JP2006207383A - 内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エンジンをより適正に運転する。
【解決手段】 燃料噴射時間τとエンジンの回転数Neとに基づいて第1燃料噴射量Qf1を設定すると共に吸入空気量Qaと空燃比AFとに基づいて第2燃料噴射量Qf2を設定し(S150,S160)、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定する(S170)。そして、目標パワーPe*とエンジンの回転数Neとに基づく基本燃料噴射量Qftmpと推定燃料噴射量Qfeとを用いて目標燃料噴射量Qf*を設定し(S180〜S200)、設定した目標燃料噴射量Qf*に応じた燃料噴射時間τの燃料噴射を行なう(S210)。これにより、推定燃料噴射量Qfeをより精度よく計算でき、目標燃料噴射量Qf*をより精度よく計算して燃料噴射を行なうことができる。この結果、エンジンをより適正に運転することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 燃料噴射時間τとエンジンの回転数Neとに基づいて第1燃料噴射量Qf1を設定すると共に吸入空気量Qaと空燃比AFとに基づいて第2燃料噴射量Qf2を設定し(S150,S160)、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定する(S170)。そして、目標パワーPe*とエンジンの回転数Neとに基づく基本燃料噴射量Qftmpと推定燃料噴射量Qfeとを用いて目標燃料噴射量Qf*を設定し(S180〜S200)、設定した目標燃料噴射量Qf*に応じた燃料噴射時間τの燃料噴射を行なう(S210)。これにより、推定燃料噴射量Qfeをより精度よく計算でき、目標燃料噴射量Qf*をより精度よく計算して燃料噴射を行なうことができる。この結果、エンジンをより適正に運転することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法に関し、詳しくは内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段を備える内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法に関する。
従来、この種の内燃機関装置としては、内燃機関の運転状態に応じて目標筒内燃料量を設定すると共に気筒に実際に吸入される筒内実吸入空気量と実際の空燃比とに基づいて気筒に実際に供給される筒内実吸入燃料量を推定し、推定した筒内実吸入燃料量が目標筒内吸入燃料量に一致するよう制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、筒内実吸入空気量を精度よく推定することにより、筒内実吸入燃料量を目標筒内燃料量に精度よく一致させることができる、としている。
特開平6−17680号公報
しかしながら、上述の内燃機関装置では、筒内実吸入燃料量の推定を筒内実吸入空気量と実際の空燃比とに基づく一通りの方法でしか行なわないから、空燃比を正確に検出することができない場合などには、筒内実吸入燃料量を精度よく推定することができないために、筒内実吸入燃料量を目標筒内燃料量に精度よく一致させることができず、内燃機関を効率よく運転することができない場合が生じる。
本発明の内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法は、燃料噴射量をより精度よく演算することによって内燃機関をより適正に運転することを目的の一つとする。また、本発明の内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法は、スロットルバルブの目標開度をより精度よく演算することによって内燃機関をより適正に運転することを目的の一つとする。
本発明の内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の内燃機関装置は、
内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段を備える内燃機関装置であって、
前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算する第1燃料噴射量演算手段と、
前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算する第2燃料噴射量演算手段と、
前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する目標燃料噴射量演算手段と、
を備えることを要旨とする。
内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段を備える内燃機関装置であって、
前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算する第1燃料噴射量演算手段と、
前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算する第2燃料噴射量演算手段と、
前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する目標燃料噴射量演算手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の内燃機関装置では、内燃機関の回転数と燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算すると共に内燃機関の吸気系の吸入空気量と内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算し、内燃機関から出力すべき目標パワーと第1燃料噴射量と第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算し、内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう。したがって、目標燃料噴射量をより精度よく演算して燃料噴射を行なうことができるから、内燃機関をより適正に運転することができる。この結果、より効率のよい内燃機関の運転ポイントを設定すれば、内燃機関をより効率よく運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
