JP2006224233A - マスクブランクス用ガラス基板の製造方法及びマスクブランクスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い精度で効率のよいマスクブランクス用ガラス基板の製造方法の提供。
【解決手段】マスクブランクス用ガラス基板100の製造方法であって、ガラス基板の主表面を研磨するガラス研磨工程を備え、ガラス研磨工程は、主表面を研磨する研磨段階と、ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、ガラス基板100の厚みを検知する基板厚検知段階と、検知された厚みを予め設定された値と比較して、厚みが予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなった場合にガラス研磨工程を終了させる終点判定段階とを有する。10は、研磨装置、12は、研磨部、14は、光照射部、16は、基板厚検知部、18は、終点判定部、20は、洗浄水供給部、24は、下定盤、26は、研磨液供給部、32は、研磨パッド、34は、研磨パッド。
【選択図】図2
【解決手段】マスクブランクス用ガラス基板100の製造方法であって、ガラス基板の主表面を研磨するガラス研磨工程を備え、ガラス研磨工程は、主表面を研磨する研磨段階と、ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、ガラス基板100の厚みを検知する基板厚検知段階と、検知された厚みを予め設定された値と比較して、厚みが予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなった場合にガラス研磨工程を終了させる終点判定段階とを有する。10は、研磨装置、12は、研磨部、14は、光照射部、16は、基板厚検知部、18は、終点判定部、20は、洗浄水供給部、24は、下定盤、26は、研磨液供給部、32は、研磨パッド、34は、研磨パッド。
【選択図】図2
Description
本発明はマスクブランクス用ガラス基板の製造方法及びマスクブランクスの製造方法に関する。
マスクブランクス用ガラス基板は、最適取りしろ(研磨しろ)量がそれぞれ異なる複数段階の研磨工程を経て製造される。各研磨工程は、複数枚のガラス基板を同時に研磨するバッチ処理により行われ、取りしろ量は、経験則、又は研磨時間の測定等により管理される。また、研磨により生じる各ガラス基板固有の厚みムラや研磨工程ムラは、例えば一部のガラス基板を抜き取り検査することにより、検査工程で確認される。
各研磨工程を経る毎に、ガラス基板の厚みのばらつきは大きくなるため、バッチ処理される複数枚のガラス基板に対して、共通な最適取りしろ量を、経験則や時間測定等により管理するのは困難である。そのため、実際に研磨される取りしろ量が、過度になったり不足したりと、ガラス基板毎にばらつきが発生してしまう場合があった。
特に、最終研磨工程においてガラス基板毎に取りしろ量のばらつきがあると、取りしろ量が不足している場合、前段階の研削工程や研磨工程で形成されたガラス基板主表面上の傷が除去されずに残ってしまうこととなる。マスクブランクス用ガラス基板において、基板主表面に形成されている傷は、形成されている場所や傷の大きさ・深さによっては、マスク製造過程におけるマスクパターンの欠陥や、転写に影響する致命的な欠陥となるので、このような傷は、極力ない方が好ましい。
研磨取りしろ量のばらつきによるガラス基板主表面の欠陥(傷)を抑える方法として、特許文献1に、研磨装置に投入するガラス基板の厚みをそろえるための分類装置が提案されている。この特許文献1には、静電容量型のセンサにより非接触でガラス基板の厚みを測定・厚み別に分類し、厚みの近似するガラス基板をバッチ処理型の研磨装置に一括して投入する方法が記載されている。
しかし、近年、露光光源の波長が200nm以下と短波長化したことにより、マスクブランクス用ガラス基板、及びマスクブランクスに要求される品質(許容できる欠陥の大きさや個数)は益々厳しくなっている。そのため、このような分類を行った場合であっても、研磨工程において経験則や時間測定での研磨取りしろ量の管理では、上述の要求される品質を高い歩留まりで製造できない場合がある。
そこで、本発明は、上記の課題を解決できる、マスクブランクス用ガラス基板の製造方法及びマスクブランクスの製造方法を提供することを目的とする。
特開2003−266022号公報
