとしての強度を保つ。
(b)カーボン板は本質的に多孔質体であり、セパレータ間のガスの透過、水の透過を防止する必要がある。
従来例で示した米国特許US−5521018では、セパレータの厚みは1.6mmとなっている。電池スタックをコンパクト化するためには、単電池の厚みを薄くすることが最も重要であるが、このようにカーボン板からなるセパレータを用いた場合には、薄くすることに限界があるため、コンパクト化が難しいといった問題点がある。
また、カーボン材料はそれ自体が高価であるため、低コスト化が難しいといった問題点がある。
さらに、カーボン板は、熱伝導率がアルミニウム、銅等の金属に比較して悪いために、各単電池の間に冷却水が流れる冷却プレートを挿入して、単電池を冷却する必要がある。従って、より一層スタックが大きくなるといった問題点があり、また空冷化が難しいといった問題点もある。
一方、冷却水は、反応ガスを加湿するためにも用いられているので、極めて純度の高い水を使用する必要がある。また、不純物が冷却水循環系に混入するのを防止するために、循環系にフィルターを設置する必要があり、コスト、スペース的に不利になるといった問題点がある。
この場合、安定した特性を長時間に渡り維持していくためには、フィルターの交換や水の交換が定期的に必要になる。
さらに、加湿とは別系統の冷却系を設けることが考えられるが、多孔質体というカーボン板の特性上、微量ではあるが、冷却液がカーボン板を浸透して単電池側に透過するのを防止することはできないため、水以外の冷却媒体を採用することは難しいといった問題点がある。
そのため、水以外の冷却媒体を用いることができないことから、冬季周囲温度が0℃以下になるような環境では、冷却系の凍結防止のために、保温、あるいは解氷等の手段が必要となる。
従って、余分な熱を消費するために効率の低下を招くと共に、コストアップ、スペース効率の悪化を招くといった問題点がある。
本発明の目的は、電池スタックの基本構成要素であるセパレータを薄くし、かつ強度、流体の不透過性に優れた材料で構成して、コンパクト化、軽量化、システムの簡略化、ならびに低コスト化を図ることができ、また反応ガスを加湿するために必要な冷却水を不要として、システムの信頼性、およびメンテナンス性の向上を図ることが可能な固体高分子電解質型燃料電池を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、少なくとも固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなり、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を、セパレータを介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータを金属製の薄板で構成し、セパレータのほぼ中央部分に、プレス加工による複数の平行な波形状の溝を表裏に形成して、燃料極と酸化剤極との間に反応ガスの流路を設け、セパレータのほぼ中央部分を囲むようにシート状のシール部材を表裏に配置し、シール部材の接触部に、反応ガスと冷却媒体をそれぞれ供給および排出する複数のマニホールド孔を設ける。
従って、請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータに金属製の薄板を用い、そのほぼ中央部分にプレス加工によって反応ガスの流路となる溝を設けると共に、その表裏の周辺部にシート状のシール部材を配置することにより、薄いセパレータに十分な強度を持たせ、また反応ガスがセパレータを透過することを防止することができる。これにより、反応ガスの透過をほぼ完全に防止しつつ、単電池の厚みを薄くすることが可能となり、電池スタックをコンパクト化することが可能となる。
また、プレス加工は量産に向いており、カーボンに比べて材料コストが低い金属を用いることにより、大幅な製造コスト低減ができる。
さらに、セパレータのほぼ中央部分にプレス加工で得られた溝と、その周辺部に配置された流体のシールを兼ねるシート状のシール部材とによって、反応ガスの流路を形成することにより、部品点数が少ない低コストのセパレータを得ることができる。
また、同一のセパレータに反応ガスを供給するマニホールド孔と電池を冷却する冷却媒体を供給するマニホールド孔を備えていることにより、セパレータの外部にマニホールドを備えた外部マニホールド型式に比べて、部品点数を大幅に削減することができると共に、プレス加工が可能となり、製造工程の短縮を図ることができる。これにより、固体高分子電解質型燃料電池の大幅なコスト低減を図ることが可能となる。
また、請求項2の発明では、上記請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、冷却媒体のマニホールド孔の内部に、セパレータの一部を突出させる。
従って、請求項2の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、冷却媒体のマニホールド孔内にセパレータの一部を突出させることにより、電池スタックの冷却能力を向上させることができる。
すなわち、燃料電池は発電と同時に熱も発生するが、燃料電池を適正な温度で動作させるためには、発生した熱の除去、つまり冷却を行なう必要がある。電池内部のセパレータを通って伝わってきた熱は、冷却媒体用のマニホールド孔内の冷却媒体に伝えられるが、このマニホールド孔内にセパレータの一部を突出させることによって、伝熱面積を増大すると共に、乱流促進効果によって熱伝達率も増大できるため、冷却能力をより一層向上させることができる。
さらに、請求項3の発明では、上記請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、冷却媒体用の流路を設けた複数のセパレータを、少なくとも2つ以上の積層された単電池の間に挿入する。
従って、請求項3の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、積層された単電池の間に冷却媒体用の流路を設けたセパレータを挿入することにより、電池スタックの冷却能力を向上させることができる。
すなわち、電池の冷却のために、冷却媒体を発熱部分となる酸化剤極により近づけることができるため、冷却能力を向上させることができる。
一方、請求項4の発明では、上記請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、マニホールド孔の周囲を囲むシール部材に接するように、ほぼ均一な高さの凸状のビード部を設ける。
従って、請求項4の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータに設けられた内部マニホールド孔の周囲にビード部を設けることにより、セパレータのシール性をより一層向上させることができる。
すなわち、セパレータの大きな役割の一つに、反応ガスを反応領域である電極に供給し、排出することが挙げられる。この場合、燃料ガスを燃料極に、酸化剤ガスとなる空気を酸化剤極にそれぞれ供給するために、それぞれのマニホールド孔を流れる流体を電極に導いたり、また確実にシールする必要がある。そこで、ビード部は確実にシールを行なうための手段であり、ビード部に接するシール部材に、周囲より押し付け圧力の高い線状のシール部を形成して、セパレータのシール性をより一層向上させることができる。
また、請求項5の発明では、上記請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータの表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施す。
従って、請求項5の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、金属製のセパレータの表面に、導電性しかも耐食性を有するコーティングを施すことにより、長時間に渡ってより安定した出力を得ると共に、低コストのセパレータを得ることができる。
すなわち、固体高分子電解質型燃料電池は、通常70℃〜90℃と比較的低い温度範囲で動作するが、その内部は飽和水蒸気で満たされており、しかも燃料電池特有の電位差がある状態となっているために、セパレータにとってはかなり過酷な状態となっている。この場合、貴金属系の金属は、かかる条件に対して十分な耐食性を有するが、一般的な構造材料に用いられるような安価な金属にとっては厳しい条件となる。そこで、耐食性のコーティングを施すことによって、長時間に渡ってより安定した出力を得ると共に、低コストのセパレータを得ることができる。
さらに、請求項6の発明では、上記請求項5の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、耐食性かつ導電性を有するコーティングを、燃料極および酸化剤極に接する部分の近傍に施す。
従って、請求項6の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項5の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータの電極に接する部分の近傍にのみ、導電性しかも耐食性を有する耐食コーティングを施すことにより、より一層低コストのセパレータを製作することができる。
すなわち、酸化被膜の形成による性能劣化は、主に電極との間に形成される不動態膜によるものである。そこで、電極と接する領域にのみコーティングを施すことによって、コーティングの面積を小さくすることができ、より一層低コストのセパレータを製作することができる。
また、請求項7の発明では、上記請求項1の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、波形状の溝が形成された中央部分の周囲を囲むように、少なくとも当該溝の高さよりも厚いシート状のシール部材を配置し、マニホールド孔と中央部分との間をシール部材の一部を切欠いて、反応ガスの供給通路および排出通路を設ける。
従って、請求項7の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1の発明と同様の作用を奏するのに加えて、シール部材の厚みをプレス加工によって成形した溝の高さよりも厚くすることにより、溝と固体高分子電解質膜との間に設けられる電極等の厚みを吸収でき、かつシール部材の潰ししろが確保できるため、より一層確実にシールすることができる。
また、マニホールド孔と溝部との間のシール部材を切欠いて、反応ガスの流路を確保することにより、セパレータに反応ガスの流路を設ける必要がなくなるため、セパレータの厚みを薄くすることができ、より一層コンパクト化が図れると共に、低コスト化することができる。
さらに、請求項8の発明では、上記請求項1乃至請求項7のいずれか1項の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、シール部材とセパレータの波形状の領域との間に形成される空間部に、シール部材の一部を利用して反応ガスの流れを制御する手段を設ける。
従って、請求項8の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項1乃至請求項7の発明と同様の作用を奏するのに加えて、シール部材と溝部との間に反応ガスを通過させるための空間部を設け、その空間部にシール部材の一部を利用して反応ガスの流れを制御する手段を設けることにより、セパレータに設けられた複数の平行な溝を利用して反応ガスを反応面に供給する際、溝の端部に形成された空間にシール材の一部を突出させることによって、並行流やリターンフロー等の流れを作り出すことができる。これにより、電池内部の動作特性を向上させて、高信頼性、高性能化を達成することが可能となる。
一方、請求項9の発明では、少なくとも固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなり、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を、セパレータを介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータを金属製の薄板で構成し、セパレータの一部を電池外部に突出させ、電池スタックの一部に、水蒸気を選択的に透過する半透過性の膜を介して未反応ガスと既反応ガスを接触させる全熱交換手段を設ける。
従って、請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、薄い金属からなるセパレータを電池外部へ突出させることにより、セパレータを空冷の放熱フィンとすることができ、電気化学反応によって生成された熱を簡単に大気へと逃がすことができる。
また、水蒸気を選択的に透過する膜を介して既反応ガスと未反応ガスを接触させる全熱交換手段を設けることにより、既反応ガスに含まれる反応生成水を利用して反応ガスを加湿できるため、新たに加湿水を供給するシステムが不要となる。これにより、電池スタックの構造をより一層簡略化し、低コスト化できると共に、冷却水が不要となるため、メンテナンスが不要となり、寒冷地における凍結の心配がない信頼性の高い電池スタックを得ることが可能となる。
また、請求項10の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータに、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施した銅系またはアルミニウム系の金属板を用いる。
