JP2006215101A - 立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置 Download PDF

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浩一郎 黒田
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Abstract

【課題】立体表示用画像の特性に応じた画像表現を行うことが可能な立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置を提供する。
【解決手段】視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体表示用画像(IP画像)と、前記画像情報に対応して複数の光透過性の微小領域(ピンホール)が配置された微小領域アレイ(ピンホールアレイ)とを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体表示用画像の立体像を表示させることが可能な立体画像表示部の製造方法において、前記立体表示用画像上の所定の画像領域に対応する前記微小領域の光学特性を、他の微小領域の光学特性と異ならしめる。
【選択図】図4

Description

本発明は、立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置に関し、特に、インテグラルフォトグラフィ方式による立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置に関する。
従来より、立体表示に関して種々の技術が研究されている。この立体表示を可能にする技術として、複数の異なる視差画像を用いて立体像を再生するインテグラルフォトグラフィ方式(以下、IP方式という)が知られている。IP方式では、昆虫の複眼に似た構造のフライアイレンズと称される特殊なレンズ用い、このフライアイレンズを介して複数の異なる視差画像が観察されることで立体視が行われるものであるが、近年、フライアイレンズのかわりに、インクジェットプリンタにより光透過性のシートに複数の微小領域からなるピンホール画像を形成することで作成したピンホールアレイを用いる方法が行われている。
上記したIP方式による立体表示は、裸眼で観察できることから、アミューズメント、広告看板等様々な分野に利用されることが想定される。また、より豊な画像表現を行うために、表示画像に応じて異なる開口面積を有した複数のピンホール又は複数のピンホールパターンを設けた立体像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−85990号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、表示画像に応じて複数のピンホール又は複数のピンホールパターンの開口面積を異ならしめるのみであるため、画像表現がワンパターン化してしまうという可能性がある。また、開口面積を異ならしめる領域に対応する表示画像に関しては、立体表示用画像として特段の特徴を有しておらず、開口面積の異なりだけに依存した画像表現に限られるという問題がある。例えば、立体表示用画像を宣伝広告用途のディスプレイとして用いるような場合、宣伝対象の商品と、その商品名や企業ロゴとでは、表示に求められる画像表現が異なる場合があり、例えば、前者に対しては自然なイメージやデザイン的に強調された立体感が求められ、後者に対しては立体感よりも鮮明さ、高解像が要求されることがある。これらの要求を一つの表示画像内で、意図した通りに実現するためには、表示画像に対応して任意の部分で画像表現を変化させた微小領域アレイの組み合わせを安価に生産性よく提供する製造方法の提案が必要である。
また、引用文献1の装置では、観察者は、ピンホールアレイを通過した照射光が表示画像を通じて観察することとしているため、上述した、表示画像を透過した照射光がピンホールアレイを通じて観察を行う方式に関する記載はない。
本発明の課題は、立体表示用画像の特性に応じた画像表現を行うことが可能な立体画像表示パネル及び立体画像表示パネルの製造方法、並びに、立体画像表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報が記録された立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して複数の光透過性の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報の立体像を表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
前記立体画像表示手段上の所定の画像領域に対応する前記微小領域の光学特性が、他の微小領域の光学特性と異なることを特徴としている。
更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記立体画像表示手段、次いで前記微小領域アレイの順に配置されていることを特徴としている。
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記微小領域アレイ、次いで前記立体画像表示手段の順に配置されていることを特徴としている。
更に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の配置間隔及び/又は配置態様であることを特徴としている。
更に、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の形状であることを特徴としている。
更に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の開口率であることを特徴としている。
更に、請求項7に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の光透過率であることを特徴としている。
更に、請求項8に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、前記画像領域と当該画像領域に対応する微小領域との間の距離であることを特徴としている。
更に、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域は、ピンホールであって、
前記微小領域アレイは、複数の前記ピンホールが配置されたピンホールアレイであることを特徴としている。
更に、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視点画像の数が、他の画像領域含まれる視点画像の数と異なることを特徴としている。
更に、請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視差画像の解像度が、他の画像領域に含まれる視差画像の解像度と異なることを特徴としている。
更に、請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角が、他の画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角と、異なることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、
