(情報記録媒体)
図1から図7を参照して、本発明の情報記録媒体の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の情報記録媒体を、記録(書き込み)及び再生(読み出し)が可能な型の光ディスクに適用したものである。
先ず図1を参照して、本実施形態の光ディスクの基本構造について説明する。ここに図1は、上側に複数のエリアを有する光ディスクの構造を概略平面図で示すと共に、下側にその径方向におけるエリア構造を概念図で対応付けて示すものである。
図1に示すように、光ディスク100は、例えば、記録(書き込み)が複数回又は1回のみ可能な、光磁気方式、相変化方式等の各種記録方式で記録可能とされており、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール102を中心として内周から外周に向けて、リードインエリア104、データエリア106及びリードアウトエリア108が設けられている。そして、各エリアには、例えば、センターホール102を中心にスパイラル状或いは同心円状に、グルーブトラック及びランドトラックが交互に設けられており、このグルーブトラックはウオブリングされてもよいし、これらのうち一方又は両方のトラックにプレピットが形成されていてもよい。尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。
次に図2を参照して、本実施形態の光ディスクに記録されるトランスポートストリーム(TS)の構成について説明する。ここに、図2(a)は、比較のため、従来のDVDにおけるMPEG2のプログラムストリームの構成を図式的に示すものであり、図2(b)は、MPEG2のトランスポートストリーム(TS)の構成を図式的に示すものである。
図2(a)において、一つのプログラムストリームは、時間軸tに沿って、主映像情報たるビデオデータ用のビデオストリームを1本だけ含み、更に、音声情報たるオーディオデータ用のオーディオストリームを最大で8本含み且つ副映像情報たるサブピクチャデータ用のサブピクチャストリームを最大で32本含んでなる。即ち、任意の時刻txにおいて多重化されるビデオデータは、1本のビデオストリームのみに係るものであり、例えば複数のテレビ番組或いは複数の映画などに対応する複数本のビデオストリームを同時にプログラムストリームに含ませることはできない。映像を伴うテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録するためには、各々のテレビ番組等のために、少なくとも1本のビデオストリームが必要となるので、1本しかビデオストリームが存在しないDVDのプログラムストリーム形式では、複数のテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録することはできないのである。
図2(b)において、一つのトランスポートストリーム(TS)は、主映像情報たるビデオデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてビデオストリームを複数本含んでなり、更に音声情報たるオーディオデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてオーディオストリームを複数本含み且つ副映像情報たるサブピクチャデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてサブピクチャストリームを複数本含んでなる。即ち、任意の時刻txにおいて多重化されるビデオデータは、複数本のビデオストリームに係るものであり、例えば複数のテレビ番組或いは複数の映画などに対応する複数のビデオストリームを同時にトランスポートストリームに含ませることが可能である。このように複数本のビデオストリームが存在するトランスポートストリーム形式では、複数のテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録することが可能である。但し、現況のトランスポートストリームを採用するデジタル放送では、サブピクチャストリームについては伝送していない。
尚、図2(a)及び図2(b)では説明の便宜上、ビデオストリーム、オーディオストリーム及びサブピクチャストリームを、この順に上から配列しているが、この順番は、後述の如くパケット単位で多重化される際の順番等に対応するものではない。トランスポートストリームでは、概念的には、例えば一つの番組に対して、1本のビデオストリーム、2本の音声ストリーム及び2本のサブピクチャストリームからなる一まとまりが対応している。
上述した本実施形態の光ディスク100は、記録レートの制限内で、このように複数本のエレメンタリーストリーム(ES)を含んでなるトランスポートストリーム(TS)を多重記録可能に、即ち複数の番組或いはプログラムを同時に記録可能に構成されている。
次に図3及び図4を参照して、光ディスク100上に記録されるデータの構造について説明する。ここに、図3は、光ディスク100上に記録されるデータ構造を模式的に示すものであり、図4は、図3に示した各オブジェクト内におけるデータ構造の詳細を模式的に示すものである。
以下の説明において、「タイトル」とは、複数の「プレイリスト」を連続して実行する再生単位であり、例えば、映画1本、テレビ番組1本などの論理的に大きなまとまりを持った単位である。「プレイリスト」とは、「オブジェクト」の再生に必要な情報を格納したファイルであり、オブジェクトへアクセスするためのオブジェクトの再生範囲に関する情報が各々格納された複数の「アイテム」で構成されている。より具体的には、各アイテムには、オブジェクトの開始アドレスを示す「INポイント情報」及び終了アドレスを示す「OUTポイント情報」が記述されている。尚、これらの「INポイント情報」及び「OUTポイント情報」は夫々、直接アドレスを示してもよいし、再生時間軸上における時間或いは時刻など間接的にアドレスを示してもよい。そして、「オブジェクト」とは、上述したMPEG2のトランスポートストリームを構成するコンテンツの実体情報である。
図3において、光ディスク100は、論理的構造として、ディスク情報ファイル110、プレイ(P)リスト情報ファイル120、オブジェクト情報ファイル130及びオブジェクトデータファイル140の4種類のファイルを備えており、これらのファイルを管理するためのファイルシステム105を更に備えている。尚、図3は、光ディスク100上における物理的なデータ配置を直接示しているものではないが、図3に示す配列順序を、図1に示す配列順序に対応するように記録すること、即ち、ファイルシステム105等をリードインエリア104に続いてデータ記録エリア106に記録し、更にオブジェクトデータファイル140等をデータ記録エリア106に記録することも可能である。図1に示したリードインエリア104やリードアウトエリア108が存在せずとも、図3に示したファイル構造は構築可能である。
