JP2006214334A - 内燃機関の筒内充填空気量推定装置 - Google Patents

内燃機関の筒内充填空気量推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 気筒内から吸気管内への空気の逆流を考慮して筒内充填空気量を推定することができる筒内充填空気量推定装置を提供する。
【解決手段】 各気筒への筒内充填空気量を、基本空気量と、吸気弁開弁によりスロットル弁通過空気流量を超えて気筒内に流入する超過空気量とに二分割し、スロットル弁通過空気流量と各吸気弁の開弁時間とに基づいて基本空気量を算出する基本空気量算出手段と、吸気弁開弁による吸気圧の低下量に基づいて超過空気量を算出する超過空気量算出手段と、基本空気量と超過空気量とを合計して各気筒への筒内充填空気量を算出する筒内充填空気量算出手段とを具備する筒内充填空気量推定装置において、基本空気量算出手段は、全気筒への平均空気流量がスロットル通過空気流量と等しくなるような仮想的な吸気弁開弁時間を算出し、該仮想的な吸気弁開弁時間を上記吸気弁の開弁時間として用いる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、内燃機関の筒内充填空気量推定装置に関する。
内燃機関の燃焼室において燃焼される混合気の空燃比を最適な値とするためには、吸気弁が閉じたときに燃焼室内に充填されている空気の量(以下、「筒内充填空気量」と称す)を正確に推定する必要がある。このため、質量保存則や気体の状態方程式等から得られる数値計算モデルを用いて、吸気管内の圧力等から筒内充填空気量を推定する筒内充填空気量推定装置が知られている。
特許文献1に記載の筒内充填空気量推定装置では、スロットル弁から吸気弁までの吸気管についての質量保存則と吸気管内の空気についての状態方程式とに基づいて、スロットル弁を介して吸気管内に流入するスロットル弁通過空気流量と吸気弁開弁によって上記吸気管からそれぞれの吸気弁を介して各気筒に流入する筒内充填空気流量との間に成立する数式を用いて筒内充填空気量を推定するようにしており、これにより比較的精度良く筒内充填空気量を推定することができる。
特開2002−70633号公報 特開2001−234798号公報
数式を用いて筒内充填空気量を推定する場合、質量保存則や状態方程式に基づいて得られる数式をそのまま用いると数式が複雑になり、計算負荷が大きなものとなることから、通常、斯かる数式は簡略化して利用される。
ところで、吸気弁開閉弁時期が遅角側に設定されると、吸気弁は吸気下死点以降にも開弁していることとなる。この場合、ピストンが上昇を開始しても吸気弁が開弁状態に保持されているので、気筒内に吸入された空気が吸気管内に逆流する虞がある。しかしながら、上述したように筒内充填空気量を推定するにあたって数式を簡略化して利用していると、斯かる空気の逆流が考慮に入れられておらず、よって算出された筒内充填空気量には誤差が生じてしまう。
そこで、本発明の目的は、気筒内から吸気管内への空気の逆流を考慮して筒内充填空気量を推定することができる筒内充填空気量推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、複数の気筒と複数の吸気弁とを有する内燃機関の筒内充填空気量推定装置であって、各気筒への筒内充填空気量を、基本空気量と、吸気弁が開弁することによりスロットル弁通過空気流量を超えて吸気通路部分から気筒内に流入する超過空気量とに二分割し、吸気通路部分にスロットル弁を介して流入するスロットル弁通過空気流量と各吸気弁の開弁時間とに基づいて基本空気量を算出する基本空気量算出手段と、上記吸気弁の開弁による吸気圧の低下量に基づいて超過空気量を算出する超過空気量算出手段と、上記基本空気量と超過空気量とを合計して各気筒への筒内充填空気量を算出する筒内充填空気量算出手段とを具備する筒内充填空気量推定装置において、上記基本空気量算出手段は、全気筒への平均空気流量がスロットル通過空気流量と等しくなるような仮想的な吸気弁開弁時間を算出し、該仮想的な吸気弁開弁時間を上記吸気弁の開弁時間として用いる。
