JP2006214763A - 材料定数測定用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 板状の誘電体材料の材料定数を、簡単な作業で、より高精度に測定するための材料定数測定器治具を提供することを目的とする。
【解決手段】 誘電体材料で形成された板状の試料が挿入される伝送線路部は、中心導体を構成する信号パターン部14aを絶縁基板の両面に形成してなるプリント配線板12と、プリント配線板12の両面に、信号パターン部14aを横切るように試料を配置可能な間隙を確保するためのスペーサ20を介して積層されることにより、外部導体を構成する平板状の2つの導体板16a,16bとからなり、特性インピーダンスを50Ωとするストリップライン構造が形成されているので、プリント配線板12と導体板16a,16bとの間の間隙に板状の試料を挿入することで、従来のように試料を複雑な形状に加工することなく、従来と同じ測定原理で材料定数を測定できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、誘電体材料で形成された試料の材料定数を測定するための材料定数測定用治具に関する。
従来より、誘電体材料の材料定数(誘電率、透磁率)の測定方法として、Sパラメータ法によるものがある。これは、同軸管構造をもつ測定用治具(以下、同軸管)を用いた方法であって、測定すべき誘電体材料(以下、試料)をリング状に加工し、この試料を同軸管内に固定し、この同軸管をネットワークアナライザ等のSパラメータ測定装置に接続して測定用の信号を入力し、試料を透過した透過波及び試料からの反射波の夫々の減衰量と位相とに基づくSパラメータを計測し、この計測値から材料定数を算出するものである。
そして、この方法では、試料を同軸管内に固定する際に、試料の端面と、同軸管にて予め定められた基準面との位置を正確に合わせる必要がある。
しかしながら、高周波帯域において試料の材料定数を測定する場合には、同軸管の径を小さくしなければならず、試料の位置合わせ作業が困難であり、さらに、微少な位置ずれが測定精度を低下させてしまうという問題があった。
そこで、試料を同軸管内の既定の位置に正確に固定する方法として、同軸管の中心導体に高誘電率を有する弾性体からなる試料固定用リングを装着し、この試料固定用リングの外周に同心的にリング状の試料を装着することで、試料の端面を基準面に一致させる方法が提案されている。(例えば、特許文献1等参照)。
特開平5−157784号公報
しかしながら、上記提案の方法を用いたとしても、同軸管の径が極めて小さい場合には、同軸管内部に試料を正確に固定することが困難であるという問題は解決されるものではなく、また、試料自体をリング状に精密に加工することは非常に困難であった。さらに、試料と同軸管との間の空隙を完全に無くすことは同軸管の構造上不可能であり、計測値に対しては空隙分の補正を行う必要があった。このため、このようにして得られた測定値は、信頼度があまり高いものではなかった。
また、誘電体材料は、実際の使用では板状形状で使用されることが多く、リング状に加工した試料で測定した材料定数の値は、実際の使用状態である板状形状における材料定数の値とは必ずしも一致しない可能性があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、板状の誘電体材料の材料定数を、簡単な作業で、より高精度に測定するための材料定数測定用治具を提供することを目的とする。
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、誘電体材料で形成された板状の試料が挿入される伝送線路部と、該伝送線路部を測定装置に接続するための一対の接続部と、を備え、該測定装置を用いて前記試料の材料定数を測定するのに利用される材料定数測定用治具であって、前記伝送線路部は、該伝送線路部の中心導体を構成する配線パターンを誘電体基板の両面に形成してなるプリント配線板と、該プリント配線板の両面に、前記配線パターンを横切るように前記試料を配置可能な間隙を介して積層されることにより、外部導体を構成する平板状の2つの導体板と、から構成されることを特徴とする。
このように、本発明の材料定数測定用治具によれば、誘電体材料で形成された板状の試料が挿入される伝送線路部は、伝送線路部の中心導体を構成する配線パターンを誘電体基板の両面に形成してなるプリント配線板と、プリント配線板の両面に、配線パターンを横切るように試料を配置可能な間隙を介して積層されることにより、外部導体を構成する平板状の2つの導体板と、から構成されているので、試料の測定時には、プリント配線板と2つ導体板との間の間隙に板状の試料を挿入するだけで、従来のように試料を複雑な形状に加工することなく、従来と同じ測定原理で試料の材料定数を測定できる。
