JP2006222660A - A/d変換器、d/a変換器及び伝送装置 - Google Patents

A/d変換器、d/a変換器及び伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィードフォワード(前置補償)により信号の波高値を制御し、量子化による歪を低減することが可能なA/DまたはD/A変換を行う変換器、及び伝送処理を行う装置を提供する。
【解決手段】量子化手段1が、多ビットの信号を入力し、1ビット量子化して出力する。演算手段2が、数式3、4、5及び6に従う演算を施し、フィルタ4の帯域幅を既知としてフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定する。パルス波生成手段3は、前記パルス幅、パルス位置及びパルス数を入力し、これらの情報からパルス信号を生成して出力する。フィルタ4は、入力したパルス信号の波高値を制御するように波形整形を行い、波高値が制御された信号を出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は、波形整形を行うA/D変換器、D/A変換器及び伝送装置に関する。
従来、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、及びデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器には、1ビット量子化技術やリニアPCM(Pulse Code Modulation:パルス符号化変調)技術を用いたものがある(例えば、非特許文献1を参照。)。また、1ビット量子化とフィルタとを組み合わせて波形整形する技術を用いたものもある(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
また、従来の送信装置には、A/D変換したサンプリング期間単位で、電力増幅器を動作させるデジタル中波送信装置があり(例えば、非特許文献2を参照。)、A/D変換したビット信号を遅延させてPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)により変換するPSM(Pulse Step Modulator)もある(例えば、非特許文献3を参照。)
ところで、前述の非特許文献1(第158頁)によると、ビット数をm、サンプリング周波数の倍率(オーバーサンプリング率)をMとして、サンプリング周波数をM倍にした2次ノイズシェーピングのA/DまたはD/AのS/N比(信号対ノイズ比)は、以下の式になる。
Figure 2006222660

ここで、1ビット量子化は、ビット数mを1にするためのA/D変換またはD/A変換である。この場合、数式1によると、S/N比を良くするためには、サンプリング周波数の倍率Mを高く(例えばM=64)する必要がある。このため、例えば数十MHzの広帯域の信号を変換するためには、数GHzのサンプリング周波数が必要となる(例えば、非特許文献4を参照。)。
特開平11−122112号公報 特開2000−307427号公報 相良岩男、「A/D・D/A変換回路入門」、日刊工業新聞社、2003年3月 中野、「中波ディジタル変調送信機とその運用」、放送技術、1991年4月、pp346−352 「電気電子用語大辞典」、オーム社、平成4年8月25日、第1版、pp1068,1069 松浦、和保、「連続時間Gm-CバンドパスΔΣ変調器の設計」、電子情報通信学会論文誌、2003年5月、C Vol.J86-C No.5、pp518−523
また、リニアPCMによる変換技術では、サンプリング周波数の倍率Mを比較的低く(例えばM=4)することができるが、S/N比を良くするためにはビット数mを大きく(例えばm=24)する必要がある。さらに、前述の非特許文献1(第205頁)によると、リニアPCMでは、サンプリング周波数の倍率Mを1ビット量子化並に高くする傾向がある。
また、前述の特許文献1に記載された波形整形装置は、1ビット量子化とフィルタとを組み合わせたものであり、クロックジッタを補正して高精度なアナログ出力を生成するために、クロックジッタを検出してパルス幅の誤差を算出し、パルス振幅を制御している。しかし、この特許文献1の第1図及び第2図によると、パルス振幅の制御のためにはフィードバックループが必要である。
また、前述の特許文献2に記載されたD/A変換装置は、デジタル信号をパルス信号に変換してフィルタを通すものである。このD/A変換装置によれば、デジタル信号を拡散信号で拡散し、高いカットオフ周波数のフィルタを用いることにより、低周波リップルを無くすことができ、分解能及び直線性の優れたD/A変換を実現することができる。しかし、このフィルタ応答は、拡散したデジタル信号を平準化したものであり、特許文献2の第6図のように、フィルタは、幅の等しいパルスの単位時間当たりの粗密を用いて平準化を行うことにより、リップルを無くすようにしている。
また、前述の非特許文献2に記載された送信装置は、A/D変換した各ビット信号を用いて電力増幅器をスイッチングするものである。具体的には、送信機は、搬送波周波数を分周したサンプリング周波数を用いて12ビットでA/D変換した後、MSBの8ビットを用いて出力の大きい電力増幅器(ビッグステップ)をスイッチングし、ひずみ率を改善するためにLSBの6ビットを用いてビッグステップの1/2m(mは整数)出力の電力増幅器(バイナリステップ)をスイッチングする。このため、ビッグステップ用電力増幅器の台数の1/7倍のバイナリステップ用電力増幅器が必要となる。また、電圧加算器や電力合成器を通過する波高値や瞬時発生電力を高くする必要がある。さらに、電圧加算器や電力合成器は周波数が高くなるにつれて損失が増加するという問題がある。
また、前述の非特許文献3に記載された送信装置は、電力増幅器(本文献では真空管)へ供給する直流電源を、A/D変換した各ビットに対応してスイッチングするために、各電源の負担が均一となるように各電源のスイッチング時間を調整し、またPWMにより微調整を行っている。このため、図1に示すように、A/D変換の入力信号に対応した波高値を電力増幅器へ供給する必要がある。図1は、PSM信号出力と電源との関係を示すグラフである。この正弦波の上半分の波形(PSM信号出力)は、4つの電源(v1(t)、v2(t)、v3(t)及びv4(t))を加算した出力である。例えば、左端部分は電源v1(t)のみがオンし、中央部は4つの電源がオンしていることを示している。図1に示すPSM信号出力Vpsm(t)は、サンプリング周期をT、各スイッチにおける発生電圧をVmとすると、各電圧を加算した次式となる。
