JP2006227680A - 偽札鑑別機 - Google Patents

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Abstract


【課題】 コンパクト且つコストの低廉な構成としてあらゆる場所でも広く導入できるものとしながら、簡易な手順で確実に偽札を鑑別できるようにすることで、偽札による被害を未然に防げるようにする。
【解決手段】 所定角度で斜め上向きに傾斜した透光板3の上面に鑑別する紙幣50を載置し、透光板3の裏側に備えられた発光手段で紙幣50を裏側から照らして紙幣50の透かしを目視させるものとした偽札鑑別機1Aにおいて、透光板3上方に所定の隙間を備えて透明の紙幣押さえ板4が配置され、紙幣押さえ板4の上面所定位置に透光板3に向かって略垂直に拡大鏡5が配設されたものとして、この隙間に挿入された紙幣50上のマイクロ文字を鑑別者が目視できるものとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偽札鑑別機に関し、殊に、簡易且つコンパクトな構成で鑑別を行う者の邪魔にならない状態で配設され、簡易な手順で偽札を鑑別するものとした偽札鑑別機に関する。
近年、カラーコピー技術の進歩により、特別な技術を有しない者でも容易に偽札を作成可能となったことから、偽札による被害件数が急激に増加している。また、最近においては新しい技術で透かしのように見える印刷を施した偽札も発見され、さらに透かし入りの精工な偽札も見られるようになった。
これに対し、我が国においても紙幣の印刷に紫外線で発光する特殊インキを用いたり、マイクロ文字を印刷したりして対策を講じていたが、これらの手段は一般の店先で簡易に識別出来るものではない。そこで、2004年度の新札発行においては、新たな技術としてすき入れバーパターンや目視でも確認しやすいホログラムおよびパールインキ印刷の技術を導入するに至った。しかし、斯かる新技術による新札を導入しても、旧札の偽札事件が後を絶たないのが現状である。
斯かる偽札による被害を未然に防ぐために、多種多様の偽札鑑別機が市販されている。しかしながら、これらの偽札鑑別機は高度な機能を備える分、大掛かりなものとなって一般的な店舗用レジやタクシーの運転席付近に配設できるものではなく、また、高価であるため導入が実際上困難となる場合が多い。
この問題に対し、特開平7−25455号公報、特開2003−281595号公報には、比較的小型の卓上型として、旧札でも採用されている特殊インクを紫外線照射で発光させて鑑別する偽札鑑別機が提案されている。これらは、紫外線蛍光ランプなどを光源にして、載置台に置いた紙幣を簡易に鑑別できるようにしたものであり、一般的な店舗のレジにも設置しやすいものとなっている。また、この技術においては紫外線が拡散しない工夫をして使用者の目に与える悪影響を最小限に抑えるようにしている。しかし、いかなる手段を用いても紫外線を用いている以上、人体への悪影響は完全に否定することはできず、また、これらは構成がやや複雑でコストの低廉化が充分に達成されていない。
これに対し、特開2003−216998号公報には、キャッシュトレーの底板下方に配置した照明で底板を発光させ、載置した紙幣の透かしを確認するものとした偽札鑑別機が提案されている。これは紫外線を用いないとともに構成が簡易であることから、コストが低廉であり広く普及しやすいものとなっている。しかしながら、この偽札鑑別機では透かししか確認することができないため、最近の高度化した偽札には対応できない場合が生じる。
また、この偽札鑑別機および上述した二つの偽札鑑別機に共通して、鑑別手段として、通常の技術では偽造が困難であるとともに旧札にも使用されているマイクロ文字を活用することができない。さらに、偽札は使用されたのを発見する前に、偽札所持者に使用を断念させることによる事件の未然防止が重要であるところ、これらの偽札鑑別機は偽札所持者へのアピール度が充分ではなく、偽札事件発生を未然に防止するという観点がないものである。
特開平7−25455号公報 特開2003−281595号公報 特開2003−216998号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、コンパクト且つコストの低廉な構成としてあらゆる場所でも広く導入できるものとしながら、簡易な手順で確実に偽札を鑑別できるようにすることで、偽札による被害を未然に防げるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、所定角度で斜め上向きに傾斜した透光板の上面に鑑別する紙幣を載置し、透光板の裏側に備えられた発光手段で紙幣を裏側から照らして紙幣の透かしを目視させるものとした偽札鑑別機において、透光板上方に所定の隙間を備えて透明の紙幣押さえ板が配置され、この紙幣押さえ板の上面所定位置に透光板に向かって略垂直に拡大鏡が配設されたものとして、この隙間に挿入された紙幣上のマイクロ文字を鑑別者が目視できるものとした。