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)マスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板の主表面を研磨するガラス研磨工程を備え、ガラス研磨工程は、主表面を研磨する研磨段階と、ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、ガラス基板の厚みを検知する基板厚検知段階と、検知された厚みを予め設定された値と比較して、厚みが予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなった場合にガラス研磨工程を終了させる終点判定段階とを有する。
(構成1)マスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板の主表面を研磨するガラス研磨工程を備え、ガラス研磨工程は、主表面を研磨する研磨段階と、ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、ガラス基板の厚みを検知する基板厚検知段階と、検知された厚みを予め設定された値と比較して、厚みが予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなった場合にガラス研磨工程を終了させる終点判定段階とを有する。
このようにすれば、研磨を行いつつ(オンライン)、ガラス基板の厚みの変位量をモニタすることができる。そのため、研磨装置の中(インサイト)にて、ガラス基板が研磨された研磨量を検知して、研磨の終点(エンドポイント)を、オンライン検知することができる。また、オンラインで研磨量をモニタして研磨の終点を確定するため、研磨の終点を、各ガラス基板毎に規定することができる。これにより、研磨の終点検出をより正確に行い、取りしろ量のばらつきを少なくできる。即ち、取りしろ量不足を防いで、ガラス基板主表面の欠陥(キズ)の発生を効果的に抑えることができる。更には、研磨量の確認のためにガラス基板を研磨装置から取り外す必要がないため、厚みの測定により、ガラス基板に傷が付くこともない。このように、構成1のようにすれば、高品質のマスクブランクス用ガラス基板を高い歩留まりで効率よく製造できる。
ここで、ガラス研磨工程は、複数枚のガラス基板をバッチ処理で研磨してもよく、一枚のガラス基板を枚葉処理により研磨してもよい。構成1のようにすれば、ガラス基板の研磨量をオンラインでモニタできるため、枚葉処理により研磨した場合であっても、効率よく研磨を行うことができる。
研磨段階は、例えば上定盤と下定盤との間にガラス基板を挟む研磨装置により、例えばコロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨液と、超軟質ポリシャ(スウェードタイプ)の研磨パッドとを用いて、ガラス基板を研磨する。研磨段階は、ガラス基板の表面側及び裏面側の主表面の両方を研磨(両面研磨)してもよく、一方を研磨(片面研磨)してもよい。ガラス基板の表面側の主表面とは、例えば上方等の所定の方向を向く主表面である。
基板厚検知段階は、厚みの変位量を測定することにより、ガラス基板の厚みを検知してもよい。この場合、終点判定段階は、減少方向への厚みの変位量が所定量に達するか、又は所定量を超えた場合に、厚みが予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなったと判定して、ガラス研磨工程を終了させる。
また、基板厚検知段階で検知された厚みと終点判定段階において比較される設定値は、例えば研磨段階より以前に行われる終了条件設定段階において設定される。終了条件設定段階は、この設定値を、例えば、研磨前のガラス基板の厚みから所定の取りしろ量を減じた値に設定する。この場合、終了条件設定段階は、例えば基板厚検知段階と同様の方法により、ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、研磨前のガラス基板の厚みを検知する。このようにすれば、研磨の終点を、ガラス基板一枚毎に適切に設定できる。
尚、ガラス基板のような一種類の材質で形成されている被研磨物を研磨する場合と異なり、例えば薄膜が形成された被研磨物を研磨する場合においては、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨の方法として、研磨面の反射率の変化により研磨の終点検出を行う構成が知られている。しかし、ガラス基板の研磨においては、研磨の終点の前後において研磨面の材質が変化しない。そのため、反射率の変化により研磨の終点検出を行うことは困難である。
