JP2006205236A - 放電装置およびtig溶接機および切断機 - Google Patents

放電装置およびtig溶接機および切断機 Download PDF

Info

Publication number
JP2006205236A
JP2006205236A JP2005022433A JP2005022433A JP2006205236A JP 2006205236 A JP2006205236 A JP 2006205236A JP 2005022433 A JP2005022433 A JP 2005022433A JP 2005022433 A JP2005022433 A JP 2005022433A JP 2006205236 A JP2006205236 A JP 2006205236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
base
discharge device
discharge
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005022433A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Handa
克巳 半田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005022433A priority Critical patent/JP2006205236A/ja
Publication of JP2006205236A publication Critical patent/JP2006205236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Arc Welding Control (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、放電装置による放電開始電圧の安定化を図ったTIG溶接機あるいは切断機を提供する。
【解決手段】放電装置1の構成部品である1対の対向する電極64、65を支持する2つの支柱部2、3と底部4からなる略凹の字形状の基台5において、2つの支柱部2、3の電極64、65の軸方向断面を略十字形状とする。略十字形状にすることにより樹脂収縮による各支柱部2、3のそりは相殺されて底部4に対して各支柱部2、3は直立し、電極64、65の放電面75、76が平行となり、放電面75、76間のどの場所で放電してもギャップは一定であるので放電開始電圧の安定化し、機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ることができるという多大な効果を奏する。
【選択図】図1

Description

本発明は、TIG溶接作業に使用されるTIG溶接機または切断作業に使用される切断機に関するものである。
一般に、TIG溶接機は、アークスタート時にTIGトーチのタングステン電極と母材とが離れた状態でアークスタートを行う非接触式のアークスタート方式である。そのため、TIG溶接電源内に設けられた高周波発生器によりタングステン電極と母材との間に高周波高電圧を印加して電離破壊を行い、溶接アークに移行するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、切断機においても切断開始時に切断トーチの電極と母材とが離れた状態で切断を行うため、切断電源内に設けられた高周波発生器により電極と母材間に高周波高電圧を印加して電離破壊を行い、切断作業に移行するようになっている(例えば、特許文献2参照)。
このTIG溶接機と切断機について、図9から図11を用いて説明する。
図9は従来のTIG溶接機の概略構成を示す図であり、図9において、50はTIG溶接電源であり、TIG溶接電源50は、TIGアーク電流を供給する電源部51と、TIGトーチ52の先端に設けられたタングステン電極53と母材54間との間の絶縁破壊を行う為の高周波発生器55とから構成されている。また、この高周波発生器55は、変圧器56、コンデンサ57、放電装置58、カップリングコイル59などから構成されている。
TIGアークスタート時に高周波発生器55を起動させると、変圧器56の2次側に数千ボルトの電圧が発生し、コンデンサ57に充電を始め、その端子電圧が放電装置58の放電開始電圧まで上昇するとコンデンサ57に蓄えられた電荷は放電装置58を経てカップリングコイル59に放電され、その後再びコンデンサ57の充電と放電とが行われてこれらを繰り返す。この結果、周波数が数MHzの発振が起こり、タングステン電極53と母材54との間で火花放電を開始し、電源部51を作動させて電圧を印加した状態であれば、この高周波高電圧に誘発されて溶接アークが発生する。また、切断機においても、上記した特許文献2に示すように、アークスタート時に切断電源内の高周波発生器を起動することにより切断作業が行われている。