第1の発明によれば、仮想的な吸気弁開弁時間は全気筒への平均空気流量がスロットル通過空気流量と等しくなるような値となっている。このため、気筒内から吸気管内への空気の逆流があると仮想的な吸気弁開弁時間は実際の吸気弁開弁時間よりも短いものとなり、この仮想的な吸気弁開弁時間を用いて基本空気量算出手段により基本空気量を算出すると基本空気量を正確に算出することができる。
第2の発明では、第1の発明において、上記基本空気量算出手段は、吸気弁開弁時期付近又は吸気弁閉弁時期付近において上記吸気通路部分への空気の逆流が生ずるときに、上記仮想的な吸気弁開弁時間を上記吸気弁の開弁時間として用いる。
本発明によれば、気筒内から吸気管内への空気の逆流があっても基本空気量を正確に算出することができ、よって筒内充填空気量算出手段により筒内充填空気量を正確に算出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明を筒内噴射型火花点火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は別の火花点火式内燃機関や圧縮自着火式内燃機関に適用することも可能である。
図1に示したように、本実施形態では、例えば8つの気筒を備えた機関本体1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2内で往復動するピストン3と、シリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド4とを具備する。ピストン3とシリンダヘッド4との間には燃焼室5が形成される。シリンダヘッド4には各気筒毎に吸気弁6と、吸気ポート7と、排気弁8と、排気ポート9とが配置される。さらに、図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。また、ピストン3の頂面には燃料噴射弁11の下方から点火プラグ10の下方まで延びるキャビティ12が形成されている。
各気筒の吸気ポート7は吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気管15を介してエアクリーナ16に連結される。吸気管15内にはステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。なお、本明細書では、スロットル弁18下流の吸気管15、サージタンク14、吸気枝管12、及び吸気ポート7から成る吸気通路の部分、すなわちスロットル弁18から吸気弁6までの吸気通路の部分を「吸気管部分IM」と称する。一方、各気筒の排気ポート9は排気枝管及び排気管19を介して排気浄化装置20を内蔵した触媒コンバータ21に連結され、この触媒コンバータ21はマフラ(図示せず)を介して大気に連通される。
各気筒の吸気弁6は吸気弁駆動装置22により開閉駆動される。この吸気弁駆動装置22は、カムシャフトと、クランク角に対するカムシャフトの回転角を進角側と遅角側にとの間で選択的に切り換えるための切換機構とを具備する。カムシャフトの回転角が進角されると図2にADで示されるように吸気弁6の開弁時期VO及び閉弁時期VCが進角され、従って開閉弁時期が進角される。一方、カムシャフトの回転角が遅角されると図2にRTで示されるように吸気弁6の開弁時期VO及び閉弁時期VCが遅角され、従って開閉弁時期が遅角される。この場合、吸気弁6のリフト量及び作用角(開弁期間)が保持されつつ位相角(開弁時期)が変更される。図1に示される内燃機関では、カムシャフトの回転角は機関運転状態に応じて進角側又は遅角側に切り換えられる。なお、吸気弁6の開弁時期が連続的に変更される場合や、リフト量又は作用角が変更される場合にも本発明を適用することができる。
図1を参照すると、電子制御ユニット(ECU)31はデジタルコンピュータから成り、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を具備する。スロットル弁18上流の吸気管15には吸気管15を通過する空気(吸気ガス)の流量を検出するためのエアフロメータ40が配置される。また、サージタンク14には、吸気管部分IM内の空気の圧力(以下、「吸気圧」と称す)Pmを検出するための圧力センサ41が配置される。更に、アクセルペダル42にはアクセルペダル42の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ43が接続され、スロットル弁18にはスロットル弁18の開度を検出するためのスロットル開度センサ(図示せず)が設けられる。