これに対し、構成1においては、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからの反射光を用いることにより、ガラス基板の厚みを検知している。このようにすれば、ガラス基板の厚みを、適切に検知できる。
(構成2)基板厚検知段階は、主表面の研磨を中断して、ガラス基板の厚みを検知し、終点判定段階において厚みが予め設定された値よりも大きいと判定された場合、ガラス研磨工程は、再度研磨段階に進み、主表面の研磨を再開する。
このようにすれば、一定周期毎にガラス基板の厚みを検知して、研磨量を適切にモニタできる。尚、毎回の厚み検知において、基板厚検知段階は、ガラス基板の同じ位置の厚みを検知するのが好ましい。このようにすれば、ガラス基板の厚みを、適切に定点モニタできる。
(構成3)基板厚検知段階は、主表面にレーザ光を照射し、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからのレーザ光の反射光に基づき、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれから予め設定された基準位置までの間の距離をそれぞれ算出し、表面側の主表面からの距離と、裏面側の主表面からの距離との差分をガラス基板の厚みとして検知する。このようにすれば、ガラス基板の厚みを、高い精度で検知できる。
基板厚検知段階は、例えばレーザ変位計を用いて、ガラス基板の厚みを検知する。基板厚検知段階は、例えば、表面側の主表面からの反射光と、裏面側の主表面からの反射光とを分離することにより、表面側の主表面からの距離、及び裏面側の主表面からの距離をそれぞれ算出する。表面側の主表面からの距離と、裏面側の主表面からの距離との差分とは、表面側の主表面からの距離、及び裏面側の主表面からの距離の大きい方から小さい方を減じた値である。
(構成4)研磨段階は、研磨砥粒を用いてガラス基板を研磨し、基板厚検知段階は、ガラス基板の主表面に存在している研磨砥粒を除去した後に、ガラス基板の厚みを検知する。このようにすれば、ガラス基板の厚みを高い精度で検知できる。
(構成5)研磨段階は、研磨砥粒と水とを含む研磨液を用いてガラス基板を研磨し、研磨の最終段階において研磨砥粒を含まない研磨液で研磨することにより、ガラス基板の主表面に存在している研磨砥粒を除去する。このようにすれば、洗浄水を噴射する装置等を別途設けることなく、ガラス基板の主表面上から研磨砥粒を適切に除去することができる。
(構成6)マスクブランクスの製造方法であって、構成1から5のいずれかの製造方法によって得られたマスクブランクス用ガラス基板の主表面上に、マスクパターンとなる薄膜を成膜する成膜工程を有する。このようにすれば、高品質のマスクブランクスを高い歩留まりで効率よく製造できる。
本発明によれば、高品質のマスクブランクス用ガラス基板及びマスクブランクスを高い歩留まりで効率よく製造できる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマスクブランクスの製造方法の一例を示すフローチャートである。本例は、例えばArFエキシマレーザ、又はF2エキシマレーザといった露光光源の波長が200nm以下に使用されるマスクブランクスの製造方法である。
図1は、本発明の一実施形態に係るマスクブランクスの製造方法の一例を示すフローチャートである。本例は、例えばArFエキシマレーザ、又はF2エキシマレーザといった露光光源の波長が200nm以下に使用されるマスクブランクスの製造方法である。
工程S102〜S114は、マスクブランクス用ガラス基板を製造するための工程であり、最初に、端面の面取り加工、及び両面ラッピング装置による研削加工を終えたガラス基板を準備する(S102)。このガラス基板は、例えば合成石英ガラス基板である。ガラス基板の大きさは、例えば152.4mm×152.4mm程度である。尚、ガラス基板の両主表面は、研削加工において、例えば合わせて500μm程度研削されている。
次に、両面研磨装置により、粗研磨工程を行う(S104)。粗研磨工程は、研磨砥粒である酸化セリウム(平均粒径2〜3μm程度)と水とを含む研磨液、及びウレタンパッドの硬質ポリシャの研磨パッドを用いてガラス基板の両主表面を研磨する工程であり、両主表面を、例えば合わせて30〜40μm程度研磨する。また、粗研磨工程の最後には、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行う。
