JP2006213225A - 飛行可能な自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 飛行に必要とされる揚力を確保し得ると共に飛行時以外に邪魔にならない翼を備えた飛行可能な自動車の提供。
【解決手段】 飛行可能な自動車1は、揚力を発生するように円環状に展開可能であると共に収縮可能である翼20と、飛行のための推力を発生する推進ユニット10を備えている。翼20は、推進ユニット10を構成する圧縮機12から抽気された高圧空気を用いて円環状に展開させられる。また、自動車1は、ワイヤ23およびウィンチ24を有して飛行時に翼20を概ね円環状に保持する翼形状保持装置25を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 飛行可能な自動車1は、揚力を発生するように円環状に展開可能であると共に収縮可能である翼20と、飛行のための推力を発生する推進ユニット10を備えている。翼20は、推進ユニット10を構成する圧縮機12から抽気された高圧空気を用いて円環状に展開させられる。また、自動車1は、ワイヤ23およびウィンチ24を有して飛行時に翼20を概ね円環状に保持する翼形状保持装置25を備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、揚力を発生可能な翼を備えた飛行可能な自動車に関する。
従来から、路面上を走行可能であると共に飛行可能な自動車が提案されている。そして、飛行可能な自動車としては、小さなアスペクト比を有しつつ、大きなアスペクト比をもった通常翼と同等の空力特性を発揮し得る円環翼を備えた自動車も知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような円環翼を備えた自動車は、高い機動性を有して日常生活における移動を迅速にし得るものであり、例えば、短距離の空路を結ぶ手段として、あるいは、僻地等における緊急医療に供される輸送手段等としての活用が期待されている。
特開2003−327198号公報
ところで、上述の円環翼は、通常の翼に比較して小さなアスペクト比を有してはいるが、円環翼を備えた自動車の公道走行等を考慮すれば、飛行時以外には翼ができるだけ走行等の邪魔にならないようにすべきである。ただし、ごく単純に翼を小型化したのでは、飛行に必要とされる揚力を確保し得なくなるおそれがある。
そこで、本発明は、飛行に必要とされる揚力を確保し得ると共に飛行時以外に邪魔にならない翼を備えた飛行可能な自動車の提供を目的とする。
本発明による飛行可能な自動車は、揚力を発生可能な翼を備えた飛行可能な自動車であって、上記翼が、揚力を発生するように円環状に展開可能であると共に収縮可能であることを特徴とする。
この飛行可能な自動車に備えられた翼は円環状に展開され得るものである。従って、飛行に際して翼を展開させれば、当該翼は、飛行に必要な揚力を発生するいわゆる円環翼として機能する。また、この翼は収縮可能なものであるので、飛行時以外には、翼を収縮させて路面走行等の邪魔にならないようにすることができる。
また、上記翼は、気体を充填可能な環状の袋体と、袋体の内部に間隔をおいて配設された複数のリブとを含むと好ましい。
このような構成を採用すれば、円環状に展開可能であると共に収縮可能な翼を容易に実現することが可能となる。すなわち、かかる構成のもとでは、袋体に気体を充填すれば、袋体が膨らみ、袋体の内部に間隔をおいて配設された複数のリブの剛性によって揚力を発生させるのに必要な翼形状が維持される。また、袋体から気体を排出させれば、翼をコンパクトに収縮させることができる。
更に、本発明による飛行可能な自動車は、飛行時に翼を概ね円環状に保持するための翼形状保持手段を備えるとよい。
このような構成を採用すれば、自動車の飛行中に円環状を呈している翼に対して翼を外方に引っ張る空気の力が作用しても、翼を概ね円環状に保持して必要とされる揚力を良好に確保することが可能となる。
この場合、翼形状保持手段は、翼の内側表面に一端が繋止された線材と、線材を繰り出すと共に巻き取ることができる巻き上げ機とを含むと好ましい。
このような構成を採用すれば、円環状に展開した翼が内方に引っ張られるように翼に対して力を付与することができるので、自動車の飛行中に円環状を呈している翼に作用する外向きの空気の力に抗して、翼を円環状に保持することが可能となる。また、かかる構成のもとでは、翼を収縮させながら線材を巻き取ることにより、翼を畳んで収納する作業を容易にすることができる。
更に、本発明による飛行可能な自動車は、飛行のための推力を発生する推進手段を更に備え、上記翼は、推進手段から抽気された高圧ガスを用いて円環状に展開させられると好ましい。
このような構成を採用すれば、翼を展開させるための流体源を特別に用意する必要がなくなるので、飛行可能な自動車の重量やコストの低減化を図ることができる。