ディスク情報ファイル110は、光ディスク100全体に関する総合的な情報を格納するファイルであり、ディスク総合情報112と、タイトル情報テーブル114と、その他の情報118とを格納する。ディスク総合情報112は、例えば光ディスク100内の総タイトル数等を格納する。タイトル情報テーブル114は、論理情報として、各タイトルのタイプ(例えば、シーケンシャル再生型、分岐型など)や、各タイトルを構成するプレイ(P)リスト番号をタイトル毎に格納する。
プレイリスト情報ファイル120は、各プレイリストの論理的構成を示すプレイ(P)リスト情報テーブル121を格納し、これは、プレイ(P)リスト総合情報122と、プレイ(P)リストポインタ124と、複数のプレイ(P)リスト126(Pリスト#1〜#n)と、その他の情報128とに分かれている。このプレイリスト情報テーブル121には、プレイリスト番号順に各プレイリスト126の論理情報を格納する。言い換えれば、各プレイリスト126の格納順番がプレイリスト番号である。また、上述したタイトル情報テーブル114で、同一のプレイリスト126を、複数のタイトルから参照することも可能である。即ち、タイトル#nとタイトル#mとが同じプレイリスト#pを使用する場合にも、プレイリスト情報テーブル121中のプレイリスト#pを、タイトル情報テーブル114でポイントするように構成してもよい。
オブジェクト情報ファイル130は、各プレイリスト126内に構成される各アイテムに対するオブジェクトデータファイル140中の格納位置(即ち、再生対象の論理アドレス)や、そのアイテムの再生に関する各種属性情報が格納される。本実施形態では特に、オブジェクト情報ファイル130は、後に詳述する複数のAU(アソシエートユニット)情報132I(AU#1〜AU#q)を含ん
でなるAUテーブル131と、ES(エレメンタリーストリーム)マップテーブル134と、その他の情報138とを格納する。
オブジェクトデータファイル140は、トランスポートストリーム(TS)別のTSオブジェクト142(TS#1オブジェクト〜TS#sオブジェクト)、即ち実際に再生するコンテンツの実体データを、複数格納する。
尚、図3を参照して説明した4種類のファイルは、更に夫々複数のファイルに分けて格納することも可能であり、これらを全てファイルシステム105により管理してもよい。例えば、オブジェクトデータファイル140を、オブジェクトデータファイル#1、オブジェクトデータファイル#2、…というように複数に分けることも可能である。
図4に示すように、論理的に再生可能な単位である図3に示したTSオブジェクト142は、例えば6kBのデータ量を夫々有する複数のアラインドユニット143に分割されてなる。アラインドユニット143の先頭は、TSオブジェクト142の先頭に一致(アラインド)されている。各アラインドユニット143は更に、192Bのデータ量を夫々有する複数のソースパケット144に細分化されている。ソースパケット144は、物理的に再生可能な単位であり、この単位即ちパケット単位で、光ディスク100上のデータのうち少なくともビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータは多重化されており、その他の情報についても同様に多重化されてよい。各ソースパケット144は、4Bのデータ量を有する、再生時間軸上におけるTS(トランスポートストリーム)パケットの再生処理開始時刻を示すパケットアライバルタイムスタンプ等の再生を制御するための制御情報145と、188Bのデータ量を有するTSパケット146とを含んでなる。TSパケット146は、パケットヘッダ146aをその先頭部に有し、ビデオデータがパケット化されて「ビデオパケット」とされるか、オーディオデータがパケット化されて「オーディオパケット」とされるか、又はサブピクチャデータがパケット化されて「サブピクチャパケット」とされるか、若しくは、その他のデータがパケット化される。
次に図5及び図6を参照して、図2(b)に示した如きトランスポートストリーム形式のビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータ等が、図4に示したTSパケット146により、光ディスク100上に多重記録される点について説明する。ここに、図5は、上段のプログラム#1(PG1)用のエレメンタリーストリーム(ES)と中段のプログラム#2(PG2)用のエレメンタリーストリーム(ES)とが多重化されて、これら2つのプログラム(PG1&2)用のトランスポートストリーム(TS)が構成される様子を、横軸を時間軸として概念的に示すものであり、図6は、一つのトランスポートストリーム(TS)内に多重化されたTSパケットのイメージを、時間の沿ったパケット配列として概念的に示すものである。
図5に示すように、プログラム#1用のエレメンタリーストリーム(上段)は、例えば、プログラム#1用のビデオデータがパケット化されたTSパケット146が時間軸(横軸)に対して離散的に配列されてなる。プログラム#2用のエレメンタリーストリーム(中段)は、例えば、プログラム#2用のビデオデータがパケット化されたTSパケット146が時間軸(横軸)に対して離散的に配列されてなる。そして、これらのTSパケット146が多重化されて、これら二つのプログラム用のトランスポートストリーム(下段)が構築されている。尚、図5では説明の便宜上省略しているが、図2(b)に示したように、実際には、プログラム#1用のエレメンタリーストリームとして、オーディオデータがパケット化されたTSパケットからなるエレメンタリーストリームやサブピクチャデータがパケット化されたTSパケットからなるサブピクチャストリームが同様に多重化されてもよく、更にこれらに加えて、プログラム#2用のエレメンタリーストリームとして、オーディオデータがパケット化されたTSパケットからなるエレメンタリーストリームやサブピクチャデータがパケット化されたTSパケットからなるサブピクチャストリームが同様に多重化されてもよい。
図6に示すように、本実施形態では、このように多重化された多数のTSパケット146から、一つのTSストリームが構築される。そして、多数のTSパケット146は、このように多重化された形で、パケットアライバルタイムスタンプ等145の情報を付加し、光ディスク100上に多重記録される。尚、図6では、プログラム#i(i=1,2,3)を構成するデータからなるTSパケット146に対して、j(j=1,2,…)をプログラムを構成するストリーム別の順序を示す番号として、“Element(i0j)”で示しており、この(i0j)は、エレメンタリーストリーム別のTSパケット146の識別番号たるパケットIDとされている。このパケットIDは、複数のTSパケット146が同一時刻に多重化されても相互に区別可能なように、同一時刻に多重化される複数のTSパケット146間では固有の値が付与されている。
