本発明は、ICタグおよび携帯情報端末を用いたコンテンツ情報提供システムに関するものである。
実空間における携帯情報端末を効果的に用いた情報提供のしくみとしては、様々なものが考案されてきた。例えば、特許文献1に記載されたものは、個人の嗜好や生活習慣に応じた効率的な情報提供を実現するものである。これは、複数の近距離無線機から店舗の情報を受信した場合に、複数の店舗の情報のうち、店舗利用履歴もしくは店舗情報提供履歴を参照して利用頻度もしくは、提供頻度の高い情報を自動的に選定し、利用者に提供するというものである。この方法では、携帯情報端末において、近距離無線機から発信された情報を選定する処理を行うため、利用者が自分の必要とする可能性の高い情報のみを受け取ることができる。しかし、この方法では、近距離無線機は、全ての携帯情報端末に同じ情報を放送することが前提とされており、ある情報を特定の個人のみに提供することや、放送しきれない大量の情報のなかから個人に必要な情報を選んで提供することや、膨大な組み合わせのなかから個人向けにカスタマイズされた情報を提供することなどができないといった限界が指摘される。こうした限界を克服するためには、情報提供を行う前に、情報提供のターゲットに関する情報を獲得することが必要であり、そのための手段としてICタグを用いることが有効となる。
ICタグ情報読取装置が、利用者の携帯電話に備えられたICタグから情報を該携帯電話に関する読み出すことをトリガーとして、携帯電話に広告情報を供給する情報提供システムはこれまでにも考案されてきた。例えば、特許文献2に記載されたシステムは、ICタグ情報読取装置が携帯電話に備えられたICタグから、携帯電話に関する情報を読み取り、この情報に基づいて、別の近距離無線通信手段を用いて通信を確立し、該携帯電話にダイヤルアップ接続の要求を与え、該携帯電話が該要求に基づきネットワークにダイヤルアップ接続すると、該携帯電話及びネットワークを通じて、情報提供サーバに該携帯電話のメールアドレスと広告IDを提供し、これに応じて該情報提供サーバが該広告IDに対応する広告データを該電子メールアドレスに送信することで、該携帯電話に提供するというものである。しかしこの方法では、ICタグ情報読取装置と携帯電話の間で、ICタグによる通信とは異なる近距離無線通信を確立するしくみが必要であり、この手段を備えていない携帯電話では対応することができない。また、利用者は自分の携帯電話が他の装置から勝手に操作され、ダイヤルアップ接続されることに抵抗を感じることが推測されるという問題もある。また、ICタグが携帯電話に付加されていることが前提とされており、利用者が所持する物品に応じた情報提供ができないといった制約もある。
また、ICタグと携帯電話を用いて、個人に特化した情報を提供する情報提供システムの例としては、特許文献3に記載したものも挙げられる。これは、会員組織に入会し、携帯電話の連絡先を予め登録した利用者が、配布されたICタグを携帯電話に添付し、これをICタグ情報読取装置に近づけることにより、該ICタグ情報読取装置を介して、情報提供を受けるというものである。ICタグの識別情報と携帯電話の連絡先情報とを対照することのできるデータベースを有する点では、本発明と同様である。しかし、この方法では、携帯電話がICタグ情報読取装置(リーダ/ライタ)によってICタグに記録された情報を読み取る手段を備えるか、携帯電話とICタグ情報読取装置の間でICタグによる以外の近距離通信を行う手段をそれぞれが備えるか、いずれかでないと実現することができず、従来型の携帯電話では、これに対応することができない。また、ICタグが携帯電話に添付されている事が前提とされており、利用者が所持する物品に応じた情報提供ではなく、利用者個人に応じた情報提供を行うことが目的とされている。
一方、個人が、所持するICタグをICタグ情報読取装置に近づけ、ICタグの保持する識別情報に応じたコンテンツ情報(競技等の試合状況情報、イベント情報等)を、携帯電話が通常具備する通信手段を通じて、携帯電話において獲得することのできるしくみとしては、特許文献4、特許文献5、特許文献6に記載されたものがある。これらは、会員登録をするなど、予め携帯電話の連絡先を登録し、ICタグの配布を受けた利用者が、該ICタグを意識的にICタグ情報読取装置に近付けることにより、コンテンツ情報を獲得するというものである。該ICタグ情報読取装置は、該ICタグから識別情報を読み出し、これを情報提供サーバに送信し、該情報提供サーバは、該識別情報と関連付けられた携帯電話の連絡先情報を獲得し、該携帯電話にコンテンツ情報を配信するというものである。しかし、これらは利用者が意識的にICタグをICタグ情報読取装置に接近させる動作を必要とするものであり、利用者が無意識のうちに情報の提供を受けることができるものではない。特許文献4のものは、主に利用者が自分の欲しい情報を入手するものとして機能し、情報提供者による主体的な情報提供を趣旨とするものではない。特許文献5、特許文献6は、施設の入口等に設置されたゲートにおいて、ICタグをかざし、コンテンツ情報を獲得するものである。またこのICタグはストラップ等として携帯電話に装着して利用することが主として想定されており、携帯電話と切り離して利用することは想定されていない。また、このICタグは利用者が当該情報提供サービスを受けることを主たる目的として携帯するものであり、利用者が他の目的で所持する物品に埋め込まれたICタグではない。従って、利用者はこのICタグを携帯する時点から、情報提供サービスを受ける意思を持っていなければならないことになる。
必ずしも個人の意識的な動作を必要とすることなく情報提供を行うことのできる、ICタグと携帯情報端末を用いた情報提供システムの例として、個人の所持するICタグから情報を読み出したICタグ情報読取装置を特定することにより、個人の存在するエリアを特定し、このエリアに応じた情報を提供するシステムが考案された(特許文献7)。これは、ICタグ情報読取装置が、最小電力での接続待機状態である携帯情報端末に取り付けられたICタグから該携帯情報端末の識別情報を読み取り、該識別情報を情報提供サーバに送信し、該情報提供サーバは、該識別情報を受信し、また送信元である該ICタグ情報読取装置を特定する情報から該携帯情報端末の所在するエリアを特定し、該携帯情報端末に、該エリアに適した情報を提供するというものである。しかし、この方法では、ICタグが携帯情報端末に取り付けられていなければならず、利用者が所持する物品に応じた情報提供ができないといった制約がある。
ICタグを用いた、以上の従来技術においては、個人または携帯情報端末は常に唯一つのICタグを所持することが前提とされており、即ち、個人または携帯情報端末が識別の主な対象であり、ICタグはこれを識別するための手段として活用され、物品が識別の対象とされるものではない。従って、物品の一つひとつが識別の対象とされるユビキタス・システムの可能性を最大限に引き出すものではない。
それに対し、物品に添付されたICタグを効果的に用いた広告方法としては、特許文献8に記載したものが挙げられる。これは、店舗に設置されたICタグ情報読取装置が、来店者が所持する、印刷された広告物に備えられたICタグから識別情報を読み出し、これを用いて顧客に情報を通知するというものである。特に、該識別情報は抽選用のコードであり、該ICタグ情報読取装置は、当選番号が記録された広告物を所持した来店者が側を通ったときに、ディスプレイまたはスピーカを通じて、当選の旨を来店者に通知するというものとされる。しかし、この方法は、個人の所持する携帯情報端末の活用は想定されておらず、該ICタグ情報読取装置が備えるディスプレイまたはスピーカを通じた情報提供が前提とされており、個人に向けた情報通知ではなく、その周囲にいる人たちに対してもアピールする効果を狙ったものであり、例えばプライバシーに関わるような情報を提供するのが困難であることや、大勢の個人が同時に情報提供の対象となりうる場合に誰に向けられた情報であるかを特定するのが困難であること等の制約もある。
特開2002−197109
特開2003−224677
特開2003−244059
特開2004−102372
特開2004−94431
特開2004−70616
特開2004−235713
特開2002−32046
当該発明が解決しようとする主たる課題は、生活の中の多様な場面において、様々な物品を持ち歩く個人に対し、該個人が該物品を持ち歩いていることに相応しい情報を、該個人が特に意識的な動作を起こさなくても、該個人の携帯する携帯情報端末を通じて、TPO(時間、場所、状況)に合わせた最適な状態で、提供することを可能とするシステムを提供することである。
本発明では、上記課題を解決するために、該個人の携帯する携帯情報端末そのものに埋め込まれた又は取り付けられたICタグに記録された識別情報ではなく、該携帯情報端末とは異なる物品(同一でも、一体でもない物品)に埋め込まれた又は取り付けられたICタグに記録された識別情報を、該個人が意識的な動作を行うか行わないかにかかわらず、該個人の近傍に位置するICタグ情報読取装置において読み取り、この読み取られた識別情報の内容に応じたコンテンツ情報を、該個人の携帯する携帯情報端末を通じて、該個人に提供する。これにより、該携帯情報端末とは異なる様々な物品を携帯する個人に対し、該個人が該物品を持ち歩いていることに相応しい情報を、該個人が特に意識的な動作を起こさなくても、該個人の携帯する携帯情報端末を通じて、TPO(時間、場所、状況)に合わせた最適な状態で、提供することを可能とする。
請求項1に記載の発明は、個人が携帯する物品(以下、「物品」)に備えられたICタグと、該物品と同一又は一体、のものでない携帯情報端末と、個人が近傍を通過又は滞在することのできる実空間に配置されたICタグ情報読取装置と、該ICタグ情報読取装置とネットワーク接続されたサーバとで構成されるコンテンツ情報提供システムであって、該ICタグにおいて、該物品、該ICタグ、該携帯情報端末、又は該個人のうち少なくともいずれかを識別する識別情報を記録する識別情報記録手段と、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該識別情報記録手段から読み出した該識別情報を発信する識別情報発信手段とを具備し、該ICタグ情報読取装置において、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグに電波を発信し、該識別情報記録手段に記録された該識別情報を読み取る識別情報読取手段と、該識別情報又は該識別情報に基づいて生成された識別関連情報を該サーバに送信する識別情報送信手段とを具備し、該サーバにおいて、該ICタグ情報読取装置から該識別情報又は該識別関連情報を受信する識別情報受信手段と、該識別情報又は該識別関連情報に関連付けられた該携帯情報端末の連絡先情報を記録する第一データベースにアクセスする第一DBアクセス手段と、第一DBアクセス手段を通じて該識別情報又は該識別関連情報に関連付けられた該携帯情報端末の連絡先情報を獲得する連絡先情報獲得手段と、該識別情報、該ICタグ情報読取装置を特定する情報、又は該ICタグ情報読取装置の存在する地点を特定する情報のうち少なくともいずれか(以下、「特定情報」と記載)に関連付けられたコンテンツ情報を記録する第二データベースにアクセスする第二DBアクセス手段と、第二DBアクセス手段を通じて該特定情報と関連付けられたコンテンツ情報(以下、「関連コンテンツ情報」)を引き出す関連コンテンツ情報獲得手段と、該関連コンテンツ情報獲得手段によって獲得された該関連コンテンツ情報を、ネットワークを通じて、該連絡先情報を用いて、該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報送信手段とを具備し、該携帯情報端末において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする(図1及び図2を参照)。
請求項2に記載の発明は、個人が携帯する物品(以下、「物品」)に備えられたICタグと、該物品と同一又は一体、のものでない携帯情報端末と、個人が近傍を通過又は滞在することのできる実空間に配置されたICタグ情報読取装置とで構成されるコンテンツ情報提供システムであって、該ICタグにおいて、該物品、該ICタグ、該携帯情報端末、又は該個人のうち少なくともいずれかを識別する識別情報を記録する識別情報記録手段と、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該識別情報記録手段から読み出した該識別情報を発信する識別情報発信手段とを具備し、該ICタグ情報読取装置において、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグに電波を発信し、該識別情報記録手段に記録された記録された該識別情報を読み取る識別情報読取手段と、該識別情報又は該識別関連情報に関連付けられた該携帯情報端末の連絡先情報を記録する第一データベースにアクセスする第一DBアクセス手段と、第一DBアクセス手段を通じて該識別情報又は該識別関連情報に関連付けられた該携帯情報端末の連絡先情報を獲得する連絡先情報獲得手段と、該識別情報、該ICタグ情報読取装置を特定する情報、又は該ICタグ情報読取装置の存在する地点を特定する情報のうち少なくともいずれか(以下、「特定情報」と記載)に関連付けられたコンテンツ情報を記録する第二データベースにアクセスする第二DBアクセス手段と、第二DBアクセス手段を通じて該特定情報と関連付けられたコンテンツ情報(以下、「関連コンテンツ情報」)を引き出す関連コンテンツ情報獲得手段と、該関連コンテンツ情報獲得手段によって獲得された該関連コンテンツ情報を、ネットワークを通じて、該連絡先情報を用いて、該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報送信手段とを具備し、該携帯情報端末において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該ICタグ情報読取装置から送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする(図1及び図3を参照)。
請求項3に記載の発明は、個人が携帯する物品(以下、「物品」)に備えられたICタグと、該物品と同一又は一体、のものでない携帯情報端末と、個人が近傍を通過又は滞在することのできる実空間に配置されたICタグ情報読取装置と、該ICタグ情報読取装置とネットワーク接続されたサーバとで構成されるコンテンツ情報提供システムであって、該ICタグにおいて、該携帯情報端末の連絡先情報を記録する連絡先情報記録手段と、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該連絡先情報記録手段から読み出した該連絡先情報を発信する連絡先情報発信手段を具備し、該ICタグ情報読取装置において、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に接近した該ICタグに電波を発信し、該連絡先記録手段に記録された記録された該連絡先情報を読み取る連絡先情報読取手段と、該連絡先情報を該サーバに送信する連絡先情報送信手段とを具備し、該サーバにおいて、該ICタグ情報読取装置から該連絡先情報を受信する連絡先情報受信手段と、該識別情報、該ICタグ情報読取装置を特定する情報、又は該ICタグ情報読取装置の存在する地点を特定する情報のうち少なくともいずれか(以下、「特定情報」と記載)に関連付けられたコンテンツ情報を記録する第二データベースにアクセスする第二DBアクセス手段と、第二DBアクセス手段を通じて該特定情報と関連付けられたコンテンツ情報(以下、「関連コンテンツ情報」)を引き出す関連コンテンツ情報獲得手段と、該関連コンテンツ情報獲得手段によって獲得された該関連コンテンツ情報を、ネットワークを通じて、該連絡先情報を用いて、該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報送信手段とを具備し、該携帯情報端末において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする(図1及び図4を参照)。
請求項4に記載の発明は、個人が携帯する物品(以下、「物品」)に備えられたICタグと、該物品と同一又は一体、のものでない携帯情報端末と、個人が近傍を通過又は滞在することのできる実空間に配置されたICタグ情報読取装置とで構成されるコンテンツ情報提供システムであって、該ICタグにおいて、該携帯情報端末の連絡先情報を記録する連絡先情報記録手段と、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該連絡先情報記録手段から読み出した該連絡先情報を発信する連絡先情報発信手段とを具備し、該ICタグ情報読取装置において、該個人のその場での意思にかかわらず、近傍に接近した該ICタグに電波を発信し、該連絡先情報記録手段に記録された記録された該連絡先情報を読み取る連絡先情報読取手段と、該識別情報、該ICタグ情報読取装置を特定する情報、又は該ICタグ情報読取装置の存在する地点を特定する情報のうち少なくともいずれか(以下、「特定情報」と記載)に関連付けられたコンテンツ情報を記録する第二データベースにアクセスする第二DBアクセス手段と、第二DBアクセス手段を通じて該特定情報と関連付けられたコンテンツ情報(以下、「関連コンテンツ情報」)を引き出す関連コンテンツ情報獲得手段と、該関連コンテンツ情報獲得手段によって獲得された該関連コンテンツ情報を、ネットワークを通じて、該連絡先情報を用いて、該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報送信手段とを具備し、該携帯情報端末において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする(図1及び図5を参照)。
なお、請求項1〜4の記載において、「該物品と同一又は一体、のものでない携帯情報端末」とは、該物品と同一のもの又は該物品と一体のもののいずれでもない携帯情報端末を意味するものである。例えば、該ICタグが該携帯情報端末において具備されている場合には、該携帯情報端末は該物品と同一のものであり、また該ICタグを具備する物品がシール、ストラップ等の形態で該携帯情報端末に添付されている場合には、該携帯情報端末は該物品と一体のものであり、ともに請求項1〜4のいずれかにおいて記載される携帯情報端末からは除外される。
また、請求項1〜4の記載において、「該個人のその場での意思にかかわらず」とは、該個人が該ICタグを該ICタグ情報読取装置に意識的に接近させる等、該個人のその場での意思を示す行動を伴わずに、該個人が無意識のうちに記載の処理を実行することを意味するものである。
また、請求項1〜4の記載における、該ICタグと該ICタグ情報読取装置との位置関係において、「近傍に位置する」とは、該ICタグと該ICタグ情報読取装置とが通信可能な範囲の距離に位置することを意味するものであり、両者は必ずしも一定の距離の範囲に位置するとは限らず、その具体的な範囲は、該ICタグと該ICタグ情報読取装置との通 信プロトコルや出力の大きさ等によって異なるものである。
請求項5に記載の発明は、該システムを構成する該ICタグ、該携帯情報端末、該ICタグ情報読取装置、該サーバのうち、少なくともいずれかが複数配置されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、該システムを構成する携帯情報端末が複数存在し、ただし該携帯情報端末は、このうち少なくとも一つの携帯情報端末(以下、「ハブ機能携帯情報端末」)において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、他の携帯情報端末と近距離無線通信を行う第一近距離無線通信手段と、第一近距離無線通信手段を通じて該他の携帯情報端末に対して該関連コンテンツ情報を転送するコンテンツ情報近距離転送手段とを具備し、またこのうち少なくとも一つの携帯情報端末において、必ずしも、該無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段とを具備せず、この代わりに、他の携帯情報端末と近距離無線通信を行う第二近距離無線通信手段と、該ハブ機能携帯情報端末から該コンテンツ情報近距離転送手段を通じて転送された該関連コンテンツ情報を第二近距離無線通信手段を通じて受信するコンテンツ情報近距離無線受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする。
請求項7に記載されたコンテンツ情報提供システムは、請求項6に記載されたコンテンツ情報提供システムにおけるハブ機能携帯情報端末以外の携帯情報端末が、該物品と同一のものとしたものである。該携帯情報端末において、無線通信可能な基地局を通じてネットワークにアクセスする無線通信手段と、該無線通信手段を通じて該サーバから送信された該関連コンテンツ情報を受信する関連コンテンツ情報受信手段と、該物品と近距離無線通信を行う第三近距離無線通信手段と、第三近距離無線通信手段を通じて該関連コンテンツ情報を該物品に送信するコンテンツ情報近距離転送手段とを具備し、該物品において、該ICタグを具備し、さらに、該携帯情報端末と近距離無線通信を行う第四近距離無線通信手段と、該携帯情報端末から送信された該関連コンテンツ情報を第四近距離無線通信手段を通じて受信するコンテンツ情報近距離無線受信手段と、該関連コンテンツ情報を物理的に該個人に提示するコンテンツ情報提示手段とを具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、該ICタグ情報読取装置が、該個人とは別の個人が保持する第二の携帯情報端末であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、該ICタグ情報読取装置が、特定の条件を満たした状態にある、該携帯情報端末であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、該携帯情報端末において、該携帯情報端末と十分に接近した該ICタグに対し、該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を非接触に記録する識別情報非接触記録手段を具備していることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、該コンテンツ情報提供システムの構成要素としてさらに別のICタグ(以下、「中継ICタグ」)を追加し、物品に備えられた該ICタグにおいて具備する識別情報発信手段は、該識別情報記録手段から読み出した該識別情報を、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して発信する代わりに、近傍に位置する該携帯情報端末から発信された電波に反応して発信し、該携帯情報端末において、さらに、近傍に位置するICタグに記録された情報を非接触で読み取る非接触情報読取手段と、近傍に位置するICタグに情報を記録する情報書込手段と、該非接触情報読取手段を通じて該携帯情報端末の近傍に位置する全ての該物品に備えられたICタグから識別情報を読み出し、これを集約した集約識別情報を、情報書込手段を通じて該中継ICタグに記録する識別情報集約手段とを具備し、該中継ICタグにおいて、近傍に位置する該携帯情報端末から受信した該集約識別情報を記録する集約識別情報記録手段と、近傍に位置する該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該集約識別情報記録手段から読み出した該集約識別情報を発信する集約識別情報発信手段を具備し、該ICタグ情報読取装置において具備する識別情報読取手段は、近傍に位置する該物品に備えられた該ICタグに記録された該識別情報を読み取る代わりに、全ての該ICタグに記録された識別情報を含む該集約識別情報を該中継ICタグから読み取り、該集約識別情報に含まれる識別情報を、以下同様に扱うことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、該ICタグにおいて、該識別情報又は該連絡先情報を暗号化した状態で記録又は発信し、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、暗号化した状態で受信した該識別情報又は該連絡先情報を復号化する手段を有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、該ICタグを保持する同一の物品において、通信特性の異なる複数の非接触通信手段を備えたICタグ、又は通信特性の異なる非接触通信手段を備えた複数のICタグのうち、少なくともいずれかを備えたことを特徴とする。ただし、通信特性の異なる非接触通信手段とは、非接触通信に用いる電波の周波数帯域、出力、通信プロトコルなどが異なる通信方式を採用することにより、通信距離、通信速度等の通信特性が相互に異なる関係にある通信手段を指すものとする。ただし、情報の読み取り(リード)と書き込み(ライト)の両方の機能を有するICタグを用いる際に、リードとライトの通信処理手順は異なるが、これらは一組のものとして捉えられるため、請求項13に記載の「通信特性の異なる通信手段」とは捉えないものとする(例えば、ICタグと、該ICタグに情報を読み書きする機能を備えたICタグ情報読取書込装置との間の非接触情報通信に関して、ICタグ情報読取書込装置からICタグに情報を送信する際には、情報の有無をキャリア周波数の振幅の有無により表現し(ASK変調)、ICタグからICタグ情報読取書込装置に情報を送信する際には、情報の有無を、周波数を変えることにより表現したり(FSK変調)、位相を変えることにより表現したり(PSK変調)するというものが存在するが、これは請求項13に記載の「通信特性の異なる通信手段」とは捉えない)。
