JP2006208398A - 音叉型振動ジャイロ - Google Patents

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寛 石川
Masaki Yanai
雅紀 谷内
Yoshio Sato
良夫 佐藤
Kazuji Kikuchi
一二 菊池
Yoshitaka Takahashi
芳孝 高橋
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Abstract

【課題】外部からの振動が加わった場合に発生する、不要な信号を低減することができる音叉型振動ジャイロを提供する。
【解決手段】2つのアーム2,3及びベース4を有する音叉型振動子1と、ベース4を支持する支持基板6と、回転角速度が加わった場合に生じる検出側振動を検出する検出回路とを備え、駆動側振動としての音叉型振動子1の面内振動と、検出側振動としての音叉型振動子1及び支持基板6が一体となった捩じり振動とを行う音叉型振動ジャイロにおいて、駆動側振動の共振周波数と検出側振動の共振周波数との差の絶対値が要求周波数特性の上限値の3倍を越えており、検出回路は要求周波数特性の上限値より大きく、かつ駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値より小さいカットオフ周波数を有するローパスフィルタを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転角速度検出に使用されるジャイロに関し、特に、一体的に形成された2つのアーム及びベースを有する音叉型振動ジャイロに関する。
ジャイロスコープは、航空機,大型船舶,宇宙衛星等の移動体の位置を確認する手段として使用されており、最近では民生用の分野でカーナビゲーションシステム,ビデオカメラ等の手振れ検出装置等にも利用されている。このようなジャイロスコープの中で、2つのアームと両アームを支えるベースとを圧電単結晶で一体的に形成した構成を有する音叉型圧電振動ジャイロの研究開発が進められている。
図16は、例えば特開平9−269228号公報に示された音叉型振動ジャイロの構成図である。図において、1は音叉型振動子であり、音叉型振動子1は、2つのアーム2,3及びこれらを支持するベース4を有する。アーム2,3及びベース4は、LiTaO3 ,LiNbO3 等の圧電単結晶を一体加工したものである。この音叉型振動子1のベース4を、ステム5に設けられた支持基板6に結合することによって、音叉型振動子1を支持している。
また、断面が略U字状をなす支持アーム7の水平部は、支持基板6の回転運動中心を含むように形成された支持基板6のスリット内に挿入され、ゴム状弾性体からなる接着層8を介して支持基板6にフレキシブルに取り付けられている。支持アーム7の両端部には突起が設けられ、それらの突起がステム5に形成されたホール内に挿入されている。
また、これらの部材を覆って保護するためにキャップ9が設けられている。このキャップ9とステム5とにてケース10が構成される。なお、後述する駆動振動を励振させる駆動回路及び検出信号を処理する検出回路を含む回路基板11(図20参照)を、ステム5及び/またはキャップ9に設けて、この回路基板11をケース10内に収納するような構成も可能である。
このような音叉型振動子1には、図17(a),(b)に示すように、fxモード振動(面内振動)とfyモード振動(面垂直振動)とがある。そして、駆動振動(面内振動)を励振させると、回転角速度が加わった場合には検出振動(面垂直振動)が起こるので、この振動の大きさに比例した出力信号を検出して、角速度を求める。
ところで、駆動振動(面内振動)方向をX方向、検出振動(面垂直振動)方向をY方向、両方向に垂直な回転軸方向をZ方向とすると、特に、外部からの振動または衝撃がX方向,Y方向に加えられた場合、音叉型振動子1は支持基板6と一体的に、図18(a),(b)に示すような揺動運動を起こす。
この場合、図19(a),(b)に示すように、音叉型振動子1(アーム2,3)の先端が最初に、ケース10の内壁、つまりステム5またはキャップ9に衝突することになる。また、ケース10の内壁に回路基板11が設けられている場合には、図20(a),(b)に示すように、その回路基板11に最初に音叉型振動子1(アーム2,3)の先端が衝突する。ここで、外部からの振動または衝撃が大きい場合、音叉型振動子1はこの衝突によってアーム2,3の付け根部で折れて破壊されてしまい、センサの機能を果たせなくなるという問題がある。
外部からの振動または衝撃から音叉型振動子を保護するために種々の工夫が提案されている(例えば、特許文献1(従来例1),特許文献2(従来例2)参照)。