従って、請求項10の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータに銅系またはアルミニウム系の金属板を用いることにより、これらの金属板は熱伝導率が良いため、効率よく熱を移動させることができ、セパレータをより一層薄い材料で構成することができる。これにより、電池スタックをより一層コンパクト化することが可能となる。
さらに、請求項11の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、全熱交換手段は、未反応の酸化剤ガスと既反応の酸化剤ガスを半透過性の膜を介して接触させるようにする。
従って、請求項11の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段として、未反応酸化剤ガスと既反応酸化剤ガスとの全熱交換手段を設けることにより、十分に反応ガスを加湿することができる。
すなわち、酸化剤ガスは燃料ガスよりも多量に供給されるため、電池内部の水蒸気量は主に酸化剤ガスに含まれる水蒸気量によって制御される。さらに、生成水は酸化剤ガス側に排出されるため、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、実用上十分に反応ガスを加湿することができる。これにより、より一層コンパクトな電池スタックを得ることが可能となる。
一方、請求項12の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、全熱交換手段は、未反応ガスと既反応ガスが互いに対向して流れるように、未反応ガスの入口部および出口部が既反応ガスの入口部および出口部と互いに相対向するように配置する。
従って、請求項12の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段は、未反応ガスと既反応ガスを互いに対向して流すように、それぞれのガスの入口部および出口部を相対向する位置に設けることにより、対向型の熱交換あるいは湿度交換方式として、同一の全熱交換効率にて電池スタックのより一層のコンパクト化を図ることができる。
また、請求項13の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、全熱交換手段は、単電池の積層方向と同一方向に積層された複数の全熱交換器からなる。
従って、請求項13の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段は、複数の全熱交換器を、単電池のセパレータと同一方向に積層した構成とすることにより、電池スタックと一体化し、スペースを有効利用することによって、電池スタック全体のより一層のコンパクト化を図ることができる。
さらに、請求項14の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータの突出部分に、電気絶縁性を有するコーティングを施す。
従って、請求項14の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータの突出部分に、電気絶縁性を有するコーティングを施すことにより、各セパレータは短絡を防止するためにお互い接触しないように配置されているが、予期せぬ外的な力が加わってセパレータが変形して接触という事態になっても、電気絶縁性を有するコーティングによって、短絡を防止することができ、また素手で触れても感電するという危険がなくなる。
一方、請求項15の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータの突出部分の間に形成された各空間の一部に、電気絶縁性を有するスペーサを配置する。
従って、請求項15の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータの突出部分の間に形成された空間に、電気絶縁性を有するスペーサを配置することにより、セパレータ同士が接触することを防止でき、短絡を回避することができる。
また、請求項16の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータの突出部分の先端に接するように電気絶縁性を有する支持体を配置する。
従って、請求項16の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータの突出部分の先端に、電気絶縁性を有するセパレータ支持体を配置することにより、外的な力が加わってもセパレータの変形を防止でき、電池の短絡事故を防止することができる。
さらに、請求項17の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、燃料極に流れる燃料ガスと酸化剤極に流れる酸化剤ガスが互いに対向して流れるように、それぞれのガスの入口部および出口部を互いに相対するように配置する。
従って、請求項17の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、燃料極に流れる燃料ガスと酸化剤極を流れる酸化剤ガスが互いに対向して流れるように、それぞれの入口部および出口部を互いに相対向して配置することにより、反応ガスの加湿を効果的に行なうことができる。
すなわち、発電時、酸化剤極側で生成した水は、酸化剤極出口へ向かって移動していくが、固体高分子電解質膜を介した反対側の燃料極側では、入口部および出口部が相対向して配置されているために、酸化剤極出口側が比較的乾燥した燃料ガスが流れる燃料極入口側となり、酸化剤極側の生成水が固体高分子電解質膜を透過して燃料極側に移動し、燃料ガスを加湿することになる。また、反対に、燃料極出口付近では、流れる燃料ガスの流量そのものは少ないものの、その燃料ガスは少なくとも水蒸気飽和状態となっており、比較的乾燥した酸化剤ガスを固体高分子電解質膜を介して加湿することとなる。従って、電池内部では、水分が固体高分子電解質膜を介して再循環する構成となり、反応ガスの加湿を効果的に行なうことができる。これにより、スタックの一部に設けられた加湿部である全熱交換器の大きさを小さくすることができ、電池スタックのより一層のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、請求項18の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータは、酸化剤ガスの入口側にその突出部を設ける。
従って、請求項18の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータの突出部分を酸化剤ガスの入口側に設けることにより、安定した信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、セパレータの酸化剤ガス入口側がより冷却されることにより、入口側から出口側へかけて温度が徐々に高くなるような温度分布が電池内部に生じる。よって、酸化剤ガスにも同様の温度分布が生じて、出口側の温度が入口側の温度よりも高くなることにより、水蒸気分圧を高くすることができ、生成した水を酸化剤ガスへと吸収させることができる。従って、生成水は電池内部で凝縮することなく排出され、凝縮水によるフラッディングを防止でき、安定した信頼性の高いスタックを得ることができる。
さらに、請求項19の発明では、上記請求項9の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、電池スタックは、単電池が垂直方向となるように設置され、燃料ガス入口部が上部に、出口部が下部に配置されている。
従って、請求項19の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項9の発明と同様の作用を奏するのに加えて、積層された単電池が垂直方向となるように設置され、かつ燃料ガスの入口部が上部に、出口部が下部に配置されることにより、安定した信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、発電時、運転条件によっては、燃料ガス側に透過してきた生成水が凝縮する可能性があるが、出口側において反応による燃料ガスの消費でガス流量が減少しても、上部から下部へ流れるために、凝縮水を滞留させずに電池の外部へ排出することができる。従って、燃料ガス側におけるフラッディングを防止でき、安定した信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
一方、請求項20の発明では、少なくとも固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなり、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を、セパレータを介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータを金属製の薄板で構成し、セパレータの周辺部に、反応ガスと冷却媒体をそれぞれ供給および排出する複数のマニホールド孔を設け、冷却媒体として、0℃以下の凝固点を有する冷却媒体を用い、電池スタックの一部に、水蒸気を選択的に透過する半透過性の膜を介して未反応ガスと既反応ガスを接触させる全熱交換手段を設ける。
従って、請求項20の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータを金属製の薄板で構成し、電池スタックの内部に凝固点が0℃以下でかつ電気的に非導電体である冷却媒体の流路を配置すると共に、電池スタックの一部に既反応ガスに含まれる生成水を未反応ガスの加湿に利用できるように全熱交換手段を設けることにより、冷却媒体がセパレータを透過して反応部へ浸透する恐れがなくなるため、純水以外の冷却媒体を使用することができる。従って、冷却媒体を自由に選択できるため、冷却媒体の凝固点が0℃以下のものを用いると、寒冷地における凍結という問題が防止でき、信頼性の高いスタックを得ることができる。また、反応で生じた生成水を反応ガスの加湿に利用するために、新たな加湿源となる水が必要なくなるため、システムを単純化でき、低コストな電池スタックを得ることができる。
また、請求項21の発明では、上記請求項20の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータの表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施す。
従って、請求項21の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項20の発明と同様の作用を奏するのに加えて、金属製のセパレータの表面に、導電性でしかも耐食性を有するコティング施すことにより、セパレータにとってはかなり過酷な状態である電池内部においても、耐食性のコーティングによって、長時間に渡ってより安定した性能を得ると共に、より一層低コストのセパレータを得ることができる。
さらに、請求項22の発明では、上記請求項20の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、全熱交換手段は、未反応の酸化剤ガスと既反応の酸化剤ガスを半透過性の膜を介して接触させる。
従って、請求項22の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項20の発明と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段として、未反応酸化剤ガスと既反応酸化剤ガスとの全熱交換手段を設けることにより、十分な反応ガスの加湿を行なうことができる。
すなわち、酸化剤ガスは燃料ガスよりも多量に供給されるため、電池内部の水蒸気量は主に酸化剤ガスに含まれる水蒸気量によって制御される。さらに、生成水は酸化剤ガス側に排出されるため、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、実用上十分な反応ガスの加湿を行なうことができる。これにより、より一層コンパクトな電池スタックを得ることが可能となる。
また、請求項23の発明では、上記請求項20の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、冷却媒体のマニホールド孔の内部に、セパレータの一部を突出させる。
従って、請求項23の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項20の発明と同様の作用を奏するのに加えて、冷却媒体のマニホールド孔内にセパレータの一部を突出させることにより、セパレータと冷却媒体との伝熱面積を増加させて、冷却効率を上げることができる。これにより、積層された単電池間に挿入していた冷却媒体流路を省略することができ、電池スタックの大幅なコンパクト化を図ることが可能となる。
さらに、請求項24の発明では、上記請求項20乃至請求項23のいずれか1項の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、冷却媒体の流路に、電気絶縁性を有するコーティングを施す。
