JP2006215103A - 立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像濃度を損なうことなく、立体感の良好な立体画像の表示を行うことが可能な立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置を提供する。
【解決手段】視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報が記録された立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、当該微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、前記微小領域を、所定の配置規則に基づいて配置を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置に関し、特に、インテグラルフォトグラフィ方式による立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置に関する。
従来より、立体表示に関して種々の技術が研究されている。この立体表示を可能にする技術として、複数の異なる視差画像を用いて立体画像を再生するインテグラルフォトグラフィ方式(以下、IP方式という)が知られている。このIP方式では、レンチキュラーレンズやフライアレイレンズと称される特殊なレンズを用い、これらのレンズを介して複数の異なる視差画像群(以下、IP画像という)を観察することで該IP画像の立体視を行っている。上述したレンズのかわりに、インクジェットプリンタにより光透過性のシートに複数の微小領域からなるピンホール画像を形成することで作成したピンホールアレイを用いる方法が行われている。また、立体表示に適用可能なレンズに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)
WO 95/09372号公報 特開2003−177356号公報
しかしながら、従来のIP方式では、IP画像により再生される立体画像の画像濃度が不十分となるという問題がある。特にピンホールアレイを用いた場合には、観察される立体画像の明るさが不十分であるため、階調性に富んだ立体画像の表示が行えず、立体感の不足した表示となるという問題がある。
また、レンチキュラーレンズやフライアイレンズを用いた立体画像では、レンズ周縁部に像の歪が生じるため、再生される立体画像が不鮮明となるという問題がある。また、レンズ表面におけて光の乱反射によりテカリが生じるため、立体画像の画像濃度を判別し辛いという問題がある。
また、引用文献1及び2に記載の技術には、当該技術に係るレンズにより再生される立体画像に関する記載はなく、また立体画像の画像濃度及び立体感に関する記載もないため、上述した問題を解決することはできない。
本発明の課題は、画像濃度を損なうことなく、立体感の良好な立体画像の表示を行うことが可能な立体画像表示パネル及び製造方法、並びに、立体画像表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報が記録された立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、当該微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、鋭角、或いは鈍角となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、60度となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記微小領域の中心点から、隣接する他の微小領域の中心点までの距離が、前記微小領域が有する開口部の直径の1.3倍以内となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記微小領域が最密充填配置されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
前記微小領域は、非球面レンズであって、
微小領域アレイは、複数の前記非球面レンズからなるフライアイレンズであることを特徴としている。
更に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域は、前記立体画像表示手段に記録された画像情報に応じて配置されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6の何れか一項に記載の立体画像表示パネルと、
前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
を備えたことを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体表示用画像と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体表示用画像を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルおいて、
前記微小領域は、外部から印加される電源に応じた屈折率の順次的変化によりレンズ効果を奏することが可能なセルフフォーカシングレンズであって、
前記微小領域アレイは、複数の前記セルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、
請求項8に記載の立体画像表示パネルと、
前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
前記立体画像表示パネルに含まれる微小領域アレイに印加する電源を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記立体画像表示パネルの立体表示用画像に記録された画像情報の特性に応じて印加する電源を調整することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、鋭角、或いは鈍角となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、
前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、60度となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、
前記微小領域の中心点から、隣接する他の微小領域の中心点までの距離が、前記微小領域が有する開口部の直径の1.3倍以内となるよう配置されていることを特徴としている。
更に、請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、
