JP2006215241A - 感光性平版印刷版材料及びそれを用いた製版方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、感度、長期保存性に優れかつ現像適性に優れる感光性平版印刷版材料及び製版方法を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に分光増感剤、光重合開始剤、重合可能な化合物、および高分子結合材を含有する感光層を設けて成る感光性平版印刷版材料において、当該分光増感剤が下記一般式(1)で表される化学構造を有する化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【化1】
Figure 2006215241

【化2】
Figure 2006215241

【選択図】 なし

Description

本発明はいわゆるコンピュータートゥプレート(computer−to−plate:以下において、CTPという。)システムに用いられる感光性平版印刷版材料に関し、特に波長350〜450nmのレーザー光での露光に適した感光性平版印刷版材料及びそれを用いた製版方法に関する。
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接感光性平版印刷版に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
これらのうち、比較的高い耐刷力を要求される印刷の分野においては、重合可能な化合物を含む重合型の感光層を有するネガ型の感光性平版印刷版材料を用いることが知られている(例えば特許文献1、2参照。)。
重合型の感光層に用いられる光源としては、Arレーザー(488nm)やYD−YAG(532nm)のような光源が知られているが、これらの光源を用いた製版においては出力が十分高くないことなどから製版工程の生産性を上げるには不充分であり、セーフライトの使用の面から作業性が不充分であった。
一方、近年高出力かつ小型の短波光(波長350〜450nm)の範囲で連続発信可能なレーザーが容易に入手できるようになっている。
そして、上記の生産性、セーフライト性などを改善するため、これらの短波光のレーザーに適する印刷版材料が開発されている。
これらの短波光のレーザーに適する印刷版材料として、例えば特定のカルボニル化合物とチタノセン化合物を含む350〜450nmの波長のレーザーに適する感光層を有する印刷版材料(特許文献3参照)、特定の分光増感剤とラジカル発生剤を含む450〜550nmの波長のレーザーに適する感光層を有する印刷版材料(特許文献4参照)、特定のスチリル化合物や特定の蛍光増白剤を含む350〜450nmの波長のレーザーに適した感光層を有する印刷版材料(特許文献5及び6参照)が知られてる。
しかしながら、これらの印刷版材料において、まだ感度、長期保存性、現像適正が不充分である等の問題があった。
特開平1−105238号公報 特開平2−127404号公報 特開2000−98605号公報 特開2003−206307号公報 特開2003−221517号公報 特開2003−295426号公報
本発明の目的は、発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、感度、長期保存性に優れかつ現像適性に優れる感光性平版印刷版材料及びそれを用いた製版方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
(請求項1)
支持体上に分光増感剤、重合開始剤、重合可能な化合物、および高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、当該分光増感剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
Figure 2006215241
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基を表す。R2は、炭素数2〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、かつR1と異なる置換基を表す。L1は下記連結基A群から選ばれる2価の連結基を表す。)
Figure 2006215241
(上記連結基の化学構造式中、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。L2は下記連結基B群から選ばれる2価の連結基を表す。記号(*)は連結部位を表す。)
Figure 2006215241
(上記連結基の化学構造式中、R5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。記号(*)は、連結部位を表す。)
(請求項2)
前記一般式(1)中のR2が炭素数2〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項3)
前記一般式(1)中のR2が炭素数2〜6のアルキル基であり、かつ連結基L1が前記化学構造(c)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項4)
前記重合可能な化合物が前記重合開始剤から発生するラジカル種を契機として重合し得る化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項5)
前記重合開始剤が、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項6)
前記重合可能な化合物がエチレン性二重結合含有化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項7)
前記感光層がメルカプト化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
(請求項8)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料をレーザー光により画像露光し、アルカリ性現像液で現像処理することを特徴とする感光性平版印刷版材料を用いた製版方法。
本発明により、発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、感度、長期保存性に優れかつ現像適性に優れる感光性平版印刷版材料及びそれを用いた製版方法が提供できる。
本発明は、支持体上に分光増感剤、光重合開始剤、重合可能な化合物、および高分子結合剤を含有する感光層を設けて成る感光性平版印刷版材料において、前記分光増感剤が上記一般式(1)で表される化学構造を有する化合物であることを特徴とする。
本発明では、感光層が、上記一般式(1)で表される分光増感剤を含有する構成とすることにより、感度、長期保存後の感度変動防止性に優れかつ現像適性に優れる感光性平版印刷版材料及びそれを用いた製版方法を提供することができる。
以下、本発明の構成要素について順次説明する。
(分光増感剤)
本発明に係る分光増感剤は、画像露光に対する重合開始剤の感度を高めるものであり、本発明においては、当該分光増感剤として、一般式(1)で表される化合物が本発明に係る感光性平版印刷版材料の感光層に含有される。
一般式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基を表す。なお、当該アルキル基及びアリール基は、置換基を有しても良い。
2は、炭素数2〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、かつR1と異なる置換基を表す。なお、当該アルキル基等はそれら自身置換基を有しても良い。
1は上記連結基A群から選ばれる2価の連結基を表す。記号(*)は、連結部位を表す。また、当該連結基の化学構造式中、R3及びR4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。なお、アルキル基及びアルコキシ基はそれら自身置換基を有しても良い。
2は上記連結基B群から選ばれる2価の連結基を表す。上記連結基の化学構造式中、R5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。記号(*)は、連結部位を表す。