請求項1〜12の何れか一項に記載の立体画像表示パネルと、
前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
を備えたことを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、
視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して複数の光透過性の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記当該画像領域に記録された画像情報の立体像を表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
前記立体表示用画像上の所定の画像領域に対応する前記微小領域の光学特性を、他の微小領域の光学特性と異ならしめること特徴としている。
更に、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、
前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記立体画像表示手段、次いで前記微小領域アレイの順に配置されることを特徴としている。
更に、請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、
前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記微小領域アレイ、次いで前記立体画像表示手段の順に配置されることを特徴としている。
更に、請求項17に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の配置間隔及び/又は配置態様であることを特徴としている。
更に、請求項18に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の形状であることを特徴としている。
更に、請求項19に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の開口率であることを特徴としている。
更に、請求項20に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の光透過率であることを特徴としている。
更に、請求項21に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域の光学特性は、前記画像領域と当該画像領域に対応する微小領域との間の距離であることを特徴としている。
更に、請求項22に記載の発明は、請求項14〜21の何れか一項に記載の発明において、
前記微小領域は、ピンホールであって、
前記微小領域アレイは、複数の前記ピンホールが配置されたピンホールアレイであることを特徴としている。
更に、請求項23に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視点画像の数が、他の画像領域含まれる視点画像の数と、異なることを特徴としている。
更に、請求項24に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視差画像の解像度が、他の画像領域に含まれる視差画像の解像度と異なることを特徴としている。
更に、請求項25に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、
前記画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角が、他の画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角と、異なることを特徴としている。
請求項1、14に記載の発明によれば、立体表示用画像上の所定の画像領域に対応する微小領域の光学特性が、他の微小領域の光学特性と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項2、15に記載の発明によれば、立体画像表示パネルにおいて、光の到来方向に沿って前記立体画像表示手段、次いで前記微小領域アレイの順に配置されている。これにより、観察者は、立体表示用画像を透過した光を、微小領域アレイを介して観察することで、当該立体表示用画像の立体像の観察することができる。
請求項3、16に記載の発明によれば、立体画像表示パネルにおいて、光の到来方向に沿って前記微小領域アレイ、次いで前記立体画像表示手段の順に配置されている。これにより、観察者は、微小領域アレイを透過した光を、立体表示用画像を介して観察することで、当該立体表示用画像の立体像を観察することができる。
請求項4、17に記載の発明によれば、画像領域に対応する微小領域の配置間隔及び/又は配置形状が、他の画像領域に対応する微小領域の配置間隔及び/又は配置形状と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項5、18に記載の発明によれば、画像領域に対応する微小領域の形状が、他の画像領域に対応する微小領域の形状と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項6、19に記載の発明によれば、画像領域に対応する微小領域の開口率が、他の画像領域に対応する微小領域の開口率と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項7、20に記載の発明によれば、画像領域に対応する微小領域の光透過率が、他の画像領域に対応する微小領域の光透過率と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項8、21に記載の発明によれば、画像領域と当該画像領域に対応する微小領域との間の距離が、他の画像領域と当該他の画像領域に対応する微小領域との間の距離と異なる。これにより、画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項9、22に記載の発明によれば、微小領域は、ピンホールであって、微小領域アレイは、複数の前記ピンホールが配置されたピンホールアレイであるとしている。これにより、微小領域アレイをピンホールアレイにより実現することができる。
請求項10、23に記載の発明によれば、画像領域に記録された画像情報に含まれる視点画像の数が、他の画像領域含まれる視点画像の数と異なる。これにより、視点画像数の異なる画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項11、24に記載の発明によれば、画像領域に記録された画像情報に含まれる視差画像の解像度が、他の画像領域に含まれる視差画像の解像度と異なる。これにより、視差画像の解像度が異なる画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項12、25に記載の発明によれば、画像領域に記録された画像情報により立体表示される立体像の視野角が、他の画像領域に記録された画像情報により立体表示される立体像の視野角と異なる。これにより、画像領域に記録された画像情報により立体表示される立体像の視野角を、他の画像情報により立体表示される立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、立体表示用画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