本発明によれば、飛行に必要とされる揚力を確保し得ると共に飛行時以外に邪魔にならない翼を備えた飛行可能な自動車の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による飛行可能な自動車(以下、単に「自動車」という。)を示す斜視図であり、図2は、図1の自動車のブロック構成図である。これらの図面に示される自動車1は、車体2と、車体2に設けられた路面走行用の複数の車輪3と、車体2の後部上面に取り付けられた翼20とを含む。複数の車輪3のうち、車体2の前部に設けられた2つの車輪3は、図2に示されるように、それぞれ走行用操舵機構4によって転舵させられる転舵輪となっており、走行用操舵機構4は、操舵ハンドル等を含む操作部5に接続されている。また、転舵輪としての車輪3は、それぞれ車体2に固定された姿勢制御翼6により支持されている。これらの姿勢制御翼6は、翼断面形状を有して車体2から概ね水平かつ側方に延出しており、飛行時の縦安定性等を向上させるための姿勢制御翼として機能すると共に、車輪3を支持するステーとしても機能する。
一方、複数の車輪3のうち、車体2の後部に設けられた2つの車輪3は、例えばトランスミッションや差動機構等を含む動力伝達機構7を介して走行用駆動ユニット8によって駆動される駆動輪とされている。走行用駆動ユニット8は、ガソリンエンジン等の内燃機関であってもよく、電動モータであってもよい。そして、走行用駆動ユニット8は、自動車1の走行を制御する走行制御ユニット9によって制御される。走行制御ユニット9は、図示されないCPU、ROM、RAM、記憶装置、入出力インターフェース等を含むものであり、操作部5に含まれるアクセルペダル等の操作量や図示されない各種センサの検出値に応じて、走行用駆動ユニット8等を制御する。なお、図示は省略されるが、自動車1には、各車輪3を制動するためのブレーキユニットが備えられる。また、自動車1が、前輪駆動車や四輪駆動車として構成され得ることはいうまでもない。
更に、自動車1は、飛行に際して推力を発生する推進ユニット10を備えている。本実施形態では、推進ユニット10として、タービン11および圧縮機12を含み、タービン軸によりプロペラ14を回転駆動するターボプロップエンジンが採用されている。また、本実施形態では、プロペラ14の周囲にダクト13が配置されており、ダクト13およびプロペラ14によって、いわゆるダクテッドファンが構成される。なお、推進ユニット10としては、ターボプロップエンジンの代わりに、レシプロエンジン、ターボジェットエンジン、ターボファンエンジン、あるいは電動モータを含むユニットが採用されてもよい。そして、かかる推進ユニット10は、自動車1の飛行を制御する飛行制御ユニット15によって制御される。
飛行制御ユニット15も、図示されないCPU、ROM、RAM、記憶装置、入出力インターフェース等を含むものである。この飛行制御ユニット15には、上述の操作部5に加えて、適宜制御回路等を介して、操舵用アクチュエータ16が接続される。かかる操舵用アクチュエータ16には、飛行時や離着陸時の姿勢制御に用いられる昇降舵、方向舵、補助翼等を作動させるための油圧アクチュエータ等が含まれる。更に、飛行制御ユニット15には、ロール、ピッチ、ヨーといった飛行時の姿勢や、飛行時の速度、加速度といった運動状態を検出するための複数のセンサを含むセンサ群17や、地上側の管制システムと交信可能な通信装置(図示省略)等も接続される。
かかる飛行制御ユニット15は、操作部5に含まれる操舵輪としての操舵ハンドル、スロットルレバー、およびペダル等の操作量やセンサ群17からの信号に基づいて要求されている操舵量や推進力等を算出し、推進ユニット10や操舵用アクチュエータ16に指令信号を与える。これにより、自動車1は、所望の飛行状態に制御されることになる。また、飛行制御ユニット15は、図2に示されるように、走行制御ユニット9とも接続されており、両者は、必要に応じて走行用駆動ユニット8および推進ユニット10等を強調制御する。例えば自動車1の離陸時には、離陸に必要な速度が得られるまで推進ユニット10に加えて走行用駆動ユニット8が作動される。また、例えば着陸時には、車輪3が路面に接する前に、走行制御ユニット9によって走行用駆動ユニット8が作動させられ、更にその回転数やギヤ比等が調整される。これにより、飛行から着陸そして走行への移行をスムースなものにすることができる。