また図6では、PAT(プログラムアソシエーションテーブル)及びPMT(プログラムマップテーブル)も、TSパケット146単位でパケット化され且つ多重化されている。これらのうちPATは、複数のPMTのパケットIDを示すテーブルを格納している。特にPATは、所定のパケットIDとして、図6のように(000)が付与されることがMPEG2規格で規定されている。即ち、同一時刻に多重化された多数のパケットのうち、パケットIDが(000)であるTSパケット146として、PATがパケット化されたTSパケット146が検出されるように構成されている。そして、PMTは、一又は複数のプログラムについて各プログラムを構成するエレメンタリーストリーム別のパケットIDを示すテーブルを格納している。PMTには、任意のパケットIDを付与可能であるが、それらのパケットIDは、上述の如くパケットIDが(000)として検出可能なPATにより示されている。従って、同一時刻に多重化された多数のパケットのうち、PMTがパケット化されたTSパケット146(即ち、図6でパケットID(100)、(200)、(300)が付与されたTSパケット146)が、PATにより検出されるように構成されている。
図6に示した如きトランスポートストリームがデジタル伝送されて来た場合、チューナは、このように構成されたPAT及びPMTを参照することにより、多重化されたパケットの中から所望のエレメンタリーストリームに対応するものを抜き出して、その復調が可能となるのである。
そして、本実施の形態では、図4に示したTSオブジェクト142内に格納されるTSパケット146として、このようなPATやPMTのパケットを含む。即ち、図6に示した如きトランスポートストリームが伝送されてきた際に、そのまま光ディスク100上に記録できるという大きな利点が得られる。
更に、本実施形態では、このように記録されたPATやPMTについては光ディスク100の再生時には参照することなく、代わりに図3に示した後に詳述するAUテーブル131及びESマップテーブル134を参照することによって、より効率的な再生を可能とし、複雑なマルチビジョン再生等にも対処可能とする。このために本実施形態では、例えば復調時や記録時にPAT及びPMTを参照することで得られるエレメンタリーストリームとパケットとの対応関係を、AUテーブル131及びESマップテーブル134の形で且つパケット化或いは多重化しないで、オブジェクト情報ファイル130内に格納するのである。
次に図7を参照して、光ディスク100上のデータの論理構成について説明する。ここに、図7は、光ディスク100上のデータの論理構成を、論理階層からオブジェト階層或いは実体階層への展開を中心に模式的に示したものである。
図7において、光ディスク100には、例えば映画1本、テレビ番組1本などの論理的に大きなまとまりであるタイトル200が、一又は複数記録されている。各タイトル200は、一又は複数のプレイリスト126から論理的に構成されている。各タイトル200内で、複数のプレイリストはシーケンシャル構造を有してもよいし、分岐構造を有してもよい。
尚、単純な論理構成の場合、一つのタイトル200は、一つのプレイリスト126から構成される。また、一つのプレイリスト126を複数のタイトル200から参照することも可能である。
各プレイリスト126は、複数のアイテム(プレイアイテム)204から論理的に構成されている。各プレイリスト126内で、複数のアイテム204は、シーケンシャル構造を有してもよいし、分岐構造を有してもよい。また、一つのアイテム204を複数のプレイリスト126から参照することも可能である。アイテム204に記述された前述のINポイント情報及びOUTポイント情報により、TSオブジェクト142の再生範囲が論理的に指定される。そして、論理的に指定された再生範囲についてオブジェクト情報130dを参照することにより、最終的にはファイルシステムを介して、TSオブジェクト142の再生範囲が物理的に指定される。ここに、オブジェクト情報130dは、TSオブジェクト142の属性情報、TSオブジェクト142内におけるデータサーチに必要なESアドレス情報134d等のTSオブジェクト142を再生するための各種情報を含む(尚、図3に示したESマップテーブル134は、このようなESアドレス情報134dを複数含んでなる)。
そして、後述の情報記録再生装置によるTSオブジェクト142の再生時には、アイテム204及びオブジェクト情報130dから、当該TSオブジェクト142における再生すべき物理的なアドレスが取得され、所望のエレメンタリーストリームの再生が実行される。
このように本実施形態では、アイテム204に記述されたINポイント情報及びOUTポイント情報並びにオブジェクト情報130dのESマップテーブル134(図3参照)内に記述されたESアドレス情報134dにより、再生シーケンスにおける論理階層からオブジェクト階層への関連付けが実行され、エレメンタリーストリームの再生が可能とされる。
以上詳述したように本実施形態では、光ディスク100上においてTSパケット146の単位で多重記録されており、これにより、図2(b)に示したような多数のエレメンタリーストリームを含んでなる、トランスポートストリームを光ディスク100上に多重記録可能とされている。本実施形態によれば、デジタル放送を光ディスク100に記録する場合、記録レートの制限内で複数の番組或いは複数のプログラムを同時に記録可能であるが、ここでは一つのTSオブジェクト142へ複数の番組或いは複数のプログラムを多重化して記録する方法を採用している。以下、このような記録処理を実行可能な情報記録再生装置の実施形態について説明する。
(情報記録再生装置)
次に図8から図13を参照して、本発明の情報記録再生装置の実施形態について説明する。ここに、図8は、情報記録再生装置のブロック図であり、図9から図13は、その動作を示すフローチャートである。
図8において、情報記録再生装置500は、再生系と記録系とに大別されており、上述した光ディスク100に情報を記録可能であり且つこれに記録された情報を再生可能に構成されている。本実施形態では、このように情報記録再生装置500は、記録再生用であるが、基本的にその記録系部分から本発明の記録装置の実施形態を構成可能であり、他方、基本的にその再生系部分から本発明の情報再生装置の実施形態を構成可能である。