特開平5−18755号公報 特開平7−243857号公報
従来例1では、クッション材及び保護部材が示されている。このクッション材は、音叉型振動子が支持される支持部材が固定されるカバーと、その周りのケースとの間に設置されており、外部からの振動を吸収する機能を有する。また、音叉型振動子の支持部材の両端の外側近傍に設けた保護部材は、音叉型振動子が必要以上に変位すること、即ち、支持部材が大きく塑性変形することを防止する機能を有する。
しかしながら、この従来例1では、加速度が非常に大きい振動が加えられた場合、クッション材でこの振動を吸収できず、支持部材が塑性変形をおこして、音叉型振動子の中心軸が初期設定位置からずれてしまい、ジャイロ特性を大きく損なってしまう。また、衝撃等によって更に支持部材の塑性変形が大きくなって、音叉型振動子が周囲の部材に接触したままになってしまう場合がある。このような場合には、駆動振動が停止してしまうので、ジャイロセンサの機能を全く果たせないことになる。
一方、従来例2は、従来例1での問題点を解決して、外部からの衝撃に対して有効な構造を開示している。音叉型振動子を支持する支持部材の取り付け板とワークプレートとの間、ワークプレートが取り付けられた回路基板及びワークプレートに取り付けられているワークカバーとケースとの間に、外部からの衝撃を吸収するためのクッション材を設けている。この従来例2の構造は、最も外側のケースと、その内部に収納される回路基板,回路基板のシールドカバー,ワークカバー,ワークプレート,音叉型振動子の間に、夫々クッション材を設け、外部からの衝撃を夫々のクッション材で順次吸収していく。
しかしながら、この従来例2では、多量のクッション材を設けるので、全体構成を小型化できないという問題がある。また、音叉型振動子が周囲の部材に接触したままになってしまった場合には、従来例1と同様に、ジャイロセンサの機能を全く果たせない。
ところで、図16に示すような基本的構造の音叉型振動ジャイロにおいて、音叉型振動子1の回転中心軸と支持アーム7との支持軸とが完全に一致している場合は、外部から例えばY方向の振動が加わっても、支持軸線を境界とした上下でのモーメントが等しいので、図21に示すように、音叉型振動子1は、並進振動しか起こさない。しかし、これらの双方の軸を一致させることは困難であり、双方の軸が一致しない場合に外部からY方向の振動が加わると、支持軸線を境界とした上下でのモーメントがアンバランスとなり、図22に示すように、回転運動が生じる。よって、回転運動が音叉型振動子1に加えられなくても、不要な回転運動の信号を検出してしまうという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、外部からの振動が加わった場合に発生する、不要な信号を低減することができる音叉型振動ジャイロを提供することを目的とする。
請求項1に係る音叉型振動ジャイロは、2つのアーム及びベースを有する音叉型振動子と、前記ベースを支持する支持基板と、回転角速度が加わった場合に生じる検出側振動を検出する検出回路とを備え、駆動側振動としての前記音叉型振動子の面内振動と、前記検出側振動としての前記音叉型振動子及び支持基板が一体となった捩じり振動とを行う音叉型振動ジャイロにおいて、前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値が要求周波数特性の上限値の3倍を越えており、前記検出回路は前記要求周波数特性の上限値より大きく、かつ前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値より小さいカットオフ周波数を有するローパスフィルタを有することを特徴とする。
請求項1の音叉型振動ジャイロでは、駆動側振動の共振周波数と検出側振動の共振周波数との差の絶対値を要求周波数特性の上限値の3倍を越えるようにしており、外部からの振動による不要な信号を低減する。
請求項2に係る音叉型振動ジャイロは、請求項1において、前記駆動側振動を励振する回路と、前記検出回路の検出信号をデジタル変換して信号処理する信号処理回路とを備え、該信号処理回路におけるサンプリング周波数が信号処理時の積分時間の逆数の2倍より大きく、前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値が前記積分時間の逆数より大きいことを特徴とする。
請求項2の音叉型振動ジャイロでは、検出系のデジタル信号処理回路におけるサンプリング周波数を信号処理時の積分時間の逆数の2倍より大きくすると共に、駆動側振動の共振周波数と検出側振動の共振周波数との差の絶対値をその積分時間の逆数より大きくするようにしており、外部からの振動による不要な信号を低減する。