次に、両面研磨装置により、精密研磨工程を行う(S106)。精密研磨工程は、研磨砥粒である酸化セリウム(平均粒径1μm程度)と水とを含む研磨液、及びスウェードタイプの軟質ポリシャの研磨パッドを用いてガラス基板の両主表面を研磨する工程であり、両主表面を、例えば合わせて20〜30μm程度研磨する。また、精密研磨工程の最後には、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行う。
次に、両面研磨装置により、超精密研磨工程を行う(S108)。超精密研磨工程は、研磨砥粒であるコロイダルシリカ(平均粒径30〜200nm程度)と水とを含む研磨液、及びスウェードタイプの超軟質ポリシャの研磨パッドを用いてガラス基板の両主表面を研磨する工程であり、両主表面を、例えば合わせて5〜6μm程度研磨する。また、超精密工程の最後には、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を、アルカリ水溶液を含む洗浄液が入った洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行う。
尚、粗研磨工程、精密研磨工程、及び超精密研磨工程において、研磨の加工加重、研磨時間等は適宜調整される。本例において、超精密研磨工程の加工加重、研磨時間等は、例えば、製造する位相シフトマスクブランクスに使用するガラス基板として必要な表面粗さ(例えば二乗平均平方根粗さRMSで0.2nm以下)となるように適宜調整される。
超精密研磨工程に続いて、研磨後検査工程を行い、研磨が適切に完了しているか否かを確認する(S110)。研磨後検査工程は、例えば公知の検査方法と同一又は同様の方法により、製造する位相シフトマスクブランクスに使用するマスクブランクス用ガラス基板に必要な品質が満たされているか否かを確認する。ガラス基板における品質とは、例えばArFエキシマレーザ露光用のマスクブランクス用ガラス基板の場合、例えば、表面粗さがRMSで0.2nm以下、平坦度が0.5μm以下、0.2μm以上の欠陥がなきこと等、パターン転写に影響のある、ガラス基板に関係する仕様をいう。
研磨後検査において必要な品質が満たされていない判定された場合(S110:Fail)、厚み分け工程に進み、ガラス基板を、厚みで分類されたグループにより分ける(S112)。そして、所定の厚み以上のグループにより分けられた場合(S114:Yes)、精密研磨工程(S106)又は超精密研磨工程(S108)以降の工程を繰り返す。また、所定の厚み(例えば、品質を満たすようにするために最低限必要な取りしろ量で研磨したときに、マスクブランクス用ガラス基板で決められている板厚)より小さなグループにより分けられた場合(S114:No)、廃棄処分とする。このようにすれば、厚み分け工程をグループ化により簡素化できる。また、厚みに応じて以降の工程を変えることにより、研磨後検査に不合格となったガラス基板を、効率よく再研磨できる。
一方、研磨後検査において必要な品質が満たされていると判定された場合(S110:Pass)、成膜工程に進み、遮光膜等のマスクブランクスに必要な薄膜を成膜する(S116)。続いて、成膜後検査を行い、薄膜の欠陥等を検査する(S118)。成膜後検査において必要な品質が満たされていると判定された場合(S118、Pass)、本例の製造方法は終了する。上述の薄膜を形成したマスクブランクスにおける品質とは、例えばArFエキシマレーザ露光用マスクブランクスの場合、例えば、所定の光学特性(透過率等)に加え、0.2μm以上の欠陥(ピンホール、パーティクル)が数個以下等、パターン転写に影響のある仕様をいう。
また、成膜後検査において必要な品質が満たされていないと判定された場合(S118:Fail)、成膜工程で成膜された薄膜を剥離し(S120)、洗浄した後(S121)、厚み分け工程に進み、ガラス基板を、厚みで分類されたグループにより分け(S122)る。そして、超精密研磨工程(S108)に進む。超精密研磨工程は、厚み分け工程(S122)でより分けられたグループに応じて予め決められている研磨量だけ、ガラス基板を再研磨する。このようにすれば、成膜後検査に不合格となったガラス基板を、適切に再研磨できる。
ここで、本例において、粗研磨工程(S104)、精密研磨工程(S106)、超精密研磨工程(S108)は、枚葉処理により、ガラス基板を一枚毎に研磨する。また、これらの研磨工程で使用される研磨装置の中(インサイト)には、研磨量を検知するための構成が設けられており、これらの研磨工程は、研磨の終点を、研磨を行いつつ(オンライン)検知する。そのため、本例によれば、マスクブランクス用ガラス基板を高い精度で効率よく製造できる。
