JP2006219455A - タンパク質の高効率分離または濃縮方法 - Google Patents

タンパク質の高効率分離または濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗体などの各種の有用タンパク質のプロテインAに代わる安価かつ低分子のアフィニティーリガンド、及びそれを活用した、複雑な他成分系によらない、簡便かつ高効率で有用タンパク質を分離または濃縮する手段を提供する。
【解決手段】 抗体などの有用タンパク質を高効率で分離または濃縮する手段として、糖脂質をアフィニティーリガンドとし、該糖脂質を使用する水性二層分離法を用いて、有用タンパク質を迅速かつ高効率で分離または濃縮する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖脂質系バイオサーファクタント化合物を用いるタンパク質のアフィニティーリガンドおよび該リガンドを用いたタンパク質の分離または濃縮方法に関する。また、特に、糖脂質系バイオサーファクタント化合物の水性二層系を用いた、各種の抗体の分離または濃縮方法に関する。
タンパク質は、代謝、遺伝子発現、シグナル変換、細胞および細胞外構造等のような現象で非常に重要な役割を演じる生きた生物の成分である。多くのタンパク質は、治療または診断適用に有用であるが、それらを治療または診断で利用するには、純粋な形態で、すなわち、治療または診断目的を害し、潜在的に患者の健康を危険なものとし得る汚染物をなくして注目するタンパク質を調製する必要がある。タンパク質の精製に関する研究は、特に、非常に多数の患者に対する治療または診断に必要とされるように、大規模な精製が求められる場合に長い間試みられてきた。しかしながら、小規模または中程度の規模のタンパク質の精製が望まれる場合でさえ、十分に純粋な形態で得られ、かつ高効率、迅速で、容易な手法が望ましいことは当然である。
有用なタンパク質の一つである抗体は、免疫反応を司るタンパク質成分であり、ガン、妊娠などの診断に用いられている他、近年、抗体医薬品などその利用価値が高まっている。抗体は、免疫した動物の血液あるいは抗体生産能を保有した細胞の細胞培養液又は動物の腹水培養液から収得される。細胞培養上清からの抗体精製では、硫安塩析による濃縮を兼ねた粗分画を行った後、イオン交換などの各種クロマトグラフィーにより精製が行われている。この場合、高純度で抗体を精製することが求められているため、プロテインAや抗原等の抗体との特異的親和性を有するリガンドをカラムに固定化したアフィニティークロマトグラフィーが近年多用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、カラムクロマトグラフィーによるタンパク質の分離精製法は、スケールアップが難しく、工業規模で使用するには経済的に不利である。また、カラムへのプロテインAの固定化は容易でないばかりか、精製工程中にプロテインAがその担体材料から意図されずに脱離することもある。さらに、プロテインAは、様々な動物由来のIgGのFc領域と特異的に結合する性質を持っているため、IgG以外の抗体、例えばFc領域を結合に使用できないIgMなどの分離には適用できない等の問題がある。
アフィニティークロマトグラフィーによらない簡便かつスケールアップが容易なタンパク質の分離精製法として、水性二層分離法(水性二相分配法あるいは単に二相分離法などと呼ばれる)が提案されており、実験室レベルでは実際に使用されている。この方法は、蛋白質などの生体高分子を、分配溶媒として水のみを用い、水溶性高分子と、該水溶性高分子と組み合されて二相分配系を形成する他の物質とを利用するものである。その分配系の例としては、二種類の非電解性高分子の組合せ、非電解性高分子と電解性高分子の組合せ、二種類の電解性高分子の組合せ、高分子と低分子物質との組合せなどが知られており、分離対象の目的物によって、各種使い分けられている。具体的には、ポリエチレングリコールとデキストランとの組合せ、ポリエチレングリコールとリン酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)との組合せ、ポリエチレングリコールとクエン酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)との組合せ、ポリエチレングリコールと硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)との組合せ、ポリエチレングリコールとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの組合せ、ポリエチレングリコールとデキストラン硫酸塩との組合せ、ポリエチレングリコールとポリビニルアルコールとの組合せなどの各種の物質の組合せが利用されている。しかしながら、水性二層分離法は、効率的に抗体などのタンパク質を分離することができないばかりか、一般に複雑な多成分系において実施されるため(例えば、特許文献2参照)、工業レベルでの実用化には至っていない。また、塩などを添加した場合、抗体などのタンパク質の失活なども懸念される。水性二層分離法による分離効率をカチオン性界面活性剤の共存によって改善する報告もあるが(例えば、特許文献3参照)、カチオン性界面活性剤は、有効なアフィニティーリガンドではないため、効果的な分離技術の実現には至っていないのが現状である。
特開平8−92298号公報 特表2002−544139号公報 特開平7−171303号公報
従って、本発明の目的は、抗体などの各種の有用タンパク質のプロテインAに代わる安価かつ低分子のアフィニティーリガンド、及びそれを活用した、複雑な他成分系によらない、簡便かつ高効率で有用タンパク質を分離あるいは濃縮可能な、水相二層分離手法を提供することにある。