これらセンサ40、41、43の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。更に、入力ポート36にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ44が接続される。CPU35ではクランク角センサ44の出力パルスに基づいて機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11、ステップモータ17、及び吸気弁駆動装置22にそれぞれ接続され、これらは電子制御ユニット31からの出力に基づいて制御される。
ところで、本実施形態の内燃機関では、i番気筒(i=1,2,…,8)の燃料噴射量(燃料噴射時間)TAUiは例えば次式(1)に基づいて算出される。
TAUi=TAUb・ηi・k …(1)
ここでTAUbは基本燃料噴射量、ηiはi番気筒の空気量バラツキ補正係数、kはその他の補正係数をそれぞれ表している。
基本燃料噴射量TAUbは空燃比を目標空燃比に一致させるために必要な燃料噴射量である。この基本燃料噴射量TAUbは、機関運転状態に関するパラメータ(例えば、機関負荷及び機関回転数NE等。以下、「運転パラメータ」と称す)の関数として予め求められてマップの形でROM32内に記憶されているか、或いは運転パラメータに基づいた数式により算出される。また、補正係数kは空燃比補正係数、加速増量補正係数等をひとまとめにして表したものであり、補正する必要がないときには1.0とされる。
i番気筒において吸気弁閉弁時に筒内に充填されている空気の量を筒内充填空気量Mci(g)と称すると、空気量バラツキ補正係数ηiは筒内充填空気量Mciの気筒間のバラツキを補償するためのものである。i番気筒の空気量バラツキ補正係数ηiは例えば次式(2)に基づいて算出される。
ηi=Mci/Mcave …(2)
ここで、Mcaveは全気筒の筒内充填空気量Mciの平均値(=ΣMci/8。「8」は気筒数を表す)を表している。
ここで、例えば吸気管部分IMの内周面や吸気弁6の外周面上に主として炭素からなるデポジットが形成されると、デポジットの付着量は気筒毎に異なるので、筒内充填空気量Mciに気筒間でバラツキが生じる虞がある。また、燃焼室5の容積等については気筒間で製造誤差が生じている場合があり、この場合にも筒内充填空気量Mciには気筒間でバラツキが生じる虞がある。筒内充填空気量Mciに気筒間でバラツキが生じた場合に全ての気筒について燃料噴射量を等しいままとすると、空燃比や出力トルクに気筒間でバラツキが生ずることになる。そこで本実施形態では、空気量バラツキ補正係数ηiを導入し、筒内充填空気量の気筒間バラツキを補償するようにしている。
なお、燃料噴射が実際に行われるタイミングが燃料噴射量TAUiの算出タイミングよりも或る時間だけ先であることを考慮し、式(1)における基本燃料噴射量TAUbを式(1)による燃料噴射量TAUiの算出タイミングよりも或る時間だけ先の予測値とすることもできる。
或いは、i番気筒の燃料噴射量TAUiを次式(3)に基づいて算出することもできる。
TAUi=Mci・k/AFt …(3)
ここで、AFtは目標空燃比である。
このように、燃料噴射量TAUiを式(1)に基づいて算出する場合も、式(3)に基づいて算出する場合も、全ての気筒について空燃比を目標空燃比と一致させて出力トルクの気筒間でのバラツキをなくすためには、筒内充填空気量Mciを正確に求める必要がある。
本実施形態では、i番気筒の吸気弁6が開弁することにより生ずる吸気圧Pmの低下量である吸気圧低下量ΔPmdwniに基づいて筒内充填空気量Mciが算出される。次に、図3〜図5を参照しながらまず吸気圧低下量ΔPmdwniについて説明する。