また、導体板の外側から適当な圧力を加えることにより、導体板、プリント配線板、及び、試料が密着するので、配線パターンと試料との間、及び、導体板と試料との間の空隙を無くすことができ、精度良く測定することができる。そして、従来の方法では、精度良く測定するには、試料を精度良く挿入する必要があったが、本発明の材料定数測定用治具においては、試料をプリント配線板と2つの導体板との間の間隙に挿し込むだけでよいので、試料の位置決めが簡単であり、都合がよい。さらに、板状形状の試料を測定することができるので、実際の使用状態に近い形状の試料で材料定数を測定することができ、信頼度の高い値を得ることができる。
尚、本発明の材料定数測定用治具を用いることにより、同軸管に試料を固定する従来の方法と同じ測定原理で材料定数を測定できる理由については、後述の実施形態にて詳細に説明する。
一方、請求項1に記載の材料定数測定用治具は、請求項2に記載のように、試料の板厚と略等しい厚さのスペーサを備えることとしてもよい。
このようにすると、このスペーサをプリント配線板と導体板との間に挿入することで間隙を常時一定に確保できるため、導体板と、配線パターンがショートすることを防ぐことができる。また、このスペーサをこの治具の校正時に使用し、試料が挿入されていない状態でもプリント配線板と導体板の間の空隙を確保することができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の材料定数測定用治具は、請求項3に記載のように、各接続部は、同軸コネクタからなり、同軸コネクタの中心導体は配線パターンに接続され、同軸コネクタの外部導体は導体板に接続されることとしてもよい。
つまり、接続部は導波管で構成してもよいが、このようにすると、測定器の同軸ケーブルを接続するだけで、測定系を構成できるので都合がよい。
次に、請求項1〜請求項3の何れかに記載の材料定数測定用治具は、請求項4に記載のように、プリント配線板の両面に形成された配線パターンの端部同士は、プリント配線板の端面に施された導電めっきにより接続されるようにしてもよい。
このようにすると、プリント配線板の表裏に形成された配線パターンが側面で接続されているために、プリント配線板表裏の配線パターンを確実に同電位とすることができ、電気的にプリント配線板の厚みを無視できるようになり特に接続部の損失を軽減することができる。
また、請求項1〜請求項4の何れかに記載の材料定数測定用治具は、請求項5に記載のように、プリント配線板の両面に形成された配線パターン同士は、プリント配線板に設けられたバイアホールにより接続されるようにしてもよい。
このようにすると、プリント配線板の表裏に形成された配線パターンが、プリント配線板に複数設けられたバイアホールで接続されているために、プリント配線板表裏の配線パターンを確実に同電位とすることができ、電気的にプリント配線板の厚みを無視できるようになり特に接続部の損失を軽減することができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づき説明する。尚、以下の説明において、図1は本発明が適用された実施形態の材料定数測定用治具の全体構成を示す斜視図、図2は材料定数測定用治具の三面図、図3は材料定数測定用治具の分解斜視図である。
本実施形態の材料定数測定用治具10は、Sパラメータを計測するための測定器に接続し、治具に挿入した試料の誘電率及び透磁率(本発明の材料定数)を測定するためのものであり、図1〜図3に示すように、長方形のプリント配線板12と、プリント配線板12の両面の4隅に配置される8つのスペーサ20と、このスペーサ20を挟んでプリント配線板12の両面に配置される2つの導体板16(詳しくは第1導体板16a、第2導体板16b)と、一対のSMAコネクタ18と、これらを締結するための締結部材等から構成される。尚、プリント配線板12と、スペーサ20と、導体板16と、からなる部分は本発明の伝送線路部に相当し、一対のSMAコネクタ18は本発明の接続部に相当する。
そして、プリント配線板12には、長方形の長辺に沿って各5箇所(両辺で10箇所)のねじ挿通孔32a,32b,32c,32d,32eが形成されており、2つの導体板16は、このプリント配線板12と同じ外形に形成され、プリント配線板12に形成されたねじ挿通孔32a,32b,32c,32d,32eと同じ位置に同数のねじ挿通孔32a,32b,32c,32d,32eが形成されている。ここで、ねじ挿通孔32dとねじ挿通孔32eとの間隔は、ねじ挿通孔32aとねじ挿通孔32bとの間隔と等しくなるように形成されている。