請求項14に記載の発明は、さらに、該携帯情報端末において、該ICタグに記録された情報を非接触で読み取る非接触情報読取手段と、該非接触情報読取手段を通じて該ICタグが該携帯情報端末の近傍に存在するかどうかを確認するICタグ存在確認手段とを具備することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、少なくとも、さらに、該携帯情報端末において、該ICタグに非接触で情報を記録する非接触情報書込手段と、該非接触情報書込手段を通じて該携帯情報端末が該ICタグの近傍に存在するかどうかを確認することを可能とする情報を書き込む携帯情報端末存在確認書込手段とを具備し、該ICタグにおいて、該携帯情報端末が該ICタグの近傍に存在するかどうかを確認することを可能とする情報を記録する携帯情報端末存在確認記録手段を具備することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、少なくとも一つの該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、一つ又は複数の該ICタグから読み取られた識別情報又は連絡先情報に関連する、時間的又は地理的な分析を通じて、該携帯情報端末に送信するコンテンツ情報の内容や送信のタイミング等に関する方針を打ち出し、該方針に基づき、該コンテンツ情報送信手段に、コンテンツ情報の送信にかかわる処理に関する指示を与える、コンテンツ情報送信指示手段を具備することを特徴とする。多くの場合、該分析においては、一つ又は複数の該ICタグから読み取られた識別情報又は連絡先情報に関して過去に得られた情報を該分析の材料として利用することが望ましく、少なくとも一つの該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、さらに、一つ又は複数の該ICタグから読み取られた識別情報又は連絡先情報を、該識別情報若しくは連絡先情報が読み取られた時刻に関する情報、該識別情報若しくは該連絡先情報が読み取られた地域に関する情報、又は該識別情報若しくは該連絡先情報によって特定される携帯情報端末に送信されたコンテンツ情報を特定する情報のうち、少なくともいずれかを確認することのできる状態で、継続的に保持する識別情報管理手段を具備していることが期待される。ただし、該ICタグから読み取られた識別情報又は連絡先情報をリアルタイムに分析しながら該方針を打ち出す方式を適用することもできるため、該識別情報管理手段を具備することは必須ではない。
請求項17に記載の発明は、該ICタグ情報読取装置が移動式の装置又は車両に備えられていることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、該コンテンツ情報提供システムの構成要素として、さらに、該物品の購入に用いられる決済機能付携帯情報端末と、該物品の販売に用いられる電子料金徴収装置とを追加し、該決済機能付携帯情報端末において、コンテンツ情報受信用の該携帯情報端末の識別情報若しくは連絡先情報又はこれらに関係付けられる情報(以下、「受信端末識別情報等」と記載)を保持又は獲得する受信端末識別情報等保持獲得手段と、該電子料金徴収装置からの請求に応じて電子的に料金の支払いを実行する電子料金支払手段と、該受信端末識別情報等保持獲得手段において保持又は獲得される該受信端末識別情報等を該電子料金徴収装置に提供する受信端末識別情報等提供手段とを具備し、該電子料金徴収装置において、該物品を販売する際に該物品の具備する該ICタグに記録された該物品又は該ICタグの識別情報を読み取る販売物品識別情報読取手段と、該決済機能付携帯情報端末に料金を請求する料金請求手段と、該決済機能付携帯情報端末から電子的に支払われた料金を受領する料金受領手段と、該物品を販売する際に該決済機能付携帯情報端末より該受信端末識別情報等を獲得する受信端末識別情報等獲得手段と、該受信端末識別情報等獲得手段により獲得された該受信端末識別情報等と、該販売物品識別情報読取手段により読み取られた該物品又は該ICタグの識別情報とを関連付けてデータベースに記録する物品購入者情報記録手段とを具備することを特徴とする。なお、該決済機能付携帯情報端末は、コンテンツ情報を受信する該携帯情報端末と同じものであっても構わない。
請求項19に記載の発明は、該コンテンツ情報提供システムの構成要素として、さらに該物品の受け取りの際に提示されるカード又はIC(以下、「受取時提示カード等」)と、該物品の提供の際に該受取時提示カード等と電子的に接触する電子提供時処理装置とを追加し、該受取時提示カード等において、コンテンツ情報受信用の該携帯情報端末の識別情報若しくは連絡先情報又はこれらに関係付けられる情報(以下、「受信端末識別情報等」)を記録する受信端末識別情報等保持手段と、該電子提供時処理装置からの要求に応じて電子的に受取時処理を実行する電子受取時処理手段と、該受信端末識別情報等保持手段において保持される該受信端末識別情報等を該電子提供時処理装置に提供する受信端末識別情報等提供手段とを具備し、該電子提供時処理装置において、該物品を提供する際に該物品の具備するICタグに記録された該物品(又は該ICタグ)の識別情報を読み取る提供物品識別情報読取手段と、該受取時提示カード等に所定の受取時処理を要求する受取時処理要求手段と、該物品を提供する際に該受取時提示カード等より該受信端末識別情報等を獲得する受信端末識別情報等獲得手段と、該受信端末識別情報等獲得手段により獲得された該受信端末識別情報等と、該提供物品識別情報読取手段により読み取られた該物品(又は該ICタグ)の識別情報とを関連付けてデータベースに記録する物品受取者情報記録手段とを具備することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、該コンテンツ情報提供システムを構成する要素として、さらに、一時的に有効な識別情報(以下、「一時識別情報」と記載)を管理する一時識別情報管理サーバを追加し、該ICタグにおいて、該識別情報記録手段又は連絡先情報記録手段によって記録され、該識別情報発信手段又は該連絡先情報発信手段において発信される識別情報が一時識別情報を含み、該ICタグ情報読取装置において、該識別情報読取手段又は該連絡先情報読取手段によって読み取られる識別情報が該一時識別情報を含み、該一時識別情報管理サーバにおいて、該一時識別情報と、該個人若しくは該携帯情報端末の識別情報又は該個人の個人情報(以下、「個人情報等」と記載)とを対照することのできるデータベース(以下、「第三データベース」と記載)にアクセスする第三DBアクセス手段と、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて具備される個人情報等照会手段によって提示された一時識別情報に関連付けられた該個人情報等を、第三DBアクセス手段を通じて取り出し該個人情報等照会手段に提供する個人情報等照会応答手段とを具備し、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、該一時識別情報管理サーバにおいて具備される該個人情報照会応答手段に対して一時識別情報を提示し、該個人情報照会応答手段によって提供される該一時識別情報等に関連付けられた該個人情報等を獲得する個人情報等照会手段を具備することを特徴とする。なお、上記記述において、「一時的に有効な識別情報」(一時識別情報)とは、該物品、該ICタグ、該携帯情報端末、又は該個人のうち少なくともいずれかを識別し、該個人情報等との関連付けが、一時的に付与されている識別情報であり、該一時識別情報を用いることによって該個人情報等を獲得することが一時的に可能であるものを指し、該一時識別情報の有効期間とは、該一時識別情報を用いることによって該個人情報等を獲得することが可能な期間を指すものとする。また、該一時識別情報管理サーバは、該ICタグ情報読取装置又は該サーバと同一のものであっても構わない。またこのとき、該ICタグ情報読取装置又は該サーバの備える第一DBアクセス手段と該一時識別情報管理サーバの備える第三DBアクセス手段は、それぞれの要件を満たす手段であれば、同一の手段であっても構わない。また、該ICタグ情報読取装置又は該サーバの備える該連絡先情報獲得手段と該一時識別情報管理サーバの備える該個人情報等照会手段は、それぞれの要件を満たす手段であれば、同一の手段であっても構わない。なお、特に該一時識別情報管理サーバが該ICタグ情報読取装置又は該サーバと同一のものでない場合、該一時識別情報管理サーバは、該個人情報等照会応答手段を用いたサービスを提供する該ICタグ情報読取装置又は該サーバに対して認証やアクセス制限を実施し、不正な装置からのアクセスを防止する機構を備えていることが期待される。
請求項21に記載の発明は、該コンテンツ情報提供システムを構成する要素として、さらに、一時的に有効な識別情報(以下、「一時識別情報」と記載)を管理する一時識別情報管理サーバを追加し、該ICタグにおいて、該識別情報記録手段又は連絡先情報記録手段によって記録され、該識別情報発信手段又は該連絡先情報発信手段において発信される識別情報が一時識別情報を含み、該ICタグ情報読取装置において、該識別情報読取手段又は該連絡先情報読取手段によって読み取られる識別情報が該一時識別情報を含み、該ICタグ情報読取装置及び該サーバにおいて、第一DBアクセス手段及び連絡先情報獲得手段を具備せず、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、該一時識別情報管理サーバに対して該一時識別情報を送信する一時識別情報送信手段を具備し、関連コンテンツ情報提供手段は、関連コンテンツ情報を該携帯情報端末に送信する処理を直接行うのではなく、該一時識別情報管理サーバに該関連コンテンツ情報を送信し、該一時識別情報と関連付けられた個人情報等に含まれる連絡先情報によって特定される携帯情報端末に対して該関連コンテンツ情報を送信するよう要求する処理を行い、該一時識別情報管理サーバにおいて、該一時識別情報と、該個人若しくは該携帯情報端末の識別情報又は該個人の個人情報(以下、「個人情報等」と記載)とを対照することのできるデータベース(以下、「第三データベース」と記載)にアクセスする第三DBアクセス手段と、該ICタグ情報読取装置又は該サーバから受信した一時識別情報を受信する一時識別情報受信手段と、第三DBアクセス手段を通じて、該一時識別情報受信手段によって受信された一時識別情報に関係付けられた個人情報等を獲得する個人情報等獲得手段と、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて具備される関連コンテンツ情報提供手段にから受信した関連コンテンツ情報を、該個人情報等に含まれる連絡先情報によって特定される携帯情報端末に対して該関連コンテンツ情報を送信する関連コンテンツ情報転送手段とを具備することを特徴とする。なお、該サーバは、該個人の個人情報等に含まれる情報のうち、該個人を特定することのできない一部の属性情報を提供するよう該一時識別情報管理サーバに要求し、該一時識別情報管理サーバから該属性情報の提供を受ける属性情報受信手段を具備し、該一時識別情報管理サーバは、該サーバからの要求に応じて、該個人を特定することのできない一部の該属性情報を該サーバに提供する属性情報提供手段を具備することができる(該属性情報は、請求項23に記載された関連コンテンツ情報カスタマイズ手段において、該関連コンテンツ情報のカスタマイズのために用いられることが想定される)。
請求項22に記載の発明は、該携帯情報端末において、一時識別情報を発行し、該一時識別情報管理サーバにおいて具備される一時識別情報登録受付手段に対して該一時識別情報を送信し、該一時識別情報の登録を求める一時識別情報発行登録手段と、該一時識別情報管理サーバから、該一時識別情報管理サーバにおける一時識別情報発行配布手段によって発行された該一時識別情報を受信する一時識別情報獲得手段とのうち少なくともいずれかと、該一時識別情報を該ICタグに記録する一時識別情報記録手段と、他の装置からの要求に応じて該一時識別情報を提供する一時識別情報提供手段とのうち少なくともいずれかとを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、該携帯情報端末から、該携帯情報端末において具備される一時識別情報発行登録手段によって発行された一時識別情報を受信し、該一時識別情報と、該携帯情報端末の利用者の該個人情報等とを関連付けて第三データベースに記録する一時識別情報登録受付手段と、一時識別情報を発行し、該一時識別情報と、該携帯情報端末の利用者の該個人情報等とを関連付けて第三データベースに記録し、該携帯情報端末において具備される一時識別情報獲得手段に対して該一時識別情報を送信する一時識別情報発行配布手段とのうち少なくともいずれかを具備することを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、さらに、該識別情報又は該連絡先情報に関連付けられた、該物品又は該携帯情報端末の所有者の個人情報を獲得する、個人情報獲得手段と、該個人情報獲得手段によって獲得された個人情報に基づき、該関連コンテンツ情報送信手段において送信する関連コンテンツ情報を、選定又は修正する、関連コンテンツ情報カスタマイズ手段を具備することを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、該携帯情報端末において、さらに、該関連コンテンツ情報受信手段において受信された関連コンテンツ情報を、該関連コンテンツ情報の内容、該関連コンテンツ情報を受信した時間帯、該関連コンテンツ情報を受信した場所、又は該関連コンテンツ情報を受信した状況のうち、少なくともいずれかに応じて、該関連コンテンツ情報提示手段において提示するかしないか、又はどういう形式にて提示するかを判断する、情報受信ポリシー実施手段を、具備することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、該携帯情報端末、該ICタグ情報読取装置、又は該サーバのうち、少なくともいずれかにおいて、該携帯情報端末に送信された、又は該携帯情報端末の利用者に提示された、関連コンテンツ情報について、その送信又は提示された回数、量、又は内容のうち、少なくともいずれかに関する情報と、該携帯情報端末の契約者若しくはその関係者、又は該関連コンテンツ情報の発信者若しくはその関係者のうち、少なくともいずれかを特定する情報とを関連付けて、記録する、又はネットワーク接続された他の装置に送信する、情報取扱量測定手段を具備することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、該携帯情報端末に送信される関連コンテンツ情報が、該物品と同様の物品、又は該物品と指定された条件を満たす関係にある物品を携帯する、他の個人が入力したものであることを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、該ICタグ情報読取装置及び該サーバにおいて、第二DBアクセス手段及び関連コンテンツ情報獲得手段を必ずしも具備しない代わりに、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、オペレータに対するインタフェースを備えた装置(以下、「オペレータ装置」と記載)に接続するオペレータ装置接続手段と、該オペレータ装置接続手段により接続されたオペレータ装置において該オペレータが音声、画像、映像、又はテキスト等の形態にて入力したコンテンツ情報を獲得する、オペレータ入力情報獲得手段とを具備し、該オペレータ入力情報獲得手段によって獲得された情報を関連コンテンツ情報として扱うことを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、該コンテンツ情報が、チケット、クーポン、ポイント、リンク情報、又は経済的価値を有する情報のうち、少なくともいずれかを含む、付加価値コンテンツ情報であることを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムを構成する該携帯情報端末である。
請求項30に記載の発明は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムを構成する該ICタグ情報読取装置である。
請求項31に記載の発明は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムを構成する該サーバである。
請求項32に記載の発明は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムを構成する該物品である。
請求項1〜4に記載されたコンテンツ情報提供システムは、携帯情報端末と、該携帯情報端末と一体でない物品とを携帯する個人に対し、該物品を携帯することに相応しい情報を、該携帯情報端末を通じて提示することを可能とし、これにより、新しい広告方法、キャンペーン方法、情報提供方法等を実現することが可能となる。具体的には、以下のような効果が期待される。
該物品が何らかの商品である場合には、該商品を提供すること、或いは、該商品を利用することの条件(義務や特典等)を設定することができる。例えば、「ある商品を利用する場合には、特定のエリアに足を踏み入れた際に、特定の条件を満たす広告情報を受け取らなければならない」、「ある商品を利用する場合には、特定のエリアに足を踏み入れた際に、特定の条件を満たす情報提供を受けることのできる特典がある」といった設定が可能となる。これを柔軟に用いれば、同じ商品であっても、どのような条件を受け入れるか又は選択するかによって、異なる販売価格を設定することも可能である。即ち、消費者にとっては、ある商品を、通常の価格で購入するのか、広告の受信を受け入れる代わりに通常よりも安い価格で購入するのか(或いは無償で獲得するのか)、情報提供の特典を得る代わりに通常よりも高い価格で購入するのか、を選択することができる。この条件は、購入後に事後的に変更させることもできるため、商品提供者や消費者は、購入後も、情報提供や情報受信等に関する条件変更について柔軟なオプションを持ち続けることができる。
該物品が広告宣伝媒体である場合には、例えばティッシュペーパーやチラシ等の広告宣伝媒体の表面に印刷された広告宣伝手段を活用するだけでなく、該広告宣伝媒体を保持する個人が特定の地域に足を踏み入れた際に、さらに本人の所有する携帯情報端末を通じて、タイムリーな広告宣伝情報の提示を行うことが可能となる。例えば、パチンコ店の広告が印刷されたティッシュペーパー(本発明に記載の物品に該当する)を持つ個人が、広告ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)の近傍を通過したときに、「***番のパチンコ台が大当たりしました」という情報を本人の携帯情報端末を通じて提示することにより、入店意欲を喚起することができる。
該物品が案内物である場合には、例えばパンフレットやチケットなどの案内物において印刷された案内手段を活用するだけでなく、該案内物を保持する個人が特定の地域に足を踏み入れた場合に、さらに本人の所有する携帯情報端末を通じて、タイムリーな案内情報の提示を行うことが可能となる。例えば、展示会や映画のチケットを持った個人が会場に足を踏み入れたとき(会場ではいくつもの展示会や映画が催されている場合が想定される)、案内ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)は、近傍を通過した個人の持つチケットの内容に応じて、「******の会場は右へ50m進んでください」といった具合に、道案内をすることができる。
該物品が、個人が特定のメンバーシップを有することを示すカードや会員証等である場合には、メンバーに対して伝達しなければならない情報や広告宣伝したい情報などを、メンバーに対してのみ提示することができる。例えば、あるフィットネス・クラブが入居する複合施設の任意の場所に設置された案内ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)において、このフィットネス・クラブの会員証を保持するメンバーが付近を通りかかったときに、本人の所有する携帯情報端末を通じて、「本日、******フィットネス・クラブはお休みとなっております。またのお越しをお待ちしています」といった情報をタイムリーに提示することができる。
また、副次的な効果としては、該物品の利用状況を調査することが可能となる。即ち、ある物品を持つ個人に対して、コンテンツ情報を提供する過程において、様々な場所において配置されたICタグ情報読取装置を通じて検出された識別情報を、コンテンツ情報を提供した後においても、引き続きサーバに保持しておけば、個人が該物品を、どこに、どの程度の頻度で、どのような時間帯において、持参したかということを調査することができる。例えば、「この帽子を買った人の約4割の人は、この帽子をかぶって、横浜みなとみらいのどこかに、夜景を見に行った」といった情報を把握することができる(主な夜景スポットに、本発明に記載のICタグ情報読取装置が設置されている場合)。このように得られた情報は、例えばマーケティングをはじめとした、多様な目的において活用することができる。