Figure 2006222660
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、フィードフォワード(前置補償)により信号の波高値を制御し、量子化による歪を低減することが可能なA/D変換器、D/A変換器及び伝送装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、サンプリング周波数の倍率を1とし、等価的にサンプリング周波数をM倍する手段、バイナリステップの電力増幅を0とし、ひずみ率を改善する手段、及び波高値を制御する手段を備えることを特徴とする。これにより、A/D変換した各ビットのサンプリング信号を再度サンプリングして波形整形を行い、D/A変換では波高値を低くし、フィルタ応答を用いてフィルタ出力により波高値を高くすることができる。
本発明の基本原理について説明する。まず、本発明と前述した特許文献2の発明との差異について説明する。本発明は、A/D変換した各ビットのサンプリング信号を再度サンプリングして波形整形を行うものであり、前述の特許文献2の発明は、A/D変換した各ビットのサンプリング信号に対して拡散信号を用いて波形整形し、パルス幅を一定にしてパルスの粗密を用いることにより、フィルタ出力であるアナログ信号が平準化した信号になるようにするものである。本発明と特許文献2の発明とは、デジタル信号を再度サンプリングしてフィルタ処理を施す点で共通する。しかし、特許文献2の発明は、フィルタ出力のリップルを無くすことができるのに対し、本発明は、リップルを故意に発生させて波高値を制御する(高くする)ことができる点で相違する。また、特許文献2の発明は、パルス幅を一定にしているのに対し、本発明は、パルス幅を制御している点で相違する。すなわち、本発明は、入力のパルス信号にリップルを発生させ、波高値が所定の値になるようにパルス幅を制御し、例えば波高値の高い出力信号を得る点で相違する。
以下、本発明によるリップルの発生、及びパルス幅の制御について説明する。以下の説明では、本発明の原理を理解し易いように、矩形波をフィルタに入力するものとし、当該フィルタは理想フィルタであるものとする。デジタル信号を再度サンプリングした矩形波のパルス幅をTs、フィルタの帯域幅をWとした場合、理想フィルタの出力波形Sout(t)は、以下の数式3となる(ラシィ筆、山中・宇佐美訳、「通信方式」、朝倉書店、1997年3月を参照。)。尚、理想フィルタ以外のフィルタでは、フィルタのインパルス応答や矩形波応答の伝達関数を用いて同様に求めることができる。
Figure 2006222660

上式の計算結果を、図2に示す。図2に示すように、WTsによってフィルタ出力の波形及び波高値を求めることができる。例えば、WTs=2πの場合、フィルタ応答によりリップルを生じ、フィルタ出力の瞬時波高値が高くなることがわかる。本発明は、フィルタの帯域幅がWの場合に、矩形波のパルス幅Tsを制御することにより波形整形を行うものである。
上記の数式3により、サンプリング点におけるファイルタ出力波形は、以下の数式4となる。
Figure 2006222660

ここで、フィルタ出力のサンプル値をSsampl(t−nT)、フィルタ応答による瞬時ピーク波高値の倍数を含めた倍率の係数をkPとすると、サンプリング点のパルス幅Tsは、以下の数式5を満足する値になるように決定される。
Figure 2006222660
一方、サンプリング点間を補間するため、直線補間を例にすると、時刻t=(n−1)Tsのパルス幅Ts1と時刻t=nTsのパルス幅Ts2との標本間において、例えば20ポイントの直線補間を行った場合、そのi番目の補間したパルス幅は、以下の数式6となる。
Figure 2006222660

尚、数式6は補間の一例の式であり、スプライン補間等の他の補間も適用することができる。このように、本発明では、数式3から6により、フィルタ通過後の波高値が所定の値になるように、パルス幅Tsを決定する。尚、パルス位置及びパルス数は、サンプリング点間の補間数(前述の場合は20)により決定される。
請求項1の発明は、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビットのA/DまたはD/A変換を行う変換器において、1ビット量子化を行う量子化手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定する演算手段と、前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、パルス信号を生成するパルス波生成手段と、前記生成されたパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答として出力するフィルタとを備えたことを特徴とする。
このように、請求項1の発明では、量子化手段が1ビット量子化を行い、演算手段が、例えば前述の数式3から5を用いて、フィルタの帯域幅Wを既知としてパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定し、フィルタが、これらパルス幅等に基づいて生成されたパルス信号により波高値が制御されるように波形整形を行うようにした。すなわち、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビットのA/DまたはD/Aを行う変換器において、波高値を上昇させるフィルタが波形整形を行うことにより、パルス信号の振幅を上昇させることができる。また、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力からフィードフォワードで決定することができる。これにより、例えば前述の特許文献1に記載のフィードバックループは不要になる。
