JP2006205584A - ゴム混練設備及びゴム混練方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカをゴムコンパウンド中に混練するに際して、ゴムコンパウンドの品質を安定化することを可能にしたゴム混練設備及びゴム混練方法を提供する。
【解決手段】混練手段1と、計量手段2と、該計量手段2で計量されたシリカS1 を混練手段1へ搬送する過程で該シリカS1 の含水率を測定する含水率測定手段4と、計量手段2で計量されたシリカS1 に対して水を供給する給水手段5と、これら計量手段2、含水率測定手段4及び給水手段5を統制する制御手段6とを備えたゴム混練装置を用い、含水率測定手段4で測定された実際の含水率と計量手段2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水手段5からの給水量を制御し、給水を受けたシリカS1 を混練手段1においてシランカップリング剤と共にゴムコンパウンド中に混練する。
【選択図】図1
【解決手段】混練手段1と、計量手段2と、該計量手段2で計量されたシリカS1 を混練手段1へ搬送する過程で該シリカS1 の含水率を測定する含水率測定手段4と、計量手段2で計量されたシリカS1 に対して水を供給する給水手段5と、これら計量手段2、含水率測定手段4及び給水手段5を統制する制御手段6とを備えたゴム混練装置を用い、含水率測定手段4で測定された実際の含水率と計量手段2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水手段5からの給水量を制御し、給水を受けたシリカS1 を混練手段1においてシランカップリング剤と共にゴムコンパウンド中に混練する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ゴム混練設備及びゴム混練方法に関し、さらに詳しくは、シリカをゴムコンパウンド中に混練するに際して、シリカの含水率を一定にすることでシリカとシランカップリング剤との反応を安定化し、ゴムコンパウンドの品質を安定化することを可能にしたゴム混練設備及びゴム混練方法に関する。
従来から、ゴムの充填剤としてカーボンブラックが使用されているが、近年では低発熱性の充填剤としてシリカが注目されている。シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向があり、ゴム中へのシリカ粒子の分散性が低い。そのため、シリカをゴムコンパウンドに配合する場合、シランカップリング剤が併用されている。また、シリカをゴムコンパウンド中に混練するに際して、シリカとシランカップリング剤との反応を制御することが、本来の性能を発揮し、品質安定化を図る上で重要である。特に、シリカ表面に吸着された水分が反応性に寄与するため、シリカの含水率を制御することにより、シリカとシランカップリング剤との反応を制御することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
ところで、沈降法シリカの含水率(乾燥シリカ量に対する含水量の百分率)は通常4〜6%であるが、混練時の含水率を正確に把握することは難しい。そのため、混練時においてシリカの含水率にバラツキがあると、混練中の反応が不安定になるという問題がある。また、シリカの計量は水分を含んだ状態で行われるが、その水分は混練中に揮発してしまうため、シリカの含水率にバラツキがあると、乾燥重量で換算された実際のシリカ量にバラツキを生じ、ゴムコンパウンドの品質も不安定になる。
特開2000−290431号公報
本発明の目的は、シリカをゴムコンパウンド中に混練するに際して、シリカの含水率を一定にすることでシリカとシランカップリング剤との反応を安定化し、ゴムコンパウンドの品質を安定化することを可能にしたゴム混練設備及びゴム混練方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のゴム混練設備は、混練手段と、計量手段と、該計量手段で計量されたシリカを前記混練手段へ搬送する過程で該シリカの含水率を測定する含水率測定手段と、前記計量手段で計量されたシリカに対して水を供給する給水手段と、これら計量手段、含水率測定手段及び給水手段を統制する制御手段とを備え、該制御手段において、前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて前記給水手段からの給水量を制御するようにしたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明のゴム混練方法は、混練手段と、計量手段と、該計量手段で計量されたシリカを前記混練手段へ搬送する過程で該シリカの含水率を測定する含水率測定手段と、前記計量手段で計量されたシリカに対して水を供給する給水手段と、これら計量手段、含水率測定手段及び給水手段を統制する制御手段とを備えたゴム混練設備を用い、前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて前記給水手段からの給水量を制御し、給水を受けたシリカを前記混練手段においてシランカップリング剤と共にゴムコンパウンド中に混練するようにしたことを特徴とするものである。
本発明では、計量手段で計量されたシリカを混練手段へ搬送する過程で該シリカの含水率を測定する含水率測定手段と、計量手段で計量されたシリカに対して水を供給する給水手段とを設け、含水率測定手段で測定された実際の含水率と計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水手段から適量の給水を行う。つまり、混練に先駆けてシリカの含水率を測定し、その含水率を目標値に近づけるのである。従って、シリカをゴムコンパウンド中に混練するに際して、シリカとシランカップリング剤との反応を安定化し、ゴムコンパウンドの品質を安定化することができる。
本発明において、給水手段から供給される水を混練手段の前段でシリカ中に分散させる分散手段を設けることが好ましい。このように給水手段から供給される水を混練手段の前段でシリカ中に分散させることにより、シリカとシランカップリング剤との反応をより一層安定化することができる。