前記微小領域が最密充填配置されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
前記微小領域は、非球面レンズであって、
微小領域アレイは、複数の前記非球面レンズからなるフライアイレンズであることを特徴としている。
更に、請求項15に記載の発明は、請求項10〜14の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域は、前記立体画像表示手段に記録された画像情報に応じて配置されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
前記微小領域は、外部から印加される電源に応じた屈折率の順次的変化によりレンズ効果を奏することが可能なセルフフォーカシングレンズであって、
前記微小領域アレイは、複数の前記セルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイであることを特徴としている。
本発明によれば、画像濃度を損なうことなく、立体感の良好な立体画像の表示を行うことができる。即ち、視認性に優れた立体画像を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されないものとする。
まず、図1を参照して、立体画像表示用画像を生成する方法を説明する。
立体画像表示用画像となる元画(入力)としては、三次元非接触型実写、3DCG形状若しくはCADの如き3Dデータ、又はデジタルカメラによる実写等が挙げられる。
ここで、「立体画像表示用画像」とは、静止画像の複数画像であって、観察者が移動することにより擬似動画に見える場合のように、擬似動画を得るための立体画像表示用画像、及び複数コマによる擬似動画観察をも可能な立体画像表示用画像を含む。以下、立体画像表示用画像をIP画像という。
IP画像とするための画像処理(IP画像処理)としては、市販ソフトであるShade、maya、3dstudioMAXの如き3DCGソフトや、CADソフトを用いることができ、図1に矢印で示す元画(入力)の各々に対応したソフトによるIP画像処理が行なわれることによって、IP画像が生成される。このIP画像は、TD(透過型)若しくはSG(反射型)の如きいわゆるラムダと、ポジフィルムの如きLVT等から成る銀塩用画像が得られる。この得られたIP画像を3D表示化する(3D表示化工程)には微小領域アレイが用いられ、銀塩写真技術や印刷技術によるピンホールアレイやフライアイレンズが利用される。
入力工程10の入力手段としては、デジタルカメラによる実写、三次元非接触型実写、CADや3DCG形状の3Dデータ入力等が挙げられる。
多視点画像データ化工程11には、shade、maya、3dstudioMAX等の3DCGソフトが使用される。
IP画像処理工程12では、図2の模式図に示すような処理が行なわれる。図2は、図1で説明したIP立体画像を得るためのIP画像の生成を説明する図であって、1視点が180×180画素からなる視差画像を、縦32視点×横32視点=1024視点分集め、この視差画像群210を一つのピンホールやレンズから観察される各視点に対応する位置にそれぞれ画像情報として配置することで、一枚のIP画像21が生成される例を示している。
IP画像を生成する方法は、特有のコンピュータプログラムによるレイトレーシングによる方法でもよいが、市販のCGアプリケーションを用いる方法等、公知の技術を採用できる。特に、本発明においては、IP画像が、該画像データ生成工程で3DCGソフトによる視点違いの複数レンダリング画像を用いてあること、または、IP画像が、該画像データ生成工程でCADソフトによる視点違いの複数レンダリング画像を用いていることができる。
前述のごとく生成した複数の視点違いのレンダリング画像群を、任意の方法により合成および再配置してIP画像とすることができる。
次に、IP画像処理工程12で生成されたIP画像を、所定の出力材料に出力するIP画像出力工程13が行われる。
このIP画像出力工程13で使用される出力材料としては、銀塩の(透過)観察用感光材料(観察用感光材料はプラスチックフィルム支持体(好ましくは透過型支持体)上に画像形成したものであり、例えば、インクジェット、印刷等を用いることができる。
カラー材料としては、次のものが包含される。
先ず、ハロゲン化銀カラー写真感光材料が挙げられる。この感光材料としては光透過性支持体、もしくは反射支持体の上に互いに吸収波長領域の異なる少なくとも3種の感光性層を有するものであれば、公知のいずれのものであってもよいが、光透過性支持体上に画像形成される透過光観察型のハロゲン化銀カラー写真感光材料であることが好ましい。
また、本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料は、撮影用のカラーネガフィルム、カラーポジフィルムであってもよく、プリント用の印画紙やディスプレイ用の透過印画フィルムのいずれであってもよい。本発明の用いることの出来るハロゲン化銀感光材料の好ましい様態の一つは、大判サイズのカラーポジフィルムである。また別の様態は、透過型ディスプレイ作成用のカラーフィルムであり、特にデジタル露光に適したディスプレイフィルムが好ましい。
本発明に用いることができるハロゲン化銀乳剤の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等の任意のハロゲン組成を有するものであってもよい。
例えば、撮影用感材に主に用いられる沃臭化銀乳剤であっても良い。また、プリント用感材に用いられる塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀乳剤であっても良く、特に高照度露光適正を高めたデジタル露光に最適な乳剤である場合が好ましい。
前述に限らず、本発明に用いられるカラー材料としては、色素又は色素前駆体を有する記録材料であれば、公知のいずれのものでもよい。例えば、簡易等ライ処理により、アゾメチン色素による高画質の色画像を得ることのできる光記録材料を挙げることができ、具体的には、特定構造のアゾメチン色素の色素前駆体を内包するマイクロカプセルと、光重合開始剤および重合性求電子剤を含む油滴とバインダーを含む感光層を透明支持体上に設けた光記録材料が挙げられる。そして、光重合開始剤がカオチン性色素/アニオン性ホウ素化合物錯体であるものが好ましい例として挙げられる。
この光記録材料による画像形成方法は、透明支持体上に、色素前駆体を内包するマイクロカプセルと、重合性求電子剤および光重合開始剤を含む油滴と、バインダーを含む感光層を有する材料を像様に露光して、露光された光重合開始剤からラジカルを生成せしめ、そのラジカルが重合性求電子剤に付加して重合を開始させ、重合性求電子剤を像様に重合不動化する。その後加熱することにより、未重合の求電子剤と色素前駆体を接触、反応させ色素像を得る。