情報記録再生装置500は、光ピックアップ502、サーボユニット503、スピンドルモータ504、復調器506、デマルチプレクサ508、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512、サブピクチャデコーダ513、加算器514、システムコントローラ520、メモリ530、メモリ540、変調器606、フォーマッタ608、TSオブジェクト生成器610、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613を含んで構成されている。システムコントローラ520は、ファイル(File)システム/論理構造データ生成器521及びファイル(File)システム/論理構造データ判読器522を備えている。更にシステムコントローラ520には、メモリ530及び、タイトル情報等のユーザ入力を行うためのユーザインタフェース720が接続されている。
これらの構成要素のうち、復調器506、デマルチプレクサ508、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512、サブピクチャデコーダ513及び加算器514、並びにメモリ540から概ね再生系が構成されている。他方、これらの構成要素のうち、変調器606、フォーマッタ608、TSオブジェクト生成器610、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613から概ね記録系が構成されている。そして、光ピックアップ502、サーボユニット503、スピンドルモータ504、システムコントローラ520及びメモリ530、並びにタイトル情報等のユーザ入力を行うためのユーザインタフェース720は、概ね再生系及び記録系の両方に共用される。更に記録系については、TSオブジェクトデータ源700と、ビデオデータ源711、オーディオデータ源712及びサブピクチャデータ源713とが用意される。また、システムコントローラ520内に設けられるファイルシステム/論理構造データ生成器521は、主に記録系で用いられ、ファイルシステム/論理構造判読器522は、主に再生系で用いられる。
光ピックアップ502は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームLBを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。サーボユニット503は、再生時及び記録時に、システムコントローラ520から出力される制御信号Sc1による制御を受けて、光ピックアップ502におけるフォーカスサーボ、トラッキングサーボ等を行うと共にスピンドルモータ504におけるスピンドルサーボを行う。スピンドルモータ504は、サーボユニット503によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転させるように構成されている。
(i) 記録系の構成及び動作:
次に図8から図12を参照して、情報記録再生装置500のうち記録系を構成する各構成要素における具体的な構成及びそれらの動作を、場合分けして説明する。
(i−1) 作成済みのTSオブジェクトを使用する場合:
この場合について図8及び図9を参照して説明する。
図8において、TSオブジェクトデータ源700は、例えばビデオテープ、メモリ等の記録ストレージからなり、TSオブジェクトデータD1を格納する。
図9では先ず、TSオブジェクトデータD1を使用して光ディスク100上に論理的に構成する各タイトルの情報(例えば、プレイリストの構成内容等)は、ユーザインタフェース720から、タイトル情報等のユーザ入力I2として、システムコントローラ520に入力される。そして、システムコントローラ520は、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を取り込む(ステップS21:Yes及びステップS22)。この際、ユーザインタフェース720では、システムコントローラ520からの制御信号Sc4による制御を受けて、例えばタイトルメニュー画面を介しての選択など、記録しようとする内容に応じた入力処理が可能とされている。尚、ユーザ入力が既に実行済み等の場合には(ステップS21:No)、これらの処理は省略される。
次に、TSオブジェクトデータ源700は、システムコントローラ520からのデータ読み出しを指示する制御信号Sc8による制御を受けて、TSオブジェクトデータD1を出力する。そして、システムコントローラ520は、TSオブジェクト源700からTSオブジェクトデータD1を取り込み(ステップS23)、そのファイルシステム/論理構造データ生成器521内のTS解析機能によって、例えば前述の如くビデオデータ等と共にパケット化されたPAT、PMT等に基づいて、TSオブジェクトデータD1におけるデータ配列(例えば、記録データ長等)、各エレメンタリーストリームの構成の解析(例えば、後述のES_PID(エレメンタリーストリーム・パケット識別番号)の理解)などを行う(ステップS24)。
続いて、システムコントローラ520は、取り込んだタイトル情報等のユーザ入力I2並びに、TSオブジェクトデータD1のデータ配列及び各エレメンタリーストリームの解析結果から、そのファイルシステム/論理構造データ生成器521によって、論理情報ファイルデータD4として、ディスク情報ファイル110、プレイリスト情報ファイル120、オブジェクト情報ファイル130及びファイルシステム105(図3参照)を作成する(ステップS25)。メモリ530は、このような論理情報ファイルデータD4を作成する際に用いられる。
尚、TSオブジェクトデータD1のデータ配列及び各エレメンタリーストリームの構成情報等についてのデータを予め用意しておく等のバリエーションは当然に種々考えられるが、それらも本実施形態の範囲内である。
図8において、フォーマッタ608は、TSオブジェクトデータD1と論理情報ファイルデータD4とを共に、光ディスク100上に格納するためのデータ配列フォーマットを行う装置である。より具体的には、フォーマッタ608は、スイッチSw1及びスイッチSw2を備えてなり、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、TSオブジェクトデータD1のフォーマット時には、スイッチSw1を(1)側に接続して且つスイッチSw2を(1)側に接続して、TSオブジェクトデータ源700からのTSオブジェクトデータD1を出力する。尚、TSオブジェクトデータD1の送出制御については、システムコントローラ520からの制御信号Sc8により行われる。他方、フォーマッタ608は、論理情報ファイルデータD4のフォーマット時には、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、スイッチSw2を(2)側に接続して、論理情報ファイルデータD4を出力するように構成されている。