そして、本実施形態の自動車1は、飛行に必要な揚力を発生させるための翼20を有している。図1および図2に示されるように、翼20は、いわゆる円環翼として機能し得るものである。このような円環翼は、アスペクト比が例えばおよそ1.6以上であれば、およそ7程度のアスペクト比を有する通常の翼と同等以上の揚力を発生し得る。また、円環翼においては、翼端渦が分散することになるので、アスペクト比が小さくても誘導効力が小さくなる。更に、円環翼では、翼端同士が実質的に結合することになるので、強度剛性を容易に高めることができる。このように、円環翼は多くの利点を有しているが、円環翼を備えた自動車の公道走行等を考慮すれば、飛行時以外には翼ができるだけ走行等の邪魔にならないようにすべきであるが、ごく単純に翼を小型化したのでは、飛行に必要とされる揚力を確保し得なくなるおそれがある。
このため、本実施形態の自動車1の翼20は、図1に示されるように円環状に展開可能であると共に、収縮可能に構成されている。すなわち、翼20は、図3〜図5に示されるように、柔軟な薄いシート材からなる気体を充填可能な環状の袋体21と、当該袋体21の内部に間隔をおいて配設された翼型の断面形状を有する複数のリブ(小骨)22とを含む。各リブ22は、それぞれの概ね全周が袋体21に対して固定されるが、強度を確保するためには、各リブ22を袋体21に対して縫合すると好ましい。また、各リブ22には、袋体21内に導入された気体の流通を許容するために、少なくとも1個の孔部22aが形成されている。袋体21やリブ22を構成する材料としては、エポキシと炭素繊維との複合材料、あるいはエポキシとアラミド繊維との複合材料等を採用すると好ましい。
このように、袋体21と複数のリブ22とを用いることにより、円環状に展開可能であると共に収縮可能な翼を容易に実現することが可能となる。すなわち、かかる構成のもとでは、袋体21に高圧ガス等の気体を充填すれば、袋体21が膨らみ、袋体21から気体を外部に排出させれば、翼20をコンパクトに収縮させることができる。そして、袋体21の内面には複数のリブ22が離散的に配置・固定されているので、図6において実線で示されるように、気体から袋体21に対して当該袋体21を外側に押し出す力が加えられても、袋体21が丸まってしまうことはなく、複数のリブ22の剛性によって揚力を発生させるのに必要な翼形状が維持される。また、翼20(袋体21)に対しては、ある断面についてみると、図6において破線で示されるような空気の力が飛行中に作用するが、このような力が作用しても、複数のリブ22の剛性と、袋体21内の気体の力によって揚力を発生させるのに必要な翼形状が維持される。
ここで、内面に複数のリブ22が間隔をおいて固定されている袋体21の内部に高圧の気体を充填すると、互いに隣り合うリブ22同士間において袋体21が理想的な表面よりも外方に膨らんでしまう可能性が高い。そして、かかる袋体21の膨らみが過剰になると、翼20の空力特性が損なわれてしまう。このような翼20における袋体21の膨らみは、翼20におけるリブ22の間隔と密接な関係を有していると考えられるので、本発明者は、リブ22の間隔と袋体21の膨らみとの相関を得るための解析を行った。
図7は、本発明者の解析によって得られた翼20におけるリブ22の間隔Sと、互いに隣り合うリブ22同士間における袋体21の膨らみdfとの相関を示すグラフである。ここでは、翼20の袋体21内の空気の圧力がおよそ2600Paに設定されているという条件の下で、リブ22の間隔Sを変化させたときの袋体21の膨らみdfを解析により求めた。図7に示される解析結果からわかるように、間隔Sが600mm程度になると、袋体21の膨らみdfが10mmを超えてしまう。翼20の空力特性を良好に維持する観点からみれば、袋体21の膨らみdfは、数ミリ程度に抑えるのが好ましいと考えられるので、リブ22の間隔Sは500mm以下に、より好ましくは、400mm以下に設定されるとよい。
また、本実施形態では、上述の袋体21を膨らまして翼20を円環状に展開させるために、図2に示されるように、ターボプロップエンジンである推進ユニット10の圧縮機12の途中段から抽気ラインL1を介して高圧空気が抽気され、翼20の袋体21の内部に供給される。このように、飛行のための推力を発生する推進ユニット10から抽気された高圧空気を用いて翼20を円環状に展開させることにより、翼20を展開させるための流体源を特別に用意する必要がなくなるので、自動車1の重量やコストの低減化を図ることができる。
推進ユニット10からの抽気ラインL1は、図2に示されるように、飛行制御ユニット15によって切り換え制御される抽排気弁18の第1ポートに接続されている。抽排気弁18としては、第1のポートに加えて更に第2および第3のポートを有する三方弁が採用される。そして、抽排気弁18の第2のポートには、高圧ガスラインL2の一端が接続されており、高圧ガスラインL2の他端は、プラグ等を介して袋体21の内部と連通している。また、抽排気弁18の第3のポートは、排気管を介して図示されない排出口に接続されている。
ところで、円環状に展開した翼に対しては、飛行中、正面からみると図8において矢印で示されるような空気の力が作用し、翼の上部ほど外方に引っ張られることになる。このため、何ら対策を施さなければ、図9において実線で示されるように、飛行前には真円に近い円環状を呈している翼20が、飛行中には、図9において二点鎖線で示されるように、上下に延びる長楕円形状に変形してしまい、期待される性能を発揮し得なくなるおそれもある。