こうした本発明の内燃機関装置において、前記目標燃料噴射量演算手段は、前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とのうちの大きい方の値を推定燃料噴射量とし、該推定燃料噴射量と前記目標パワーとに基づいて前記目標燃料噴射量を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、目標燃料噴射量をより精度よく演算することができる。この場合、大気圧を検出する大気圧検出手段を備え、前記目標燃料噴射量演算手段は、前記検出された大気圧が所定気圧以下のときには前記演算された第1燃料噴射量を推定燃料噴射量として前記目標燃料噴射量を演算する手段であるものとすることもできる。また、前記目標燃料噴射量演算手段は、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて基本燃料噴射量を演算し、前記推定燃料噴射量と現在の目標燃料噴射量とに基づいて補正燃料噴射量を演算し、該演算された基本燃料噴射量と該演算された補正燃料噴射量とに基づいて前記目標燃料噴射量を演算する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の内燃機関装置において、スロットルバルブの開度を目標開度とすることにより前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を調節可能な吸入空気量調節手段と、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて前記スロットルバルブの基本開度を演算する基本開度演算手段と、前記演算された基本開度と前記検出された吸入空気量とに基づいて前記スロットルバルブの目標開度を演算する目標開度演算手段と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、スロットルバルブの目標開度をより精度よく演算することができ、内燃機関をより適正に運転することができる。この場合、前記基本開度演算手段は、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて目標吸入空気量を演算すると共に該演算した目標吸入空気量と前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて前記基本開度を演算する手段であり、前記目標開度演算手段は、前記検出された吸入空気量と前記演算された目標吸入空気量とに基づいて補正開度を演算すると共に前記演算された基本開度と前記演算された補正開度とに基づいて前記目標開度を演算する手段であるものとすることもできる。この場合、前記目標開度演算手段は、前記演算された補正開度に基づいて学習開度を演算すると共に前記演算された基本開度と前記演算された補正開度と前記演算された前記演算された学習開度とに基づいて前記目標開度を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、学習開度を用いることによりスロットルバルブの目標開度をより精度よく演算することができる。
基本開度と吸入空気量とに基づいてスロットルバルブの目標開度を演算する態様の本発明の内燃機関装置において、前記内燃機関の目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段を備え、前記基本開度演算手段は前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数と前記設定された目標空燃比とに基づいて前記基本開度を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、目標空燃比を用いることによりスロットルバルブの基本開度をより精度よく演算することができる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の内燃機関装置、即ち、基本的には、内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段を備える内燃機関装置であって、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算する第1燃料噴射量演算手段と、前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算する第2燃料噴射量演算手段と、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する目標燃料噴射量演算手段と、を備える内燃機関装置を搭載し、前記内燃機関からの動力を用いて走行することを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の内燃機関装置を備えるから、本発明の内燃機関装置が奏する効果、例えば、目標燃料噴射量をより精度よく演算して燃料噴射を行なうことによって内燃機関をより適正に運転することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
こうした本発明の自動車では、前記内燃機関の出力軸と車軸に連結された駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、を備えるものとすることもできる。
本発明の内燃機関の制御方法は、
内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段と、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える内燃機関装置の制御方法であって、
(a)前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算し、
(b)前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算し、
(c)前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する
ことを要旨とする。
内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段と、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える内燃機関装置の制御方法であって、
(a)前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算し、
(b)前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算し、