なお、R1がアルキル基である場合の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。特に、好ましいのは、メチル基及びエチル基である。R1がアリール基である場合の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
2がアルキル基である場合の好ましい具体例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。R2がアルケニル基である場合の好ましい具体例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。R2がアリール基である場合の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
3、R4及びR5がアルキル基である場合の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。R3、R4及びR5がアルコキシ基である場合の好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
1は、部分構造式(a)〜(n)で表される2価の連結基である。これらのうち、特に、好ましい例は、部分構造式(c)で表される2価の連結基である。
2は、部分構造式(o)〜(w)で表される2価の連結基である。これらのうち、特に、好ましい例は、部分構造式(o)、(p)、(r)で表される2価の連結基である。
本発明に係る分光増感剤としては、記録光源の発光波長領域の波長の光を吸収する化合物が好ましい。具体的には、350nmから450nmに吸収極大を有する化合物が好ましく、350から410nmに吸収極大を有する化合物がさらに好ましい。
以下、本発明に係る分光増感剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006215241
Figure 2006215241
Figure 2006215241
Figure 2006215241
本発明においては、上記の一般式(1)で表される分光増感剤のほかに、化学構造の異なる分光増感剤を併用することもできる。併用できる分光増感剤の具体例としては、特開2003−295426号公報記載の光学増白剤類、特開2003−21901号公報の分光増感剤、特開2003−21895号公報の一般式(I)で表される構造を有する化合物、特開2003−21894号公報の一般式(I)で表される構造を有する化合物、特開2002−351072号公報の特定構造を有する分光増感剤、特開2002−351071号公報の特定構造を有する分光増感剤、特開2002−351065号公報の特定構造(ピロロピロール環)を有する分光増感剤、特開2002−268239号公報の分光増感剤、特開2002−268238号公報の分光増感剤、特開2002−268204号公報の分光増感剤、特開2002−221790号公報の一般式(I)で表される構造を有する化合物、特開2002−202598号公報の一般式(I)で表される構造を有する化合物、特開2001−042524号公報のカルバゾール系分光増感剤、特開2000−309724号公報の分光増感剤、特開2000−258910号公報の分光増感剤、特開2000−206690号公報のナフト[1,8−b,c]フラン−5−オン誘導体、特開2000−147763号公報のメロシアニン系色素、特開2000−098605号公報のカルボニル化合物等が挙げられる。
その他、上記の例示分光増感剤のほかに、併用することができる好ましい分光増感剤の例としては、例えばシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、アクリジン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、クマリン誘導体、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合部、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、ケトアルコールボレート錯体等も挙げることが出来る。
本発明に係る分光増感剤の、感光層中の添加量は任意だが、好ましくは、感光層全質量に対し0.1から20質量%の範囲が好ましい。さらに、好ましくは0.8から15質量%である。さらに詳しくは、感光性平版印刷版材料の構成とした際に、使用するレーザ波長での積分球を用いた反射スペクトルの吸光度が、0.2から2.0の範囲である添加量が好ましい。さらに好ましくは、0.3から1.2の吸光度となる添加量である。
また、これらの分光増感剤は、単独で用いても、複数種類を混合し併用しても構わない。
〔重合開始剤〕
重合開始剤は、画像露光により、重合合可能な化合物の重合反応を開始する機能を有するものであり、本発明に係る重合開始剤としては、従来一般的に使用されている種々の重合開始剤を使用することができる。
併用可能な重合開始剤の具体的例としては、特表2002−537419号公報記載のラジカルを生成可能な化合物、特開2001−175006号、特開2002−278057号、特開2003−5363号公報記載の重合開始剤等を用いることができるほか、特開2003−76010号公報記載の、一分子中にカチオン部を二個以上有するオニウム塩、特開2001−133966号公報記載のN−ニトロソアミン系化合物、特開2001−343742号公報記載の熱によりラジカルを発生する化合物、特開2002−6482号公報記載の熱により酸又はラジカルを発生する化合物、特開2002−116539号公報記載のボレート化合物、特開2002−148790号公報記載の熱により酸又はラジカルを発生する化合物、特開2002−207293号公報記載の重合性の不飽和基を有する光又は熱重合開始剤、特開2002−268217号公報記載の2価以上のアニオンを対イオンとして有するオニウム塩、特開2002−328465号記載のの特定構造スルホニルスルホン化合物、特開2002−341519号公報記載の熱によりラジカルを発生する化合物、特開昭59−219307号公報記載の鉄アレーン錯体化合物、特開2003−295426号公報記載のヘキサアリールビスイミダゾール等の化合物も必要に応じて使用できる。
これら、併用可能な重合開始剤として好ましくは、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールヨードニウム化合物、トリハロメチルトリアジン化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、ベンゾイン誘導体、N−フェニルグリシン誘導体等、チタノセン化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、鉄アレーン錯体化合物、等が挙げられる。
チタノセン類の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明に係る重合開始剤として、特に好ましい例としては、ヘキサアリールビスイミダゾール及びその誘導体を挙げることができる。当該ヘキサアリールビスイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)類の製造工程はDE第1470154号明細書に記載されておりそして光重合可能な組成物中でのそれらの使用はEP第24629号明細書、EP第107792号明細書、米国特許第4410621号明細書、EP第215453号明細書およびDE第3211312号明細書に記述されている。
好ましいヘキサアリールビスイミダゾール誘導体は、例えば、2,4,5,2′,4′,5′−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2′,5′−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4′−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ジ−o−トリル−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾールおよび2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾールである。