このため、本実施形態の自動車1には、図2に示されるように、飛行時に翼20を概ね円環状すなわち真円に近い円環状に保持するために、ワイヤ23およびウィンチ(巻き上げ機)24を含む翼形状保持装置25が備えられている。本実施形態の翼形状保持装置25は、2本のワイヤ23を含んでおり、各ワイヤ23の一端は、翼20の内側表面、すなわち、環状の袋体21の内側表面であって翼20が円環状に展開した際に翼20の上端から側方かつ下方に離間した位置にそれぞれ繋止されている。
また、各ワイヤ23の他端は、ウィンチ24の巻回リールに固定されている。ウィンチ24は、2本のワイヤ23を繰り出すと共に巻き取ることができるものであり、車体2に対する翼20の取り付け箇所付近に位置するように車体2内に配置されている。この結果、2本のワイヤ23は、円環状に展開した翼20に対して概ねV字状に張設されることになる。なお、ワイヤ23としては、例えば繊維を編んだロープあるいは金属製スプリング材等を用いることができる。
このような翼形状保持装置25を用いることにより、自動車1の飛行中に円環状を呈している翼20に対して当該翼20を外方に引っ張る空気の力が作用しても、適宜ウィンチ24を作動させてワイヤ23を巻き取れば、翼20が内方に引っ張られるように当該翼20に対して力を付与することができる。これにより、自動車1の飛行中に円環状を呈している翼20に作用する外向きの空気の力に抗して、翼20を真円に近い円環状に保持して必要とされる揚力を良好に確保することが可能となる。ワイヤ23の張設の態様としては、本実施形態のように、円環状に展開した翼20に対して概ねV字状に張設する態様(図10(a)参照)の他に、図10(b)のように、1本のワイヤ23を上下に概ねI字状に張設する態様や、図10(c)のように、2本のワイヤ23を上下左右に概ね十字状に張設する態様等も考えられる。なお、図10(a),(b)および(c)に、ワイヤ23が張設された状態での翼20の変形状態を二点鎖線で示す。
次に、上述の飛行可能な自動車1において翼20を展開・収縮させる手順について説明する。
本実施形態の自動車1では、路面走行時や駐車時等に、翼20が図11に示されるように完全に収縮させた状態とされる。なお、路面走行時等には、翼20は、折り畳まれた上で図示されないバンド等を用いて車体2に対してしっかりと留められる。そして、自動車1を飛行させるべく翼20を展開させるに際しては、上記バンド等を取り外した上で、操作部5に含まれる所定のスイッチを操作すればよい。翼20を展開させるべく当該スイッチが操作されると、飛行制御ユニット15は、推進ユニット10が作動していなければ、推進ユニット10を始動させると共に、抽排気弁18を第1のポートと第2のポートとが連通するように切り換える。また、飛行制御ユニット15は、各ワイヤ23が巻回されている巻回リールが空転し得るようにウィンチ24のクラッチを解除すべく翼形状保持装置25に指令信号を与える。
これにより、推進ユニット10を構成する圧縮機12の途中段から抽気された高圧空気が抽気ラインL1、抽排気弁18および高圧ガスラインL2を介して折り畳まれている翼20の袋体21の内部に導入されることになる。そして、内部に高圧空気が導入されることにより、図12に示されるように、袋体21が徐々に展開していくと共に、2本のワイヤ23がウィンチ24の巻回リールから繰り出されていく。そして、袋体21の内部に所定の量の高圧空気が導入されると、翼20は、揚力を発生し得るように真円に近い円環状に展開することになる(図1参照)。翼20を展開させると、飛行制御ユニット15は、抽排気弁18を第1のポートと第3のポートとが連通するように切り換える。これにより、袋体21からの高圧空気の流出が抽排気弁18によって阻止され、推進ユニット10から抽気される高圧空気は、排出口を介して外部に排出されることになる。
一方、自動車1の飛行が完了した着陸後に、自動車1を駐車させたり、路面走行に移行させたりする際には、操作部5に含まれる上記所定のスイッチを操作して翼20を収縮させる。この場合、当該スイッチが操作されると、飛行制御ユニット15は、推進ユニット10が停止していなければ、推進ユニット10を停止させると共に、抽排気弁18を第2のポートと第3のポートとが連通するように切り換える。また、飛行制御ユニット15は、各ワイヤ23がウィンチ24の巻回リールに巻き取られるように翼形状保持装置25に指令信号を与える。