このように、偽札鑑別機を極めて単純且つコンパクトな構成とすることに加え、紙幣載置台としての透光板を斜め上向きの角度としたことで、鑑別者に見やすくなるとともに正面側または背面側に位置する紙幣使用者から偽札鑑別作業の実施が一目して分かりやすくなり、偽札使用を断念させる抑止効果が期待できるものとなる。しかも、マイクロ文字を確認できる拡大鏡を配設したことで、透かしの確認のみでは鑑別できない偽札にも容易に対応できるものとなる。
また、この紙幣押さえ板の拡大鏡配設位置は、紙幣押さえ板との間に挿入された紙幣のマイクロ文字の印刷位置に対応した位置とすれば、その確認作業が極めて容易なものとなる。
さらに、上述した偽札鑑別器の本体横幅を、鑑別する紙幣よりも幅の小さなものとすれば、極めてコンパクトなものになるとともに鑑別作業の実施が紙幣使用者によりさらに容易に認識されるものとなる。
さらにまた、上述した偽札鑑別機における発光手段の発光体をLEDとすれば、極めて省電力な装置とすることができることから、コンセントの確保しにくい場所でも電源に乾電池や充電池を用いることで長時間に亘って連続使用することができるため、あらゆる場所で広く導入しやすいものとなる。
加えて、上述した偽札鑑別機の紙幣使用者側から目視可能な外面に、偽札鑑別機である旨の表示を設ければ偽札の使用を一層防止しやすいものとなって、偽札事件発生の抑止効果がさらに期待できるものとなる。
本発明によると、偽札鑑別機が極めてコンパクト且つコストの低廉な構成となり広く導入しやすくなるとともに、紙幣使用者側から偽札鑑別作業が認識しやすいものとなって偽札使用への抑止効果が期待されるものとなった。また、マイクロ文字の確認手段を設けたことで、極めて簡易な手順で確実に偽札を鑑別できるようになって、偽札使用による被害の発生が容易に回避されるものである。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1乃至図3は本実施の形態の偽札鑑別機1Aを示している。図1の斜視図を参照して、偽札鑑別機1Aは、本体2に斜め上方に向かう方形の透光板3が配設された紙幣載置面2aを備えており、ブロック状箱体の一部を紙幣載置面2aからなる傾斜面で切り欠いた形状を呈している。
図2の側面図を参照して、透光板3の上方には、透光板3とほぼ同一形状で透明な紙幣押さえ板4が、透光板3上面との間に僅かな隙間を有するように下辺側を本体2側に固定されて配設されている。また、透光板3の上面右上には透光板3に向かって垂直に拡大鏡5が配置されている。
図2および偽札鑑別機の内側構造を説明するための縦断面図である図3を参照して、本体2の内部には発光手段としての蛍光灯ユニット6が配設されており、スイッチ7を介して電源コード8が延設されており、スイッチ7をONにすることで、発光体である蛍光管6aが発光し、透光板3を透して挿入された紙幣を背面から照らすようになっている。尚、透光板3は半透明または不透明な板部材からなり、内部の発光により外部からほぼ均一に発光して見えるように透光するものである。
次に、本実施の形態の偽札鑑別機1Aの使用方法および作用を説明する。例えば、レジにおいて紙幣使用者が1万円札などの高額紙幣を使用して、お釣りを渡す必要がある場合、通常は紙幣使用者が渡した紙幣の種類をお互いに間違えないようにするため、紙幣保持器に挟んで紙幣使用者に見えるようにしてお釣りを渡すのが一般的である。この場合、偽札鑑別機1Aが紙幣保持器を兼ねたものとして、使用した紙幣を挟んで保持すると同時に偽札か否かを鑑別するものである。
図1の斜視図に示すように、一点鎖線で示す紙幣50を、紙幣載置面2a上の透光板3と紙幣押さえ板4との間に上方または側方から挿入する。図から分かるように、本体2の高さは鑑別する紙幣よりもやや高いが、その横幅および発光する透光板3の幅が紙幣50の幅よりも小さいものとなっている。
しかし、本実施の形態の偽札鑑別機1Aは図4に示す紙幣50のチェックポイントのうち、中央部の透かし51、紙幣右側部分のすき入れバーパターン52、および紙幣右側上部のマイクロ文字53の3点を目視可能として偽札を鑑別するものである。従って、上述したようにコンパクトなサイズであっても、図1に示すようにチェックポイントが総て収まるように紙幣50を載置することで、その目的は充分に達成することができる。尚、この3つのチェックポイントの内、すき入れバーパターン52は、2004年以降の新札に採用されたものである。