また、本例において、各工程を順次進むガラス基板の品質関係のデータは、それぞれのガラス基板と対応付けられた2次元コード又はICタグ等により、ガラス基板一枚毎に管理(枚葉管理)される。この2次元コード又はICタグ等は、例えばガラス基板を収容するケースに取り付けられる。
このようにすれば、製造工程の割り込みパス、スキップパス等を容易に設けることができる。そのため、製造工程を効率化できる。特に、例えば研磨後検査や、成膜後検査等の検査工程で不合格となったガラス基板に対する再研磨等のリサイクル工程において、プロセスを簡略化することができる。
図2は、超精密研磨工程で用いられる研磨装置10の構成の一例を示す。尚、粗研磨工程、及び精密研磨工程で用いられる研磨装置も、例えば、研磨装置10と同一又は同様の構成を有する。
研磨装置10は、被研磨物であるガラス基板100を研磨する両面研磨装置であり、研磨部12、洗浄水供給部20、光照射部14、基板厚検知部16、及び終点判定部18を備える。研磨部12は、研磨液供給部26、上定盤22、及び下定盤24を有する。
研磨液供給部26は、ガラス基板100の被研磨面に、研磨液を供給する。上定盤22は、下定盤24と対向する面に研磨パッド32を有しており、研磨パッド32により、ガラス基板100の一方の主表面(表面側の主表面)を研磨する。
下定盤24は、上定盤22と対向する面に研磨パッド34を有しており、研磨パッド34により、ガラス基板100の他方の主表面(裏面側の主表面)を研磨する。また、本例において、下定盤24は、光照射部14からガラス基板100へ光を透過させるための窓部36を更に有する。窓部36におけるガラス基板100側の窓面は、下定盤24の上面を座具った窪み内に設けられている。
洗浄水供給部20は、ガラス基板100の主表面に存在している研磨砥粒を洗浄除去するための水噴射装置であり、純水をジェット水流状に噴射する。本例において、洗浄水供給部20は、研磨の終了判定が行われる直前のタイミングに、ガラス基板100の主表面に存在している研磨砥粒を除去する。洗浄水供給部20は、窓部36の窓面を選択的に洗浄してもよい。尚、本例において、研磨部12は、洗浄水供給部20による洗浄に先立ち、研磨を中断する。
光照射部14は、CCDレーザ変位計で用いるレーザ光を照射するための発光装置であり、洗浄水供給部20によりガラス基板100の主表面に存在している研磨砥粒が除去された後に、窓部36を介して、ガラス基板100の裏面側の主表面に向かってレーザ光を照射する。光照射部14は、ガラス基板100の内部を透過させて、ガラス基板100の表面側の主表面にもレーザ光を照射する。
基板厚検知部16は、光照射部14と共にCCDレーザ変位計を構成するCCD素子を含む厚み測定器である。本例において、基板厚検知部16は、ガラス基板100とガラス基板100の主表面に存在している媒体(例えば水)との屈折率の差により生じたガラス基板100の表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれからのレーザ光の反射光を分離して検知し、それぞれの反射光に基づき、表面側の主表面、及び裏面側の主表面のそれぞれから所定の基準位置までの間の距離をそれぞれ算出する。そして、算出した両距離の差分を、ガラス基板100の厚みとして検知する。
終点判定部18は、基板厚検知部16により検知されるガラス基板100の厚みに基づき、研磨の終点を判定する。終点判定部18は、例えば、基板厚検知部16により検知された厚みが予め設定された値(閾値)、もしくはその値よりも小さくなった場合に研磨が終了していると判定する。
以上のように構成すれば、研磨装置10内に設けた光照射部14、基板厚検知部16、及び終点判定部18等により、研磨の終点をオンライン検知できる。また、ガラス基板100の厚みの全数検査をオンラインで行うこととなるため、ガラス基板100を、高い精度で研磨できる。
尚、研磨装置10の変形例においては、例えば、窓部36を上定盤22に設けてもよい。この場合、光照射部14は、ガラス基板100の表面側に設けられ、表面側の主表面に向かってレーザ光を照射する。また、洗浄水供給部20を用いることなく、研磨の最終段階において研磨砥粒を含まない研磨機で研磨するように、研磨液供給部26が供給する研磨液中の研磨砥粒の割合を調整して、ガラス基板100の主表面に存在している研磨砥粒を除去してもよい。
図3は、超精密研磨工程を更に詳しく示すフローチャートである。尚、粗研磨工程、及び精密研磨工程も、例えば、超精密研磨工程と同一又は同様の方法により研磨を行う。
