JP2006227024A - 正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャ撮像システム - Google Patents
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Abstract
【構成】 正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャは、透明および不透明セルを含み、第1位置で正規マスクパターンを呈し、および第1位置から90°回転位置のずれた第2位置で補完マスクパターンを呈する。符号化アパーチャは、ガンマ線またはX線等の非合焦性放射線源の撮像用のシステムに用いられる。撮像システムは、発生源から発生された放射線(20)を受けて二位置で符号化陰影を発生する符号化アパーチャ(22),符号化アパーチャを二位置間で回転させる回転プラットフォーム(24)およびモータ(30),それに当った陰影の符号化光信号を発生する位置検知検出器10),光信号の符号化電機信号を発生する光信号変換器(34),および電気信号を解読して非合焦性放射線源の画像信号を発生する信号処理器(14)を含む。
【効果】 人間の放射線被爆に対する危険を最小限にしながら、ガンマ線発生源の画像表示することができる。
【選択図】 図13
【効果】 人間の放射線被爆に対する危険を最小限にしながら、ガンマ線発生源の画像表示することができる。
【選択図】 図13
Description
この発明は符号化アパーチャ撮像システムに関し、特にガンマ線またはX線発生源等、非合焦性放射線源の画像を表す画像信号を発生しかつ表示するための符号化アパーチャ撮像システムに関する。特に、この発明は符号化アパーチャ撮像システムに使用する均一冗長アレイ符号化アパーチャ、ならびに符号化アパーチャを発生する方法に関する。
ガンマ線およびX線放出源等の非合焦性放射線源は、核動力プラント,医療用放射線室,およびその他の核物質取扱い施設でごく普通に見られる。このため、核動力プラントの操業に際しては、潜在的に放射性の高い領域に対して日常の監視を実施しなければならない。放射線汚染場所での環境復帰および廃棄物管理は、汚染物質を検出し、突き止め、安全なレベルまで環境回復を図る必要がある。加えて、核動力プラント内での修繕および保守を実施するためには、衛生物理学職員が作業領域を走査して放射線作業者が作業を行う際に受ける被爆量を求めなければならない。作業者の放射線被爆は個別に線量計を身につけて厳密にモニタされる。政府が特定する放射線被爆限界に達した放射線作業者は、それ以上の被爆から保護され、かつ一定期間の間は、その仕事に就くことはできない。このため、放射線被爆限界に達することがないように個人の放射線被爆を最少にすることは、極めて有益で、核動力プラント作業者全員に対する目標である。
放射性が潜在的に高い領域を走査する責任を負う衛生物理学職員は、空媒放射から彼らを保護する保護衣服と呼吸器とを着用することが多い。ガイガーミューラ計数器と呼ばれる周知の装置を用いて、放射線が高い疑いのある領域を走査する場合、高放射線源を突き止める必要がある。ガイガーミューラ計数器は比較的小型であり、走査処理を実施する作業者により携帯される。走査中の作業者を放射物質測定装置から安全な距離に保つように、ガイガーミューラ計数器を支柱に取り付ける場合もある。作業者は領域全体を手動で走査して「ホットスポット(hot spots) 」または高放射線領域を定める。
走査処理を完了すると、作業者はガイガーミューラ計数器を用いて走査処理により特定した放射線危険要因のマップを作成する。これら放射線源の周囲には適当なシールドを配置して作業者を保護する。走査処理の結果に基づき、修繕および保守を行う放射線作業者がどの程度の時間領域内に留まることが可能かおよびどの装置を高レベル放射線放出により避けるべきか、についての指示を受ける。さらに、走査処理には時間を要する。なぜならば、走査(sweep) 速度、すなわち、ガイガーミューラ計数器のハンドピースを放射能源上で移動させる速度、が比較的遅いからである。或る場合には、典型的なガイガーミューラ計数器の感度があまりよくないために、作業者がガンマ線発生源に接近して適正な読みを得なければならない場合がある。
放射線被爆を制限するための有用な2要因は被爆時間と、放射線源からの距離である。ガイガーミューラ計数器を用いた現在入手可能な走査技術では、放射線被爆時間を最少化しかつ放射線源からの距離を最大にするのに充分ではない。加えて、ガイガーミューラ計数器を用いた走査処理では、大まかな「ホットスポット」個所しか得られない。
符号化アパーチャ撮像技術を利用した先行技術システムの設計は、この初期の走査技術における欠点を改善すべく企図されたものである。一般的には、非合焦性放射線源の視覚的表現を発生させるシステムを設けることにより、符号化アパーチャ撮像システムは人間に対する有害な被爆を最少化もしくは除去しつつ、そのような放射線源場所の検出を可能にする。特に、符号化アパーチャ撮像によれば、上述した利点のみならず、非合焦性放射線源の正確な画像を得ることもできる。符号化アパーチャ撮像は、それ自体、透明および不透明セルからなるアパーチャの使用を含む周知技術である。ガンマまたはX線放射源に露光されているアパーチャに応答して、これらのセルを介して陰影が位置検知検出器に投射される。この露光処理により得られた情報から、放射線源画像が再構築される。
しかし、そのような先行技術の符号化アパーチャ撮像システムは歴史的には厳しい制約を呈してきた。たとえば、よく起こることとして、符号化アパーチャ撮像システムの位置検知検出器は、かなりの計器ノイズを受ける。加えて、このシステムはバックグラウンド放射の高い環境下で動作されることが多く、計器視界外部から生じる高エネルギ光子が、符号化アパーチャを通過、変調されずに、位置検知検出器により検出される。このため、符号化アパーチャにより変調を受けることなく検出された光子および固有非変調計器雑音が、計測器の信号対雑音比を悪化させ、画像品位を悪化させかつ感度を低下させる結果になる。
或る種の先行技術による符号化アパーチャ撮像システムは、活性シールド技術を利用して非変調光子の悪影響を最小限にしている。この方式では、入射する高エネルギ光子束が十分に低くて計測器による個々の光子到着が計数可能な場合、活性シールドおよび活性符号化アパーチャは一致/不一致識別の手段を付与するように使用できる。このように、画像の再構築に際して、非変調光子を個別に識別して排除または除外することが可能である。しかし、多数の光子が検出器に同時に到着する程度に光子束が増大した場合、各々の光子の到着時刻を正確に確定することはできず、非変調光子を所望変調光子から分離することを非常に困難にする。
他の先行技術の符号化アパーチャ撮像システムは、正規/補完(normal/complementary)符号化アパーチャ方式を利用してこの制約を克服している。この方式では、放射線源はまず正規アパーチャと呼ばれる符号化アパーチャにより変調され、次いで補完アパーチャと呼ばれる符号化アパーチャの補完を受ける。この補完アパーチャは正規アパーチャ上のセル場所を交換することにより形成される。換言すれば、正規アパーチャ上で透明な全てのセルは補完アパーチャ上では不透明であり、正規アパーチャ上で不透明な全てのセルは補完アパーチャ上で透明となる。もし各アパーチャが線源に対して同一期間露出されかつ各アパーチャにより変調された画像間でキャンセル処理が行われた場合、非変調光子および計器バックグラウンド雑音の悪影響をかなり減少できる。このような結果は高エネルギの光子束の存在下であっても得られる。このような上記方式を用いた符号化アパーチャ撮像システムは、矩形もしくは六角形いずれかの均一冗長アレイ(URA)により形成した符号化アパーチャを用いている。
フェニモア等(Fenimore et al.) への米国特許第4,209,780号およびゴッテスマン等(Gottesman et al.)への米国特許第5,036,546号に記載されているような、矩形URA符号化アパーチャは、符号化アパーチャ撮像用に使用されている。しかし、これらの型式のアパーチャの使用は、2個の別個のアパーチャ、すなわち正規のアパーチャとして機能する一方と補完アパーチャとしての他方、の物理的実施を必要とする。矩形URAを利用するシステムは、撮像処理中に両アパーチャ間で切り換えるための手段を含まなければならない。この切換えプロセスはシステムを不正確、すなわちシステムの画像再生性能に悪影響を及ぼす整合上の不正確性、にする可能性がある。また、もしアパーチャ切り換えを手動で行うとすれば、符号化アパーチャ撮像システムがガイガーミューラ計数器よりも優れた主要利点の1つ、すなわち人を放射線被爆から保護すること、が完全に失われてしまう。さらに、手動のアパーチャ切り換えは時間がかかり迅速に測定できる付加的利点を減じるとともに、放射線源の危険性を包含する。
六角形URAは2個の別個のアパーチャの必要性を克服すべく上記に次いで開発されたもので、M.H.フィンガー(M.H.Finger)およびT.A.プリンス(T.A.Prince)により第19回国際宇宙線会議の会報(Proceedings of the 19th International Cosmic Ray Conference) ,OG 9.2-1,295-298頁(1985 年) の「符号化アパーチャ撮像用六角均一冗長アレイ(Hexagonal Uniformly Redundant Arrays for Coded Aperture Imaging) 」と題される論文に開示されている。単一六角形URA(HURA)符号化アパーチャはその六角形軸についてほぼ反対称であり、60度の回転により正規アパーチャおよび補完アパーチャのいずれとしても機能し得る。HURA符号化アパーチャは六角形もしくは円形状の位置検知検出器に適合する。しかし、直積構成の位置検知検出器を備えたそのようなアパーチャの使用には大きな欠点が存在する。六角形状のアパーチャを直積構成の検出器に適合させるには相当な形状操作を必要とするので、撮像システムにより相当のデータフォーマット化を行わなければならない。ほとんどの最新型検出器は直積構成であるので、HURA符号化アパーチャの使用は限定されることになる。