また、制御手段において、含水率測定手段で測定された実際の含水率と計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて乾燥重量換算での不足シリカ量を計算し、該不足シリカ量に基づいて計量手段からのシリカの追加投入量を制御することが好ましい。このように不足シリカ量に基づいて計量手段からシリカを追加投入することにより、ゴムコンパウンドの品質を更に安定化することができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態からなるゴム混練設備を示すものである。図1に示すように、このゴム混練設備は、密閉式のミキサー(混練手段)1と、計量ホッパー(計量手段)2と、コンベヤ(搬送手段)3と、赤外分光光度計(含水率測定手段)4と、給水装置(給水手段)5と、制御装置(制御手段)6とを備えている。
ミキサー1は、ゴムコンパウンドとシリカ等の配合剤を密閉空間内で混練する装置である。混練手段としては、密閉式のミキサーを用いることが好ましいが、その構造は特に限定されるものではない。
計量ホッパー2は、供給すべき材料(シリカS)を貯留し、その材料を必要な量だけ排出する装置である。計量手段としては、計量ホッパーを用いることが好ましいが、その構造は特に限定されるものではない。
コンベヤ3は、計量ホッパー2で計量されたシリカS1 をミキサー1に搬送する装置である。搬送手段としては、コンベヤを用いることが好ましいが、その構造は特に限定されるものではない。
赤外分光光度計4は、計量ホッパー2で計量されたシリカS1 をミキサー1に搬送する過程でシリカS1 の含水率を非接触で測定するための装置である。つまり、赤外分光光度計4はシリカS1 に対して赤外線を照射し、その赤外線吸収スペクトルに基づいて水酸基(OH)の強度を連続的に測定する。この場合、水酸基の強度からシリカS1 の含水率を求めることができる。含水率測定手段としては、赤外分光光度計4を用いることが好ましいが、その構造は特に限定されるものではない。含水率測定手段の他の例として、加熱減量装置14を用いることができる。この加熱減量装置14は、計量ホッパー2内のシリカSから採取された試料Tをヒータ14aで加熱して水分を除去しつつ試料Tの重量変化を秤14bで測定する装置である。この場合、試料Tの初期重量と減量分からシリカSの含水率、即ち、計量されたシリカS1 の含水率を求めることができる。
給水装置5は、計量ホッパー2で計量されたシリカS1 に対して水を給水する装置である。給水手段は、給水量を自由に調整できることが要求されるが、その構造は特に限定されるものではない。但し、シリカS1 への水の分散性を考慮して、散水や噴霧を可能にするノズルを設けることが好ましい。
制御装置6は、計量ホッパー2、赤外分光光度計4及び給水装置5を統制する装置である。より具体的には、制御装置6は、赤外分光光度計4で測定された実際の含水率と計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水装置5からの給水量を制御する。つまり、混練に先駆けてシリカS1 の含水率を測定し、その含水率を目標値に近づけるのである。
次に、上述したゴム混練装置を用いたゴム混練方法について説明する。先ず、計量ホッパー2からコンベヤ3上に必要量のシリカS1 を排出し、計量ホッパー2で計量されたシリカS1 をミキサー1へ搬送する過程で赤外分光光度計4によりシリカS1 の含水率を測定する。このとき、制御装置6は、赤外分光光度計4で測定された実際の含水率と計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水装置5からの給水量を制御する。
例えば、計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量が50.00kgであり、赤外分光光度計4で測定されたシリカS1 の含水率が4%であるとき、含水量は1.92kgであり、シリカ乾燥重量は48.08kgである。ここで、目標の含水率を6%に設定した場合、不足水分量は約0.96kgである。そのため、給水装置5からの給水量は0.96kgにすれば良い。
その後、給水を受けたシリカS1 をミキサー1内に投入し、ミキサー1においてシランカップリング剤と共にゴムコンパウンド中に混練する。その際、シリカS1 の含水率は目標値に調整されているので、シリカとシランカップリング剤との反応を安定化し、ゴムコンパウンドの品質を安定化することができる。
ゴムコンパウンドのポリマーは、ポリマー100重量部において、溶融重合又はエマルション重合により得られるスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を50〜100重量部含み、任意成分としてブタジエンゴム(BR)や天然ゴム(NR)等のジエン系ゴムを0〜50重量部含むことが好ましい。一方、シリカの配合量はポリマー100重量部に対して20〜100重量部とし、シランカップリング剤の配合量はシリカ重量に対して5〜12重量%にすると良い。
シリカとしては、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、沈降法シリカ(含水ケイ酸)等を使用することが可能である。例えば、沈降法シリカの含水率は通常4〜6%であるが、目標の含水率は6〜10重量%に設定することが望ましい。混練時の含水率が6重量%未満であるとシリカとシランカップリング剤との反応を安定化する効果が不十分になり、逆に10重量%を超えると混練時間が長くなる。つまり、上記目標の含水率を設定することにより、混練時間を短縮しながら反応の安定化を達成することができる。
図2は本発明の第2実施形態からなるゴム混練設備を示すものである。本実施形態は第1実施形態に分散手段を付加したものであるので、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図2において、ミキサー1の前段には分散装置(分散手段)7とそれに付随するコンベヤ(搬送手段)8が配設されている。この分散装置7は、給水装置5から供給される水をシリカ中に分散させる装置である。このような分散装置7を付加し、給水装置5から供給される水をミキサー1の前段でシリカS1 中に分散させることにより、シリカとシランカップリング剤との反応をより一層安定化することができる。