重合開始剤としての上記ヘキサアリールビスイミダゾール及びその誘導体の感光層中への添加量は、特に制限はないが、好ましくは、感光層の構成成分中、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、特に0.8〜15質量%が好ましい。
その他、併用可能な重合開始剤としては、スルホニウム塩化合物、ヨードミウム塩化合物も挙げることができる。
スルホニウム塩化合物、ヨードミウム塩化合物の具体例としては、特開2001−343742号,特開2002−6482号,特開2002−116539号,特開2002−148790号,特開2002−268217号,特開2002−341519号,特開2003−076010号,特開2003−5363号等の公報に記載されているものが挙げられる。
また、ジアゾ樹脂も光重合開始剤として好ましく含有せしめることができる。好ましいジアゾ樹脂としては、特開平10−31307号公報に記載されているものが挙げられる。
(重合可能な化合物)
重合可能な化合物とは、画像露光による重合開始剤の反応の生成物を契機として重合し得る化合物である。本発明に係る重合可能な化合物としては、本発明に係る前記重合開始剤から生成するラジカル種等との反応を契機として重合反応が開始し得る広範囲の化合物が使用できる。
本発明に係る重合可能な化合物として、好ましく用いられるのは、エチレン性不飽和結合含有化合物であって、重合可能な化合物であり、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類である。
これらの重合可能なエチレン性二重結合含有化合物に特に限定は無いが、好ましいものとして、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
本発明に係る感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
更に、併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。この化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
また本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物を使用することが好ましい。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613号、特開平1−203413号、特開平1−197213号公報に記載の集合可能な化合物等が好ましく用いられる。
さらに本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
ここで言う、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオール等が挙げられるが、これに限定されない。
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これに限定されない。
分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、MH−1からMH−13等の化合物等が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことができる。
また、これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
(多官能オリゴマーの合成例)
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
M−6:トリエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−7:エチレンジアミンテトラエタノール(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(4モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(4モル)の反応生成物
M−8:ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号、特開平2−127404号公報記載の、アクリレートまたはアルキルアクリレートが用いることができる。
(高分子結合剤)
本発明に係る高分子結合剤は、感光層に含まれる各成分を保持する機能を有するものである。
高分子結合剤としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。また、これらを2種以上併用してもかまわない。
これらの中でも特にアルカリ可溶性高分子化合物が好ましく用いられる。
ここで、アルカリ可溶性高分子化合物とは、酸価を有する高分子化合物であり、具体的には以下の様な各種の構造を有する共重合体を好適に使用することができる。
上記共重合体として、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。これらを2種以上併用してもかまわない。
これらのうちカルボキシ基、水酸基を有する樹脂が好ましく用いられ、特にカルボキシ基を有する樹脂が好ましく用いられる。
これらの樹脂のうちアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体が好ましく用いられる。さらに、共重合体として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステルモノマー、またはアクリル酸アルキルエステルモノマーから得られる共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
さらに、本発明の高分子結合剤は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いることができる。
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
(5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
(6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
(7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
(8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
(9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
(10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
(11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
(12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
(13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
(14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
さらにこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
上記ビニル系重合体は、通常の溶液重合により製造することができる。また、塊状重合または懸濁重合等によっても製造することができる。重合開始剤としては、特に限定されないが、アゾビス系のラジカル発生剤が挙げられ、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。また、これらの重合開始剤の使用量は、共重合体を形成するのに使用されるモノマー全体100質量部に対し、通常0.05〜10.0質量部(好ましくは0.1〜5質量部)である。また、溶液重合を行う際に使用される溶媒としては、ケトン系、エステル系、芳香族系の有機溶媒が挙げられ、なかでもトルエン、酢酸エチル、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等の一般にアクリル系ポリマーの良溶媒が挙げられ、なかでも沸点60〜120℃の溶媒が好ましい。溶液重合の場合、上記溶媒を使用し、反応温度として通常40〜120℃(好ましくは60〜110℃)、反応時間として通常3〜10時間(好ましくは5〜8時間)の条件で行うことができる。反応終了後、溶媒を除去して共重合体を得る。また、溶媒を除去せずに引き続き後記の二重結合の導入反応を行うこともできる。