したがって、モニタする場所で自動的に「ホットスポット」を描き出すことができ、持ち運び可能でかつ信頼性のある符号化アパーチャ撮像システムに対する要請が存在する。さらに、人間に対する放射線の被爆を及ぼすことなく領域内に永久設置可能な装置を設けて、領域内の放射線環境マップを得ることができれば好都合である。さらに、容易に入手可能な直積構成(矩形または正方形)の位置検知検出器と容易にインタフェース可能で自動補完特性を有する均一冗長アレイ符号化アパーチャを内蔵した撮像システムに対する需要が存在する。
それゆえに、この発明の主たる目的は、ガンマ線発生源の画像を表す画像を表示可能な自動符号化アパーチャ撮像システムを提供することである。
この発明の別の目的は、領域内に永久設置でき、かつガンマ線発生源の画像を表す画像を表示する信頼性の高い装置を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、人間の放射線被爆に対する危険を最小限にしながら、放射線「ホットスポット」を描き出すための装置を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、放射線危険地域をリアルタイムに監視できる装置を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、原子力産業で潜在的危険性のある放射能源および材料をモニタしおよび突き止め、当該産業で作業を行う人員および周辺地域に居住する住民に対して安全および健康上の保護を図ることができる持ち運び可能な装置を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、安全性検査個所での使用で核材料の不法な搬入を検出しおよび除去するための符号化アパーチャを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、能力が高く堅固で信頼性が高くかつ使い勝手のよい符号化アパーチャ撮像システムを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、安全な距離からガンマ線およびX線発生源を撮像可能な撮像システムを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、X線写真撮影(x-ray tomography)を実施するための符号化アパーチャ撮像システムを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、改良した符号化アパーチャ撮像用の符号化アパーチャを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、直積構成の位置検知検出器を利用した撮像システムで、正規アパーチャおよび補完アパーチャのいずれとしても機能し得る符号化アパーチャを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、ほぼ50%のスループットの符号化アパーチャを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、中央セルを除けば90度の回転時に反対称となる符号化アパーチャを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、改良した符号化アパーチャ撮像のための符号化アパーチャを発生する方法を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、直積構成の位置検知検出器を利用した撮像システムで、正規アパーチャおよび補完アパーチャのいずれとしても機能し得る符号化アパーチャを発生する方法を提供することである。
この発明のさらに別の目的は、正規アパーチャおよび補完アパーチャのいずれとしても機能し得る符号化アパーチャを利用しおよび直積構成の位置検知検出器を利用した符号化アパーチャ撮像システムを提供することである。
本発明の形態に従えば、ガンマ線発生源の画像を付与するための符号化アパーチャ撮像システム(coded aperture imaging system) は符号化アパーチャ,位置検知検出器,電荷結合素子のアレイおよび信号処理器を含む。位置検知検出器は高い空間解像度の放射線検出器により構成できる。代替的な実施例では、半導体光ダイオードのアレイを電荷結合素子アレイに代えて使用できる。光ダイオードのアレイは電荷結合素子のアレイと同様に機能する。当該分野の当業者に公知な他の形式の低雑音で感度の高い光学撮像組立てを使用し得ると認識すべきである。
符号化アパーチャは発生源からのガンマ線を空間的に変調するために使用される。符号化アパーチャは該アパーチャにより捕捉されたガンマ線に応じて符号化陰影(coded shadow)を発生する。位置検知検出器は符号化アパーチャに対して配置され、アパーチャより発生された符号化陰影を検出器上に当てる。位置検知検出器はこの位置検知検出器上に当たる符号化陰影に応答して符号化光信号(coded optical signal)を発生する。電荷結合素子のアレイがこの符号化光信号に応答し光信号から符号化電気信号(coded electrical signal) を発生する。信号処理器は符号化電気信号に応答してこの符号化電気信号を解読し、画像信号を発生する。この画像信号はガンマ線発生源の画像を表す。
符号化アパーチャ撮像システムにはガンマ線発生源の画像を表す画像を表示するための画像信号に応答する手段を含んでもよい。画像信号応答手段はテレビジョンおよびコンピュータに使用されるモニタと同様に、陰極線管または固体(solid state) 表示パネルでよい。さらに、符号化アパーチャ撮像システムには符号化光信号を位置検知検出器から電荷結合素子のアレイへ転送する手段を含んでもよい。この転送手段はファイバ光学素子テーパ(fiber optic tapers)またはリレイ光学素子(relay optics)のアレイまたはその他のいずれかでよい。
本発明の符号化アパーチャ撮像システムはさらに画像強調器(image intensi fier) を含んでもよい。画像強調器は位置検知検出器と電荷結合素子のアレイとの間に配置される。この画像強調器は符号化光信号を増幅および強調してシステムに対してより増大した感度を与える。画像強調器は画像強調管(image intensifier tube)またはマイクロチャネル画像強調器の形で構成できる。 符号化アパーチャ撮像システムの符号化アパーチャは非合焦性(non-focusable) 放射線に対する透明および不透明領域を含む。符号化アパーチャは均一冗長アレイ形状または他の形式の符号化アレイでよいが、以下に詳述するように、正方形反対称均一冗長アレイの形状であるのが好ましい。
符号化アパーチャ撮像システムの位置検知検出器は、ガラス製シンチレータまたはガラスファイバ製シンチレータで構成できる。ガラスファイバ製シンチレータは複数のガラスファイバを含み、ガラスファイバは好ましくはファイバ間のクロストークを最小化するために外壁吸収(external mural absorber) コートを含む。代替的実施例では、位置検知検出器はプラスチックファイバ製シンチレータまたは結晶シンチレータで形成される。
本発明の符号化アパーチャ撮像システムは、モニタする領域の視界を最大化しかつ良好な空間解像度を付与するように最適に設計される。良好な空間視界は符号化アパーチャ撮像システムに外壁への吸収材コートを施したファイバ製シンチレータを含めることにより達成できる。視界を最大にするために、符号化アパーチャは位置検知検出器の断面積の概略2倍の断面積を含む。視界は好ましくは約1度から約45度の範囲である。
上記の撮像システムは、また、X線発生源の画像を得るために使用できる。したがって、この撮像システムは核医療(nuclear medicine)の分野、より特定的にはX線写真または核レントゲン写真の分野で有益である。
本発明はまたガンマ線発生源の画像を表す画像信号を発生する方法を開示する。この方法は、各々が前述したように機能する、符号化アパーチャ,位置検知検出器,電荷結合素子のアレイおよび信号処理器,を含む符号化アパーチャ撮像システムを付与し、以下のステップを含む:ガンマ線発生源がシステムの視界内になるように符号化アパーチャ撮像システムを配置し、および信号処理器により発生された画像信号を表示する、表示される画像信号はガンマ線発生源の画像を表す。
上記の方法は、さらに、システムの視界内の領域の視覚的な上書きを形成してその領域の視覚的上書きに関連して画像信号を表示することを含めることができる。このように、ガンマ線画像は領域の絵模様の上書きに重ねられ「ホットスポット」が容易に判断できる。上記の方法はまたX線発生源の撮像に使用できる。