これに用いられる色素前駆体は種々の化合物を使用できる。具体的には、アゾメチン色素を得る色素前駆体などがある。そして、色素前駆体の油滴内部からのリアクタントの重合によるマイクロカプセル化、酢酸エチルのような揮発性溶媒にオイル相を溶解後に水溶性高分子中に乳化分散することによって得られる油滴、オキシムエステル類、過酸化物、有機イオウ化合物、ハロゲン化物、又はホスフィンオキシド化合物のような直接光分解するような光重合開始剤、求核置換反応または求核付加反応を受ける官能基と重合性基を合わせ持つ化合物である重合性求電子剤等を用いる方法で色素像を得ることができる。上述した色素前駆体などは、例えば、特開2001−13680号に挙げられており、本発明においても採用できる。
この光記録材料は、感光波長が異なる複数の光重合開始剤、および色の異なる複数の色素前駆体を組み合わせ、多色またはフルカラー画像を形成する。例えばそれぞれシアン、マゼンダ、イエローに発色し、感光波長の異なる3つの感光層を積層することにより、フルカラー画像形成用の光記録材料とすることができる。それぞれの層の間に中間層を設けることもでき、その他、保護層、フィルター層等を設けても良い。
露光光源の選択に際しては、光記録材料の感光波長に適した光源を選ぶことは勿論であるが、画像情報が電気信号を経由するかどうか、システム全体の処理速度、コンパクトネス、消費電力等を考慮して選ぶことができる。
画像情報を電気信号で経由して記録する場合には、画像露光装置としては、発光ダイオード、各種レーザーを用いてもよいし、画像表示装置として知られる各種デバイス(CRT、液晶ディスプレイ、エクトロルミネッセンスディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマディスプレイ等)を用いることもできる。この場合、画像情報は、ビデオカメラや電子スチルカメラから得られる画像信号、日本テレビジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、原画をスキャナー等で多数の画素に分割して得た画像信号、磁気テープ、ディスク等の記録材料に蓄えられた画像信号が利用できる。
カラー画像の露光に際しては、LED、レーザー、蛍光管等を光記録材料の感色性に合わせて組み合わせて用いるが、同じものを複数組み合わせて用いてもよいし、別種のものを組み合わせて用いてもよい。光記録材料の感色性は写真分野ではR(赤)、G(緑)、B(青)感色性が通常であるが、近年はUV、IR等を組み合わせて用いることも多く、光源の利用範囲が広がってきている。例えば光記録材料の感色性が(G、R、IR)であったり、(R、IR(短波)、IR(長波))、(UV(短波)、UV(中波)、UV(長波))、(UV、B、G)等のスペクトル領域が利用される。光源もLED2色とレーザーの組み合わせ等別種のものを組み合わせてもよい。上記発光管あるいは素子は1色毎に単管あるいは素子を用いて走査露光してもよいし、露光速度を速めるためにアレイになったものを用いてもよい。利用できるアレイとしては、LEDアレイ、液晶シャッターアレイ、磁気光学素子シャッターアレイ等が挙げられる。
また、最近進展が著しい青色光発色ダイオードを用い、緑色光発色ダイオード、赤色光発色ダイオードと組み合わせた光源も用いることができる。
上記画像表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)のようにカラー表示のものとモノクロ表示のものがあるが、モノクロ表示のものをフィルターと組み合わせて数回の露光を行なう方式を採用してもよい。既存の2次元の画像表示装置は、FOTのように1次元化して利用してもよいし1画面を数個に分割して走査と組み合わせて利用してもよい。加熱手段としては、光記録材料の感光層が塗設されていない支持体上の面に発熱体層を設けて加熱してもよい。さらに、熱板、アイロン、熱ローラーを用いたり、熱ローラーとベルトの間に光記録材料をはさんで加熱する方法を用いてもよい。
すなわち該光記録材料を、光記録材料の面積以上の表面積を有する発熱体と接触させて、全面を同時に加熱しても良いし、より小さな表面積の発熱体(熱板、熱ローラー、熱ドラム等)と接触させ、それを走査させて時間を追って全面が加熱されるようにしても良い。また上記のように発熱体と光記録材料とを直接接触する加熱方法以外にも、電磁波、赤外線、熱風等を光記録材料にあてて非接触の状態で加熱することもできる。本発明の画像形成においては、該光記録材料の、感光層を塗設していない支持体上の面から加熱する場合、感光層の塗設してある面の方は直接空気に接触していても良いが、光記録材料からの水分、揮発成分の蒸発を防いだり、熱を逃がさないように保温するために、断熱材等でカバーしても良い。
また加熱は、像様露光後0.1秒以上経過してから加熱する事が好ましい。加熱温度は一般に60℃から250℃、好ましくは80℃〜180℃であり、加熱時間は0.1秒から5分の間である。また、異なる温度で2回以上加熱してもよい。
次に本発明に用いられる感熱記録材料について説明する。
この感熱記録材料は、色素又は色素前駆体を含有する感熱記録材料であれば、公知のいずれのものでもよい。例えば、透明支持体上に電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有する第一の感熱発色層、最大吸収波長が360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第二の感熱発色層、最大吸収波長が400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第三の感熱発色層を順次積層してなる多色感熱記録材料が挙げられ、複数の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を共存させた感熱記録材料を作成し、各電子供与性染料前駆体の発色開始温度が異なることを利用して異なった温度を加えることにより異なった色相の画像を得る試みが提案され、さらに、異なった色相に発色する感熱記録層を2層積層することにより、低温で上層を、高温で上層を、下層の両者を発色させ2色発色の感熱記録材料を得る試みが提案されて、透明支持体上にジアゾニウム塩化合物とカプラーからなる第一の感熱発色層、ポリエーテル化合物を含有する中間層、塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる第二の感熱発色層を積層した多色感熱記録材料が提案されており、塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる感熱発色層を2層積層した2色感熱記録材料において、低温発色層に有機塩基化合物であるグアニジン類を添加しておき、高温発色層の発色時に低温発色層の発色を消色せしめる方法が提案され、さらに、透明支持体上に酸性染料前駆体と有機塩基化合物からなる高温感熱発色層と塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる低温発色層を積層し、高温印字時には下層の有機塩基化合物が上層に拡散して発色体を消色する多色感熱記録材料が提案されている。