図3は、圧力センサ41により例えば一定時間間隔で720°クランク角にわたって検出された吸気圧Pmを示している。図3に示した内燃機関における吸気順序は、#1−#8−#4−#3−#6−#5−#7−#2である。図3において、OPi(i=1,2,…,8)はi番気筒の吸気弁6の開閉弁時期を表しており、0°クランク角は1番気筒#1の吸気上死点を表している。図3からわかるように、或る気筒への吸気が開始されると、上昇していた吸気圧Pmが低下し始め、斯くして吸気圧Pmに上向きのピークが生ずる。吸気圧Pmは更に低下した後に再び上昇し、斯くして吸気圧Pmに下向きのピークが生ずる。このように、吸気圧Pmには上向きのピークと下向きのピークとが交互に生ずることになる。図3には、i番気筒の吸気弁6が開弁することにより吸気圧Pmに生ずる上向きのピークがUPiで、下向きのピークがDNiでそれぞれ示されている。
図4に示されるように、上向きのピークUPiにおける吸気圧Pmを最大値Pmmaxi、下向きのピークDNiにおける吸気圧Pmを最小値Pmminiと称すると、i番気筒への吸気が行われることにより吸気圧Pmが最大値Pmmaxiから最小値Pmminiまで低下する。従って、この場合の吸気圧低下量ΔPmdwniは次式(4)で表される。
ΔPmdwni=Pmmaxi−Pmmini …(4)
一方、図4に示されるように、吸気弁6が開弁すると、吸気管IMから流出してi番気筒の筒内CYLに吸入される空気の流量である筒内吸入空気流量mci(g/sec、図5参照)が増大し始める。次いで、筒内吸入空気流量mciが、スロットル弁17を通過して吸気管IM内に流入する空気の流量であるスロットル弁通過空気流量mt(g/sec、図5参照)よりも大きくなると、吸気圧Pmが低下し始める。次いで、筒内吸入空気流量mciが低下してスロットル弁通過空気流量mtよりも小さくなると、吸気圧Pmが増大し始める。
即ち、吸気管IM内にスロットル弁17を介して空気がスロットル弁通過空気流量mtだけ流入し、i番気筒への吸気が行われると吸気管IMから各吸気弁6を介し空気が筒内吸入空気流量mciだけ流出することを考えると、流出分である筒内吸入空気流量mciが流入分であるスロットル弁通過空気流量mtを一時的に超過し、このため吸気管IM内の圧力である吸気圧Pmが吸気圧低下量ΔPmdwniだけ低下する。
さて、筒内充填空気量Mciは筒内吸入空気流量mciを時間積分したものである。従って、筒内充填空気量Mci又は空気量バラツキ補正係数ηiに対する吸気弁開閉弁時期OPi(図3参照)の重複の影響を無視できるとすると、筒内充填空気量Mciは次式(5)のように表すことができる。
Figure 2006214334
ここで、tmaxiはi番気筒への吸気により吸気圧Pmに上向きのピークが発生する時刻である上向きピーク発生時刻を、tminiはi番気筒への吸気により吸気圧Pmに下向きのピークが発生する時刻である下向きピーク発生時刻を、Δtdwniは上向きピーク発生時刻tmaxiから下向きピーク発生時刻tminiまでの時間間隔(sec)を、Δtocは吸気弁開弁時間(sec)を、それぞれ表している(図4参照)。
式(5)において、右辺第1項は図4にT1で示される部分(以下、「領域T1」と称す)、即ち筒内吸入空気流量mciとスロットル弁通過空気流量mtとで囲まれた部分の面積を表したものであり、右辺第2項は図4にT2で示される部分(以下、「領域T2」と称す)、即ち筒内吸入空気流量mciとスロットル弁通過空気流量mtと直線mci=0とで囲まれた部分の面積を台形で近似して表したものである。
上述したように、吸気が行われることにより筒内吸入空気流量mciがスロットル弁通過空気流量mtを一時的に超過する。従って、この期間においては、筒内吸入空気流量mciを時間積分して得られる筒内充填空気量Mciがスロットル弁通過空気流量mtの時間積分値を超過する。領域T1はこのように、吸気が行われることにより生ずるスロットル弁通過空気流量mtの積分値に対する筒内充填空気量Mciの超過分を表している。
従って、一般化して言うと、筒内充填空気量を領域T1の面積で表される基本空気量と領域T2の面積で表される超過空気量とに分割し、超過空気量は、吸気が行われることにより生ずるスロットル弁通過空気量に対する筒内充填空気量の超過分であり、各気筒について基本空気量と超過空気量とを合計することにより各気筒の筒内充填空気量を算出しているということになる。
一方、吸気管IMについての質量保存則は、吸気管IM内の空気についての状態方程式を用いて次式(6)により表される。
Figure 2006214334
ここで、Vmは吸気管IMの容積(m3)を、Raは気体定数を空気の平均分子量で除算した値(以下、単に「気体定数」と称す)を、Tmは吸気管IM内の空気の温度(K)をそれぞれ表している(図5参照)。式(6)は、Vm/RaをパラメータKmとして表すと、次式(7)のように変形される。