これにより、翼20の袋体21内の高圧空気が高圧ガスラインL2および抽排気弁18を介して排出口から外部へと排出されることになる。そして、内部から高圧空気が流出することにより、袋体21は、徐々に収縮されると共に、ウィンチ24によって巻き取られる2本のワイヤ23によって車体2側へと引き寄せられていく。このように、翼20を収縮させながらワイヤ23を巻き取ることにより、翼20を畳んで収納する作業を容易にすることができる。そして、袋体21の内部から十分に高圧空気が排出されると、翼20は、図11に示されるように完全に収縮した状態となり、この段階で、飛行制御ユニット15は、ウィンチ24によるワイヤ23の巻き取りを停止させる。その後、自動車1を走行させる場合には、翼20を折り畳んだ上で、図示されないバンド等を用いて車体2に対してしっかりと留めればよい。
上述のように、本実施形態に係る飛行可能な自動車1に備えられた翼20は円環状に展開され得るものである。従って、飛行に際して翼20を展開させれば、当該翼20は、飛行に必要な揚力を発生するいわゆる円環翼として機能する。また、翼20は収縮可能なものであるので、飛行時以外には、翼20を収縮させて路面走行等の邪魔にならないようにすることができる。
従って、本発明による自動車1を例えば救急車等の緊急車両として利用すれば、渋滞などの影響を受けることなく迅速に緊急患者の移送等を行うことが可能となる。また、自動車1は、道路、農道、校庭、空地などを滑走路として利用し得るものであることから、自動車1を利用すれば、離島や山間部といった僻地における緊急患者の移送等が可能となる。更に、自動車1の利用範囲は、上述のような緊急時の利用等に限られるものではなく、自動車1を新たな交通機関として、あるいは新たなレジャーの手段として利用することも可能である。
1 自動車、2 車体、3 車輪、4 走行用操舵機構、5 操作部、6 姿勢制御翼、7 動力伝達機構、8 走行用駆動ユニット、9 走行制御ユニット、10 推進ユニット、11 タービン、12 圧縮機、13 ダクト、14 プロペラ、15 飛行制御ユニット、16 操舵用アクチュエータ、17 センサ群、18 抽排気弁、20 翼、21 袋体、22 リブ、22a 孔部、23 ワイヤ、24 ウィンチ、25 翼形状保持装置、L1 抽気ライン、L2 高圧ガスライン。
Claims (5)
- 揚力を発生可能な翼を備えた飛行可能な自動車であって、
前記翼は、前記揚力を発生するように円環状に展開可能であると共に収縮可能であることを特徴とする飛行可能な自動車。 - 前記翼は、気体を充填可能な環状の袋体と、翼形を維持するために前記袋体の内部に間隔をおいて配設された複数のリブとを含むことを特徴とする請求項1に記載の飛行可能な自動車。
- 飛行時に前記翼を概ね円環状に保持するための翼形状保持手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の飛行可能な自動車。
- 前記翼形状保持手段は、前記翼の内側表面に一端が繋止された線材と、前記線材を繰り出すと共に巻き取ることができる巻き上げ機とを含むことを特徴とする請求項3に記載の飛行可能な自動車。
- 飛行のための推力を発生する推進手段を更に備え、前記翼は、前記推進手段から抽気された高圧ガスを用いて円環状に展開させられることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の飛行可能な自動車。
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Cited By (4)
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JP2009023629A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-02-05 | Japan Aerospace Exploration Agency | 短距離離着陸航空機 |
WO2010064326A1 (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-10 | Kanamori Takaaki | 空飛ぶ自動車 |
US9259984B2 (en) | 2008-07-28 | 2016-02-16 | Fleck Future Concepts Gmbh | Combined air, water and road vehicle |
JP2022151899A (ja) * | 2021-03-28 | 2022-10-11 | 株式会社タジマモーターコーポレーション | 伸縮翼を備える航空機 |
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2005
- 2005-02-04 JP JP2005029331A patent/JP2006213225A/ja active Pending
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