JP2006222652A - スピーカ用振動板、スピーカユニット及びスピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明はスピーカ装置から出力する音を高音質に維持できるようにする。
【解決手段】
本発明は、スピーカ装置1に組み込まれるスピーカユニット3の振動板4における表面層4A及び裏面層4Bと、当該表面層4A及び当該裏面層4Bの間に介挿され、当該スピーカ用振動板の振動板中央部4Eから振動板外周部4Fへ渡って配置された補強用の補強板17とを設けるようにしたことにより、当該振動板4の強度不足に起因する不要な振動を防止できると共に補強板17が剥離又は脱落する可能性を格段に低減することができる。
【選択図】 図4
本発明はスピーカ装置から出力する音を高音質に維持できるようにする。
【解決手段】
本発明は、スピーカ装置1に組み込まれるスピーカユニット3の振動板4における表面層4A及び裏面層4Bと、当該表面層4A及び当該裏面層4Bの間に介挿され、当該スピーカ用振動板の振動板中央部4Eから振動板外周部4Fへ渡って配置された補強用の補強板17とを設けるようにしたことにより、当該振動板4の強度不足に起因する不要な振動を防止できると共に補強板17が剥離又は脱落する可能性を格段に低減することができる。
【選択図】 図4
Description
本発明はスピーカ用振動板、スピーカユニット及びスピーカ装置に関し、例えばコーン型のスピーカ用振動板に適用して好適なものである。
従来、コーン型のスピーカ用振動板有するスピーカユニットが組み込まれたスピーカ装置においては、アンプ等から供給される入力信号に応じてスピーカ用振動板を振動させ、空気の粗密状態を変化させることにより当該入力信号に応じた音を発生し出力するようになされている。
例えば一般にスピーカ装置に組み込まれるスピーカユニットは、交流波でなる入力信号に応じてボイスコイルにより磁力を発生させ、当該磁力に応じて当該ボイスコイルと一体に構成されたスピーカ用振動板を振動させることにより、入力信号に応じた音を発生するようになされている。
ところでかかる構成のスピーカ装置では、入力信号に応じてスピーカユニットのスピーカ用振動板を正確に振動させることにより、当該入力信号に忠実に従った音、すなわち高音質な音を出力することができる。このため当該スピーカ用振動板は、できるだけ高速に振動すると共に変形等を生じないことが望ましく、すなわち軽量化及び高剛性化が求められている。
またスピーカユニットは、その構成やスピーカ用振動板の口径等により、高音質に音声を出力し得る周波数帯域が異なっている。このためスピーカ装置は、複数種類の異なったスピーカユニットが組み合わされて組み込まれる、或いは異なるスピーカユニットが組み込まれた当該スピーカ装置が複数種類組み合わされ用いられることにより、出力する音の音質を向上させ得るようになされている。
スピーカユニットのうち特に低周波帯域(例えば5Hz〜400Hz)を出力するサブウーファーにおいては、スピーカ用振動板の口径が比較的大きくなされており(例えば300mm)、このため当該スピーカ用振動板の重量が重くなってしまうと共に剛性が不足してしまう可能性があった。
そこでスピーカユニットのなかには、例えばスピーカ用振動板に金属板を貼着することにより当該スピーカ用振動板を補強して剛性を高めるようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−135888公報(第4頁、第2図)
しかしながら、かかる構成のスピーカ装置においては、音の出力中にスピーカユニットのスピーカ用振動板が常に振動するため、貼着処理が不完全である、或いは経年変化により貼着力が低下する等の原因により、振動板に貼着された金属板が剥離又は脱落してしまう可能性があった。
このような場合、スピーカ装置は、スピーカユニットにおけるスピーカ用振動板の剛性が低下して不要な振動を生じてしまうため、出力する音声の音質が著しく低下してしまうという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、スピーカ装置から出力する音の音質を維持し得るスピーカ用振動板、スピーカユニット及びスピーカ装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明のスピーカ用振動板においては、スピーカ装置に組み込まれるスピーカ用振動板であって、スピーカ用振動板を構成する振動面と、振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材とを設けるようにした。
これにより、薄板状部材が振動面から剥離又は脱落することがないため、スピーカ用振動板が振動する際の剛性不足に起因する不要な振動を防止できると共に、出力する音の音質を維持することができる。
また本発明のスピーカユニットにおいては、スピーカ用振動板を有するスピーカユニットであって、スピーカ用振動板は、スピーカ用振動板を構成する振動面と、振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材とを設けるようにした。