一方、スペーサ20は、プリント配線板12等に形成されたねじ挿通孔32a,32b,32c,32d,32eの内、長方形の4隅に形成された4つのねじ挿通孔32a,32eの内の1つであるねじ挿通孔32a(又は32e)と、このねじ挿通孔32a(又は32e)に隣接するねじ挿通孔32b(又は32d)とを覆う程度の外形の長方形に形成されており、この2つのねじ挿通孔32a,32b(又は32e,32d)と重なるように同じ間隔で2つのねじ挿通孔20a,20bが形成されている。そして、スペーサ20は、スペーサ20のねじ挿通孔20aとねじ挿通孔20bとが、プリント配線板12のねじ挿通孔32aとねじ挿通孔32bとに夫々重なるか、又は、ねじ挿通孔32eとねじ挿通孔32dとに夫々重なるようにプリント配線板12の両面の4隅に配置され、このスペーサ20を挟むように導体板16が積層されている。
また、導体板の4隅に形成されたねじ挿通孔32a,32eに、2つの導体板16の内の1つの導体板である第1導体板16a側からねじ22が挿通され、他方の第2導体板16bの4隅のねじ挿通孔32a,32e上に配置された材料定数測定用治具10の脚を構成する脚用スペーサのねじ26に形成された雌ねじ部26aに対して螺合されることにより、積層されたプリント配線板12、導体板16、スペーサ20及び脚用スペーサ26が締結されている。
さらに、プリント配線板12、導体板16、スペーサ20を確実に締結するために、ねじ挿通孔32b,32dに、第1導体板16a側からねじ22が挿通され、第2導体板16b側でナット24にて締結されている。
そして、プリント配線板12及び導体板16に形成された残りの2つのねじ挿通孔32cには、測定時に試料の位置決め用に使用するねじ46が、第1導体板16a側から挿通され第2導体板16b側でナット48にて仮固定されている。
次に、各構成部品の構成について図4、図5を用いて説明する。尚、図4は材料定数測定用治具10の構成を示しており、図4(a)は、材料定数測定用治具10を脚用スペーサ26が上にくるように載置した状態でねじ22,46、ナット24,48、脚用スペーサ26、第2導体板16bを取り除いた状態を上部から見た図、図4(b)は、図4(a)のB部拡大図である。また、図5は、SMAコネクタ18の詳細図である。
プリント配線板12は、図4(a)に示すように、合成樹脂からなる絶縁基板の表裏面に導電層を形成した長方形の両面基板からなり、各導電層に回路パターン14を形成することにより構成されている。回路パターン14は、長方形の長辺と平行で、短辺の中央部を接続するように一定の幅で直線上に形成され、信号の伝達部となる信号パターン部14a(本発明の配線パターン)と、測定時のノイズを軽減するために長方形の外周に沿って一定の幅で形成されているシールドパターン部14bとからなる。そして、この回路パターン14はプリント配線板12の両面に同形状で形成され、基板の両面に形成されたこれらの回路パターン14は基板の端面で導電めっきにより接続されている。また、プリント配線板12の信号パターン部14aには、図4(b)に示すように、バイアホール30が一定間隔でパターンのエッジに沿って設けられている。
一方、導体板16は、合成樹脂からなる絶縁基板の表裏面に導電層を形成したものであり、スペーサ20は試料2と同じ厚さの金属の板材を上述のように、適当な大きさの長方形に加工して使用している。
また、SMAコネクタ18は、図5に示すように、コネクタ中心導体18aが平板状に加工されたものを使用し、この平板の厚さtcは接続部での損失を軽減するために非常に薄く(例えばtc=0.2mm)形成されている。そして、コネクタ中心導体18aは、図4(a)に示すように、プリント配線板12の第2導体板16b側の面に形成された信号パターン部14aの両端にはんだにて接続されており、本発明の同軸コネクタの外部導体であるコネクタ本体18bは導体板16に対して、はんだにて接続されている。
尚、図4(a)には、試料2の材料定数測定時に試料2を配置する位置を、2点鎖線で示してある。
次に、材料定数測定用治具10の内部構成について図6を用いて説明する。尚、図6は材料定数測定用治具10を図2に示すA−A線に沿って切断したときの状態を表す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の材料定数測定用治具10において、2つの導体板16の間隔をH、プリント配線板12の厚さをTとすると、2つの導体板16とプリント配線板12との間隔はスペーサ20にて等しい長さ(H−T)/2となるように構成されている。そして、信号パターン部14aの幅Wと、導体板16間の間隔Hとを調整することにより、式(1)、式(2)から得られるこの治具の特性インピーダンスZ0’を設定するようにしている。