(c)前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する
ことを要旨とする。
この本発明の内燃機関装置の制御方法によれば、内燃機関の回転数と燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算すると共に内燃機関の吸気系の吸入空気量と内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算し、内燃機関から出力すべき目標パワーと第1燃料噴射量と第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算し、内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう。したがって、目標燃料噴射量をより精度よく演算して燃料噴射を行なうことができるから、内燃機関をより適正に運転することができる。この結果、より効率のよい内燃機関の運転ポイントを設定すれば、内燃機関をより効率よく運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料タンク125からの燃料を燃料噴射弁126から噴射して混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルバルブ124の開度TH,エンジン22に吸入される空気の質量流量を検出するエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,浄化装置134の上流側に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AF,燃料タンク125に取り付けられた圧力センサ152からの大気圧Pなどが入力ポートを介して入力されている。ここで、大気圧Pを圧力センサ152により検出するものとしたのは、通常、燃料タンク125内の圧力は大気圧Pと略等しい値に設定されるためである。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。例えば、エンジンECU24からは、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124の開度THを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、不揮発性メモリとしてのEEPROM78と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20が搭載するエンジン22の運転制御について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される運転制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
運転制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、エンジン22の回転数Neやエンジン22から出力すべき目標パワーPe*,エアフローメータ148からの吸入空気量Qa,空燃比センサ135からの空燃比AFなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140により検出されるクランクポジションを用いて計算されてRAM24cに書き込まれたものを入力するものとした。また、エンジン22から出力すべき目標パワーPe*は、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。ここで、要求トルクTr*はアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて設定するものとし、充放電要求パワーPb*はバッテリECU52から通信により入力されるバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて設定するものとし、リングギヤ軸32aの回転数Nrは車速Vに換算係数を乗じることにより求めるものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて単位時間あたり吸入すべき空気量としての目標吸入空気量Qa*を設定する(ステップS110)。ここで、目標吸入空気量Qa*は、実施例では、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neと目標吸入空気量Qa*との関係を予め実験的に定めて目標吸入空気量設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとが与えられると記憶したマップから対応する目標吸入空気量Qaを導出して設定するものとした。目標吸入空気量設定用マップの一例を図4に示す。目標吸入空気量Qa*は、図示するように、目標パワーPe*が大きいほど大きくなる傾向に設定されると共にエンジン22の回転数Neが大きいほど大きくなる傾向に設定される。これは、目標パワーPe*が大きいほど且つエンジン22の回転数Neが大きいほど単位時間あたり多くの空気を吸入する必要があるからである。
目標吸入空気量Qa*を設定すると、設定した目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとに基づいてスロットルバルブ124の基本開度THtmpを設定する(ステップS120)。ここで、スロットルバルブ124の基本開度THtmpは、実施例では、目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとスロットルバルブ124の基本開度THtmpとの関係を予め実験的に定めて基本開度設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとが与えられるとマップから対応するスロットルバルブ124の基本開度THtmpを導出して設定するものとした。基本開度THtmpの一例を図5に示す。スロットルバルブ124の基本開度THtmpは、図示するように、目標吸入空気量Qa*が大きいほど大きくなる傾向に設定されると共にエンジン22の回転数Neが大きいほど小さくなる傾向に設定される。前者については目標吸入空気量Qa*が大きいほど単位時間あたり多くの空気を吸入する必要があるからであり、後者については単位時間あたり所定量の空気を吸入する際にエンジン22の回転数Neが大きいほどスロットルバルブ124の開度THは小さくてよいからである。