上記したような従来技術の欠点を克服し、抗体などの有用タンパク質と結合可能な低分子のアフィニティーリガンド、かつその水相二層分離系を活用した簡便かつ高効率の有用タンパク質の分離または濃縮手法について鋭意研究を行った結果、種々の抗体などの有用タンパク質の高効率の低分子リガンドとして糖脂質が有効であること、かつそれらの糖脂質が形成する水性二層系を活用することによって、有用タンパク質を迅速かつ高効率で分離可能であることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明の課題は以下の手段によって達成される。
(1)アフィニティーリガンドとして、糖脂質を活用することを特徴とするタンパク質の分離または濃縮方法。
(2)糖脂質の水性二層系を用いることを特徴とする、上記(1)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
(3)前記糖脂質が下記一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式1中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m1−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。m1は0〜8の整数を示す。またn1は0〜10の整数を示す。(ただし、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18の全てが水素原子である場合を除く。)
(4)前記マンノシドリピド系化合物が、下記一般式2で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式2中、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。また、m2は0〜8の整数を示す。(ただし、R21、R22、R23、R24およびR25の全てが水素原子である場合を除く。)
(5)前記糖脂質が下記一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式3中、R33およびR34は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m3およびn3は、それぞれ1〜30の整数である。
上記一般式4中、R41およびR42は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m4は1〜30の整数である。
上記一般式5中、n5は1〜30の整数である。
(6)前記糖脂質が下記一般式6または7で表されるソフォロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式6中、R61およびR62は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m6は1〜30の整数を示す。
上記一般式7中、R71およびR72は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、R73は水素原子、または飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示し、m7は1〜30の整数を示す。
(7)前記糖脂質が下記一般式8で表されるトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式8中、R81およびR82は、水素原子、下記一般式9で表される基、または下記一般式10で表される基を示す。ただし、R81及びR82がともに水素原子である場合を除く。
上記一般式9中、m9≧14、n9≧13、m9+n9=1〜50である。また、一般式9で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
上記一般式10中、m10≧14、n10≧13、m10+n10=1〜50である。また、一般式10で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
(8)前記糖脂質が下記一般式11で表されるサクシノイルトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式11中、R111、R112、R113およびR114は、それぞれ水素原子または脂肪族アシル基を示し、かつR111、R112、R113およびR114のうち少なくとも1つはサクシノイル基である。
(9)前記糖脂質が下記一般式12で表されるセロビオースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式12中、R121は水素原子またはOHを示し、R122、R123およびR124は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式13で表される基を示し、m12は1〜30の整数を示す。
上記一般式13中、n13は1〜30の整数を示す。
(10)前記糖脂質が下記一般式14で表されるグルコシドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式14中、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m14−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m14は0〜8の整数を示す。n14は0〜10の整数を示す。(ただし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148の全てが水素原子である場合を除く。)
(11)前記糖脂質が下記一般式15で表されるアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
上記一般式15中、R151は飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示す。