図9のステップS26では、このように構成されたフォーマッタ608によるスイッチング制御によって、(i)ステップS25でファイルシステム/論理構造
データ生成器521からの論理情報ファイルデータD4又は(ii)TSオブジェクトデータ源700からのTSオブジェクトデータD1が、フォーマッタ608を介して出力される(ステップS26)。
フォーマッタ608からの選択出力は、ディスクイメージデータD5として変調器606に送出され、変調器606により変調されて、光ピックアップ502を介して光ディスク100上に記録される(ステップS27)。この際のディスク記録制御についても、システムコントローラ520により実行される。
そして、ステップS25で生成された論理情報ファイルデータD4と、これに対応するTSオブジェクトデータD1とが共に記録済みでなければ、ステップS26に戻って、その記録を引き続いて行う(ステップS28:No)。尚、論理情報ファイルデータD4とこれに対応するTSオブジェクトデータD1との記録順についてはどちらが先でも後でもよい。
他方、これら両方共に記録済みであれば、光ディスク100に対する記録を終了すべきか否かを終了コマンドの有無等に基づき判定し(ステップS29)、終了すべきでない場合には(ステップS29:No)ステップS21に戻って記録処理を続ける。他方、終了すべき場合には(ステップS29:Yes)、一連の記録処理を終了する。
以上のように、情報記録再生装置500により、作成済みのTSオブジェクトを使用する場合における記録処理が行われる。
尚、図9に示した例では、ステップS25で論理情報ファイルデータD4を作成した後に、ステップS26で論理情報ファイルデータD4とこれに対応するTSオブジェクトデータD1とのデータ出力を実行しているが、ステップS25以前に、TSオブジェクトデータD1の出力や光ディスク100上への記録を実行しておき、この記録後に或いはこの記録と並行して、論理情報ファイルデータD4を生成や記録することも可能である。
(i−2) 放送中のトランスポートストリームを受信して記録する場合:
この場合について図8及び図10を参照して説明する。尚、図10において、図9と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
この場合も、上述の「作成済みのTSオブジェクトを使用する場合」とほぼ同様な処理が行われる。従って、これと異なる点を中心に以下説明する。
放送中のトランスポートストリームを受信して記録する場合には、TSオブジェクトデータ源700は、例えば放送中のデジタル放送を受信する受信器(セットトップボックス)からなり、TSオブジェクトデータD1を受信して、リアルタイムでフォーマッタ608に送出する(ステップS41)。これと同時に、受信時に解読された番組構成情報及び後述のES_PID情報を含む受信情報D3(即ち、受信器とシステムコントローラ520のインタフェースとを介して送り込まれるデータに相当する情報)がシステムコントローラ520に取り込まれ、メモリ530に格納される(ステップS44)。
一方で、フォーマッタ608に出力されたTSオブジェクトデータD1は、フォーマッタ608のスイッチング制御により変調器606に出力され(ステップS42)、光ディク100に記録される(ステップS43)。
これらと並行して、受信時に取り込まれてメモリ530に格納されている受信情報D3に含まれる番組構成情報及びES_PID情報を用いて、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成する(ステップS24及びステップS25)。そして一連のTSオブジェクトデータD1の記録終了後に、この論理情報ファイルデータD4を光ディスク100に追加記録する(ステップS46及びS47)。尚、これらステップS24及びS25の処理についても、ステップS43の終了後に行ってもよい。
更に、必要に応じて(例えばタイトルの一部を編集する場合など)、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を、メモリ530に格納されていた番組構成情報及びES_PID情報に加えることで、システムコントローラ520により論理情報ファイルデータD4を作成し、これを光ディスク100に追加記録してもよい。
以上のように、情報記録再生装置500により、放送中のトランスポートストリームを受信してリアルタイムに記録する場合における記録処理が行われる。
尚、放送時の全受信データをアーカイブ装置に一旦格納した後に、これをTSオブジェクト源700として用いれば、上述した「作成済みのTSオブジェクトを使用する場合」と同様な処理で足りる。
(i−3) ビデオ、オーディオ及びサブピクチャデータを記録する場合:
この場合について図8及び図11を参照して説明する。尚、図11において、図9と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
予め別々に用意したビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータを記録する場合には、ビデオデータ源711、オーディオデータ源712及びサブピクチャデータ源713は夫々、例えばビデオテープ、メモリ等の記録ストレージからなり、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSを夫々格納する。
これらのデータ源は、システムコントローラ520からの、データ読み出しを指示する制御信号Sc8による制御を受けて、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSを夫々、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613に送出する(ステップS61)。そして、これらのビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613により、所定種類のエンコード処理を実行する(ステップS62)。
TSオブジェクト生成器610は、システムコントローラ520からの制御信号Sc6による制御を受けて、このようにエンコードされたデータを、トランスポートストリームをなすTSオブジェクトデータに変換する(ステップS63)。この際、各TSオブジェクトデータのデータ配列情報(例えば記録データ長等)や各エレメンタリーストリームの構成情報(例えば、後述のES_PID等)は、TSオブジェクト生成器610から情報I6としてシステムコントローラ520に送出され、メモリ530に格納される(ステップS66)。