従って、請求項24の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項20乃至請求項23の発明と同様の作用を奏するのに加えて、冷却媒体流路に、電気絶縁性を有するコーティングを施すことにより、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、冷却媒体の種類によっては、電気絶縁性の悪い冷却媒体やまた導電性の冷却媒体も存在し、このような冷却媒体を用いると電池が短絡し、冷却媒体として用いることができない。また、電気絶縁性を有する冷却媒体を用いた場合でも、冷却媒体の中にイオン等の不純物が混入して、絶縁性が悪化し、短絡という事故につながる恐れもある。そこで、冷却媒体が接する箇所に電気絶縁性を有するコーティングを施すことにより、どのような流体に対しても、短絡という事故を防止することができ、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
一方、請求項25の発明では、少なくとも固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなり、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を、セパレータを介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータを展延性を有する金属製の薄板で構成し、セパレータのほぼ中央部分に、プレス加工によって少なくとも片面に当該セパレータの厚みよりも浅い複数のサーペンタイン状の溝を形成して、燃料極と酸化剤極との間に反応ガスの流路を設け、セパレータのほぼ中央部分を囲むようにシート状のシール部材を配置する。
従って、請求項25の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータに展延性を有する金属製の薄板を用い、そのほぼ中央部分にプレス加工によって薄板の厚みよりも浅い複数のサーペンタイン状の溝を設けると共に、その周辺部にシート状のシール部材を配置することにより、薄いセパレータに十分な強度を持たせ、また反応ガスがセパレータを透過することを防止することができる。
また、溝の深さは板厚よりも浅いために、溝を形成する面とは反対側の面には変形を生じないように形成することができる。
さらに、プレスによる溝の形成に伴なって押し退けられた部分は、溝の両側が均等に盛り上がるように変形するため、結果的にこの部分も溝の一部として利用することができる。これにより、サーペンタイン状の溝を作ることも可能となり、大量生産に向く、低コストでかつシンプルな構成、しかもコンパクトな電池スタックを得ることが可能となる。
また、請求項26の発明では、上記請求項25の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、展延性を有する金属製の薄板に、銅系またはアルミニウム系の金属板を用いる。
従って、請求項26の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項25の発明と同様の作用を奏するのに加えて、展延性を有する金属製の薄板に、銅系またはアルミニウム系の金属板を用いることにより、これらの金属板は特に展延性があり、プレス加工を容易に行なうことができる。
また、熱伝導性が良好であるため、スタックの冷却をより一層効率的に行なうことができる。
さらに、これらの金属は金額的に安いため、低コストなスタックを得ることができる。
さらに、請求項27の発明では、上記請求項25の発明の固体高分子電解質型燃料電池において、展延性を有する金属製の薄板の表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施す。
従って、請求項27の発明の固体高分子電解質型燃料電池においては、上記請求項25の発明と同様の作用を奏するのに加えて、展延性を有する金属製の薄板に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施すことにより、金属の酸化皮膜である不動態の形成を阻止でき、長時間に渡ってより安定した出力を得ると共に、低コストのセパレータを得ることができる。
以上説明したように、本発明の固体高分子電解質型燃料電池によれば、コンパクトで軽量かつ量産性のある低コストな電池スタックを得ることが可能となる。
また、金属製のセパレータは、薄くても十分な強度を保持し、またシール性が良いため、反応ガスがセパレータを透過することを防止でき、信頼性の高い電池スタックを得ることが可能となる。
さらに、金属製の薄板からなるセパレータの表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施して、金属表面の酸化による不動態膜の成長を防止でき、長時間に渡り安定した性能を維持できる電池スタックを得ることが可能となる。
また、熱伝導率の高い金属製のセパレータを放熱フィンと兼用して、空冷化を可能とすると共に、未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換手段を電池スタックの一部に配置して、シンプル、コンパクトかつメンテナンスが容易な電池スタックを得ることが可能となる。
さらに、シール性の高い金属製のセパレータの性質を利用して、水以外の凝固点が0℃以下の液体を冷却媒体として利用することができるため、0℃以下の環境条件においても、良好な動作特性を示す信頼性の高い電池スタックを得ることが可能となる。
以上により、電池スタックの基本構成要素であるセパレータを薄くし、かつ強度、流体の不透過性に優れた材料で構成して、コンパクト化、軽量化、システムの簡略化、ならびに低コスト化を図ることができ、また反応ガスを加湿するために必要な冷却水を不要として、システムの信頼性、およびメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
図1において、金属製の薄板からなるセパレータ1は、そのほぼ中央部分に表裏に渡って、プレス加工により複数の平行な波形状の溝を形成して、アノード電極3とカソード電極4との間に反応ガスの流路を設けている。
また、この波形状の溝が形成されたセパレータ1の中央部分の周囲には(中央部分を囲むように)、シート状のシール部材2a,2bを表裏に配置している。
ここで、金属製の薄板としては、例えば厚みが0.1mm〜0.5mm程度のステンレス系の金属やアルミニウム系または銅系の金属板を使用することができる。
一方、固体高分子電解質膜9とこの固体高分子電解質膜9を挟んで配置されたアノード電極3およびカソード電極4とから、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を構成し、さらにこの単電池を上記セパレータ1を介して複数個積層して電池スタックを構成している。
ここで、通常、これらのアノード電極3およびカソード電極4は、カーボン等の多孔質体を支持体とし、白金等の貴金属を活性物質とする薄い触媒層が塗布された構成となっている。
また、アノード電極3とセパレータ1の溝とシール部材2aに囲まれた領域7は燃料ガスの流路となっており、アノード電極3に燃料ガスを供給する役割を果たしている。
同時に、固体高分子電解質膜9を挟んで反対側の領域8は酸化剤ガスの流路となっており、カソード電極4に酸化剤ガスを供給する役割を果たしている。
図2は、上記セパレータ1の構成例を模式的に示す平面図である。
図2において、金属製の薄板からなるセパレータ1の中央部分には、プレス加工によって形成された複数の平行な溝10を設けている。
また、この溝10を取り囲むようにシール部材2a,2bの接触部に、反応ガスと冷却媒体である冷却水をそれぞれ供給および排出する複数のマニホールド孔が配置されている。
すなわち、11aは酸化剤ガスの入口側マニホールド孔、11bは酸化剤ガスの出口側マニホールド孔、12aは燃料ガス側の入口側マニホールド孔、12bは燃料ガスの出口側マニホールド孔を示している。
また、セパレータ1の下部に設けられている13aおよび13bは、それぞれ冷却媒体として使用する冷却水の入口側マニホールド孔および出口側マニホールド孔を示している。
いずれのセパレータ1も同様な形状をしているが、例えば図2の上面がカソード電極4と接している場合には、酸化剤ガスは入口側マニホールド孔11aから入り、溝10を通ってカソード電極4に酸化剤ガスを供給し、反応に関与しなかった酸化剤ガスが出口側マニホールド孔11bより排出される。
また、酸化剤ガスを溝10まで導くために、図示していないが、周辺部に配置されているシート状のシール部材2a,2bとセパレータ1とで形成される溝が設けられており、この溝を通って酸化剤ガスがカソード電極4面に導かれる。
なお、燃料ガスの場合についても、上記酸化剤ガスの場合と同様である。
一方、冷却水は入口側マニホールド孔13aを通り、スタックエンドで折り返して出口側マニホールド孔13bを通り排出される。
カソード電極4側で発生した熱は、セパレータ1を伝導して冷却水へと吸収される。
また、セパレータ1の4隅に開けられた円孔15は、電池スタック全体を締め付けるロッドを通すのに用いる穴である。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータ1に金属製の薄板を用い、その中央部分にプレス加工によって反応ガスの流路となる溝10を設けると共に、その表裏の周辺部にシート状のシール部材2a,2bを配置していることにより、カーボン等の多孔質体からなるセパレータに比べて、金属製のセパレータ1は、薄くても十分な強度を保持し、またシール性が良いため、反応ガスがセパレータ1を透過することをほぼ完全に防止でき、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
また、単電池の厚みを薄くすることができ、コンパクトで軽量かつ量産性のある低コストな電池スタックを得ることができる。
さらに、プレス加工は量産に向いており、カーボンに比べて材料コストが低い金属を用いていることにより、大幅な製造コスト低減を図ることができる。
また、セパレータ1のほぼ中央部分にプレス加工で得られた溝10と、その周辺部に配置された流体のシールを兼ねるシート状のシール部材2a,2bとによって、反応ガスの流路を形成していることにより、部品点数が少ない低コストのセパレータを得ることができる。
さらに、同一のセパレータ1に反応ガスを供給および排出するマニホールド孔11a,11b,12a,12bと電池を冷却する冷却媒体を供給および排出するマニホールド孔13a,13bを備えていることにより、セパレータ1の外部にマニホールドを備えた外部マニホールド型式に比べて、部品点数を大幅に削減することができると共に、プレス加工が可能となり、製造工程の短縮を図ることができる。
すなわち、抜き穴15は、全てプレス加工によって処理されるため、量産性がよく、外部にマニホールドを設置した場合に比べて、部品点数を大幅に少なくすることができ、また組立工程の削減にもつながり、低コストの電池スタックを製造することができる。
上述したように、本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池では、電池スタックの基本構成要素であるセパレータ1を薄くし、かつ強度、流体の不透過性に優れた材料で構成して、コンパクト化、軽量化、システムの簡略化、ならびに低コスト化を図ることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図3は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータ1の構成例を模式的に示す平面図であり、図2と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であり、図3に示すように、前記図2における冷却水入口側,出口側マニホールド孔13a,13bの内部に、セパレータ1の一部13cを突出させる構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、冷却水入口側,出口側マニホールド孔13a,13b内にセパレータ1の一部13cを突出させていることにより、放熱フィンと同様の効果により、熱交換量を多くして、冷却効率を高めて電池スタックの冷却能力を向上させることができる。
すなわち、燃料電池は発電と同時に熱も発生するが、燃料電池を適正な温度で動作させるためには、発生した熱の除去、つまり冷却を行なう必要がある。電池内部のセパレータ1を通って伝わってきた熱は、冷却水入口側,出口側マニホールド孔13a,13b内の冷却水に伝えられるが、この冷却水入口側,出口側マニホールド孔13a,13b内にセパレータ1の一部13cを突出させることによって、伝熱面積を増大すると共に、乱流促進効果によって熱伝達率も増大できるため、冷却能力をより一層向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図4は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であり、図4に示すように、前記図1における冷却媒体用の流路を設けた複数のセパレータ1を、少なくとも2つ以上の積層された単電池の間に挿入する構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、電池の冷却を、単電池の間に挿入された冷却用のセパレータ1により行ない、電池スタックの冷却能力を向上させることができる。