再度図2,図3を参照して、スイッチ7をONにすることで、内部の蛍光灯ユニット6に通電され蛍光管6aが発光し、透光板3を介して裏側から光が照射されて、紙幣50が透けた状態となって各チェックポイントを鑑別者が目視可能な状態となる。そこで、通常は紙幣50中央部の透かし51を確認して鑑別するものであるが、これでも疑わしい場合、新札においては右側部のすき入れバーパターン52による透かしを確認する。このすき入れバーパターン52は印刷部分に設けた透かしであるため、薄く印刷して透かしのように見せる従来の偽造技術では印刷で入れにくいものとなっている。
一方、旧札においては、このすき入れバーパターン52がないため、マイクロ文字53の確認が必要となる。そこで、使用者は拡大鏡5を覗いて目視可能となったマイクロ文字53を確認して鑑別するものであり、拡大鏡5はこれを鮮明に目視できるように所定距離離れた位置にレンズが支持され、ピントが合った状態で設定されている。尚、このマイクロ文字53は通常の技術レベルおよび通常のプリンタでは印刷することが困難であって、新旧両方の紙幣においてほぼ共通した位置に印刷されているため、真偽判定の決め手としやすいものである。また、この拡大鏡5は、通常の視力であれば15倍程度のもので確認できるものであり、市販されているものを紙幣押さえ板4上の配設位置に設けた取付け孔に外側から嵌める等して設けることができる。
尚、図示は省略するが、上述した実施の形態において、発光体として蛍光管6aの代わりにLEDを用いたものとすれば、同等の明るさで電力消費量が5分の1から10分の1に抑えることができるため、極めて省電力のものとすることができる。この場合、電源として乾電池等を本体に内蔵させて用いても比較的長期間に亘って使用することができるため、電源設備の確保しにくい露天商やタクシーの運転席などのような場所でも導入しやすいものとなる。
さらに、本実施の形態の偽札鑑別機は、図1に示すように本体2の幅が紙幣50よりも狭いことから鑑別するときに紙幣50が横に突出するものとなり、しかも紙幣載置面2aに紙幣50を載せると、斜め上方に向いた状態に支持されるため、鑑別作業の様子が紙幣使用者にも認識しやすいものとなり、偽札所持者に偽札使用を断念させるためのアピール手段としても有効なものとある。
そこで、そのアピール手段としての効果をさらに増大させるため、図5(A),(B)に示すように「偽札鑑別器」なる表示40を紙幣使用者の目視し易い位置に配設した偽札鑑別機1B,1Cとすれば、偽札使用の抑止効果が一層期待できるようになる。即ち、図5(A)は通常のレジなどを想定しており、紙幣使用者側を向く背面側に表示40を設けた偽札鑑別機1Bとしたものであり、図5(B)はタクシーなどを想定したものであり、紙幣使用者側を向く正面側に表示40を設けた偽札鑑別機1Cとしたものである。さらにまた、これらの表示40を内部の光源を利用して発光する透光体で設けたものとすれば、鑑別時に表示40が発光してさらに紙幣使用者に認識させやすいものとなる。
本発明の実施の形態を示す斜視図。 図1の偽札鑑別機の側面図。 図2の縦断面図。 新札のチェックポイントを示す正面図。 (A)は表示を背面側に設けた場合を示す背面図、(B)は表示を正面側に設けた場合を示す正面図。
符号の説明
1A,1B,1C 偽札鑑別機、2 本体、2a 紙幣載置面、3 透光板、4 紙幣押さえ板、5 拡大鏡、6 蛍光灯ユニット、6a 蛍光管、7 スイッチ、8 電源コード、40 表示、50 紙幣、51 透かし、52 すき入れバーパターン、53 マイクロ文字

Claims (5)

  1. 所定角度で斜め上向きに傾斜した透光板の上面に鑑別する紙幣を載置し、前記透光板の裏側に備えられた発光手段で前記紙幣を裏側から照らして透かしを目視させるものとした偽札鑑別機において、
    前記透光板上方に所定の隙間を備えて透明の紙幣押さえ板が配設され、該紙幣押さえ板の上面所定位置に前記透光板に向かって略垂直に拡大鏡が配設されており、前記隙間に挿入された紙幣のマイクロ文字を鑑別者が目視可能とした、
    ことを特徴とする偽札鑑別機。
  2. 前記紙幣押さえ板の拡大鏡配設位置は、前記挿入された紙幣のマイクロ文字の印刷位置に対応した位置とされている、ことを特徴とする請求項1に記載した偽札鑑別機。
  3. 請求項1または2に記載した偽札鑑別器の本体横幅は、鑑別する紙幣の幅よりも小さいものとされていることを特徴とする偽札鑑別機。
  4. 前記発光手段の発光体はLEDである、請求項1,2または3に記載した偽札鑑別機。
  5. 請求項1,2,3または4に記載した偽札鑑別機は、紙幣使用者側から目視可能な外面に偽札鑑別機である旨の表示が設けられている、ことを特徴とする偽札鑑別機。
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