Figure 2006214763
尚、本実施形態においては、T=0.4mm、H=2.4mm、W=2.45mmとして、材料定数測定用治具10の特性インピーダンスZ0’が50Ωとなるように構成している。ここで、εrは空気の誘電率であり1とする。
次に、本実施形態の材料定数測定用治具10を用いた材料定数の測定方法を説明する。 尚、図7は本実施形態の材料定数測定用治具10を用いた測定系を示す。
まず、材料定数測定用治具10をSパラメータを計測するための測定器(本実施形態ではネットワークアナライザ40)に接続するために、図7に示すように、本治具を構成する一対のSMAコネクタ18にネットワークアナライザ40の2本の同軸ケーブル42を結合する。尚、本実施形態で使用したネットワークアナライザ40は、本治具を介して試料2に測定用の信号を入力し、試料を透過する透過波及び試料から反射される反射波の減衰量と位相とに基づき、Sパラメータ(反射特性S11、透過特性S21)を計測するものであり、材料定数(誘電率ε、透磁率μ)は計測されたSパラメータより計算にて求めている。
次に、材料定数測定用治具10に、測定用の信号を入力したときに試料2の挿入位置で信号が反射する場合の信号の減衰量及び位相を特定するために、校正用金属片44を用いて補正用の反射特性S11’を計測する。図4(a)、図7に示すように、プリント配線板12の両面に形成された信号パターン部14aの中央部に、試料2と同形状に形成された2つの校正用金属片44を信号パターン部14aと直交するように各々挿入し、これらの校正用金属片44を、第1導体板16aに形成されたねじ挿通孔32cに挿通され、第2導体板16b側でナットにて仮固定されているねじ46に押し当てて位置決めを行う。そして、ねじ46とナット48とを螺合して、校正用金属片44を固定し、ネットワークアナライザ40からこの校正用金属片44に測定用の信号を入力し、補正用の反射特性S11’を計測する。
そして、補正用の反射特性S11’の計測後、校正用金属片44を治具から外し、本治具に何も挿入しない状態で測定用の信号を入力した場合の信号の減衰量及び位相を特定するために、ネットワークアナライザ40から測定用の信号を入力し、補正用の透過特性S21’を計測する。
次に、本治具に試料2を挿入した場合に信号を入力したときの減衰量及び位相を特定するために、2つの試料2を、校正用金属片44と同様の方法で位置決めして所定の位置に挿入し、試料挿入時の反射特性S11”、透過特性S21”を測定する。
ここで、試料を挿入して測定した試料挿入時の反射特性S11”、透過特性S21”を補正用の反射特性S11’、透過特性S21’にて補正し、試料挿入部分の信号の減衰量及び位相にて示される試料挿入部分の反射特性S11及び試料挿入部分の透過特性S21を求める。
次に、このようにして求めたS11及びS21より、誘電率ε及び透磁率μを求める計算方法について説明する。図8は、従来の誘電率ε及び透磁率μの測定方法を説明するための同軸管50の模式図であり、本実施形態において、誘電率ε及び透磁率μの計算方法は、図8に示すように、リング状に加工された試料2aの固定に同軸管50を用いた場合と同じ方法を用いている。
以下に、この計算方法を説明すると共に、本実施形態における材料定数測定用治具10を用いて求められたS11及びS21にて同軸管50を用いた場合の計算方法と同じ方法で計算できることを説明し、また、本発明の材料定数測定用治具10にて同軸管50を用いた場合と同じ測定原理で材料定数を測定できる理由について説明する。
まず、同軸管50内に試料2aを固定してS11及びS21を測定した場合の、誘電率ε、透磁率μの計算方法について説明する。尚、同軸管50と試料2aの対称性より、S11=S22、S12=S21が成立するものとする。
試料2aは、図8に示すように、リング状に成型され、試料2aと同軸管50の外部導体50aの間に隙間ができないように同軸管50内に固定された状態で測定される。同軸管50の特性インピーダンスをZo、試料2aの特性インピーダンスをZとし、試料2aの伝搬定数をγ、試料2aの厚さをdとする。このとき、試料2aの部分の縦続行列(F行列)は、次式(3)となる。
Figure 2006214763
また、F行列を、S11=S22、S12=S21の条件の下に、S行列の要素で表すと、次式(4)となる。
Figure 2006214763
以上の関係より、F行列のB、Cの項よりZ、γをS行列の要素で表すと以下の式(5)〜式(8)のようになる。
Figure 2006214763