本例の超精密研磨工程においては、最初に、研磨の終了条件を設定する(S200)。この工程は、例えば以下に説明する工程212、214と同様の方法により研磨前のガラス基板100の厚みを検知し、この厚みから所定の取りしろ量を減じた値を終点判定部18の閾値に設定する。この工程は、例えばガラス基板100と対応付けられた2次元コード又はICタグ等により記憶された品質関係のデータに基づき、終点判定部18の閾値を設定してもよい。
超精密研磨工程は、続いて、研磨液供給部26による研磨液の供給を開始し(S202)、上定盤22及び下定盤24による研磨(S204)を、所定時間経過まで続ける(S206:No)。そして、所定時間経過後(S206:Yes)、研磨液供給部26による研磨液の供給を停止して、研磨を中断する(S208)。そして、洗浄水供給部20によりガラス基板100の主表面に存在している研磨砥粒を除去する(S210)。
続いて、光照射部14によるレーザ光の照射(S212)、基板厚検知部16によるガラス基板100の厚み検知を行う(S214)。そして、終点判定部18による研磨の終点判定を行い(S216)、終点に到達していると判定された場合(S216:Yes)、超精密研磨工程を終了する。また、終点に到達していない判定された場合(S216:No)、S202に戻り、以降の工程を繰り返す。このようにすれば、研磨の終点をオンラインで適切に検知できる。
尚、超精密研磨工程においては、一定量以上のの研磨しろ量を確保しないと、研磨後に欠陥が残る場合がある。しかし、本例においては、研磨の終了条件をガラス基板100毎に設定するため、必要な研磨しろ量を確実に確保できる。そのため、本例によれば、高い精度で、超精密研磨工程を行うことができる。
以下、本例による厚み検知の精度について、更に詳しく説明する。
図4は、上述のレーザ変位計方式により測定したガラス基板100の厚みの変位と、同じガラス基板100を公知の他の方法で測定した厚みの変位とを比較するグラフである。この公知の測定方法としては、超音波による測定方法(超音波方式)を用いた。
図4は、上述のレーザ変位計方式により測定したガラス基板100の厚みの変位と、同じガラス基板100を公知の他の方法で測定した厚みの変位とを比較するグラフである。この公知の測定方法としては、超音波による測定方法(超音波方式)を用いた。
グラフからわかるように、両者の結果はほぼ完全にリニアになっている。そのため、必要に応じて更正を行えば、本例の厚み測定方法により、十分な精度の測定が可能であることが確認できた。また、この結果から、研磨の途中で洗浄水を流し込んだ場合であっても、オンラインでガラス基板100の厚みの変化(取りしろ量)を測定できることが確認できた。
このように、本例によれば、必要な精度で、ガラス基板100の厚みが検知できることが確認できた。これらのモデルと同様な光照射部14及び基板厚検知部16等を用いれば、研磨装置10において、例えば6mm程度の厚みのガラス基板100を研磨する場合に、数μm程度の厚みの変化量を研磨の終点として検知できる。
(実施例)
精密研磨及び超精密研磨工程で使用する研磨装置として、上述に説明した研磨装置を使用してArFエキシマレーザ露光用マスクブランクス用ガラス基板、マスクブランクスを100枚製造した。尚、研磨装置における光照射部14及び基板厚検知部16として、キーエンス社製CCDレーザ変位計を用いた。各研磨装置は、一度に10枚同時に主表面を研磨することができるバッチ処理型の研磨装置を用いた。
精密研磨及び超精密研磨工程で使用する研磨装置として、上述に説明した研磨装置を使用してArFエキシマレーザ露光用マスクブランクス用ガラス基板、マスクブランクスを100枚製造した。尚、研磨装置における光照射部14及び基板厚検知部16として、キーエンス社製CCDレーザ変位計を用いた。各研磨装置は、一度に10枚同時に主表面を研磨することができるバッチ処理型の研磨装置を用いた。
精密研磨工程、超精密研磨工程における各ガラス基板の研磨取りしろ量を厳密に測定し、管理することができたため、研磨後の欠陥検査において全数0.2μm以上の大きさの欠陥はなく良好であった。
また、ガラス基板上に形成した遮光膜の欠陥検査においても、全数、ArFエキシマレーザ露光用マスクブランクスで要求されている品質を満たしていた。
また、ガラス基板上に形成した遮光膜の欠陥検査においても、全数、ArFエキシマレーザ露光用マスクブランクスで要求されている品質を満たしていた。
(比較例)