他方、TSオブジェクト生成器610により生成されたTSオブジェクトデータは、フォーマッタ608のスイッチSw1の(2)側に送出される。即ち、フォーマッタ608は、TSオブジェクト生成器610からのTSオブジェクトデータのフォーマット時には、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、スイッチSw1を(2)側にし且つスイッチSw2を(1)側に接続することで、当該TSオブジェクトデータを出力する(ステップS64)。続いて、このTSオブジェクトデータは、変調器606を介して、光ディク100に記録される(ステップS65)。
これらと並行して、情報I6としてメモリ530に取り込まれた各TSオブジェクトデータのデータ配列情報や各エレメンタリーストリームの構成情報を用いて、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成する(ステップS24及びステップS25)。そして一連のTSオブジェクトデータD2の記録終了後に、これを光ディスク100に追加記録する(ステップS67及びS68)。尚、ステップS24及びS25の処理についても、ステップS65の終了後に行うようにしてもよい。
更に、必要に応じて(例えばタイトルの一部を編集する場合など)、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を、これらのメモリ530に格納されていた情報に加えることで、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成し、これを光ディスク100に追加記録してもよい。
以上のように、情報記録再生装置500により、予め別々に用意したビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータを記録する場合における記録処理が行われる。
尚、この記録処理は、ユーザの所有する任意のコンテンツを記録する際にも応用可能である。
(i−4) オーサリングによりデータを記録する場合:
この場合について図8及び図12を参照して説明する。尚、図12において、図9と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
この場合は、上述した三つの場合における記録処理を組み合わせることにより、予めオーサリングシステムが、TSオブジェクトの生成、論理情報ファイルデータの生成等を行った後(ステップS81)、フォーマッタ608で行うスイッチング制御の処理までを終了させる(ステップS82)。その後、この作業により得られた情報を、ディスク原盤カッティングマシン前後に装備された変調器606に、ディスクイメージデータD5として送出し(ステップS83)、このカッティングマシンにより原盤作成を行う(ステップS84)。
本実施形態では特に、以上説明した(i)記録系の構成及び動作においては、いずれの場合(i−1)〜(i−4)にも、サブピクチャデータに含ませる形で、静止画情報及びその制御情報に係るデータ(例えば後述する、SPデータ、SPコントロール情報、それらの構造情報或いはヘッダなど)を光ディスク100上に多重記録する。更に、静止画の制御情報に係るデータ(SPデータ識別フラグ、SCP識別フラグなど)をステップS25の論理情報ファイルデータの生成等において生成し且つフォーマッタ608を介して、オブジェクト情報ファイル130(図3参照)等の一部に、係る静止画情報に対応付けた形で(例えば、後述の“エントリー区間”により対応付けた表形式で)記録する。
(ii) 再生系の構成及び動作:
次に図8及び図13を参照して、情報記録再生装置500のうち再生系を構成する各構成要素における具体的な構成及びそれらの動作を説明する。
図8において、ユーザインタフェース720によって、光ディスク100から再生すべきタイトルやその再生条件等が、タイトル情報等のユーザ入力I2としてシステムコントローラに入力される。この際、ユーザインタフェース720では、システムコントローラ520からの制御信号Sc4による制御を受けて、例えばタイトルメニュー画面を介しての選択など、再生しようとする内容に応じた入力処理が可能とされている。
これを受けて、システムコントローラ520は、光ディスク100に対するディスク再生制御を行い、光ピックアップ502は、読み取り信号S7を復調器506に送出する。
復調器506は、この読み取り信号S7から光ディスク100に記録された記録信号を復調し、復調データD8として出力する。この復調データD8に含まれる、多重化されていない情報部分としての論理情報ファイルデータ(即ち、図3に示したファイルシステム105、ディスク情報ファイル110、Pリスト情報ファイル120及びオブジェクト情報ファイル130)は、システムコントローラ520に供給される。この論理情報ファイルデータに基づいて、システムコントローラ520は、再生アドレスの決定処理、光ピックアップ502の制御等の各種再生制御を実行する。
他方、復調データD8に含まれる、多重化された情報部分としてのTSオブジェクトデータについては、デマルチプレクサ508が、システムコントローラ520からの制御信号Sc2による制御を受けてデマルチプレクスする。ここでは、システムコントローラ520の再生制御によって再生位置アドレスへのアクセスが終了した際に、デマルチプレクスを開始させるように制御信号Sc2を送信する。
デマルチプレクサ508からは、ビデオパケット、オーディオパケット及びサブピクチャパケットが夫々送出されて、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512及びサブピクチャデコーダ513に供給される。そして、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSが夫々復号化される。
尚、図6に示したトランスポートストリームに含まれる、PAT或いはPMTがパケット化されたパケットについては夫々、復調データD8の一部として含まれているが、デマルチプレクサ508で破棄される。
加算器514は、システムコントローラ520からのミキシングを指示する制御信号Sc3による制御を受けて、ビデオデコーダ511及びサブピクチャデコーダ513で夫々復号化されたビデオデータDV及びサブピクチャデータDSを、所定タイミングでミキシング或いはスーパーインポーズする。その結果は、ビデオ出力として、当該情報記録再生装置500から例えばテレビモニタへ出力される。