直接感熱記録でフルカラー画像を再現する方法の1つとして、感光波長の異なった2種のジアゾニウム塩と各々のジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、塩基染料前駆体と電子受容性化合物を組み合わせた感熱記録層を積層することにより良好な多色画像を再現できる感熱記録材料も知られており、本発明においては、上記いずれも採用可能である。
次に、3D(立体画像)表示化工程14では、複数のピンホールからなるピンホールアレイやフライアイレンズ等の微小領域アレイとIP画像とが、適宜透明支持体等のスペーサーを介して配置され立体画像表示部(立体画像表示パネル)20が作成される。
ここで、微小領域アレイとは、光透過性の複数の微小領域(例えば、ピンホール、レンズ)から構成されるものであって、IP画像を立体的に表示させるための両目視差を生じさせるためのものである。
例えば、微小領域アレイとしてピンホールアレイを用いるような場合、このピンホールアレイの作成は、上述したIP画像出力工程13と同様、光透過性の出力材料に対し、銀塩写真方式、インクジェット方式、印刷方式等により該ピンホールアレイ画像を形成することで作成することができる。なお、このピンホールアレイ画像は、モノクロで形成されることが好ましく、ピンホールアレイである場合、ハロゲン化銀白黒写真感光材料の如き、銀塩モノクロ、印刷モノクロ、インクジェットモノクロで形成されていてもよいし、公知の方式のいずれであってもよい。
ハロゲン化銀白黒写真感光材料としては、次のものが包含される。
感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のものを用いることができ、例えば、ネガ型ハロゲン化銀乳剤として60モル%以上の塩化銀を含む塩臭化銀またはポジ型ハロゲン化銀として60モル%以上の臭化銀を含む塩臭化銀、臭化銀、沃臭化銀である。ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得られたものでもよい。ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子であってもよく、潜像が主として表面に形成されるような粒子であっても、また主として粒子内部に形成されるような粒子でもよい。さらにあらかじめ表面をかぶらせた粒子であってもよい。
また、微小領域アレイとして、フライアイレンズを用いるような場合、各微小領域に対応するレンズは、非球面であることが好ましい。各レンズを非球面とすることにより、該レンズにより生ずる収差を抑えることができるため、レンズ周縁部における画像の歪を防止することが可能であり、立体画像の再現性を向上させることができる。
また、微小領域アレイとして、印加される電力値に応じて屈折率を選択的に変更可能ないわゆる、セルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイを用いることとしてもよい。このセルフフォーカシングレンズを実現する手段としては、例えば、光透過性の液晶層に、印加される電力値により配向方向を変更することが可能なネマチック物質等の電気化学物質を含ませ、この液晶層中における位置に応じて前記配向方向を順次的に変化させることでレンズ的効果を実現することができる。
以下、セルフフォーカシングレンズの構成について説明する。
図3は、セルフフォーカシングレンズ40の概略構成を示す図である。
図3(a)に示すように、セルフフォーカシングレンズ40は、第1透明基板41と、前記透明基板上に形成された下部電極42と、前記下部電極上に形成された液晶層43と、液晶層43上に形成された上部電極44及び前記上部電極上に形成された第2透明基板45を有して構成されている。
下部電極42及び上部電極44はライン状に交差形成され、下部電極42及び上部電極44の幅はIP画像に応じて決まる。これにより、液晶層43の電源印加部分がIP画像に応じて調節可能になる。
ここで不図示の外部電源供給部により電源が印加されると、下部電極42及び上部電極44を介して前記液晶層に電源が印加される。この時、下部電極42への印加電源の大きさを異にする。これは上部電極44の場合にも同様である。上部電極44及び下部電極42への印加電源の大きさを異にすれば、液晶層43の各部位ごとへの印加電源の大きさが異なってくる。よって、液晶層43の電気光学物質の配向方向が各部位ごとに異なってくる。
図3(b)は、このように上部電極44及び下部電極42への印加電源を異にする場合に液晶層43の配向方向が変わる例を示している。これを参照すれば、3hは電源を印加しなかった部位であり、この時には当該部位を透過する光量が極めて小である。そして、3a及び3oは前記電気光学物質の配向方向の変化が最も多く得られる大きさの電源を印加したものであり、垂直方向に変わった。この場合には、当該部位を透過する光量が最も多い。すなわち、前記電源の印加により前記液晶層の各部位ごとに光透過量が異なることになる。このような原理に基づき、液晶層の3a領域から3o領域までを一つのレンズとすることができる。
上述したセルフフォーカシングレンズは、そのレンズ表面が平滑であることから、フライアイレンズやレンチキュラーレンズに比べて表面の光乱反射によるテカリを抑えることが可能である。従って、当該セルフフォーカシングレンズを介して観察される立体画像の画像濃度を精度よく提供することができる。
ここで、立体画像の画像濃度とは、該立体画像として再生された画像の色の濃淡を意味しており、具体的には、再生された立体画像中の最も淡い色と、最も濃い色の濃度差を意味する。
本発明に用いられる微小領域アレイの各微小領域は、所定の配置規則に基づいて配置することが好ましく、具体的には、図4(a)に示すように、微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が鈍角(100度)、或いは図4(b)に示すように、微小領域とがなす角度が鋭角(60度)となるよう配置することが好ましい。なおここで、隣接する微小領域とは、特定の微小領域に対し、最も隣接した微小領域を意味し、各微小領域の中心点を結ぶ線分がなす角度を配置の際の基準角度としている。また、鋭角とは90度より小さな角度であり、鈍角とは90度より大きく180度より小さな角度を意味している。