すなわち、セパレータ1を挟んで反対側において、プレス成形された溝と、導電性のスペーサ5およびシール部材2cに囲まれた領域6が冷却水の流路となっている。電気化学反応に伴なって発生した熱は、この冷却水によって電池スタック外部へと運び出されることになる。発電と共に生成される熱は、主にカソード電極4で発生するが、本構成では、冷却水との距離が近くなる、すなわち電池の冷却のために冷却水を発熱部分となるカソード電極4により近づけることができるため、より一層冷却効率を高めて、電池スタックの冷却能力を向上させることができる。
ただし、各単電池毎に冷却用のセパレータ1を挿入する必要はなく、本実施の形態では熱伝導の良い金属製のセパレータ1を用いているため、通常の電池スタックの出力密度では、多くても2個の単電池毎に挿入すれば十分である。これは、各単電池毎にこのような冷却用のセパレータ1を挿入すると、逆に電池スタックの大きさが大きくなり、出力密度が下がるという大きな懸念があるからである。
なお、図4において、この冷却水流路は3個の単電池毎に挿入されているが、このインターバルはこれに限ったものではなく、2個の単電池毎あるいは3個の単電池以上等、電池スタックの出力密度に応じて設ければよいことは言うまでもない。
(第4の実施の形態)
図5および図6は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を模式的に示す縦断面図および平面図であり、図2と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であり、図5および図6に示すように、前記図2におけるマニホールド孔11a,11b,12a,12b,13a,13bの周囲を囲むシール部材2a,2bに接するように、ほぼ均一な高さのセパレータ1の平面部に対して凸状に盛り上がったビード部16を設ける構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ1に設けられた各マニホールド孔11a,11b,12a,12b,13a,13bの周囲にビード部16を設けていることにより、この上に配置されるシール部材2a,2bの押し付け圧力をビード部16に沿って線状に高めることができるため、締め付け圧力が小さくても流体のシール性を格段に向上することができる。これにより、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
また、これらのビード部16は、プレス加工によって処理されるため、量産性がよく、コストアップも最小限に留めることができる。
(第5の実施の形態)
図7は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの溝部分の構成例を模式的に示す拡大縦断面図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であり、図7に示すように、前記図1における金属製の薄板からなるセパレータ1の表面に全面に渡って、耐食性かつ導電性を有するコーティング17を施す構成としている。
ここで、コーティング17の種類としては、例えばカーボン、窒化クロム、ニッケルメッキ、貴金属系金属等のコーティングを適用することができる。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、金属製のセパレータ1の表面に、導電性しかも耐食性を有するコーティング17を施していることにより、長時間に渡ってより安定した出力を得ると共に、低コストのセパレータ1を得ることができる。
すなわち、一般に、セパレータに、ステンレス系やアルミニウム系の耐食性の金属を用いた場合でも、燃料電池の環境下においては、時間と共にその表面に絶縁性の酸化物が成長する。そして、電極との間にこの絶縁性の酸化物が入り込むと、電気的な接触抵抗が増えるために、電池スタックの出力電圧が下がり、出力の低下、効率の低下、廃熱の増加等性能に悪影響を及ぼす。
そこで、セパレータ1の表面に、耐食性のコーティング17を施すことによって、セパレータ1表面における絶縁性の酸化物の形成を防止できる。よって、セパレータ1とアノード電極3またはカソード電極4との接触抵抗の増大を防ぐことができるため、長時間に渡って安定した性能を得ることができる。
(第6の実施の形態)
図8は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの溝部分の構成例を模式的に示す拡大縦断面図であり、図7と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第5の実施の形態と同様であり、図8に示すように、前記図7におけるコーティングを施す場所を、セパレータ1の表面全面ではなく必要な部所だけとし、本実施の形態では、耐食性かつ導電性を有するコーティング18を、アノード電極3およびカソード電極4に接する部分の近傍にのみ施す構成としている。
ここで、コーティング18の種類としては、前記第5の実施の形態と同様に、例えばカーボン、窒化クロム、ニッケルメッキ、貴金属系金属等のコーティングを適用することができる。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第5の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、耐食性かつ導電性を有するコーティング18を、アノード電極3あるいはカソード電極4との接触部分にのみ施していることにより、電気的な接触抵抗が問題となる接触部分のみをコーティングすることによって、全面コーティングを施した場合と同一性能を保ちつつ、コーティング面積を大幅に縮小することによって、コーティングによるコストの上昇を最小限に抑えて、より一層低コストなセパレータ1を得ることができる。
(第7の実施の形態)
図9および図10は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を模式的に示す平面図および縦断面図(図9のA−A縦断面図)であり、図1および図2と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であり、図9および図10に示すように、前記図1および図2におけるセパレータ1の波形状の溝10が形成された中央部分の周囲を囲むように、少なくともこの溝10の高さよりも厚いシート状のシール部材19を配置し、マニホールド孔と中央部分との間をシール部材19の一部を切欠いて(入口側の切り欠き部20a、出口側の切り欠き部20b)、反応ガスの供給通路および排出通路を設ける構成としている。
なお、セパレータ1の溝10の長手方向の両端部には、酸化剤ガスのヘッダー部21となる空間が存在する。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、シール部材19の厚みをプレス加工によって成形した溝10の高さよりも厚くしていることにより、溝10と固体高分子電解質膜9との間に設けられる電極等の厚みを吸収でき、かつシール部材19の潰ししろが確保できるため、より一層確実にシールすることができる。
また、各マニホールド孔11a,11b,12a,12b,13a,13bと溝10との間のシール部材19を切欠いて、反応ガスの流路を確保していることにより、セパレータ1に反応ガスの流路を設ける必要がなくなるため、セパレータ1の厚みを薄くすることができ、より一層コンパクト化が図れると共に、低コスト化することができる。
すなわち、酸化剤ガスは酸化剤ガス入口側マニホールド孔11aから、入口側の切り欠き部20aを通ってヘッダー部21へ導かれ、カソード電極4と接する溝10へ供給される。そして、酸化剤ガス中、反応に利用されなかったガスは反対に位置するヘッダー部21を通り、出口側の切り欠き部20bから出口側マニホールド孔11bへと排気される。また、シール部材19の厚みは、溝10の高さよりも厚く設定され、本実施の形態では、溝10の高さと電極の厚みとを加えた厚さに設定されている。
なお、燃料ガス側、冷却水側についても、酸化剤ガス側と全く同様な方法で、それぞれの溝へ供給され、そして排気されることになる。
このようにして、セパレータ1とシール部材19で反応ガスあるいは冷却水の流路を確保していることにより、部品点数が少ない、低コストな電池スタックの製造が可能となる。
(第8の実施の形態)
図11は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を模式的に示す平面図であり、図9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第7の実施の形態と同様であり、図11に示すように、前記図9におけるシール部材19とセパレータ1の波形状の領域との間に形成される空間部である酸化剤ガスのヘッダー部21に、シール部材19の一部を利用して溝10を流れる反応ガスの流れを制御する手段である突起部22を設ける構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ1に設けられた複数の平行な溝10を利用して反応ガスを反応面に供給する際、シール部材19と溝10との間に反応ガスを通過させるためのヘッダー部21に、ヘッダー部21と相対する二つの突起部22を設けて反応ガスの流れを制御する、すなわち図示矢印のように溝10を酸化剤ガスが一往復半する流れを作り出すことにより、反応ガスを反応部に均一に供給できると共に、反応ガスの流速を相対的に上げることにより、生成水の排出をより一層確実に行なうことができるようになる。従って、安定した性能と長期間に及ぶ信頼性を確保することができるようになる。
なお、燃料ガス側についても、同様な構成により流れの制御を行なうことができる。
また、各ヘッダー部21に複数の突起部を設けることも可能であり、一往復半の流れに限らず、様々な流れのパターを作り出すことができる。
このようにして、セパレータ1とシール部材19という最小限の部品点数によって、確実な反応ガスの供給と流れの制御が行なえるようになるため、低コストで、高い信頼性を持つ高性能の電池スタックを得ることができる。
(第9の実施の形態)
図12は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
図12において、電池スタックは、電池部42と自己加湿部43とから構成され、エンドプレート33および締め付けロッド34によって、電池スタック全体を締め付ける構成としている。
電池部42は、金属製の薄板からなるセパレータ30を挟んで、単電池31を複数個積層してなっている。
また、電池部42の両端には、集電板32を設置し、図示しない外部負荷へと接続している。
一方、自己加湿部43は、燃料ガス用の未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換器35と、酸化剤ガス用の未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換器36とから構成され、各全熱交換器35,35は未反応ガスが流れる未反応ガス流路39と既反応ガスが流れる既反応ガス流路40が、水蒸気を選択的に透過する半透過性膜41を介して接している。
また、図示左側のエンドプレート33には、燃料ガス入口37a、および燃料ガス出口37b、酸化剤ガス入口38a、および酸化剤ガス出口38bをそれぞれ設けている。
図13は、上記自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図である。
図13において、既反応ガスは、本自己加湿部43で加湿された水分と生成水とが含まれており、動作温度に近い温度の通常飽和状態となっている。そして、この既反応ガスと未反応ガスとが半透過性膜41を介して接することにより、湿度交換と熱交換とを同時に行なうようになっている。未反応ガスは、ここで固体高分子電解質膜に必要な量だけ加湿されて、電池スタックへと供給される。
自己加湿部43の加湿セパレータ50は、放熱フィンが必要ないため、電池部42のセパレータ30に見られたように突出部がない。その代り、未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換を行なうために、両者のマニホールド孔が新たに必要である。
45aは未反応ガスのうち燃料ガス用の入口側マニホールド孔を示しており、全熱交換された後に燃料ガス用の出口側マニホールド孔45bへ排出され、電池部42へ供給される。また、45cは既反応ガスの燃料ガス用の入口側マニホールド孔を示し、電池部42から排出されてきた既反応ガスが入口側マニホールド孔45cより流入し、未反応ガスと全熱交換された後に燃料ガス用の出口側マニホールド孔45dから排出される。
一方、酸化剤ガス側についても全く同様であり、46aは酸化剤ガスの入口側マニホールド孔を、46dは酸化剤ガスの出口側マニホールド孔をそれぞれ示している。
なお、各マニホールド孔45b,45c,46b,46cは、それぞれ電池部42のセパレータ30のマニホールド孔と連通している。
図14は、上記電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図である。
図14において、セパレータ30は単電池外部へ突出し、単電池のセパレータ機能と共に放熱フィンとしても機能し、単電池内部で発生した熱を単電池外部へ放熱する役割を果たす。