図10は図9で示したような従来の放電装置58の組図を示しており、電極より上部を断面で表している。図10において、60は両側に位置する2つの支柱部61および62と底部63とからなる略凹字形状であり絶縁体により構成された基台である。
支柱部61には支柱部61の軸方向と略直交になる方向に固定側の電極64が装着され、支柱部62には支柱部62の軸方向と略直交になる方向に移動側の電極65が装着されている。固定側の電極64は、略ボルト形状の固定金具66と、この固定金具66の頂面67に固定された電極68により構成され、固定金具66の座面69が支柱部61の電極取り付け面70に面当りする様にナット71にて固定されている。
もう一方の移動側の電極65は、円柱形状の移動金具72と移動金具72の端面に固定された電極73により構成され、移動金具72は支柱部62に設けられた穴74に沿って移動金具72の軸方向に可動することができる。そして、電極68の放電面75と電極73の放電面76との距離が適切な放電開始電圧になるように止めねじ77により移動金具72を固定している。なお、電極68と電極73の材料としては、耐熱の高いタングステン等が使用されている。
図11は従来の基台60を示しており、この基台60は絶縁体であるため、構成材料として樹脂が使用されることが多く、樹脂を用いて基台60を製作するためには樹脂成型金型が必要となる。図11(a)は成型後であり樹脂成型金型から取り出す前の状態の基台60を示しており、図11(b)は樹脂成型後に樹脂成型金型から取り外した状態の基台60を示しており、図11(c)は図11(a)に示す基台60の断面A−Aを示している。なお、図11(a)から図11(c)において、79は機械強度補強のためのリブを示している。
特許第2779030号公報 特公平6−71672号公報
しかしながら、上記従来の構成では、図11(a)に示すように基台60が樹脂成型金型に入っている状態では、基台60の支柱部61と支柱部62とが平行の関係になっているが、樹脂成型を行った後に金型から取り外すと、図11(b)に示すように、樹脂成型後における補強用のリブ79を構成する樹脂の収縮により支柱部61と支柱部62とがリブ79が設けてある内側に寄ってしまうため、支柱部61と支柱部62との関係が平行でない状態となっていた。このため、この基台60に固定側の電極64と移動側の電極65を装着すると、図10に示すように、放電を行う放電面75と放電面76との上側の距離aと、下側の距離bとが異なった長さになっていた。
ここで、適切な放電開始電圧になるように放電面75と放電面76との間のギャップを上側の距離aで調節した場合、放電が放電面75と放電面76の上側の距離aで発生している場合は問題ない。しかし、放電が放電面75、76の下側に移動するとギャップが距離bまで広がることになり、放電装置58による放電開始電圧が適正値より上昇してしまう。これによりタングステン電極53と母材54との間に印加される高周波高電圧が過大となり、TIGトーチ52等に絶縁劣化が生じてしまうという問題があった。
また、適切な放電開始電圧になるように放電面75と放電面76との間のギャップを下側の距離bで調節した場合、放電が放電面75と放電面76の下側の距離bで発生している場合は問題がない。しかし、放電が放電面75と放電面76の上側に移動していくとギャップが距離aまで狭くなり、これにより放電開始電圧が適正値より下降してしまう。これにより、タングステン電極53と母材54との間に印加される高周波高電圧が過小となってしまい、タングステン電極53と母材54との間が電離破壊せずアークに移行しないという問題もあった。
本発明は、上記従来の課題に鑑み、放電開始電圧が安定した放電装置を実現し、機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ったTIG溶接機または切断機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の放電装置は、2つの支柱部と前記2つの支柱部に接続された底部とからなる略凹字形状であり絶縁物からなる基台と、前記2つの支柱部に各々設けられており前記支柱部の軸方向の略直交方向に対向する放電面を有しており、少なくとも1つは電極軸方向に対して可動であり対向する距離が調整可能な1対の電極とからなり、前記支柱部の電極軸方向の断面形状は電極軸方向の略直交方向に対して略対称形状としたものである。
この構成によれば、電極の放電面が平行となる為、放電面間のどの場所で放電してもギャップは一定であるので放電開始電圧の安定化を図ることができる。