請求項13の発明によれば、請求項1〜12の何れか一項に記載の画像表示パネルと、前記立体画像表示パネルに光を照射する光源とを備えている。これにより、立体画像表示パネルによる立体像の表示において、様々な画像表現を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されないものとする。
本発明において、立体画像表示用画像を作る方法は、図1に示されている。立体画像表示用画像となる元画(入力)としては、三次元非接触型実写、3DCG形状若しくはCADの如き3Dデータ、又はデジタルカメラによる実写等が挙げられる。
ここで、「立体画像表示用画像」の作成方法の一例としては、インテグラルフォトグラフィ(IP)方式が挙げられ、このIP方式では、想定される観察者の移動視点領域をカバーする画像情報を記録した立体画像表示用画像が用いられる。この方法により両眼視差と同時に移動視差も再現され、特に水平視差に加えて上下方向の視差情報を有することで、観察位置の依存性が少なく、全ての方向の視点移動に対応した立体表示が可能となる。またIP方式とは視差違い画像情報の配列の方式が異なっても、同等な機能を有する立体画像表示用画像であれば良い。表示される立体画像は、静止画像であっても良いし、観察者が移動することにより擬似動画に見える場合のように、擬似動画を得るための立体画像表示用画像、及び複数コマによる擬似動画観察をも可能な立体画像表示用画像を含む。以下、立体画像表示用画像をIP画像という。
このIP画像を作成するためには、複数の視点が異なる2次元画像(以下、視差画像という)が必要となる。入力工程10では、この視差画像群の入力を行う。本入力工程10で入力される視差画像群として、例えば、デジタルカメラ等により撮影された実写画像がある。この場合、被写体となる撮影対象を注視点として、注視点とカメラを結ぶ直線が垂線となるような平面空間上に、一定の間隔で複数のカメラを並べて撮影、あるいはカメラを移動して撮影することにより、注視点を中心とした視差画像群を得ることができる。上記のような実写により視差画像を得た場合、直接IP画像処理工程12にてIP画像を作成できる。
また、入力工程10において立体表示対象を撮影もしくは測定等の方法により該立体表示対象をデータ化して入力し、次の多視点画像レンダリング工程11でCPU等の演算手段により所定のシミュレーション(演算)を行うことにより、視差画像を生成することができる。この場合、入力工程10においてデータの入力に用いられる手段としては、3次元スキャナ等の非接触型の3次元データ入力機器、例えばコニカミノルタ製VIVID9i等を用いることができる。
また、他の方法としては、実写画像による視差画像群に対し画像解析等を施すことにより3次元データを生成する方法が挙げられる。あるいは立体表示対象が商品やロゴ、CGキャラクター等であり、予め3DCADや3DCG等の3次元データが存在する場合には、このデータを直接入力することとしてもよい。
多視点画像レンダリング工程11は、例えば市販の3DCGソフトを利用することができる。好ましく用いることができるソフトとしては、shade、maya、3dstudioMAX等の3DCGソフトが挙げられる。これらの3DCGソフトにて、入力工程10で入力した3次元データをインポートし、得られた形状データを仮想空間内で複数視点から撮影(レンダリング)することで視差画像群得ることができる。これにより、前述したデジタルカメラの実写による視差画像群と同等な、視差画像群を得ることができる。
IP画像処理工程12では、ピンホールやレンズを介して観察した場合に、両眼で違う視点の画像が見えるように視差画像群を再配置して再画像合成することで、IP画像を作成する。この画像処理の方法は公知の方法を含め任意の手段を用いることができる。
図2は、図1で説明した立体画像を得るためのIP画像の生成を説明する図である。同図において、1視点が180×180画素からなる視差画像を、縦32視点×横32視点=1024視点分集め、この視差画像群210を一つのピンホール(やレンズ)から観察される各視点に対応する位置にそれぞれ画像情報として配置することで、一枚のIP画像21が生成される例を示している。
なお、1視点あたりの解像度を示す画素数は、上記例に限定されず、生成を行うIP画像に応じて任意に変更することが可能であるものとし、該IP画像に含まれる所定の画像領域に応じて変更することとしてもよい。例えば、図3において、雲を示す画像領域A1の一視点あたりの解像度を、他の画像領域と異ならしめることができる。
また、視点の数は、上記例に限定されず、生成を行うIP画像に応じて任意に変更することが可能であるものとし、該IP画像に含まれる所定の画像領域に応じて変更することとしてもよい。例えば、図3において、図中左端の木を示す画像領域A2の視点数を、他の画像領域と異ならしめることができる。
次に、IP画像処理工程12で生成されたIP画像を、所定の出力材料に出力するIP画像出力工程13が行われる。
このIP画像出力工程13で使用される出力材料としては、銀塩の(透過)観察用感光材料(観察用感光材料はプラスチックフィルム支持体(好ましくは透過型支持体)上に画像形成したものである。この画像形成方式としては、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、印刷方式等を用いることができるが、高い最高濃度を得ることが可能な濃度階調再現方式である銀塩感光材料を用いた銀塩方式をもちいることがより好ましい。また、インクジェット方式としては、特に溶剤顔料タイプのような高濃度の透過画像を得られるものが好ましい。
銀塩方式で用いるカラー感光材料としては、次のものが挙げられる。
先ず、ハロゲン化銀カラー写真感光材料が挙げられる。この感光材料としては光透過性支持体、もしくは反射支持体の上に互いに吸収波長領域の異なる少なくとも3種の感光性層を有するものであれば、公知のいずれのものであってもよいが、光透過性支持体上に画像形成される透過光観察型のハロゲン化銀カラー写真感光材料であることが好ましい。
また、本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料は、撮影用のカラーネガフィルム、カラーポジフィルムであってもよく、プリント用の印画紙やディスプレイ用の透過印画フィルムのいずれであってもよい。本発明の用いることの出来るハロゲン化銀感光材料の好ましい様態の一つは、大判サイズのカラーポジフィルムである。また別の様態は、透過型ディスプレイ作成用のカラーフィルムであり、特にデジタル露光に適したディスプレイフィルムが好ましく、例えば、コニカミノルタディスプレイフィルムクリアForDIGITALタイプ1を用いることができる。このデジタル露光を行う機器としては、例えば、ダースト社製レーザ露光機ラムダを用いることができる。また、更に高解像度のIP画像が必要な場合には、アナログ的に接写やデュープ露光する方法を組み合わせることが好ましい。