また、45bは燃料ガス入口側マニホールド孔、45cは燃料ガス出口側マニホールド孔、46bは酸化剤ガス入口側マニホールド孔、46cは酸化剤ガス出口側マニホールド孔、47は締め付けロッドが通る締め付けロッド用穴をそれぞれ示している。
なお、10はカソード電極側の時は酸化剤ガスが通る溝、アノード電極側の時は燃料ガスが通る前記溝を示している。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータ30に熱伝導率のよい金属製の薄板を用いていることにより、セパレータ30を空冷の放熱フィンとして利用できるようになるため、セパレータ30を空冷式の放熱フィンとすることができ、電気化学反応によって生成された熱を簡単に大気へと逃がすことができる。
この空冷式を採用すると、冷却水が不要となり、冷却水循環のための配管、ポンプ等が不要となり、システムが簡素化できると共に、電池内部の冷却水マニホールド孔が不要となり、コンパクトなシステム、電池スタックを得ることができる。
また、冷却水を用いていないので、環境条件が0℃以下になるような寒冷地においても、凍結の心配がなく、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
さらに、金属製のセパレータ30は、多孔質材のカーボンに比べてガスのシール性が良いため、より一層薄いセパレータとすることができ、より一層コンパクトな電池スタックを得ることができる。
一方、冷却水を未反応ガスの加湿に利用する場合が一般的であったが、本電池スタックでは空冷で冷却水がないため、これを利用することができない。しかし、自己加湿部43を有しているため、新たに加湿用の水源を設置する必要がなく、タンク、ポンプ等が不要となり、電池スタックをコンパクト化することができる。
すなわち、水蒸気を選択的に透過する半透過性膜41を介して既反応ガスと未反応ガスを接触させる全熱交換器35,36を設けていることにより、既反応ガスに含まれる反応生成水を利用して反応ガスを加湿できるため、新たに加湿水を供給するシステムが不要となる。これにより、電池スタックの構造をより一層簡略化し、低コスト化できると共に、冷却水が不要となるため、メンテナンスが不要となり、寒冷地における凍結の心配がない信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
上述したように、本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、反応ガスを加湿するために必要な冷却水を不要として、システムの信頼性、およびメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
(第10の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、前記第9の実施の形態におけるセパレータ30に、熱伝導率がよくかつ低コストな材料である、銅系の金属、またはアルミニウム系の金属を用いる構成としている。さらに、その表面には、腐食によって不動態膜が形成されるのを防止するために、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施している。もちろん、自己加湿部セパレータ50は集電部の外にあるために、導電性のコーティングではなく、高分子材料やテフロン(登録商標)系の非導電性のものであっても構わない。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ30に耐食性かつ導電性を有するコーティングを施した銅系またはアルミニウム系の金属板を用いていることにより、これらの金属板は熱伝導率が良いため、効率よく熱を移動させることができ、セパレータ30をより一層薄い材料で構成することができる。これにより、電池スタックをより一層コンパクト化することができる。
すなわち、熱伝導率が大きいセパレータ30を用いると、セパレータ30内の熱抵抗が小さくなるため、セパレータ30を通って外気への熱伝達がより一層効率よく行なえるため、より一層金属性のセパレータ30をより薄くすることができ、電池スタックをコンパクト化することができる。そして、コーティングを施すことによって、長時間の使用においても電圧の低下のない、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
(第11の実施の形態)
図15は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図、図16は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図、図1717は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図15乃至図17に示すように、前記図12乃至図14における全熱交換手段を、未反応の酸化剤ガスと既反応の酸化剤ガスを半透過性の膜41を介して接触させる構成としている。
ここでは、燃料ガス側の全熱交換器がない構成としている。
これは、酸化剤ガスと燃料ガスの流量比率は、圧倒的に酸化剤ガスの方が大きく、また生成水はカソード電極である酸化剤ガス側に排出されるために、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、ほぼ目的とする性能が得られることになるからである。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段として、未反応酸化剤ガスと既反応酸化剤ガスとの全熱交換手段を設けていることにより、十分に反応ガスを加湿することができる。
すなわち、酸化剤ガス入口側マニホールド孔46aから流入した未反応酸化剤ガスは、既反応ガスと全熱交換された後に酸化剤ガス出口側マニホールド孔46bへ排出され、電池部42のマニホールド孔46bへ流入する。電池部42においてマニホールド孔46bへ排出された既反応ガスは、自己加湿部43においてマニホールド孔46cから流入し、未反応ガスと全熱交換後にマニホールド孔46dへと排出される。
一方、燃料ガスは、自己加湿部43においては全熱交換されずに、未反応燃料ガスは自己加湿部43の燃料ガス入口側マニホールド孔45aから流入し、直接電池部42の入口側マニホールド孔45aへ導かれ、反応後に電池部42および自己加湿部43の出口側マニホールド孔45bへ排出される。
このように、自己加湿部43の燃料ガス全熱交換部が不要となり、また自己加湿部43の加湿部セパレータ50のマニホールド孔が少なくなるため、より一層スタックをコンパクト化することができる。
すなわち、酸化剤ガスは燃料ガスよりも多量に供給されるため、電池内部の水蒸気量は主に酸化剤ガスに含まれる水蒸気量によって制御される。さらに、生成水は酸化剤ガス側に排出されるため、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、実用上十分に反応ガスを加湿することができる。これにより、より一層コンパクトな電池スタックを得ることができる。
(第12の実施の形態)
図18は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図、図19は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図18および図19に示すように、前記図12乃至図14における全熱交換手段を、未反応ガスと既反応ガスが互いに対向して流れるように、未反応ガスの入口部および出口部が既反応ガスの入口部および出口部と互いに相対向するように配置する構成としている。
ここでは、自己加湿部43の全熱交換部について、未反応ガスの流れと既反応ガスの流れがお互い対向するようにしている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換部は、未反応ガスと既反応ガスを互いに対向して流すように、それぞれのガスの入口部および出口部を相対向する位置に設けていることにより、対向型の熱交換あるいは湿度交換方式として、同一の全熱交換効率にて電池スタックのより一層のコンパクト化を図ることができる。
すなわち、酸化剤ガス入口側マニホールド孔46aから流入した未反応酸化剤ガスは、溝10を図示左から右へ流れて、既反応ガスと全熱交換された後に、酸化剤ガス出口側マニホールド孔46bへ排出され、電池部42のマニホールド孔46bへ流入する。電池部42においては、マニホールド孔46bへ排出された既反応ガスは、自己加湿部43においてマニホールド孔46cから流入し、溝10を図示右から左へと流れて、未反応ガスと全熱交換後にマニホールド孔46dへと排出される。
一方、燃料ガスも同様に、燃料ガス入口側マニホールド孔45aから流入した未反応燃料ガスは、溝10を図示右から左へ流れて、既反応ガスと全熱交換された後、マニホールド孔45bへ排出され、電池部42のマニホールド孔45bへ流入する。電池部42においては、マニホールド孔45cへ排出された既反応ガスは、自己加湿部43においてマニホールド孔45cから流入し、溝10を図示左から右へと流れて、未反応ガスと全熱交換後にマニホールド孔46dへと排出される。
このように、自己加湿部43の未反応ガスと既反応ガスの流れをお互い対向させることによって、熱交換効率、湿度交換効率をより向上させ、電池スタックの大きさをより一層コンパクトにすることができる。
なお、本実施の形態においても、もちろん燃料ガス側の全熱交換部を省略することも可能であり、さらなるコンパクト化が図れることは言うまでもない。
(第13の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、前記第9の実施の形態における全熱交換手段を、単電池の積層方向と同一方向に積層された複数の全熱交換器から構成している。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段は、複数の全熱交換器を、単電池のセパレータと同一方向に積層した構成としていることにより、電池部42の電池スタックと一体化し、スペースを有効利用することによって、電池スタック全体をより一層コンパクト化することができる。
すなわち、電池スタックの一部に全熱交換器を設ける際に、様々な配置が考えられるが、本実施の形態では、電池部42の単電池31の積層方向と同一方向に全熱交換器35,36を積層配置していることにより、電池部42との一体化が可能となり、スペースを有効に利用できることから、より一層コンパクトな電池スタックを得ることができる。
(第14の実施の形態)
図20は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図20に示すように、前記図12乃至図14における単電池外部に突出したセパレータ30の表面部分に、電気絶縁性を有するコーティング51を施す構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ30の突出部分に、電気絶縁性を有するコーティング51を施していることにより、各セパレータ30は短絡を防止するためにお互い接触しないように配置されているが、予期せぬ外的な力が加わってセパレータ30が変形して接触という事態になっても、電気絶縁性を有するコーティング51によって、短絡を防止することができ、また素手で触れても感電するという危険がなくなる。
すなわち、外部に突出したセパレータ30は、外的要因によって変形し易く、変形した場合には隣接するセパレータ30がお互い接触して、短絡事故につながる恐れがある。従って、単電池外部に突出したセパレータ30の表面に電気絶縁性を有するコーティング51を施すことによって、たとえセパレータ30同志が接触しても、短絡事故を防止することができ、もってより一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
なお、上記コーティング51は、片面に施しただけでも効果があるが、もちろん両面に施すようにしてもよい。
(第15の実施の形態)
図21は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図21に示すように、前記図12乃至図14における電池部42の外部に張り出されたセパレータ30の突出部分の間に形成された各空間の一部に、電気絶縁性を有するスペーサ52を配置する構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ30の突出部分の間に形成された空間に、電気絶縁性を有するスペーサ52を配置していることにより、セパレータ30が外部要因によって変形しても、セパレータ30同士が接触することを防止でき、短絡事故を回避することができる。従って、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
なお、上記スペーサ52は、本実施の形態に限定されるものではなく、セパレータの表面に絶縁性の突起を設けたものでも、同様の効果が期待できることは言うまでもない。
(第16の実施の形態)
図22は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図22に示すように、前記図12乃至図14におけるセパレータ30の突出部分の先端に接するように、電気絶縁性を有する支持体53を配置する構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、電池部42の外部に突出したセパレータ30の先端部に、セパレータ30を支持固定する電気絶縁性を有する支持体52を設けていることにより、セパレータ30が外部要因によって変形しても、セパレータ30同士が接触することを防止でき、短絡事故を回避することができる。従って、より一層信頼性の高いスタックを得ることができる。