続いて、ステップS100で入力された吸入空気量Qaと前回このルーチンが実行されたときに計算された目標吸入空気量(前回Qa*)とに基づいて次式(1)によりスロットルバルブ124の補正開度ΔTHを計算し(ステップS130)、計算した補正開度ΔTHを基本開度THtmpに加えることによりスロットルバルブ124の目標開度TH*を計算する(ステップS140)。ここで、式(1)は、吸入空気量Qaが目標吸入空気量Qa*となるようスロットルバルブ124の補正開度ΔTHを計算するためのフィードバック制御における式であり、関数PIDはフィードバック制御における比例項や積分項あるいは微分項によって構成されている。いま、低温下でエンジン22を運転するときを考える。この場合、空気密度が大きいため、スロットルバルブ124の開度THを所定開度にしたときの吸入空気量Qaは常温時に比して大きくなる。したがって、吸入空気量Qaと目標吸入空気量Qa*との偏差を考慮することなくエンジン22を運転制御すると、エンジン22からは目標パワーPe*より大きなパワーが出力されてしまう場合がある。一方、吸入空気量Qaと目標吸入空気量Qa*との偏差を考慮して目標開度TH*を計算すれば、吸入空気量Qaが目標吸入空気量Qa*となるようスロットルバルブ124の目標開度TH*を計算することができるから、スロットルバルブ124の目標開度TH*をより精度よく計算することができる。
ΔTH=PID(Qa,前回Qa*) …(1)
次に、燃料噴射弁126から燃料噴射された時間としての燃料噴射時間τにエンジン22の回転数Neを乗じたものに係数kを乗じることにより第1燃料噴射量Qf1を計算すると共に(ステップS150)、吸入空位量Qaを空燃比AFで除することにより第2燃料噴射量Qf2を計算し(ステップS160)、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定する(ステップS170)。ここで、燃料噴射時間τは、前回このルーチンが実行されたときに設定された目標燃料噴射量(前回Qf*)に基づいて設定され、エンジン22の1サイクル(吸気行程,圧縮行程,燃焼行程,排気行程)あたり燃料噴射弁126から燃料が噴射される時間である。また、係数kは、単位時間あたり燃料噴射弁126から噴射される燃料量であり、燃料噴射弁126の形状などにより定められる。即ち、ステップS150の処理では、燃料噴射時間τとエンジン22の回転数Neを乗じて得られる単位時間あたりの燃料噴射時間(τ・Ne)に係数kを乗じることにより単位時間あたり供給される燃料量としての第1燃料噴射量Qf1を計算しているのである。また、ステップS160の処理では、単位時間あたり吸入される吸入空気量Qaを空燃比AFで除することにより単位時間あたり供給される燃料量としての第2燃料噴射量Qf2を計算している。こうして計算した第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とを用いて推定燃料噴射量Qfeを設定することにより、空燃比センサ135からの空燃比AFを用いて一通りの方法だけで推定燃料噴射量Qfeを設定するものに比して推定燃料噴射量Qfeをより精度よく設定することができる。
続いて、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて単位時間あたり供給すべき燃料量としての基本燃料噴射量Qftmpを設定する(ステップS180)。基本燃料噴射量Qftmpは、実施例では、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neと基本燃料噴射量Qftmpとの関係を予め定めて基本燃料噴射量設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、目標パワーPe*と回転数Neとが与えられるとマップから対応する基本燃料噴射量Qftmpを導出して設定するものとした。基本燃料噴射量設定用マップの一例を図6に示す。基本燃料噴射量Qftmpは、図示するように、目標パワーPe*が大きいほど大きくなる傾向に設定されると共にエンジン22の回転数Neが大きいほど大きくなる傾向に設定される。これは、目標パワーPe*が大きいほど且つエンジン22の回転数Neが大きいほど単位時間あたり多くの燃料を供給する必要があるからである。
基本燃料噴射量Qftmpを設定すると、ステップS170で設定した推定燃料噴射量Qfeと前回このルーチンが実行されたときに設定された目標燃料噴射量(前回Qf*)とに基づいて補正燃料噴射量ΔQfを次式(2)により計算し(ステップS190)、計算した補正燃料噴射量ΔQfを基本燃料噴射量Qftmpに加えることにより目標燃料噴射量Qf*を設定する(ステップS200)。ここで、式(2)は、推定燃料噴射量Qfeと前回設定された目標燃料噴射量(前回Qf*)との偏差に対するフィードバック制御の式であり、関数PIDはフィードバック制御における比例項や積分項あるいは微分項によって構成されている。このように目標燃料噴射量Qf*を設定することにより、推定燃料噴射量Qfeと前回設定された目標燃料噴射量(前回Qf*)との偏差を考慮して目標燃料噴射量Qf*を計算することができるから、目標燃料噴射量Qf*をより精度よく計算することができる。
ΔQf=PID(Qfe,前回Qf*) …(2)
こうしてスロットルバルブ124の目標開度TH*および目標燃料噴射量Qf*を設定すると、スロットルバルブ124の開度THが目標開度TH*となるようスロットルモータ136への駆動信号を出力すると共に目標燃料噴射量Qf*に応じた燃料噴射時間τの燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126への駆動信号を出力して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。このように、目標開度TH*および目標燃料噴射量Qf*をより精度よく計算してエンジン22を運転制御することにより、エンジン22をより適正に運転制御することができる。したがって、目標パワーPe*に基づいてエンジン22の運転ポイントを効率のよいポイントに設定すれば、エンジン22のエネルギ効率の向上を図ることができ、車両全体としてもエネルギ効率の向上を図ることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、燃料噴射時間τとエンジン22の回転数Neとに基づいて第1燃料噴射量Qf1を計算すると共に吸入空気量Qaと空燃比AFとに基づいて第2燃料噴射量Qf2を計算し、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定し、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて計算した基本燃料噴射量Qftmpと推定燃料噴射量Qfeと前回設定された目標燃料噴射量(前回Qf*)とに基づいて目標燃料噴射量Qf*を計算し、計算した目標燃料噴射量Qf*に応じた燃料噴射時間τの燃料噴射を行なうから、第2燃料噴射量Qf2だけを用いて推定燃料噴射量Qfeを設定するものに比して推定燃料噴射量Qfeをより精度よく計算できると共に目標燃料噴射量Qf*をより精度よく計算して燃料噴射を行なうことができ、エンジン22をより適正に運転することができる。