Figure 2006214334
時刻tmaxiから時刻tminiまでの間には吸気圧Pmが吸気圧低下量ΔPmdwniだけ低下するため、式(5)は式(7)を用いて次式(8)のように書き直すことができる。
Figure 2006214334
そうすると、吸気圧Pmを圧力センサ41により検出して吸気圧低下量ΔPmdwniを算出し、上述したパラメータKmを求め、スロットル弁通過空気流量mtをエアフロメータ40により検出してその平均値mtaveを算出し、時刻tmaxi、tminiを吸気圧Pmから検出して時間間隔Δtdwni(=tmini−tmaxi)を算出すれば、式(8)を用いて筒内充填空気量Mciを算出できることになる。なお、吸気弁開弁時間ΔtocはECU31から吸気弁駆動装置22への指示値であり、従って実際に吸気弁6が開弁している時間である。
しかしながら、冒頭で述べたように、気筒内に吸入された空気の吸気管内への逆流により、又はその他の要因により、上述したように筒内充填空気量を算出すると筒内充填空気量には誤差が生じてしまう。すなわち、式(8)の右辺第2項は図4の領域T2を台形で近似している。ところが、空気の逆流等が生じた場合には、式(8)の右辺第2項によって近似的に算出される値は、領域T2よりも図6の斜線で示された量だけ多いものとなってしまい、結果的に筒内充填空気量が多めに算出されて誤差が生じてしまう。換言すると、吸気弁開弁時間Δtocを実際に吸気弁6が開弁している時間と等しい値とすると、式(8)の右辺第2項によって近似的に算出される値に誤差が生じてしまう。
そこで本発明では、吸気弁開弁時間Δtocを実際に吸気弁6が開弁している時間とせずに適切な値に調整することにより、空気の逆流等が生じた場合であっても領域T2を高精度に算出することができるようにしている。以下、図7及び図8を参照しながら本発明における筒内充填空気量の算出方法について説明する。
図7は、1番気筒の吸気上死点から次の1番気筒の吸気上死点までのクランク角720°の間における全ての気筒についての筒内充填空気流量mci及びスロットル弁通過空気流量平均値mtaveを示している。
このクランク角720°の間において吸気管IM内に流入した空気の総量は図7(A)にハッチングで示される部分の面積であって、このクランク角720°の間におけるスロットル弁通過空気流量平均値mtaveと、クランクシャフトがクランク角720°だけ回転するのに要した所要時間t720との積で表される(mtave・t720)。一方、このクランク角720°の間において吸気管IMから流出して気筒内に充填された空気の総量は図7(B)にハッチングで示される部分の面積であって、筒内充填空気量Mciの合計ΣMciで表される。
クランク角720°の始点と終点とで吸気圧Pmがほとんど変化していなければ、このクランク角720°の間に吸気管IM内に流入した空気の総量と、吸気管IMから流出して各気筒内に充填された空気の総量とは、互いにほぼ等しいはずである。従って、この場合には次式(9)が成立する。
Figure 2006214334
そして、式(9)の右辺に式(8)を代入して整理すると、次式(10)のように表すことができる。
Figure 2006214334
ここで、Tmaveは、クランク角720°の間における吸気管IM内の空気温度平均値を表している。
ところが、式(10)は実際には成立しない可能性がある。これは上述したように、吸気弁開弁時間Δtocを実際に吸気弁6が開弁している時間と等しい値とすることで式(8)の右辺第2項によって近似的に算出される値に誤差が生じてしまうためである。
そこで、本発明では、上記式(10)について、吸気弁開弁時間Δtocの代わりに変数xを用いる。この場合、上記式(10)は次式(11)のように表される。
Figure 2006214334
そして、式(11)を変数xについて整理すると、次式(12)のように表すことができる。
Figure 2006214334