また、微小領域の中心点から、隣接する他の微小領域の中心点までの距離が、微小領域が有する開口部の直径の1.3倍以内となるよう配置されることが好ましい。例えば、図4(c)に示すように、微小領域の中心点から、当該微小領域が有する開口部の直径の1.2倍の位置に隣接する他の微小領域の中心点が配置されることが好ましい。
また、図5(a)に示すように、各微小領域間の間隔が占める面積が最小となるよう、最密充填配置されることが好ましく、例えば、図5(b)、(c)に示すように、微小領域間の間隙を充填するため、該間隙に応じた微小領域を配置することとしてもよい。
なお、微小領域アレイの作成において各微小領域の配置規則は、該微小領域に対応する画像情報の特性に応じて変更することが好ましい。ここで、画像情報の特性とは、上述したIP画像上の画像情報が有する各視点画像の視点数、解像度等を意味する。例えば、図9に示したIP画像上の画像領域A1の特性が、他の画像領域と異なるような場合、当該画像領域A1に対応する各微小領域の配置規則を、他の画像領域に対応する微小領域の配置規則と異ならしめることとしてもよい。また、微小領域の大きさ、形状、配置パターンは上記図示例に限らず、任意に設定可能であるものとする。
本発明においては、微小領域アレイとIP画像とは、同一の透明支持体(着色透明支持体を含む。以下同じ。)上に形成されていてもよいし、別個独立の透明支持体の表・裏面上に相対向して設けられていてもよい。前者の場合、立体画像の観察に際し、両者を積層する必要があり、この場合、両者の距離が離開するように支持体の微小領域アレイ・IP画像のない方同志を積層することが好ましい。一方、後者の場合、両者の距離が離開するように透明支持体としては、肉厚1mm〜10mm、特に2mm〜5mmのものが好ましい。
前者の例に用いる透明支持体についても、上記離開距離がとれるような厚みの透明支持体の組み合わせが用いられる。
この前者の例の場合、本発明の好ましいピンホールアレイとIP画像は、前記同種のハロゲン化銀白黒写真感光材料によって形成されていてもよいし、異種の感光材料によって形成(例えば、ピンホールアレイが液晶ピンホールアレイから成り、IP画像がハロゲン化銀白黒写真感光材料から成る等。)されていてもよい。
前記後者の例の場合、同種のハロゲン化銀白黒写真感光材料によって形成されていることが好ましく、例えば、上記肉厚を有する透明支持体の表面側にピンホールアレイ形成用のハロゲン化銀感光層が塗設され、裏面側にIP画像形成用のハロゲン化銀感光層が塗設されているものが用いられる。
この場合ピンホールアレイの形成とIP画像の形成とは、この画像形成と演算処理とがパラレルに進行できる利点がある。
本発明における透明支持体として、伸縮性を有した透明支持体を用いることとしてもよく、この場合、ピンホール等の微小領域アレイと、IP画像を設置したものを、画像を取り付ける相手の物体の立体面に沿って取り付け、本発明の立体画像再生を立体(曲)面上で行うこととしてもよい。この伸縮性を有した透明支持体として好適なものとしては、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニルのフィルム支持体等が挙げられる。微小領域アレイと、IP画像の相対位置を一致させるために、伸縮性のある透明支持体の片面にピンホール等の微小領域アレイを設け、反対面にIP画像を設けて、その後貼り付け面に応じて伸縮させ、相対位置を保持させるようにすると、伸縮された場合にも立体画像が保持されるためより好ましい。
本発明における透明支持体は、可視光線領域において透過性を有するものであれば特に限定されず、写真業界において公知のものを採用できる。また透明支持体は単層である必要はなく積層体であってもよい。
次に、図6を参照して、上述した入力工程10〜3D表示化工程14で作成された立体画像表示部20を表示する立体画像表示装置1について説明する。
図6に示すように、立体画像表示装置1は、立体画像表示部20を保持する保持部(不図示)と、バックライト(観察光)30等を有して構成されている。
立体画像表示部20の上側透明シート23には微小領域アレイ22が、下側透明シート25にはIP画像21が、それぞれ予め画像形成されている。また、この2枚の透明シートの間隔を一定に保つため、両シートの間に透明支持体24が挿入されている。バックライト30は、立体画像表示部20のIP画像21を照射するため、このIP画像21の下に配置される。
観察者Hは、IP画像21を透過した光(画像光)を、微小領域アレイ22を介して観察することになるが、その際、右目に入射される光が、IP画像21の点Qから出射されたものか、仮想の3次元物体上のSから出射されたものかを区別することができず、また同様に左目に入る光が、IP画像21の点Rから出射されたものか、仮想の3次元物体上のSから出射されたものかを区別することができない。従って、両眼視差により、あたかも点Sに物体があるように見えることになる。
なお、図6において、微小領域アレイ22は、IP画像21とその位置が交換されるよう、立体画像表示部20が保持されることとしてもよい。この場合、観察者Hは、微小領域アレイ22を透過した光を、IP画像21を介して観察することになる。また、バックライト30は、透過光として用いるのではなくでなく、反射光として利用するのであれば、観察者H側にあってもよい。
なお、バックライト30は、下記光源(A)〜(E)を含む白色光源であることが好ましい。
具体的には、
[光源(A)]620nmにおける発光強度を1としたとき365nmにおける発光強度が0.2未満である白色光源。
[光源(B)]620nmにおける発光強度を1としたとき365nmにおける発光強度が0.1未満である白色光源。
[光源(C)]370nmより長波な発光源と、該発光を蛍光材により波長変換した光を含有することで白色を呈する白色光源。
[光源(D)]水銀の紫外部輝線発光を、蛍光材波長変換の発光源としない白色光源。
[光源(E)]前記光源(C)又は光源(D)であって、少なくとも2種以上の波長変換蛍光材を有し、その発光源が400nmより短波である白色光源。
等のいずれであってもよい。
具体的に説明すると、白色光は、光の混色により得られるものであり、発光源である波長450〜550nmのInGaN系の青色LEDが発する青色光と、蛍光体が発する黄色光とを混合したものであり、このような白色LEDに適当な蛍光体としては、例えば、
組成式:(Y,Gd)3(Al,Ga)3O12で示されるYAG系酸化物にCeをドープした蛍光体が最もよく用いられている。この蛍光体は、発光源であるInGaN系の青色LEDチップの表面に薄くコーティングされて白色系に発光する。このような白色光源を本発明に用いてもよい。