これにより、薄板状部材が振動面から剥離又は脱落することがないため、スピーカ用振動板が振動する際の剛性不足に起因する不要な振動を防止できると共に、出力する音の音質を維持することができる。
さらに本発明のスピーカ装置においては、スピーカ用振動板を有するスピーカユニットが所定のスピーカボックスに取り付けられたスピーカ装置であって、スピーカ用振動板は、スピーカ用振動板を構成する振動面と、振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材とを設けるようにした。
これにより、薄板状部材が振動面から剥離又は脱落することがないため、スピーカ用振動板が振動する際の剛性不足に起因する不要な振動を防止できると共に、出力する音の音質を維持することができる。
本発明によれば、薄板状部材が振動面から剥離又は脱落することがないため、スピーカ用振動板が振動する際の剛性不足に起因する不要な振動を防止できると共に、出力する音の音質を維持することができるスピーカ用振動板、スピーカユニット及びスピーカ装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)スピーカ装置の構成
図1において、1は全体として本発明によるスピーカ装置の全体構成を示しており、所定形状の木板が箱状に組み立てられたスピーカボックス2にスピーカユニット3が取り付けられている。
図1において、1は全体として本発明によるスピーカ装置の全体構成を示しており、所定形状の木板が箱状に組み立てられたスピーカボックス2にスピーカユニット3が取り付けられている。
スピーカ装置1は、外部のアンプ等(図示せず)から供給される入力信号に応じて、スピーカユニット3に組み込まれたいわゆるコーン形状の振動板4を振動させることにより空気の粗密状態を変化させ、入力信号に応じた音を発生し得るようになされている。
ている。
ている。
ちなみにスピーカ装置1は車載用とされており、自動車のトランク内等に設置されることを前提としている。またスピーカユニット3は、低周波数帯域(例えば5[Hz]〜400[Hz])を再生するサブウーファーであり、振動板4の口径(すなわち正面から見たときの外周部における直径)が約300[mm]となるようになされている。
スピーカユニット3は、図2及び図3に示すように、所定厚さの金属板がプレス加工された略すり鉢状のフレーム5の後ろ側に略円盤状のトッププレート6が固着されており、さらにその後ろ側に略円盤状のマグネット7が取り付けられている。
マグネット7の後ろ側には略円盤状のバックプレート8が取り付けられており、当該バックプレート8の中央部から前方向に突出してポールヨーク9が設けられている。ポールヨーク9はマグネット7を貫通しており、トッププレート6との間に磁気ギャップ10を形成することにより磁気回路を構成するようになされている。
ボイスコイルボビン11は、略円筒形の金属材料でなり、ボイスコイル12が磁気ギャップ10内に位置するように回巻されている。ボイスコイル12は、リード線(図示せず)を介して、フレーム5に取り付けられた接続端子(図示せず)に接続されており、外部のアンプ等(図示せず)から入力された交流波でなる入力信号が供給されるようになされている。
またボイスコイルボビン11は、ダンパー13によって支持されると共に振動板4の後ろ側中央部に取り付けられることにより、当該振動板4と一体に前後方向へ移動(振動)し得るようになされている。
振動板4は、前側中央部に強固な樹脂材料でなるキャップ16が取り付けられていると共に、前側外周部において可撓性を有する樹脂素材でなるエッジ14を介してフレーム5及び外周フレーム15に取り付けられており、当該フレーム5に対して前後方向へ自在に移動(振動)し得るようになされている。
すなわちスピーカユニット3は、外部からの入力信号に応じてボイスコイル12において電磁力を生成させることにより、当該電磁力により振動板4、キャップ16、ボイスコイルボビン11及びボイスコイル12を一体としてフレーム5等の他の部品に対して前後方向に振動させる。このときスピーカユニット3は、周囲の空気を振動させることにより当該入力信号に応じた音を発生し得るようになされている。
ちなみにスピーカユニット3は、ボイスコイル12の制約により、瞬間最大入力電力として1600[W]までの入力信号に対応し得るようになされている。
ところで、一般にスピーカ用振動板は、入力信号の電力が非常に大きい場合等、当該スピーカ用振動板が大きな振幅で高速に振動する際、剛性不足により当該スピーカ用振動板が一体に振動できずその一部が異なる位相で振動してしまう、いわゆる分割振動が生じる場合がある。
一般に広く利用されている円錐形状のスピーカ用振動板では、分割振動が生じた際に本来の振動と逆位相の逆振動が偶数箇所に生じるため、円錐の中心を挟んで対向する位置に生じた逆振動箇所同士が共振してしまい、出力する音の音質を著しく低下させることになる。
そこで振動板4は、図2及び図3に示したように、略5角形状のコーン型、すなわち稜部がなだらかな略5角錐台の側面部分のみでなる形状(以下、これを略5角コーン形状と呼ぶ)になされており、これにより分割振動が生じた場合の逆振動の箇所を5箇所(すなわち奇数箇所)とし、逆振動箇所同士を対向させないようにして共振を未然に防止し得るようになされている。