このようにして算出される変数xは、吸気弁開弁時間Δtocに対応する値であって、クランク角720°の間に吸気管IM内に流入した空気の総量と、吸気管IMから流出して各気筒内に充填された空気の総量とが等しいと仮定した場合に定まる値である(以下、「仮想的な吸気弁開弁時間」と称す)。すなわち、仮想的な吸気弁開弁時間xは、図8において点線で囲まれた部分(すなわち、上底をΔtdwni、下底を仮想的な吸気弁開弁時間x、高さをmtaveとする台形部分)の面積が、筒内吸入空気流量mciとスロットル弁通過空気流量mtaveと直線mci=0とで囲まれた部分(領域T2)の面積と等しくなるように定められる値である。ただし、図8は1気筒について示しているが、実際には仮想的な吸気弁開弁時間xは、上記点線で囲まれた部分の面積の全気筒分の合計値が領域T2の面積の全気筒分の合計値と等しくなるように定められている。
一方、式(8)は、Δtocの代わりに変数xを用いて表すと、次式(13)のようになる。
Figure 2006214334
そして、式(13)に、式(12)によって算出された変数xの値を代入することにより、各気筒への筒内充填空気量が正確に算出されるようになる。
すなわち、本発明によれば、全気筒への平均空気流量がスロットル通過空気流量と等しくなるような仮想的な吸気弁開弁時間が算出され、斯かる仮想的な吸気弁開弁時間を吸気弁の開弁時間として利用して領域T2を算出することで、各気筒への筒内充填空気量を正確に算出することができる。
図9は、本発明の実施形態によるi番気筒の燃料噴射量TAUiの算出ルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定クランク角ごとの割り込みによって実行される。
図9を参照すると、ステップ101では負荷センサ43及びクランク角センサ44等によって検出された機関負荷、機関回転数等に基づいて基本燃料噴射量TAUbが算出される。次いで、ステップ102では、図10に示した筒内充填空気量Mciの算出ルーチンが実行され、これにより各気筒への筒内充填空気量Mciが算出される。次いで、ステップ103では、ステップ102で算出された各気筒への筒内充填空気量Mci及びこの筒内充填空気量の全気筒の平均値Mcaveに基づいて式(2)を用いてi番気筒空気量バラツキ補正係数ηiが算出される(i=1,2,…,8)。次いで、ステップ104では補正係数kが算出される。ステップ105では、ステップ101、103、104で算出された基本燃料噴射量TAUb、空気量バラツキ補正係数ηi及び補正係数kに基づいて式(1)を用いて燃料噴射量TAUiが算出される。i番気筒の燃料噴射弁11では燃料噴射量TAUiだけ燃料が噴射される。
図10は、本発明の実施形態によるi番気筒の筒内充填空気量Mciの算出ルーチンを示している。
図10を参照すると、ステップ121ではエアフロメータ40の出力等からスロットル弁通過空気流量mtが検出される。次いで、ステップ122では圧力センサ41の出力からi番気筒の吸気弁6が開弁することによる吸気圧の上向きピーク発生時刻tmaxi及び下向きピーク発生時刻tminiが検出される(i=1,2,…,8)。次いで、ステップ123ではステップ122で検出されたピーク発生時刻tmaxi、tminiに基づいてi番気筒の時間間隔Δtdwniが算出される(Δtdwni=tmini−tmaxi)。次いで、ステップ124では、図11に示した仮想的な吸気弁開弁時間xの算出ルーチンにより算出された変数xが取得される。
ステップ125では、圧力センサ41の出力からi番気筒の吸気弁6が開弁することによる吸気圧の最大値Pmmaxi及び最小値Pmminiが検出される。次いでステップ126では、ステップ125で検出された最大値Pmmaxi及び最小値Pmminiに基づいて式(4)を用いてi番気筒の吸気圧低下量ΔPmdwniが算出される。ステップ127では温度センサ(図示せず)等の出力に基づいて吸気管部分IM内の温度Tmが検出される。そして、ステップ128では、ステップ121、123、124、126及び127で算出されたmt、Δtdwni、x、ΔPmdwni及びTmに基づいて式(13)を用いて各気筒への筒内充填空気量Mciが算出される。算出された各気筒への筒内充填空気量Mciは図9に示した各気筒への燃料噴射量TAUiの算出に用いられる。
図11は本発明の実施形態による変数xの算出ルーチンを示している。この算出ルーチンはクランクシャフトが720°回転する毎に行われる。