符号化アパーチャ撮像システムの代替的実施例は、符号化アパーチャ,位置検知検出器および信号処理器を含む。符号化アパーチャは発生源によるガンマ線を受け、符号化陰影を発生する。位置検知検出器は符号化アパーチャに対して配置され符号化陰影をその上に当てる。位置検知検出器はその上に当たる符号化陰影に応答して符号化電気信号を発生する半導体ガンマ線検出器のアレイを含む。信号処理器は符号化電気信号に応答してこの符号化電気信号を解読してガンマ線発生源の画像を表す画像信号を発生する。
本発明の好ましい代替的な実施例は、正方形反対称均一冗長アレイ(square anti-symmetric uniformly redundant array) 状の符号化アパーチャを含む。正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャはほぼ50%のスループットである有益な特性を有し、アパーチャ面積のほぼ半分が透明であり非合焦性放射線を自由に透過させる。加えて、そのようなアパーチャは、中央セルを除けば、90度回転したとき反対称もしくは補完的となる。このように、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用したシステムは非変調光子および計器バックグラウンドノイズの影響を最小化することにより画像の再構築を改善する一方、画像処理用に符号化アパーチャを1つのみしか要さずにコスト削減を実現し得る。さらに、最新の位置検知検出器のほとんどは直積構成(Cartesian-configured)であるので、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用したシステムにそのような検出器を使用でき、これとは異なる形状特性のアパーチャおよび検出器を用いたシステムに要求されるような面倒なデータフォーマット化を回避できる。
したがって、本発明は透明および不透明セルを含み第1位置で正方形正規マスクパターンをおよび第2位置に回転したとき正方形補完マスクパターンを呈する正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを開示し、第2位置は第1位置から90度回転状にずれている。
この発明は、さらに、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムを開示する。このような撮像システムは発生源から発生した放射線を受け、第1位置で第1符号化陰影および第2位置で第2符号化陰影を発生する正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャ,符号化アパーチャを第1および第2位置の間で回転させる回転手段、符号化アパーチャに対して配置され第1および第2符号化陰影を逐次検出器上に当てる位置検知検出器、第1符号化光信号およびそれに応じた第2光信号をそれぞれ発生する検出器、第1および第2符号化光信号に応答し第1符号化電気信号およびそれに応じた第2符号化電気信号をそれぞれ発生する変換手段、および第1および第2符号化電気信号に応答しこれらの符号化電気信号を解読して非合焦性放射線源の画像を表す画像信号を発生する信号処理器を含む。上記位置検知検出器は上述の変換手段を一体的に含んでもよいと理解すべきである。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムは、また、符号化アパーチャを少なくとも第1および少なくとも第2位置で保持するアパーチャ保持プラットフォームをそれ自体が含む回転手段、プラットフォームの位置に応答してそれに応じて位置信号を発生する位置符号化器、位置信号に応答してそれに応じた駆動制御信号を発生する駆動制御ユニット、および駆動制御信号に応答してプラットフォームを少なくとも第1および少なくとも第2位置間で回転させるステッパユニットを含めることができる。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムはまた表示器を含ませてもよく、この表示器は撮像システムの視界内の領域の視覚的表現を含み、画像信号に応じた非合焦性放射線源の表現画像は視覚的表現に重ねられる。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムは、また、データ格納ユニットを含んでもよく、このデータ格納ユニットは信号処理器に電気的に結合され、信号プロセサはデータを発生し、データ格納ユニットは信号プロセサからのデータを格納する。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムは、また、符号化アパーチャと位置検知検出器との間の離間距離を調整する手段を含めてもよい。この調整手段は符号化アパーチャまたは位置検知検出器またはそれらの両方に対して動作可能に結合される。したがって、調整手段はアパーチャまたは検出器のいずれかもしくはそれらの双方を、他方に対して移動させて離間距離を調整する。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムは、また、信号処理電子系統を含めることができる。信号処理電子系統は符号化電気信号を処理して、検出した符号化ガンマ線またはX線放射線からガンマ線またはX線源画像を発生する。さらに、信号処理電子系統はまた画像処理器としても機能し、ガンマ線およびX線画像の画質を向上させる。さらにまた、信号処理電気系統は正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャの回転および変換を制御する。信号処理電気系統は視覚画像データを格納し視覚画像にガンマ線およびX線画像を重ねおよびそれらをモニタスクリーン上に表示する手段を備えてもよい。
この発明の符号化アパーチャ撮像システムの好ましい形態ならびに他の実施例,目的,特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき以下の図示実施例の詳細な記述からより明らかになるであろう。
本発明に従って形成した符号化アパーチャ撮像システムは、衛生および安全性を高めかつガンマ線発生源、特に原子力プラントや核汚染場所の復旧作業、に関連する潜在的被害を減少させる特有の装置を提供する。潜在的な放射線危険場所をモニタしおよび表現するための現在利用可能な技術は、不十分で時間を要し、かつ作業者に対して不要な放射線被爆を及ぼす。従来の走査技術としては、手動で場所を走査して大きな線量のガンマ線を発生する「ホットスポット」または発生源を求めるガイガーミューラ計数器がある。本発明の符号化アパーチャ撮像システムは、ガイガーミューラ計数器を用いて危険な放射線およびガンマ線発生源を突き止める従来の方法よりも何桁か効率が良い。
符号化アパーチャ撮像システムは、連続モニタ用に永久設置可能もしくは必要に応じて手持ちのユニットで配置可能な装置を提供する。符号化アパーチャ撮像装置は、作業者による手動走査に関連する問題を軽減し、かつ「ホットスポット」または高放射領域のリアルタイムでの監視を可能化する。或る応用では、符号化アパーチャ撮像システムは原子力プラントの汚染チャンバ内に計画的に設置されて、領域の視覚画像に重ね合わせ可能なガンマ線画像を形成して、潜在的な放射線原因を突き止めることができる。このように、潜在的に放射線汚染される構造物をリアルタイムに特定でき、直ちに必要な改善策をとることが可能である。加えて、本発明に従って形成した永久設置の符号化アパーチャ撮像システムは、潜在的に危険な地域での日常の検査を行う人員に対する放射線被爆の危険性を除去し得る。
本発明に従って形成した符号化アパーチャ撮像システムは、原子力および核材料生産および処理産業,核廃棄物管理,核反応炉撤去,原子力船,その他の科学的施設で、有用であり、放射線医学などの放射線医療でも有用である。本発明の撮像システムは、また、核物質の持ち込み検出を行う安全性検査場所でも使用可能である。実際、本発明の符号化アパーチャ撮像システムの応用は相当に広範である。
本発明に従って形成した符号化アパーチャ撮像システムは、簡素かつリアルタイムな撮像システムで、余裕度が大きく持ち運び可能で使い勝手が良く、X線およびガンマ線を含む危険な放射線が存在する領域を効果的にモニタできる。このようなシステムは現在、市場では入手できない。高エネルギを放出する天体の観測用撮像システムがNASAにより首尾よく開発されている。しかし、これらのシステムは大型かつ高価で、運転が難しく、専ら天文観測に用いられる。これらのものは、サイズ,コスト,運転上の複雑性、および重量により、環境放射線モニタ用としては適当ではない。
図1を参照して、本発明に従って形成した符号化アパーチャ撮像システムは、一般的には符号化アパーチャ4,位置検知検出器,および電荷結合素子アレイ,を収納する保護ケースまたは筐体2を含む。代替的実施例では、半導体フォトダイオードアレイを電荷結合素子アレイに代えて使用することができる。しかし、好ましい実施例としては、電荷結合素子アレイを用いる。筐体には、装置の運搬性を良くするためにハンドル6を含め得る。ケーブル8は一端が電荷結合素子アレイに接続されかつ対向端が遠隔の画像処理場所に接続されている。
図2は本発明に従って形成した符号化開口撮像システムの機能ブロック図を示す。符号化アパーチャ撮像システムは、一般的には、符号化アパーチャ4,位置検知検出器10,光学列13,画像強調器11,電荷結合素子列12および信号処理器/解読器14を含む。符号化アパーチャ4は、発生源から発生されて符号化アパーチャに受光されるガンマ線に対して、概略50%の透明度を与える。符号化アパーチャ4は、アパーチャで受けたガンマ線に応じて、符号化陰影を発生する。位置検知検出器10は、符号化アパーチャ4に対して、アパーチャにより発生された符号化陰影が位置検知検出器上に当たる位置に設けられる。位置検知検出器10は、検出器に当たった符号化陰影に応じて、符号化光信号を発生する。光学列13は位置検知検出器を電荷結合素子12のアレイに光学的に結合し、位置検知検出器により発生された符号化光学信号に応答して符号化電気信号を発生する。この符号化電気信号は信号処理器14により受信され、これが符号化電気信号を処理および解読して画像信号を発生する。この画像信号はガンマ線発生源の画像を表し、陰極線管16等上に表示させることができる。図2に示す実施例は、また、電荷結合素子のアレイを制御する制御電極18を含む。