また、請求項2の発明は、標本値を2以上の多値ビットのパルス信号でそれぞれ表すA/DまたはD/A変換を行う変換器において、1ビット量子化を行う量子化手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、該パルス信号を波形整形する場合にその波高値が所定の値になるように、逆算して決定する演算手段と、前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、矩形波信号を生成する矩形波生成手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、ビット割り振りの変換を行い多値ビットの信号を生成し、前記生成された矩形波信号を用いて、該多値ビットの信号のうちの各ビットをそれぞれ1ビットのパルス信号に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の変換器において、さらに、パルス信号にフィルタ処理を施すフィルタを備え、前記演算手段が、量子化手段により1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定し、前記フィルタが、変換手段により変換されたそれぞれの1ビットのパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答として出力することを特徴とする。すなわち、多値ビットの各ビットをそれぞれ1ビット量子化のパルス列に変換し、各1ビットのパルス信号を、例えば前述した数式3から5を用いてパルス幅等を決定し、各パルス信号の波高値を制御するフィルタを用いて波形整形を行う。
請求項4の発明は、請求項1から3までのいずれか一項に記載の変換器において、前記演算手段が、さらに、パルス信号の標本間を補間するための、補間用のパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を逆算して決定することを特徴とする。このパルス信号の標本間の補間は、前述した数式3から5を使用して、フィルタ応答出力波形を想定し、フィードフォワードで決定することによりなされる。一例として直線補間を行う場合は、前述した数式6により、標本間のi番目のパルス幅を算出する。
請求項5の発明は、標本値を1ビットのパルス信号で表し、エンベロープ信号を生成して伝送処理を行う装置であって、1ビット量子化を行う量子化手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定し、パルス信号を生成する演算手段と、前記生成されたパルス信号を増幅する増幅手段と、前記増幅されたパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答出力としてエンベロープ信号を出力するフィルタとを備えたことを特徴とする。すなわち、エンベロープ信号となるパルス信号を前述の数式3から5を使用して、フィルタにより波高値を制御し、パルス信号のパルス幅等をフィルタ応答出力から逆算して決定する。
請求項6の発明は、標本値を2以上の多値ビットのパルス信号でそれぞれ表し、エンベロープ信号を生成して伝送処理を行う装置であって、1ビット量子化を行う量子化手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定する演算手段と、前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、矩形波信号を生成する矩形波生成手段と、前記1ビット量子化された信号を用いて、ビット割り振りの変換を行い多値ビットの信号を生成し、前記生成された矩形波信号を用いて、該多値ビットの信号のうちの各ビットをそれぞれ1ビットのパルス信号に変換する変換手段と、前記変換されたそれぞれの1ビットのパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答としてエンベロープ信号を出力するフィルタとを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の装置において、前記演算手段が、さらに、パルス信号の標本間を補間するための、補間用のパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を逆算して決定することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5から7までのいずれか一項に記載の装置において、前記演算手段が、パルス信号のパルス幅及びパルス位置を、搬送波信号の周期の整数倍になるように決定することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビットのA/DまたはD/A変換を行う変換器において、波高値を上昇させるフィルタを用いて波形整形することにより、パルス信号の振幅を上昇させることができる。また、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、フィルタ応答出力を想定してフィードフォワードで決定することができる。
請求項2の発明によれば、2以上の多値ビットを表すA/DまたはD/A変換を行う変換器において、多値ビットの各ビットをそれぞれ1ビット量子化のパルス列に変換することにより、同一のビット数mで比較すると、オーバーサンプリング率Mを大きくすることができ、S/N比を改善することができる。また、オーバーサンプリングによる1ビット量子化とビット数mを大きくするリニアPCMとを組み合わせたA/D変換器またはD/A変換器を実現することができる。
請求項3の発明によれば、標本値を2以上の多値ビットで表すA/DまたはD/A変換を行う変換器において、多値ビットの各ビットをそれぞれ1ビット量子化のパルス列に変換し、各1ビットのパルス信号の波高値を制御するフィルタを用いて波形整形することにより、パルス信号の振幅を制御することができる。また、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、フィルタ応答出力を想定してフィードフォワードで決定することができる。
請求項4の発明によれば、標本値間を補間する場合においても、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力を想定してフィードフォワードで決定することができる。
請求項5の発明によれば、伝送処理を行う装置において、信号の波高値及び瞬時電力をフィルタにより高くすることができるから、増幅手段の出力信号の波高値及び瞬時電力を低減することができ、増幅手段である電圧加算器及び電力合成器を通過する信号の波高値及び瞬時電力を低減することができる。また、エンベロープ信号となるパルス信号の波高値をフィルタにより高くすることができる。さらに、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、フィルタ応答出力を想定してフィードフォワードで決定することができる。