他方、オーディオデコーダ512で復号化されたオーディオデータDAは、オーディオ出力として、当該情報記録再生装置500から、例えば外部スピーカへ出力される。
ここで、図13を参照して、システムコントローラ520による再生処理ルーチンの具体例について説明する。
図13において、初期状態として、再生系による光ディスク100の認識、ファイルシステム105(図3参照)によるボリューム構造やファイル構造の認識は既にシステムコントローラ520及びその内のファイルシステム/論理構造判読器522にて終了しているものとする。ここでは、ディスク情報ファイル110の中のディスク総合情報112から、総タイトル数を取得し、その中の一つのタイトルを選択した以降の処理フローについて説明する。
先ず、ユーザインタフェース720によって、タイトルの選択が行われ(ステップS11)、ファイルシステム/論理構造判読器522の判読結果から、システムコントローラ520による再生シーケンスに関する情報の取得が行われる。具体的には、論理階層の処理(即ち、プレイリスト構造を示す情報と、それを構成する各アイテムの情報(図7参照)の取得等)が行われる(ステップS12)。これにより、再生対象が決定される(ステップS13)。
続いて、再生対象であるTSオブジェクトに係るオブジェクト情報ファイル130の取得を実行する。本実施形態では特に、後述するAU(アソシエートユニット)情報132I及びPU(プレゼンテーションユニット)情報302I(後に詳述する図34参照)も、オブジェクト情報ファイル130に格納された情報として取得される(ステップS14)。これらの取得された情報により、前述した論理階層からオブジェク階層への関連付け(図7参照)が行われる。
続いて、ステップS14で取得された情報に基づいて、再生を行うオブジェクトと再生アドレスとを決定した後(ステップS15)、オブジェクト階層の処理を開始する、即ち実際に再生を開始する(ステップS16)。
再生中に、後述の如くAU情報132I及びPU情報302Iに基づくAU132内におけるPU302の切替に相当する「シーン切替」のコマンド入力が行われるか否かがモニタされる(ステップS17)。ここで、「シーン切替」のコマンド入力があれば(ステップS17:Yes)、ステップS15に戻って、ステップS15からS17における処理を繰り返して実行する。他方、「シーン切替」のコマンド入力がなければ(ステップS17:No)、再生処理を終了させる旨のコマンド入力の有無が判定される(ステップS18)。ここで、終了させる旨のコマンド入力がなければ(ステップS18:No)、ステップS11に戻って、ステップS11からS18における処理を繰り返して実行する。他方、終了させる旨のコマンド入力があれば(ステップS18:Yes)、一連の再生処理を終了する。
本実施形態では特に、図8及び図13のステップS16において、サブピクチャデコーダ513によりデコードされたサブピクチャデータは、バッファとして機能するメモリ540に一時的に記憶される。その後、以下に説明するように、この一時的に記憶されたサブピクチャデータに含まれるSPデータ(静止画データ)及びSPコントロール情報(静止画コントロールデータ)の少なくとも一方は、システムコントローラ520からの制御信号Sc5による制御を受けて読み出される。そして、係るSPデータに対して、SPコントロール情報を作用させることで、ビデオ出力の一部或いは全部として静止画表示が行われる。
尚、SPコントロール情報は、メモリ530の専用領域に一時的に格納されるように(即ち、SPデータのみがメモリ540に一時的に記憶されるように)構成してもよい。或いは、このようなメモリ540を、メモリ530の一部を使って構築することも可能である。
(SPデータ及びSPコントロール情報の取得方法)
次に、本実施形態におけるSPデータ及びSPコントロール情報の取得方法について説明する。この取得方法は、前述の情報記録再生装置500(図8参照)によって、主にオブジェクト情報中のESアドレス情報並びにサブピクチャ構造中のSPデータ及びSPコントロール情報に基づいて、実行されるものである。
(A) SPデータ及びSPコントロール情報の第1取得方法
図14から図20を参照して、SPデータ及びSPコントロール情報の第1取得方法並びにそれに伴う静止画の再生制御について説明する。ここで図14は、オブジェクト情報内のESマップテーブル内に構築されるビデオストリームに係るESアドレス情報におけるデータ構造の一例を表で示し、図15は、TSオブジェクト上におけるビデオストリームのESアドレス情報に登録されているTSパケットの位置の一例を時間軸(図中、横方向)に対して図式的に示したものである。図16は、第1取得方法に係る、SPデータ及びSPコントロール情報並びに構造情報の内容を表で示し、図17は、これらの三つのデータ或いは情報から構成される三種類のサブピクチャ構造を図式的に示したものである。図18は、第1取得方法で採用するIピクチャ、SPデータ、SPコントロール情報の各先頭パケットの配列条件を、TSオブジェクトの時間軸上で図式的に示し、図19は、第1取得方法における取得手順を図式的に示し、図20は、ESマップテーブル内に構築される、図19に示したTSオブジェクト内におけるサブピクチャストリームに係るESアドレス情報のデータ構造を表で示したものである。
図14に示す、ビデオストリームのES(エレメンタリーストリーム)アドレス情報は、図3に示したESマップテーブル134中のESアドレス情報134d(図7参照)の一部として記述される。なお、ここでのビデオストリームは、後に詳述する図34のESマップテーブルに示されるインデックス#14のエレメンタリーストリームとする。
図14に示すように、ESアドレス情報の内容としては、ビデオストリーム上で所定条件を満たすパケットについてのみ、そのパケット番号q、r、s、t、u、…(例えば、TSオブジェクト内におけるパケットの連続番号、以下適宜“パケット番号”と称す)と、これに対応する表示開始時刻T14_0、T14_1、T14_2、T14_3、…とが記述されている。
図15に示すように、本実施形態では、所定条件を満たすパケットを、MPEG2規格に基づくIピクチャの先頭パケットと定め、それらのパケット番号とこれらに対応する表示開始時刻とを図14に示したESアドレス情報として記述している。これは、Iピクチャについてアドレス情報により記録位置を特定できれば、MPEGデコードが開始できるからである。