一方、真空における誘電率をμ0、透磁率をε0、角速度をωとし、試料2aの誘電率ε、透磁率μをε=ε’−jε”、μ=μ’−jμ”のように複素数表示とすると、試料2aのある部分の特性インピーダンスZ、伝搬定数γは一般に式(9)、式(10)ように表され、式(11)、式(12)のように置き換えることができる。
Figure 2006214763
そして、試料2aの挿入されている同軸管50は、外部導体50aの半径R、中心導体50bの半径rとするとR/r=2.3で構成されているので、周波数fで測定をした場合、次式(13)、式(14)のようになり、誘電率ε=ε’−jε”、透磁率μ=μ’−jμ”、を求めることができる。
Figure 2006214763
次に、式(6)及び式(8)に、ネットワークアナライザ40にて測定された反射特性S11、透過特性S21を入力することで、Z及びγが求められ、ここで求められたZ及びγを式(13)及び式(14)に入力することで、誘電率ε及び透磁率μが求められる。
ところで、式(9)は、次式(16)により次式(15)のように書き換えることができる。ここで、式(16)は同軸管50の特性インピーダンスZ0を表す式であり、式(16)を式(17)のように置き換えたとしても、式(11)から式(14)は成立する。
Figure 2006214763
つまり、上述した誘電率ε、透磁率μの計算方法は、同軸管50の特性インピーダンスZ0を示す式(16)を、一般的な特性インピーダンスを示す式(17)に置き換えても成り立つことから、測定時の試料の固定方法、測定治具の形状とは関係なく、測定治具の特性インピーダンスの値に関わるものである。
また、本実施形態の材料定数測定用治具10においては、外部導体50aと中心導体50bからなる同軸管50のような同軸構造の代わりに、図6に示すように、導体板16からなる外部導体と、プリント配線板12の両面に形成された信号パターン部14aからなる中心導体と、により構成されたストリップライン構造にて伝送線路部を形成し、この治具の特性インピーダンスZ0’の値を同軸管50と同じ50Ωとなるように構成している。さらに、同軸管50と同様に外部導体と中心導体との間に試料2を挿入する構成としている。
このように、上述の式は測定治具の特性インピーダンスZ0’の値に関わるものであるため、本実施形態の材料定数測定用治具10を使用した場合にも上述の計算方法を用いることができる。また、同軸管50と同様に、外部導体と中心導体からなる伝送線路部を形成し、同軸管50と同じ特性インピーダンスとなるように構成しているため、同軸管50を使用する場合と同じ測定原理を用いて材料定数(誘電率ε、透磁率μ)を測定することができる。
以上、説明したように、本実施形態の材料定数測定用治具10においては、誘電体材料で形成された板状の試料2が挿入される伝送線路部は、中心導体を構成する信号パターン部14aを絶縁基板の両面に形成してなるプリント配線板12と、プリント配線板12の両面に、信号パターン部14aを横切るように試料2を配置可能な間隙を介して積層されることにより、外部導体を構成する平板状の2つの導体板16と、から構成されているので、試料2の測定時には、プリント配線板12と導体板16の間の間隙に板状の試料を挿入することで、従来のように試料を複雑な形状に加工することなく、従来と同じ測定原理で材料定数を測定できる。
また、導体板16の外側から適当な圧力を加えることにより、導体板16、プリント配線板12、試料2を密着させることができ、信号パターン部14aと試料2の間、導体板16と試料2の間に空隙が生じないようにすることができるため測定精度を上げることができる。そして、試料2は、測定精度を上げるために精度良く挿入する必要があるが、本実施形態の材料定数測定用治具10においては試料2をプリント配線板12と導体板16の間の間隙に挿し込む構成であるので位置を容易に調節でき、都合がよい。さらに、試料2が板状であるので、より実際の使用状態に近い状態で測定でき、信頼度の高い測定値を得ることができる。
そして、試料の板厚と等しい厚さのスペーサ20を備え、このスペーサ20がプリント配線板12と2つの導体板16との間に挿入されているため、プリント配線板12と導体板16の間の間隙を常時一定に確保でき、導体板16と、信号パターン部14aがショートすることを防ぐことができる。また、試料2が挿入されていない状態でもスペーサ20によりプリント配線板12と導体板16の間の空隙を確保でき、本治具の校正が容易となる。
また、各接続部は、SMAコネクタ18からなり、コネクタ中心導体18aが信号パターン部14aの端部に接続され、コネクタ本体18bが導体板16に接続されるのでネットワークアナライザ40の同軸ケーブル42を結合するだけで測定系を構成できるので都合がよい。