なお、上記支持体52は、本実施の形態に限定されるものではなく、セパレータ30の先端部に独立して複数の絶縁部材を取り付けても同様の効果が期待できることは言うまでもない。
(第17の実施の形態)
図23は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図、図24は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図23および図24に示すように、前記図12乃至図14における固体高分子電解質膜を介して隣接するアノード電極に流れる燃料ガスとカソード電極に流れる酸化剤ガスが互いに対向して流れるように、それぞれのガスの入口部および出口部を互いに相対するように、電池部42および自己加湿部43のマニホールド孔を設ける構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、アノード電極に流れる燃料ガスとカソード電極を流れる酸化剤ガスが互いに対向して流れるように、それぞれの入口部および出口部を互いに相対向して配置していることにより、反応ガスの加湿を効果的に行なうことができる。
固体高分子電解質膜は、水の透過性があることが知られているが、この性質を利用して、電池部42において酸化剤ガスと燃料ガスとの部分的な湿度交換と熱交換をさせることができる。
すなわち、酸化剤入口側マニホールド孔46aから流入した未反応酸化剤ガスは、溝10を図示左から右へ流れて、既反応ガスと全熱交換された後に、酸化剤ガス出口側マニホールド孔46bへ排出され、電池部42のマニホールド孔46bへ流入する。
一方、燃料ガスも同様に、燃料ガス入口側マニホールド孔45aから流入した未反応燃料ガスは、溝10を図示右から左へ流れて、既反応ガスと全熱交換された後、マニホールド孔45bへ排出され、電池部42のマニホールド孔45bへ流入する。電池部42においては、マニホールド孔46bに流入した酸化剤ガスは、溝10を図示上から下へのリターンフローとして流れ、反応後にマニホールド孔46cへ排出される。また、これに固体高分子電解質膜を介して隣接する燃料ガスについては、マニホールド孔45bから流入し、溝10を図示下から上へのリターンフローとして流れ、反応後にマニホールド孔45cへ排出される。
このように、電池部42においては、酸化剤ガスと燃料ガスは互いに相対向するように流れることになる。そして、電池部42から排出されたそれぞれのガスは、自己加湿部43で全熱交換されて、電池スタックから排出される。これにより、電池部42のセパレータ30上部においては、未反応の酸化剤ガスと既反応の燃料ガスとが隣接し、また電池部42のセパレータ30下部においては、未反応の燃料ガスと既反応の酸化剤ガスとが隣接することとなり、これら流体間で全熱交換が効率的に行なわれることになる。
この結果、自己加湿部43の全熱交換部の役割を一部補完することができ、同全熱交換部の容積を小さくすることができ、もってより一層コンパクトなスタックを得ることができる。
(第18の実施の形態)
図25は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図、図16は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図25および図26に示すように、前記図12乃至図14におけるセパレータ30は、酸化剤ガスの入口側にその突出部を設ける構成としている。
ここでは、電池部42の外部に突出したセパレータ30は、スタックの下部のみであり、上部にはセパレータ30は張り出していない。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、セパレータ30の突出部分を酸化剤ガスの入口側に設けていることにより、安定した信頼性の高いスタックを得ることができる。
すなわち、スタック下部には、図26に示すように、酸化剤ガスの入口部が隣接しており、酸化剤ガスが図示下から上へ向かって流れるようになっている。電池内部では、反応が進むにつれてカソード電極側に水が生成されるが、周囲の雰囲気が水蒸気飽和状態となっている場合には生成水は凝縮し、これがカソード電極に滞留して、反応面にガスが到達し難くなる現象、つまりフラッディングと称される現象が生じることが知られている。このフラッディングは、反応ガスの反応面への拡散性を阻害し、電池性能の悪化を引き起こす原因となる。
この点、本実施の形態においては、酸化剤ガスの入口側をセパレータ30の放熱フィンで冷却することにより、入口部から出口部にかけて温度が上昇するように温度勾配をつけることができる。当然、酸化剤ガスの温度も入口から出口にかけて徐々に上昇することになり、この温度上昇につれて、水蒸気分圧が上昇し、酸化剤ガスへの水蒸気の吸収量がより多くなる。
これにより、反応が進むにしたがって生成された水も、酸化剤ガス中に吸収できるようになるため、生成水の凝縮を防止でき、フラッディングといった問題を回避することができる。従って、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
(第19の実施の形態)
図27は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図、図28は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図12乃至図14と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第9の実施の形態と同様であり、図27および図28に示すように、前記図12乃至図14における電池スタックを、単電池が垂直方向となるように設置し、燃料ガス入口部を上部に、出口部を下部に配置する構成としている。
ここでは、電池部42において、アノード電極側の水の排出をスムーズにするように、垂直方向に設置された単電池内部の燃料ガスの流れが図示上から下へ流れるように構成している。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、積層された単電池が垂直方向となるように設置され、かつ燃料ガスの入口部が上部に、出口部が下部に配置されていることにより、安定した信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、燃料ガスは、電池部42のセパレータ30下部の燃料ガス入口側マニホールド孔45bから流入し、溝10を図示上から下へとリターンフローを繰り返しながら流れて反応し、出口側マニホールド孔45cへと排出される。燃料ガスは、酸化剤ガスに比べて流量が少なく、かつ反応によってさらに流量が少なくなるため、アノード電極側に浸透してきた水が凝縮した場合、特に負荷変動時のような非定常状態においてよく見られるが、勢い良く水を押し流すことができない。従って、下から上へと流した場合には、電池内部に水が滞留し、各単電池への均等な配流や、安定した燃料ガスの供給が阻害され、電池の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
この点、本実施の形態においては、図28に示すように、燃料ガスを図示上から下へと流すことにより、水の排出をスムーズにすることによって、電池内部での水の滞留を防ぎ、安定した良好な性能を得ることができる。従って、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、発電時、運転条件によっては、燃料ガス側に透過してきた生成水が凝縮する可能性があるが、出口側において反応による燃料ガスの消費でガス流量が減少しても、上部から下部へ流れるために、凝縮水を滞留させずに電池の外部へ排出することができる。従って、燃料ガス側におけるフラッディングを防止でき、安定した信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
(第20の実施の形態)
図29は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
図29において、スタックは、電池部42と自己加湿部43とから構成され、エンドプレート33および締め付けロッド34によって、電池スタック全体を締め付ける構成としている。
電池部42は、金属製の薄板からなるセパレータ30を挟んで、単電池31および冷却ジャケット63を複数個積層してなっている。
また、電池部42の両端には、集電板32を設置し、図示しない外部負荷へと接続している。
一方、自己加湿部43は、燃料ガス用の未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換器35と、酸化剤ガス用の未反応ガスと既反応ガスとの全熱交換器36とから構成され、各全熱交換器35,35は未反応ガスが流れる未反応ガス流路39と既反応ガスが流れる既反応ガス流路40が、水蒸気を選択的に透過する半透過性膜41を介して接している。
また、図示左側のエンドプレート33には、燃料ガス入口37a、および燃料ガス出口37b、酸化剤ガス入口38a、および酸化剤ガス出口38bをそれぞれ設けている。
さらに、図示右側のエンドプレート33には、冷却媒体入口60、冷却媒体出口61をそれぞれ設けている。
図30は、上記電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図である。
図30において、セパレータ30の周辺部には、酸化剤ガス入口側マニホールド孔46b、酸化剤ガス出口側マニホールド孔46c、燃料ガス入口側マニホールド孔45b、燃料ガス出口側マニホールド孔45c、締め付けロッドが通る締め付けロッド用穴47をそれぞれ設けている。
また、冷却媒体用の入口側マニホールド孔62a、出口側マニホールド孔62bが開けられており、冷却媒体入口側マニホールド孔62aより流入した冷却媒体は、溝10を通って冷却媒体出口側マニホールド孔62bへと排出されるようになっている。
さらに、冷却媒体は集電板32で仕切られ、自己加湿部43には入り込まない構成としている。
なお、本実施の形態では、冷却媒体として水を用いずに、凝固点が0℃以下の電気的に非導電性を有する液体を用いる場合のシステム構成例について示している。
図31は、上記自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図である。
図31において、既反応ガスは、本自己加湿部43で加湿された水分と生成水とが含まれており、動作温度に近い温度の通常飽和状態となっている。そして、この既反応ガスと未反応ガスが半透過性膜41を介して接することにより、湿度交換と熱交換とを同時に行なうようになっている。未反応ガスは、ここで固体高分子電解質膜に必要な量だけ加湿されて、電池スタックへと供給される。
また、未反応ガスと既反応ガスの全熱交換を行なうために、両者のマニホールド孔が新たに必要である。
45aは未反応ガスのうち燃料ガス用の入口側マニホールド孔を示しており、全熱交換された後に燃料ガス用の出口側マニホールド孔45bへ排出され、電池部42へ供給される。また、45cは既反応ガスの燃料ガス用の入口側マニホールド孔を示し、電池部42から排出されてきた既反応ガスが入口側マニホールド孔45cより流入し、未反応ガスと全熱交換された後に燃料ガス用の出口側マニホールド孔45dから排出される。
一方、酸化剤ガス側についても全く同様であり、46aは酸化剤ガスの入口側マニホールド孔を、46dは酸化剤ガスの出口側マニホールド孔をそれぞれ示している。
なお、各マニホールド孔45b,45c,46b,46cは、それぞれ電池部42のセパレータ30のマニホールド孔と連通している。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータ30を金属製の薄板で構成し、電池スタックの内部に凝固点が0℃以下でかつ電気的に非導電性を有する冷却媒体の流路を設けると共に、電池スタックの一部に既反応ガスに含まれる生成水を未反応ガスの加湿に利用できるように全熱交換器35,36を設けていることにより、冷却媒体がセパレータ30を透過して反応部へ浸透する恐れがなくなるため、純水以外の冷却媒体を使用することができる。
すなわち、電池スタックは、その用途によっては、周辺環境が0℃以下の低温下でも良好に動作する必要がある。この場合、冷却媒体として水を用いた場合には、電池が動作していない時に電池内部の水が凍結し、特に冷却水マニホールド内やセパレータの溝(流路)のように水が密閉されたような状態にある箇所において、凍結時の水の膨張によって電池スタックが破壊される恐れがある。
この点、本実施の形態では、セパレータ30に金属製の薄板を用いていることにより、水以外の冷却媒体を用いても、カーボンの多孔質体のように反応部へ冷却媒体が不純物としてしみ出すことはなく、電池の動作に悪影響を及ぼすことはない。また、凝固点が0℃以下の水以外の液体を冷却媒体として用いていることにより、寒冷地における使用条件下においても凍結という問題を回避することができる。
この場合、自己加湿部43には水分が存在するが、電池の動作中は水蒸気の形で存在し、動作終了後に温度が下がって凝縮してもその量は僅かであり、流路やマニホールドを埋めるようなことにはならないため、凍結しても大きな問題とはならない。