代替的な実施例では、位置検知検出器10は半導体ガンマ線検出器のアレイを含む。このガンマ線検出器アレイは符号化陰影を受信して、これに当たる符号化陰影に応じて符号化電気信号を発生する。本発明に従って形成したガンマ線検出器アレイはシンチレーション材料の固有特性を有する一体半導体装置および符号化陰影を符号化電気信号に変換する電荷結合素子アレイを含む。
符号化アパーチャ4は均一冗長化アレイまたは他の型式の符号化アレイに基づくアパーチャでよいが、後に詳述するように、好ましくは、本発明に従って形成した正方形反対称均一冗長アレイに基づく。本発明の特定な一実施例では、符号化アパーチャ4は均一冗長アレイ設計に基づく。この型式のアパーチャは比較的高い透明度(概略50%)を示しかつ信号対雑音比が高い。符号化アパーチャ4は鉛またはその他の高密度材料から製造され、2×2モザイクの基本符号化アレイで構成できる。位置検知検出器10に対するアパーチャ4の配置を図3に示す。
符号化アパーチャ撮像システムの視界は位置検知検出器10に対する符号化アパーチャ4の配置に依存する。たとえば、最大の視界は位置検知検出器に対する最短に位置するアパーチャにより達成される。符号化アパーチャ撮像システムの好ましい実施例は、軌道システム(図示せず)等、符号化アパーチャと位置検知検出器との間の離間距離を調整する手段を含み、これにより符号化アパーチャ(または位置検知検出器)が軌道上で摺動可能となる。
図2Aを参照して、本発明に従って形成した上記の離間距離を調整するための一実施例が示されている。リニアモータ組立て9はステッパモータ15とリードねじ17とで構成される。符号化アパーチャ4は、ステッパモータ15がリードねじ17を正確に回転させるとき、符号化アパーチャ4が位置検知検出器10の方向またはこれと反対の方向に移動するように、リードねじ17上に作動可能に装着されている。これにより符号化アパーチャ4と位置検知検出器10との間の離間距離dを変更し得る。代替的な実施例では、位置検知検出器10をリードねじ17上に作動可能に取付けする一方、符号化アパーチャ4を固定位置のまま設けることが好ましい。また、上述の調整手段は図1に示した筐体2内部に設け得ることが理解できるであろう。
したがって、離間距離を調整することにより、装置はズーム特性、たとえば1.5倍、を含むことになる。このズーム特性を達成するためには、符号化アパーチャ4と位置検知検出器10との分離距離を所望の拡大率に応じて所定量増大させる。
図3に示すように、符号化アパーチャ4は2サイクルの基本符号化アレイを含みかつ横断面上面積で位置検知検出器10の概略2倍の寸法で、全面符号化視界を最大化する。前述したように、全面符号化視界はアパーチャ寸法ならびに符号化アパーチャ4と位置検知検出器10の間の離間距離との関数である。視界は概略数度から約45度の範囲にあるのが好ましい。
アパーチャ4は高密度材料で製造されているので、重量の考慮によりアパーチャの寸法および厚さを制限するのが望ましい。符号化アパーチャの不透明部分に要する不透明度を高くするには、厚いアパーチャを使用する必要がある。符号化アパーチャ撮像システムの一実施例は、2×2モザイクの17×19基本アレイ構成状の形の均一冗長アレイを有する符号化アパーチャを含む。たとえば、アパーチャを概略4インチ×6インチでかつ概略1cm乃至1.5cmの厚さにすればよい。上記のアパーチャは1.3Mevで概略0.5乃至0.8のアパーチャ不透明度を有する。不透明度はできるだけ1(unity )に近いことが望ましい。
符号化アパーチャは、不透明および透明セルのアレイからなり、発光源と位置検知検出器面との間に配置する。視界内のガンマ線を放出する被写体要素は全てアパーチャによる陰影を検出面すなわち位置検知検出器10上に投影する。
図4は、符号化アパーチャ設計および位置検知検出器10上に形成された符号化陰影の簡単な斜視図である。符号化アパーチャは位置検知検出器10上に多数の画像陰影を形成する。位置検知検出器10はこれら多数の画像陰影に応じて光信号を発生し、この符号化光信号は次いで符号化電気信号に変換される。これが解読されて符号化アパーチャ4に受光された当初の光線を表す解読画像信号が与えられる。前述したように、アパーチャ4は2サイクルの基本符号化アレイを含み、位置検知検出器10はこのアパーチャ寸法の概略1/2とすることができる。この構成では、全面符号化視界内の作動領域全体の透明度が一定であるため、全面符号化視界全体にわたって均一な感度が得られる。
図5は基本的な17×19均一冗長アレイ符号化の例を示す。図5および以降の類似図面に示すアパーチャの暗部は不透明領域を表し、かつ明るい部分は透明領域を表す。図示の符号化アパーチャは固有的な不明確さを避けるべく1行および1列を除いた、2×2モザイクの基本符号化アレイからなる。均一冗長アレイ(URA)の符号化はフェニモア等(Fenimore et al.) により開発され「均一冗長アレイを有する符号化アパーチャ撮像(Coded Aperture Imaging With Uniformly Redundant Arrays)」の名称の米国特許第4,209,780号および第4,360,797号に記載されている。これらの開示を参考のためにここに含める。しかし、前述したように、フェニモアにより開示され図5に示されるURAは、撮像過程で正規および補完アパーチャ間での切換手段を含まなければならない。この切換工程は整合の不正確性ならびに人への放射線被爆を引起こす可能性がある。
一般に、URAは数学的に循環差分集合(cyclic difference sets)に基づく。オーダーνの循環差分集合Δ(ν,κ,λ)は、如何なる剰余ρ≠0(modν)に対しても,合同:
δi −δj =ρ(mod ν)
がΔにおいてδi およびδj のλ解対(δi ,δj )を許容するようなκ剰余(moduls) νのシーケンスである。各差分集合に対して長さνの二進数{αi }を関連付けることができる。ただしαi は循環差分集合δに属する場合に値1それ以外の場合には0をとる。これらの集合で、κはクローズの(0)であり、ν−κはオープンの(1)である。この2元シーケンスの自己相関関数は、完全に平坦なバックグラウンドで単一ピークになる。URAはこれらの一次元シーケンスを同じ属性の自己相関関数の二次元アレイにまとめる(packing) ことにより発生される。1’s(すなわち1スペース,2スペース,他)の発生間隔は全てのURAに対して一定回数λ発生すると認識できる。
δi −δj =ρ(mod ν)
がΔにおいてδi およびδj のλ解対(δi ,δj )を許容するようなκ剰余(moduls) νのシーケンスである。各差分集合に対して長さνの二進数{αi }を関連付けることができる。ただしαi は循環差分集合δに属する場合に値1それ以外の場合には0をとる。これらの集合で、κはクローズの(0)であり、ν−κはオープンの(1)である。この2元シーケンスの自己相関関数は、完全に平坦なバックグラウンドで単一ピークになる。URAはこれらの一次元シーケンスを同じ属性の自己相関関数の二次元アレイにまとめる(packing) ことにより発生される。1’s(すなわち1スペース,2スペース,他)の発生間隔は全てのURAに対して一定回数λ発生すると認識できる。
アダマール集合は、或る整数nに対してパラメータν=4n−1,κ=2n−1,λ=n−1により特徴付けられる。これら集合の名称は、アダマール行列を有する関係に由来する。公知のアダマール集合は、オーダνのみならずそれらの構成方法によっても分類できる。この発明で用いるアダマール循環差分集合の構成は、オーダνの2次剰余(quadratic residues)Bに基づく。オーダνが素数の場合、集合Bは第1(ν−1)/2整数の二乗の剰余(mod ν)により発生される。要素Bi は、iが2次剰余の場合1であり、iが剰余ではない場合0である。ただし、iは1ないしνに等しい。
スキュー・アダマール循環差分集合は反対称(anti-symmetric) でアダマール差分集合の部分集合であり、プライムオーダν=3(mod 4)である。それらはまた上述のように、2次剰余(mod ν)から発生し得る。
スキュー・アダマールURAは、アダマールURAの部分集合でほぼ反対称である。すべてのスキュー・アダマールURAは循環グループΔを有し、そのためスキュー・アダマール循環差分集合で構成できる。この定義から、スキュー・アダマールURAがほぼ50%の透明度、すなわちスループット(throughput)、を有することがわかる。
このように、好ましい実施例では、符号化アパーチャは正方形反対称均一冗長アレイであり、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャの構成はここに記載した手順に従う。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャは、相互接続および自己支持された透明および不透明セルからなっている。この透明および不透明セルの材料組成は、透明セルの場合非合焦性放射線を透過させるように、または不透明セルの場合、放射線を透過させないような特性に選択されることに留意すべきである。本発明の符号化アパーチャは透明および不透明セルの配置に応じた全面マスクパターン(full mask pattern)を呈する。全面マスクパターンは複数の要素を有し、これらの要素は値を有するとみなし得る。これらの要素の値は二元値の選択した一方にでき、その値は1または0のいずれかである。アパーチャは透明セルに対してこのような値の一方を、不透明セルに対してその他方を割り当てることにより構成される。