請求項6の発明によれば、標本値を2以上の多値ビットで表して伝送処理を行う装置において、多値ビットの各ビットをそれぞれ1ビット量子化のパルス列に変換することにより、同一ビットのビット数mで比較すると、オーバーサンプリング率を大きくすることができ、増幅手段を構成する電力増幅器の台数を低減することができる。
請求項7の発明によれば、標本値間を補間する場合においても、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、フィルタ応答出力を想定してフィードフォワードで決定することができる。また、エンベロープ波形の整形を改善することができると共に、増幅手段を構成する電力増幅器の台数を低減することができる。
請求項8の発明によれば、伝送処理を行う装置において、パルス信号のパルス幅及びパルス位置を、搬送波信号の周期の整数倍に制御することができ、スプリアスを低減することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
本発明の第1の実施例を図3に示す。図3は、A/DまたはD/A変換を行う変換器のブロック図である。変換器100は、量子化手段1、演算手段2、パルス波生成手段3及びフィルタ4を備えている。この変換器100は、多ビットの入力信号に対して、量子化を行い、所定の演算を施し、パルス波を生成し、フィルタ処理を施して波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)を出力することにより、1ビット量子化を実現するものである。
量子化手段1は、多ビットの信号を入力し、1ビット量子化して出力する。演算手段2は、量子化手段1により出力された信号を入力し、前述の数式3、4、5及び6に従う演算を施し、フィルタ4の帯域幅を既知としてフィルタ4の出力信号の波高値が所定の値になるように(例えば、高くなるように)、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定して出力する。この場合、演算手段2により決定され出力されるパルス幅、パルス位置及びパルス数は、フィルタ4の出力(フィルタ応答出力)を想定して逆算の演算が施された結果である。
パルス波生成手段3は、演算手段2により出力されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を入力し、これらの情報からパルス信号を生成して出力する。フィルタ4は、パルス波生成手段3により出力されたパルス信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号を出力する。この場合、フィルタ4は、入力したパルス信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ4が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御された信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。
このように、実施例1によれば、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビットのA/D変換器またはD/A変換器において、フィルタ4が、入力したパルス信号の波形整形を行いその波高値を制御するために、演算手段2が、フィルタ4の入力信号(パルス信号)のパルス幅、パルス位置及びパルス数をフィルタ4の応答出力を想定して決定するようにした。これにより、フィードバック制御によることなくフィードフォワード制御により、パルス信号のパルス幅等を決定することができる。
ここで、フィルタ4は、理想フィルタだけでなく、butterworth、Chebyshev、Elliptic、InverseChebysev等のフィルタであってもよい。また、量子化手段1は、ΣΔ変調を用いるようにしてもよい。以下の実施例においても同様に、フィルタ4としてbutterworth、Chebyshev、Elliptic、InverseChebysev等のフィルタを、量子化手段1としてΣΔ変調を用いるようにしてもよい。
本発明の第2の実施例を図4に示す。図4は、A/DまたはD/A変換を行う変換器のブロック図である。この変換器200は、標本値を2以上の多値ビットで表すものであり、量子化手段21、エンコーダ22、演算手段25、標本値が表される2以上の多値ビットの数分の矩形波生成手段23、矩形波生成手段23と同数の乗算手段24、及び加算手段26を備えている。この変換器200は、多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換することにより、S/N比の改善を実現するものである。
量子化手段21は、多ビットの信号を入力し、1ビット量子化して出力する。エンコーダ22は、量子化手段11により出力された信号を入力し、当該入力信号に対してビット割り振りの変換を行い、変換後の信号を出力する。演算手段25は、量子化手段21により出力された信号を入力し、前述の数式3、4、5及び6に従う演算を施し、図示しないフィルタの帯域幅を既知としてフィルタの出力信号の波高値が所定の値になるように(例えば、高くなるように)、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定して出力する。この場合、演算手段25により決定され出力されるパルス幅、パルス位置及びパルス数は、フィルタ4の出力(フィルタ応答出力)を想定して逆算の演算が施された結果である。
矩形波生成手段23は、演算手段25により出力されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を入力し、これらの情報から矩形波信号を生成して出力する。乗算手段24は、エンコーダ22の出力である1ビットのデジタル信号と、矩形波生成手段23により出力された矩形波信号とを乗算し、パルス列に変換して出力する。加算手段26は、それぞれの乗算手段24により出力されたパルス列を加算して出力する。