本発明に用いることができるハロゲン化銀乳剤の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等の任意のハロゲン組成を有するものであってもよい。
例えば、撮影用感材に主に用いられる沃臭化銀乳剤であっても良い。また、プリント用感材に用いられる塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀乳剤であっても良く、特に高照度露光適正を高めたデジタル露光に最適な乳剤である場合が好ましい。
前述に限らず、本発明に用いられるカラー材料としては、色素又は色素前駆体を有する記録材料であれば、公知のいずれのものでもよい。例えば、簡易等ライ処理により、アゾメチン色素による高画質の色画像を得ることのできる光記録材料を挙げることができ、具体的には、特定構造のアゾメチン色素の色素前駆体を内包するマイクロカプセルと、光重合開始剤および重合性求電子剤を含む油滴とバインダーを含む感光層を透明支持体上に設けた光記録材料が挙げられる。そして、光重合開始剤がカオチン性色素/アニオン性ホウ素化合物錯体であるものが好ましい例として挙げられる。
この光記録材料による画像形成方法は、透明支持体上に、色素前駆体を内包するマイクロカプセルと、重合性求電子剤および光重合開始剤を含む油滴と、バインダーを含む感光層を有する材料を像様に露光して、露光された光重合開始剤からラジカルを生成せしめ、そのラジカルが重合性求電子剤に付加して重合を開始させ、重合性求電子剤を像様に重合不動化する。その後加熱することにより、未重合の求電子剤と色素前駆体を接触、反応させ色素像を得る。
これに用いられる色素前駆体は種々の化合物を使用できる。具体的には、アゾメチン色素を得る色素前駆体などがある。そして、色素前駆体の油滴内部からのリアクタントの重合によるマイクロカプセル化、酢酸エチルのような揮発性溶媒にオイル相を溶解後に水溶性高分子中に乳化分散することによって得られる油滴、オキシムエステル類、過酸化物、有機イオウ化合物、ハロゲン化物、又はホスフィンオキシド化合物のような直接光分解するような光重合開始剤、求核置換反応または求核付加反応を受ける官能基と重合性基を合わせ持つ化合物である重合性求電子剤等を用いる方法で色素像を得ることができる。
この光記録材料は、感光波長が異なる複数の光重合開始剤、および色の異なる複数の色素前駆体を組み合わせ、多色またはフルカラー画像を形成する。例えばそれぞれシアン、マゼンダ、イエローに発色し、感光波長の異なる3つの感光層を積層することにより、フルカラー画像形成用の光記録材料とすることができる。それぞれの層の間に中間層を設けることもでき、その他、保護層、フィルター層等を設けても良い。
露光光源の選択に際しては、光記録材料の感光波長に適した光源を選ぶことは勿論であるが、画像情報が電気信号を経由するかどうか、システム全体の処理速度、コンパクトネス、消費電力等を考慮して選ぶことができる。
画像情報を電気信号で経由して記録する場合には、画像露光装置としては、発光ダイオード、各種レーザーを用いてもよいし、画像表示装置として知られる各種デバイス(CRT、液晶ディスプレイ、エクトロルミネッセンスディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマディスプレイ等)を用いることもできる。この場合、画像情報は、ビデオカメラや電子スチルカメラから得られる画像信号、日本テレビジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、原画をスキャナー等で多数の画素に分割して得た画像信号、磁気テープ、ディスク等の記録材料に蓄えられた画像信号が利用できる。
カラー画像の露光に際しては、LED、レーザー、蛍光管等を光記録材料の感色性に合わせて組み合わせて用いるが、同じものを複数組み合わせて用いてもよいし、別種のものを組み合わせて用いてもよい。光記録材料の感色性は写真分野ではR(赤)、G(緑)、B(青)感色性が通常であるが、近年はUV、IR等を組み合わせて用いることも多く、光源の利用範囲が広がってきている。例えば光記録材料の感色性が(G、R、IR)であったり、(R、IR(短波)、IR(長波))、(UV(短波)、UV(中波)、UV(長波))、(UV、B、G)等のスペクトル領域が利用される。光源もLED2色とレーザーの組み合わせ等別種のものを組み合わせてもよい。上記発光管あるいは素子は1色毎に単管あるいは素子を用いて走査露光してもよいし、露光速度を速めるためにアレイになったものを用いてもよい。利用できるアレイとしては、LEDアレイ、液晶シャッターアレイ、磁気光学素子シャッターアレイ等が挙げられる。
また、最近進展が著しい青色光発色ダイオードを用い、緑色光発色ダイオード、赤色光発色ダイオードと組み合わせた光源も用いることができる。
上記画像表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)のようにカラー表示のものとモノクロ表示のものがあるが、モノクロ表示のものをフィルターと組み合わせて数回の露光を行なう方式を採用してもよい。既存の2次元の画像表示装置は、FOTのように1次元化して利用してもよいし1画面を数個に分割して走査と組み合わせて利用してもよい。加熱手段としては、光記録材料の感光層が塗設されていない支持体上の面に発熱体層を設けて加熱してもよい。さらに、熱板、アイロン、熱ローラーを用いたり、熱ローラーとベルトの間に光記録材料をはさんで加熱する方法を用いてもよい。
すなわち該光記録材料を、光記録材料の面積以上の表面積を有する発熱体と接触させて、全面を同時に加熱しても良いし、より小さな表面積の発熱体(熱板、熱ローラー、熱ドラム等)と接触させ、それを走査させて時間を追って全面が加熱されるようにしても良い。また上記のように発熱体と光記録材料とを直接接触する加熱方法以外にも、電磁波、赤外線、熱風等を光記録材料にあてて非接触の状態で加熱することもできる。本発明の画像形成においては、該光記録材料の、感光層を塗設していない支持体上の面から加熱する場合、感光層の塗設してある面の方は直接空気に接触していても良いが、光記録材料からの水分、揮発成分の蒸発を防いだり、熱を逃がさないように保温するために、断熱材等でカバーしても良い。
また加熱は、像様露光後0.1秒以上経過してから加熱する事が好ましい。加熱温度は一般に60℃から250℃、好ましくは80℃〜180℃であり、加熱時間は0.1秒から5分の間である。また、異なる温度で2回以上加熱してもよい。
次に本発明に用いられる感熱記録材料について説明する。