また、本発明の放電装置は、2つの支柱部と前記2つの支柱部に接続された底部とからなる略凹字形状であり樹脂成型金型を用いて成型される基台と、前記2つの支柱部に各々設けられ前記支柱部の軸方向の略直交方向に対向する放電面を有し少なくとも1つは電極軸方向に対して可動であり対向する距離が調整可能な1対の電極とからなり、前記基台は成型後の樹脂収縮により生じる前記基台の変形により2つの電極の放電面が略平行に対向する位置になるように前記電極を取り付ける面を形成する金型により成型されるものである。
この構成によれば、樹脂成型後の樹脂の収縮により支柱部が変形しても、電極の放電面が平行となり、放電面間のどの場所で放電してもギャップは一定であるので、放電開始電圧の安定化を図ることができる。
また、本発明のTIG溶接機は、トーチの電極と母材との間に高周波高電圧を印加するための高周波発生器を備えたTIG溶接機であって、前記高周波発生器内に上記した放電装置を備えたものである。
この構成によれば、アークスタート性の安定化を図ることができる。
以上のように、本発明によると、基台を構成する支柱部の電極軸方向の断面を電極軸方向の直交方向に対して対称な形状とすることにより、基台の樹脂成型後における支柱部の樹脂収縮は放電面側とその反対側とで発生して相殺されるので、各支柱部は底部に対して直立した状態を保ち、これにより電極の放電面が平行となるので、放電面間のどの場所で放電してもギャップが一定となって放電開始電圧の安定化が図れ、機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ることができるという多大な効果を奏する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1と図2を用いて説明する。
図1、図2において、図9、図10と同じ構成については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。図1は放電装置1の組図を示しており、電極より上部を断面にして表している。図1において、放電装置1は、両側に位置する2つの支柱部2および支柱部3と底部4とからなる略凹字形状であり絶縁体により構成された基台5と、支柱部2の軸方向(長手方向)の略直交方向に設けられており支柱部2固定される固定側の電極64と、支柱部3の軸方向(長手方向)の略直交方向に移動可能に設けられた移動側の電極65等から構成されている。
固定側の電極64は、略ボルト形状の固定金具66と、この固定金具66の頂面67に固定された電極68とにより構成され、固定金具66の座面69を支柱部2の電極取り付け面6に面当りするようにナット71により固定されている。
もう一方の移動側の電極65は、円柱形状の移動金具72とこの移動金具72の端面に固定された電極73により構成され、移動金具72は支柱部3に設けられた穴7に沿って移動金具72の軸方向に可動することができる。そして、電極68の放電面75と電極73の放電面76との距離が適切な放電開始電圧となるようにして止めねじ77により固定される。
図2は基台5を示しており、この基台5は絶縁体であり、構成材料として一般的に樹脂が使用される。このため、基台5を製作するためには樹脂成型金型が必要となる。
図2(a)は樹脂成型後の基台5を示しており、図2(b)は図2(a)に示す基台5の断面B−Bを示している。図2(b)に示すように、支柱部2と支柱部3の断面形状は略十字形状であり、略十字形状の電極軸方向のリブ8、9および10、11の厚さは、電極軸方向(対向する電極の直列方向)と直交する方向の支柱12、13および14,15の厚さより薄くなっている。なお、電極軸方向のリブ8、9、10、11は支柱12、13、14,15の機械強度を補強する目的で設けてある。
以上のように構成された放電装置1について説明する。図2に示すように、基台5を構成する支柱部2の電極軸方向の断面は略十字形状であり、支柱12、13に対して放電面75側にリブ9が存在し、その反対側にリブ8が存在することになる。そして、基台5の樹脂成型後におけるリブ8、9の樹脂収縮は支柱部2の放電面75側とその反対側で発生するが、支柱部2の放電面75側のそりとその反対側のそりとが相殺され、支柱部2は底部4に対して直立した状態を保つこととなる。なお、支柱部3についても、前述した支柱部2と同様に、底部4に対して直立した状態を保つことになる。
さらに、支柱部2を構成するリブ8、9の厚さを支柱12、13の厚さより薄くし、また、支柱部3を構成するリブ10、11の厚さを支柱14、15の厚さより薄くすることにより、リブ8、9、10、11の樹脂収縮の影響を支柱12、13、14,15よりも低減することができるので、支柱部2、3の底部4に対する直立性を更に向上させることができる。