さらに、別の副次的な効果としては、個人の物品利用に関する個人情報を収集することが可能となる。即ち、個人に対して、本人が保持する物品に応じたコンテンツ情報を提供する過程において、様々な場所において配置されたICタグ情報読取装置を通じて検出された、様々な物品の持つICタグに与えられた識別情報を、コンテンツ情報を提供した後においても、本人(又は携帯情報端末)の識別情報(又は連絡先情報)と関連付けられた形態で、時間や場所を示す情報とともに、引き続きサーバに保持しておけば、個人が、いつ、何を持って、どこに行ったか、についての個人情報を収集することが可能となる。例えば、ある個人が「*月*日、何と何の衣類を身につけて、鞄の中に何と何を入れて、どこに行ったか」という情報を獲得することができる。このように得られた情報は、マーケティング、犯罪調査、本人の毎日の衣類選択の支援など、多様な目的において活用することができる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムとしては、該ICタグが複数配置されることを特徴とするもの、該携帯情報端末が複数配置されることを特徴とするもの、該ICタグ情報読取装置が複数配置されることを特徴とするもの、該サーバが複数配置されることを特徴とするもの、及び、これらの組み合わせ、即ちこれらのうち二種類以上が複数配置されることを特徴とするものを挙げることができる。このうち、最後の組み合わせによるものについての効果の大半は、それぞれの効果の組み合わせによって説明できるため、省略する。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムのうち、該ICタグが複数配置されることを特徴とするものは、様々な提供者により提供された様々な物品に備えられたICタグから識別情報を読み取ることにより、異なる情報提供業者から、広告や案内など異なるアプローチにおいて、各物品の性質に応じた異なる目的の情報を受け取るしくみを同時に実現することを可能とする。また、複数のICタグにより、同じ個人の携帯する複数の物品を同時に認識することにより、該個人の持参する物品の組み合わせに応じたコンテンツ情報を提供することを可能とする。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムのうち、該携帯情報端末が複数配置されることを特徴とするものは、個人に提示されるコンテンツ情報を、該コンテンツ情報の形態や様々な条件に応じた最適な携帯情報端末を通じて該個人に提示することを可能とする。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムのうち、該ICタグ情報読取装置が複数配置されることを特徴とするものは、時間や状況に応じた最適なコンテンツ情報を、最適な地点で提供することを可能とする。さらに、様々な地点に、該ICタグ情報読取装置を網羅的に配置することにより、個人が携帯する携帯情報端末を通じて、個人が携帯する物品に即した各種コンテンツ情報を提供するための、社会インフラとして機能させることも可能である。このように社会インフラとして機能させる場合には、様々な物品及びICタグの提供業者の提供するICタグに保持されている識別情報に基づき、様々なコンテンツ情報提供者から提供される情報を、様々な個人に対して、提供することが可能となる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムのうち、該サーバが複数配置されることを特徴とするものは、同じICタグが保持する同じ識別情報を用いて、或いは、同じICタグ情報読取装置によって読み取られた識別情報を用いて、異なるコンテンツ情報提供業者がそれぞれ別々のサーバを持ち、独自のサービスを展開することを可能とする。もちろん、異なる業者の提供するコンテンツ情報を、一つのサーバによって送信することも可能であるが、各業者が管理するサーバを、それぞれ別々に持たせることによって、システムの運用がより容易となる場合も多くあると期待される。
請求項6に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、個人が複数の携帯情報端末を持ち、複数の携帯情報端末を介したコンテンツ情報の提供を受ける場合、全ての携帯情報端末が基地局を通じて直接ネットワークに通信する無線通信手段を備えなくても、少なくともこのうち一つの携帯情報端末がこれを備えていれば、残りの携帯情報端末は無線通信手段を備えた該携帯情報端末から、該携帯情報端末が無線通信手段を通じて受信したコンテンツ情報を、近距離無線情報通信手段を通じて間接的に受信することができる点である。同じ個人の携帯する全ての携帯情報端末が無線通信手段を備えることは、電波資源を無駄に占有するだけでなく、無線通信を行う携帯情報端末においてより多くの電力を消費すること、携帯情報端末が無線通信用のモジュールを搭載するのにより多くのコストを要すること、携帯情報端末が無線通信用のモジュールを搭載するのにより大きなアンテナの搭載を必要とすること、身体に装着した携帯情報端末が無線通信用に発する電磁波が身体に悪影響を及ぼす影響が指摘されていること等、様々な面で効率的でないといえる。これに対し、近距離無線通信手段は、長距離無線通信用の電波資源を無駄に占有せず、比較的低電力で動作させることができ、モジュール搭載のコストも比較的抑制でき、比較的小さなアンテナで間に合い、また通信に必要とされる出力も小さく身体に与える悪影響も比較的小さい等の利点が挙げられ、近距離無線通信手段を用いることにより、複数の携帯情報端末に実装されたヒューマン・インタフェースを効率的に活用することが可能となる。
請求項7に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、該物品を携帯することに相応しい情報を、直接該物品を通じて情報提供を受ける本人に提示することができることである。本人にとっては、該物品が直接自分に働きかけているような錯覚を起こし、これを楽しむことができる。
請求項8及び請求項9に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、設置型のICタグ情報読取装置を配置することが困難な場所においても、本発明に記載の機能を実現することができることである。ICタグとICタグ情報読取装置との間で通信可能な距離は、現在の技術及び法規制の下では、せいぜい数メートル程度である。例えば、広場や自然環境において、或いは、設置コストに見合う効果の期待できない地域において、ターゲットとするエリアに、ICタグ情報読取装置を配置することが困難な場合も多い。こうした場合に、請求項8に記載されたコンテンツ情報提供システムによれば、情報提供サービスを受ける本人とは別の個人が保持する第二の携帯情報端末を該ICタグ情報読取装置として機能させることにより、設置型のICタグ情報読取装置を配置しなくても、本発明に記載の機能を実現することができる。また、請求項9に記載されたコンテンツ情報提供システムによれば、情報提供サービスを受ける本人が携帯する該携帯情報端末を該ICタグ情報読取装置として機能させることにより、設置型のICタグ情報読取装置を配置しなくても、本発明に記載の機能を実現することができる。
請求項8に記載されたコンテンツ情報提供システムを用いた場合、一部の個人の有する携帯情報端末のみにおいてICタグ情報読取装置としての機能させることにより、該携帯情報端末においてICタグ読取装置として機能するのに必要な手段を具備しなくても情報提供サービスの提供を受けることが可能となる一方、該一部の個人と出会わせるという限られた場合においてしかコンテンツ情報の提供を受けることができないという制約がある。これに対し、請求項9に記載されたコンテンツ情報提供システムを用いた場合、該携帯情報端末が該携帯情報端末の位置を測定することができ、かつ基地局を通じてネットワーク接続できさえすれば、いつでもどこでもコンテンツ情報の提供を受けることが可能である一方、情報提供サービスの提供を受ける全ての個人の携帯情報端末においてICタグ情報読取装置として機能するのに必要な手段を具備することには、コストを要するだけでなく、携帯性(小型、軽量、低電力)を損ねる原因となる。
請求項10に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、第一DBアクセス手段を持たない場合であっても、また第一DBアクセス手段においてコンテンツ情報を送信する対象となる該携帯情報端末の連絡先情報を獲得することができない場合であっても、該携帯情報端末にコンテンツ情報を提供することが可能となる点である。また、もう一つの効果は、該ICタグを備えた該商品の所有者が変わった場合においても、第一データベースにおいて保持されている、該ICタグに記録された該識別情報に関連付けられた連絡先情報を、その度に更新しなくても、該物品の新しい所有者に該コンテンツ情報を提供することができるという点である。
請求項11に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、全ての該物品に備えられたICタグにおいて該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して該識別情報を発信するために必要な非接触通信インタフェースを備えているのではなく、該中継ICタグ以外のICタグにおいては該携帯情報端末から発信された電波に反応して該識別情報を発信するために必要な非接触通信インタフェースを備えていれば事足りる点である。前者のインタフェースでは、数メートル程度の距離に位置する該ICタグ情報読取装置から非接触通信を行わなければならないことを想定した場合、比較的大きなアンテナを備えていなければならない。これに対し、後者のインタフェースでは、数センチメートルから数十センチメートル程度の範囲に位置する該携帯情報端末がら非接触通信を行うことができれば十分であるため、比較的小さなアンテナを備えていれば十分である。アンテナの大きさはICタグの大きさに決定的な影響を与える。そのため、識別の対象とされる物品おいてに、比較的大きなICタグをではなく、比較的小さなICタグを備えていれば、該物品を携帯することに相応しいコンテンツ情報を提供するしくみを実現することが可能となる。該物品に備えなければならないICタグを小型化することは、物品の提供者や利用者のニーズに応えるものである。
請求項12に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、あるコンテンツ情報提供業者の提供するコンテンツ情報提供サービスに対応した識別情報を、多くの製造供給会社が自らの提供する物品の具備する該ICタグに記録することができると同時に、該コンテンツ情報提供業者以外は該識別情報を用いた該コンテンツ情報提供サービスを提供することができないという状況を実現することを可能とする。ICタグに記録された識別情報を、ICタグ情報読取装置を用いて、暗号化されていない状態で誰でも読み取ることができる状況においては、該識別情報に関連付けられた該連絡先情報のデータさえ獲得できれば、誰にでも該識別情報を用いたコンテンツ情報提供サービスを提供することができるようになってしまう。この状況は、特に個人情報流出のリスクが高まっている昨今において、当該コンテンツ情報提供サービスを用いた情報提供が、スパムメールのように無秩序に行われるという事態にもつながりかねない。請求項12に記載されたコンテンツ情報提供システムを用いることにより、契約により認められた正規のコンテンツ情報提供業者のみがサービスを実施し、不正なコンテンツ情報提供業者を排除することができる。また、該個人のプライバシーを保護する対策を講ずることもできる。
請求項13に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、場所や混雑の度合い、その他様々な状況に応じた最適な形態で情報提供を行うことができることである。例えば、屋外の空間と屋内の空間の使い分けを考える場合、屋外ではある程度広い範囲のセルにおいて同じ情報を提供し、屋内ではもっとセルを小さく区切って個人の立つ位置に応じた相応しい情報を提供することが可能となる。
請求項14及び請求項15に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該ICタグ情報読取装置が該ICタグから該識別情報を読み取った場合においても、該ICタグを備える該物品を携帯する個人に該携帯情報端末が携帯されている場合においてのみ、該コンテンツ情報を本人に提示し、携帯されていない場合においては、TPO(時間、場所、状況)が最適でない余計なコンテンツ情報を該個人に無駄に提示することがないように処理することを可能とする。
請求項16に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果としては、以下のものが挙げられる。第一に、同じコンテンツ情報を同じ携帯情報端末に重複して何度も送信するのを防止することを可能とする。例えば、ある店舗の広告情報を提供するためのICタグ情報読取装置が同じ地域にいくつも配置されている場合、この地域を通過する個人はいくつもの該ICタグ読取装置の側を通過することが期待されるが、その度に同じコンテンツ情報を何度も受信することになると、個人はウンザリする。しかし、該サーバにおいて、個人が保持する物品に備えられたICタグから読み取られた識別情報を、一定時間保持し、同じ識別情報が受信された場合、二度目以降は情報提供を行わないよう処理することにより、個人が同じ情報を何度も受信するのを回避することができる。第二に、該携帯情報端末の地理的移動を先読みしながら最適なタイミングで最適なコンテンツ情報を提供することを可能とする。該携帯情報端末の地理的移動を先読みする機能を持たせることにより、該ICタグ情報読取装置が配置されていない地点においても、個人が該地点を通りかかっていると推定されるタイミングにおいて、該個人に該携帯情報端末を通じて該コンテンツ情報を提供することができる。第三に、該個人の移動と合わせながら、複数のコンテンツ情報を相互に関連性を持たせた上で提供することを可能とする。該物品の所有者に対して、どんな情報を、いつ、何度、提供したかについての情報を把握し、既にどんな情報が提供されたかという前提を十分に考慮したうえで、効果的な情報提供を行うことができる。
請求項17に記載されたコンテンツ情報提供システムは、特定の地点又は特定の地域に滞在している個人に対しても、周囲の環境変化に応じたコンテンツ情報の提供を行うことを可能とする。
請求項18及び請求項19に記載されたコンテンツ情報提供システムは、本発明に記載されたコンテンツ情報提供システムを機能させるために必要な、コンテンツ情報受信用の携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を、該物品の購入又は授受の際に、自動的に獲得することを可能とする。該物品に備えられた該ICタグにおいて、該携帯情報端末又は該個人の識別情報又は連絡先情報(受信端末識別情報等)を保持しない場合、該携帯情報端末にコンテンツ情報を送信するためには、該ICタグ情報読取装置又は該サーバは、該ICタグから読み取られた、該物品(又は該ICタグ)の識別情報を元に、該受信端末識別情報等を獲得する手段を備えていなければならない。そのためには、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、該ICタグから読み取られた識別情報と、該受信端末識別情報等とを対照することのできるデータベースへのアクセス手段を有することが必要である。このデータベースは、該ICタグ情報読取装置又は該サーバ自体が備えている場合と、外部の装置が備えていてこれに対してアクセスする場合とがありうる。その他、複数のデータベースの連携によって対照関係が明らかにされる場合も考えられる。特に、該物品の販売時に該携帯情報端末又は該個人の識別情報のみを獲得する際には、該ICタグから読み取られた該物品(又は該ICタグ)の識別情報と該携帯情報端末又は該個人の識別情報とを対照することのできるデータベースと、該携帯情報端末又は該個人の識別情報と該携帯情報端末又は該個人の連絡先情報とを対照することのできるデータベースとを別途準備し(後者のデータベースは該物品の購買時よりも以前から既に準備されていることが想定される)、これらを併せて利用することにより、該ICタグから読み取られた該物品(又は該ICタグ)の識別情報を元に該携帯情報端末の連絡先情報を獲得する場合があると期待される。いずれの場合においても、該ICタグから読み取られた該物品(又は該ICタグ)の識別情報と該受信端末識別情報等との対照関係を、該データベースに記録する必要がある。そのためには、該物品の提供者が、該物品を提供する際に、該物品の提供を受ける個人から、該受信端末識別情報等を確認し、これを適当な入力インタフェースを用いて手動で入力するという方法が考えられる。しかし、この方法では、該物品の提供者と、該物品の取得者とのそれぞれに手間が発生し、途中に入力ミスや虚偽申告が発生し、システムが正しく機能しない可能性もある。そこで、請求項18及び請求項19に記載されたコンテンツ情報提供システムを用いることにより、該物品を提供する際に、該物品の代金の清算手続き等の処理を実行するのと同時に、該受信端末識別情報等を、自動的に、確実に獲得し、データベースに記録することが可能となる。
請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該個人若しくは該携帯情報端末の識別情報又は該個人の個人情報を一部の関係者のみが取り扱うことよって、本発明に記載のコンテンツ情報提供システムを実施することを可能とし、これらの情報の流出や不正利用のリスクを低減させることを可能とする。本発明に記載のコンテンツ情報提供システムは、ICタグ製造業者、ICタグ供給業者、物品製造業者、物品提供業者、ICタグ情報読取装置運営業者、サーバ運営業者、コンテンツ情報供給業者、コンテンツ情報提供依頼業者等、様々な業者(以下、「関係業者」と記載)の連携によって提供されることが想定される。特に、食品、日用品、消耗品等、一時的に所有、利用、保持等される物品に関して、該コンテンツ情報提供システムが適用される場合には、非常に多くの業者がコンテンツ情報を提供するプロセスに頻繁に関与することが想定される。そのため、該コンテンツ情報提供システム全体において、該個人若しくは該携帯情報端末の識別情報又は該個人の個人情報(以下、「個人情報等」と記載)を直に用いれば、該個人情報等が不特定多数の関係業者に提供される状況が発生し得る。該個人情報等を取り扱う関係業者においては、適切な管理のもと、該個人情報等の流出や不正使用が発生しないよう、細心の注意が払われなければならない。しかしながら、各関係業者には、特にトランザクションが増え、サービスの低価格化が進行すると、該個人情報等の管理に投じるコストを抑制することが要求される。それにより、該個人情報等の流出や不正使用のリスクが増大することが予測される。該個人情報等の流出や不正使用が発生した場合、該個人や各関係業者にもたらされる損失や混乱は計り知れない。該個人はプライバシーを破壊されるリスクにさらされることとなり、該関係業者は損害賠償訴訟や営業停止に追い込まれるリスクを抱え込むことになる。これに対し、請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該個人情報等を一部の関係者のみが取り扱うことよって、本発明に記載のコンテンツ情報提供システムを実施することを可能とする。該個人情報等の管理に関わる業務を一部の関係業者に集中させることにより、該個人情報等の流出や不正使用のリスクを最小限に抑えることが可能となる。即ち、他の関係業者に対しては、一時的に有効な一時識別情報のみが提供されるため、これらの関係業者の間で該一時識別情報の流出又は不正使用が発生したとしても、該一時識別情報の流出又は不正使用による被害を最小限に抑えることができる。また、該携帯情報端末等において、該携帯情報端末の利用者の意思を反映するための操作により、該一時識別情報の有効期間を終了させることのできる手段を備えておけば、これを用いることにより、該不正使用を中止させることが可能となる。また、該携帯情報端末等において、該携帯情報端末の利用者の意思を反映するための操作により、該一時識別情報の利用条件を設定する手段を備えておけば、これを用いることにより、該利用条件の範囲を越えた該一時識別情報の不正利用を抑制することが可能となる。
請求項21に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該携帯情報端末に対する該関連コンテンツ情報の送信を該サーバに代わって該一時識別情報管理サーバが代行することにより、該個人情報等を該サーバが参照できない状態で、該関連コンテンツ情報を提供するサービスを実現することを可能とする。該サーバが、該関連コンテンツ情報をカスタマイズするために、該個人情報等に含まれる一部の属性情報を獲得する場合であっても、該個人又は該携帯情報端末を特定することのできる情報を参照することができないようにすることができる。これにより、該サーバにおいて悪意のあるプログラムが動作していたとしても、該個人のプライバシーに対する侵害を最小限に留めることができる。
請求項22に記載されたコンテンツ情報提供システムは、上記請求項20又は請求項21に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果に加え、該携帯情報端末又は該一時識別情報管理サーバにおいて、該一時識別情報を発行し、該一時識別情報管理サーバにおいて、該一時識別情報を該携帯情報端末の利用者の該個人情報等と関連付けて記録し、該携帯情報端末において、該一時識別情報を保持し、以って、該一時識別情報を利用可能な常態とすることを可能とする。
請求項23に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果としては、以下のものが挙げられる。第一に、個人は、該個人の嗜好が考慮された最適なコンテンツ情報の提供を受けることができる。個人が関心のあるコンテンツ情報の範囲を自ら明示的に特定する手段を通じて獲得された個人情報を用いる場合には、個人の関心事項に直接結びつく可能性が高いコンテンツ情報を提供することができる。また、そうではなく、本発明に記載のコンテンツ情報提供システムに限らず、様々なプロセスにおいて自然に獲得される個人情報を用いる場合においても、個人の属性によって区切られるセグメント毎に、どのような情報に対して高い関心を示す傾向がみられるかを整理し、これを用いて提供する情報の選定等を行うことにより、個人の属性にある程度配慮した上での情報提供を行うことができる。第二に、情報提供又は広告宣伝を行うサービス情報提供業者は、該個人の各種個人情報に基づき、該情報提供又は該広告宣伝の趣旨や目的に即した最適な対象者を選んだうえで、また該個人向けに最適な内容に編集した上で、コンテンツ情報を送信することができる。これは、例えば、該情報提供又は該広告宣伝の依頼主に、コンテンツ情報の送信件数に基づく従量制の料金が発生する課金システムが設定されている場合などにおいて、とりわけ重宝されると期待される。第三に、第一の効果と第二の効果を共に活かすことのできるシステム構成を適用することにより、該個人と該サービス情報提供業者の両者にとって望ましい、最適なコンテンツ情報提供サービスを実施することができる。
請求項24に記載されたコンテンツ情報提供システムは、個人の設定又は採用する情報受信ポリシーに基づき、該個人の利用する情報端末が受信する大量の関連コンテンツ情報に対して取捨選択を行い、該個人が取り扱うことができる範囲内において、該個人にとって十分に価値があると判断される関連コンテンツ情報を抽出し、該個人に提供することを可能とする。例えば、活気のある市場を歩いているときに、色々な店の店員から発せられる商品売り込みの言葉が次々と耳に飛び込んでくるのと同じように、該ICタグ情報読取装置が多数設置されている地域を歩いていると、色々な業者により発信された関連コンテンツ情報が次々と携帯情報端末に受信されるという状況が想定される。この状況において、利用者が全ての関連コンテンツ情報を確認しようと思えば、情報が飛び込んでくるスピードにとても追いつかないという場合も考えられる。そうしたときに、予め設定された取捨選択の基準により関連コンテンツ情報を選択し、利用者が求めると期待される関連コンテンツ情報のみを提示するという利用法を用いることが可能である。