全面マスクパターンはそれ自体が以下に述べる数学的関係に基づく原始マスクパターンから発生される。以下のテーブルIは最初の7個の素数オーダのスキュー・アダマール差分集合およびそれらの二次剰余シーケンスBを示す。上述の要素値はこれらのシーケンスから発生される。
これらシーケンスの反対称性を示すため、表1に示すように二次シーケンスは最初の剰余がシーケンスの中央になるまで循環状に変更される。オーダνの二次元パターンの原始マスクパターンは、以下の関係に従い、一次元スキュー・アダマール2次剰余シーケンスBから発生される:
Aij=0 i=0のとき
Aij=1 j=0かつi≠0のとき
Aij=1 Bi =Bj のとき
Aij=0 その他の場合
ここで、Aは均一冗長アレイ符号化関数を表す。
Aij=0 i=0のとき
Aij=1 j=0かつi≠0のとき
Aij=1 Bi =Bj のとき
Aij=0 その他の場合
ここで、Aは均一冗長アレイ符号化関数を表す。
このように発生した原始マスクパターンの例として、図6にオーダー19の原始マスクパターンを示す。この原始マスクパターンには黒色の要素と白色の要素が示されており、黒色の要素と白色の要素は最終的には符号化アパーチャ上でそれぞれ不透明および透明を表すことになる。図6中のダッシュ線は各象現の境界を描き、原始マスクパターンは第1象現40,第2象現42,第3象現44,および第4象現46を有する。これからわかるように、第1象現40と第3象現44のパターンは第2象現42のパターンに対して補完的になっている。このように、原始マスクパターンはその原始パターンの中央要素および中央要素の反復を除けば、ほぼ反対称である。中央要素の反復は象現間に位置する個々の要素である。
図7は原始マスクパターンの他の例を示し、この実施例は、オーダー31の原始マスクパターンである。象現間の同様な補完関係が、図6に示すように、このパターンにも存在する。図6および図7は図示目的の二例を示すが、原始マスクパターンのオーダはスキュー・アダマール集合に属する素数ならばよい。
したがって、原始マスクパターンを発生させれば、原始マスクパターンの中央から対角線外方に原始マスクパターンを反復させることにより本発明の全面マスクパターンが発生される。この結果得られる全面マスクパターンは(2ν−1)×(2ν−1)個の要素を含む。図8Aおよび8Bは、全面マスクパターンを形成するための原始マスクパターンの反復工程を示す。図8Aは原始マスクパターンに関連する象現を表したもので、上記のように番号を付している。図8Bは工程の反復により発生された全面マスクパターンに関連する象現を表したものである。図8Bで、全面マスクパターンの中央に位置する原始マスクパターンの輪郭をその位置関係を示すために太線で描いている。このように、反復工程に基づく対応象現の結果的に得られる位置が図8Bに示されている。明確化のため、中央要素とその中央要素の反復のための象現間のスペースは図8Aまたは8Bには示していない。したがって、上記したような方法で形成したオーダ19および31の全面マスクパターンをそれぞれ図9および10に例示する。
このように、本発明の正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャは全面マスクパターンの対応する要素に透明および不透明セルを割付けることにより形成される。上述の方法で発生したこのようなアパーチャは、第1位置に第1マスクパターンおよび第2位置に第1マスクパターンの実質的な補完である第2マスクパターンを有し、第2位置は第1位置から90度回転させてずらせてなる特有な特性を有している。第1および第2のマスクパターンをそれぞれ正規マスクパターンおよび補完マスクパターンと呼ぶ。
本発明に従って形成した符号化アパーチャの特有な反対称性を図11および図12に示す。図11を参照して、オーダ7の正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャが、正規マスクパターンを呈する第1位置に現わされている。図12を参照すると、驚くことに図11に示したアパーチャが90度回転されて、アパーチャは相補マスクパターンを呈し、それにより中央セルを除いて全ての透明セルが不透明セルに替わっている。中央セルは、符号化アパーチャが正規または補完マスクパターンを呈しているか否かに拘わらず、一定のままである。再び、オーダ7の符号化アパーチャは上記の新規な特性を単に示すためだけのものであって、そのような特有の反対称性を有する如何なる素数オーダの符号化アパーチャであっても本発明に従って形成することができる。
本発明に従って形成した正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャは、概略4インチ×6インチで概略1cm乃至1.5cmの厚さにすることができる。また、符号化アパーチャは1.3Mevで概略0.5乃至0.8のアパーチャ不透明度とすることができる。
本発明に従って形成した正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを符号化アパーチャ撮像システムに使用した場合について図示することにより、本発明の利点はさらに好ましいものになる。そのような符号化アパーチャ撮像装置の好ましい形態を図13に示す。
図13を参照して、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャ22が、回転可能なアパーチャ保持プラットフォーム24の中央に搭載されている。プラットフォーム24は円盤状で、円周状外表面を有している。位置符号化器26は回転式アパーチャ保持プラットフォーム24に近接して位置し、プラットフォームの角度位置を符号化し、それにより位置信号を発生する。符号化器26は、その一形態では、プラットフォームの円周に設けた印(図示せず)を読み取り、プラットフォームの角度位置を符号化する。符号化器26は、他の形態では、プラットフォームに機械的に結合された正弦/余弦(sine/cosine)電位差計(図示せず)を含み、この電位差計はプラットフォームの角度位置を符号化可能である。好ましい実施例では、位置符号化器26は電気機械式(たとえば、磁気的)スイッチであり、回転アパーチャ保持プラットフォーム24の位置を検知してそれに対応して位置信号を発生する。さらに、当該分野の当業者に公知な如何なる符号化手段でも位置信号の発生に使用し得ると理解すべきである。
駆動制御ユニット28は、位置符号化器26および信号処理器14に電気的に接続されて、位置信号に応答する。駆動制御ユニット28は駆動制御信号を発生する。ステッパモータ30は駆動制御ユニット28に電気的に接続され、駆動制御信号に応答する。ステッパモータ30は結合手段32を介して回転駆動力を与えられることによりプラットフォーム24を回転させる。結合手段32はステッパモータ32とプラットフォーム24との間に配設される。一形態では、結合手段32は噛合い平歯車を含み、この歯車はプラットフォームに円周状に形成された対応する歯車の歯に係合する。結合手段32は上記に代えて、プラットフォームの円周表面に接触する円周表面を有する摩擦車であってもよい。好ましい実施例では、結合手段32はベルト(図示せず)とプリーの構造を含み、それによりプリーの回転はプラットフォームに回転運動を伝える。再び、当該分野の当業者に公知な如何なる結合手段であっても、ステッパモータの回転駆動力をプラットフォームに伝達するのに使用できると理解すべきである。また、ステッパモータ30および結合手段32の機能はステッパユニットにより一体的に得ることができる。本発明の好ましい実施例では、上記の回転手段はプラットフォーム24を回転させる。したがって正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャ22は第1位置から第2位置に回転し、この第2位置は第1位置から90度回転的にずれた位置である。アパーチャを二位置間で回転させるときのタイミング制御は、駆動制御ユニット28または信号処理器14のいずれかにより実施可能と理解すべきである。
さらに、図13を参照して、位置検知検出器10は、好ましくは、直積構成であり、ガンマ線またはX線発生源から非合焦性放射線が符号化アパーチャ22により変調されるように、符号化アパーチャ22に対して配置されている。本発明に従えば、符号化アパーチャ22は第1位置に位置し、正規マスクパターンを呈している。非合焦性放射線20は或る一定期間符号化アパーチャ22を透過する。応じて、符号化アパーチャ22は第1符号化陰影を発生し、これにより第1符号化陰影が検出器10上に当たる。回転手段は次いで符号化アパーチャ22を第2位置に回転させ、これにより符号化アパーチャ22は補完マスクパターンを呈する。非合焦性放射線20は再び概略同一期間符号化アパーチャ22を透過する。応じて、符号化アパーチャ22は第2符号化陰影を発生し、これにより第2符号化陰影が検出器10上に当たる。検出器10は第1および第2符号化陰影に応答して第1および第2符号化光信号をそれぞれ発生する。光信号から電気信号への変換手段34は位置検知検出器10に電気的に接続されている。変換手段34は以下に記載のまたは当該分野の当業者に公知な如何なる手段であってもよい。一形態では、変換手段は電荷結合素子のアレイである。変換手段34は検出器10に応答して、第1および第2符号化光信号に応じて第1および第2符号化電気信号をそれぞれ発生する。信号処理器14は変換手段34ならびに駆動制御ユニット28に電気的に接続されている。信号処理器14は第1および第2符号化電気信号および位置信号に応答する。位置信号は位置符号化器26から駆動制御ユニット28を介して処理器14に与えられる。信号処理器14はこれらの信号を処理して光合焦性放射線の発生源の画像を表す画像信号を発生する。この画像、および信号処理器14により処理される光子束レベル,露光時間および測定条件等、その他の情報を表示器16上に表示することができる。データ格納ユニット36は信号処理器14および/または表示器16に電気的に接続され、画像信号および上述の信号処理器14により処理されたその他の情報を格納できる。