また、発光波長が360nm〜550nmの範囲にある発光素子と、希土類元素を賦活させた酸窒化物の蛍光体とを備え、前記発光素子の光の一部は前記蛍光体により波長変換されて放出される白色光源を用いてもよく、前記発光素子の発光波長は、450nm〜550nmの範囲にあって、前記波長変換された光と、前記発光素子の光の他の一部とが混合されて放出されることにより白色系の発光をすることが好ましく、前記酸窒化物は、アルファサイアロンを母体材料とする酸窒化物であることが好ましい。
前記蛍光体は、一般式 MexSi12−(m+n)Al(m+n)OnN16−n:Re1yRe2zで示され、アルファサイアロンに固溶する金属Me(Meは、Li、Ca、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属の一種若しくは2種以上)の一部若しくはすべてが、発光の中心となるランタニド金属Re1(Re1は、Ce、Pr、Eu、Tb、Yb、又はErの一種若しくは二種以上)、又はランタニド金属Re1及び共賦活材としてのランタニド金属Re2(Re2はDy)で置換されて成ることが好ましい。
この構造の白色LEDは、高品位な立体画像色再現性にも優れて好ましい。
本発明に用いられる観察光としての白色光源は、上市されているものもあり、市場からも入手可能であり、例えば、紫外LEDは、豊田合成社のTG Purpleとして知られており、これを用いた白色LEDは、同社から、高輝度白色LED「TG TRUE White Hi」として、上市されており、本発明においては、これらを使用することもできる。
また、本発明においては、観察光としての観察光源が、無機EL(Electronic Luminescent)であること及び/又は立体表示の観察光源が、有機ELであることが好ましく、この無機EL、有機ELとしては公知のものを特別の制限なく用いることができる。
また、本発明においては、IP画像、観察側の透明保護層、バックライト側の透明保護層等の構成部材を有することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を例証する。
<実施例1>
本実施例1において、IP画像を用いた立体画像表示試料(立体画像表示パネル)を以下の様に作製した。
(IP画像の作成)
3DCGデータを用い、株式会社イーフロンティアの3DCGソフトShade6advanceにてサンプル画像となる3D形状データを作成し、カメラ位置を制御して以下のような視点違いのレンダリング画像群(視点画像群)を作成した。
注視点を中心として横方向に32視点分、縦方向に32視点分の等間隔のマトリックス上に存在する合計1024視点の画像パターンから成っており、各視点画像のレンダリング画像サイズは360画素×360画素で形成した。
この画像群を図2で示したように再配置合成して、IP画像データを作成した。
上記のIP画像データを、コダック社製デジタル露光機LVTプリンターにて、ハロゲン化銀カラー写真感光材料である5×7インチの銀塩カラーポジフィルムシートに2032dpiの解像度で露光(出力)し、いわゆるE6処理にて発色現像処理を行った。こうして得られたカラーIP画像をP1とする。なお、P1は、後述する5つのフライアイレンズF1〜F5に対応させるため、同条件下において5枚のIP画像P1を得た。
(フライアイレンズの作成)
210μm厚で75cm正方サイズの透明PETフィルム上に、UV硬化タイプの透明インクを使用してスクリーン印刷法にて、直系2.0mm、焦点距離約5mmの凸レンズ群を作成し、当該レンズ群の配置又は光学特性が異なる3つのフライアイレンズを作成した。各レンズ群は、図7(a)〜(c)に示すよう配置されており、それぞれ作成されたフライアイレンズをF1、F2、F3とする。なお、図7(c)において、3つのレンズに囲まれたレンズは、直径0.4mm、焦点距離約1mmの凸レンズとした。
また、上記同様の方法及び光学特性にて、非球面レンズを用いたレンズ群を作成し当該非球面レンズレンズ群の配置又は光学特性が異なる2つのフライアイレンズを作成した。各非球面レンズ群は、図7(a)、(b)に示すよう配置されており、それぞれ作成されたフライアイレンズをF4、F5とする。
上記した、IP画像P1とフライアイレンズ(図中、微小領域アレイに対応)との関係を図9(a)に示す。同図に示すように、IP画像の各画像情報Mに対応するようフライアイレンズの各レンズ(微小領域)の配置を行った。
(立体画像表示試料の作成)
前述の方法にて得られた5枚のIP画像P1と、5つのフライアイレンズF1〜F5とを、中間に5mm厚のアクリル板を介して張り合わせた。こうして得られた立体画像表示試料をD11〜D15とする。
(バックライトの作成)
豊田合成社製白色LED「TG White Hi」にてバックライトを作成した。
立体画像表示試料
立体画像表示試料D11〜D15のそれぞれにバックライトを組み合わせ、図6に示す構成の立体画像表示装置1を作成した。なお、図6の立体画像表示部20が、立体画像表示試料D11〜D15の各試料に該当することは言うまでもない。
本実施例で用いられたIP画像を、図8に示す。被験者はこのIP画像を5m離れた位置から観察し、該IP画像により再生される立体画像の画像濃度、立体感の評価を行った。以下、IP画像のA1〜A6の各画像領域をそれぞれ、木(A1)〜(A4)、白雲(A5)、青空(A6)という。
立体画像の濃度評価は、下記5段階の評価基準で行った。
5点:木(A1)の濃度が充分に出ており、木(A1)〜(A4)及び白雲(A5)の濃度差が視覚できる。
3点:木(A1)の濃度が不充分で、木(A1)〜(A4)の濃度差が視覚できない。
1点:木(A1)と白雲(A5)の濃度差が小さく画像にめりはりがない。
また、立体画像の立体感評価は、下記5段階の評価基準で行った。
5点:白雲(A5)と木(A4)の細部の立体感が知覚できる。
4点:青空(A6)と白雲(A5)の立体感が知覚できる。
3点:青空(A6)と木(A4)の立体感が知覚できる。
2点:青空(A6)と木(A1)の立体感が知覚できる。
1点:画面全体の立体感を知覚できない。
表1に示した評価結果は、立体画像表示試料D11〜D15に対する、10人の被験者による5段階評価の平均値を示している。
Figure 2006215103
表1から明らかなように、立体画像表示試料D12〜D15では、立体画像濃度及び画像李体感に優れていた。特に、立体画像表示試料D12、D13、D15では、立体画像濃度が優れていおり、立体画像表示試料D14、D15は画像立体感に優れていた。
<実施例2>
本実施例2において、IP画像を用いた立体画像表示試料を以下の様に作製した。
(IP画像の作成)
3DCGデータを用い、株式会社イーフロンティアの3DCGソフトShade6advanceにてサンプル画像となる3D形状データを作成し、カメラ位置を制御して以下のような視点違いのレンダリング画像群(視点画像群)を作成した。