得られる共重合体の分子量は、使用される溶媒および反応温度を調整することによって調節することができる。目的とする分子量の共重合体を得るために使用される溶媒および反応温度等は、使用されるモノマーによって適宜決定することができる。
また、特定の溶媒を上記溶媒に混合することによっても得られる共重合体の分子量を調節することができる。このような溶媒としては、例えば、メルカプタン系(例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、四塩化炭素系(例えば、四塩化炭素、塩化ブチル、塩化プロピレン等)等が挙げられる。これらの溶媒を上記反応に使用する溶媒に混合する割合は、反応に使用するモノマー、溶媒、反応条件等によって適宜決定することができる。
さらに、本発明に係る高分子結合剤は、側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体であることが好ましい。
例えば、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合剤として好ましい。分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。
また、上記ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させることによって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合剤として好ましい。分子内に不飽和結合とイソシアネート基を共に有する化合物としては、ビニルイソシアネート、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−またはp−イソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネートが好ましく、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。
使用する溶媒としては、上記ビニル系共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのまま脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。ここで、触媒としてはアミン系または塩化アンモニウム系の物質が好ましく、具体的には、アミン系の物質としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ベンジルアミン等が挙げられ、塩化アンモニウム系の物質としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらを触媒として使用する場合、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加すればよい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられ、その使用量は、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜5.0質量%である。なお、なお、反応の進行状況は反応系の酸価を測定し、酸価が0になった時点で反応を停止させればよい。
ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として通常2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。使用する溶媒としては、上記高分子共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのままイソシアネート基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。
また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。ここで、触媒としてはスズ系またはアミン系の物質が好ましく、具体的には、ジブチルスズラウレート、トリエチルアミン等が挙げられる。触媒は使用する二重結合を有する化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加することが好ましい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられ、その使用量は、使用するイソシアネート基含有不飽和化合物に対して、通常0.01〜5.0質量%である。なお、反応の進行状況は反応系のイソシアナト基の有無を赤外吸収スペクトル(IR)で判定し、吸収が無くなった時点で反応を停止させればよい。
上記した側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体は、全高分子結合剤において、50〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
感光層中における高分子結合剤の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
(連鎖移動剤)
連鎖移動剤とは、重合体の重合度を調整する等の目的で重合反応系に添加される化合物であって、連鎖重合反応の過程において、連鎖伝達体の種類を変える機能を有するものである。
本発明に係る連鎖移動剤としては、本発明に係る重合可能な化合物の重合反応を促進乃至制御をするために、EP107792号明細書に記載されているようなラジカル連鎖移動剤が好ましい。好ましいラジカル連鎖移動剤の具体例としては、メルカプト化合物が挙げられる。特に、下記一般式〔RCT〕で表される複素芳香族メルカプト化合物またはメルカプト誘導体化合物を感光層に含有させることが好ましい。
一般式〔RCT〕
Ar−SM
式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは窒素、硫黄、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子から選ばれる少なくとも1個の原子を有する複素芳香環または縮合複素芳香環である。複素芳香環は、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリン環であることが好ましい。また、前記の例示化合物とは異なる化学構造の複素芳香環を有する複素芳香族メルカプト化合物を、本発明に係る連鎖移動剤として、感光層に含有させることも良い。
以下、本発明に係る感光層に添加することのできる各種添加剤、支持体、保護層、感光層用塗布液の支持体への塗布、感光性平版印刷版材料の製版方法等について順次説明する。
(各種添加剤)
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版材料の製造中あるいは保存中において前記重合可能な化合物の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。
適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光増感剤の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
上記の感光波長領域での顔料吸収及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
また、感光層は、本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
また、本発明に係る感光層の感光層塗布液を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
以上感光層塗布液について説明したが、本発明に係わる感光層は、これを用いて支持体上に塗設することにより構成される。
本発明に係る感光層は支持体上の付き量としては、0.1g/m2〜10g/m2が好ましく特に0.5g/m2〜5g/m2が好ましい。