図13に示した符号化アパーチャ撮像システムは、図2Aに示した調整手段と同様に、符号化アパーチャ22と位置検知検出器10との間の離間距離を調整するための手段を含めてもよいと理解すべきである。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを使用した符号化アパーチャ撮像システムにより実施される画像処理は、以下のように達成される。変換手段34により発生された第1および第2符号化電気信号は、非合焦性放射線の発生源の分布と正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャに関連する符号化関数との相関によって表現される。このため、符号化アパーチャが第1位置にある(したがって正規マスクパターンを呈する)とき、第1符号化電気信号は下記の如く記載できる:
On =s*An +bn
ここで、*は相関演算子を表し、sは分布源関数を表し、bn はバックグラウンドノイズを表し、符号化アパーチャの正規マスクパターンより変調されない検出器への全ての寄与要因(contributions) を含み、およびAn は符号化アパーチャの正規マスクパターンに関連する正規符号化関数を表す。続いて、符号化アパーチャが第1位置から第2位置に90度回転し(そのため補完マスクパターンを呈する)とき、第2符号化電気信号は以下のように記載できる:
Oc =s*Ac +bc
ここで、bc は符号化アパーチャの補完マスクパターンにより変調されない検出器への全寄与要因を含む背景ノイズを表し、およびAc は符号化アパーチャの補完マスクパターンに関連する補完符号化関数を表す。上記の信号の減算により以下の結果信号が得られる:
Ot =s*(An −Ac )+(bn −bc )
本発明の符号化アパーチャに対して、正規符号化関数An の絶対値は概略補完符号化関数Ac ,に等しい。なぜならば、両関数は中央セルを除けばほぼ反対称にあるからである。加えて、光子束が大きいとき、bn がbc と等化であることは非常に在り得ることである。したがって、平均的なの結果信号を以下のように記載できる:
〈Ot 〉=〈s〉*(An −Ac )+〈bn −bc 〉
ここで、<>は全体平均を表す。このように、減算バックグラウンド騒音の平均値は実質的に0に等しい。
On =s*An +bn
ここで、*は相関演算子を表し、sは分布源関数を表し、bn はバックグラウンドノイズを表し、符号化アパーチャの正規マスクパターンより変調されない検出器への全ての寄与要因(contributions) を含み、およびAn は符号化アパーチャの正規マスクパターンに関連する正規符号化関数を表す。続いて、符号化アパーチャが第1位置から第2位置に90度回転し(そのため補完マスクパターンを呈する)とき、第2符号化電気信号は以下のように記載できる:
Oc =s*Ac +bc
ここで、bc は符号化アパーチャの補完マスクパターンにより変調されない検出器への全寄与要因を含む背景ノイズを表し、およびAc は符号化アパーチャの補完マスクパターンに関連する補完符号化関数を表す。上記の信号の減算により以下の結果信号が得られる:
Ot =s*(An −Ac )+(bn −bc )
本発明の符号化アパーチャに対して、正規符号化関数An の絶対値は概略補完符号化関数Ac ,に等しい。なぜならば、両関数は中央セルを除けばほぼ反対称にあるからである。加えて、光子束が大きいとき、bn がbc と等化であることは非常に在り得ることである。したがって、平均的なの結果信号を以下のように記載できる:
〈Ot 〉=〈s〉*(An −Ac )+〈bn −bc 〉
ここで、<>は全体平均を表す。このように、減算バックグラウンド騒音の平均値は実質的に0に等しい。
正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを用いた符号化アパーチャ撮像システムの利点は、上記の数式により明確に示されている。このような撮像システムは本発明の符号化アパーチャが正方形形状を呈しながら、非変調光子(non-modulated photons)および計器バックグラウンド騒音の悪影響を有効に除去する点において、既存の如何なる撮像システムよりも利点が大きい。
さらに、本発明の符号化アパーチャの反対称性により、差分符号化関数An −Ac はほぼユニモジュラー(unimodular)であり、以下の規則に従って表される。
(An −Ac )i =0 i=j=0のとき
(An −Ac )i =1 (An )ij=1,かつi+j≠0のとき
(An −Ac )i =−1 (An )ij=0,かつi+j≠0のとき
非合焦性放射線源の再現分布の概算値は以下のように表される。
(An −Ac )i =1 (An )ij=1,かつi+j≠0のとき
(An −Ac )i =−1 (An )ij=0,かつi+j≠0のとき
非合焦性放射線源の再現分布の概算値は以下のように表される。
〈s〉=〈Ot 〉*G=(〈s〉*(An −Ac )+〈bn −bC 〉)*G
ここで、∧はこの場合の変数の概算値を表し、かつ解読関数でAijのユニモ
ジュラ相関逆数であるGは、以下の如く定義づけられる:
Gij=1 i=J=0とき
Gij=1 Aij=1,かつi+j≠0のとき
Gij=−1 Aij=0,かつi+j≠0のとき
解読関数Gは、解読源の概算値が無視できるアーティファクトを有する源と同一となるように選ばれる。このように、符号化関数Aと解読関数Gとの関係は以下のように表すことができる:
A*G=(ν2 /2−1)δκ
ここで、δκはクロネッカーのデルタ関数である。
ここで、∧はこの場合の変数の概算値を表し、かつ解読関数でAijのユニモ
ジュラ相関逆数であるGは、以下の如く定義づけられる:
Gij=1 i=J=0とき
Gij=1 Aij=1,かつi+j≠0のとき
Gij=−1 Aij=0,かつi+j≠0のとき
解読関数Gは、解読源の概算値が無視できるアーティファクトを有する源と同一となるように選ばれる。このように、符号化関数Aと解読関数Gとの関係は以下のように表すことができる:
A*G=(ν2 /2−1)δκ
ここで、δκはクロネッカーのデルタ関数である。
したがって、上に示したように、撮像システムの平均バックグラウンド騒音レベルは当該システムが正規/補完減算を行うことによるバックグラウンド抑制方式を用いるとき、大幅に減少される。しかし、有利なことに、正規マスクパターンと補完マスクパターンとで総合露出時間が等しいとすれば、正規/補完バックグラウンド抑制方式を適用の有無に拘わらず、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを備えた符号化アパーチャ撮像システムの信号対雑音比は実質上変わらない。
以前では、正規/補完アパーチャ方式によりバックグラウンド雑音および非変調光子の影響を無くすように企図された先行技術の撮像システムは、正規/補完処理の利点を実現するためにアパーチャの物理的切換を要していた。システムの休止時間が位置合わせ上の正確さ、および人間への放射線被爆の可能性等、支障のいづれもがそのような先行技術システムの有効性に対して制限を課していた。加えて、正規/補完処理が可能な単一六角形符号化アパーチャを利用した先行技術システムであっても、六角形または円形形状の位置検知検出器を備えたとき、効率向上の厳しい制限があった。最新の位置検知検出器のほとんどは直積構成であるので、本発明の符号化アパーチャは単一符号化アパーチャに対する需要を明確に満たすことができ、符号化アパーチャ撮像システムの大多数に広汎に使用可能な正規/補完処理を付与することができる。さらに、本発明の符号化アパーチャの正規/補完特性およびそれに伴う撮像システムによる正確な回転能力により、システムの休止時間、位置合わせ上の不正確性、および人間に対する危険性は除去される。このように、正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャおよびそのような新規なアパーチャを利用した符号化アパーチャ撮像システムは、ここに述べた先行技術装置のすべての制約を克服する。
次に、符号化アパーチャ撮像システムの他部品の記述を参照して、本発明の位置検知検出器10は結晶シンチレータ(プラスチック・ファイバ製シンチレータ、ガラス製シンチレータ、またはガラスファイバ製シンチレータのいずれかで形成できる。好ましい実施例では、位置検知検出器はガラスファイバ製シンチレータからなる。本発明の撮像システムでの使用に適した高密度ガラスファイバ製シンチレータは「X線の可視放射線への変換に使用するテルビウム活性シリケート発光ガラス(Terbium Activated Silicate Luminescent Glass For Use In Converting X-Ray Radiation Into Visible Radiation)」と題されたBuchanan,et al. の米国特許第5,122,671号に記載されている。その開示をここに参考のために含める。