本発明の音叉型振動ジャイロでは、駆動側振動の共振周波数と検出側振動の共振周波数との差の絶対値を、要求周波数特性の上限値の3倍を越えるか、または、積分時間の逆数より大きくするので、外部からの振動による不要信号を大幅に低減でき、耐振動特性の向上を図ることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の音叉型振動ジャイロの一例の構成図である。図において、1は音叉型振動子であり、音叉型振動子1は、2つのアーム2,3及びこれらを支えるベース4を有する。アーム2,3及びベース4は、LiTaO3 ,LiNbO3 等の圧電単結晶を一体加工したものである。この音叉型振動子1のベース4を、ステム5に設けられた支持基板6に結合することによって、音叉型振動子1を支持している。
また、断面が略U字状をなす支持アーム7の水平部は、支持基板6の回転運動中心を含むように形成された支持基板6のスリット内に挿入され、ゴム状弾性体からなる接着層8を介して支持基板6にフレキシブルに取り付けられている。支持アーム7の両端部には突起が設けられ、それらの突起がステム5に形成されたホール内に挿入されている。また、これらの部材を覆って保護するためにキャップ9が設けられている。このキャップ9とステム5とにてケース10が構成される。
また、ベース4を囲む態様で、環状(中空直方体状)の揺動制限部材21が、その一面をステム5に固定して設けられている。なお、この揺動制限部材21は、面内振動がほとんど起こらない位置、つまりアーム2,3の付け根部(アーム2,3とベース4との境界部、図1に破線Aで示す)からベース4寄りに設けておけば良いので、ベース4の任意の位置に揺動制限部材21を設けることができる。
このような音叉型振動ジャイロでは、従来例と同様に、駆動振動(面内振動)を励振させ、回転角速度が加わった場合に検出振動(面垂直振動)が起こり、この振動の大きさに比例した出力信号を検出することで角速度を求める。
前述したように、図16に示すような従来の音叉型振動ジャイロに外部から振動または衝撃が加わった場合、その振動または衝撃に応じて音叉型振動子1が揺動して、音叉型振動子1が周囲の部材に衝突することがあった。これに対して、図1に示すような本発明の音叉型振動ジャイロでは、ベース4の周囲に揺動制限部材21を設けており、外部から振動または衝撃が加わって音叉型振動子1が揺動した場合でも、この揺動制限部材21の存在によって音叉型振動子1の揺動幅が制限されるので、音叉型振動子1がステム5,キャップ9等の周囲の部材に衝突することを防止できる。この結果、ジャイロ特性を損なうことはなく、また、駆動振動が停止してジャイロ機能を失うこともない。
なお、図1に示す例では、ベース4(音叉型振動子1)の周囲に、揺動制限部材21を設けているが、支持基板6または接着層8の周囲にこのような揺動制限部材21を設けるようにしても良い。
図2(a),(b)は、本発明の音叉型振動ジャイロの他の例の特徴部分の構成図である。図2(a),(b)に示す例は、何れもベース4に直接に揺動制限部材21を形成したものであり、図2(a)の例では、X,Yの各両方向に延設した揺動制限部材21をベース4に形成し、図2(b)の例では、環状の揺動制限部材21をベース4に直接形成している。
このような構成では、外部から振動または衝撃によって音叉型振動子1が大きく揺動した場合でも、この揺動制限部材21が音叉型振動子1に先んじてステム5,キャップ9等の周囲の部材に接触するので、音叉型振動子1が周囲の部材に衝突することを防止できる。
なお、図示省略するが、図2(a),(b)と同形状の揺動制限部材21を支持基板6に形成するようにしても良い。
図3(a)〜(c)は、本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の特徴部分の構成図である。この例では、支持基板6と支持アーム7とを接着する接着層8に一体的に揺動制限部材21を形成している。この例でも、音叉型振動子1が大きく揺動した場合に、揺動制限部材21が先に周囲の部材に接触して、音叉型振動子1の周囲の部材への衝突を防止する。
なお、図3(a)〜(c)に示す例では、揺動制限部材21の全てが支持基板6に設けられているが、上下部分の揺動制限部材21はベース4に設けるようにしても良い。また、この揺動制限部材21の形状を環状としても良い。