(保護層(酸素遮断層))
本発明に係る感光層の上側には、必要に応じ保護層を設けることが出来る。
この保護層(酸素遮断層)は、後述の現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層との接着性を確保する効果を有する。
上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
本発明の感光性平版印刷版材料に保護層を設ける場合、感光層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては特願平8−161645号に記載されるものが挙げられる。
本発明における剥離力は、保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを感光性平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
保護層を設ける場合その厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
(支持体)
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体またはフィルム体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有するのが好ましい。
本発明に係る支持体として、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が挙げられる。
また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用される。
アルミニウム支持体の場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。又アルミニウム支持体は、保水性付与のため、表面を粗面化したものが用いられる。
アルミニウム支持体を用いる場合、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
(塗布)
上記の感光層塗布液を従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することが出来る。
塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出来る。
感光層の乾燥温度は60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
(画像露光)
本発明の感光性平版印刷版材料に画像記録する光源としては、発光波長が350〜450nmのレーザー光の使用が好ましい。
本発明の感光性平版印刷版を露光する光源としては、例えば、He−Cdレーザー(441nm)、固体レーザーとしてCr:LiSAFとSHG結晶の組合わせ(430nm)、半導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(430nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)、AlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm)等を挙げることができる。
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
尚、本発明においては、10mJ/cm2以上の版面エネルギー(版材上でのエネルギー)で画像露光されることが好ましく、その上限は500mJ/cm2である。より好ましくは10〜300mJ/cm2である。このエネルギー測定には例えばOphirOptronics社製のレーザーパワーメーターPDGDO−3Wを用いることができる。
(現像液)
本発明に係る感光性平版印刷版材料の製版において、画像露光した感光層は露光部が硬化する。したがって、露光した当該平版印刷版材料をアルカリ性現像液で現像処理することにより、未露光部を除去して画像を形成することが好ましい。
この様な製版に適した現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えばケイ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現像液が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、単独又は2種以上組合せて用いられる。また、この現像液には、必要に応じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
アルカリ性現像液は、顆粒状、錠剤等の現像液濃縮物から調製することもできる。
現像液濃縮物は、一旦、現像液にしてから蒸発乾固してもよいが、好ましくは複数の素材を混ぜ合わせる際に水を加えず、又は少量の水を加える方法で素材を混ぜ合わせることで濃縮状態とする方法が好ましい。又、この現像液濃縮物は、特開昭51−61837号、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号、同5−142786号、同6−266062号、同7−13341号公報等に記載される従来よく知られた方法にて、顆粒状、錠剤とすることができる。又、現像液の濃縮物は、素材種や素材配合比等の異なる複数のパートに分けてもよい。
これらの濃縮した現像液濃縮物は、現像前に水で所定の濃度に希釈した後現像に使用するのが好ましい。又、この現像液濃縮液を現像補充液として用いる場合は、所定の濃度に水で希釈した後、使用中の現像液に投入することが最も好ましいが、所定の濃度より濃い濃度や、所定の濃度に希釈せず、そのまま使用中の現像液に投入することも可能である。所定の濃度より濃い濃度や、所定の濃度に希釈せず、そのまま現像液濃縮物を使用中の現像液に投入する際は、同じタイミング又は別のタイミングで、使用中の現像液に直接別途に水を添加してもよい。
現像液濃縮物は、水分の含有量が10質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは1質量%以下である。水分含有量が多いと、水中で現像液成分が分離し、均一性を失ったり、液状になり、取扱いが困難になる等の問題が生じる。現像液に含まれる素材は、通常の感光性平版印刷版の現像液に用いられる成分を使用することができるが、水分が10質量%以下となることで、反応し水希釈しても元に戻らないものや、多量の水を含有する素材や、常温で液状の素材は、含まない方が好ましい。例えば、珪酸塩は水分が低くなると石化し水に溶け難くなるので、珪酸塩の代わりに後述の炭酸塩、燐酸塩、有機酸塩等を含むことが好ましい。特に好ましいのは炭酸塩である。
以下に好ましく用いられる現像液濃縮物の成分について説明する。尚、特に断りない場合、説明は現像液濃縮物と現像補充液濃縮物の両方を意味している。又、現像液と記載されている場合、所定の量に水で希釈した後の現像液又は現像補充液を意味する。
(アルカリ剤)
無機アルカリ剤としては、例えば第3燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等が挙げられる。
又、有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。アルカリ剤の量としては、現像液とした時のpHが9〜13.5の範囲、導電率が2〜40mS/cmの範囲で使用されることが好ましく、更に好ましい範囲としてはpH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmの、更に好ましくは5〜20mS/cmである。現像液のpHが前記範囲を下回ると画像形成が出来なくなり、上回ると過現像になったり、露光部の現像でのダメージが強くなる。導電率が前記範囲を下回ると、通常、アルミニウム板支持体上の感光性組成物の溶出が困難となり、印刷で汚れを伴ってしまう。又、前記範囲を上回ると、塩濃度が高いため感光層の溶出速度が極端に遅くなり、未露光部に残膜が生じる。
現像液濃縮物には、ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤を含有することが特に好ましく、この添加により、未露光部の感光層の溶解促進、露光部への現像液の浸透性の低減が可能となる。ポリオキシアルキレンエーテル基を含有する界面活性剤としては、下記一般式(AO)で表される化合物が好適である。