また、基台5の材料としては生産性を考慮して射出成型が可能である材料が選定される。そして、放電装置1の基台5の性能上、電気的性質の耐アーク性や機械強度が必要になる。従って、基台5の材料としては、機械強度と電気的性質の優れたポリフェニレンサルファイド、またはポリアミド、または耐アーク性が特に優れているポリブチレンテレフタレートが採用される。
なお、図2(b)に示す線C−Cは樹脂成型金型のパーティングライン(金型の合わせ面)を示しており、支柱部2と支柱部3の断面は略十字形状であるのでパーティングライン(金型の合わせ面)で樹脂成型金型を分割し、樹脂成型金型から基台5が取り出せる構造になっている。
以上のように、本実施の形態によれば、基台5を構成する支柱部2と支柱部3は底部4に対して直立し、これにより支柱部2と支柱部3とが略平行な状態となり、固定側の電極64の放電面75と移動側の電極65の放電面76も略平行な状態となるため、放電面75と放電面76との間のどの場所で放電してもギャップ長は一定の距離cとなり、放電開始電圧の安定化を図ることができる。そして、この放電装置1を用いた溶接機や切断機等の機器の絶縁劣化防止や、溶接機に用いた場合のアークスタート性の安定化を図ることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態について、図3と図4を用いて説明する。なお、本実施の形態において実施の形態1と同様の箇所については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なるのは、支柱部の断面を略H字形状とした点である。
図3は放電装置16の組図を示しており、電極より上部を断面として表している。放電装置16は、両側に位置する2つの支柱部17および支柱部18と底部4とからなる略凹字形状であり絶縁体により構成された基台19と、支柱部17にその軸方向(長手方向)の略直交方向に設けられた固定側の電極64と、支柱部18にその軸方向(長手方向)の略直交になる方向に設けられた移動側の電極65とから構成されている。
図4は基台19を示しており、この基台19は絶縁物であるため構成材料として樹脂が使用される。従って、この基台19を製作するためには樹脂成型金型が必要となる。図4(a)は樹脂成型後に金型から取り外した状態の基台19を示しており、図4(b)は図4(a)に示す基台19の断面D−Dを示している。図4(b)に示すように、支柱部17および支柱部18の断面形状は略H字形状である。
以上のように構成された放電装置16について説明する。基台19の支柱部17の断面は図4(b)に示すように、支柱部17の中心となる線E−Eで線対称であるため、基台19の樹脂成型後における樹脂収縮のそりは線E−Eを中心として左右両側で均等に発生するので、左右各々のそりは相殺されることになる。従って、支柱部17は底部4に対して直立した状態を保つことになる。なお、支柱部18についても支柱部17と同様に底部4に対して直立した状態を保つことになる。
また、基台19の材料としては生産性を考慮して射出成型が可能である材料が選定される。そして、放電装置16の基台19の性能上、電気的性質の耐アーク性、機械強度が必要となる。従って、基台19の材料としては、機械強度と電気的性質の優れたポリフェニレンサルファイド、またはポリアミド、または耐アーク性が特に優れているポリブチレンテレフタレートが採用される。
図4(b)に示す線F−Fは樹脂成型金型のパーティングライン(金型の合わせ面)を示しており、支柱部17と支柱部18の断面は略H字形状であるので、パーティングライン(金型の合わせ面)で樹脂成型金型を分割し、樹脂成型金型から基台19を取り外せる構造となっている。
以上のように、支柱部17と支柱部18は底部4に対して直立した状態となり、これにより支柱部17と支柱部18とが平行となり、固定側の電極64の放電面75と移動側の電極65の放電面76も平行となる。従って、放電面75と放電面76との間のどの場所で放電してもギャップは一定の距離dであるので、放電開始電圧の安定化が行え、機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ることができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態について、図5と図6を用いて説明する。なお、本実施の形態において、実施の形態1あるいは実施の形態2と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1あるいは実施の形態2と異なるのは、支柱部の断面形状が、電極軸方向(対向する電極の略直列方向)の略直交方向に対して略対称形状でなく、樹脂収縮による支柱部のそりが発生する場合に、このそりを考慮して電極取り付け面を設けるようにした点である。