ここで用いる冷却媒体としては、例えばエチレングリコール水溶液が、最も一般的である。もちろん、代替フロンのような潜熱を利用したシステムも用いることができる。さらに、ヒートポンプの熱源としても用いることができ、この場合には廃熱を暖房用として用いたり、また廃熱温度より高温の給湯水を作り出すこともできる。
また、タックは、自己加湿部43を有していることにより、反応で生じた生成水を反応ガスの加湿に利用するために、これまでのように冷却水を加湿源とする必要がなく、また新たな加湿源を加える必要もないため、システムを単純化できると共に、低コストかつコンパクト化することができる。
上述したように、本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池では、セパレータ30を金属で構成しているので、冷却媒体がセパレータ30を透過して反応部へ浸透する恐れがなくなるため、純水以外の冷却媒体の使用が可能となる。従って、冷却媒体を自由に選択できるため、冷却媒体の凝固点が0℃以下のものを用いると、寒冷地における凍結という問題が防止でき、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
また、反応で生じた生成水を反応ガスの加湿に利用しているので、新たな加湿源となる水が必要なくなるため、システムを単純化でき、低コストでコンパクトな電池スタックを得ることができる。
(第21の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第20の実施の形態と同様であり、前記第20の実施の形態におけるセパレータ30の表面に、腐食によって不動態膜が形成されるのを防止するために、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施す構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第9の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、金属製のセパレータ30の表面に、導電性でしかも耐食性を有するコティング施していることにより、セパレータ30表面における絶縁性の酸化物の形成を防止できるため、接触抵抗の増大を防ぐことができ、長時間に渡って安定した性能を得ることができる。
従って、セパレータ30にとってはかなり過酷な状態である電池内部においても、耐食性のコーティングによって、長時間に渡ってより安定した性能を得ると共に、より一層低コストのセパレータ30を得ることができる。
(第22の実施の形態)
図32は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図、図33は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図、図34は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部43のセパレータ50の構成例を模式的に示す平面図であり、図29乃至図31と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第20の実施の形態と同様であり、図32乃至図34に示すように、図29乃至図31における全熱交換手段を、未反応の酸化剤ガスと既反応の酸化剤ガスを半透過性の膜41を介して接触させる構成としている。
ここでは、燃料ガス側の全熱交換器がない構成としている。
これは、酸化剤ガスと燃料ガスの流量比率は、圧倒的に酸化剤ガスの方が大きく、また生成水はカソード電極である酸化剤ガス側に排出されるために、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、ほぼ目的とする性能が得られることになるからである。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第20の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、全熱交換手段として、未反応酸化剤ガスと既反応酸化剤ガスとの全熱交換手段を設けていることにより、十分な反応ガスの加湿を行なうことができる。
すなわち、酸化剤ガス入口側マニホールド孔46aから流入した未反応酸化剤ガスは、既反応ガスと全熱交換された後に酸化剤ガス出口側マニホールド孔46bへ排出され、電池部42のマニホールド孔46bへ流入する。電池部42においてマニホールド孔46bへ排出された既反応ガスは、自己加湿部43においてマニホールド孔46cから流入し、未反応ガスと全熱交換後にマニホールド孔46dへと排出される。
一方、燃料ガスは、自己加湿部43においては全熱交換されずに、未反応燃料ガスは自己加湿部43の燃料ガス入口側マニホールド孔45aから流入し、直接電池部42の入口側マニホールド孔45aへ導かれ、反応後に電池部42および自己加湿部43の出口側マニホールド孔45bへ排出される。
このように、自己加湿部43の燃料ガス全熱交換部が不要となり、また自己加湿部43の加湿部セパレータ50のマニホールド孔が少なくなるため、より一層電池スタックをコンパクト化することができる。
すなわち、酸化剤ガスは燃料ガスよりも多量に供給されるため、電池内部の水蒸気量は主に酸化剤ガスに含まれる水蒸気量によって制御される。さらに、生成水は酸化剤ガス側に排出されるため、酸化剤ガスだけを全熱交換することによって、実用上十分に反応ガスを加湿することができる。これにより、より一層コンパクトな電池スタックを得ることができる。
また、電池部42においても、自己加湿部43のコンパクト化に応じて、冷却媒体用の入口側マニホールド孔62aおよび出口側マニホールド孔62bを、セパレータ30の下部に配置していることにより、セパレータ30の大きさをより一層小さくすることができ、電池スタックのより一層のコンパクト化を図ることができる。
(第23の実施の形態)
図35は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図、図36は本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部42のセパレータ30の構成例を模式的に示す平面図であり、図29乃至図31と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、基本的な構成は前記第20の実施の形態と同様であり、図35および図36に示すように、図29乃至図31における冷却媒体の入口マニホールド孔62aおよび出口マニホールド孔62bの内部に、セパレータ30の一部を突出させる(セパレータ突出部64)構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第20の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、冷却媒体のマニホールド孔62a,62b内にセパレータ30の一部を突出させていることにより、セパレータ30と冷却媒体との伝熱面積を増加させて、冷却効率を上げることができる。これにより、積層された単電池31間に挿入していた冷却媒体流路を省略することができ、電池スタックを大幅にコンパクト化することができる。
すなわち、セパレータ突出部64がない場合には、セパレータ30から冷却媒体への伝熱面積がマニホールドの周囲長さとセパレータ30の肉厚部分とを掛け合わせただけであるのに対して、セパレータ突出部64の面積が加算されることになり、伝熱面積を大幅に拡大することができる。これにより、セパレータ30から冷却媒体への伝熱量を多くすることができ、熱伝導率が高い金属製のセパレータ30−を用いることにより、図36に示すように、積層された単電池31の間に冷却媒体の流路を設けなくても、スタックの冷却を十分に行なうことができる。従って、電池スタックを大幅にコンパクト化することができる。
なお、上記セパレータ突出部64は、図36R>6に示すような形状のものに限られるわけではなく、突起状のものやメッシュ状のものであっても構わない。
(第24の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第20乃至第23の実施の形態と同様であり、前記冷却媒体の流路に、電気絶縁性を有するコーティングを施す構成としている。
ここでは、前記図33の実施の形態における冷却媒体入口側マニホールド孔62aおよび出口側マニホールド孔62b内の冷却媒体に接触する箇所に、電気絶縁性を有するコーティングを施す構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第20乃至第23の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、冷却媒体入口側マニホールド孔62aおよび出口側マニホールド孔62b内の冷却媒体に接触する箇所に、電気絶縁性を有するコーティングを施していることにより、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
すなわち、冷却媒体の種類によっては、電気絶縁性の悪い冷却媒体やまた導電性の冷却媒体も存在し、このような冷却媒体を用いると電池が短絡し、冷却媒体として用いることができない。また、電気絶縁性を有する冷却媒体を用いた場合でも、冷却媒体の中にイオン等の不純物が混入して、絶縁性が悪化し、短絡という事故につながる恐れもある。
この点、本実施の形態では、冷却媒体が接する箇所に電気絶縁性を有するコーティングを施していることにより、どのような冷却媒体に対しても、短絡という事故を防止することができ、より一層信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
(第25の実施の形態)
図37は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部カソード電極側のセパレータの構成例を模式的に示す平面図である。
図37において、展延性を有する金属製の薄板からなるセパレータ70には、締め付け用ロッドが通る締め付けロッド用穴71、燃料ガス入口側マニホールド孔72a、および燃料ガス出口側マニホールド孔72bを設けてあり、燃料ガスはカソード電極側ではシールされている。
ここで、セパレータ70の肉厚としては、通常0.3mm〜1mm程度が好ましい。そして、この程度の肉厚でも、金属製の板を用いることにより、強度的に十分強い、しかもガスシール性が良いセパレータを得ることができる。
また、セパレータ70には、酸化剤ガス入口側マニホールド孔73a、および酸化剤ガス出口側マニホールド孔73bを設けており、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口側マニホールド孔73aから流出し、セパレータ70の中央部に設けられた酸化剤ガス用サーペンタイン状の流路(溝)74を通って反応面に供給され、既反応ガスとして、酸化剤ガス出口側マニホールド孔73bへ排出されるようになっている。
なお、セパレータ70は、酸化剤ガス用サーペンタイン流路74が設けられた中央部から大きく張り出し、空冷用のフィンとしても利用されるようになっている。
図38は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部アノード電極側のセパレータの構成例を模式的に示す平面図であり、図37で示した面の裏面に相当するアノード電極面の平面図を示している。なお、図37と同一要素には同一符号を付して示している。
図38において、燃料ガスは、セパレータ70に設けられた燃料ガス入口側マニホールド孔72aから流入し、セパレータ70の中央部に設けられた燃料ガス用サーペンタイン状の流路(溝)75を通って反応面に供給され、既反応ガスとして、燃料ガス出口側マニホールド孔72bへ排出されるようになっている。
図39は、本実施の形態による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
図39において、固体高分子電解質膜76とこの固体高分子電解質膜76を挟んで配置されたアノード電極77およびカソード電極78とから、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を構成し、さらにこの単電池を上記セパレータ70を介して複数個積層して電池スタックを構成している。
また、セパレータ70の両面には、プレス加工により成形された燃料ガス用サーペンタイン流路(溝)79、酸化剤ガス用サーペンタイン流路(溝)80を設けており、さらにこれらの溝が形成されたセパレータ70中央部分の周囲には、シート状のシール部材81を配置している。
なお、燃料ガス用サーペンタイン流路(溝)79、酸化剤ガス用サーペンタイン流路(溝)80の山の高さは、基材の厚みよりも高くなっているが、これは展延性を有する基材を用いてプレス加工によって谷を形成した際に、谷に相当する部分に存在した基材が押し込まれて、サイドに盛り上がったことにより高くなったものであり、結果的にこの部分も溝の一部として利用することができる。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、セパレータ70に展延性を有する金属製の薄板を用い、そのほぼ中央部分に薄板の厚みよりも浅い複数の燃料ガス用サーペンタイン流路(溝)79、酸化剤ガス用サーペンタイン流路(溝)80を設けると共に、その周辺部にシート状のシール部材81を配置していることにより、薄いセパレータ70に十分な強度を持たせ、また反応ガスがセパレータ70を透過することを防止することができ、さらに生成水を効率よく電池外部に排出することができる。