一般式(AO) R1−O(R2−O)n
式中、R1は、それぞれ置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基又は炭素数4〜15の複素芳香族環基を表す。該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、臭素、塩素、沃素等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。
2は置換基を有してもよい炭素数1〜100のアルキレン基を表し、該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。nは1〜100の整数を表す。
一般式(AO)の(R2−O)nの部分は、上記範囲であれば、2種又は3種の基であってもよい。具体的には、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とi−プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とi−ブチレンオキシ基等の組合せのランダム又はブロック状に連なったものが挙げられる。
ポリオキシアルキレンエーテル基を有する界面活性剤は、単独又は複合系で使用され、現像液中1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%添加することが効果的である。添加量が少ないと現像性の低下が、逆に多すぎると現像のダメージが強くなり、印刷版の耐刷性を低下させてしまう。
更に以下に記載する、その他の界面活性剤を加えてもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホ琥珀酸ナトリウム等のスルホ琥珀酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤である。
これら界面活性剤は、単独もしくは組み合わせて使用することが出来る。又、界面活性剤の現像液中における含有量は、有効成分換算(固形分換算)で0.1〜20質量%が好ましい。
現像液濃縮物には、上記の成分の他に必要に応じて、有機溶剤、キレート剤、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤、消泡剤等の成分を併用することができる。
(現像安定化剤)
現像液濃縮物には、好ましくは種々の現像安定化剤が用いられる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩及びジフェニルヨードニウムクロライド等のヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性剤、特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載される水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機硼素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の質量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報記載ののカチオン性基を有する含弗素界面活性剤、特開平2−39157号の酸又はアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
(有機溶剤)
現像液及び現像補充液には、更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば1−(又は2−)フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、o−(又はm−、p−)メトキシベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−(又は3−、4−)メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミン及びN−フェニルジエタノールアミン等を挙げることができる。
有機溶剤の含有量は、現像液の総質量に対して0.1〜5質量%であるが、実質的に含まれないことが好ましく、全く含まれないことが特に好ましい。ここで実質的に含まれないとは1質量%以下であることを指す。
(還元剤)
現像液濃縮物には必要に応じて還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止するものであり、特に感光性ジアゾニウム塩化合物を含むネガ型感光性平版印刷版を現像する際に有効である。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシン等のフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜燐酸、亜燐酸水素酸、亜燐酸二水素酸、チオ硫酸及び亜ジチオン酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤の内、汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。
これらの還元剤は、使用時の現像液に対して好ましくは0.05〜5質量%の範囲で含有される。
(有機カルボン酸)
現像液濃縮物には必要に応じて更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は、炭素数6〜20の脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。又、炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,3−(又は2,4−、2,5−、2,6−)ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−(又は3−)ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるが、ヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族及び芳香族カルボン酸は、水溶性を高めるためにナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩として用いるのが好ましい。
これら有機カルボン酸の現像液中の含有量に格別な制限はないが、0.1質量%より少ないと効果が十分でなく、又、10質量%より多いと、それ以上の効果の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する際の溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は、使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。
(その他の添加剤)
現像液濃縮物には現像性能を高めるために、前記の他に以下のような添加剤を加えることができる。例えば特開昭58−75152号公報記載のNaCl、KCl、KBr等の中性塩、特開昭59−121336号公報記載の[Co(NH3)]6Cl3等の錯体、特開昭56−142258号公報記載のビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の両性高分子電解質、特開昭59−75255号公報記載のSi、Ti等を含む有機金属界面活性剤、特開昭59−84241号公報記載の有機硼素化合物等が挙げられる。
本発明に係るアルカリ性現像液及びその補充液には、更に必要に応じて防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤及び硬水軟化剤などを含有させることもできる。消泡剤としては、例えば特開平2−244143号公報記載の鉱物油、植物油、アルコール、界面活性剤、シリコーン等が挙げられる。硬水軟化剤としては、例えばポリ燐酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸、メチルイミノ二酢酸、β−アラニン二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸及び1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸などのアミノポリカルボン酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)及び1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩を挙げることができる。