この結果、目標パワーPe*に基づいてエンジン22が効率よく運転されるようエンジン22の運転ポイントを設定すれば、エンジン22を効率よく運転することができ、車両全体のエネルギ効率の向上を図ることができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて目標吸入空気量Qa*を設定し、設定した目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとに基づいてスロットルバルブ124の基本開度THtmpを設定すると共に吸入空気量Qaが目標吸入空気量Qa*となるよう補正開度ΔTHを計算し、基本開度THと補正開度ΔTHとに基づいてスロットルバルブ124の目標開度TH*を計算するから、スロットルバルブ124の目標開度TH*をより精度よく計算することができ、エンジン22をより適正に運転することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて目標吸入空気量Qa*を設定するものとしたが、目標空燃比AF*を設定すると共に目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neと目標空燃比AF*とに基づいて目標吸入空気量Qa*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて目標吸入空気量Qa*を設定すると共に設定した目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとに基づいてスロットルバルブ124の基本開度THtmpを設定するものとしたが、目標吸入空気量Qa*を設定することなく、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいてスロットルバルブ124の基本開度THtmpを直接的に設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、吸入空気量Qaと前回設定された目標吸入空気量(前回Qa*)とに基づいて補正開度ΔTHを計算するものとしたが、これ以外の方法により補正開度ΔTHを計算するものとしてもよいし、補正開度ΔTHを計算しないものとしてもよい。後者の場合、スロットルバルブ124の基本開度THtmpを目標開度TH*に設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、スロットルバルブ124の基本開度THtmpと補正開度ΔTHとに基づいて目標開度TH*を設定するものとしたが、図3の運転制御ルーチンが実行される毎に設定される補正開度ΔTHの平均値としての学習開度THaを計算すると共に基本開度THtmpと補正開度ΔTHと学習開度THaとに基づいて目標開度TH*を計算するものとしてもよい。こうすれば、スロットルバルブ124の目標開度TH*をより精度よく計算することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定するものとしたが、大気圧Pを考慮して第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうちから推定燃料噴射量Qfeを設定するものとしてもよいし、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とを用いて他の方法(例えば、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2の平均値など)により推定燃料噴射量Qfeを設定するものとしてもよい。前者の場合の運転制御ルーチンの一例の一部を図7に示す。この運転制御ルーチンは、図3の運転制御ルーチンのステップS100,S170に代えてステップS100b,S300〜S320の処理を実行する点を除いて図3の運転制御ルーチンと同一である。この運転制御ルーチンでは、まず、エンジン22の回転数Neや目標パワーPe*,吸入空気量Qa,空燃比AFに加えて圧力センサ152からの大気圧Pを入力する(ステップS100b)。そして、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とを計算すると(ステップS150,S160)、大気圧Pを閾値Prefと比較し(ステップS300)、大気圧Pが閾値Prefより小さいときには第1燃料噴射量Qf1を推定燃料噴射量Qfeとして設定し(ステップS310)、大気圧Pが閾値Pref以上のときには第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうちの大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定し(ステップS320)、ステップ180以降の処理を実行する。ここで、閾値Prefは、第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とを用いて推定燃料噴射量Qfeをどのように設定するかを決定するために用いられるものであり、例えば、標高1000mに相当する気圧などに設定される。即ち、ステップS300〜S320の処理では、大気圧Pが閾値Prefより小さい山岳地などでは第1燃料噴射量Qf1を推定燃料噴射量Qfeとして設定し、大気圧Pが閾値Pref以上である平地などでは第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とのうち大きい方の値を推定燃料噴射量Qfeとして設定するのである。ここで、大気圧Pが閾値Prefより低いときに第1燃料噴射量Qf1と第2燃料噴射量Qf2とを比較することなく第1燃料噴射量Qf1を推定燃料噴射量Qfeとして設定するのは、大気圧Pが比較的小さいときには、空燃比センサ135により検出される空燃比AFの精度が低下するという理由に基づく。