注視点を中心として横方向に32視点分、縦方向に32視点分の等間隔のマトリックス上に存在する合計1024視点の画像パターンから成っており、各視点画像のレンダリング画像サイズは360画素×360画素で形成した。
この画像群を図2で示したように再配置合成して、IP画像データを作成した。
上記のIP画像データを、コダック社製デジタル露光機LVTプリンターにて、ハロゲン化銀カラー写真感光材料である5×7インチの銀塩カラーポジフィルムシートに2032dpiの解像度で露光(出力)し、いわゆるE6処理にて発色現像処理を行った。こうして得られたカラーIP画像をP1とする。
(セルフフォーカシングレンズの構成)
本実施例2では、微小領域アレイとして、上述したセルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイを用いた。なお、各レンズ群は、直系0.4mm、焦点距離約1.0mmの光学特性を有するよう不図示の外部電源供給部から電源の印加を行い、当該レンズ群の配置又は光学特性が異なる3つのセルフフォーカシングレンズアレイを用意した。各レンズ群は、図7(a)〜(c)に示すよう形成されており、それぞれのレンズ群に基づいて形成されたセルフフォーカシングアレイをS1、S2、S3とする。
上記した、IP画像P1とセルフフォーカシングレンズアレイ(図中、微小領域アレイに対応)との関係を図9(a)に示す。同図に示すように、IP画像の各画像情報Mに対応するよう後述する立体画像表示装置1に備えられた不図示の制御部によりセルフフォーカシングレンズアレイに供給する電源の制御を行った。
(立体画像表示試料の作成)
前述の方法にて得られたIP画像P1と、セルフフォーカシングレンズアレイS1とを、中間に5mm厚のアクリル板を介して張り合わせた。こうして得られた立体画像表示試料をD21とする。
(バックライトの作成)
豊田合成社製白色LED「TG White Hi」にてバックライトを作成した。
立体画像表示試料
立体画像表示試料D21にバックライトを組み合わせ、図6に示す構成の立体画像表示装置1を作成した。
本実施例で用いられたIP画像P1を、図8に示す。被験者はこのIP画像P1を5m離れた位置から観察し、該IP画像P1により再生された立体画像の画像濃度及び立体感の評価を行った。なお、立体画像の濃度評価及び立体感評価は、実施例1と同様の評価基準で行った。表2に示した評価結果は、立体画像表示試料D21に対する、10人の被験者による5段階評価の平均値を示している。なお、実験No.1の立体画像表示試料D11は、上記実施例1で用いた立体画像表示試料D11であって、この実験No.1の評価結果を対比のため示している。
Figure 2006215103
表2から明らかなように、立体画像表示試料D21では、立体画像表示試料D11と比較し、立体画像濃度及び画像李体感に優れていた。
<実施例3>
本実施例3において、IP画像を用いた立体画像表示試料を以下の様に作製した。
(IP画像の作成)
3DCGデータを用い、株式会社イーフロンティアの3DCGソフトShade6advanceにてサンプル画像となる3D形状データを作成し、カメラ位置を制御して以下のような視点違いのレンダリング画像群(視点画像群)を作成した。
注視点を中心として横方向に8視点分、縦方向に8視点分の等間隔のマトリックス上に存在する合計64視点の画像パターンから成っており、各視点画像のレンダリング画像サイズは360画素×360画素で形成した。なお、図8に示したIP画像P2の木(A1)に対応する画像領域に関しては、横方向に32視点分、縦方向に32視点分の画像パターンから成り、視点画像のレンダリング画像サイズは360画素×360画素で形成した。
この画像群を図2で示したように再配置合成して、IP画像データを作成した。
上記のIP画像データを、コダック社製デジタル露光機LVTプリンターにて、ハロゲン化銀カラー写真感光材料である5×7インチの銀塩カラーポジフィルムシートに2032dpiの解像度で露光(出力)し、いわゆるE6処理にて発色現像処理を行った。こうして得られたカラーIP画像をP2とする。
(セルフフォーカシングレンズの構成)
本実施例3では、微小領域アレイとして、上述したセルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイを用いた。なお、各レンズ群は、直系0.1mm、焦点距離約1.0mmの光学特性を有するよう不図示の外部電源供給部から電源の印加を行い、当該レンズ群の配置又は光学特性が異なる3つのセルフフォーカシングレンズアレイを用意した。各レンズ群は、図7(a)〜(c)に示すよう形成されており、それぞれのレンズ群に基づいて形成されたセルフフォーカシングアレイをS1、S2、S3とする。ただし、IP画像P2の青空(A6)に対応するレンズ群は、直系0.2mm、焦点距離約1.0mmの光学特性を有するよう不図示の外部電源供給部から電源の印加を行った。
上記した、IP画像P2とセルフフォーカシングレンズアレイとの関係を図9(b)に示す。同図に示すように、同図に示すように、IP画像の各画像情報Mに対応させるとともに、当該IP画像の青空(A6)に対応するセルフフォーカシングレンズアレイのレンズ群の光学特性が、他の領域に対応するレンズ群の光学特性と異なるよう、後述する立体画像表示装置1に備えられた不図示の制御部によりセルフフォーカシングレンズアレイに供給する電源の制御を行った。
(立体画像表示試料の作成)
前述の方法にて得られたIP画像P2と、セルフフォーカシングレンズアレイS11〜S13とを、中間に5mm厚のアクリル板を介して張り合わせた。こうして得られた立体画像表示試料をD31〜D33とする。なお、D31〜D33の観察側最側面及びバックライト側最側面には、それぞれ透明保護層として、300μm厚のTACフィルムを貼り付けた。
(バックライトの作成)
豊田合成社製白色LED「TG White Hi」にてバックライトを作成した。
立体画像表示試料
立体画像表示試料D31〜D33のそれぞれにバックライトを組み合わせ、図1に示す構成の立体画像表示装置1を作成した。なお、図6の立体画像表示部20が、立体画像表示試料D31〜D33の各試料に該当することは言うまでもない。
この様にして作成された立体画像は、青空を示す画像領域(A6)に対し画像領域(A1)〜(A5)の部分の立体感がより強調された画像が得られた。
本発明の立体画像形成方法を示す工程原理図である。 立体表示画像の生成を説明するための図である。 (a)、(b)セルフフォーカシングレンズを説明するための断面図である。 (a)〜(c)微小領域の配置を示す図である。 (a)〜(c)微小領域の配置を示す図である。 立体画像表示装置の概略構成を示す図である。 (a)〜(c)微小領域の配置を示す図である。 立体表示用画像の一例を示す図である。 立体表示用画像と微小領域アレイとの対応関係を示す概略図である。