この感熱記録材料は、色素又は色素前駆体を含有する感熱記録材料であれば、公知のいずれのものでもよい。例えば、透明支持体上に電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有する第一の感熱発色層、最大吸収波長が360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第二の感熱発色層、最大吸収波長が400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第三の感熱発色層を順次積層してなる多色感熱記録材料が挙げられ、複数の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を共存させた感熱記録材料を作成し、各電子供与性染料前駆体の発色開始温度が異なることを利用して異なった温度を加えることにより異なった色相の画像を得る試みが提案され、さらに、異なった色相に発色する感熱記録層を2層積層することにより、低温で上層を、高温で上層を、下層の両者を発色させ2色発色の感熱記録材料を得る試みが提案されて、透明支持体上にジアゾニウム塩化合物とカプラーからなる第一の感熱発色層、ポリエーテル化合物を含有する中間層、塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる第二の感熱発色層を積層した多色感熱記録材料が提案されており、塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる感熱発色層を2層積層した2色感熱記録材料において、低温発色層に有機塩基化合物であるグアニジン類を添加しておき、高温発色層の発色時に低温発色層の発色を消色せしめる方法が提案され、さらに、透明支持体上に酸性染料前駆体と有機塩基化合物からなる高温感熱発色層と塩基性染料前駆体と電子受容性化合物からなる低温発色層を積層し、高温印字時には下層の有機塩基化合物が上層に拡散して発色体を消色する多色感熱記録材料が提案されている。
直接感熱記録でフルカラー画像を再現する方法の1つとして、感光波長の異なった2種のジアゾニウム塩と各々のジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、塩基染料前駆体と電子受容性化合物を組み合わせた感熱記録層を積層することにより良好な多色画像を再現できる感熱記録材料も知られており、本発明においては、上記いずれも採用可能である。
次に、3D表示化工程14では、複数のピンホールからなるピンホールアレイやフライアイレンズ等の微小領域アレイとIP画像が、適宜透明支持体等のスペーサーを介して配置され立体画像表示部20が作成される。
ここで、微小領域アレイとは、光透過性の複数の微小領域(例えば、ピンホール、レンズ)から構成されるものであって、IP画像を立体的に表示させるための両目視差を生じさせるためのものである。以下、微小領域アレイとしてピンホールアレイを用いた態様を説明する。
ピンホールアレイの作成は、上述したIP画像出力工程13と同様、光透過性の出力材料に対し、銀塩方式、インクジェット方式、電子写真方式、印刷方式等により該ピンホールアレイ画像を形成することで作成することができる。なお、このピンホールアレイ画像は、モノクロで形成されることが好ましく、ピンホールアレイである場合、ハロゲン化銀白黒写真感光材料の如き、銀塩モノクロ、印刷モノクロ、インクジェットモノクロで形成されていてもよいし、公知の方式のいずれであってもよい。また、このピンホールアレイの作成は、IP画像と同一の感光材料及び露光機器により作成することが好ましく、この場合、露光機器によるピッチのズレが同様となることから、両者の出力時のズレを低減することができる。
ハロゲン化銀白黒写真感光材料としては、次のものが包含される。
感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のものを用いることができ、例えば、ネガ型ハロゲン化銀乳剤として60モル%以上の塩化銀を含む塩臭化銀またはポジ型ハロゲン化銀として60モル%以上の臭化銀を含む塩臭化銀、臭化銀、沃臭化銀である。ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得られたものでもよい。ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子であってもよく、潜像が主として表面に形成されるような粒子であっても、また主として粒子内部に形成されるような粒子でもよい。さらにあらかじめ表面をかぶらせた粒子であってもよい。
上述したピンホールアレイの作成において、各ピンホール(微小領域)の光学特性は、該ピンホールに対応する画像情報の特性に応じて変更させることが好ましい。ここで、画像情報の特性とは、上述したIP画像上の画像情報が有する各視点画像の視点数、解像度等を意味する。
例えば、図3に示したIP画像上の画像領域A2の特性が、他の画像領域と異なるような場合、当該画像領域A2に対応する各ピンホールの配置間隔を、図4(a)に示すように他の領域に対応するピンホールの配置間隔と異ならしめることとしてもよい。また、画像領域A2に対応する各ピンホールの配置形状を、図4(b)に示すように他の領域に対応するピンホールの配置形状と異ならしめることとしてもよい。なお、ピンホールの配置間隔、配置形状は任意であるものとするが、画像情報の特性に応じた最適な配置間隔、配置形状とすることがより好ましい。
また、画像領域A2に対応する各ピンホールの形状を、図5(a)に示すように他の領域に対応するピンホールの形状と異ならしめることとしてもよい。また、画像領域A2に対応する各ピンホールの開口率(開口面積)を、図5(b)に示すように他の領域に対応するピンホールの開口率と異ならしめることとしてもよい。なお、ピンホールの形状、開口率は任意であるものとするが、画像情報の特性に応じた最適な形状、開口率とすることがより好ましい。
本発明において「開口率」とは、微小領域アレイにおける光が透過可能な面積の、全アレイ板面積に対する比率であり、全アレイ板の面積に対するピンホールの面積比率やフライアイレンズのレンズ部(平板部を除く)の面積比率を意味する。
また、画像領域A2に対応する各ピンホールの光透過率を、図6(a)に示すように他の領域に対応するピンホールの光透過率と異ならしめることとしてもよい。例えば、上述した銀塩写真方式、インクジェット方式、印刷方式等によりピンホールアレイが作成される場合、画像領域A2に対応するピンホールの形成濃度を、他の画像領域に対応するピンホールの形成濃度と異ならしめることで、光透過率を変更することができる。なお、ピンホールの光透過率は任意であるものとするが、画像情報の特性に応じた光透過率とすることがより好ましい。
なお、本発明の微小領域アレイは、上記ピンホールアレイである場合に限定されない。
次に、微小領域アレイが、フライアイレンズである場合について説明する。
フライアイレイの作成は、印刷法、金型当てでの型付け法等、公知のものを特別の制限なく用いることができる。ここで作成されるフライアイレンズの各レンズ(微小領域)は、レンズの焦点距離及び観察されるIP画像の表示品質に基づいた、厚さを(光学特性)を有する必要がある。例えば、上記した印刷法では、無着色又は着色の透明インクを用いて、透明アクリルや透明PET(PolyEthylene Terephthalate)支持体上に複数の凸レンズ状の微小領域である集光素パターン(フライアイレンズ)を形成することができる。この場合、特にスクリーン印刷法にて作成されることが好ましいが、これに限らず、インクジェット方式などを用いて作成されることとしてもよい。
なお、フライアイレンズの作成において、各レンズの光学特性は、上述したピンホールの場合と同様、該レンズに対応する画像情報の特性に応じて変更させることが好ましい。即ち、画像情報の特性に応じ、各レンズの配置間隔、配置形状、形状、開口率、光透過率等を異ならしめることが好ましい。