図5は放電装置20の組図を示しており、電極取付け部を断面として表している。図5において、放電装置20は、両側に位置する2つの支柱部21および支柱部22と底部4とからなる略凹字形状であり絶縁物により構成された基台23と、支柱部21の上部に設けられた固定側の電極64と、支柱部22にその軸方向(長手方向)の略直交方向に設けられた移動側の電極65から構成されている。固定側の電極64は略ボルト形状の固定金具66と固定金具66の頂面67に固定された電極68により構成され、固定金具66の座面69を支柱部21の電極取り付け面24に面当りするようにナット71により固定されている。
図6は基台23を示しており、この基台23は絶縁物であるため構成材料として樹脂が使用される。そして、この基台23を製作するためには樹脂成型金型が必要となる。図6(a)は成型後であり樹脂成型金型から取り出す前の状態の基台23を上部を断面にして示しており、図6(b)は樹脂成型後に金型から取り外した状態の基台23を上部を断面にして示している。
以上のように構成された放電装置20について説明する。図6(b)に示す樹脂成型後の基台23においては、支柱部21および支柱部22を補強するために設けられた樹脂製のリブ79の影響により、支柱部21と支柱部22は内側に樹脂収縮によるそりが発生している。なお、この樹脂収縮によるそりは成型品である基台23に均一に起こり、そりのバラツキは少ない。
そこで、固定側電極64の放電面75とこれに対向するもう一方の移動側電極65の放電面76とが基台23の成型後に平行な状態となるようにするため、基台23の支柱部21に設ける電極取り付け面24を、支柱部21の鉛直方向に対して、2つの支柱部21と支柱部22の予め判っているそり量分傾けて設ける。これにより、基台23の成型後において、固定側の電極64の放電面75とこれに対向するもう一方の移動側の電極65の放電面76とが平行になるようにしている。これは、図6(a)に示す樹脂成型金型で製作する基台23において、底部4に対して直立している支柱部21および支柱部22は成型後にそりが発生することが判明しているので、固定側の電極64の電極取り付け面24を支柱部21および支柱部22の樹脂成型後のそり量分傾けて設けることにより対応できるようにしている。
また、基台23の材料としては生産性を考慮して射出成型が可能である材料が選定される。そして、放電装置20の基台23の性能上、電気的性質の耐アーク性、機械強度が必要になる。従って、基台23の構成材料としては機械強度と電気的性質の優れたポリフェニレンサルファイド、またはポリアミド、または耐アーク性が特に優れているポリブチレンテレフタレートが採用される。
以上のように、支柱部21および支柱部22は内側に樹脂収縮によるそりが発生しても、電極取り付け面24を2つの支柱部21および支柱部22のそり量分傾けて設けるようにすることにより、基台23の成型後における固定側の電極64の放電面75と移動側の電極65の放電面76とが平行となる。従って、放電面75と放電面76と間のどの場所で放電してもギャップは一定の距離eであるので、放電開始電圧の安定化が行え、放電装置20を用いた機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ることができる。
なお、電極取り付け面24を2つの支柱部21および支柱部22のそり量分傾けて設けることは、樹脂成型時の支柱部21および支柱部22のそり量を予め実験等により求めておき、それを樹脂成型金型の設計に反映することにより実現することができる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態について図7と図8を用いて説明する。なお、本実施の形態において実施の形態1から実施の形態3と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図7は放電装置29の組図を示しており、電極より上部を断面として表している。図7において、放電装置29は、両側に位置する2つの支柱部30および支柱部31と底部4とからなる略凹の字形状であり絶縁体により構成された基台32と、支柱部30にその軸方向(長手方向)と略直交になる方向に設けられた固定側の電極64と、支柱部31にその軸方向と略直交になる方向に設けられた移動側の電極33とにより構成されている。この電極33は、この電極33の軸方向におねじ34を設けた移動金具35と、移動金具35の端面に固定された電極73により構成されている。そして、移動金具35は支柱部31に設けられためねじ36に螺合し、移動金具35のねじ可動により電極間の距離を調整可能な構成となっている。また、電極間距離を任意の距離に調整した後は、移動金具35をナット37にて固定可能としている。