図4は、本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の構成図である。図4において、図1と同一部分には同一番号を付して説明を省略する。この例では、駆動振動を励振させる駆動回路及び検出信号を処理する検出回路を含む回路基板11が、ステム5及びキャップ9で構成されるケース10内に収納されている。ステム5と音叉型振動子1との間に回路基板11が存在し、回路基板11には、外部回路との電気的導通を図るための端子ピン12が、ステム5を貫通して設けられている。そして、図1と同様に、ベース4の周囲に揺動制限部材21が設けられている。この揺動制限部材21の下面は、回路基板11に固定されている。
このような構成では、音叉型振動子1の振れ幅が揺動制限部材21にて制限され、大きく揺動しても、音叉型振動子1が、回路基板11,キャップ9等の周囲の部材に衝突することを防止できる。
図5は、本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の構成図である。図5において、図1と同一部分には同一番号を付して説明を省略する。この例は、複数個の揺動制限部材21を設けたものである。図5に示す例では、音叉型振動子1の下方でステム5(または回路基板11)に固定された1個の揺動制限部材21と、キャップ9の内壁面に固定された2個の揺動制限部材21とを設けている。
このように、音叉型振動子1とケース10との間、及び/または、音叉型振動子1と回路基板11との間に揺動制限部材21を設ける場合には、周囲の部材に最も早く接触する部分(アーム2,3の先端部分)が周囲の部材(ケース10,回路基板11)に接触しないように、つまり、アーム2,3,ケース10間のクリアランス、及び/または、アーム2,3,回路基板11間のクリアランスが所定の値以上になるように、揺動制限部材21の位置及び形状を設計することが必要である。
図6は、音叉型振動子1の下方に揺動制限部材21を設ける場合において、アーム2,3の先端部分が絶対にステム5(または回路基板11)に接触しないように規定した例を示す模式図である。音叉型振動子1とステム5(または回路基板11)との間の距離をH、音叉型振動子1及び支持基板6の揺動中心とアーム2,3の先端との間の距離をL、音叉型振動子1が揺動した場合における音叉型振動子1または支持基板6が揺動制限部材21に接触する位置とステム5(または回路基板11)との間の距離をH′、音叉型振動子1が揺動した場合における音叉型振動子1または支持基板6が揺動制限部材21に接触する位置と音叉型振動子1及び支持基板6の揺動中心との距離をL′とした場合に、以下の(A),(B)式を同時に満足するように、揺動制限部材21の位置及び形状を設計する。
H=L×sinθ>0 …(A)
tanθ=(H−H′)/L′ …(B)
上記(A),(B)式を満たすように揺動制限部材21の位置及び形状を設計するようにすれば、アーム2,3の先端部分が、決してステム5(または回路基板11)に接触しない。従って、アーム2,3の先端部分がステム5(または回路基板11)に接触しない場合の揺動制限部材21の高さの最小値を、(A),(B)式により規定できることになる。よって、最低の高さの揺動制限部材21を提供できるので、揺動制限部材21の原材料費及び重量の低減化を図ることができる。
なお、上記例では、音叉型振動子1の下方に揺動制限部材21を設けた場合における揺動制限部材21の位置及び形状の設計基準を示したが、ケース10(キャップ9)の内壁に揺動制限部材21を設ける場合にも、同様に、揺動制限部材21の位置及び形状を設計できる。
ここで、揺動制限部材21に使用する材料及びその硬度について説明する。揺動制限部材21の材料としては、エポキシ,ウレタン等の樹脂、シリコン,ブチル等のゴムの弾性体、または、それらの発泡材を使用できる。このような材料では、事前に治具を用いて複雑な形状の揺動制限部材21も容易に大量に作製することができる。従って、揺動制限部材21を設ける場合にも音叉型振動ジャイロの組み立ては容易であり、工数削減及び低コスト化に寄与できる。
図6に示す構成において、音叉型振動子1が最も揺動しやすいY方向について1500(G)の一定衝撃を外部から加え、揺動制限部材21の硬度を変化させて、アーム2,3が折れるか否かを調べる実験を行った。その結果を、図7に示す。揺動制限部材21を設けない例(比較例)では、アーム2,3が周囲の部材に衝突して折れてしまった。一方、硬さが102(JIS A)では、周囲の部材にアーム2,3は衝突はしないが、揺動制限部材21自体が硬くて弾性が少なくなるので、揺動制限部材21への接触の衝撃でアーム2,3が折れた。よって、硬度100(JIS A)以下の弾性体で揺動制限部材21を形成した場合には、アーム2,3が折れず、音叉型振動子1の破壊防止に有効であることが分かる。なお、硬さが小さい(例えば、0(JIS A))材料を収容した密閉容器を、揺動制限部材21として使用することも可能である。