高密度ガラスファイバ製シンチレータは534mnの緑色スペクトル領域の光を発光する。ガラス製シンチレータは、固体のガラスシンチレーション材料の固体または複数のガラスファイバのいずれかの形状であればよい。好ましい実施例では、ガラス製シンチレータは複数のファイバを含みかつガラスファイバはファイバ間のクロストークを最小化するための外壁吸収コートを含む。ガラスシンチレーション・ファイバを束ねて、本発明の符号化アパーチャ撮像システムの位置検知検出器を形成している。
ガラスファイバ製シンチレータは過去に普通に使用されていた結晶性シンチレータよりコストが低くかつ丈夫である。12mmの厚さのガラス製シンチレータの光出力は1.3Mev光子に対して秒当りレントゲン当り約0.2フィート−ランベルトである。好ましい実施例では、各ガラス製シンチレーション・ファイバは概略15μmのファイバ径で、ガラスファイバ組立は概略2インチ乃至3インチの直径である。ガラス・ファイバ製シンチレータの望ましい太さの典型的範囲は約1.5mmから約12mmである。
符号化アパーチャ撮像システムでの位置検知検出器としてのガラス・ファイバ製シンチレータを使用する利点は、信号対雑音比、空間解像度、およびダイナミックレンジが向上することである。より具体的には、信号対雑音比の改善は、高ガドリニウム・オキシサルファイド・りん光体(gadolinium oxysulfide phosphor) 製スクリーンと比較したとき、高エネルギでガラス製シンチレータが2の係数に近い信号対雑音比上の改善を示す程度に達成される。加えてガラス製シンチレータはX線減衰が向上し、X線光子の利用度が高まる。空間解像度に対して、ガラス・ファイバ製シンチレータは低X線エネルギで25線対/mm(lp/mm)またはそれ以上の空間解像度を呈する。比較をすれば、高解像度りん光体スクリーンは類似状況下で12−14lp/mmを示す。ガラス・ファイバ製シンチレータで形成された位置検知検出器内での向上した信号能力と減少した光散乱は共に検出器の広いダイナミックレンジ能力を与える要因である。高性能の電荷結合素子を用いたシステム試験では3000またはそれ以上のダイナミックレンジを示した。これはまたX線検査分野に対する優れたコントラスト感度にもなる。
図2に示した好ましい実施例では、符号化アパーチャ撮像システムは光学列13または符号化光信号を電化結合素子アレイに転送する手段を含む。図2にも示すように、好ましい実施例では、位置検知検出器10と電化結合素子のアレイとの間に配設された画像強調器11が含まれる。より具体的には、位置検知検出器10は符号化アパーチャに対向して符号化光信号転送手段13に結合される側を有する。転送手段の対向端は、符号化光信号を増幅および強調する画像強調器11に結合されている。増幅された符号化光信号は電化結合素子12のアレイに入力され、これにより符号化光信号に応じて符号化電気信号を発生する。
光学列13すなわち符号化光信号の転送手段は光ファイバ・テーパのアレイまたはリレー光学要素のいずれかから成る。光ファイバ・テーパは位置検知検出器10と画像強調器11または電化結合素子12のアレイ等寸法の異なる2個の光学口径のインターフェースまたは整合にしばしば用いられる。光ファイバ・テーパは一般的には光ファイバの一端が対向端より大きな断面積を有するテーパが付けられたファイバ光学要素である。符号化アパーチャ撮像システムの代替的な構成では、リレー光学要素を使用してガラス・ファイバ製シンチレータの表面を撮像して画像強調器または電荷結合素子12のアレイに出力する。ファイバ光学要素テーパおよびリレー光学要素のいずれも、特注により商業的に入手可能な製品である。たとえば、適当なファイバ光学素子テーパはスコット・ファイバ・オプティクス・インコーポレーティッド(Schott Fiber Optics, Inc) により製造された特注ファイバ光学素子を含む。
前述のように、画像強調器11は符号化光信号を増幅および強調する。電荷結合素子12のアレイは増幅した符号化光信号に応答して、この符号化光信号に応じた符号化アナログ電気信号を発生する。画像強調器11は 浜松フォトニクスK.K.(Hamamatsu Photonics K.K.) により製造され型式番号V33347Uである画像強調管のような、商業的に入手可能な製品を任意に用いて構成できる。これに替えて、画像強調器の機能は浜松フォトニクスK.K.による型式番号S2461のような半導体光ダイオードのアレイで達成できる。
符号化アパーチャ撮像システムでは、電荷結合素子12のアレイは増幅した符号化光信号を符号化多重アナログ電気信号に変換する。符号化アナログ電気信号は、信号処理器/解読器により内部処理されるかまたは図1に示すような遠隔地で処理される。したがって、少なくとも符号化アパーチャ4、位置検知検出器10および電荷結合素子12のアレイを含む手持装置は、持ち運び可能な保護ケース2内に収納できる。一端が電荷結合素子12のアレイに結合され、対向端が遠隔の画像処理器で結合されるケーブル8により、符号化アパーチャ撮像システムが完成する。符号化アナログ電気信号はケーブル8を介して信号処理器に伝達され、この信号処理器がこの符号化アナログ電気信号をディジタル化、フォーマット化および解読を行い、ガンマ線発生源の画像を表す画像信号を発生する。
前述したように、本発明の代替的実施例は符号化光信号に応答する半導体光ダイオードのアレイを含む。半導体光ダイオードのアレイは符号化光信号に応じて符号化電気信号を発生する。加えて、光ダイオードのアレイは画像強調器の機能を果たし、光信号の電気信号の変換に先立って光信号を増幅する。したがって、撮像システムは前述したと同様の仕方で動作する。
符号化アパーチャ撮像システムの最小検出ドーズ量または感度は、ガラス・ファイバ製シンチレータ、画像強調器、電荷結合素子アレイ、およびアパーチャ設計の関数である。ガラス・ファイバ製シンチレータの口径値は、光テーパから成る一般使用の光ファイバより小さいので、シンチレータにより発生される光はなんらの反射もなく、光ファイバ・テーパに結合される。1.5インチ径の画像強調管を使用する場合、概略2Xの拡大率を有する光ファイバ・テーパをガラス・ファイバ製シンチレータを画像強調端に整合させるのに使用できる。80パーセントの光伝達を仮定すると、2X倍率の光ファイバ・テーパを介した伝達はファイバ光学素子テーパでの過剰拡大および伝搬損失のため約50パーセントに減少する。したがって、入力用りん光体に対する典型的電流応答が0.04A/W,利得が10,000,および画像強調管に対するP20の出力りん光体を仮定した場合、3インチのガラス・ファイバ製シンチレータ、2Xのファイバ光学素子テーパおよび1.5インチの画像強調管からなる符号化アパーチャ撮像システムの応答性は約1×10-3w−sec/cm2−レントゲンである。
電荷結合素子のアレイを利用した好ましい実施例では、電荷結合素子のアレイのノイズ等価放射照度は2段の熱電冷却器を用いてアレイを冷却することにより減少できる。典型的には、秒当り16フレームで動作する電荷結合素子の動作アレイは約2.5×10-9w−cm-2のノイズ等価放射照度を有する。電荷結合素子のアレイを冷却することにより、ノイズ等価放射照度は約6.5×10-12w−cm-2に減少する。画像強調管と電荷結合素子アレイとの間で80パーセントの結合効率が達成されたとすると、1.3Mev光子に対する符号化アパーチャ撮像システムの感度は、秒当り16フレームの動作時に概略3μレントゲン/秒または10mr/hrである。この感度は秒当り1フレームの動作時には約5nr/秒または10μrに減少する。電荷結合素子のアレイは製造者番号から商業的に入手できる。本発明で使用する適当な電荷結合素子アレイは、イーストマンコダック社(Eastman Kodak Company)による製造で型式番号KAI−0370のものである。
加えて、符号化アパーチャ撮像システムの感度は多段画像強調管または高利得シリコン・アバランシェ・光ダイオード・アレイ,または感度を1または2桁向上させる数個の光ファイバ・テーパおよび画像強調管を用いた多重等の数種の手段によりさらに改善し得る。走査式線型アバランシェ・光ダイオード・アレイを適応した場合には、フレームおよび積算時間の増大とともにより良好な感度が得られる。
符号化電気信号を解読しかつ画像信号を発生するために使用される信号処理器14はディジタル式の信号処理器であるのが好ましい。信号処理器は、電荷結合素子アレイにより発生された符号化多重アナログ信号をディジタル化し、フォーマット化し、および解読をして、画像信号を発生する。信号処理器により実行される解読アルゴリズムはアパーチャの構成に依存する。好ましい実施例では、信号処理器は放射線硬化(radiation hardened) ディジタル信号処理器モジュールの部分から成る。この放射線硬化ディジタル信号処理器モジュールはヴァーザ・モジュール・ユーロッパ・サイズ(6U)両側リード付チップ・キャリア・モジュール上に搭載された完全なディジタル信号処理器を含む。放射線硬化ディジタル信号処理器モジュールは、システム制御器として動作しながら、高速の浮動および固定小数点演算を行う。適当な放射線硬化ディジタル信号処理器としては、コア・ディジタル信号プロセッサとしてのテキサスインスルメント(Texas Instruments)社製の硬化Ada信号処理器(HASP)チップに基づく。