図8は電極33を示しており、おねじ34のピッチPを小さくすることにより電極間の距離の微調整が可能となる。
なお、基台32の材料としては、生産性を考慮して射出成型が可能である材料が選定される。そして、放電装置29の基台32の性能上、電気的性質の耐アーク性、機械強度が必要になる。従って、基台32の材料としては、機械強度と電気的性質の優れたポリフェニレンサルファイド、またはポリアミド、または耐アーク性が特に優れているポリブチレンテレフタレートが採用される。
以上のように、電極33のねじ可動により電極間の距離を調整するので、螺合により電極33が支柱部31から抜けなくするとともに、ねじのピッチにより電極間距離の微調整が可能となるので、意図した放電開始電圧を得ることができる。
本発明の放電装置およびTIG溶接機および切断機は、放電装置による放電開始電圧の安定化が行え、機器の絶縁劣化防止やアークスタート性の安定化を図ることができるので、TIG溶接機または切断機などに有用である。
本発明の実施の形態1における放電装置の概略構成を示す図 (a)本発明の実施の形態1における放電装置を構成する基台の概略構成を示す図(b)本発明の実施の形態1における放電装置を構成する基台を構成する支柱部の断面形状を示す図 本発明の実施の形態2における放電装置の概略構成を示す図 (a)本発明の実施の形態2における放電装置を構成する基台の概略構成を示す図(b)本発明の実施の形態2における放電装置を構成する基台を構成する支柱部の断面形状を示す図 本発明の実施の形態3における放電装置の概略構成を示す図 (a)本発明の実施の形態3における金型から取り外す前の基台の概略構成を示す図(b)本発明の実施の形態3における金型から取り外した後の基台の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4における放電装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4における電極の概略構成を示す図 従来のTIG溶接機の概略構成を示す図 従来のTIG溶接機に用いられる放電装置の概略構成を示す図 (a)従来における金型から取り外す前の基台の概略構成を示す図(b)従来における金型から取り外した後の基台の概略構成を示す図(c)従来における放電装置を構成する基台を構成する支柱部の断面形状を示す図
符号の説明
1、16、20、29 放電装置
2、3、17、18、21、22、30、31 支柱部
4 底部
5、19、23、32 基台
6、24 電極取り付け面
33、64、65 電極
34 おねじ
36 めねじ
54 母材
55 高周波発生器
69 座面
75、76 放電面

Claims (11)

  1. 2つの支柱部と前記2つの支柱部に接続された底部とからなる略凹字形状であり絶縁物からなる基台と、前記2つの支柱部に各々設けられており前記支柱部の軸方向の略直交方向に対向する放電面を有しており、少なくとも1つは電極軸方向に対して可動であり対向する距離が調整可能な1対の電極とからなり、前記支柱部の電極軸方向の断面形状は電極軸方向の略直交方向に対して略対称形状である放電装置。
  2. 支柱部の電極軸方向の断面形状は電極軸方向の略直交方向に対して略対称な略十字形状である請求項1記載の放電装置。
  3. 支柱部の電極軸方向の断面形状は電極軸方向の略直交方向に対して略対称な略十字形状であり、電極軸方向の厚さは電極軸と直交する方向の厚さより薄い請求項1記載の放電装置。
  4. 支柱部の電極軸方向の断面形状は電極軸方向の略直交方向に対して略対称な略H字形状である請求項1記載の放電装置。
  5. 一方の電極にはこの電極の軸方向におねじが設けられており、一方の支柱部には前記電極のおねじに螺合するめねじが設られており、前記電極と前記支柱部を螺合し、前記電極のねじ可動により電極間の距離を調整する請求項1から4のいずれか1項に記載の放電装置。
  6. 2つの支柱部と前記2つの支柱部に接続された底部とからなる略凹字形状であり樹脂成型金型を用いて成型される基台と、前記2つの支柱部に各々設けられ前記支柱部の軸方向の略直交方向に対向する放電面を有し少なくとも1つは電極軸方向に対して可動であり対向する距離が調整可能な1対の電極とからなり、前記基台は成型後の樹脂収縮により生じる前記基台の変形により2つの電極の放電面が略平行に対向する位置になるように前記電極を取り付ける面を形成する金型により成型された放電装置。
  7. 基台を構成する絶縁物としてポリフェニレンサルファイドを用いた請求項1から6のいずれか1項に記載の放電装置。