(12)前記糖脂質が、糖脂質系バイオサーファクタント化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
(13)塩を添加することを特徴とする、上記(1)〜(12)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
(14)分離するタンパク質がIgG、IgM、IgA、IgE、またはIgYであることを特徴とする、上記(1)〜(13)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
(15)分離するタンパク質がIIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、またはIgG2bであることを特徴とする、上記(1)〜(13)記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
(16)上記(1)〜(15)記載のタンパク質の分離または濃縮方法によって得られたタンパク質を含むことを特徴とする医薬品及び食品。
(17)糖脂質からなる、タンパク質の分離または濃縮用アフィニティーリガンド。
(18) タンパク質の分離または濃縮が、水性二層分離法によるものである上記(17)に記載のリガンド。
(19) 糖脂質が、上記(3)〜(12)のいずれか記載の化合物であることを特徴とする、上記(17)又は(18)に記載のリガンド。
(20)分離または濃縮されるタンパク質が、IgG、IgM、IgA、IgE、またはIgYであることを特徴とする、上記(17)〜(19)のいずれかに記載のリガンド。
(21)分離または濃縮されるタンパク質が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、またはIgG2bであることを特徴とする、上記(17)〜(19)のいずれかに記載のリガンド。
本発明よれば、アフィニティーリガンドとして低分子の糖脂質を使用することによって、種々の担体へのリガントの固定化が容易になるばかりか、特に、本発明のリガンドは、IgGのみならず、プロテインAでは困難であったIgM、IgA、IgE、IgY、あるいはさらにIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2bなどの抗体分離にも極めて効果的であり、この点で極めて重要である。さらに、糖脂質の水性二層系を用いることによって、複雑な他成分系によらない、スケールアップが容易でかつ高効率の抗体等のタンパク質の分離または濃縮も可能となる。
本発明においては、タンパク質の分離または濃縮に用いるアフィニティーリガンドとして糖脂質を用いる。この糖脂質としては、例えば、糖脂質系バイオサーファクタントを用いることができる。なお、本明細書の以下の記載においては、分離または濃縮というとき、分離するかあるいは濃縮かすることを意味する。
バイオサーファクタントとは、生物由来の両親媒性物質であり、界面活性作用を有するものである。例えば、微生物が産生するバイオサーファクタントとしては、糖脂質系のもの、コリノミコール酸(Corynomycolic acid)等の脂肪酸系のもの、エマルサン(Emulsan)、リポサン(Liposan)等のバイオポリマー系のもの、サーファクチン、ビィスコシン等のリポペプタイド系のもの等、種々のものが知られており、これらは通常の界面活性剤に比べ、1)複数の官能基や光学活性を有する点、2)嵩高い構造や複雑な構造を有する点、3)生理活性(抗微生物、抗腫瘍作用など)を有する点、および4)生分解性や安全性が高い点を有することを特徴とする。本発明は、上記バイオサーファクタントのうち、特に糖脂質系のものを用いる点に特徴を有するものである。
本発明において使用する糖脂質としては、例えば、トレハロースリピド系化合物、サクシノイルトレハロースリピド系化合物、ソフォロースリピド系化合物、セロビオースリピド系化合物、マルトースリピド系化合物、ポリオールリピド系化合物、グルコースリピド系化合物、フルクトースリピド系化合物、グルコシドリピド系化合物、マンノシドリピド系化合物、ラムノースリピド系化合物、シュークロースリピド系化合物、アルカノイル−N−グルカミドリピド系化合物等の各種化合物を挙げることができる。また、本発明において、これらの誘導体も糖脂質として使用することができる。
本発明において好ましく用いられる糖脂質としては、上記(3)〜(11)記載の一般式で表された化合物であり、これらで示された一般式の定義中、飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基のうち、好ましいものは炭素数1〜36の直鎖または分岐鎖を有するアルキルまたはアルケニル基であり、脂肪族アシル基としては炭素数2〜37のものが好ましい。
さらに、本発明において特に好ましい糖脂質を以下に例示する。これら化合物を使用する場合、1種のものを単独で用いてもよいし、2種以上のものを混合物の形態で用いることもできる。
まず、本発明に用いられるマンノシドリピド系化合物について説明する。
マンノシドリピド系化合物としては、一般式2で表される化合物が好ましく、一般式2で表される化合物のうち、R25がCH(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH−基(ただしm2=1〜8、好ましくは2〜6の整数を示す。)であり、R21〜R24が同一もしくは異なっていても良い、炭素数1〜15のアルカノイル基である化合物がより好ましく、一般式16で表されるマンノシルエリスリトール系化合物(以下、MEL−Aとも略す)がさらに好ましい。
(一般式16中、R161およびR162はそれぞれアセチル基(以下、Acとも略す。)を表し、n16は4〜14の整数を表す。)
また、マンノシドリピド系化合物としては、アルキルマンノシド系の化合物(一般式1において、R18がアルキル基のもの。)も好ましく、その中では一般式17で表される化合物(ML−1)が特に好ましい。