また、溝の深さは薄板の厚みよりも浅いために、プレス加工によっても、両面に形成された溝同志がお互い干渉しないように、すなわち溝を形成する面とは反対側の面には変形を生じないように、サーペンタイン状の溝を形成することができる。
さらに、プレスによる溝の形成に伴なって押し退けられた部分は、溝の両側が均等に盛り上がるように変形するため、結果的にこの部分も溝の一部として利用することができる。これにより、大量生産に向く、低コストでかつシンプルな構成、しかもコンパクトな電池スタックを得ることが可能となる。
なお、本実施の形態の構成は前述のものに限定されるものではなく、カソード電極側とアノード電極側のセパレータを分割し、片面のみにプレス加工によってサーペンタイン状の流路(溝)を形成し、これらを組み合わせたものを使用するようにしても、同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
また、空冷の他に、冷却水による冷却、水以外の冷却媒体による冷却ももちろん可能である。
(第26の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第25の実施の形態と同様であり、前記第25の実施の形態におけるセパレータ70を構成する展延性を有する金属製の薄板として、熱伝導率がよくかつ低コストな材料である、銅系の金属板、またはアルミニウム系の金属板を用いる構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第25の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、展延性を有する金属製の薄板に、銅系またはアルミニウム系の金属板を用いていることにより、これらの金属板は特に展延性があり、プレス加工を容易に行なうことができる。
また、熱伝導性が良好であるため、電池スタックの冷却をより一層効率的に行なうことができる。
さらに、これらの金属は金額的に安いため、低コストな電池スタックを得ることができる。
これにより、金属製のセパレータ70をより一層薄くすることができ、電池スタックのコンパクト化が可能になると共に、長時間の使用においても電圧の低下のない、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
(第27の実施の形態)
本実施の形態の基本的な構成は前記第25の実施の形態と同様であり、前記第25の実施の形態におけるセパレータ70を構成する展延性を有する金属製の薄板の表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施す構成としている。
以上のように構成した本実施の形態の電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池においては、前記第25の実施の形態と同様の作用を奏するのに加えて、展延性を有する金属製の薄板に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施していることにより、金属の酸化皮膜である不動態の形成を阻止でき、長時間に渡ってより安定した出力を得ると共に、低コストのセパレータを得ることができる。
これにより、金属製のセパレータ70をより一層薄くすることができ、電池スタックを備えたスタックのコンパクト化が可能になると共に、長時間の使用においても電圧の低下のない、信頼性の高い電池スタックを得ることができる。
本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第1の実施の形態を示す縦断面図。 同第1の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第2の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第3の実施の形態を示す縦断面図。 本発明の第4の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第4の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を示す縦断面図。 本発明の第5の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータ近傍の構成例を示す縦断面。 本発明の第6の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるセパレータの構成例を示す拡大断面図。 本発明の第7の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるカソード電極側のシート状シール部材の構成例を示す平面図。 本発明の第7の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池構成部の一例を示す縦断面図。 本発明の第8の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおけるカソード電極側のシート状シール部材の構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第9の実施の形態を示す縦断面図。 同第9の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第9の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第11の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第11の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第11の実施の形態を示す縦断面図。 本発明の第12の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第12の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第14の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第15の実施の形態を示す縦断面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第16の実施の形態を示す縦断面図。 本発明の第17の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第17の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第18の実施の形態を示す縦断面図。 同第18の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第19の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第19の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第20の実施の形態を示す縦断面図。 同第20の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第20の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第22の実施の形態を示す縦断面図。 同第22の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 同第22の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける自己加湿部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第23の実施の形態を示す縦断面図。 同第23の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部のセパレータの構成例を示す平面図。 本発明の第25の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部カソードサイドのセパレータの構成例を示す平面図。 同第25の実施の形態の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックにおける電池部アノードサイドのセパレータの構成例を示す平面図。 本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの第25の実施の形態を示す縦断面図。 従来の固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの基本的構成(単電池構成)の一例を示す概要図。 カーボン板を用いた固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの構成例を示す概要図。 カーボン板を用いた固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックの単電池の構成例を示す概要図。 カーボン板を用いた固体高分子電解質型燃料電池の電池スタックのセパレータの構成例を示す平面図。
符号の説明
1…セパレータ、
2a,2b,2c…シール部材、
3…アノード電極、
4…カソード電極、
5…スペーサ、
6…冷却水流路、
7…燃料ガス流路、
8…酸化剤ガス流路、
9…固体高分子電解質膜、
10…波形状の溝、
11a,11b…酸化剤ガス入口側,出口側マニホールド孔、
12a,12b…燃料ガス入口側,出口側マニホールド孔、
13a,13b…冷却水入口側,出口側マニホールド孔、
15…締め付けロッド用穴、
16…ビード部、
17…コーティング、
18…コーティング、
19…シール部材、
20a,20b…切り欠き部、
21…反応ガスヘッダー部、
22…突起部、
30…セパレータ、
31…単電池、
32…集電板、
33…エンドプレート、
34…締め付けロッド、
35…燃料ガス用全熱交換器、
36…酸化剤ガス用全熱交換器、
37a,37b…燃料ガス入口,出口、
38a,38b…酸化剤ガス入口,出口、
39…未反応ガス流路、
40…既反応ガス流路、
41…水蒸気半透過性膜、
42…電池部、
43…自己加湿部、
45a,45b,45c,45d…電池部42、自己加湿部43の燃料ガス入口側,出口側マニホールド孔、
46a,46b,46c,46d…電池部42、自己加湿部43の酸化剤ガス入口側,出口側マニホールド孔、
47…締め付けロッド用穴、
50…セパレータ、
51…コーティング、
52…スペーサ、
53…支持体、
60…冷却媒体入口、
61…冷却媒体出口、
62a,62b…冷却媒体入口側マニホールド孔,出口側マニホールド孔、
63…冷却ジャケット、
64…セパレータ突出部、
70…セパレータ、
71…締め付けロッド用穴、
72a,72b…燃料ガス用入口側,出口側マニホールド孔、
73a,73b…酸化剤ガス用入口側,出口側マニホールド孔、
74…酸化剤ガス用サーペンタイン流路、
75…燃料ガス用サーペンタイン流路、
76…固体高分子電解質膜、
77…アノード電極、
78…カソード電極、
79…燃料ガス用サーペンタイン流路、
80…酸化剤ガス用サーペンタイン流路、
81…シール部材。

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜と当該固体高分子電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極とからなり、反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学的反応により電気的出力を発生する単電池を、セパレータを介して複数個積層して構成される電池スタックを備えた固体高分子電解質型燃料電池において、前記セパレータを展延性を有する金属製の薄板で構成し、前記セパレータの中央部分に、プレス加工によって少なくとも片面に当該セパレータの厚みよりも浅い複数のサーペンタイン状の溝を形成して、前記燃料極と酸化剤極との間に前記反応ガスの流路を設け、前記セパレータの中央部分を囲むようにシート状のシール部材を配置したことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 前記請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池において、前記展延性を有する金属製の薄板に、銅系またはアルミニウム系の金属板を用いることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  3. 前記請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池において、前記展延性を有する金属製の薄板の表面に、耐食性かつ導電性を有するコーティングを施したことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
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