  8. 基台を構成する絶縁物としてポリアミドを用いた請求項1から6のいずれか1項に記載の放電装置。
  9. 基台を構成する絶縁物としてポリブチレンテレフタレートを用いた請求項1から6のいずれか1項に記載の放電装置。
  10. トーチの電極と母材との間に高周波高電圧を印加するための高周波発生器を備えたTIG溶接機であって、前記高周波発生器内に請求項1から9のいずれかに記載の放電装置を備えたTIG溶接機。
  11. トーチの電極と母材との間に高周波高電圧を印加するための高周波発生器を備えた切断機であって、前記高周波発生器内に請求項1から9のいずれかに記載の放電装置を備えた切断機。
JP2005022433A 2005-01-31 2005-01-31 放電装置およびtig溶接機および切断機 Pending JP2006205236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005022433A JP2006205236A (ja) 2005-01-31 2005-01-31 放電装置およびtig溶接機および切断機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005022433A JP2006205236A (ja) 2005-01-31 2005-01-31 放電装置およびtig溶接機および切断機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006205236A true JP2006205236A (ja) 2006-08-10

Family

ID=36962606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005022433A Pending JP2006205236A (ja) 2005-01-31 2005-01-31 放電装置およびtig溶接機および切断機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006205236A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053656A (ja) * 2007-07-31 2009-03-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053656A (ja) * 2007-07-31 2009-03-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7990687B2 (en) Gas-insulated switchgear
US20080023445A1 (en) Switching Contfact for Vacuum Interrupters
US10312038B2 (en) Voltage dividing capacitor
US4990732A (en) Discharge device for magnetic-pulse working and welding of metals
WO2010052992A1 (ja) 真空遮断器用電極構造
JPWO2015008515A1 (ja) ガス遮断器
US6521839B1 (en) Insulation-operating rod
JP2006205236A (ja) 放電装置およびtig溶接機および切断機
KR20180107125A (ko) 대기압-플라스마 생성 장치
JP6220047B2 (ja) 高電圧コンデンサ
CN104380417B (zh) 气体断路器
KR101640820B1 (ko) 진공차단기
WO2022024164A1 (ja) 母線接続装置
JP2010099685A (ja) 電磁成形方法
KR101501218B1 (ko) 진공 인터럽터 및 도체용 전압 제어 스크린
JP4940020B2 (ja) ガス絶縁開閉装置
KR20170096464A (ko) 진공인터럽터 정렬용 지그
JP5459283B2 (ja) パッファ形ガス遮断器
JP4632959B2 (ja) スイッチギヤ
JPS61171021A (ja) ガス吹付け遮断器
US5661282A (en) Gas insulated circuit breaker
JP5475538B2 (ja) 真空遮断器
KR200488177Y1 (ko) 가스절연개폐장치의 접지스위치
JP7083176B2 (ja) 電気液圧成形装置
CN217009107U (zh) 熔断器装置、包括其的充气环网柜和环保型开关柜

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318