このような揺動制限部材21を設ける構成は、外部からの振動または衝撃に対して必然的に音叉型振動子1が揺動する、音叉型振動子1の支持部が弾性体である音叉型振動ジャイロにおいて特に有効である。本発明の音叉型振動ジャイロは、従来のように外部からの振動または衝撃を緩和,吸収するものではなく、音叉型振動子1の揺動幅を揺動制限部材21にて制限する構成であり、従来例1,2とは外部からの振動または衝撃への対処が異なる。また、本発明では、従来例1,2に示すようなワークカバー,ワークプレート,シールドカバー,クッション材等が不要であり、大幅な小型化を図ることができる。
以下、外部から振動が加わった場合に生じる不要な信号を低減できるようにした本発明の音叉型振動ジャイロについて説明する。
図8は、音叉型振動ジャイロにおける駆動信号と検出信号との関係を示す図であり、回転運動が加わると、ジャイロの検出信号は、図8に示すように、駆動周波数を有する信号に周期tの検出波が乗ったAM変調波となる。
また、図9は、音叉型振動ジャイロに加えられる回転周波数と応答出力との関係を示すグラフである。図9のグラフでは、駆動側振動の共振周波数と検出側振動の共振周波数との差Δfの絶対値が3種の値(40Hz,80Hz,120Hz)である場合の特性を表している。図9に示すように、|Δf|で音叉型振動子1自身の周波数特性は決定され、|Δf|近傍の周波数の回転が加わった場合にその応答出力がピークを呈する。従って、音叉型振動ジャイロの要求周波数特性の上限値Fmax より|Δf|を小さくすると、ピーク部分を含んだ周波数応答特性を持つようになり、外部からの振動も大きな振幅となって検出することになる。よって、本発明では、この|Δf|を要求周波数特性の上限値Fmax 以上とし、また、回路のLPF(ローパスフィルタ)を併用することにより、Fmax 以下でフラットな周波数応答特性を得るようにする。
図10は、このようなLPFを用いるアナログ検出回路の構成図である。このアナログ検出回路は、アーム2,3に設けられた2系統の検出電極の検出電圧信号を入力してその2つの入力の差に比例した信号を出力する差動増幅器31と、差動増幅器31からの出力信号を同期検波する同期検波器32と、同期信号となる基準クロックを発振して同期検波器32へ出力する発振器33と、所定の濾波特性(カットオフ周波数Fc )を有するLPF34と、LPF34の出力を増幅する直流増幅器35とを有する。
図11は、このようなアナログ検出回路における周波数応答特性の合成を示す図であり、図11(a)は音叉型振動子1の角速度周波数特性、図11(b)はLPF34の周波数特性、図11(c)は実際の音叉型振動ジャイロにおける周波数応答特性の一例を夫々示している。ここで、Fmax に合わせて|Δf|をFmax よりわずかに大きく、しかも、LPF34のカットオフ周波数Fc をFmax よりわずかに大きくした場合、音叉型振動ジャイロの実際の周波数応答特性は、音叉型振動子1自身の周波数特性(図11(a))とLPF34の周波数特性(図11(b))とが合成されたもの(図11(c))となり、Fmax 以上の周波数で大きなピークを持つ。そして、外部からの振動もこのピーク部に略等しい周波数で大きな振幅をとることになる。
従って、外部からの振動にて生じるノイズとしての不要信号を低減するためには、|Δf|をFmax より十分大きくしておく必要がある。ここで、Fc はFmax に準じると考えられるので、両者は略等しい数値であるとしても良い。よって、|Δf|をFc より十分大きくすることにより、上記の不要信号を低減できる。
図12は、|Δf|及びFc を変化させた音叉型振動ジャイロに、実験的に外部から振動を加えた場合の検出信号(電圧換算)を示す図であり、図12(a),(b),(c)は夫々、|Δf|=120HzでFc =60Hz,|Δf|=200HzでFc =60Hz,|Δf|=200HzでFc =22Hzである場合の実験結果を表す。|Δf|=2×Fc の場合(図12(a))に比較して、|Δf|>3×Fc の場合(図12(b))には大幅に不要信号が低減されることを確認できた。更に、|Δf|>9×Fc を満たす場合(図12(c))では、飛躍的に不要信号が低減されることを確認できた。
次に、アナログの検出信号をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号を処理するデジタル信号処理回路を備えた音叉型振動ジャイロについて説明する。
図13は、このようなデジタル信号処理回路の構成図であり、このデジタル信号処理回路は、入力されるアナログの検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器41と、A/D変換器41の出力を所定時間にわたって積分する積分器42とを有する。