このように、実施例2によれば、標本値を2以上の多値ビットで表すA/D変換器またはD/A変換器において、量子化手段21、エンコーダ22及び乗算手段24が、入力した多ビットの信号のうちの各ビットを、それぞれ1ビット量子化のパルス列に変換するようにした。これにより、従来と同じビット数m及びオーバーサンプリング率Mである場合には、S/N比を改善して量子化歪を補正することができる。従来、S/N比を改善して量子化歪を補正するためには、ビット数mを大きくする、またはオーバーサンプリング率Mを高くする必要があったのに対し、実施例2では、量子化のステップ間をフィルタによりアナログ値にして補間するから、ビット数mを小さくする、またはオーバーサンプリング率Mを低くすることができる。前述の数式1において同一のビット数mで比較すると、オーバーサンプリング率Mを大きくすることができるため、S/N比を改善して量子化歪を補正することができる。また、オーバーサンプリングによる1ビット量子化とビット数mを増やすリニアPCMとを組み合わせたA/D変換器またはD/A変換器を実現することができる。
本発明の第3の実施例を図5に示す。図5は、A/DまたはD/A変換を行う変換器のブロック図である。この変換器300は、標本値を2以上の多値ビットで表すものであり、量子化手段31、エンコーダ32、演算手段35、標本値が表される2以上の多値ビットの数分の矩形波生成手段33、矩形波生成手段33と同数の乗算手段24、矩形波生成手段33と同数のフィルタ36、及び加算手段37を備えている。尚、図5に示す量子化手段31、エンコーダ32、演算手段35、矩形波生成手段33、乗算手段34及び加算手段33は、図4に示した実施例2の各手段と同等の機能を有する。この変換器300は、多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換し、パルス列を構成するパルス信号の波高値を制御することにより、S/N比の改善を実現するものである。
量子化手段31は、多ビットの入力信号を入力し、1ビット量子化して出力する。エンコーダ32は、量子化手段31により出力された信号を入力し、当該入力信号に対してビット割り振りの変換を行い、変換後の信号を出力する。演算手段35は、量子化手段31により出力された信号を入力し、前述の数式3、4、5及び6に従う演算を施し、フィルタ36の帯域幅を既知として、フィルタ36の出力信号の波高値が所定の値になるように(例えば、高くなるように)、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定して出力する。この場合、演算手段35により決定され出力されるパルス幅、パルス位置及びパルス数は、フィルタ36の出力(フィルタ応答出力)を想定して逆算の演算が施された結果である。
矩形波生成手段33は、演算手段34により出力されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を入力し、これらの情報から矩形波信号を生成して出力する。乗算手段34は、エンコーダ32の出力である1ビットのデジタル信号と、矩形波生成手段33により出力された矩形波信号とを乗算し、パルス列に変換して出力する。フィルタ36は、乗算手段34により出力されたパルス列の信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号を出力する。この場合、フィルタ36は、入力したパルス列の信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ36が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御された信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。加算手段37は、それぞれのフィルタ36により出力された信号を加算して出力する。
このように、実施例3によれば、標本値を2以上の多値ビットで表すA/D変換器またはD/A変換器において、量子化手段31、エンコーダ32及び乗算手段34が、入力した多ビットの信号のうちの各ビットを、それぞれ1ビット量子化のパルス列に変換するようにした。これにより、実施例2と同様に、従来と同じビット数m及びオーバーサンプリング率Mである場合には、S/N比を改善して量子化歪を補正することができる。また、前述の数式1において同一のビット数mで比較すると、オーバーサンプリング率Mを大きくすることができるため、S/N比を改善して量子化歪を補正することができる。また、オーバーサンプリングによる1ビット量子化とビット数mを増やすリニアPCMとを組み合わせたA/D変換器またはD/A変換器を実現することができる。さらに、フィルタ36が、入力したパルス信号の波高値を制御するように波形整形を行うために、演算手段35が、フィルタ36の入力信号(パルス信号)のパルス幅、パルス位置及びパルス数をフィルタ36の応答出力を想定して決定するようにした。これにより、フィードバック制御によることなくフィードフォワード制御により、パルス信号のパルス幅等を決定することができる。
本発明の第4の実施例を図6に示す。図6は、A/DまたはD/A変換を行う変換器のブロック図である。この変換器400は、標本値を2以上の多値ビットで表すものであり、量子化手段41、エンコーダ42、演算手段45、標本値が表される2以上の多値ビットの数分の矩形波生成手段43、矩形波生成手段43と同数の乗算手段44、加算手段46及びフィルタ47を備えている。この変換器400と図5に示した実施例3の変換器300とを比較すると、変換器400ではフィルタ47が加算手段46の後段に設けられている点で相違する。変換器400は、実施例3の変換器300と同様に、多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換し、パルス列を構成するパルス信号の波高値を制御することにより、S/N比の改善を実現するものである。
図6に示す量子化手段41、エンコーダ42、演算手段45、矩形波生成手段43、乗算手段44及び加算手段46は、図5に示した実施例3の各手段と同等の機能を有するため、ここでは詳細な説明は省略する。フィルタ46は、加算手段46により出力された信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号を出力する。この場合、フィルタ47は、入力した信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ47が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御された信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。このように、実施例4によれば、実施例3で説明した同等の効果を奏する。