(一般式17中、R178はドデシル基を表し、R171、R172、R173およびR174はそれぞれ水素原子を表す。)
次に、本発明に用いられるラムノースリピド系化合物について説明する。
ラムノースリピド系化合物の好ましい具体例(RL−1、RL−2、RL−3、RL−4、RL−A、RL−B)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明に用いられるソフォロースリピド系化合物について説明する。
ソフォロースリピド系化合物の好ましい具体例(SL−1、SL−2、SL−3、SL−5、SL−6)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明に用いられるトレハロースリピド系化合物について説明する。
トレハロースリピド系化合物の好ましい具体例(TL−1、TL−2)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明に用いられるサクシノイルトレハロースリピド系化合物について説明する。
サクシノイルトレハロースリピド系化合物の好ましい具体例(STL−1、STL−2、STL−3)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明に用いられるセロビオースリピド系化合物について説明する。
セロビオースリピド系化合物の好ましい具体例(CL−A、CL−B、CL−C)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明に用いられるグルコシドリピド系化合物について説明する。
グルコシドリピド系化合物として、アルキルグルコシド系の化合物(一般式14において、R148がアルキル基のもの。)が好ましい。グルコシドリピド系化合物の好ましい具体例(GL−1)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(上記式中、R238はドデシル基を表し、R231、R232、R233およびR234はそれぞれ水素原子を表す。)
次に、本発明に用いられるアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物について説明する。
アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物としては、上記一般式15において、R151が炭素数12の飽和または不飽和で、直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基である場合が好ましい。
次に、本発明のタンパク質の効率的に分離または濃縮するための低分子アフィニティーリガンド及びそれを使用した高効率の分離または濃縮手法について説明する。
本発明においては、抗体などの有用タンパク質の低分子アフィニティーリガンドとして糖脂質を用い、またこれらを水中に懸濁して得られる水性二層分離法を利用して、簡便かつ高効率でタンパク質を分離または濃縮する。
水性二層分離法は、例えば、2種類の高分子水溶液を混合したり、高分子や界面活性剤に塩やアルコールを添加することにより、コロイドに富む液相(濃厚水溶液)と、コロイドに乏しい液相(希薄水溶液)の水性二層を形成し、各層に対する分離対象のタンパクシ質の親和性の差に基づき分離する方法であり、この二相に分離した水溶液のうち、コロイドに富む相は、一般にコアセルベートという。
本発明において、塩やアルコールを添加せずに、糖脂質単成分で水中に形成する水性二層系を用いて有用タンパク質を分離する。通常、水性二層分離法においては、塩やアルコールなどの第三成分の添加が必要であるが、本研究では糖脂質単独で形成するため、塩やアルコールなどの第三成分によるタンパク質の変性・失活がないという利点を有する。 また、操作工程も減らすことができ、工業レベルでの実用化も容易になる。また、既往の水性二層分離手法では、タンパク質とのアフィニティーが低いため分離効率が低かったが、本発明では、水性二層系を構築する糖脂質自身がタンパク質と高いアフィニティーを有しているため、著しく高い分離または濃縮効率を示すことになる。
本発明において、水性二層系の形成法として、例えば、糖脂質等の両性界面活性剤を水中に添加し、攪拌するだけでコアセルベートを形成する方法が挙げられるが、本発明においてはこれに限定されることはない。
水性二層を形成するための糖脂質の濃度は特に制限されないが、好ましくは1乃至50mMである。
上記方法により調製した水性二層溶液に、各種有用タンパク質を混合して攪拌することによって種々のタンパク質を分離または濃縮することができる。ここで、タンパク質を混合および攪拌する手法には特に制限はない。
また、水性二層系のタンパク質へのアフィニティーを向上させる態様としては、上記方法の糖脂質に、別の糖脂質、またはリン脂質等の公知の油脂を混合することもできる。リン脂質または水性二層を構成する糖脂質とは別の糖脂質の添加量としては、水性二層を構成する糖脂質に対して、好ましくは5乃至80mol%、さらに好ましくは30mol%である。
本発明に用いられるリン脂質としては、フォスファチジルコリン、ホスファチジルセリン等の公知の中性リン脂質が挙げられ、具体的には、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリン等が挙げられる。本発明に用いられる、コアセルベートを構成する糖脂質とは別の糖脂質としては、前記糖脂質系バイオサーファクタント等が挙げられる。