一方、プリント配線板12の両面に形成された信号パターン部14aの端部同士は、プリント配線板12の端面に施された導電めっきにより接続されているために、プリント配線板12表裏の信号パターン部14aを確実に同電位とすることができ、電気的にプリント配線板12の厚みを無視できるようになり特に接続部の損失を軽減することができる。
そして、プリント配線板12の両面に形成された信号パターン部14a同士は、プリント配線板12に設けられたバイアホールにより接続されているため、プリント配線板12表裏の信号パターン部14aを確実に同電位とすることができ、電気的にプリント配線板の厚みを無視できるようになり特に接続部の損失を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
本実施形態では、導体板16に合成樹脂からなる絶縁基板の表裏面に導電層を形成したものを使用したが、基板ではなく、金属板を使用してもよい。
また、本実施形態では、接続部にSMAコネクタ18を使用し、はんだにて信号パターン部14aとコネクタ中心導体18aを接続したが、他の同軸コネクタを使用してもよい。また、溶接、リボンボンディング等の他の接続方法を使用してもよい。
そして、導体板16、プリント配線板12、試料2を密着させるために、導体板16の上下から圧力を加える機構を設けても良い。このようにすると、常に一定の圧力を加えることができ、信号パターン部14aと試料2の間、導体板16と試料2の間に確実に密着させることができる。
本実施形態の材料定数測定用治具の全体構成を示す斜視図である。 本実施形態の材料定数測定用治具の全体構成を示す三面図である。 本実施形態の材料定数測定用治具の全体構成を示す分解斜視図である。 本実施形態の材料定数測定用治具の内部構成を示す説明図である。 本実施形態のSMAコネクタの形状を示す外形図である。 本実施形態の材料定数測定用治具の内部構成を示す断面図である。 本実施形態の材料定数測定用治具を用いた測定系を示す構成図である。 従来の測定方法を説明するための同軸管の模式図である。
符号の説明
2…試料、2a…試料、10…材料定数測定用治具、12…プリント配線板、14…回路パターン、14a…信号パターン部、14b…シールドパターン部、16…導体板、16a…第1導体板、16b…第2導体板、18…SMAコネクタ、18a…コネクタ中心導体、18b…コネクタ本体、20…スペーサ、20a,20b…ねじ挿通孔、24…ナット、26…脚用スペーサ、26a…雌ねじ部、30…バイアホール、32a,32b,32c,32d,32e…ねじ挿通孔、40…ネットワークアナライザ、42…同軸ケーブル、44…校正用金属片、46…ねじ、48…ナット、50…同軸管、50a…外部導体、50b…中心導体

Claims (5)

  1. 誘電体材料で形成された板状の試料が挿入される伝送線路部と、該伝送線路部を測定装置に接続するための一対の接続部と、を備え、該測定装置を用いて前記試料の材料定数を測定するのに利用される材料定数測定用治具であって、
    前記伝送線路部は、
    該伝送線路部の中心導体を構成する配線パターンを誘電体基板の両面に形成してなるプリント配線板と、
    該プリント配線板の両面に、前記配線パターンを横切るように前記試料を配置可能な間隙を介して積層されることにより、外部導体を構成する平板状の2つの導体板と、
    から構成されることを特徴とする材料定数測定用治具。
  2. 前記試料の板厚と略等しい厚さのスペーサを備えることを特徴とする請求項1に記載の材料定数測定用治具。
  3. 前記各接続部は同軸コネクタからなり、該同軸コネクタの中心導体は前記配線パターンに接続され、前記同軸コネクタの外部導体は前記導体板に接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の材料定数測定用治具。
  4. 前記プリント配線板の両面に形成された配線パターンの端部同士は、前記プリント配線板の端面に施された導電めっきにより接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の材料定数測定用治具。
  5. 前記プリント配線板の両面に形成された配線パターン同士は、前記プリント配線板に設けられたバイアホールにより接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の材料定数測定用治具。
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