また、微小領域アレイとして、上述したピンホールアレイと、フライアイレンズとを図6に示すように、組み合わせた状態で用いることとしてもよい。なお、同図において、Pで示した領域がピンホールアレイを、Fで示した領域がフライアイレンズを示している。この場合、作成の容易性から、光学特性の変更が必要となる領域を、ピンホールアレイとすることが好ましい。
微小領域アレイとして、ピンホールアレイを用いた場合、本3D表示化工程14において、IP画像及びピンホールアレイは、透明支持体等のスペーサーを介して、図7(a)に示すように所定の距離Lを有して配置される。IP画像21として記録された画像情報は、ピンホールアレイPにより生じる両目視差により立体表示されるが、この表示された立体画像の視野角θは、同図に示すように、一の画像情報の大きさMと、当該画像情報が記録されたIP画像21とピンホールアレイPまでの間の距離Lと、により決定される。つまり、観察者Hが、この視野角θ内に存在するとき、該視野角θに対応する画像情報の観察が可能となる。
ここで、画像情報の大きさMは、該画像情報に含まれる1視点あたりの画素数及び視点数に依存するため、該画素数及び視点数を変更することで視野角θを変更することが可能であるが、図7(b)に示すように、所定の画像領域に対応する画像情報の、ピンホールアレイPまでの間の距離LをL’に変更することにより、当該所定の領域の視野角θをθ’に変更することとしてもよい。例えば、図3における最前列の木を示す画像領域A3に対応する画像情報と、ピンホールアレイPまでの間の距離とを、他の領域と異ならしめることができる。なお、IP画像21とピンホールアレイPとの間の距離を変更するには、例えば、対象となる所定の画像領域下部に光透過性の支持体(不図示)等を介すことで、他の画像領域との差を設けることができる。なお、ピンホールアレイの場合を例示したが、微小領域アレイとしてフライアイレンズを用いた場合も同様に、IP画像21に応じて当該フライアイレンズとIP画像21との間の距離を異ならしめることとしてもよい。この場合、IP画像21に応じてフライアイレンズが備えるレンズの焦点距離を異ならしめるよう作成するで、同様の効果を得ることができる。
本発明において、ピンホールアレイとIP画像とは、同一の透明支持体(着色透明支持体を含む。以下同じ。)上に形成されていてもよいし、別個独立の透明支持体の表・裏面上の相対向する位置に貼り付ける等して設けられていてもよい。前者の場合、立体画像の観察に際し、両者を積層する必要があり、この場合、両者の距離が離開するように支持体のピンホールアレイ・IP画像の存在しない面同士を積層することが好ましい。一方、後者の場合、両者の距離が離開するように保持することが好ましい。なお、ピンホールアレイとIP画像とは、それぞれ対応する位置となるよう保持する必要があるが、例えば、両者の非記録部分(余白部分)に位置合わせのためのトンボマーク等を印し、この印に基づいて位置合わせを行うことで、両者の相対位置を容易に一致させることができる。また、透明支持体への貼付けには、接着後の状態が光透過性となるような写真用透明接着剤等の接着剤を用いることが好ましく、貼付時に接着面への空気やゴミの侵入を防止するため、互いの接着面において空気(エアー)を吸引する等することが好ましい。また、透明支持体としては、肉厚1mm〜10mm、特に2mm〜5mmのPET樹脂又はアクリル樹脂のものが好ましい。
前者の例に用いる透明支持体についても、上記離開距離を保つことが可能な厚みの透明支持体の組み合わせを用いることができる。
この前者の例の場合、本発明の好ましいピンホールアレイとIP画像は、前記同種のハロゲン化銀白黒写真感光材料によって形成されていてもよいし、異種の感光材料によって形成(例えば、ピンホールアレイが液晶ピンホールアレイから成り、IP画像がハロゲン化銀白黒写真感光材料から成る等。)されていてもよい。
前記後者の例の場合、同種のハロゲン化銀白黒写真感光材料によって形成されていることが好ましく、例えば、上記肉厚を有する透明支持体の表面側にピンホールアレイ形成用のハロゲン化銀感光層が塗設され、裏面側にIP画像形成用のハロゲン化銀感光層が塗設されているものが用いられる。
この場合ピンホールアレイの形成とIP画像の形成とは、この画像形成と演算処理とがパラレルに進行できる利点がある。
本発明においては、支持体として、伸縮性のある支持体を用い、ピンホール等の微小光源アレイと、IP画像を設置したものを、画像を取り付ける相手の物体の立体面にそって取り付け、本発明の立体画像再生を立体(曲)面上で行うようにしてもよい。この場合、伸縮性のある支持体は、透明支持体である事が好ましい。伸縮性のある透明支持体として好ましいものとしては、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニルのフィルム支持体等が挙げられる。微小光源アレイと、IP画像との相対位置を一致させるために、伸縮性のある透明支持体の片面にピンホール等の微小光源アレイを設け、反対面にIP画像を設けて、その後貼り付け面に応じて伸縮させ、相対位置を保持させるようにすると、伸縮された場合にも立体画像が保持されるため、より好ましい。
本発明における透明支持体は、可視光線領域において透過性を有するものであれば特に限定されず、写真業界において公知のものを採用できる。また透明支持体は単層である必要はなく積層体であってもよい。
また、図8(a)に示すように、上記したフライアイレンズFをIP画像21とピンホールアレイPとの間に保持するよう配置することとしてもよい。この場合、観察者Hは、ピンホールアレイP及びフライアイレンズFを介してIP画像21を観察することになる。これにより、ピンホールアレイPを観察者Hに対して最上面に配置することで、フライアイレンズFが備えるレンズ群による光の乱反射により生ずる、表示画像部分の光沢感の欠乏やコントラストの低下を回避することができる。
なお、フライアイレンズF及びピンホールアレイPの各微小領域は、IP画像21の特性に応じた、所定の光学特性で作成されるものとし、フライアイレンズF、ピンホールアレイP及びIP画像21は、上述した貼付方法或いは、不図示の支持体により保持されるものとする。
また、図8(b)に示すように、フライアイレンズFのレンズ群形成面の裏面に、ピンホールアレイPを形成したものを、IP画像21と対向する位置に配置することとしてもよい。この場合、観察者Hは、フライアイレンズF及び該フライアイレンズFと一体化されたピンホールアレイPを介してIP画像21を観察することになる。これにより、フライアイレンズFとピンホールアレイPとの位置合わせの工数が減り、高精度、且つ、高生産性を図ることができる。
ピンホールアレイPと一体化したフライアイレンズFの製造方法としては、例えばフライアイレンズFの裏面に透明なインク受像層を設けてインクジェット方式によりピンホール画像を印画する方法や、フライアイレンズFの裏面に透明な感光層や感熱層を設けて、露光や感熱方式によりピンホール画像を印画する方法が挙げられる。