請求項25に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該関連コンテンツ情報の送受信に応じ、該関連コンテンツ情報の送信者や受信者に対し、該関連コンテンツ情報の趣旨に応じた、対価や報酬の還元や料金の徴収などを実施することを可能とする。例えば、該関連コンテンツ情報の受信者に、広告情報を受信することに対する対価や報酬を還元することや、有益な情報を受信することにより発生する料金を請求すること、また、該関連コンテンツ情報の送信者に、広告情報を送信することにより発声する料金を請求することや、受信者の利益に供する情報を送信することに対する対価や報酬を還元すること等を可能とする。
請求項26に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、該コンテンツ情報提供システムを、個人利用者が相互に情報共有、情報交換などを行うことのできる、コミュニティ・ウェアとして活用することができることである。
請求項27に記載されたコンテンツ情報提供システムの効果は、そのときオペレータの発信する生の情報を、コンテンツ情報として伝達できるという点にある。本発明の他の請求項に記載されたシステムでは、予め準備された情報を機械的に伝えることしかできないが、この請求項のシステムを用いることにより、オペレータの発信するコンテンツ情報をリアルタイムに伝達することが可能となる。機械的な情報であれば無視されやすい情報に比べ、生の情報は利用者の関心をひきつけやすくなると期待される。また、第二の効果として、計算機ではなく、待機するオペレータに情報提供を担当させることにより、利用者が途中で何らかの反応を示したときの臨機応変の対応が可能であり、必要に応じては、一方的な情報提供から相互通信に切り換え、より丁寧な案内を実施することが可能である。これは、道先等の案内や商品等の広告といった、さまざまな情報提供において活用することが可能である。例えば、演劇のチケットを持ちながら、講演会場まで辿り着けず迷っている利用者に対して、機械的な案内情報を提供するだけでなく、本人が納得し、十分に理解するまで丁寧に講演会場への案内を行うことができる。
請求項28に記載されたコンテンツ情報提供システムは、該携帯情報端末及び該物品を携帯する個人に対し、単なるコンテンツ情報ではなく、チケット、クーポン、ポイント、リンク情報、又は経済的価値を有する情報のうち、少なくともいずれかを含む、付加価値コンテンツ情報を送信することを可能とする。
請求項29に記載された該携帯情報端末は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムの実現を可能とする。
請求項30に記載された該ICタグ情報読取装置は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムの実現を可能とする。
請求項31に記載された該サーバは、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムの実現を可能とする。
請求項32に記載された該物品は、請求項1〜28のいずれかに記載されたコンテンツ情報提供システムの実現を可能とする。
請求項1〜4に記載されたコンテンツ情報提供システムを構成する主な要素について、実施例として考えられるものを下記に示す。
該物品の実施例としては、該物品の主たる用途が該ICタグによって提供される用途ではないもの(以下、「第一分類物品」と記載)と、該物品の主たる用途が該ICタグによって提供される用途であるもの(以下、「第二分類物品」と記載)とが挙げられる。第一分類物品の例としては、鞄、財布、ティッシュペーパー、チラシ、パンフレット、ぬいぐるみ等が挙げられる。第二分類物品の例としては、ICカード、電子財布等が挙げられる。また、会員証、チケット等は、実施形態によって、第一分類物品とも、第二分類物品ともなり得る。
該ICタグとしては、当業者の間では既に知られる、リーダライタとの通信を電磁誘導で非接触に行う、非接触ICタグ、RFID、又は非接触ICカードと呼ばれるものを用いる。即ち、コイルによるループ・アンテナを、リーダライタと対向させて、電磁誘導により電力を供給し、これにより情報の記録と読出に必要な処理を行うというものである。電磁誘導方式以外にも、電磁結合方式、マイクロ波方式、光方式等がある。それぞれ、使用する周波数帯域、通信可能距離、通信速度、信号の指向性や干渉による安定性などに特徴があり、用途に応じた最適なものを用いることが期待される。現在は、導電性ペーストの圧膜印刷や金属箔の感熱印刷により作成されたコイルを実装したものが主流である(当業者であれば容易に知ることのできる詳細の記述についてはここでは省略する)。
該識別情報としては、該物品を識別するもの(これには、商品の一品毎をユニークに識別するもの、商品名を識別するもの、商品の種類を識別するもの等が含まれる)、該ICタグを識別するもの、該携帯情報端末を識別するもの、該個人を識別するもの、及びこれらのうちの複数を識別するもの(或いはこれらを識別するものの組み合わせ)が挙げられる。即ち該ICタグには、これらの識別情報のうち、少なくともいずれかが記録されていれば、本発明に記載のコンテンツ情報提供システムを提供することが可能である。
なお、該物品を識別する識別情報は、主に該物品を製造する製造業者、又は該物品を販売若しくは提供する提供業者によって、該ICタグに記録されることが期待される。該ICタグを識別する識別情報は、該ICタグを製造する製造業者、又は該ICタグを販売若しくは提供する提供業者によって、該ICタグに記録されることが期待される。該携帯情報端末又は該個人を識別する識別情報は、該物品を販売若しくは提供する提供業者によって、該個人に対する該物品の販売又は提供の際に、該ICタグに記録されること(この場合、該提供業者は、この記録の前に該携帯情報端末又は該個人を識別する識別情報を獲得する必要がある。その方法としては、例えば、(イ)該個人に提示、記入、入力等してもらう、(ロ)該個人の利用する携帯情報端末から近距離通信により受信する、(ハ)該個人の利用するIC又はカードから読み取る、(二)該個人の利用する情報端末等から、該商品の提供業者等の管理下にある通信装置に対し、着信番号通知方式で電話をかけてもらうか、送信元のメールアドレスが分かる方式でメールを出してもらう、(ホ)以上の方法により獲得された情報を用いてデータベースを検索して引き出してくる、等の方法が想定される)、或いは、該個人が利用する、ICタグに対する書き込み手段を具備する情報端末によって、該個人の操作に応じて又は自動的に、該ICタグに記録されることが期待される。
該連絡先情報とは、該携帯情報端末にアクセスするために用いることのできる情報であり、実施例としては、電話番号、メールアドレス、IPアドレス(例えばIPV6に準拠するもの)、ヴァーチャル・アドレス(例えばヴァーチャルIPアドレス)等が挙げられる。また、該連絡先情報は、該携帯情報端末を識別する識別情報の一種であると考えられる。
該携帯情報端末の実施例としては、携帯電話、ノート・パソコン、腕時計、PDA、携帯型ラジオ、携帯型テレビ、ヘッド・マウント・ディスプレイ等が挙げられる。ともに、無線通信手段と、関連コンテンツ情報受信手段と、コンテンツ情報提示手段とを具備していなければならない。コンテンツ情報提示手段の例としては、音声情報を出力するもの(スピーカ)、視覚情報を出力するもの(ディスプレイ)等が考えられ、その組み合わせによってコンテンツ情報を出力するものも可能である。
該携帯情報端末が複数の出力手段(例えば、スピーカ、ディスプレイ、バイブレータ、発光素子等)を具備する場合には、該関連コンテンツ情報の情報形式に応じて、該関連コンテンツ情報を出力するのに最適な出力手段を通じて出力する(複数の出力手段を、必要に応じて連携させた上で、同時に用いることもできる)。また、該関連コンテンツ情報が、該関連コンテンツ情報を出力する出力手段を指定する情報(又は優先順位を付ける情報)が含まれている場合には、この指定された出力手段(又は該携帯情報端末において利用可能な出力手段の中で高い優先順位が与えられている出力手段)を通じて、該出力情報を出力するしくみを適用することができる。また、該携帯情報端末において、該関連コンテンツ情報を出力する際の出力手段の選定に関するポリシーが設定されている場合には、該ポリシーに応じて出力手段を選定した上で出力するしくみを適用することができる(例えば、同じテキスト形式の関連コンテンツ情報を受信した場合においても、ある携帯情報端末においては該関連コンテンツ情報をスピーカを通じて音声として読み上げるポリシーを持ち、別のある携帯情報端末にイおいては、ディスプレイを通じて文字情報として出力するポリシーを持つという状況が想定される)。
該ICタグ情報読取装置の実施例としては、道先や商品に関する案内情報を提供する案内ステーション、店舗や商品、イベントなどの広告情報を告知する広告ステーション、コミュニティの情報交換をサポートするコミュニティ・ステーション、或いはこれらのうちの複数の機能を持つ複合ステーション等を挙げることができる。さらに、このそれぞれについて、情報提供を受ける個人に対してその存在が明示的に示されているタイプのものと、情報提供を受ける個人に対してその存在が明示的に示されていないタイプのものとを挙げることができる。本発明に記載にコンテンツ情報提供システムでは、該個人のその場での意思にかかわらず、即ち該個人の意識的な動作を伴わずに、該ICタグから該識別情報又は該連絡先情報を読み取り、該関連コンテンツ情報を提供することが可能であることを特徴とするが、前者のタイプのものは、情報を受け取る本人がその場での自らの意思と行為を持って能動的にコンテンツ情報を獲得する形態で使用されることも可能である。後者のタイプのものは、主に情報を受け取る本人のその場での意思にかかわらず情報提供者の側から発信されるコンテンツ情報を本人が受動的に受け取るという形態で使用される。
該サーバの実施例としては、ただ一つのICタグ情報読取装置から送信された識別情報に反応してコンテンツ情報の提供を行うものも考えることができるが、通常は複数のICタグ情報読取装置から送信された識別情報に反応してコンテンツ情報の提供を行うものが用いられることが期待される。
該コンテンツ情報の実施例としては、広告情報、商品情報、店舗情報、地域情報、地理情報が挙げられる。
従って、該コンテンツ情報提供システムの実施例としては、こうした該物品、該ICタグ、該識別情報、該連絡先情報、該携帯情報端末、該ICタグ情報読取装置、該サーバ、該コンテンツ情報の組み合わせによって、多様な形態のものを挙げることができる。
請求項1に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該物品がパンフレットやチケットなどの案内物であって、該案内物において印刷された案内手段を活用するだけでなく、該案内物を保持する個人が特定の地域に足を踏み入れた場合に、さらに本人の所有する携帯情報端末を通じて、タイムリーな案内情報の提示を行うことを可能とするコンテンツ情報提供システムである。該物品は、展示会や映画のチケットであって、該チケットの具備するICタグにおいては、該識別情報として、該展示会や映画を特定する情報と、チケット一枚毎に与えられるシリアルナンバーとが記録されている。該識別情報は、該チケットが提供される際に確認された、該チケットの購入者を識別する情報と関連付けられた状態で、会員データベース(本発明における第一データベースに該当する)に記録される。該購入者の利用する携帯情報端末の連絡先情報は、該購入者を識別する情報と関連付けられた状態で予め第一データベースに記録されている。
案内ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)は、該チケットを携帯する該購入者が該案内ステーションの近傍を通過した際に、該チケットの具備する該ICタグから該識別情報を読み出し、該案内ステーションとネットワーク接続されたサーバに対し、該識別情報を送信する。該サーバは、該識別情報を受信し、第一DBアクセス手段を通じて、第一データベースから、該識別情報に関連付けられた、該購入者を識別する情報を検索し、該購入者を特定する情報に関連付けられた該携帯情報端末の該連絡先情報を獲得し、また第二DBアクセス手段を通じて、第二データベースから、該識別情報に含まれる該展示会や映画を特定する情報に関連付けられた関連コンテンツ情報を獲得し、該関連コンテンツ情報を、該連絡先情報を用いて該携帯情報端末に送信する。
これにより、例えば、該展示会や映画のチケットを持った該購入者が、会場に足を踏み入れたとき(会場ではいくつもの展示会や映画が催されている場合が想定される)、案内ステーションは、該購入者の持つ該チケットから読み取った識別情報によって特定される展示会や映画の内容に応じて、「******の会場は右へ50m進んでください」といった具合に、道案内をすることができる。
請求項2に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該物品がティッシュペーパーやチラシ等の広告宣伝媒体であって、該広告宣伝媒体の表面に印刷された広告宣伝手段を活用するだけでなく、該広告宣伝媒体を保持する個人が特定の地域に足を踏み入れた際に、さらに本人の所有する携帯情報端末を通じて、タイムリーな広告宣伝情報の提示を行うことを可能とするコンテンツ情報提供システムである。
この方法を用いる場合、予め、該個人の利用する該携帯情報端末の連絡先情報を獲得し、該シリアルナンバーと該連絡先情報を関連付けて第一データベースに記録しておく必要がある。これには様々な方法が考えられるが、ここでは、Felica機能付の携帯電話をかざすとティッシュペーパーを無料で受け取ることのできる、ティッシュペーパー配布装置を用いた例を取り上げる。あるパチンコ業者の提供によって設置されたティッシュペーパー配布装置は、Felica機能付の携帯電話の提示があった際に、該パチンコ店の広告情報が印刷されたティッシュペーパーを配布するが、該ティッシュペーパーには、該識別情報として該ティッシュペーパーのパッケージのシリアルナンバーの記録されたICタグが添付されており、該携帯電話から該携帯電話の連絡先情報を読み取り、また配布される該ティッシュペーパーのパッケージのシリアルナンバーを読み取り、該シリアルナンバーと該連絡先情報とを関連付けて、該パチンコ店の前に設置されている全ての広告ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)が具備する第一データベースに記録しておく。ただし、同様のシステムを多数の異なる業者によって提供されることが想定される場合には、該ICタグには、該ティッシュペーパーが該パチンコ店を広告宣伝するために配布されたことを明確にするための識別情報も併せて記録しておくことが期待される。
該広告ステーションは、該ティッシュペーパーを携帯する該個人が該広告ステーションの近傍を通過した際に、該ティッシュペーパーが該パチンコ店を広告宣伝するために配布されたものであることが判断された場合には、該ティッシュペーパーの具備する該ICタグから該シリアルナンバーを読み出し、第一DBアクセス手段を通じて、第一データベースから該シリアルナンバーに関係付けて記録された該連絡先情報を獲得し、該連絡先情報によって特定される該携帯情報端末に対し、該パチンコ店に関する広告情報を送信する。例えば、該ティッシュペーパーを持つ個人が、広告ステーションの近傍を通過したときに、「***番のパチンコ台が大当たりしました」という該パチンコ店内で放送される情報の一部を該携帯情報端末を通じて該個人に提示することにより、入店意欲を喚起することができる。
なお、街頭等において何かを配布することによって実施される広告宣伝を行う場合、化粧品等の試供品を配布することによって該化粧品等の魅力を伝達しようとする方法も用いられてきたが、あまり大きな広告効果が期待されない場合には、情報を伝える機能のみを有するチラシや、その他の機能を有するものについても、ティッシュペーパーなど、安価な品物が配布の対象とされるのが普通である。しかしながら、本発明に記載されたコンテンツ情報提供システムを用いることにより、高い広告効果が期待されると判断される場合には、非常に高価な品物を配布することも合理的な広告方法として用いられることが期待される。その方が、該携帯情報端末の連絡先情報やその他の個人情報を要求しやすく、またその品物をいつまでも大切に所持してくれることが期待されるためである。例えば、街角で高価なブランド物のバッグを配布すること(或いは、極めて安価な価格で提供されること、以下同様)や、雨の日に安物でない傘を配布すること、評判の書籍を配布すること、カッコいい洋服を配布すること、などが広告方法のプロセスとして現実的に行われることが期待される。
請求項3に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該物品がぬいぐるみであって、該携帯情報端末に備えられた音声出力手段を通じて発せられる、該ぬいぐるみの声として設定された音声によって、様々な商品に関する情報を提供するサービスを実施することを可能とするコンテンツ情報提供システムである。
該ぬいぐるみの具備するICタグにおいては、該識別情報として、該ぬいぐるみのシリアルナンバーと、該ぬいぐるみを愛玩する個人の利用する携帯情報端末の連絡先情報とが記録されている。ICタグ情報読取装置は、該ぬいぐるみを携帯する該個人が該ICタグ情報読取装置の近傍を通過した際に、該ぬいぐるみの具備する該ICタグから該識別情報を読み出し、該ICタグ情報読取装置とネットワーク接続されたサーバに対し、該識別情報を送信する。該サーバは、該識別情報を受信し、第二DBアクセス手段を通じて、第二データベースから、該ICタグ情報読取装置を識別する情報に関連付けられた関連コンテンツ情報を獲得する。該サーバは、更に、関連コンテンツ情報を変換する規則を定義するカスタマイズ・ポリシー・データを、シリアルナンバーと関連付けて記録するデータベースと、指定されたカスタマイズ・ポリシー・データにおいて定義された規則に従って関連コンテンツ情報を変換するコンテンツ情報変換手段とを具備し、該識別情報に含まれる該シリアルナンバーと関連付けて記録されたカスタマイズ・ポリシー・データを獲得し、該コンテンツ情報変換手段によって、該カスタマイズ・ポリシー・データに従って、該関連コンテンツ情報を変換し、変換された該関連コンテンツ情報を、該連絡先情報を用いて該携帯情報端末に送信する。
該コンテンツ情報変換手段としては、多様なぬいぐるみのキャラクターに適合する音声を生み出すために、音声合成技術やボイスチェンジ技術を実装したものや、該ぬいぐるみのキャラクターに適合する情報を生み出すために、人工知能を実装したもの等が想定される。さらに、該ぬいぐるみを、人格を有する存在として見立てた上で、例えば、該ぬいぐるみの好き嫌いや得意分野などを設定し、該ぬいぐるみの選択する商品や、その商品において注目するポイント、その商品についての説明のしかたなどにおいて、特徴を持たせることもできる。該ぬいぐるみの特徴に応じた設定やコンテンツ情報の準備は、該ぬいぐるみの提供者か、或いはその他のコンテンツ情報提供業者が実施することが想定されるが、該ぬいぐるみの所有者がこれをカスタマイズし、それに応じたコンテンツ情報の提供を行うというものも可能である。これにより、該ぬいぐるみの所有者はショッピング等の場面において楽しく情報提供を受けることができるし、小売業者はより多くの商品の販売に成功することができると期待される。すでに愛用されている古いぬいぐるみであっても、後から発行されるICタグを該ぬいぐるみに搭載することにより、同様のサービスの提供を受けることも可能である。例えば、該ぬいぐるみが「ミントちゃん」という名称で呼ばれる場合、該ぬいぐるみのものとして設定された声によって、推奨された商品について、「ミントちゃんのお薦めだったら買おうかな」と本人に思わせる可能性が高くなると期待される。
なお、このようなしくみは、該ぬいぐるみが本発明に記載の携帯情報端末(ただし、該物品と「一体でない」との制約を除いたもの)の機能を果たす装置を該ぬいぐるみに搭載し、該ぬいぐるみのものとして設定された声を直接該ぬいぐるみから発せられるようにすると、利用者は該音声と該ぬいぐるみを感覚的に結びつけることができるため、さらに効果的に機能すると期待されるが、該ぬいぐるみが備えていなければならない装置が比較的大掛かりになるという問題もある。
請求項4に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該物品が、個人が特定のメンバーシップを有することを示すカードや会員証等であって、メンバーに対して伝達しなければならない情報や広告宣伝したい情報などを、メンバーに対してのみ提示することを可能とするコンテンツ情報提供システムである。
該会員証の具備するICタグにおいては、該識別情報として、該会員証の所有者が該メンバーシップを有することを示す情報と、該所有者の会員番号情報と、該メンバーの利用する携帯情報端末の連絡先情報とが記録されている。案内ステーション(本発明におけるICタグ情報読取装置に該当する)は、該会員証を携帯する該個人が該案内ステーションの近傍を通過した際に、該会員証の具備する該ICタグから該識別情報を読み出し、該会員証の所有者が該メンバーシップを有することが確認された場合に、第二DBアクセス手段を通じて、第二データベースから、該メンバーシップを有することを示す情報又は該会員番号情報に関連付けられた関連コンテンツ情報を獲得し、該関連コンテンツ情報を、該連絡先情報を用いて該携帯情報端末に送信する。
例えば、あるフィットネス・クラブが入居する複合施設の任意の場所に設置された案内ステーションにおいて、このフィットネス・クラブの会員証を保持するメンバーが付近を通りかかったときに、本人の所有する携帯情報端末を通じて、「本日、******フィットネス・クラブはお休みとなっております。またのお越しをお待ちしています」といった情報をタイムリーに提示することができる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例としては、該ICタグが複数配置されることを特徴とするもの、該携帯情報端末が複数配置されることを特徴とするもの、該ICタグ情報読取装置が複数配置されることを特徴とするもの、該サーバが複数配置されることを特徴とするもの、及び、これらの組み合わせ、即ちこれらのうち二種類以上が複数配置されることを特徴とするものを挙げることができる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、該ICタグが複数配置されることを特徴とするものである。ここでは同じ個人がそれぞれICタグの埋め込まれた複数の物品を同時に携帯する実施例を取り上げる。個人は、それぞれICタグが備えられた、ティッシュペーパー、パンフレット、バッグ、会員証を携帯し、ティッシュペーパーに備えられたICタグから読み取られた識別情報に基づき、消費者金融からの広告情報を、パンフレットに備えられたICタグから読み取られた識別情報に基づき、コンサート会場への道案内情報を、バッグに備えられたICタグから読み取られた識別情報に基づき、新規輸入されたブランド品情報を、会員証に備えられたICタグから読み取られた識別情報に基づき、最寄りのスーパーでの会員向け割引情報を、それぞれ、該個人が携帯する携帯情報端末を通じて該個人に提供する(図6参照)。これにより、異なる情報提供業者から、広告や案内など異なるアプローチにおいて、各物品の性質に応じた異なる目的の情報を受け取るしくみを同時に実現することができる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、該携帯情報端末が複数配置されることを特徴とするものである。個人が、携帯電話、ノート・パソコン、腕時計など、本発明に記載された携帯情報端末の要件を満たす複数の携帯情報端末を保持し、該個人が携帯する物品に備えられたICタグから引き出された識別情報に基づき、これらの携帯情報端末に送信されるコンテンツ情報を、該サーバ(又は該ICタグ情報読取装置)は、該個人の携帯する携帯情報端末の中から、該コンテンツ情報の形態に最適な携帯情報端末を選択し、これに対して送信する。各携帯情報端末は、それぞれ異なる連絡先を備え、またそれぞれ異なる特性を有する。