また、本発明のタンパク質に対する有効なリガンドである糖脂質は、低分子かつ両親媒性であるため、プロテインAとは異なり、種々の担体に配向良く高密度で担持せしめることができる。例えば、上記で得られた水性二層の下層(コアセルベート)を、疎水性の界面と接触させることによって、配向性に優れる糖脂質の薄膜が得られる。糖脂質を担持せしめた担体、例えばカラム等は、有用タンパク質を高効率で分離するのに有効である。なお、糖脂質を担持する手法としては、上記のようにコアセルベートを用いる、すなわち糖脂質の自己組織化能を活用してもよいし、コアセルベートを経ずに、化学合成的手法を用いてもよい。また、担体としては上記したものに限定されるものでない。
本発明のタンパク質の低分子リガンドである糖脂質は、従来のリガンドであるプロテインAより配向性が良好であるため、抗体であるIgGに対する結合力(結合定数)が著しく高く、特に抗体との結合部位が異なっているため、プロテインAでは困難であったIgM、IgA、IgE、IgY、あるいはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2bなども分離するのに有効である。また、タンパク質のプロテインAと比べて、低分子の糖脂質は、化学的修飾も容易であるばかりか、生体適合性に優れているため、最終生産物へのコンタミネーションの懸念も少ない。
また、本発明の水性二層を形成する原料脂質としては、糖脂質、好ましくは、糖脂質系バイオサーファクタント化合物の1種又は2種類以上を膜成分の全部又は一部として使用するが、所望により、非イオン性界面活性剤を用いることもできる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル型、脂肪酸ポリオキシアルキレンエステル、アルキロールアマイド型、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンひまし油、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミン、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミド、又は脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ソルビトールエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル等の多価アルコール型及びアルキロールアミド型、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤、ポリオキシアルキレングリコール型、アルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル型、グリセリン脂肪酸エステル型又はモノグリセリド有機酸エステル、ポリグリセリンエステル等の誘導体、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル型、ショ糖脂肪酸エステル型又はその誘導体、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル型、アミノ酸型、およびこれら2種類以上の混合物を挙げることができる。
また、本発明によれば、糖脂質に対して親和性を有する物質であれば分離または濃縮可能であり、例えば、タンパク質以外の各種薬剤、生理活性物質または遺伝子等の物質であっても、容易に分離または濃縮することができる。
なお、本発明の水相二層に負に帯電する遺伝子などの生体物質を担持させる場合、構成物質の一部として、カチオン性物質が含まれていることが好ましい。カチオン性物質としては、コレスレリル−3β−カルボキシアミドエチレン−N−ヒドロキシエチルアミンやコレスレリル−3β−カルボキシアミドエチレン−N,N−ジメチルアミン等の脂質が挙げられ、これらの化合物の合成法は、R.Okayamaら、「FEBS Letters」(408、232−234、1997)等に記載されている。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は特にこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(1) 一般式16で示すn16=m16=8のものを主成分とするMEL−Aを1〜50mMとなるように試験管中に測りとり、塩やアルコールなどの第三成分を添加せずに、蒸留水2mLを加えて1分間ボルテックス処理した。
MEL−Aの濃度が30mMのときの水溶液を目視観察した結果を図1に示す。この図から明らかなように、透明な粘性のない二層に分離することがわかり、それぞれの水分量を測定したところ、上層が99.9wt%水であるのに対して、下層も80.4wt%が水である水相二層系が得られることが分かった。このうち下層のMEL−Aリッチな層は、一般にコアセルベートと呼ばれるものである。
(実施例2)
上記実施例1の工程により得られたMEL−Aコアセルベート0.5mMを100nmのポアサイズのポリカーボネート膜を装着したエクストルーダー(Lipex Biomembranes Inc. 社製)にて整粒した。さらに、これを、ビアコア社製の表面プラズモン共鳴装置(SPR)を用いて、また同じくビアコア社製の金基板をチオールアルカン基により疎水化したセンサーチップ上に固定化したところ、極めて配向性に優れるMEL−A膜が得られることが分かった。次に、得られたMEL−A固定化膜と各種タンパク質との相互作用をビアコア社製の表面プラズモン共鳴装置(SPR)を用いて検討した。シグマ社製のヒト抗体であるイムノグロブリンG(IgG)とヒト血清アルブミン(HSA)の350nMの水溶液を75μlインジェクションした際のセンサーグラムを図2に示した。なお、PH7.4のランニング緩衝液として、HEPES 10mMに150mM のNaClを添加したものを使用し、ここで1000RUは1ngに相当する。図2より明らかなように、HSAはMEL−A固定化基板と全く結合しないのに対して、IgGはMEL−A固定化基板と相互作用して結合することがわかった。また、タンパク質溶液を流し終わり、ランニング緩衝液に切り替わった後でも、IgGは解離せずにMEL−A固定化基板に結合していることも分かった。