なお、ピンホールアレイPの作成は、上述したIP画像出力工程13と同様、フライアイレンズFの画像形成面に対し、銀塩方式、インクジェット方式、電子写真方式、印刷方式等により該ピンホールアレイ画像を形成することで作成することができる。また、フライアイレンズF及びピンホールアレイPの各微小領域は、IP画像21の特性に応じた、所定の光学特性で作成されるものとし、フライアイレンズF(ピンホールアレイP)及びIP画像21は、上述した貼付方法或いは、不図示の支持体により保持されるものとする。
次に、図9を参照して、上述した入力工程10〜3D表示化工程14で作成された立体画像表示部20を表示する立体画像表示装置1について説明する。
図7に示すように、立体画像表示装置1は、立体画像表示部20を保持する保持部(不図示)と、バックライト(観察光)30等を有して構成されている。
立体画像表示部20の上側透明シート23には微小領域アレイ22が、下側透明シート25にはIP画像21が、それぞれ予め画像形成されている。また、この2枚の透明シートの間隔を一定に保つため、両シートの間に透明支持体24が挿入されている。バックライト30は、立体画像表示部20のIP画像21を照射するため、このIP画像21の下に配置される。
観察者Hは、IP画像21を透過した光(画像光)を、微小領域アレイ22を介して観察することになるが、その際、右目に入射される光が、IP画像21の点Qから出射されたものか、仮想の3次元物体上のSから出射されたものかを区別することができず、また同様に左目に入る光が、IP画像21の点Rから出射されたものか、仮想の3次元物体上のSから出射されたものかを区別することができない。従って、両眼視差により、あたかも点Sに物体があるように見えることになる。
なお、図9において、微小領域アレイ22は、IP画像21とその位置が交換されるよう、立体画像表示部20が保持されることとしてもよい。この場合、観察者Hは、微小領域アレイ22を透過した光を、IP画像21を介して観察することになる。また、バックライト30は、透過光として用いるのではなくでなく、反射光として利用するのであれば、観察者H側にあってもよい。
なお、バックライト30は、下記光源(A)〜(E)を含む白色光源であることが好ましい。
具体的には、
[光源(A)]620nmにおける発光強度を1としたとき365nmにおける発光強度が0.2未満である白色光源。
[光源(B)]620nmにおける発光強度を1としたとき365nmにおける発光強度が0.1未満である白色光源。
[光源(C)]370nmより長波な発光源と、該発光を蛍光材により波長変換した光を含有することで白色を呈する白色光源。
[光源(D)]水銀の紫外部輝線発光を、蛍光材波長変換の発光源としない白色光源。
[光源(E)]前記光源(C)又は光源(D)であって、少なくとも2種以上の波長変換蛍光材を有し、その発光源が400nmより短波である白色光源。
等のいずれであってもよい。
具体的に説明すると、白色光は、光の混色により得られるものであり、発光源である波長450〜550nmのInGaN系の青色LEDが発する青色光と、蛍光体が発する黄色光とを混合したものであり、このような白色LEDに適当な蛍光体としては、例えば、
組成式:(Y,Gd)3(Al,Ga)3O12で示されるYAG系酸化物にCeをドープした蛍光体が最もよく用いられている。この蛍光体は、発光源であるInGaN系の青色LEDチップの表面に薄くコーティングされて白色系に発光する。このような白色光源を本発明に用いてもよい。
また、発光波長が360nm〜550nmの範囲にある発光素子と、希土類元素を賦活させた酸窒化物の蛍光体とを備え、前記発光素子の光の一部は前記蛍光体により波長変換されて放出される白色光源を用いてもよく、前記発光素子の発光波長は、450nm〜550nmの範囲にあって、前記波長変換された光と、前記発光素子の光の他の一部とが混合されて放出されることにより白色系の発光をすることが好ましく、前記酸窒化物は、アルファサイアロンを母体材料とする酸窒化物であることが好ましい。
前記蛍光体は、一般式 MexSi12−(m+n)Al(m+n)OnN16−n:Re1yRe2zで示され、アルファサイアロンに固溶する金属Me(Meは、Li、Ca、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属の一種若しくは2種以上)の一部若しくはすべてが、発光の中心となるランタニド金属Re1(Re1は、Ce、Pr、Eu、Tb、Yb、又はErの一種若しくは二種以上)、又はランタニド金属Re1及び共賦活材としてのランタニド金属Re2(Re2はDy)で置換されて成ることが好ましい。
この構造の白色LEDは、高品位な立体画像色再現性にも優れて好ましい。
本発明に用いられる観察光としての白色光源は、上市されているものもあり、市場からも入手可能であり、例えば、紫外LEDは、豊田合成社のTG Purpleとして知られており、これを用いた白色LEDは、同社から、高輝度白色LED「TG TRUE White Hi」として、上市されており、本発明においては、これらを使用することもできる。
また、本発明においては、観察光としての観察光源が、無機EL(Electronic Luminescent)であること及び/又は立体表示の観察光源が、有機ELであることが好ましく、この無機EL、有機ELとしては公知のものを特別の制限なく用いることができる。
また、本発明においては、IP画像、観察側の透明保護層、バックライト側の透明保護層等の構成部材を有することが好ましい。
以上のように、IP画像上の所定の画像領域の立体像の見え方を、他の画像領域の立体像の見え方と異ならしめることが可能であるため、IP画像の特性に応じた様々な画像表現を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
本発明の立体画像形成方法を示す工程原理図である。 立体表示画像の生成を説明するための図である。 立体表示画像の一例を示す図である。 (a)、(b)微小領域アレイ(ピンホールアレイ)の一例を示す図である。 (a)、(b)微小領域アレイ(ピンホールアレイ)の一例を示す図である。 微小領域アレイ(フライアイレンズ及びピンホールアレイ)の一例を示す図である。 (a)、(b)IP画像と微小領域アレイ(ピンホールアレイ)との間の位置関係を示す図である。 (a)、(b)IP画像と微小領域アレイ(フライアイレンズ及びピンホールアレイ)との間の位置関係を示す図である。 立体画像表示装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 立体画像表示装置
20 立体画像表示部
21 IP画像
22 微小領域アレイ
23 上側透明シート
24 透明支持体
25 下側透明シート
30 バックライト
P ピンホールアレイ
F フライアイレンズ

Claims (25)

  1. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報が記録された立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有した複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記立体画像表示手段に記録された画像情報の立体像を表示させることが可能な立体画像表示パネルにおいて、
    前記立体画像表示手段上の所定の画像領域に対応する前記微小領域の光学特性が、他の微小領域の光学特性と異なることを特徴とする立体画像表示パネル。