該サーバ(又は該ICタグ情報読取装置)は該ICタグから引き出された識別情報に関連付けられた連絡先情報として、各携帯情報端末の連絡先に関する情報を、該携帯情報端末の分類又は特徴が明らかな形態にて保持し、該個人に向けて送信するコンテンツ情報の性質や、送信のタイミング、或いはその他の条件に基づく様々な基準により、最適な携帯情報端末の連絡先情報を選択する。例えば、新商品に関するデザインを含む解像度の高い写真情報を提示したい場合には、表示能力の高いノート・パソコンを、時々使っている外食店の空席情報など一言メッセージで事足りる軽い情報を提示したい場合には、気軽にチェックできる腕時計を、或いは音声により伝達することが重要である場合には、音声出力手段を備えた携帯電話を、該連絡先として選択するといった具合である(図7参照)。
また、登録されている携帯情報端末のうち、本人に携帯されていることが明らかなものや、アクティブに活用されていることが明らかなものがある場合には、それを選択する。例えば、商品に関するある程度詳細な情報を提供したい場合には、本人の利用するノート・パソコンを連絡先として用いるのが最適であるが、該ノート・パソコンが用いられていない場合には、別の携帯情報端末(例えば携帯電話)を選択する、といった具合である。この場合、該サーバ(又は該ICタグ情報読取装置)は、個人の利用する各携帯情報端末がアクティブかどうかを確認する手段を備えておく。この確認の方法としては、例えば、該サーバ(又は該ICタグ情報読取装置)が定期的に(又は該コンテンツ情報を送信する直前に)各携帯情報端末との通信を試みて返信の有無を確認する方法や各携帯情報端末が起動時と終了時に該サーバ(又は該ICタグ情報読取装置)にステイタス変化をレポートする方法などが考えられる。これにより、コンテンツ情報を、該コンテンツ情報の形態やその時の様々な条件に応じた最適な携帯情報端末を通じて、該個人に提示することができる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムの第三の実施例は、該ICタグ情報読取装置が複数配置されることを特徴とするものである。複数の異なる地点に設置されたICタグ情報読取装置を通じて、個人が携帯する物品に備えられたICタグから引き出された識別情報に基づき、該サーバは、該サーバが参照することのできる、該特定情報に関連付けられた複数のコンテンツ情報の中から、各地点において最適なコンテンツ情報を選択し、これを本人が携帯する携帯情報端末の連絡先に送信するというものである。
例えば、ある店舗のマーケティング目的において活用される場合、該店舗から少し離れた地点に設置されたICタグ情報読取装置において該識別情報が読み取られた際には、「本日、年末大セール期間中で、さらに、あと約5分でタイム・セールを開催いたします」といった客をひきつけるコンテンツ情報や、「***電気店は、このまま100m直進した角を右に曲がってください」といった道先案内を行うコンテンツ情報を提供し、該店舗の前に設置されたICタグ情報読取装置において該識別情報が読み取られた際には、「いらっしゃい、いらっしゃい、見るだけでいいからちょっと入っていってよ」といった客を店舗内に招き入れるコンテンツ情報を提供し、該店舗の中に設置されたICタグ情報読取装置において該識別情報が読み取られた際には、「こちらの棚の商品、今日入荷したばかりだけど、すぐに品切れになる勢いで売れているし、お薦めだよ」といった商品に関して案内を行うコンテンツ情報を提供する、といった具合である(図8参照)。これにより、時間や状況に応じた最適なコンテンツ情報を、最適な地点で提供することができる。
さらに、様々な地点に、該ICタグ情報読取装置を網羅的に配置することにより、個人が携帯する携帯情報端末を通じて、個人が携帯する物品に即した情報を提供するための社会インフラとして機能させることもできる。このように社会インフラとして機能させる場合には、様々な物品及びICタグの提供業者の提供するICタグに保持されている識別情報に基づき、様々なコンテンツ情報提供者から提供される情報を、様々な個人に対して、提供することが可能となる。
請求項5に記載されたコンテンツ情報提供システムの第四の実施例は、該サーバが複数配置されることを特徴とするものである。同じ業種の複数の異なる業者の提供する複数のサーバ、或いは、複数の異なる業種の業者が提供する複数のサーバが、個人が携帯する物品に備えられたICタグから引き出された識別情報に基づき、本人が携帯する携帯情報端末に対して、それぞれの目的に即したコンテンツ情報を提供するというものである。例えば、同じICタグが保持する同じ識別情報を用いて、或いは、同じICタグ情報読取装置によって読み取られた識別情報を用いて、広告配信業者と情報提供業者がそれぞれ別々のサーバを持ち、独自のサービスを展開することができる(図9参照)。もちろん、異なる業者の提供するコンテンツ情報を、一つのサーバにおいて提供することも可能であるが、各業者が管理するサーバを、それぞれ別々に持たせることによって、システムの運用がより容易となる場合も多い。
請求項6に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例としては、該ハブ機能携帯情報端末として携帯電話を用い、その他の携帯情報端末としてPDAや音楽プレイヤー、ヘッド・マウント・ディスプレイ、ワイヤレス・イヤホン等を用いたものが挙げられる(図10参照)。該携帯電話が本発明に記載の無線通信手段を備え、他の携帯情報端末がこれを備えず(或いは、備えているが用いず)、尚且つ、該携帯電話以外の全ての携帯情報端末が少なくとも該携帯電話との間で相互に通信することのできる近距離無線通信手段を備えているというものである。
該携帯電話は、各携帯情報端末に宛てられたコンテンツ情報を一括して受信し、これを該コンテンツ情報に関して指定された情報(サブアドレス等の情報)に基づき、各携帯情報端末に近距離無線通信手段を通じて送信するという中継機能を果たす。又は、該携帯電話は、コンテンツ情報を一括して受信し、各コンテンツ情報の性質に応じて、利用可能な携帯情報端末の中から、最適な携帯情報端末を選択し、これに対して近距離無線通信手段を通じて送信するという形態を採用することも可能である。例えば、視覚的情報であればPDAやヘッド・マウント・ディスプレイ等に転送し、音声情報であれば音楽プレイヤー、ワイヤレス・イヤホンに転送する。もちろん、該携帯電話は、該コンテンツ情報を、直接該携帯電話が具備するコンテンツ情報提示手段を通じて該個人に提示するオプションを持つこともできる。
請求項7に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例としては、該物品としてぬいぐるみや人形、キャラクター・グッズなど(以下、「ぬいぐるみ等」と記載する)を適用したものが挙げられる(図11参照)。該ぬいぐるみ等は、それ自体を特定する識別情報を保持するICタグを備え、該ICタグ情報読取装置は該識別情報を読み取り、第二DBアクセス手段を通じて、該識別情報に適したコンテンツ情報を獲得し、これを該識別情報に適したものに変換する(例えばボイスチェンジ機能等を用いる)。さらに、第一DBアクセス手段を通じて、該識別情報と関連付けられた、該ぬいぐるみ等の所有者のものである携帯情報端末の連絡先を獲得し、この変換されたコンテンツ情報を、該携帯情報端末に送信する。該携帯情報端末はこれを受信し、さらに該ぬいぐるみ等と近距離無線通信を確立し、受信した情報を該物品に転送する。該ぬいぐるみ等は、第四近距離無線通信手段を通じて、該変換されたコンテンツ情報を受信し、該コンテンツ情報提示手段として備えられたスピーカを通じて情報提供を受ける本人に提示する。これによって、該ぬいぐるみを携帯することに相応しい情報を、直接該ぬいぐるみを通じて本人に提示することができる。本人にとっては、該ぬいぐるみが直接自分に話しかけてくれているような錯覚を起こし、これを楽しむことができる(本実施例に関連するものとして、請求項3に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例を参照)。
請求項8に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、広場や自然環境など、設置型のICタグ情報読取装置が配置されていないエリアにおいて、同じエリアに存在する、情報提供サービスを受ける本人とは別の個人の携帯する第二の携帯情報端末を、ICタグ情報読取装置として機能させるというものである(図12参照)。第二の携帯情報端末は、設置型のICタグ情報読取装置が具備する各手段に加え、該携帯情報端末の位置を特定する情報を獲得する手段(例えばGPSなど)を備え、該手段によって獲得された位置情報を、該識別情報とともに、該サーバに送信する。該サーバはこれらの情報を受信し、該識別情報に関連付けられた携帯情報端末の連絡先に、該位置情報に関連付けられたコンテンツ情報を送信する。なお、該一部の個人の有する携帯情報端末においては、当該サービス提供に必要な役割が担われているため、コンテンツ情報提供業者の提供による利益の還元や何らかの料金の割引制度を適用するなどの優遇措置を設定し、該ICタグ読取装置として機能する携帯情報端末を持つことを促進する対策を講じることも考えられる。
請求項9に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、広場や自然環境など、設置型のICタグ情報読取装置が配置されていないエリアにおいて、情報提供サービスを受ける本人の携帯する携帯情報端末が特定の条件を満たす状態にあるときに、該携帯情報端末をICタグ情報読取装置として機能させるというものである。該携帯情報端末は、設置型のICタグ情報読取装置が具備する各手段に加え、該携帯情報端末の位置を特定する情報を獲得する手段(例えばGPSなど)を備え、該手段によって獲得された位置情報を、該識別情報とともに、該サーバに送信する。該サーバはこれらの情報を受信し、該識別情報に関連付けられた携帯情報端末の連絡先に、該位置情報に関連付けられたコンテンツ情報を送信する。
なお、該特定の条件としては、該携帯情報端末が特定の場所にあるとき(GPS等の測位手段により検出)、該携帯情報端末が特定の時間帯にあるとき(該携帯情報端末における設定による)、該携帯情報端末が特定のモードにあるとき(該携帯情報端末における設定による)、該携帯情報端末が特定の物品の近傍にあるとき(該特定の物品の具備するICタグから識別情報を読み取ることにより検出、該特定の物品は関連コンテンツ情報の送信のトリガーとなる識別情報を記録するICタグを具備する物品と同一のものでも、異なるものでも可)、該携帯情報端末が特定の他の携帯情報端末と近傍にあるとき(該携帯情報端末と近距離無線通信を行うことにより検出、該他の携帯情報端末は同じ利用者のものでも、他者のものでも可)等が想定される。
請求項10に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例としては、該携帯情報端末において、該物品と接触する程度に該物品に備えられた該ICタグに接近することにより(例えば10cm以内等)、該ICタグに該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を非接触に記録することのできる識別情報非接触記録手段を具備したものを挙げることができる(図13参照)。
該物品と接触する程度に該物品に備えられた該ICタグに接近することを記録の要件とするのは、他人の所有する物品に備えられた該ICタグに、該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を、誤って記録することがないようにするためである。これには、(イ)該携帯情報端末が該携帯情報端末に接近した該ICタグを認識した際に該識別情報又は該連絡先情報を自動的に記録するタイプのもの、(ロ)該携帯情報端末が利用者によって該携帯情報端末に接近させられた該ICタグに、利用者の操作に基づいて該識別情報又は該連絡先情報を記録するタイプのもの、(ハ)その他もう少し複雑なプロセスを経て、該ICタグに該識別情報又は該連絡先情報を記録するタイプのもの(例えば、該携帯情報端末が、該携帯情報端末に接近したICタグから、該商品を特定できる情報を読み取り、この情報をリストアップし、該携帯情報端末の利用者がこのリストアップされた情報の中から該識別情報又は該連絡先情報を記録する対象とする物品と、対象としない物品との少なくともいずれかを選択し、該携帯情報端末は、この選択に関する情報を該記録が実行されるまでの間保持し、対象とするとされた物品が備える該ICタグには、該携帯情報端末が該物品に再度接近した際に該識別情報又は該連絡先情報を記録し、対象としないとされた物品については、その選択内容についての記録を保持し、再度該物品が該携帯情報端末に接近した際においても該識別情報又は連絡先情報を記録する対象の候補としてはリストアップしないとようにする等の仕様が与えられたものが考えられる)、などが挙げられる。これらの場合、該ICタグは、少なくとも、該物品又は該ICタグを識別する識別情報と、該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報と、を記録情報として保持することになる。
請求項10に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例としては、該携帯情報端末に接近しているが、上記基準よりも広い範囲に位置する物品に備えられたICタグに、該識別情報又は該連絡先情報を記録する識別情報非接触記録手段を具備したものを挙げることができる。ただし、この場合には、該携帯情報端末が他人の所有する物品に備えられた該ICタグに、該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を、誤って記録することがないように配慮された設計を採用することが望ましい。具体的には、該携帯情報端末が、該携帯情報端末に接近した該ICタグを認識した際に該識別情報又は該連絡先情報を自動的に記録するのではなく、該携帯情報端末が利用者によって該携帯情報端末に接近させられた該ICタグに、利用者の操作に基づき、記録対象となる該ICタグを備える物品を十分に確認したうえで、該識別情報又は該連絡先情報を記録するという設計を採用すること等が考えられる。
請求項10に記載されたコンテンツ情報提供システムの第三の実施例としては、他人の所有する物品が備えるICタグに、自らの携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を記録することのできる仕様を意図的に採用したものを挙げることができる(図14参照)。こうしたしくみは、情報交換のコミュニティを構築する場合などに適用することが有効である。具体的には、他人の持っている物品についての情報を獲得したい場合、例えば「あの娘のバッグ素適!一体どこで売っているのかしら」といった情報ニーズを持ったときに、手元にある自身の利用する携帯情報端末を操作し、該バッグのICタグに、自らの携帯情報端末の識別情報又は連絡先を記録する。該バッグを保持する者が特定エリア(例えば、該バッグが購入された店舗やその提携店舗、或いは広告ステーション付近など)に入った際に、該特定エリアに設置されたICタグ情報読取装置は、該バックのICタグから、該識別情報又は該連絡先情報を読み取り、該バッグに関するコンテンツ情報を、該携帯情報端末に送信する。
該ICタグには複数の携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報が記録されることが想定されるが、これらは一時的な書込みであり、該ICタグ情報読取装置によって読み取られた際に、該ICタグ情報読取装置によって消去される(ただし、この場合、該ICタグ情報読取装置としては、該ICタグから情報を一方的に読み取るだけでなく、該ICタグに情報を記録する手段を備えた、リーダ/ライタが用いられる)。
このしくみを顧客紹介システムとして捉えれば、該物品を販売する店舗は、該バッグの持ち主で、該バッグと同じものに関心を持っている潜在顧客の携帯情報端末に連絡するための情報の獲得を仲介した者に対して、紹介料を還元するなどのしくみを適用することもできる。
このしくみは、新しい商品販売方法(以下、「ユビキタス・マーケティング」と記載)として用いることができる。ただ該バッグを持つのではなく、容姿に優れた専門のモデルに、最高の着こなしと仕草でこのバッグを携帯させることにより、該バッグの魅力を効果的にPRすることも可能となる。従来、アパレル関係の店舗の販売員が、この店舗で販売している衣類を素適に着こなすことにより、顧客の購買意欲を刺激するなどの販売方法は一般的に用いられていたが、この場合には店舗に足を運んだ顧客に対してしか、また店舗内という非日常的である限られた空間の中においてしか、商品の魅力をPRすることはできなかった。これに対し、ユビキタス・マーケティングの方法を用いれば、店舗に足を運ばない潜在顧客に対しても同様の方法で商品をPRすることや、日常生活の中の自然な空間の中で商品の魅力をPRすることができる。即ち、店舗と同様に街中を商品販売のための空間として活用することができる。
該モデルは、道路、駅、電車内などある程度人の集まる場所をスタイリッシュに歩き、周囲の人に商品の魅力をPRする。或いは、さりげなくライバル店舗に足を運んで、ライバル店舗の商品を購入しようかと悩んでいる顧客に対し、自らが身につけている商品の魅力をそれとなくPRし、ライバル店舗の商品を購入するよりも、自ら身につけている商品を購入したいと思い直させる。モデルは、情報提供の仲介に成功した数やそれによって購入された商品の数に応じて、出来高制の報酬を受け取ることも可能である。もちろん、専門のモデルではなく、通常の仕事をこなしながら、副業として同様の販売活動に携わることもできる。
対象となる商品は、該バッグだけでなく、身につけることのできる商品や他人の前で使用することのできる商品であれば何でも適用することができる。例えば、食品であれば、モデルの代わりに、すごくおいしそうに食べることのできる能力を持った人を雇用し、街中でその食品を食べてもらう。新しい玩具であれば、すごく楽しそうに遊ぶことのできる能力を持った人を雇用する(或いは子供たちに無償で配布するだけでよい場合もある)。店舗を構えて販売している商品であれば、関心を持った顧客を店舗に呼び寄せることもできるし、店舗が遠隔地にある場合や、店舗において販売していない商品である場合なら、直販のプロセスに誘導することも可能である。
ユビキタス・マーケティングを用いれば、店舗を持たない遠隔地において、店舗を構える以上に多くの商品を販売することすら可能であると期待される。例えば、都内にしか店を持たないアパレル店が、モデルを使って全国で商品をPRすることや、発展途上国のデザイナーが商品を持って直接東京に乗り込んできて商品をPRするということも可能である。
また、このとき同時に複数のICタグが検出された場合の処理手順についての実施例としては、以下のものが考えられる。バッグに限らず、一般に利用者は、他人の身につける物品や展示されている物品など、自分のものでない気に入った物品に巡り合った場合、それについてのより詳細な情報を入手したいと願う。このとき、利用者は、周囲のICタグに記載された情報を読み取る機能を具備する携帯情報端末を用いて、該携帯情報端末の周囲に存在する物品の中から、自分が気に入った物品を検索し(例えば、バッグであれば「バッグ」という分類キーを選択、キー操作、又は音声等により入力して検索すると、各種物品の中からバッグという分類に属する物品に絞り込まれたリストが提示され、さらに「ブルー」という色彩キーを入力して検索すると、さらに青色を基調とする物品に絞り込まれたリストが提示される)、提示されたリストの中から利用者がターゲットとする物品に対応すると見られるものを選択する。該携帯情報端末は、この選択に従い該物品に備えられたICタグに該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を記録する。
該物品がICタグ情報読取装置に接近した際、該ICタグ情報読取装置は該識別情報又は連絡先情報を読み取る。以下、必要な手順を経て、該携帯情報端末は、該ICタグの情報を読み取った該ICタグ情報読取装置又は該サーバから、該物品に関する詳細な情報を受け取る。また、該サーバにおいて該識別情報又は該連絡先情報を引き続き保持しておけば、該商品の提供者は、該商品に関心を持った利用者の連絡先の一覧を把握することが可能となり、この情報はマーケティング目的において非常に有益に機能するものと期待される。
ただし、これと同様のしくみは、本発明に記載された、該携帯情報端末が、選択された物品に備えられたICタグに該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を記録する方式を取らなくとも、該携帯情報端末が物品に備えられたICタグから読み取られた情報のなかから、対象となる物品を選択し、選択された物品を特定することのできる情報を用い、該携帯情報端末が直接ネットワーク上のリソースを参照し、求める情報を獲得する、という方式を用いて実現することも可能である。このとき、追加的なマーケティング活動において利用したい場合等、販売店側で該物品に関心を持った該携帯情報端末の所有者を特定する必要がある場合には、サーバの側で該携帯情報端末の連絡先情報又は識別情報の送信を要求するしくみを採用すれば、必要な情報が獲得できるしくみを容易に構築することができる。一方、顧客紹介に関する対価を紹介者に還元したい場合等、該物品の所持者を特定する必要がある場合には、該物品にユニークな識別情報が振られている限り、サーバの側で該識別情報を受信するだけで、該物品の所持者を特定する情報を獲得することのできるしくみを構築することも可能である。ただし、実装上必要なシステム要件が異なるため、ケースに応じてどちらの方式を用いるかを十分に吟味する必要がある。
請求項11に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例としては、該中継ICタグを該携帯情報端末が具備するものを挙げることができる。この場合、個人の携帯するバッグ、財布、パンフレット、チラシ等に備えられた該ICタグが保持する識別情報を、全て該携帯情報端末に具備された該中継ICタグが集約的に保持し、該中継ICタグが代表して該個人の携帯する物品に与えられる識別情報の一覧を該ICタグ情報読取装置からの電波に反応して発信し、該ICタグ情報読取装置は該一覧を受信し、該一覧に含まれる識別情報をもとに、該個人の携帯する該物品に応じたコンテンツ情報提供に関わる処理を実行するというものである。
この場合、該携帯情報端末が該中継ICタグに識別情報を記録する手段として、該携帯情報端末が電波を用いた非接触な記録手段を適用するものと、該携帯情報端末と導線等を通じて直接接続された電気回路の一部として記録する手段を適用するものの両方が考えられる。前者の場合は、該携帯情報端末は、非接触情報書込手段を備え、これを用いて、該携帯情報端末の筐体にシールとして添付された、或いは筐体に結ばれたストラップとして添付された中継ICタグに該識別情報の一覧を非接触に記録する方式を用いる。後者の場合は、該携帯情報端末の提供業者が出荷時から該中継ICタグをモジュールとして埋め込んだ上で提供する方式と、該携帯情報端末の具備するインタフェースに接続可能な周辺機器として該中継ICタグの機能を持つ小型装置を提供する方式とのいずれかを用いる。