また、タンパク質をインジェクション後、平衡状態に達した500秒後における結合量と各タンパク質濃度との関係を図3に示した。図からも明らかなように、HSAはMEL−A固定化基板と全く結合しないのに対して、IgGはMEL−A固定化基板と結合することがわかった。また、スキャッチャード解析から、IgGとMEL−Aとの結合定数を算出したところ、Ka = 8.2×106 (M-1)となり現在、IgGのアフィニティーリガンドとして多用されているプロテインAの結合定数と比べて20倍も大きいことが分かった。このことは、プロテインAに代わる低分子のアフィニティーリガンドとしてMEL−Aが優れていることを示している。さらに、図4には、シグマ社製のイムノグロブリンM(IgM)を用いて同様の実験を行った結果を示す。図より、Fc領域が結合には使用できないペンタマーであるIgMもMEL-Aと相互作用して、その結合定数は、Ka = 4.6×107 (M-1)となることが分かった。また、他の抗体であるIgA、IgE、IgY、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2bなどもMEL-Aと結合した。
(実施例3)
実施例2から、抗体とMEL-Aの結合は、Fc領域を介在しないことが示唆されたため、結合部位を表面プラズモン共鳴装置(SPR)によって決定した。結合部位の決定には、IgGの各種フラグメントである、ICN Pharmaceuticals Inc. 社製のF(ab’)2、Fab、Fcを用いた。図5には、平衡状態における各種フラグメントのMEL-Aに対する結合量を示した。図より明らかなように、MEL-AにFcフラグメントはほとんど結合せずに、F(ab’)2フラグメントが結合することが分かった。このことから、MEL-Aと抗体はF(ab’)2部位を介在して結合することが確認された。
(実施例4)
実施例1で得られた30mM水性二層系1mLにIgG、IgM、IgA、IgY等の20nMの各種タンパク質を1mL混合して、1時間常温にてインキュベートした。上層の各種タンパク質濃度をビシコニン酸法を用いて定量することによって、下層へのタンパク質の分離または濃縮効率を検討した。その結果を図6に示す。図より明らかなように、HASはほとんど下層に存在しないのに対して、添加したタンパク質のほとんどは下層に移行し、その総量のうち75乃至91%を分離または濃縮させることが可能であった。なお、Promega社製のプラスミドDNApGL3(商品名)を用いた場合も、40%程度の効率が得られた。また、MEL−Aの代わりに、ラムノースリピド系化合物としてRL−4、ソフォロースリピド系化合物としてSL−5、トレハロースリピド系化合物としてTL−1(m20=14、n20=16のもの)、セロビオースリピド系化合物としてCL−C(R221がOHで、X=4のもの)、グルコシドリピド系化合物としてドデシル−β−D−グルコシド(GL−1)、マンノシド系リピド化合物としてドデシル−β−D−マンノシド(ML−1)、または、アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物としてドデシル−N−メチルグルカミドを用いて、それぞれ実施例と同様の操作を行ったところ、実施例と同様、水相二層系を調製できた。なお、これらの糖脂質は、北本大、“オレオサイエンス”、1(1)、17−31(2001)記載の方法によって微生物培養液より調製した。また、実施例と同様に、各種のタンパク質を分離または濃縮することが可能であった。
実施例(1)にて調製した水性二層系の目視観察結果を示す写真、およびその解説図である。 IgG及びHSAとMEL-Aとの結合をSPRによって検討したグラフである。 MEL-Aに対するIgG及びHSAの結合量とIgG及びHSA濃度との関係を示すグラフである。 MEL-Aに対するIgMの結合量とIgM濃度との関係を示すグラフである。 抗体の各種フラグメントのMEL-Aに対する結合量を示すグラフである。 MEL−Aを使用した水性二層分離法において、各種抗体の分離または濃縮効率を示すグラフである。

Claims (21)

  1. アフィニティーリガンドとして、糖脂質を使用することを特徴とするタンパク質の分離または濃縮方法。
  2. 糖脂質の水性二層系を用いることを特徴とする、請求項1記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
  3. 前記糖脂質が下記一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式1中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m1−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。m1は0〜8の整数を示す。またn1は0〜10の整数を示す。(ただし、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18の全てが水素原子である場合を除く。)
  4. 前記マンノシドリピド系化合物が、下記一般式2で表される化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式2中、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。また、m2は0〜8の整数を示す。(ただし、R21、R22、R23、R24およびR25の全てが水素原子である場合を除く。)
  5. 前記糖脂質が下記一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式3中、R33およびR34は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m3およびn3は、それぞれ1〜30の整数である。