符号の説明
1 立体画像表示装置
20 立体画像表示部
21 IP画像
22 微小領域アレイ
23 上側透明シート
24 透明支持体
25 下側透明シート
30 バックライト
40 セルフフォーカシングレンズ
41 第1透明基板
42 下部電極
43 液晶層
44 上部電極
45 第2透明基板

Claims (16)

  1. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報が記録された立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、当該微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
    前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、鋭角、或いは鈍角となるよう配置されていることを特徴とする立体画像表示パネル。
  2. 前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、60度となるよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  3. 前記微小領域の中心点から、隣接する他の微小領域の中心点までの距離が、前記微小領域が有する開口部の直径の1.3倍以内となるよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  4. 前記微小領域が最密充填配置されていることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  5. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
    前記微小領域は、非球面レンズであって、
    微小領域アレイは、複数の前記非球面レンズからなるフライアイレンズであることを特徴とする立体画像表示パネル。
  6. 前記微小領域は、前記立体画像表示手段に記録された画像情報に応じて配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の立体画像表示パネルと、
    前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
    を備えたことを特徴とする立体画像表示装置。
  8. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体表示用画像と、前記画像情報に対応して光透過性を有する複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体表示用画像を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルおいて、
    前記微小領域は、外部から印加される電源に応じた屈折率の順次的変化によりレンズ効果を奏することが可能なセルフフォーカシングレンズであって、
    前記微小領域アレイは、複数の前記セルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイであることを特徴とする立体画像表示パネル。
  9. 請求項8に記載の立体画像表示パネルと、
    前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
    前記立体画像表示パネルに含まれる微小領域アレイに印加する電源を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記立体画像表示パネルの立体表示用画像に記録された画像情報の特性に応じて印加する電源を調整することを特徴とする立体画像表示装置。
  10. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
    前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、鋭角、或いは鈍角となるよう配置されていることを特徴とする立体画像表示パネルの製造方法。
  11. 前記微小領域と、当該微小領域に隣接する他の二つの微小領域とがなす角度が、60度となるよう配置されていることを特徴とする請求項10に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  12. 前記微小領域の中心点から、隣接する他の微小領域の中心点までの距離が、前記微小領域が有する開口部の直径の1.3倍以内となるよう配置されていることを特徴とする請求項10に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  13. 前記微小領域が最密充填配置されていることを特徴とする請求項10に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  14. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
    前記微小領域は、非球面レンズであって、
    微小領域アレイは、複数の前記非球面レンズからなるフライアイレンズであることを特徴とする立体画像表示パネルの製造方法。
  15. 前記微小領域は、前記立体画像表示手段に記録された画像情報に応じて配置されていることを特徴とする請求項10〜14の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  16. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を作成するインテグラルフォトグラフィ(IP画像)処理工程と、前記画像情報を記録した立体画像表示部を作成するIP画像出力工程と、光透過性を有する複数の微小領域からなる微小領域アレイを前記画像情報に対応させて配置する立体画像表示化工程と、を含み、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記画像情報を立体的に表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
    前記微小領域は、外部から印加される電源に応じた屈折率の順次的変化によりレンズ効果を奏することが可能なセルフフォーカシングレンズであって、
    前記微小領域アレイは、複数の前記セルフフォーカシングレンズからなるセルフフォーカシングレンズアレイであることを特徴とする立体画像表示パネルの製造方法。
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