放射線硬化ディジタル信号プロセッサは32K×32の再プログラム可能なEEPROMメモリを有し、その4Kはブートアップルーチン用に確保される。このプロセッサはさらに2部分に分割された合計384K×32のランダムアクセスメモリ(RAM)をさらに含む。初めの128K×32は0待ち状態である。残りの156K×32は1回の待ち状態を有する。メモリは32ビットの主要バスを介してアクセス可能である。多数のプロセッサモジュール間の情報伝達の手段は、各モジュールの拡張バス上の32ビット幅の2ポートのメモリ「メールボックス(mail box)」を介して付与される。マスター/スレーブのプロトコルを用いて、マスターはメールボックスを完全に制御する。マスターはメッセージを1またはすべてのスレーブに対して同時にブロードキャストできる。スレーブは単にそれ自身のメールボックスに対して読み出しおよび書き込み、メールを取得すべきときにマスターに対して指示を出す。循環能力(wraparound capability)が自己テスト目的に設けられ、出されたメッセージをモニタするためにマスターにより使用され得るのが好ましい。すべてのモジュール入力/出力信号はモジュールを何らの悪影響なしにオフ可能なようにバッファ処理される。
詳細な説明により述べたように、本発明に従って形成した符号化アパーチャ撮像システムはシステムの要求に応じて各種の商業的に入手可能な装置を用いて構成することができる。符号化アパーチャ撮像システムは、意図した特定用途に対して最適化が可能であり、広範囲な放射線分野を包摂する。たとえば、その範囲は環境上またはデコミッショニング(decommissioning) な残留物等の少量の放射線撮像用であるかもしれず、または走査範囲の程度がずっと広い事故後の状態撮像用の作動範囲かもしれない。加えて、本発明の符号化アパーチャ撮像システムは以下の利点を提供する。(1)持ち運びやすさ(2)広い視界(3)詳細なマッピングに対する解像度損失のないズーミング能力(4)高感度かつ広いダイナミックレンジ(5)リアルタイムな動作,および6)遠隔地での運転および撮像および結果表示。
本発明の図示実施例を添付の図面を参照してここで記述したが、この発明はこれらの具体的な実施例に限定されることなく発明の範囲または精神から逸脱することなしに当業者によって種々の変更および修正が可能であると理解されるべきである。
10…位置検知検出器
14…信号処理器
16…表示器
22…符号化アパーチャ
24…プラットフォーム
26…位置符号化器
28…駆動制御ユニット
30…ステッパユニット
36…データ格納ユニット
14…信号処理器
16…表示器
22…符号化アパーチャ
24…プラットフォーム
26…位置符号化器
28…駆動制御ユニット
30…ステッパユニット
36…データ格納ユニット
Claims (9)
- 非合焦性放射線源を撮像するための正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャであって、前記符号化アパーチャは、透明セルおよび不透明セルを含むとともに第1の値および第2の値を含む値を有する要素を有する全面マスクパターンを呈し、前記透明セルと不透明セルはそれぞれ前記第1値および第2値を有する前記要素に対応する個所に割り付けられ、前記全面マスクパターンはオーダーνで中央部を有する原始マスクパターンから発生され、前記原始マスクパターンは以下の関係により定義づけられる:
Aij=0 i=0のとき
Aij=1 j=0かつi≠0のとき
Aij=1 Bi =Bj のとき
Aij=0 その他の場合
ここで、Aは均一冗長アレイ符号化関数でBはスキュー・アダマール2次剰余シーケンスであり、全面マスクパターンは原始マスクパターンの中央部から原始マスクパターンを対角線外方に繰り返すことにより構成されて、前記全面マスクパターンは合計(2ν−1)×(2ν−1)個の要素を含む、ことを特徴とする符号化アパーチャ。 - 非合焦性放射線源を撮像するための正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャであって、前記符号化アパーチャは透明および不透明セルで構成されかつ第1位置とこの第1位置から90度回転位置がずれた第2位置に位置でき、前記符号化アパーチャは前記第1位置で正方形正規マスクパターンを呈しかつ前記第2位置で正方形補完マスクパターンを呈することにより実質的に不透明セルのすべてが前記透明セルのすべてに対して実質的に位置を置き換える、ことを特徴とする符号化アパーチャ。
- 非合焦性放射線源を撮像するための正方形反対称均一冗長アレイ符号化アパーチャを構成する方法であって、前記符号化アパーチャは透明セルおよび不透明セルを有し、前記方法は以下のステップを含む:
オーダーがνで中央部を有する原始マスクパターンを発生し、前記原始マスクパターンは以下の関係により定義づけられる:
Aij=0 i=0のとき
Aij=1 j=0かつi≠0のとき
Aij=1 Bi =Bj のとき
Aij=0 その他の場合
ここで、Aは均一冗長アレイ符号化関数でありBはスキュー・アダマール2次剰余シーケンスである;
要素を有する全面マスクパターンを発生し、前記要素は第1の値および第2の値を含む値を有する、前記全面マスクパターンは原始マスクパターンの中央から対角線外方に原始マスクパターンを繰り返すことにより発生されて、全面マスクパターンは合計(2ν−1)×(2ν−1)個の要素を含み;および
透明セルおよび不透明セルをそれぞれ前記第1の値および第2の値を有する全面マスクパターンの前記要素にそれぞれ割り付ける。 - 非合焦性放射線源を撮像するための符号化アパーチャ撮像システムであって、前記システムは以下を含む:
符号化アパーチャ、前記符号化アパーチャは透明セルおよび不透明セルを含み、前記符号化アパーチャは第1位置とこの第1位置から90度回転位置がずれた第2位置に位置でき、前記符号化アパーチャは前記第1位置で正方形正規マスクパターンをおよび第2位置で正方形補完マスクパターンを呈することにより実質上不透明セルのすべては透明セルの実質上すべてに位置が置き換わる;
前記符号化アパーチャを前記第1位置と第2位置との間で回転させる手段、前記符号化アパーチャは前記第1位置および第2位置の両位置で発生源により発生された非合焦性放射線を受け、前記符号化アパーチャは前記符号化アパーチャが前記第1位置にあるとき受ける放射線に応じて第1符号化陰影を発生し、前記符号化アパーチャが前記第2位置にあるとき受ける放射線に応じて第2符号化陰影を発生し;
前記符号化アパーチャに対して配置され前記第1符号化陰影および第2符号化陰影を逐次その上に当てる位置検知検出器、前記位置検知検出器はそれに逐次当たる前記第1符号化陰影と第2符号化陰影に応答して第1符号化光信号と第2符号化光信号をそれぞれ発生する;
光信号を電気信号に変換する手段、前記変換手段は前記第1符号化光信号と第2符号化光信号に応答して第1符号化電気信号と第2符号化電気信号とをそれぞれ発生する;および
信号処理器,前記信号処理器は前記第1符号化電気信号と第2符号化電気信号に応答してこれらの第1符号化電気信号と第2符号化電気信号とを解読する、前記信号処理器は非合焦性放射線源の画像を表す画像信号を発生する。 - クレーム4に記載した符号化アパーチャ撮像システムであって、前記回転手段は以下からなる:
アパーチャ保持プラットフォーム,前記プラットフォームは少なくとも第1位置および少なくとも第2位置に位置できる、前記符号化アパーチャは前記プラットフォームに搭載される;
位置符号化器,前記位置符号化器は前記プラットフォームに動作可能に結合される、前記符号化器は前記プラットフォームの回転位置に応答してそれに応じた位置信号を発生し、前記位置信号は前記プラットフォームが前記少なくとも第1位置または前記少なくとも第2位置に位置するかを示す;
駆動制御ユニット,前記駆動制御ユニットは前記位置符号化器に電気的に結合される、前記駆動制御ユニットは前記位置信号に応答してそれに応じた駆動制御信号を発生する;および
ステッパユニット,前記ステッパユニットは前記駆動制御ユニットに電気的に結合されかつ前記プラットフォームに機械的に結合される、前記ステッパユニットは前記駆動制御信号に応答して前記プラットフォームを前記少なくとも第1位置と前記少なくとも第2位置との間で回転させる。 - クレーム5に記載の符号化アパーチャ撮像システムであって、前記符号化器は前記信号処理器に電気的に結合され、前記信号処理器は前記位置符号化器の位置信号に応答し、前記信号処理器は前記位置信号ならびに前記第1符号化電気信号および第2符号化電気信号を処理することにより画像信号を発生する。
- クレーム4に記載の符号化アパーチャ撮像システムであって、さらに表示器を含み、前記表示器は前記信号処理器に電気的に結合され、前記表示器は前記撮像システムの視界内の領域の視覚的表現を含みかつ前記画像信号に応じた非合焦性放射線源の表現画像は視覚表現上に重ねられる。
- クレーム4に記載の符号化アパーチャ撮像システムであって、さらに格納ユニットを含み、データ格納ユニットは前記信号処理器に電気的に接続され、前記信号処理器はデータ信号を発生し、前記データ格納ユニットは前記信号処理器からのデータ信号を格納する。
- クレーム4に記載の符号化アパーチャ撮像システムであって、さらに前記符号化アパーチャと位置検知検出器との間の離間距離を調整する手段を含み、前記調整手段は前記符号化アパーチャおよび位置検知検出器の少なくとも一方に動作可能に結合され、前記調整手段は前記符号化アパーチャおよび位置検知検出器の少なくとも一方を他方に対して移動させて前記離間距離を調整する。
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