請求項11に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、個人が携帯する物品のいずれか(バッグ、財布、カード等、個人の生活の中心的存在として機能するものが望ましい)が具備するICタグを、該中継ICタグとして機能させ、個人の携帯するその他の物品に備えられた該ICタグに記録された識別情報の一覧を全て該中継ICタグにおいて集約的に記録し、該中継ICタグが代表して該ICタグ情報読取装置から発信される電波に反応して、該個人の携帯する物品に与えられる識別情報の一覧(集約識別情報)を発信し、該ICタグ情報読取装置は該一覧を受信し、該個人の携帯する該物品の一覧に応じたコンテンツ情報提供に関わる処理を実行するというものである(図15参照)。
請求項11に記載されたコンテンツ情報提供システムの第三の実施例は、個人は、該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応して保持する情報を発信することのできるICタグを具備する第一種物品と、該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応することができない代わりに、該携帯情報端末から発信された電波に反応して保持する情報を発信することのできるICタグを具備する第二種物品との二種類の物品を携帯し、該携帯情報端末は、該個人が携帯する第一種物品具備するICタグの中から一つを集約ICタグとして選び、該個人が携帯する全ての第二種物品の具備するICタグから読み取った識別情報(又は該集約ICタグ以外の全てのCタグから読み取った識別情報)を集約した集約識別情報を該集約ICタグに記録し、該ICタグ情報読取装置は、自身が発信した電波に反応して該集約ICタグ及び他の第一種物品の具備するICタグ(又は該集約ICタグのみ)から発信された該集約識別情報を受信し、この受信した識別情報の一覧を用いて、該個人の携帯する該物品の一覧に応じたコンテンツ情報提供に関わる処理を実行するというものである。
この場合、どのICタグが集約ICタグとして機能しているか、どのICタグの保持する識別情報が該集約ICタグに記録された情報に集約されているか、どのICタグが該集約ICタグとは独立して機能しているか等を、該ICタグ情報識別装置が把握することができるよう、これらの情報を、該携帯情報端末が、各ICタグに記録しておくことにより、処理プロセスを効率化することが期待される。
請求項12に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、公開キー暗号化のプロトコルを用いたものである(図16参照)。あるコンテンツ情報提供業者が一対の秘密キーと公開キーを作成し、該秘密キーは該コンテンツ業者が情報提供サービスを実施するサーバにおいてのみ保持し、該公開キーは該ICタグを具備する物品を製造又は供給する製造供給業者に公開される。該製造供給業者は該物品の識別情報を該ICタグに該公開キーを用いて暗号化した状態で記録する。
該物品は該物品を利用する個人に供給された後、該ICタグ情報読取装置から発信された電波に反応し、該ICタグは暗号化された状態で記録されている該識別情報を発信する。該ICタグ情報読取装置は該ICから暗号化された状態で発信された該識別情報を受信し、暗号化されたまま該サーバに送信する。該サーバは、該秘密キーを用いて該識別情報を復号化し(該ICタグ情報読取装置が複数の該サーバに該識別情報を送信する場合であっても、該秘密キーを保持する該サーバのみが該識別情報を復号化することができる)、該識別情報に関係付けられた携帯情報端末の連絡先に、該関連コンテンツ情報を送信する。
これにより、あるコンテンツ情報提供業者の提供するコンテンツ情報提供サービスに対応した識別情報を、多くの製造供給会社が自らの提供する物品の具備する該ICタグに記録することができると同時に、該コンテンツ情報提供業者以外は該識別情報を用いた該コンテンツ情報提供サービスを提供することができないという状況を実現することができる。そのため、契約により認められた正規のコンテンツ情報提供業者のみがサービスを実施し、不正なコンテンツ情報提供業者を排除することができる。また、該個人のプライバシーを保護する対策を講ずることもできる。
請求項13に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例としては、通信特性の異なる非接触通信手段を備えた複数のICタグを保持する物品として、UHF帯の周波数帯域の電波を用いることにより、十センチメートル以内の範囲において通信を可能とするICタグと、HF帯の周波数帯域の電波を用いることにより、数メートル以内の範囲において通信を可能とするICタグとを内蔵する物品を適用し、ICタグ情報読取装置として、UHF帯の周波数帯域の電波を用いることにより、十センチメートル以内の範囲において通信を可能とするICタグから、情報を読み取ることのできるICタグ情報読取装置と、HF帯の周波数帯域の電波を用いることにより、数メートル以内の範囲において通信を可能とするICタグから、情報を読み取ることのできるICタグ情報読取装置とを適用したものが挙げられる(図17参照)。
ICタグ情報読取装置は、いずれかの周波数帯域又は通信プロトコルを用いた通信を可能とするICタグとのみ通信を確立することのできる仕様が与えられていることが想定されるが、複数の周波数帯域又は通信プロトコルを用いた通信を可能とするICタグと通信を確立することのできる仕様が与えられている場合には、どのICタグから識別情報を読み取るのかについてのポリシーを保持しておくことが望ましい。
これにより、場所や混雑の度合い、その他様々な状況に応じた最適な形態で情報提供を行うことができる。例えば、屋外の空間と屋内の空間の使い分けを考える場合、屋外ではある程度広い範囲のセルにおいて同じ情報を提供し、屋内ではもっとセルを小さく区切って個人の立つ位置に応じた相応しい情報を提供したいという要求に対応することが可能となる。
具体的な活用例としては、個人の所持する物品がある店舗の広告宣伝用のティッシュペーパーである場合、屋外のあるエリアに入った個人に対しては、店舗そのものの売り込みや道案内に関する情報を提供し、店内に入った個人に対しては、本人のいる最寄りの場所に陳列されている商品に関する情報を提供することができる。或いは、個人の所持する物品が演劇のチケットである場合、屋外のあるエリアに入った個人に対しては、劇場までの道先案内に関する情報を提供し、劇場内に入った個人に対しては、御手洗い等の館内案内や、指定された座席までの誘導、携帯電話の電源を切ることの指示等の注意事項に関する情報を提供することができる。
請求項14に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該携帯情報端末は、該非接触情報読取手段を通じて該携帯情報端末の近傍に存在する該ICタグの一覧情報を定期的に更新し、該サーバは、該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報に、該関連コンテンツ情報を送信するトリガーとなった該ICタグを識別する識別情報を添付し、該携帯情報端末は、該関連コンテンツ情報に添付された該識別情報を参照し、該識別情報が該一覧情報の中に存在する場合には、該関連コンテンツ情報を提示し、存在しない場合には、該関連コンテンツ情報を破棄するか又は受信を拒絶するかの処理を実行するというものである(図18参照)。これにより、ICタグ情報読取装置がICタグから識別情報を読み取った場合においても、該ICタグを備える物品を携帯する個人に該携帯情報端末が携帯されていない場合には、該携帯情報端末において、余計な関連コンテンツ情報を該個人に無駄に提示することなく、自動的に破棄するということが可能となる。
なお、上記実施例においては、該携帯情報端末は、該携帯情報端末と該物品が近傍に位置するかを確認するために、該携帯情報端末の近傍に存在する該ICタグの一覧情報を定期的に更新し、該関連コンテンツ情報に添付された該識別情報が最新の該一覧情報の中に存在するかを確認する方法を用いているが、該関連コンテンツ情報を受信した時点で、該関連コンテンツ情報に添付された該識別情報と同じ識別情報を保持する該ICタグが該携帯情報端末の近傍に存在するかを確認する方法を用いることもできる。
また、その他にも、該携帯情報端末が、該ICタグ存在確認手段によって確認された情報を、該携帯情報端末がさらに備える近距離無線通信手段を通じて、又は無線通信手段を通じて、該ICタグ情報読取装置又は該サーバに伝達し、該ICタグ読取装置又は該サーバが、該ICタグを備える物品を携帯する個人に該携帯情報端末が携帯されている場合にのみ、該コンテンツ情報を該携帯情報端末に送信する構成を用いることによって、同様の効果のあるシステムを実装することができる。
請求項15に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該携帯情報端末は、該非接触情報書込手段を通じて該携帯情報端末の近傍に存在する該ICタグに、現在の時刻情報を含む時刻確認情報を定期的に上書きし、該ICタグ情報読取装置において該ICタグに記録された該時刻確認情報を読み出し、該ICタグ情報読取装置又は該サーバにおいて、該時刻確認情報として保持されている時刻情報が、該ICタグ情報読取装置が該時刻確認情報を読み出した時点の時刻と比較して、一定時間内のものであるかどうかをチェックすることにより、該携帯情報端末が該ICタグを備えた物品とともに携帯されているかどうかを判断し、ともに携帯されている場合には、該コンテンツ情報を送信するのに必要な手続きを実行するというものである(図19参照)。
なお、このとき、該携帯情報端末が該ICタグに、該非接触情報書込手段を通じて、現在時刻を示す情報とともに、該携帯情報端末の連絡先を示す連絡先情報を書き込むようにすれば、該ICタグ情報読取装置又は該サーバは、該ICタグの識別情報に関係付けられた連絡先情報を、第一DBアクセス手段を通じて獲得することができない場合であっても、該携帯情報端末に該コンテンツ情報を提供することができる。
また、個人が複数の携帯情報端末を携帯する場合には、各携帯情報端末が、非接触情報書込手段を通じて、該携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を書き込むようにすれば、該ICタグ情報読取装置又は該サーバは複数の携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報を獲得し、その中から最適な携帯情報端末を選択し、該最適な携帯情報端末を通じてコンテンツ情報を提供できるようにすることが可能となる。さらに、該個人が携帯する複数の携帯情報端末のうち、非接触情報書込手段を具備する携帯情報端末はそのうちの一部のみで、他の携帯情報端末はこれを具備しない代わりに、該非接触情報書込み手段を具備する携帯情報端末と通信することを可能とする近距離無線通信手段を具備している場合、非接触情報書込手段を具備する携帯情報端末が、該近距離無線通信手段を通じて、他の携帯情報端末の存在を把握し、その携帯情報端末の連絡先情報を併せて該ICタグに書き込むことにより、同様の効果のあるシステムを実現することが可能である。
請求項16に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、同じコンテンツ情報を同じ携帯情報端末に重複して何度も送信するのを防止する機能を有するコンテンツ情報提供システムである(図20参照)。ある店舗の広告情報を提供するコンテンツ情報提供システムにおいて、該店舗の周辺を通過する個人が携帯する物品に備えられたICタグを少しでも高い確率で読み取るため、ICタグ情報読取装置を同じ地域にいくつも配置しておく。各ICタグ情報読取装置は、該物品の識別情報を読み取った場合、該識別情報を該サーバに送信する。該サーバは、該識別情報がメモリに既に保持されているかどうかを確認し、保持されている場合は何の処理も行わない。保持されていない場合、該店舗の広告情報を該個人の有する携帯情報端末に送信し、該識別情報を一定時間メモリに保持する。一定時間が経過すると、該サーバはメモリから該識別情報を消去する。これにより、該サーバは、該識別情報を最初に受信した場合のみコンテンツ情報の提供に関わる処理を行い、二度目以降はこの処理を行わない。これにより、個人が同じ情報を何度も受信するのを回避することができる。
請求項16に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、該携帯情報端末の地理的移動を先読みしながら最適なタイミングで最適なコンテンツ情報を提供することを可能とするコンテンツ情報提供システムである(図21参照)。ある外食店の広告情報を提供するコンテンツ情報提供システムにおいて、該外食店の付近の複数の地点に該ICタグ情報読取装置を配置する。該ICタグ情報読取装置は、該個人の携帯する物品に備えられたICタグから識別情報を読み取った場合、該識別情報を該サーバに送信する。該サーバは該識別情報と、該識別情報を読み取った該ICタグ情報読取装置又はそれが配置された地点を特定することのできる情報と、該識別情報が読み取られた時間を示す情報とを、一定時間メモリにおいて保持し、以下のような処理を行う。
該サーバは、複数のICタグ情報読取装置から該識別情報を受信した場合、該メモリに保持されている情報や、各ICタグ情報読取装置の間の距離を示す情報、各ICタグ情報読取装置の通信範囲を示す情報などを用いて、該個人の移動ルートや移動速度を推定する(図21のケース1を参照)。また、一つのICタグ情報読取装置から受け取った該識別情報を用いる場合には、他に該識別情報を読みとったICタグ情報読取装置が存在しないことを判断材料として、該個人の移動ルートを絞り込むことや、該ICタグ情報読取装置の通信範囲を示す情報と、該ICタグ情報読取装置が該ICタグから該識別情報を読み取ることができた最初と最後の時間を示す情報とを判断材料として、該個人の移動速度を推定することができる場合がある(図21のケース2を参照)。これらの計算には、地理情報システム(GIS)を活用することができる。
これにより、例えば、あるICタグ読取装置が該識別情報を読み取ってすぐのタイミングではなく、該移動ルートや該移動速度に応じて時間差を置き、最適なタイミングでコンテンツ情報を提供する。例えば、飲食店がお昼時に客を呼び込もうとする場合、昼食に出たとみられる、該携帯情報端末を所持する個人が分かれ道に差し掛かるタイミングや、丁度該飲食店の前を通りかかるタイミングを見計らって、該携帯情報端末に「今日の日替わりメニューは松阪牛のすき焼き定食、とっても美味しいよ!」といったコンテンツ情報を送信し、その日何を食べようか迷っている客の足を該飲食店に引き寄せるといった用い方が可能である。該携帯情報端末の地理的移動を先読みする機能を持たせることにより、該ICタグ情報読取装置が、該分かれ道の側や該外食店の前にない場合であっても、上記タイミングにおいてコンテンツ情報の提供に関わる処理を実行することができる。
なお、この実施例においては、広告情報を提示するシステムについて例示したが、これと同様に、例えば道案内の情報を提供するシステムにおいては、何かのチケットを持つ個人に対し「会場へはその辺りにあるコンビニの角を左に曲がってください」といった情報を提供することや、病院で入院患者への面会を希望する者に渡される入室カードを携帯する個人に対し「そろそろ右側に目的の病室が見つかるはずです」といった情報を提供することができるなど、応用範囲は幅広い。
請求項16に記載されたコンテンツ情報提供システムの第三の実施例は、該個人の移動と合わせながら、複数のコンテンツ情報に関連性を持たせた上で提供することを可能とするコンテンツ情報提供システムである。ここでは、ある美術展の会場でコンテンツ情報の提供を行うシステムを考えてみる。展示会場では多数の作品が展示されており、各展示物の側にそれぞれICタグ情報読取装置を設置しておく。入場者は、入場する際に、携帯情報端末の連絡先情報を登録して(該連絡先情報の獲得を入場料金等の決済手続きと同時に処理する方法を用いることにより該入場者に求められる意識的な動作を簡略化することができる)、特に関心のある画家の作品について、何枚かの絵葉書を受け取ることができる。各絵葉書には、ICタグが埋め込まれており、該ICタグが保持する情報は、各展示物の側に供えられたICタグ情報読取装置によって読み取られる。各ICタグ情報読取装置は、どの入場者に対しても最低限の説明情報を提供する設計にしておくこともできるが、側にある作品と同じ作者の絵葉書を携帯する入場者が近づいたときに特別な説明情報が提供されるようにしておく。このとき、各ICタグ情報読取装置は、該絵葉書に備えられたICタグより識別情報を読み出し、該識別情報をサーバに送信する。該サーバは、該識別情報を、該識別情報を読み取ったICタグ情報読取装置を特定する情報や読み取られた時刻を特定する情報等とともに記録し、該入場者の携帯情報端末に該特別な説明情報(該関連コンテンツ情報)を送信する。
該サーバは、この記録を保持することにより、ある作者に関心を持ったある入場者が、どのような順番で、どのような作品を、それぞれどの程度の時間、見てきたかを把握し、この情報を、該方針を決定するための判断材料として活用することができる。この情報を利用して、該特別な説明情報は、例えば次のような内容で準備される。該入場者が携帯する絵葉書に描かれた絵の作者(仮に「コッポ」とする)の作品を最初に鑑賞したときに、「コッポの作品に関心があるようですね。この作者は、1853年にオランダで生まれ、…」といったように、作者についての簡単な説明情報を提供したあと、作品についての説明情報を提供する。さらに、その後、「同じ時期に描かれた絵は、…」といったように、この作品と関係のある作品について触れる情報を提供する。該入場者が、同じ作者の関連する作品を次に鑑賞したときに、「いかがですか。この絵は先ほどご覧になった絵と同時期に描かれたものですが、絵のトーンは全く異なり、…」といったように、該入場者が既に鑑賞した絵に言及しながら、準備された説明情報を提供する。その後も、「これまでご覧になってきた絵と比較して、…」、「これまでご覧になってきた絵の中でも、…」といったように、関連付けた説明を提供する。また、既に鑑賞した絵を繰り返し鑑賞している場合には、「どうやらこの絵が気に入られたようですね。この絵はコッポの作品のなかでも、比較的人気の高い作品で、…」といったように、さらに詳しい説明を提供する。該入場者はこれらの情報を自分の携帯情報端末からイヤホンを使って聞くことができる。なお、ここでは、特に美術作品展を想定したが、民芸品展や、ビジネス・ショーでも同様のシステムを適用することが可能である。また、展示会に限らず、道案内や、広告情報の提供においても、同様のシステムを適用することができる。
請求項17に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、該ICタグ情報読取装置が、電車の中の移動販売用のワゴンに備えられていて、該ICタグがシールとして貼られているコーヒー・カップやビール・グラスを手にする個人の保持する携帯情報端末に対し、該ICタグから識別情報を読み取ったワゴンから、「コーヒー(又はビール)のお替りはいかがですか?二杯目からは3割引とさせて頂いております」といったメッセージが届くというものである(図22参照)。
コーヒーを提供するためのコーヒー・カップ、生ビールを提供するためのグラス等(該物品)に備えられた該ICタグには該物品を一品毎に識別する識別情報が記録されており、販売用のワゴンでは、個人に対して該物品又は該物品を通じて供給されるものを販売する際に、料金の清算のために提示される携帯情報端末やカードから、本人又は該携帯情報端末の連絡先情報、又は該連絡先情報を獲得するために利用可能な識別情報又は個人情報を獲得し、これを用いて該個人がどのような商品をいつ購入したかについての情報を記録する(このとき、該物品と該商品が同じであるか、一対一で対応している場合には、該ICタグ情報読取装置(又は該サーバ)において、該個人が購入した商品を特定する情報を該物品の識別情報と関連付けて保持しておく必要はないが、これが一対一でない場合(例えば同じカップでコーヒーも紅茶も提供されうるという場合)には、該ICタグ情報読取装置(又はは該サーバ)において、該個人が購入した商品を特定する情報を該物品の識別情報と関連付けて保持しておく必要がある)。
該ワゴンが再び該個人に接近し、該個人の手中にある該物品に備えられた該ICタグから該識別情報を読み取った際に、該物品を手にする者に提供するのに相応しいコンテンツ情報を選択し、該連絡先情報によって特定される携帯情報端末に向けて、これを提供する。例えば、生ビールを飲んでいる個人に対しては、「ビールのお替りはいかがですか。それとも他のお飲み物はいかがですか」といった音声メッセージを提示しながら、飲み物メニューのリストを視覚的に提示するコンテンツ情報を提供することができる。同様に、乗車前にパンや菓子類等を入手した個人に対しては、該ICタグ情報読取装置が該パンや菓子類等のパッケージに備えられた識別情報を読み取った際に、「コーヒーやミルクはいかがですか」といったコンテンツ情報を、乗車前に弁当を購入した個人に対しては、該ICタグ読取装置が該弁当のパッケージに備えられた識別情報を読み取った際に、「お茶はいかがですか」といったコンテンツ情報を、乗車前におつまみ類を購入した個人に対しては、該ICタグ読取装置が該おつまみ類のパッケージに備えられた識別情報を読み取った際に、「ビールやお酒はいかがですか」といったコンテンツ情報を、それぞれ提供することができる。
該個人の該携帯情報端末の該識別情報又は該連絡先情報については、例えば、駅のキオスクや周囲の販売店、自動販売機等において、上記ワゴン販売の際と同様に、料金の精算のために提示される携帯情報端末やカードから読み取る方法により獲得された連絡先情報等を記録したデータベースを参照するなどの方法により入手されることが可能である。
請求項16に記載されたコンテンツ情報送信指示手段を具備する場合、該個人が先に提供された飲み物を飲み終わる頃合いを計算した上で、該コンテンツ情報の送信の可否を決定するというしくみを適用することもできる。このとき、該個人の個人情報(例えば、生ビール一杯を飲み終わる平均的な時間、それが気温や湿度によって与えられる影響、生ビールの後に何を飲むかのパターン等の個人情報)が参照可能な場合には、それを考慮したうえで上記計算を処理することができる。さらに、該個人の下車予定駅や下車予定時刻などの周辺情報を、該個人の識別情報や連絡先情報を用いて、運賃決済に関する情報を記録するデータベースから入手する方法や、該周辺情報を該ICタグ情報読取装置が該携帯情報端末から直接受信する方法、該個人が所持する乗車券に備えられたICタグから読み取る方法などにより、参照することができる場合、下車時刻が近づいている個人には該コンテンツ情報を提供しないといったように、該個人に対する配慮を実現する機能を持たせることも可能である。
請求項17に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、車両に広告が掲示された自動車が該ICタグ情報読取装置を備え、特定の条件を満たす物品に備えられたICタグから該識別情報を読み取った際に、該物品を所有する歩行者の携帯情報端末に、該広告に関連するコンテンツ情報を送信するというものである。例えば、該広告がある歌手のコンサートをプロモートするものである場合、該歌手に関するキャラクター・グッズやファンクラブの会員証、或いは特典付きの任意の物品等を携帯する歩行者に対し、該キャラクター・グッズ、該会員証、該物品等に備えられたICタグより読み取られた識別情報を元に、該歩行者の保持する携帯情報端末の連絡先情報を参照し、該携帯情報端末に、該コンサートの先行予約情報等のコンテンツ情報を送信するというものが考えられる。或いは、該コンサートの先行予約情報の代わりに、該歌手の新曲を送信し、該携帯情報端末の有する音声再生手段を通じて再生するようにすれば、該歩行者の携帯情報端末を通じて、該新曲を該歩行者の周囲にいる多くの歩行者に聞かせることができる。これにより、該車両において掲示された該広告との相乗効果で、該コンサートの効果的なプロモーションを展開することができる。