図11を参照すると、ステップ141ではクランク角センサ44の出力等に基づいてクランクシャフトが720°回転するのに要した時間t720が検出される。次いで、ステップ142ではエアフロメータ40の出力等から、クランクシャフトが720°回転している間のスロットル通過空気流量の平均値mtaveが算出される。次いで、ステップ143では図10のステップ123で算出された時間間隔Δtdwniを全ての気筒について合計することで、ΣΔtdwniが算出される。ステップ144では、図10のステップ125で算出された吸気圧低下量ΔPmdwniを全ての気筒について合計することで、ΣΔPmdwniが算出される。次いで、ステップ145では、温度センサの出力に基づいて吸気管部分IM内の温度の平均値Tmaveが算出される。次いで、ステップ146では、ステップ141、142、143、144及び145で算出されたt720、mtave、ΣΔtdwni、ΣΔPmdwni及びTmaveに基づいて式(12)を用いて変数xの値が算出される。
なお、上述したように、式(12)はクランク角720°の始点と終点とで吸気圧Pmがほとんど変化していことを条件として成立するため、定常運転時にのみ筒内充填空気量Mciを算出し、クランク角720°の始点と終点とで吸気圧Pmが変動し易い過渡運転時には筒内充填空気量Mciの算出を中止するのが好ましい。ここで、定常運転時とは例えば機関負荷や機関回転数がほぼ一定の運転時を意味し、過渡運転時とは例えば機関負荷や機関回転数が変動する運転時を意味する。
また、上記説明では、吸気弁開閉弁時期が遅角側に設定されて吸気弁が吸気下死点以降にも開弁し、それにより気筒内に吸入された空気が吸気管内へ逆流する場合について本発明が適用されている。しかしながら、本発明は上記場合のみならず、例えば吸気弁開閉弁時期が進角側に設定されて吸気弁が吸気上死点以前から開弁し、それにより吸気弁が開弁されながらも空気が吸気管内へ流入しないような場合にも適用することができる。
本発明が適用される内燃機関の全体図である。 吸気弁開弁時期を示す図である。 吸気圧Pmの検出結果を示す図である。 吸気圧低下量ΔPmdwniを説明するためのタイムチャートである。 筒内充填空気量Mciの算出方法を説明するための図である。 近似における誤差を説明するためのタイムチャートである。 仮想的な吸気弁開弁時間xの算出方法を説明するためのタイムチャートである。 仮想的な吸気弁開弁時間xの算出方法を説明するためのタイムチャートである。 燃料噴射量TAUiの算出ルーチンを示すフローチャートである。 筒内充填空気量Mciの算出ルーチンを示すフローチャートである。 変数xの値の算出ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
6 吸気弁
10 燃料噴射弁
18 スロットル弁
31 ECU
22 吸気弁駆動装置
40 エアフロメータ
41 圧力センサ
IM 吸気管

Claims (2)

  1. 複数の気筒と複数の吸気弁とを有する内燃機関の筒内充填空気量推定装置であって、
    各気筒への筒内充填空気量を、基本空気量と、吸気弁が開弁することによりスロットル弁通過空気流量を超えて吸気通路部分から気筒内に流入する超過空気量とに二分割し、
    吸気通路部分にスロットル弁を介して流入するスロットル弁通過空気流量と各吸気弁の開弁時間とに基づいて基本空気量を算出する基本空気量算出手段と、
    上記吸気弁の開弁による吸気圧の低下量に基づいて超過空気量を算出する超過空気量算出手段と、
    上記基本空気量と超過空気量とを合計して各気筒への筒内充填空気量を算出する筒内充填空気量算出手段とを具備する筒内充填空気量推定装置において、
    上記基本空気量算出手段は、全気筒への平均空気流量がスロットル通過空気流量と等しくなるような仮想的な吸気弁開弁時間を算出し、該仮想的な吸気弁開弁時間を上記吸気弁の開弁時間として用いる筒内充填空気量推定装置。
  2. 上記基本空気量算出手段は、吸気弁開弁時期付近又は吸気弁閉弁時期付近において上記吸気通路部分への空気の逆流が生ずるときに、上記仮想的な吸気弁開弁時間を上記吸気弁の開弁時間として用いる請求項1に記載の筒内充填空気量推定装置。
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