音叉型振動ジャイロのアナログの検出信号は、上述したように(図8参照)、回転運動による周期tの検出波が駆動信号に加えられた態様をなす。従って、不要な回転角速度信号を効果的に除去するためには、検出系のデジタル信号処理回路において、少なくとも検出波の周期t以上の積分時間が必要であり、しかも、その積分時間の逆数の2倍(2/t)以上のサンプリング周波数fs をとる必要がある。ここで、検出可能角周波数(要求周波数特性)の上限値、いわゆる1/tの最大値は、上述したΔfの絶対値以下である。従って、fs >2/tと|Δf|>1/tとの条件を同時に満足することにより、不要な信号の除去を効果的に行うことが可能となる。
図14,図15は、上記2条件を満たす本発明例と上記2条件を満たさない比較例との音叉型振動ジャイロに、実験的に外部から振動を加えた場合の検出信号(角速度換算)を示す図であり、図14,図15は夫々、本発明例,比較例の実験結果を示す。なお、何れの例も、140Hz,1GでY方向に振動を印加し、fs =1kHz,t=1sec.,Δf=120Hzとした。本発明例では、比較例と比べて不要信号の振幅が1/5になり、外部から振動が加わった場合に生じる不要信号の低減に本発明の手法が有効であることを確認できた。
本発明の音叉型振動ジャイロの一例の構成図である。 本発明の音叉型振動ジャイロの他の例の特徴部分の構成図である。 本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の特徴部分の構成図である。 本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の構成図である。 本発明の音叉型振動ジャイロの更に他の例の構成図である。 揺動制限部材の位置及び形状を規定するための説明図である。 揺動制限部材の硬度に関する実験結果を示す図表である。 音叉型振動ジャイロにおける駆動信号と検出信号との関係を示す図である。 音叉型振動ジャイロにおける回転周波数と応答出力との関係を示すグラフである。 音叉型振動ジャイロのアナログ検出回路の構成図である。 アナログ検出回路における周波数応答特性の合成を示す図である。 音叉型振動ジャイロに外部から振動を加えた場合の検出信号(電圧換算)の実験結果を示す図である。 音叉型振動ジャイロのデジタル信号処理回路の構成図である。 音叉型振動ジャイロ(本発明例)に外部から振動を加えた場合の検出信号(角速度換算)の実験結果を示す図である。 音叉型振動ジャイロ(従来例)に外部から振動を加えた場合の検出信号(角速度換算)の実験結果を示す図である。 従来の音叉型振動ジャイロの構成図である。 音叉型振動子の振動状態を示す図である。 外部からの振動または衝撃による音叉型振動子の揺動運動を示す図である。 アームの先端がケースに接触する状態を示す図である。 アームの先端が回路基板に接触する状態を示す図である。 外部からの振動による音叉型振動子の並進運動を示す図である。 外部からの振動による音叉型振動子の回転運動を示す図である。
符号の説明
1 音叉型振動子
2,3 アーム
4 ベース
5 ステム
6 支持基板
7 支持アーム
8 接着層
9 キャップ
10 ケース
11 回路基板
21 揺動制限部材

Claims (2)

  1. 2つのアーム及びベースを有する音叉型振動子と、前記ベースを支持する支持基板と、回転角速度が加わった場合に生じる検出側振動を検出する検出回路とを備え、駆動側振動としての前記音叉型振動子の面内振動と、前記検出側振動としての前記音叉型振動子及び支持基板が一体となった捩じり振動とを行う音叉型振動ジャイロにおいて、前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値が要求周波数特性の上限値の3倍を越えており、前記検出回路は前記要求周波数特性の上限値より大きく、かつ前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値より小さいカットオフ周波数を有するローパスフィルタを有することを特徴とする音叉型振動ジャイロ。
  2. 前記駆動側振動を励振する回路と、前記検出回路の検出信号をデジタル変換して信号処理する信号処理回路とを備え、該信号処理回路におけるサンプリング周波数が信号処理時の積分時間の逆数の2倍より大きく、前記駆動側振動の共振周波数と前記検出側振動の共振周波数との差の絶対値が前記積分時間の逆数より大きいことを特徴とする請求項1記載の音叉型振動ジャイロ。
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