請求項18に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、携帯電話にFelicaが搭載された「おサイフケータイ」と呼ばれる携帯情報端末を、決済機能付携帯情報端末と、コンテンツ情報を受信する該携帯情報端末とを兼ねたものとして用いたものである(図23参照)。該携帯情報端末は、Felicaの仕様に準拠したICタグと、該携帯情報端末の連絡先情報を記録したICタグとを備え(この二つのICタグは同一のものでも構わない)、該電子料金徴収装置は、Felicaの仕様に準拠したICタグから料金を徴収する手段と、該連絡先情報を記録したICタグから該連絡先情報を読み取る手段とを備える。利用者は該物品を購入する際に、該携帯情報端末の決済機能を用いて、代金を清算し、それと同時に、該携帯情報端末の連絡先情報を、該電子料金徴収装置に提供する。該電子料金徴収装置は、該物品に備えられたICタグから該物品(又は該ICタグ)の識別情報を読み出し、さらに該決済機能付携帯情報端末から該物品の代金の清算と同時に該携帯情報端末の連絡先情報を読み出し、この両者を対照することができる形態において、この両者の情報を、該ICタグ情報読取装置又は該サーバがアクセスすることのできるデータベースに記録する。その他の部分は、これまでの実施例に記載されたものと同様のものを適用することができるため、ここでは省略する。
請求項19に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、受取時提示カード等として、該物品を受け取る際に、該物品の代金を支払う手続きを処理することのできる決済機能付カード又はIC(以下、単に「決済機能付カード」と記載)を適用し、電子提供時処理装置として、該決済機能付カードから電子的に代金を徴収する電子料金徴収装置を適用したものである(図24参照)。具体的には、クレジットカード、デビッドカード、電子マネー・カードなど、当業者であれば容易に想起される決済機能付カードと、該決済機能付カードから電子的に代金を徴収する電子料金徴収装置とをこれに適用することができる。
該決済機能付カードにおいては、該コンテンツ情報受信用の携帯情報端末の識別情報又は連絡先情報(受信端末識別情報等)を記録する受信端末識別情報等保持手段と、該電子料金徴収装置からの請求に応じて電子的に料金の支払いを実行する電子料金支払手段と、該受信端末識別情報等保持手段において保持される該受信端末識別情報等を該電子料金徴収装置に提供する受信端末識別情報等提供手段とを具備する。
また、該電子料金徴収装置においては、該物品を販売する際に該物品の具備するICタグに記録された該物品(又は該ICタグ)の識別情報を読み取る提供物品識別情報読取手段と、該決済機能付カードに料金を請求する料金請求手段と、該決済機能付カードから電子的に支払われた料金を受領する料金受領手段と、該物品を販売する際に該決済機能付カードより該受信端末識別情報等保持手段において保持される該受信端末識別情報等を獲得する受信端末識別情報等獲得手段と、該受信端末識別情報等獲得手段により獲得された該受信端末識別情報等と、該提供物品識別情報読取手段により読み取られた該物品(又は該ICタグ)の識別情報とを関連付けてデータベースに記録する物品受取者情報記録手段とを具備する。それ以外の部分は、これまでの実施例に記載されたものと同様のものを適用することができるため、ここでは省略する。
なお、本実施例では、受取時提示カード等と電子提供時処理装置として、決済機能付カード又はICと電子料金徴収装置とを適用した実施例を挙げたが、ポイント記録機能付カード若しくはICとポイント記録装置とを適用したものや、売買取引以外の場面において用いられる受取時提示カード等と電子提供時処理装置とを適用したもの等においても同様にして実現することができる。
請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、請求項19に記載のコンテンツ情報提供システムを拡張したもので、該一時識別情報が該物品を識別するものであり、該物品の利用者の利用する携帯情報端末の連絡先情報及び該利用者の個人情報と一時的に関係付けられて記録されるというものである。該一時識別情報は、該物品を識別する識別情報として、予め該ICタグにおいて記録されている。該物品の提供者の取り扱う電子提供時処理装置は、該利用者に該物品を提供する際に、該ICタグから該識別情報を読み取り、該利用者の利用する該受取時提示カード等から該連絡先情報及び該個人情報(受信端末識別情報等)を読み取り、該識別情報(一時識別情報)と該受信端末識別情報等(個人情報等)とを関連付けて、一時識別情報管理サーバにおける第三データベースに記録する。
該利用者が該物品の提供を受けた後に、ICタグ情報読取装置が該ICタグから該一時識別情報を読み取ると、該一時識別情報は該サーバに送信される。該サーバは、該一時識別情報を受信すると、該サーバにおける個人情報等照会手段は、該一時識別情報管理サーバにおける個人情報等照会応答手段に該一時識別情報を提示し、該一時識別情報に関係付けて第三データベースに記録された該個人情報等の提供を受け、該個人情報等に含まれる該利用者の利用する携帯情報端末の連絡先情報を用いて、該携帯情報端末に関連コンテンツ情報を送信する(図25参照)。該一時識別情報管理サーバは該サーバと同一のものであっても、別々のものであっても構わない(該一時識別情報管理サーバが該サーバと同一のものである場合、該ICタグ情報読取装置は該個人情報等を獲得することができない。該一時識別情報管理サーバが該サーバと別々のものである場合、該ICタグ情報読取装置は該個人情報等を獲得することができず、該サーバは少なくとも該携帯情報端末の連絡先情報を獲得しなければならないが、個人情報等に含まれるその他の情報に関しては、必要最低限の情報のみの提供を受けるしくみにしておくことができる)。
該個人情報等のうち、該携帯情報端末の連絡先情報と併せて記録された、該個人情報は、該関連コンテンツ情報をカスタマイズするために用いられることが想定される。上記では、該個人情報等は、該受取時提示カード等から読み取られた該連絡先情報及び該個人情報であるが、このとき、該個人情報等が該個人の詳細な個人情報を含まない該受信端末識別情報等のみであっても、該サーバ又は該一時識別情報管理サーバは、該受信端末識別情報等によって、該利用者の個人情報を獲得する手段を備えていれば、同様にカスタマイズを行うことができる。
また、第三データベースにおいて、該一時識別情報の利用条件を指定する情報を、該一時識別情報と併せて記録しておくことも想定される。これを用いれば、該利用条件の範囲を越えた該一時識別情報の利用を抑制することが可能となる。
該一時識別情報管理サーバにおける第三データベースに記録された該一時識別情報及び該個人情報等は、該一時識別情報管理サーバの具備する管理手段によって、記録されてから一定時間が経過する(或いは該一時識別情報の有効期限が終了する)と削除又は利用不可能な状態とされる。該一定時間は、該識別情報によって特定可能である場合や該電子提供時処理装置によって指定される場合などが想定される(例えば、該識別情報が弁当を特定するものであれば、該識別情報の弁当の賞味期限に関する情報を獲得して該一時識別情報の有効期限とする場合や、該電子提供時処理装置が該識別情報を読み取ってから3時間とする場合等が想定される)。
また、該携帯情報端末等において、該一時識別情報管理サーバに対し、該一時識別情報の有効期間を終了させることを要求する一時識別情報無効化要求手段を備え、該一時識別情報管理サーバにおいて、該一時識別情報無効化要求手段からの要求に応じて、第三データベースに記録された該一時識別情報及び該個人情報等を削除又は利用不可能な状態とする一時識別情報無効化手段を備えていることが想定される。これを用いることにより、該一時識別情報の流出又は不正使用による被害が発生した場合や該一時識別情報によるコンテンツ情報提供サービスの利用を中止したい場合等に、該一時識別情報の利用を停止ことが可能となる。
請求項21に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、該ICタグにおいて記録されている識別情報が、該物品を識別する識別情報と、該物品の利用者の利用する携帯情報端末の連絡先を特定する一時識別情報とによって構成され、第三データベースにおいて、該一時識別情報と該連絡先情報とが一時的に関連付けられて記録されているというものである。該ICタグ情報読取装置は、該ICタグから該物品を識別する識別情報と該一時識別情報を読み取ると、該物品を識別する識別情報と該一時識別情報を該サーバに送信する。該サーバは、該ICタグ情報読取装置から該一時識別情報を受信すると、該物品を識別する識別情報によって該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報を選定し、該一時識別情報と該関連コンテンツ情報とを一時識別情報管理サーバに送信する。該一時識別情報管理サーバは、該一時識別情報と該関連コンテンツ情報とを受信すると、第二DBアクセス手段を通じて、第三データベースから、該一時識別情報に関連付けられた該連絡先情報を獲得し、該連絡先情報によって特定される該携帯情報端末に対して、該関連コンテンツ情報を送信する(図26参照)。
請求項22に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、該携帯情報端末において、一時識別情報発行登録手段と、一時識別情報記録手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報登録受付手段を具備することを特徴とする、請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムである(図27のケース1を参照)。
該携帯情報端末は、時識別情報発行登録手段によって、一時識別情報を発行し、該一時識別情報管理サーバに対して該一時識別情報を送信し、該一時識別情報の登録を求め、該一時識別情報管理サーバは、一時識別情報登録受付手段によって、該一時識別情報を受信し、該一時識別情報と、該携帯情報端末の連絡先情報とを関連付けて第三データベースに記録する。該携帯情報端末の連絡先情報は、該一時識別情報を送信した携帯情報端末の送信元を確認することにより、獲得することができる。該携帯情報端末は、一時識別情報記録手段によって、該物品の具備する該一時識別情報を該ICタグに記録する。
該ICタグ情報読取装置は、該ICタグから該一時識別情報を読み取ると、該一時識別情報は該サーバに送信される。該サーバは、該一時識別情報を受信すると、該サーバにおける個人情報等照会手段は、該一時識別情報管理サーバにおける個人情報等照会応答手段に該一時識別情報を提示し、該一時識別情報に関係付けて第三データベースに記録された該連絡先情報の提供を受け、該連絡先情報を用いて該携帯情報端末に関連コンテンツ情報を送信する。
請求項22に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、該携帯情報端末において、一時識別情報獲得手段と、一時識別情報提供手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報発行配布手段を具備することを特徴とする、請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムである(図27のケース2を参照)。
該一時識別情報管理サーバは、該携帯情報端末からの一時識別情報発行依頼に応じて、一時識別情報発行配布手段によって、一時識別情報を発行し、該一時識別情報と、該携帯情報端末の利用者の該個人情報等とを関連付けて第三データベースに記録し、該携帯情報端末に該一時識別情報を送信し、該携帯情報端末は、一時識別情報獲得手段によって、該一時識別情報管理サーバから、該一時識別情報管理サーバにおける一時識別情報発行配布手段によって発行された該一時識別情報を受信する。該携帯情報端末の連絡先情報は、一時識別情報発行依頼を行った携帯情報端末の送信元を確認することにより、獲得することができる。該携帯情報端末は、他の装置(例えば、請求項18に記載の電子料金徴収装置)からの要求に応じて、一時識別情報提供手段によって、該他の装置に対して該一時識別情報を提供し、該他の装置は該物品の備える該ICタグに該一時識別情報を記録する。
該ICタグ情報読取装置は、該ICタグから該一時識別情報を読み取ると、該一時識別情報は該サーバに送信される。該サーバは、該一時識別情報を受信すると、該サーバにおける個人情報等照会手段は、該一時識別情報管理サーバにおける個人情報等照会応答手段に該一時識別情報を提示し、該一時識別情報に関係付けて第三データベースに記録された該連絡先情報の提供を受け、該連絡先情報を用いて該携帯情報端末に関連コンテンツ情報を送信する。
なお上記実施例では、該携帯情報端末において、一時識別情報発行登録手段と、一時識別情報記録手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報登録受付手段を具備するものと、該携帯情報端末において、一時識別情報獲得手段と、一時識別情報提供手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報発行配布手段を具備するものとを取り上げたが、該携帯情報端末において、一時識別情報発行登録手段と、一時識別情報提供手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報登録受付手段を具備するものや、該携帯情報端末において、一時識別情報獲得手段と、一時識別情報記録手段とを具備し、該一時識別情報管理サーバにおいて、一時識別情報発行配布手段を具備するものを適用することも可能である。また、請求項において「少なくともいずれか」と指定された両方を具備するものを提供することも可能である。また、上記実施例では、請求項20に記載されたコンテンツ情報提供システムをベースとしたものを取り上げたが、請求項21に記載されたコンテンツ情報提供システムをベースとしたものを適用することも可能である。
請求項23に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、当該コンテンツ情報提供システムにより情報提供を受ける個人の個人情報を予め獲得し、該個人情報をデータベースに記録し、該ICタグ情報読取装置により該識別情報又は該連絡先情報が読み取られた際に、該データベースにアクセスしたうえで該識別情報又は該連絡先情報に関連付けられた該個人情報を参照し、該個人情報に基づき該関連コンテンツ情報送信手段において送信する関連コンテンツ情報を選定又は修正し、これを送信するというものである。
このとき、該個人情報獲得手段としては、該商品の提供時又はその他の場面において、ネットワークを通じて該個人にウェブ等のメディアを通じてアンケートを実施し、その結果を獲得するもの、係員が該個人に紙等の媒体を用いたアンケート又はインタビューを実施し、係員がその結果をコンピュータ入力し、その結果を獲得するもの、第三者が既に取得している個人情報(例えばポイント・カードや会員証、決済用カード等を活用することによって獲得、蓄積された個人情報)をネットワークを通じて受信し、その内容を獲得するもの、第三者が既に所有している個人情報を、係員がコンピュータ入力し、その結果を獲得するもの、係員が該個人の特徴や性質を把握又は推測し、(必要に応じてメモを取る等した後に)情報端末を通じて入力し、その内容を獲得するもの、等を適用することが可能である。
なお、個人情報を用いた関連コンテンツ情報のカスタマイズの形態としては、様々なものが想定される。以下には、ごく一部の例を示す。該個人情報が、該個人の健康上の障害に関する情報である場合、該個人の健康を支援する商品に関する情報や、該個人を支援する情報を、選択又は修正したうえで提供する。該個人情報が、該個人の好きな食べ物である場合、外食店の広告情報を提供する際には、該外食店の提供するメニューのなかでも該個人の好きな食べ物に関する情報がコンテンツに含まれるようにして提供する。該個人情報が、該個人の欲しいものである場合、該個人に広告情報を提供する際には、該欲しいものに関する情報がコンテンツに含まれるようにする。該個人情報が、該個人の過去にみた情報番組又は過去に接触したCMである場合、該情報番組で紹介されていた商品やサービス、又は該CMで紹介されていた商品やサービスが販売又は提供されている店舖等が該個人の近くにある場合、該商品やサービスに関する情報を、該CMや該情報番組において紹介されていたことを明示した上で、該店舗等を特定する情報と共に、該個人に提供するようにする。該個人情報が、該個人の持っているものや契約しているサービスなどに関するものである場合、その付属品やオプションに関する情報をアレンジしたうえで、該個人に提供するようにする。該個人情報が、該個人の習慣に関するものである場合、該習慣を支援するための情報をアレンジしたうえで該個人に提供する(例えば、その日に開かれる演劇のチケット(該物品)を所持する個人に対する情報提供を行う際に、該個人に関する個人情報として、該個人が演劇の前には必ずコーヒーを飲む習慣があるという情報が確認されている場合、該演劇の開始時間までに時間の余裕がある場合に、該演劇の会場の周囲のカフェに関する情報をアレンジしたうえで、該演劇の会場までの案内地図と共に該個人に提供する)。なお、上記は個人情報を用いた関連コンテンツ情報のカスタマイズに関し、考えうるなかでごく一部の例を示したものであり、他にも該個人の所持する携帯情報端末に送信する情報をカスタマイズする様々な形態が想定される。
請求項23に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、当該コンテンツ情報提供システムにより情報提供を受ける個人の個人情報として、該個人の設定する情報受信ポリシーを該ICタグに記録し、該ICタグ情報読取装置が該ICタグから該識別情報又は該連絡先情報を読み取る際に、該情報受信ポリシーを併せて読み取り、該ICタグ情報読取装置又は該サーバは、該情報受信ポリシーに基づき、該個人の所持する該携帯情報端末に送信する関連コンテンツ情報の選定又は修正を行うというものである。この場合、該個人情報獲得手段としては、該ICタグ情報読取装置の具備する該ICタグから該情報受信ポリシーを読み取る手段、又は該サーバの具備する該ICタグ情報読取装置から該情報受信ポリシーを受信する手段が該当する。該ICタグに対する該個人情報の記録は、該携帯情報端末(該ICタグに対する書込手段を備えている必要がある)、又は該個人が該物品を購入した店舗に設置された、ICタグに対する書込手段を具備する装置によって、該個人(又は該店舗の店員等)の入力操作によって行われる。
なお、本実施例においては、個人情報として、個人の設定する情報受信ポリシーを想定したが、その他の個人情報を適用することも可能である。最もシンプルな例を挙げれば、個人情報として、該ICタグに該物品の所有者である該個人の氏名が記録されていて、この情報を読み取り利用する場合には、該個人の所持する携帯情報端末に対して送信するメッセージの冒頭に、「○○さま、・・・」のように、該個人の氏名を用いて該個人に呼びかける文章を付け加えるということが可能である。
また、本実施例においては、該個人情報が該ICタグにおいて記録されている例を示したが、該ICタグ読取装置又は該サーバにおいて、該ICタグから読み出された識別情報又は連絡先情報を用いて、該個人の個人情報を記録する遠隔サーバにアクセスし、ここから読み出すことにより獲得する方法を適用することも可能である。ICタグ(又はRFID)の利用においては、ICタグには識別情報のみを記録し、該識別情報に対応する目的情報の管理は遠隔サーバにおいて行うという方法も想定されており、該方法は当業者の容易に知るところであり、詳細な記述は省略する。
請求項24に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、以下の(イ)〜(ホ)の情報受信ポリシーを保持し、該情報受信ポリシーを実施する、該携帯情報端末である。
(イ)該個人は、該携帯情報端末の受信する関連コンテンツ情報(以下、単に「情報」と記載)が広告情報である場合には、原則として該情報を受け取らない。ただし、例外として、該情報の発信元が該個人のお気に入りのA社、B社、C社のいずれかである場合には、該情報を受け取る。また、第二の例外として、該情報が新しい健康食品についての広告情報である場合には、製品毎に一度だけ該広告情報を受け取る。一方、該個人は、該携帯情報端末の受信する情報が案内情報である場合には、原則として該情報を受け取る。ただし、過去1年以内に受け取った情報と同じ内容の案内についての情報は二度とは受け取らない(該携帯情報端末に送信される関連コンテンツ情報には、該関連コンテンツ情報のヘッダー部分等において、該関連コンテンツ情報の種類や発信元、該関連コンテンツ情報が何に関するものか等を特定することのできる情報が保持されるようにしておく。該関連コンテンツ情報自体に識別情報を与えることのできるフォーマットや、該関連コンテンツ情報が取り扱う情報の対象物の識別情報が含まれるフォーマットを適用することも可能である)。
(ロ)該個人は、該携帯情報端末が平日の9時から12時及び13時から18時の間に受信する情報は一切情報を受け取らない。該個人は、該携帯情報端末が休日及び平日の12時から13時の間に受信する情報については、該携帯情報端末において音声にて通知又は案内を受けることによって該情報を受け取り、該携帯情報端末が平日の18時から翌日9時までの間に受信する情報については、音声での通知や案内は受けず、該携帯情報端末の具備するディスプレイにおいて一覧を確認し、必要に応じてその内容を参照できるようにしておく。
(ハ)該個人は、該携帯情報端末が繁華街K町において受信した情報は一切受け取らない。該個人は、該個人が初めて足を踏み入れる地域(又は初めてではないがあまり足を踏み入れない地域)において該携帯情報端末が受信した情報は受け取る(該携帯情報端末が具備する測位手段によって該個人の現在地を常に把握し、この情報を該個人の移動履歴として管理し、これを参照することにより、該地域を特定する)。
(二)該個人は、特定の業者の設置又は提供するICタグ情報読取装置によって該ICタグに記録される情報が読み取られることにより提供される関連コンテンツ情報は一切受け取らない(該業者が広告情報を節度なく送信する広告情報発信業者に対してICタグ情報読取装置の利用を許可しているため、これを一切拒絶したいというニーズが発生する場合を想定したもの)。
(ホ)該個人は、該個人が該個人の恋人Eと一緒に居るときには、ケーキのおいしいカフェに関する情報と、更に18時から20時までの間にはワインのおいしいイタリアン・レストラン及び馬刺しの食べられる居酒屋に関する情報の提供を受け取り、それ以外の状況においてはこれらの情報を受け取らない。該個人は、該個人が該個人の友人Hと一緒に居るときには、18時から20時までの間には日本酒又は焼酎のおいしい外食店に関する情報を受け取り、それ以外の情報は受け取らない。該個人は、該個人が該個人の祖母Kと一緒に居るときには、道案内についての情報はバリアフリー版のものを受け取るようにする(該個人が誰と一緒に居るかについての情報は、該個人の利用する携帯情報端末が、近距離無線通信を通じて、該携帯情報端末の周囲に位置する他の携帯情報端末又はICタグの識別情報を読み取り、該識別情報が特定の他者の所持する携帯情報端末を特定するものとして該携帯情報端末において予め登録されたものである場合に、該個人が該他者と一緒に居るものとして認識する)。
なお、該情報受信ポリシーは、該個人の操作により設定される場合と、外部より提供されたものが適用される場合と、その組み合わせとがありうる。例えば、ある程度高度な設定方法の例を挙げれば、外部より提供される情報受信ポリシー・サンプルのなかから、該個人の考えかたに適合するものを選び、該携帯情報端末における情報受信ポリシーとして採用し(該携帯情報端末にダウンロードして保存し、これを機能させる)、該個人が関連コンテンツ情報を確認したときに、該関連コンテンツ情報の有益性を評価する情報を入力する操作を行い、該携帯情報端末の学習機能が、その情報の特徴や傾向を分析することにより該情報受信ポリシーを修正するというプロセスが考えられる。