前述した実施例1から4において、図3に示した演算手段2、図4に示した演算手段25、図5に示した演算手段35、及び図6に示した演算手段45は、標本時間の間を補間することを目的として、標本点間におけるパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を演算する。具体的には、演算手段2,25,35,45は、前述の数式3、4及び5を使用して、信号の波高値が高くなるようにフィルタ応答出力波形を想定し、逆算することによりフィードフォワードでパルス幅等を決定する。例えば、直線補間を行う場合、前述の数式3、4及び5により、t=(n−1)Tsのパルス幅Ts1とt=nTsのパルス幅Ts2を求め、以下の数式7によりi番目のパルス幅を求めて、この標本間をkポイントで直線補間する。尚、パルス位置及びパルス数は、サンプリング点間の補間数kにより決定される。
Figure 2006222660

このように、補間するパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力から想定しフィードフォワードで決定するA/D変換器またはD/A変換器を実現することができる。
本発明の第5の実施例を図7に示す。図7は、伝送処理を行う装置のブロック図である。この装置500は、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビット量子化で生成したパルス信号をエンベロープ信号とするものであり、量子化手段51、演算手段52、増幅手段53及びフィルタ54を備えている。この装置500は、多ビットの入力信号に対して、量子化を行い、所定の演算を施して増幅し、フィルタ処理を施して波高値を制御した信号を出力することにより、1ビット量子化により生成したパルス信号をエンベロープ信号とするものであるものである。
量子化手段51は、多ビットの入力信号を入力し、1ビット量子化して出力する。演算手段52は、量子化手段51により出力された信号を入力し、前述の数式3、4、5及び6に従う演算を施し、フィルタ54の帯域幅を既知としてフィルタ54の出力信号の波高値が所定の値になるように(波高値が高くなるように)、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定し、これらのパルス幅等からパルス信号を決定して出力する。この場合、演算手段52により決定されるパルス幅、パルス位置及びパルス数は、フィルタ54の出力(フィルタ応答出力)を想定して逆算の演算が施された結果である。
増幅手段53は、演算手段52により出力されたパルス信号を入力し、当該パルス信号に応じたスイッチング増幅を行い、エンベロープ信号となるパルス信号を出力する。フィルタ54は、増幅手段53により出力されたパルス信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号をエンベロープ信号として出力する。この場合、フィルタ54は、入力した信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ54が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御された信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。
このように、実施例5によれば、標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビット量子化により生成されたパルス信号をエンベロープ信号とする伝送装置において、フィルタ54が、入力したパルス信号の波形整形を行いその波高値を制御するために、演算手段52が、フィルタ54の入力信号(パルス信号)のパルス幅、パルス位置及びパルス数をフィルタ54の応答出力を想定して決定するようにした。また、標本間を補間する場合においても、補間するパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力から想定しフィードフォワードで決定するようにした。これにより、フィードバック制御によることなくフィードフォワード制御により、パルス信号のパルス幅等を決定することができる。
また、実施例5によれば、例えば図2においてWTs=2πとした場合のように、フィルタ54は、波高値や瞬時電力の高いエンベロープ信号を出力することができる。これにより、増幅手段53により出力されるパルス出力の波高値や瞬時電力を低減することができる。すなわち、電圧加算器や電力合成器等の増幅手段53を通過する信号の波高値や瞬時電力を低減することができる。また、実施例5によれば、演算手段52は、前述の数式3、4及び5に従うパルス信号を生成するようにした。また、演算手段52は、前述の数式6に従って標本点間を補間したパルス信号を生成し、フィルタ54は、このパルス信号を元にしたフィルタ応答を出力するから、エンベロープ信号波形の整形を改善することができると共に、増幅手段53を構成する電力増幅器の台数を低減することができる。
本発明の第6の実施例を図8に示す。図8は、伝送処理を行う装置のブロック図である。この装置600は、標本値を2以上の多値ビットで表すものであり、量子化手段61、エンコーダ62、演算手段65、標本値が表される2以上の多値ビットの数分の矩形波生成手段63、矩形波生成手段63と同数の増幅手段64、矩形波生成手段63と同数のフィルタ66、及び加算手段67を備えている。この装置600は、多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換することにより、パルス列を構成するパルス信号の波高値を制御したエンベロープ信号を生成するものである。
量子化手段61は、多ビットの信号を入力し、1ビット量子化して出力する。エンコーダ62は、量子化手段61により出力された信号を入力し、当該入力信号に対してビット割り振りの変換を行い、変換した信号を出力する。演算手段65は、量子化手段61により出力された信号を入力し、前述の数式3、4、5及び6に従う演算を施し、フィルタ66の帯域幅を既知として、フィルタ66の出力信号の波高値が所定の値になるように(波高値が高くなるように)、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定して出力する。この場合、演算手段65により決定され出力されるパルス幅、パルス位置及びパルス数は、フィルタ66の出力(フィルタ応答出力)を想定して逆算の演算が施された結果である。