実施例のハイブリッド自動車20では、スロットルバルブ124の補正開度ΔTHや補正燃料噴射量ΔQfをPID制御によるフィードバック制御の関係式により計算するものとしたが、フィードバック制御はPID制御に限定されるものではなく、例えば、微分項のないPI制御によるフィードバック制御としてもよく、さらに積分項のない比例制御によるフィードバック制御としてもよい。
実施例では、内燃機関装置を搭載するハイブリッド自動車20について説明したが、本発明の内燃機関装置はハイブリッド自動車20に搭載されるものに限定されるものではなく、エンジン22からの動力を用いて走行可能な自動車に搭載されるものであればよい。また、本発明の内燃機関装置は、自動車以外の車両や船舶,航空機などに搭載されるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、123 吸気温センサ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135 空燃比センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 バキュームセンサ、150 可変バルブタイミング機構、152 圧力センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (11)
- 内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段を備える内燃機関装置であって、
前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算する第1燃料噴射量演算手段と、
前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算する第2燃料噴射量演算手段と、
前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する目標燃料噴射量演算手段と、
を備える内燃機関装置。 - 前記目標燃料噴射量演算手段は、前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とのうちの大きい方の値を推定燃料噴射量とし、該推定燃料噴射量と前記目標パワーとに基づいて前記目標燃料噴射量を演算する手段である請求項1記載の内燃機関装置。
- 請求項2記載の内燃機関装置であって、
大気圧を検出する大気圧検出手段を備え、
前記目標燃料噴射量演算手段は、前記検出された大気圧が所定気圧以下のときには前記演算された第1燃料噴射量を推定燃料噴射量として前記目標燃料噴射量を演算する手段である
内燃機関装置。 - 前記目標燃料噴射量演算手段は、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて基本燃料噴射量を演算し、前記推定燃料噴射量と現在の目標燃料噴射量とに基づいて補正燃料噴射量を演算し、該演算された基本燃料噴射量と該演算された補正燃料噴射量とに基づいて前記目標燃料噴射量を演算する手段である請求項2または3記載の内燃機関装置。
- 請求項1ないし4いずれか記載の内燃機関装置であって、
スロットルバルブの開度を目標開度とすることにより前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を調節可能な吸入空気量調節手段と、
前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて前記スロットルバルブの基本開度を演算する基本開度演算手段と、
前記演算された基本開度と前記検出された吸入空気量とに基づいて前記スロットルバルブの目標開度を演算する目標開度演算手段と、
を備える内燃機関装置。 - 請求項5記載の内燃機関装置であって、
前記基本開度演算手段は、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて目標吸入空気量を演算すると共に該演算した目標吸入空気量と前記検出された内燃機関の回転数とに基づいて前記基本開度を演算する手段であり、
前記目標開度演算手段は、前記検出された吸入空気量と前記演算された目標吸入空気量とに基づいて補正開度を演算すると共に前記演算された基本開度と前記演算された補正開度とに基づいて前記目標開度を演算する手段である
内燃機関装置。 - 前記目標開度演算手段は、前記演算された補正開度に基づいて学習開度を演算すると共に前記演算された基本開度と前記演算された補正開度と前記演算された前記演算された学習開度とに基づいて前記目標開度を演算する手段である請求項6記載の内燃機関装置。
- 請求項5記載の内燃機関装置であって、
前記内燃機関の目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段を備え、
前記基本開度演算手段は、前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記検出された内燃機関の回転数と前記設定された目標空燃比とに基づいて前記基本開度を演算する手段である
内燃機関装置。 - 請求項1ないし8いずれか記載の内燃機関装置を搭載し、前記内燃機関からの動力を用いて走行する自動車。
- 請求項9記載の自動車であって、
前記内燃機関の出力軸と車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
を備える自動車。 - 内燃機関の吸気系に所定のタイミングで目標燃料噴射量と吸入空気量とに応じた燃料噴射時間の燃料噴射を行なう燃料噴射手段と、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記内燃機関の吸気系の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記内燃機関の吸気系の空気と燃料との比としての空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える内燃機関装置の制御方法であって、
(a)前記検出された内燃機関の回転数と前記燃料噴射手段により燃料噴射された燃料噴射時間とに基づいて燃料噴射された第1燃料噴射量を演算し、
(b)前記検出された吸入空気量と前記検出された空燃比とに基づいて燃料噴射された第2燃料噴射量を演算し、
(c)前記内燃機関から出力すべき目標パワーと前記演算された第1燃料噴射量と前記演算された第2燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を演算する
内燃機関装置の制御方法。
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