    上記一般式4中、R41およびR42は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m4は1〜30の整数である。
    上記一般式5中、n5は1〜30の整数である。
  6. 前記糖脂質が下記一般式6または7で表されるソフォロースリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式6中、R61およびR62は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m6は1〜30の整数を示す。
    上記一般式7中、R71およびR72は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、R73は水素原子、または飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示し、m7は1〜30の整数を示す。
  7. 前記糖脂質が下記一般式8で表されるトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式8中、R81およびR82は、水素原子、下記一般式9で表される基、または下記一般式10で表される基を示す。ただし、R81及びR82がともに水素原子である場合を除く。
    上記一般式9中、m9≧14、n9≧13、m9+n9=1〜50である。また、一般式9で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
    上記一般式10中、m10≧14、n10≧13、m10+n10=1〜50である。また、一般式10で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
  8. 前記糖脂質が下記一般式11で表されるサクシノイルトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式11中、R111、R112、R113およびR114は、それぞれ水素原子または脂肪族アシル基を示し、かつR111、R112、R113およびR114のうち少なくとも1つはサクシノイル基である。
  9. 前記糖脂質が下記一般式12で表されるセロビオースリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式12中、R121は水素原子またはOHを示し、R122、R123およびR124は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式13で表される基を示し、m12は1〜30の整数を示す。
    上記一般式13中、n13は1〜30の整数を示す。
  10. 前記糖脂質が下記一般式14で表されるグルコシドリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式14中、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m14−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m14は0〜8の整数を示し、n14は0〜10の整数を示す。(ただし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148の全てが水素原子である場合を除く。)
  11. 前記糖脂質が下記一般式15で表されるアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
    上記一般式15中、R151は飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示す。
  12. 前記糖脂質が、糖脂質系バイオサーファクタント化合物であることを特徴とする、請求項1〜11記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
  13. 塩を添加することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
  14. 分離または濃縮されるタンパク質が、IgG、IgM、IgA、IgE、またはIgY、であることを特徴とする、請求項1〜13記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
  15. 分離または濃縮されるタンパク質が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、またはIgG2b
    であることを特徴とする、請求項1〜13に記載のタンパク質の分離または濃縮方法。
  16. 請求項1〜15記載のタンパク質の分離または濃縮方法によって得られたタンパク質を含むことを特徴とする医薬品又は食品。
  17. 糖脂質からなる、タンパク質の分離または濃縮用アフィニティーリガンド。
  18. タンパク質の分離または濃縮が、水性二層分離法によるものである請求項17に記載のリガンド。
  19. 糖脂質が、請求項3〜12のいずれか記載の化合物であることを特徴とする、請求項17又は18に記載のリガンド。
  20. 分離または濃縮されるタンパク質が、IgG、IgM、IgA、IgE、またはIgYであることを特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載のリガンド。
  21. 分離または濃縮されるタンパク質が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、またはIgG2bであることを特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載のリガンド。
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