また振動板4は、図4(A)及び(B)に示すように、表面層4A及び裏面層4Bの間に補強板17が挟まれた構成を有している(以下、このように間に挟まれることを「介挿される」と呼ぶ)。
実際上振動板4は、製造される際に、予め平板状のアルミニウムがプレス加工等により所定形状に成型された補強板17を所定の型枠内にセットした状態でポリプロピレン樹脂を充填する、いわゆるインサート成形によって当該補強板17と一体に成形されるようになされている。
すなわち図4(B)に断面図を示したように、振動板4は、表面層4Aと裏面層4Bとの間に補強板17を介挿して完全に埋め込んだ状態としており、このため当該振動板4からの当該補強板17の剥離や脱落等を未然に防止し得るようになされている。
ちなみに、振動板4のうち補強板17が介挿されていない稜部4Cの厚さは約0.8[mm]であり、これに対して補強板17の厚さは約0.4[mm]、表面層4A及び裏面層4Bの厚さは共に約0.2[mm]であるため、振動板4の平面部4Dにおける厚さも約0.8[mm]に揃えられるようになされている。
ここで、補強板17の構成を図5に示す。補強板17は、略5角形状のアルミニウム板がプレス加工されており、大きく分けて5箇所の板状部17A、各板状部17Aと5角形の中央側(すなわち内周側)で接続される略円周状の補強板中央部17B、及び各板状部17Aと外周側で接続される周状の補強板外周部17Cによって構成されている。
板状部17Aは、矩形の薄板状でなり、振動板4(図4(A))における振動板中央部4Eから振動板外周部4Fの略5角形における辺部分へ渡って、平面部4Dを補強するように配置されており、さらに中央側及び外周側がそれぞれ補強板中央部17B及び補強板外周部17Cと接続され一体に形成されている。
このため振動板4(図4)は、振動板中央部4E及び振動板外周部4Fと平面部4Dとの間の剛性が強化され、当該平面部4Dと当該振動板中央部4E及び当該振動板外周部4Fとが互いに異なる位相で振動する(すなわち分割振動する)可能性が格段に低減される。
一方補強板17は、振動板4の稜部4Cに相当する扇形部分が大きくくり抜かれており、当該稜部4Cについては補強しないようになされている。
これにより振動板4は、稜部4Cと比較して相対的な剛性が不足する可能性があった平面部4Dが補強されるため、当該稜部4C及び当該平面部4Dにおける剛性をほぼ同等に揃えることができる。
さらに補強板17は、板状部17Aに複数の孔が設けられると共に、当該複数の孔以外の部分をメンバー部17A1及び17A2等とするトラス構造を形成するようになされているため、当該板状部17Aにおける剛性を確保したまま軽量化することができる。
(2)動作及び効果
以上の構成において、振動板4は、表面層4A及び裏面層4Bの間に補強板17が介挿されたことにより、当該振動板4自体の剛性を高めることができる。
以上の構成において、振動板4は、表面層4A及び裏面層4Bの間に補強板17が介挿されたことにより、当該振動板4自体の剛性を高めることができる。
このとき振動板4は、補強板17の板状部17Aによって平面部4Dが補強されることにより平面部4Dの剛性が稜部4Cと同程度まで高められているため、当該振動板4における各部の剛性をほぼ一様に揃えることができる。
また振動板4は、補強板17(図5)において各板状部17Aと補強板中央部17B及び補強板外周部17Cとが一体に形成されているため、振動時に当該振動板4の平面部4Dが分割振動することを格段に低減することができる。
これにより当該振動板4が組み込まれたスピーカユニット3は、当該振動板4をほとんど分割振動させることなく一体に振動させることができ、入力信号を忠実に再現した高音質な音を発生することができる。
また振動板4は、表面層4A及び裏面層4Bの間に補強板17が介挿されて、当該補強板17を内部に完全に埋め込んだ状態に形成されているため、経年変化や振動等により当該補強板17が剥離又は脱落してしまうことがほとんど無い。このため当該振動板4を有するスピーカユニット3は、高音質な音を発生し得る状態を長期間に渡って維持し続けることができる。
さらに振動板4は、補強板17の板状部17Aにおいて複数の孔が設けられると共に当該複数の孔以外のメンバー部17A1及び17A2(図5)等によりトラス構造を形成しているため、平面部4Dにおける剛性を確保しながら当該補強板17が埋め込まれたことにより重量が増加することを必要最小限に抑えることができる。
これによりスピーカユニット3は、振動板4の重量が増加することに伴う振動の速度低下を必要最小限に抑えることができ、音質をほとんど低下させずに済む。
そのうえスピーカユニット3は、振動板4を略5角コーン形状としているため、仮に分割振動が生じたとしても、逆振動箇所を5箇所として当該逆振動箇所同士を対角線上に位置させないことにより共振を未然に防止することができ、音質の低下を最小限に止めることができる。
ここで、従来のスピーカユニット20の構成を図2と対応する図6に示す。従来のスピーカユニット20は、本発明におけるスピーカユニット3の振動板4と同様、略5角コーン形状の振動板22を有しているものの、当該振動板22は何ら補強されていない。