このような硬水軟化剤は、そのキレート化力と使用される硬水の硬度及び硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜け等、画像部への悪影響が出て来る。
(自動現像機)
感光性平版印刷版材料の現像には自動現像機を用いるのが有利である。自動現像機として好ましくは現像浴に自動的に現像補充液を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは一定量を超える現像液は、排出する機構が付与されており、好ましくは現像浴に自動的に水を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは、通版を検知する機構が付与されており、好ましくは通版の検知を基に版の処理面積を推定する機構が付与されており、好ましくは通版の検知及び/又は処理面積の推定を基に補充しようとする補充液及び/又は水の補充量及び/又は補充タイミングを制御する機構が付与されており、好ましくは現像液の温度を制御する機構が付与されており、好ましくは現像液のpH及び/又は電導度を検知する機構が付与されており、好ましくは現像液のpH及び/又は電導度を基に補充しようとする補充液及び/又は水の補充量及び/又は補充タイミングを制御する機構が付与されている。又、現像液濃縮物を一旦、水で希釈・撹拌する機能を有することが好ましい。現像工程後に水洗工程がある場合、使用後の水洗水を現像濃縮物の濃縮液の希釈水として用いることができる。
自動現像機は、現像工程の前に前処理液に版を浸漬させる前処理部を有してもよい。この前処理部は、好ましくは版面に前処理液をスプレーする機構が付与されており、好ましくは前処理液の温度を25〜55℃の任意の温度に制御する機構が付与されており、好ましくは版面をローラー状のブラシにより擦る機構が付与されている。この前処理液としては、水などが用いられる。
(後処理)
アルカリ性現像液で現像処理された平版印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。これらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理が、リンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。
これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とから成る自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を浸漬搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。又、実質的に未使用の後処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
(ガム液)
ガム液は、現像液のアルカリ成分除去のため酸や緩衝剤を添加することが好ましく、その他に親水性高分子化合物、キレート剤、潤滑剤、防腐剤及び可溶化剤等を添加することができる。ガム液に親水性高分子化合物を含む場合は、現像後の版の傷や汚れを防ぐ保護剤としての機能も付加される。
(現像前水洗水)
現像前の洗浄工程等の前処理部で用いる洗浄液(前処理液)は、通常、水であるが、必要に応じて以下の添加剤を加えることができる。
キレート剤としては、金属イオンと配位結合してキレート化合物を形成する化合物を用いる。エチレンジアミン四酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、エチレンジアミン二琥珀酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、トリエチレンテトラミン六酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、ジエチレントリアミン五酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、ニトリロ三酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、ナトリウム塩、ホスホノアルカントリカルボン酸、エチレンジアミン二琥珀酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。これらのキレート剤はカリウム塩及びナトリウム塩の代わりに有機アミン塩を有するものも有効である。キレート剤の添加量は0〜3.0質量%の範囲が適当である。
界面活性剤としては、アニオン、ノニオン、カチオン及び両性の何れの界面活性剤も用いることができるが、アニオン又はノニオン界面活性剤が好ましい。好ましい界面活性剤の種類はオーバーコート層や感光層の組成によって異なり、一般にオーバーコート層素材の溶解促進剤となり、感光層成分の溶解性が小さいものが好ましい。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビチェン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。又、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキエイプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、イエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリイグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が挙げられる。界面活性剤の好ましい添加量は0〜10質量%である。又、界面活性剤に消泡剤を併用することもできる。
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体等がある。
洗浄方法において、現像前洗浄に用いる洗浄液は温度を調節して用いることが好ましく、該温度は10〜60℃の範囲が好ましい。洗浄の方法は、スプレー、ディップ、塗布等公知の処理液供給技術を用いることができ、適宜ブラシや絞りロール、ディップ処理における液中シャワーなどの処理促進手段を用いることができる。
現像前洗浄工程終了後直ちに現像処理を行ってもよく、又、現像前洗浄工程の後に乾燥させてから現像処理を行ってもよい。現像工程の後は、水洗、リンス、ガム引き等、公知の後処理を行うことができる。一度以上使用した現像前水洗水は、現像後の水洗水やリンス液、ガム液に再使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
(バインダーの合成)
(アクリル系共重合体1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、イソプロピルアルコール250部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250部、及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。
その後、イソプロピルアルコールの沸点で1時間還流を行った後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、アクリル系共重合体1を得た。
GPCを用いて測定した質量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
(支持体の作製)厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。
次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。
デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸で75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(平版印刷版試料の作製)上記支持体上に、下記組成の感光層塗工液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、続いて酸素遮断層塗工液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、75℃で1.5分間乾燥し平版印刷版材料実施例1〜4、比較例1を得た。
(感光層塗工液1)
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−1 20.0部
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−2 20.0部
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−3 10.0部
表1記載の分光増感剤 表記載の量
表1記載の重合開始剤 表記載の量
表1記載の連鎖移動剤 表記載の量
アクリル系共重合体1 40.0部
N−フェニルグリシンベンジルエステル 4.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 3.5部
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.2部
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール 1.0部
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート 0.1部
フッ素系界面活性剤(F−178K;大日本インキ社製) 0.5部
メチルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
(酸素遮断層塗工液1)
ポリビニルアルコール(ゴーセノールAL−05:日本合成化学工業(株)製)
85.0部
ポリビニルピロリドン(ルビテックK−30:BASF製) 15.0部
サーフィノール465(エアープロダクツ社製) 0.2部
水 900部
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−1:n−ブチル−ジエタノールアミン(1モル)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(2モル)と、1−メタクリロイルオキシ−3−アクリロイルオキシ−2−プロパノールの反応生成物。
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−2:ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(1モル)と、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物。
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体−3:テトラエチレングリコールジメタクリレート。
(平版印刷版材料の評価)
(感度)
平版印刷版材料に、405nm、60mWの光源を備えたプレートセッター(News:ECRM社製)を用いて、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)で露光を行った。
露光パターンは、100%画像部と、175LPI50%のスクエアードットを使用した。
次いで、105℃に設定されたプレヒート部、酸素遮断層を除去するためのプレ水洗部、下記組成の現像液を充填し、30℃に温度調節された現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)処理部を備えたCTP自動現像機(RaptorPolymer:Glunz&Jensen社製)で現像処理を行い、平版印刷版を得た。平版印刷版の版面に記録された100%画像部において、膜減りが観察されない最低量の露光エネルギー量を記録エネルギーとし、感度の指標とした。記録エネルギーが小さい程高感度であることを表す。
なお、長期保存後の感度の評価は、強制劣化手段として、55℃の恒温槽で3日間保管した平版印刷版材料を用いて、上記のようにして感度を測定することにより行った。結果を表1に示す。
(現像液組成(下記添加剤を含有する水溶液))
Aケイ酸カリ 8.0部
ニューコールB−13SN:日本乳化剤(株)製 3.0部
水 89.0部
苛性カリ pH=12.3となる添加量
(現像適性)
上記組成の現像液1リットルをステンレスバットに取り、30℃に温度調整して、20cm×25cm(0.05m2)に断裁し、温水洗浄で酸素遮断層を除去した平版印刷版原版試料200枚(10m2相当)を処理し、感光層を現像液中に溶解させた。この処理済現像液を、ガラスの密閉容器に入れ、一週間、40℃の恒温槽で保管後、吸引ろ過し、得られた不溶物を、100℃で12時間かけて乾固させ、現像液不溶物の量を測定し、現像適性の指標とした。不溶物量が少ないほど、現像適性が良好であることを表す。結果を表1に示す。
表1から本発明の感光性平版印刷版材料は、感度、特に長期保存後の感度、かつ現像適性に優れていることが分かる。
Figure 2006215241
Figure 2006215241

Claims (8)

  1. 支持体上に分光増感剤、重合開始剤、重合可能な化合物、および高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、当該分光増感剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
    Figure 2006215241
    (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基を表す。R2は、炭素数2〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、かつR1と異なる置換基を表す。L1は下記連結基A群から選ばれる2価の連結基を表す。)
    Figure 2006215241
    (上記連結基の化学構造式中、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。L2は下記連結基B群から選ばれる2価の連結基を表す。記号(*)は連結部位を表す。)
    Figure 2006215241
    (上記連結基の化学構造式中、R5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表す。記号(*)は、連結部位を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のR2が炭素数2〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
  3. 前記一般式(1)中のR2が炭素数2〜6のアルキル基であり、かつ連結基L1が前記化学構造(c)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性平版印刷版材料。
  4. 前記重合可能な化合物が前記重合開始剤から発生するラジカル種を契機として重合し得る化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
  5. 前記重合開始剤が、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
  6. 前記重合可能な化合物がエチレン性二重結合含有化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
  7. 前記感光層がメルカプト化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料をレーザー光により画像露光し、アルカリ性現像液で現像処理することを特徴とする感光性平版印刷版材料を用いた製版方法。
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