図3は本発明の第3実施形態からなるゴム混練設備を示すものである。本実施形態は第1実施形態における制御方法を異ならせたものであるので、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図3において、制御装置6は、赤外分光光度計4で測定された実際の含水率と計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて給水装置5からの給水量を制御することに加えて、赤外分光光度計4で測定された実際の含水率と計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量に基づいて乾燥重量換算での不足シリカ量を計算し、該不足シリカ量に基づいて計量ホッパー2からのシリカSの追加投入量を制御する。
例えば、計量ホッパー2で測定されたシリカS1 の重量が50.00kgであり、赤外分光光度計4で測定されたシリカS1 の含水率が4%であるとき、含水量は1.92kgであり、シリカ乾燥重量は48.08kgである。ここで、必要とされるシリカ乾燥重量が50.00kgであると仮定し、かつ、目標の含水率を6%に設定した場合、追加されるシリカS2 の重量は約1.92kgであり、不足水分量(給水量)は約1.08kgである。なお、追加されるシリカS2 も4%程度の水分を含んでいるが、この水分はシリカ全量に対して微量であるため無視することができる。勿論、シリカS2 に含まれる水分を考慮してシリカ追加投入量及び給水量を補正することも可能である。
1 ミキサー(混練手段)
2 計量ホッパー(計量手段)
3,8 コンベヤ(搬送手段)
4 赤外分光光度計(含水率測定手段)
5 給水装置(給水手段)
6 制御装置(制御手段)
7 分散手段(分散装置)
14 加熱減量装置(含水率測定手段)
2 計量ホッパー(計量手段)
3,8 コンベヤ(搬送手段)
4 赤外分光光度計(含水率測定手段)
5 給水装置(給水手段)
6 制御装置(制御手段)
7 分散手段(分散装置)
14 加熱減量装置(含水率測定手段)
Claims (6)
- 混練手段と、計量手段と、該計量手段で計量されたシリカを前記混練手段へ搬送する過程で該シリカの含水率を測定する含水率測定手段と、前記計量手段で計量されたシリカに対して水を供給する給水手段と、これら計量手段、含水率測定手段及び給水手段を統制する制御手段とを備え、該制御手段において、前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて前記給水手段からの給水量を制御するようにしたゴム混練設備。
- 前記給水手段から供給される水を前記混練手段の前段でシリカ中に分散させる分散手段を設けた請求項1に記載のゴム混練設備。
- 前記制御手段において、前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて乾燥重量換算での不足シリカ量を計算し、該不足シリカ量に基づいて前記計量手段からのシリカの追加投入量を制御するようにした請求項1に記載のゴム混練設備。
- 混練手段と、計量手段と、該計量手段で計量されたシリカを前記混練手段へ搬送する過程で該シリカの含水率を測定する含水率測定手段と、前記計量手段で計量されたシリカに対して水を供給する給水手段と、これら計量手段、含水率測定手段及び給水手段を統制する制御手段とを備えたゴム混練設備を用い、前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて目標の含水率に対する不足水分量を計算し、該不足水分量に基づいて前記給水手段からの給水量を制御し、給水を受けたシリカを前記混練手段においてシランカップリング剤と共にゴムコンパウンド中に混練するようにしたゴム混練方法。
- 前記給水手段から供給される水を前記混練手段の前段でシリカ中に分散させるようにした請求項4に記載のゴム混練方法。
- 前記含水率測定手段で測定された実際の含水率と前記計量手段で測定されたシリカの重量に基づいて乾燥重量換算での不足シリカ量を計算し、該不足シリカ量に基づいて前記計量手段からシリカの追加投入量を制御するようにした請求項4に記載のゴム混練方法。
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JP2005021782A JP2006205584A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | ゴム混練設備及びゴム混練方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008069298A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 液状フルオロポリエーテル系ゴムベースコンパウンドの製造方法 |
JP2011074159A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 粉体の含水率調整方法 |
JP2012185102A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤの原材料フィラー中の水分率測定方法およびそれを用いた空気入りタイヤのフィラー混合方法 |
JP2017128071A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム材料の混練方法および装置 |
JP2018030286A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム材料の混練方法および装置 |
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2005
- 2005-01-28 JP JP2005021782A patent/JP2006205584A/ja active Pending
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