この振動板22が組み込まれた従来のスピーカユニット20において、音を発生させた際に振動板が振動する様子をシミュレートした振動シミュレーション結果を図7に示す。この図7では、振動板22における振動の位相ずれの大きさに応じて地図における「等高線」のように領域を区切ることにより、当該位相ずれの分布を示している。
図7を図6と対比させると、振動板22の中央付近、及び5角錐台の稜付近に相当する稜部22Cでは、全域で「位相ずれ0〜小」となっており位相ずれが小さい。これに対して、5角錐台の側面に相当する平面部22Dでは、外周側付近に「位相ずれ中」の領域ar1及び「位相ずれ大〜逆位相」の領域ar2があり、非常に大きな位相ずれが生じている。
すなわち、従来のスピーカユニット20の振動板22においては、5角錐台の「角」相当する稜部22Cの強度が比較的強く、5角錐台の「面」に相当する平面部22Dの強度が比較的弱い、すなわち当該稜部22Cと比較して当該平面部22Dの相対的な剛性が不足していたことがわかる。
これに対して、補強板17によって補強された振動板4を有する本発明のスピーカユニット3において、従来のスピーカユニット20(図6)の場合と同様に音を出力させた際の振動シミュレーション結果を、図7と対応する図8に示す。
図8の振動シミュレーション結果では、図7と比較して、特に平面部4D(図5)の外周側付近において位相ずれがほとんど生じておらず、また振動板4全体としても位相ずれがほとんど生じずにほぼ一様に振動していることが示されている。
また、一般にスピーカユニットにおいては、図9に示すように、入力信号の電力と出力レベル(すなわち振動板の振動幅)とが比例関係にあり特性曲線S0のように直線性を有するのが理想的であるが、実際には入力信号の電力がある閾値以上となった場合、振動板の剛性不足等により当該振動板が入力信号に比例した振動幅では振動できなくなり、特性曲線の直線性が低下して出力する音が歪んで(すなわち音質が低下して)しまう。このときの閾値は、振動板の剛性等に応じてスピーカユニット毎に異なった値となる。
例えば従来のスピーカユニット20(図6)では、振動板22が補強されていないため、図9における特性曲線S1のように、入力信号の電力が所定の閾値P1以上となった際に直線性が低下し、この結果出力する音が歪んでしまう。
これに対して本発明のスピーカユニット3では、振動板4が補強板17によって補強され剛性が高められているため、図9における特性曲線S2のように、閾値P1よりも大きな電力を表す閾値P2までは直線性を維持することができ、出力する音を歪ませることがない。
実際にスピーカユニット3を組み込んだスピーカ装置1(図1)を用いて音を試聴したところ、当該スピーカユニット3の入力信号の電力における上限値(すなわち瞬間最大入力電力として1600[W])を入力した際にも、分割振動を生じること無く高い音質を維持していることが確認された。
以上の構成によれば、振動板4は、補強板17がインサート成形により表面層4A及び裏面層4Bの間に介挿され、平面部4Dが板状部17Aによって補強されて稜部4Cと同程度まで剛性が強化されるため、分割振動が生じる可能性を格段に低減すると共に剛性が高い状態を長期間維持することができる。またスピーカ装置1は、スピーカユニット3に当該振動板4が組み込まれることにより、入力信号を忠実に再現した高音質な音を出力し続けることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、補強板17を板状部17A、補強板中央部17B及び補強板外周部17Cにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図10に示すように補強板外周部を省略したり、又は図11に示すように補強板中央部を省略したり、或いは図12に示すように補強板外周部及び補強板中央部の両方を省略するようにしても良く、要は振動板4の平面部4D(図4)を補強できれば良い。
なお上述の実施の形態においては、補強板17を板状部17A、補強板中央部17B及び補強板外周部17Cにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図10に示すように補強板外周部を省略したり、又は図11に示すように補強板中央部を省略したり、或いは図12に示すように補強板外周部及び補強板中央部の両方を省略するようにしても良く、要は振動板4の平面部4D(図4)を補強できれば良い。
また上述の実施の形態においては、補強板17の板状部17Aに複数の孔を設けると共に当該複数の孔以外の部分によってトラス構造を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該補強板17の軽量化と剛性の維持を両立し得る範囲内で当該複数の孔を任意に配置したり、又は全く孔を設けないようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、アルミニウムでなる補強板17によって振動板4を補強するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、チタン等の種々の金属やカーボンファイバー等の他の材料でなる補強板によって振動板4を補強するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ポリプロピレン樹脂を用いて振動板4をインサート成形する構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の樹脂を用いて当該振動板4をインサート成形するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、インサート成形により振動板4の内部に補強板17を埋め込むようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば予め振動板4を構成する表面層4Aと裏面層4Bとを別々に成形しておき、真空成形により表面層4Aと裏面層4Bとの間に補強板17を挟んで貼り合わせるようにしても良い。