矩形波生成手段63は、演算手段64により出力されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を入力し、これらの情報から矩形波信号を生成して出力する。増幅手段64は、エンコーダ62の出力である1ビットのデジタル信号を、矩形波生成手段63により出力された矩形波信号を用いて増幅し、パルス列に変換して出力する。フィルタ66は、増幅手段64により出力されたパルス列の信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号をエンベロープ信号として出力する。この場合、フィルタ66は、入力した信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ66が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御されたエンベロープ信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。加算手段67は、それぞれのフィルタ66により出力されたエンベロープ信号を加算して出力する。
このように、実施例6によれば、標本値を2以上の多値ビットで表す伝送装置において、量子化手段61、エンコーダ62及び増幅手段64が、入力した多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換するようにした。これにより、従来と同じビット数m及びオーバーサンプリング率Mである場合には、S/N比を改善して量子化歪を補正することができる。また、前述の数式1において同一のビット数mで比較すると、オーバーサンプリング率Mが大きくなるため、S/N比を改善することができ、エンベロープ信号波形の整形を改善することができる。また、増幅手段64を構成する電力増幅器の台数を低減することができる。
本発明の第7の実施例を図9に示す。図9は、伝送処理を行う装置のブロック図である。この装置700は、標本値を2以上の多値ビットで表すものであり、量子化手段71、エンコーダ72、演算手段75、標本値が表される2以上の多値ビットの数分の矩形波生成手段73、矩形波生成手段73と同数の増幅手段74、加算手段76及びフィルタ77を備えている。この装置700と図8に示した実施例6の装置600とを比較すると、装置700ではフィルタ77が加算手段76の後段に設けられている点で相違する。装置700は、実施例6の装置600と同様に、多値ビットの各ビットを1ビット量子化のパルス列に変換することにより、パルス列を構成するパルス信号の波高値を高くしたエンベロープ信号を生成するものである。
図9に示す量子化手段71、エンコーダ72、演算手段75、矩形波生成手段73、増幅手段74及び加算手段76は、図8に示した実施例6の各手段と同等の機能を有するため、ここでは詳細な説明は省略する。フィルタ77は、加算手段76により出力された信号を入力し、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号をエンベロープ信号として出力する。この場合、フィルタ77は、入力した信号の波高値を制御するように波形整形を行う。つまり、フィルタ77が出力する信号は、波高値が制御された信号(例えば、波高値が高い信号)、すなわちパルス信号の振幅が制御されたエンベロープ信号(例えば、パルス信号の振幅を上昇させた信号)となる。このように、実施例7によれば、実施例6で説明した同等の効果を奏する。
前述した実施例5から7において、図7に示した演算手段52、図8に示した演算手段65、及び図9に示した演算手段75は、標本時間の間を補間することを目的として、標本点間におけるパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を演算する。具体的には、前述の数式3、4及び5を使用して、信号の波高値を制御するようにフィルタ応答出力波形を想定し、逆算することによりフィードフォワードでパルス幅等を決定する。例えば、直線補間を行う場合、前述の数式3、4及び5により、t=(n−1)Tsのパルス幅Ts1とt=nTsのパルス幅Ts2を求め、前述の数式7によりi番目のパルス幅を求めて、この標本間をkポイントで直線補間する。このように、補間するパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力から想定しフィードフォワードで決定する伝送装置を実現することができる。
本発明の第8の実施例を図10に示す。図10は、伝送処理を行う装置の一部を示すブロック図である。この装置は、図7に示した装置500、図8に示した装置600または図9に示した装置700の各種手段に加えて、搬送波生成手段81及び分周手段82を備えている。この装置は、パルス信号のパルス幅及びパルス位置を、搬送波信号の周期の整数倍に制御する機能を有する。
搬送波生成手段81は、搬送波を生成して出力する。分周手段82は、搬送波生成手段81により出力された搬送波信号を入力し、当該信号を整数で分周し、最短パルス幅を決定する。演算手段52,65,75は、分周手段82により決定された最短パルス幅を用いて、増幅手段53,64,74によるスイッチング増幅のスイッチング幅が搬送波信号の周期の整数倍になるように、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を決定する。
このように、実施例8によれば、実施例5から7の伝送装置において、パルス信号のパルス幅及びパルス位置を、搬送波の周期の整数倍に制御するようにしたから、スプリアスを低減することができる。
図11に、増幅手段53,64,74の出力波形、及びフィルタ54,66,77の出力波形を示す。図11に示すように、本装置は、エンベロープ波形(フィルタ54,66,77の出力波形)を生成することができる。また、角度変調においては、図11に示したエンベロープ波形と、搬送波を直交して直交軸のパルス信号で生成したエンベロープ波形とを合成し、角度変調のエンベロープ波形を生成することができる。デジタル伝送においても、同様にエンベロープ波形を生成することができる。例えば、OFDM信号の場合に、以下の数式8の同相軸cos(2πlk/N)成分、及び直交軸sin(2πlk/N)成分の各エンベロープ波形を、前述の数式3、4、5、及び6を用いて生成することができる。