上述の実施例におけるCCDレーザ変位計を使用した研磨取りしろ量の管理を行わず、従来の研磨時間における取りしろ量管理を行った以外は実施例と同様にしてArFエキシマレーザ露光用マスクブランクス用ガラス基板、マスクブランクスを100枚製造した。
上述の実施例におけるCCDレーザ変位計を使用した研磨取りしろ量の管理を行わず、従来の研磨時間における取りしろ量管理を行った以外は実施例と同様にしてArFエキシマレーザ露光用マスクブランクス用ガラス基板、マスクブランクスを100枚製造した。
その結果、各研磨工程においてガラス基板毎に研磨取りしろ量のばらつきによる取りしろ量不足が発生し、研磨後の欠陥検査において0.2μm以上の大きさの欠陥がないガラス基板は、全体の48%(48枚)しか得られなかった。
ガラス基板上に形成した遮光膜の欠陥検査において、ArFエキシマレーザ露光用マスクブランクスで要求されている品質を満たすものは、全体の27%(27枚)しか得られなかった。
ガラス基板上に形成した遮光膜の欠陥検査において、ArFエキシマレーザ露光用マスクブランクスで要求されている品質を満たすものは、全体の27%(27枚)しか得られなかった。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばマスクブランクス用ガラス基板、マスクブランクスの製造に好適に用いることができる。
10・・・研磨装置、12・・・研磨部、14・・・光照射部、16・・・基板厚検知部、18・・・終点判定部、20・・・洗浄水供給部、22・・・上定盤、24・・・下定盤、26・・・研磨液供給部、32・・・研磨パッド、34・・・研磨パッド、36・・・窓部、100・・・ガラス基板
Claims (6)
- マスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、
ガラス基板の主表面を研磨するガラス研磨工程を備え、
前記ガラス研磨工程は、
前記主表面を研磨する研磨段階と、
前記ガラス基板の表面側又は裏面側の主表面に光を照射し、前記表面側の主表面、及び前記裏面側の主表面のそれぞれからの反射光に基づき、前記ガラス基板の厚みを検知する基板厚検知段階と、
検知された前記厚みを予め設定された値と比較して、前記厚みが前記予め設定された値、もしくはその値よりも小さくなった場合に前記ガラス研磨工程を終了させる終点判定段階と
を有することを特徴とするマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。 - 前記基板厚検知段階は、前記主表面の研磨を中断して、前記ガラス基板の厚みを検知し、
前記終点判定段階において前記厚みが前記予め設定された値よりも大きいと判定された場合、前記ガラス研磨工程は、再度前記研磨段階に進み、前記主表面の研磨を再開することを特徴とする請求項1に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。 - 前記基板厚検知段階は、
前記主表面にレーザ光を照射し、
前記表面側の主表面、及び前記裏面側の主表面のそれぞれからの前記レーザ光の反射光に基づき、前記表面側の主表面、及び前記裏面側の主表面のそれぞれから予め設定された基準位置までの間の距離をそれぞれ算出し、
前記表面側の主表面からの前記距離と、前記裏面側の主表面からの前記距離との差分を前記ガラス基板の厚みとして検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。 - 前記研磨段階は、研磨砥粒を用いて前記ガラス基板を研磨し、
前記基板厚検知段階は、前記ガラス基板の主表面に存在している前記研磨砥粒を除去した後に、前記ガラス基板の厚みを検知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。 - 前記研磨段階は、前記研磨砥粒と水とを含む研磨液を用いて前記ガラス基板を研磨し、研磨の最終段階において研磨砥粒を含まない研磨液で研磨することにより、前記ガラス基板の主表面に存在している前記研磨砥粒を除去することを特徴とする請求項4に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかの製造方法によって得られたマスクブランクス用ガラス基板の主表面上に、マスクパターンとなる薄膜を成膜する成膜工程を有することを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
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