この場合、表面層4Aと裏面層4Bについては、可塑性を有する樹脂素材に限らず、紙や繊維素材等の種々の材料を用いるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、コーン型でなるスピーカユニット3の振動板4に補強板17を介挿するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ドーム型や平面型等、他の方式でなるスピーカユニットの振動板に本発明を適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、振動板4を略5角コーン形状とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、振動板を円錐台形状や略7角コーン形状等の他の形状とするようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、車載用のサブウーファーでなるスピーカ装置1におけるスピーカユニット3の振動板4に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば家庭用のスピーカ装置の振動板や、フルレンジスピーカやツィータ等でなるスピーカユニットの振動板等に本発明を適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、振動面としての表面層4A及び裏面層4Bと、薄板状部材としての補強板17とによってスピーカ用振動板としての振動板4を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の振動面と、薄板状部材とによってスピーカ用振動板を構成するようにしても良い。
本発明は、車載用や家庭用等の種々のスピーカ装置でも利用できる。
1……スピーカ装置、3、20……スピーカユニット、4、22……振動板、4A……表面層、4B……裏面層、4C、22C……稜部、4D、22D……平面部、4E……振動板中央部、4F……振動板外周部、17……補強板、17A……板状部、17A1、17A2……メンバー部、17B……振動板中央部、17C……振動板外周部。
Claims (8)
- スピーカ装置に組み込まれるスピーカ用振動板であって、
上記スピーカ用振動板を構成する振動面と、
上記振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材と
を具えることを特徴とするスピーカ用振動板。 - 上記薄板状部材は、所定のトラス状に組み合わされたトラス構造でなる
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。 - 上記薄板状部材は、上記スピーカ用振動板の中央領域を略円周状に補強する中央部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。 - 上記薄板状部材は、上記スピーカ用振動板の外周側を周状に補強する外周部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。 - 上記薄板状部材は、
インサート成形により上記振動面の上記表面と上記裏面との間に介挿される
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。 - 上記スピーカ用振動板は、略N角形状(Nは3以上の整数)のコーン型又はドーム型でなり、
上記補強手段は、上記スピーカ用振動板の上記中心側から上記略N角形の角部分を除いた辺部分へ向かって配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。 - スピーカ用振動板を有するスピーカユニットであって、
上記スピーカ用振動板は、
上記スピーカ用振動板を構成する振動面と、
上記振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材と
を具えることを特徴とするスピーカユニット。 - スピーカ用振動板を有するスピーカユニットが所定のスピーカボックスに取り付けられたスピーカ装置であって、
上記スピーカ用振動板は、
上記スピーカ用振動板を構成する振動面と、
上記振動面の表面と裏面との間に介挿され、当該スピーカ用振動板の中心側から外周側へ渡って配置された補強用の薄板状部材と
を具えることを特徴とするスピーカ装置。
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