Figure 2006222660
PSM信号出力と電源との関係を示すグラフである。 フィルタの出力波形Sout(t)を示すグラフである。 実施例1におけるA/DまたはD/A変換器を示すブロック図である。 実施例2におけるA/DまたはD/A変換器を示すブロック図である。 実施例3におけるA/DまたはD/A変換器を示すブロック図である。 実施例4におけるA/DまたはD/A変換器を示すブロック図である。 実施例5における伝送装置を示すブロック図である。 実施例6における伝送装置を示すブロック図である。 実施例7における伝送装置を示すブロック図である。 実施例8における伝送装置の一部を示すブロック図である。 エンベロープ波形を示すグラフである。
符号の説明
1,21,31,41,51,61,71 量子化手段
2,25,35,45,52,65,75 演算手段
3 パルス波生成手段
4,36,47,54,66,77 フィルタ
22,32,42,62,72 エンコーダ
23,33,43,63,73 矩形波生成手段
24,34,44 乗算手段
26,37,46,67,76 加算手段
53,64,74 増幅手段
81 搬送波生成手段
82 分周手段
100,200,300,400 変換器
500,600,700 装置

Claims (8)

  1. 標本値を1ビットのパルス信号で表す1ビットのA/DまたはD/A変換を行う変換器において、
    1ビット量子化を行う量子化手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定する演算手段と、
    前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、パルス信号を生成するパルス波生成手段と、
    前記生成されたパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答として出力するフィルタと
    を備えたことを特徴とする変換器。
  2. 標本値を2以上の多値ビットのパルス信号でそれぞれ表すA/DまたはD/A変換を行う変換器において、
    1ビット量子化を行う量子化手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、該パルス信号を波形整形する場合にその波高値が所定の値になるように、逆算して決定する演算手段と、
    前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、矩形波信号を生成する矩形波生成手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、ビット割り振りの変換を行い多値ビットの信号を生成し、前記生成された矩形波信号を用いて、該多値ビットの信号のうちの各ビットをそれぞれ1ビットのパルス信号に変換する変換手段と
    を備えたことを特徴とする変換器。
  3. 請求項2に記載の変換器において、さらに、パルス信号にフィルタ処理を施すフィルタを備え、
    前記演算手段は、量子化手段により1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定し、
    前記フィルタは、変換手段により変換されたそれぞれの1ビットのパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答として出力する
    ことを特徴とする変換器。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の変換器において、
    前記演算手段は、さらに、パルス信号の標本間を補間するための、補間用のパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を逆算して決定する
    ことを特徴とする変換器。
  5. 標本値を1ビットのパルス信号で表し、エンベロープ信号を生成して伝送処理を行う装置であって、
    1ビット量子化を行う量子化手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定し、パルス信号を生成する演算手段と、
    前記生成されたパルス信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅されたパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答出力としてエンベロープ信号を出力するフィルタと
    を備えたことを特徴とする装置。
  6. 標本値を2以上の多値ビットのパルス信号でそれぞれ表し、エンベロープ信号を生成して伝送処理を行う装置であって、
    1ビット量子化を行う量子化手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、パルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を、パルス信号のフィルタ応答出力の波高値が所定の値になるように逆算して決定する演算手段と、
    前記決定されたパルス幅、パルス位置及びパルス数を用いて、矩形波信号を生成する矩形波生成手段と、
    前記1ビット量子化された信号を用いて、ビット割り振りの変換を行い多値ビットの信号を生成し、前記生成された矩形波信号を用いて、該多値ビットの信号のうちの各ビットをそれぞれ1ビットのパルス信号に変換する変換手段と、
    前記変換されたそれぞれの1ビットのパルス信号を用いて、フィルタ処理により波形整形を行って波高値を制御し、フィルタ応答としてエンベロープ信号を出力するフィルタと
    を備えたことを特徴とする装置。
  7. 請求項5または6に記載の装置において、
    前記演算手段は、さらに、パルス信号の標本間を補間するための、補間用のパルス信号のパルス幅、パルス位置及びパルス数を逆算して決定する
    ことを特徴とする装置。
  8. 請求項5から7までのいずれか一項に記載の装置において、
    前記演算手段は、パルス信号のパルス幅及びパルス位置を、搬送波信号の周期の整数倍になるように決定する
    ことを特徴とする装置。
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