なお、請求項23及び請求項24に記載されたシステムにおいて取り扱われる個人情報とは、個人の性質を特定したり、個人を識別したり、個人に接触したりするための、個人に関するあらゆる情報のうち、デジタル情報処理可能な形態のものを指すものとする。具体的には、健康に関する個人情報(運動履歴、視力、聴力、歯の状態、肥満度、毛髪状況、睡眠履歴など)、カルテに記載されるべき個人情報(医療診断歴、病歴など)、飲食履歴に関する個人情報(食事履歴、栄養摂取状況、摂取カロリー、栄養バランスなど)、身体特性に関する個人情報(身長、体重、体調、顔情報、身体情報など)、バイオメトリック認証を可能とする個人情報(指紋、虹彩、筆跡、声紋、癖、DNA、歯形、手相、歩きかた、毛髪、顔面など)、嗜好に関する個人情報(好きな食べもの、好きな飲みもの、好きなお店、好きなアーティスト、好きな歌曲、よく買う商品など)、能力に関する個人情報(習得言語、特定分野の専門能力、スキル、資格、その他職業上利用される能力、特技など)、趣味に関する個人情報(好きなスポーツ、好きな音楽、コレクション、自由時間の主な使途など)、ステイタスに関する個人情報(所持品、職業、健康状態、年齢、使用品、所持金、やろうとしていることのリスト、目標など)、希望に関する個人情報(会いたい人、やりたいこと、なりたいもの、ほしいもの、行きたいところなど)、情報源に関する個人情報(購読新聞、購読雑誌、よく観るテレビ番組、よく訪問するインターネット・ウェブサイトなど)、接触した情報に関する個人情報(接触したCM、番組視聴履歴、ウェブページへのアクセス履歴など)、知識に関する個人情報(テストで計測する知識、その他あらゆる知識など)、人間関係に関する個人情報(家族、恋人、友人、上司、部下、同僚、師匠、弟子、メール相手、電話相手、直接対面相手、交流履歴、尊敬する人、その他の人間関係など)、個人に対する評価に関する個人情報(信用情報、学校などの成績、会社などの人事評価など)、個人の利用する情報端末に関する個人情報(利用している機器、利用しているソフト、利用しているサービスなど)、経歴に関する個人情報(学歴、職歴など)、経験に関する個人情報(恋愛経験、その他の人生経験など)、個人の間接的な経験に関する個人情報(読書履歴、映画鑑賞履歴、演劇等鑑賞履歴、ビデオ鑑賞履歴、音楽鑑賞履歴、ゲーム遊戯履歴など)、個人の行動原則に関する個人情報(よく行くお店、行動範囲と頻度、移動履歴、スケジュールなど)、思考原理に関する個人情報(思想、主義、主張、信念、宗教、支持政党、大切にしていること、性格など)、住居に関する個人情報(同居人、広さ、間取り、施設など)、個人の背景に関するに関する個人情報(民族、親、先祖、文化、母語、生地、生年月日など)、資産に関する個人情報(預貯金、住居、保険、株等金融資産、自動車、借金、その他あらゆる財産など)、カード類等に関する個人情報(マイレージカード、ポイント・カード、フィットネス会員券、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、銀行口座など)、収支に関する個人情報(年収/月収、その他の収入、主な支出、家計簿情報、収支バランス、クレジットカード利用履歴など)、個人の作品に関する個人情報(著作物、芸術作品など)、装着品に関する個人情報(衣類、アクセサリー、化粧品、カツラ、入れ歯、コンタクトレンズ、メガネ、その他あらゆる装着品など)、IDに関する個人情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、ID、パスワード、ニックネーム、ペンネームなど)、身分に関する個人情報(学校、勤務先、その他の所属、あらゆる身分など)、その他の個人情報(他の対象に関する感想、短期的目標、中・長期的目標、所在、他様々な項目の個人履歴など)、等の情報が含まれる。また、これらの情報を加工することによって得られる情報のうち、本人が保持するものまたは本人と関係付けることのできる情報も含まれるものとする。ただし、これらの個人情報の活用に当たっては、対象となる個人のプライバシーにも十分な配慮を施したうえで、また個人情報の保護にかかわる法律の範囲内で運営することができるシステム構成を適用することが期待される。
請求項25に記載されたコンテンツ情報提供システムの第一の実施例は、該携帯情報端末において、該携帯情報端末が受信した関連コンテンツ情報のうち、該携帯情報端末の利用者に提示されたものについて、その提示された内容及び回数を特定する情報(以下、「情報提示記録情報」と記載)を、該携帯情報端末の具備する記録手段に記録し、これを該携帯情報端末とネットワーク接続された課金サーバに対して定期的にレポートするというものである。
該情報提示記録情報を記録する際には、該利用者に提示された関連コンテンツ情報の属性に関する情報を併せて記録しておく。該情報提示記録情報のレポートを受けた該課金サーバにおいては、各情報提示記録情報について、該属性の値によって該利用者に提示された関連コンテンツ情報が広告情報であることが特定される場合には、プラスのポイントを加算し、該広告情報の提示を受けた行為に対する報酬又は対価を、該携帯情報端末の契約者に還元し、該属性の値によって該利用者に提示された関連コンテンツ情報が案内情報であることが特定される場合には、マイナスのポイントを加算し、該案内情報を利用した行為に対する利用料を課金することができるようにしておく。
上記では、プラスのポイントとマイナスのポイントの両方を設定したが、どちらか一方のみを用いることも可能である。或いは、どちらか一方を定額制にしておくことや、特定の情報提供サービスのパッケージにおいては定額制で利用できるようにしておくこと等の料金体系を実施することも可能である。また、ある属性値の与えられた関連コンテンツ情報については、プラスのポイントもマイナスのポイントも与えないことも想定される。或いは、単に広告情報と案内情報に分類するだけでなく、該属性の値によって特定される関連コンテンツ情報の分類をもっと細分化することや、同じ広告や案内でもその内容や有効性(の期待度)等の情報に応じてポイントの与えかたを変えること、関連コンテンツ情報ごとにポイントの与えかたを個別に設定すること等も想定される。
該課金サーバは、定期的にポイントの集計を行い、必要に応じて該携帯情報端末の契約者又はその関係者に課金又は対価の還元を行う。またこのポイントは他の決済と相殺して、その残り分の精算を行うなどの適法方法も想定される。ただし、該携帯情報端末において、該情報提示記録情報を記録する際には、該情報提示記録情報を適当な方法でコード化した上で記録するなど、該携帯情報端末の利用者が直接これを編集することができないよう、或いは該利用者が直接これを編集した場合にはそれを検出することができるようにしておくことが期待される。
請求項25に記載されたコンテンツ情報提供システムの第二の実施例は、該サーバにおいて、該携帯情報端末に送信された関連コンテンツ情報について、その送信された情報の内容及び回数を特定する情報(以下、「情報送信記録情報」と記載)を、該携帯情報端末又はその契約者を特定することのできる情報、及び該関連コンテンツ情報の発信者又は送信依頼者を特定することのできる情報と関連付けた上で、該サーバの具備する記録手段に記録するというものである。該情報送信記録情報を記録する際には、該携帯情報端末に送信された関連コンテンツ情報の属性に関する情報を併せて記録しておく。
本実施例においては、該関連コンテンツ情報の送信者又は送信依頼者と、該携帯情報端末の契約者との両者についてポイントを付与する。例えば、該関連コンテンツ情報が広告情報である場合など、送信者側に利益のある関連コンテンツ情報が送信された場合には、該関連コンテンツ情報の送信者又は送信依頼者にマイナスのポイントを、該携帯情報端末の契約者にプラスのポイントを与え、該関連コンテンツ情報が案内情報である場合など、受信者側の利益に供する関連コンテンツ情報が送信された場合には、該関連コンテンツ情報の発信者又は送信依頼者にプラスのポイントを、該携帯情報端末の契約者にマイナスのポイントを与えるようにする。ただし、これは必ずしも固定的な構造ではなく、情報受信者の利益に供する関連コンテンツ情報を提供する場合であっても、その料金を該関連コンテンツ情報の送信者又は送信依頼者に請求する(マイナスのポイントを与える)場合など、異なるスキームを適用することも可能である(例えば、関連コンテンツ情報としてコンサート会場への地図を提供する場合に、その料金を主催者が負担する場合など)。
これらのポイントに関する情報は、その報酬や対価の還元や料金の支払い等の処理がなされるよう、定期的に精算処理にかけられる。このとき、同じ関連コンテンツ情報の該携帯情報端末に対する一度の送信によって発生する、プラスのポイントとマイナスのポイントは、同じ大きさのものである場合も想定されるが、当該コンテンツ情報提供システムの運営者に一定のマージンが発生するしくみを取り入れることも想定される。また、第一の実施例においての記載と同様に、定額制の料金体系や、サービスのパッケージを設定すること等も想定される。
請求項26に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、以下に示すコンテンツ情報入力装置を用いて入力されたコンテンツ情報を、該ICタグ情報読取装置又は該サーバの具備する第二DBアクセス手段によってアクセス可能なデータベースに記録するしくみを適用したものである。
該コンテンツ情報入力装置は、該コンテンツ情報入力装置の利用者が、該コンテンツ情報提供システムを利用する他の個人のうち、該利用者が携帯する物品と同様の物品、又は該物品と指定された条件を満たす関係にある物品を携帯する他の個人に対して、該コンテンツ情報提供システムを通じて提供するコンテンツ情報を入力するための装置である。コンテンツ情報入力装置は、専用の装置や全く別の装置であっても構わないが、通常は、該携帯情報端末、該ICタグ情報読取装置のいずれかが、コンテンツ情報入力装置としての機能を兼ねて動作することが効果的である。
コンテンツ情報は、音声、画像、テキスト、映像のうち少なくともいずれかの形態のデータによって構成される。該コンテンツ情報入力装置は、音声入力手段、画像入力手段、テキスト入力手段、映像入力手段のうち、少なくともいずれかの入力手段と、近傍に接近した該ICタグに記録された該識別情報を読み取る識別情報読取手段と、該入力手段を通じて入力されたコンテンツ情報を、該識別情報読取手段を通じて読み取られた該ICタグの識別情報と関連付けた上で、該ICタグ情報読取装置又は該サーバの具備する第二DBアクセス手段によってアクセス可能なデータベースに記録する手段を有する外部装置に送信するか、該データベースに直接記録するかのうち、少なくともいずれかを実行するコンテンツ情報記録処理手段と、を具備する。該コンテンツ情報記録処理手段が該コンテンツ情報を該外部装置に送信するものである場合、該外部装置は受信した該コンテンツ情報を該識別情報と関連付けて該データベースに記録する処理を実行する。
また、該コンテンツ情報入力装置は、該識別情報読取手段によって同時に複数のICタグの識別情報が読み取られた場合の処理を行うものとして、読み取られた複数の識別情報又は該識別情報に対応する物品に関する情報を、該コンテンツ情報入力装置が具備する何らかのヒューマン・インタフェースを通じて、順に又は一覧として、該コンテンツ情報入力装置の利用者に提示し、該コンテンツ情報入力装置において入力されるコンテンツ情報が、どの識別情報に関係づけられるべきかを選択することのできる識別情報選択手段を備えることができ、この場合、該コンテンツ情報読取装置は、該コンテンツ情報が、該識別情報選択手段を通じて選択された識別情報と関連付けて、該コンテンツ情報記録処理手段において処理されるようにする。
また、該コンテンツ情報入力装置は、該コンテンツ情報入力装置の利用者が、入力されたコンテンツ情報を提供したい相手の条件を特定する条件特定手段を具備することができ、この場合、該コンテンツ情報入力装置は、該条件特定手段を通じて指定された条件特定情報が、該コンテンツ情報と併せて、該コンテンツ情報記録処理手段において処理されるようにする。該データベースにおいて、該コンテンツ情報は、該条件特定情報と併せて保持され、該コンテンツ情報を個人の携帯する携帯情報端末に送信する機能を果たす該ICタグ情報読取装置又は該サーバは、把握可能な該個人の個人情報が該条件特定情報において特定された条件を満たしているかを判断し、満たしている場合のみに該コンテンツ情報の提供を行う。該コンテンツ情報を提供したい相手の条件として、該コンテンツ情報を提示する場所を特定する以外の条件を設定したい場合には、時間帯、性別、年齢、その他様々な個人属性を用いて、該条件特定情報を設定する。
該コンテンツ情報を提示する場所を特定する機能としては、通常ICタグ情報読取装置が、通常その設置場所が明確であるため、該ICタグから識別情報を読み取ることにより該コンテンツ情報の送信に関わる処理を実行するICタグ情報読取装置を特定することにより、その機能を実現することができるが、特に必要な場合は、その他にも、該携帯情報端末が具備するGPSによって獲得される該携帯情報端末の位置情報や、該携帯情報端末と近距離通信可能な装置が該携帯情報端末の識別情報を認識することによって特定される該携帯情報端末の位置情報を用いた、該コンテンツ情報を提示する場所に関する条件設定を行うしくみを適用することが可能であり、さらに遠隔地を指定したい場合には、GISや何らかのマップを用いて特定のエリアや個別のICタグ情報読取装置等を指定することにより指定するしくみを適用することも可能である。
請求項27に記載されたコンテンツ情報提供システムの実施例は、プッシュ型のコールセンターのシステムを、一部変更した上で、本発明に記載されたコンテンツ情報提供システムに適用したものである(図28参照)。プッシュ型のコールセンターとは、顧客からかかってきた電話をコールセンターで受けるのではなく、待機するオペレータ(及び該オペレータに対するインタフェースを備えたオペレータ装置)よりも多く確保された電話回線を用いて、コールセンター側からターゲットに対して電話をかけ、つながった回線を通話中でないオペレータ(オペレータ装置)に回して通話を確立させ、同時に通話に必要な情報(例えば個人情報等)をディスプレイに提示するというものである。その際、予め準備された名簿にリストアップされた顧客のなかから、所定の条件を満たす度合いの高いターゲットを順にピックアップし、ターゲットごとに適切なタイミングを選んでコールし、コンタクトが取れた場合には該ターゲットから得られた情報はさらにその都度記録していく。
該実施例では、コール対象者の連絡先情報として、予め準備された名簿ではなく、あるエリアを通過又は滞在する個人の携帯する物品に備えられたICタグから読み出された識別情報を用いて獲得された連絡先情報、または該ICタグから引き出された連絡先情報を用い、名簿のなかでピックアップされた順番ではなく、該ICタグから読み出された時点(システム処理上の遅延を無視した場合)又は該時点を元に計算されたタイミングにおいて、該個人の携帯情報端末に連絡する。オペレータは、自身が待機する端末において、プッシュ型のコールセンターと同様に、システムが確保した該個人との通信を引き継ぎ、また情報提供を実行するプロセスにおける材料として、該個人に関する個人情報や、該識別情報によって特定される該物品に関する情報の提示を受けることができる。また、連絡の形態としては、電話をかけて会話を行う形ではなく、オペレータが入力するコンテンツ情報を一方的に送信するという形で実施される。
オペレータが入力する情報としては、主に音声が想定されるが、映像をリアルタイムで送信することや、画像を送信すること、テキストを編集したものを送信すること、又はこれらを並行して行うことも可能である。そのため、該オペレータ装置は、該ICタグ情報読取装置又は該サーバと通信する通信手段と、該コンテンツ情報を入力する入力手段(マイク、カメラ、キーボード、マウス等)と、該個人に関する個人情報や、該識別情報によって特定される該物品に関する情報(個人物品関連情報)を提示するための出力手段(ディスプレイ、スピーカ、イヤホン等)とを具備する。
基本的には一方的に情報を送信する形態において活用されることが想定されるが、途中(利用者が応答した時点)から相互通信に切り換えることができる設計を採用することも可能である。なお、このように相互通信に切り換えることができる設計としては様々なものが考えられるが、最もシンプルな例としては、留守番電話機能が搭載された電話機において、先方(該電話機に電話をかける者)が入力する留守番電話メッセージをスピーカで流しながらこれを記録し、この最中に利用者が受話器を取った際に自動的に相互通信に切り換わるというものがあるが、これと同様のしくみを実装し、ただし、この留守番電話メッセージを受け付ける前の応答メッセージ(例えば「ピーッとなりましたらご用件をお話ください」等)を再生する機能と、該留守番電話メッセージを記録する機能を削除したものが考えられる。
請求項28に記載された付加価値コンテンツ情報の第一の実施例は、インターネット上のウェブ・コンテンツ情報を閲覧するためのURL情報である。該URL情報は、該ウェブ・コンテンツ情報を保持又は準備するウェブ・サーバのアドレス、及び必要に応じてディレクトリやファイル名を指定する情報、該ウェブ・コンテンツ情報の送信に関わる処理を行うプログラムで用いるパラメータ情報等を含む。該携帯情報端末において該URL情報を受信した個人は、該携帯情報端末を操作することにより、該ウェブ・サーバにアクセスし、該ウェブ・コンテンツ情報を閲覧することができる。
請求項28に記載された付加価値コンテンツ情報の第二の実施例は、二次元バーコード(QRコード等)によって提供される電子クーポン情報である。該携帯情報端末を携帯する個人は、該携帯情報端末の表示部において表示される該電子クーポン情報を、該電子クーポン情報に関わるサービスを提供する店舗等において設置される電子クーポン情報読取装置にかざすことにより、該電子クーポン情報で提供される割引や特典を受けることができる。また、該店舗等は、該電子クーポン情報により集客力を高めることができる他、該電子クーポン情報の利用により発生する取引等に関わる、該個人の識別情報又は属性情報等に関連付けられたマーケティング情報を獲得し、これをマーケティング戦略の策定や、該個人や該個人と同じ属性を有する個人に対するマーケティング活動等に用いることができる。
請求項28に記載された付加価値コンテンツ情報の第三の実施例は、該携帯情報端末が具備するRFIDに記録して用いる電子チケット情報である。該携帯情報端末は、電子決済や電子改札等に関わる情報を記録するRFIDを具備する(或いは、モバイルFelicaを適用したものが考えられる)。該電子チケット情報は、該RFIDに記録される。電子チケット情報を該RFIDに記録することにより、該携帯情報端末の該利用者が特別な操作を行わなくても、該携帯電話をただ電子チケット情報読取装置にかざすだけで、該電子チケット情報を電子チケット情報読取装置に提示することができる。
請求項29に記載された該携帯情報端末の実施例としては、請求項1〜28の各実施例において記載された該携帯情報端末を挙げることができる。
請求項30に記載された該ICタグ情報読取装置の実施例としては、請求項1〜28の各実施例において記載された該ICタグ情報読取装置を挙げることができる。
請求項31に記載された該サーバの実施例としては、請求項1〜28の各実施例において記載された該サーバを挙げることができる。
請求項32に記載された該物品の実施例としては、請求項1〜28の各実施例において記載された該物品を挙げることができる。
本発明は、発明の効果及び実施例の欄に記載された通り、個人に対して、広告情報、商品情報、店舗情報、地域情報、地理情報等を提供することを可能とし、また事業者に対して、マーケティング、広告宣伝、情報サービス等を実施する手段を提供することを可能とし、産業上様々な形態において活用することができる。
本発明のコンテンツ情報提供システムの基本的なアーキテクチャを示す(ただし、ICタグ、ICタグ情報読取装置、サーバによって構成される部分については、図2〜5にて記載されたパターンのものが適用される)。
請求項1に記載のコンテンツ情報提供システムに関し、ICタグ、ICタグ情報読取装置、及びサーバによって構成される部分の構成例を示す。
請求項2に記載のコンテンツ情報提供システムに関し、ICタグ及びICタグ情報読取装置によって構成される部分の構成例を示す。
請求項3に記載のコンテンツ情報提供システムに関し、ICタグ、ICタグ情報読取装置、及びサーバによって構成される部分の構成例を示す。
請求項4に記載のコンテンツ情報提供システムに関し、ICタグ及びICタグ情報読取装置によって構成される部分の構成例を示す。
請求項5に記載のコンテンツ情報提供システムのうち、ICタグが複数配置される場合の活用例を示す。
請求項5に記載のコンテンツ情報提供システムのうち、携帯情報端末が複数配置される場合の活用例を示す。
請求項5に記載のコンテンツ情報提供システムのうち、ICタグ情報読取装置が複数配置される場合の活用例を示す。
請求項5に記載のコンテンツ情報提供システムのうち、サーバが複数配置される場合の活用例を示す。
請求項6に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項7に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項8に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項10に記載のコンテンツ情報提供システムの第一の実施例の要点を示す。
請求項10に記載のコンテンツ情報提供システムの第三の実施例の要点を示す。
請求項11に記載のコンテンツ情報提供システムの第二の実施例の要点を示す。
請求項12に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項13に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項14に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項15に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項16に記載のコンテンツ情報提供システムの第一の実施例の要点を示す。
請求項16に記載のコンテンツ情報提供システムの第二の実施例の要点を示す(ケース1では複数のICタグ情報読取装置によって読み取られた識別情報を用いて個人の移動ルートと移動速度を推定し、ケース1では一つのICタグ情報読取装置によって読み取られた識別情報を用いて個人の移動ルートと移動速度を推定する)。
請求項17に記載のコンテンツ情報提供システムの第一の実施例の要点を示す。
請求項18に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項19に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項20に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項21に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。
請求項22に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す(ケース1では請求項22に記載のコンテンツ情報提供システムの第一の実施例の要点を、ケース2では請求項22に記載のコンテンツ情報提供システムの第二の実施例の要点を示す)。
請求項27に記載のコンテンツ情報提供システムのシステム構成例の要点を示す。