  2. 前記立体画像表示パネルにおいて、光の到来方向に沿って前記立体画像表示手段、次いで前記微小領域アレイの順に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  3. 前記立体画像表示パネルにおいて、光の到来方向に沿って前記微小領域アレイ、次いで前記立体画像表示手段の順に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  4. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の配置間隔及び/又は配置態様であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  5. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  6. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の開口率であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  7. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の光透過率であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  8. 前記微小領域の光学特性は、前記画像領域と当該画像領域に対応する微小領域との間の距離であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  9. 前記微小領域は、ピンホールであって、
    前記微小領域アレイは、複数の前記ピンホールが配置されたピンホールアレイであることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の立体画像表示パネル。
  10. 前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視点画像の数が、他の画像領域含まれる視点画像の数と異なることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  11. 前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視差画像の解像度が、他の画像領域に含まれる視差画像の解像度と異なることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  12. 前記画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角が、他の画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角と、異なることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示パネル。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の立体画像表示パネルと、
    前記立体画像表示パネルに光を照射する光源と、
    を備えたことを特徴とする立体画像表示装置。
  14. 視点の異なる複数の視差画像群からなる画像情報を記録した立体画像表示手段と、前記画像情報に対応して光透過性を有した複数の微小領域が配置された微小領域アレイとを備え、前記微小領域アレイにより生ずる両目視差により、前記当該画像領域に記録された画像情報の立体像を表示させることが可能な立体画像表示パネルの製造方法において、
    前記立体表示用画像上の所定の画像領域に対応する前記微小領域の光学特性を、他の微小領域の光学特性と異ならしめること特徴とする立体画像表示パネルの製造方法。
  15. 前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記立体画像表示手段、次いで前記微小領域アレイの順に配置されることを特徴とする請求項14に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  16. 前記立体画像表示パネルにおいて、光が到来する方向から前記微小領域アレイ、次いで前記立体画像表示手段の順に配置されることを特徴とする請求項14に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  17. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の配置間隔及び/又は配置態様であることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  18. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の形状であることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  19. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の開口率であることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  20. 前記微小領域の光学特性は、当該微小領域の光透過率であることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  21. 前記微小領域の光学特性は、前記画像領域と当該画像領域に対応する微小領域との間の距離であることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  22. 前記微小領域は、ピンホールであって、
    前記微小領域アレイは、複数の前記ピンホールが配置されたピンホールアレイであることを特徴とする請求項14〜21の何れか一項に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  23. 前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視点画像の数が、他の画像領域含まれる視点画像の数と、異なることを特徴とする請求項14に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  24. 前記画像領域に記録された画像情報に含まれる視差画像の解像度が、他の画像領域に含まれる視差画像の解像度と異なることを特徴とする請求項14に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
  25. 前記画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角が、他の画像領域に記録された画像情報により表示される立体像の視野角と、異なることを特徴とする請求項14に記載の立体画像表示パネルの製造方法。
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