そして、図15に示したように、本実施形態では、ESアドレス情報により記録位置が特定されるパケットのみの並びにおいて相隣接する二つのパケットにより特定されるTSオブジェクト上における各区間を“エントリー区間”として定義する。例えば、ESアドレス情報が隣接するパケットqとパケットrにより特定される区間をエントリー区間#0、パケットrとパケットsにより特定される区間をエントリー区間#1とする。また、当該ビデオストリームに対応する(即ち、これと同時に或いは並行して表示される)と共に静止画に係るサブピクチャストリーム上のSPデータやSPコントロール情報については、このように定義したエントリー区間という範囲内に存在するか否かにより、それらの存在を記述するものである。なお、ここでのサブピクチャストリームは、後に詳述する図34のESマップテーブルに示されるインデックス#16のエレメンタリーストリームとする。よって、ESマップテーブルのインデックス#16中には、エントリー区間として使用するエレメンタリーストリームのインデックス番号情報134e(本実施形態によれば“インデックス番号=14”)が記述されている。
図16に示すように、本実施形態において、サブピクチャストリーム上に記録される静止画に係るデータ或いは情報は、(i)静止画情報の一例を構成するSP
データ713、(ii)SPデータ713を表示制御するための静止画制御情報の一例を構成するSPコントロール情報712及び(iii)これらの両者又は一方と共
に一つのサブピクチャ構造をなし、当該サブピクチャ構造についての構造情報(ヘッダ)711との、三つのデータ或いは情報を含んで構成されている。
そして、これら三つのデータ或いは情報の組合せとして、図17(a)に示す構造情報711、SPコントロール情報712及びSPデータ713の全ての構成要素を含むサブピクチャ構造701、図17(b)に示す構造情報711及びSPコントロール情報712を構成要素とするサブピクチャ構造702、並びに、図17(c)に示す構造情報711及びSPデータ713を構成要素とするサブピクチャ構造703がある。因みにDVDの場合は図17(a)に示すタイプのみが定義されている。
尚、本実施形態ではこのように、本発明に係る「静止画情報セット」の各種例が、図17(a)〜(c)に示したサブピクチャ構造から夫々構成されている。
図17(a)〜17(c)に示すように、本実施形態では通常は、SPコントロール情報712及びSPデータ713は、複数のTSパケット146に分断される。そして、構造情報711は、サブピクチャ構造701〜703における先頭パケットに格納され、これに続く、SPコントロール情報712(図17(a)及び(b))の先頭部分又はSPデータ713の先頭部分も、この構造情報711の格納された先頭パケットに格納される。
本実施形態では、このようなサブピクチャ構造702におけるSPコントロール情報712の先頭部分が格納されるTSパケット146を、“SCP”と呼ぶ。サブピクチャ構造703におけるSPデータ713の先頭部分が格納されるTSパケット146を、“SPD”と呼ぶ。更に、両者を含むサブピクチャ構造701の先頭パケットを、これらに対応させる形で“SCP+SPD”と呼ぶ。そして本願において、図15に示した如き“エントリー区間内にサブピクチャ構造が配置されている或いは属する”とは、図17(a)及び(b)のサブピクチャ構造701及び702にあっては夫々、SCPを含むヘッダ(即ち、構造情報を格納するパケット)が、当該エントリー区間内に記録されていることを意味し、図17(c)のサブピクチャ構造703にあっては、SPDを含むヘッダが、当該エントリー区間内に記録されていることを意味する。
図16に示すように、構造情報711は、“SPデータ識別子”を有する。SPデータ識別子は、サブピクチャ構造701及び703にあっては、当該サブピクチャ構造に含まれるSPデータ713を識別するものである。他方、SPデータ識別子は、サブピクチャ構造702にあっては、当該サブピクチャ構造に含まれるSPコントロール情報712が作用する、他のサブピクチャ構造に含まれるSPデータ713を識別するものである。
構造情報711は更に、“SPコントロール情報のデータ長”及び“SPデータのデータ長”を示す情報を有する。これらに基づき、再生時に、サブピクチャ構造701が構造情報711の先頭からどこのパケットまで続くのかが特定される。また、SPコントロール情報のデータ長に基づき、再生時に、サブピクチャ構造702が構造情報711の先頭からどこのパケットまで続くのかが特定される。更に、SPデータのデータ長に基づき、再生時に、サブピクチャ構造703が構造情報711の先頭からどこのパケットまで続くのかが特定される。
尚、SPデータ713を有しないサブピクチャ構造702においては、構造情報711中の“SPデータのデータ長”を“0”に設定することで、当該SPデータ713を有しない旨を示してもよい。同様に、SPコントロール情報712を有しないサブピクチャ構造703においては、構造情報711中の“SPコントロール情報のデータ長”を“0”に設定することで、当該SPコントロール情報712を有しない旨を示してもよい。
構造情報711は更に、“SPデータの位置情報”を有する。再生時に、これに基づき、SPコントロール情報712が作用するSPデータ713が特定される。このようなSPデータの位置情報としては、図15に示したエントリー区間を用いてその大まかな位置が記述される。この結果、エントリー区間内でSPDを探せばSPデータ713を特定可能となるので、サブピクチャ構造702の如くSPデータ713を有さないものであっても、これが有するSPコントロール情報712を予定されたSPデータに作用させることが可能とされる。但し、SPデータの位置情報として、SPDのパケット番号が直接記述されてもよい。
従ってまた、SPデータ713を含むサブピクチャ構造701又は703の場合には、構造情報711が有する“SPデータの位置情報”を無効値に設定するとよい。ただし、これらの場合には、自らのサブピクチャ構造がSPデータを有しているので、SPデータの記録位置の特定(エントリー区間の特定)は、不要だからである(尚、このサブピクチャ構造を構成する全パケットは、上述の如くSPデータのデータ長等に基づき特定される)。
SPコントロール情報712は、作用するSPデータの表示開始時刻及び係るSPデータの表示時間を示す情報を有する。再生時には、これにより当該SPコントロール情報712が作用するSPデータが、再生時間軸上における予定された時間だけ再生されることとなり、静止画の表示が実行される。
SPデータ713は、例えばランレングスエンコーディングされたビットマップデータ形式或いはJPEG形式の画像データを有する。そして、画素(ピクセル)毎に、例えば、8ビットの色情報データ及び8ビットの透明度情報データを有する。また、一枚の静止画を示すSPデータは、複数のTSパケット146(図4参照)にパケット化されて多重化されている。
本実施形態では、図14及び図15に示したように、エントリー区間は、これを構成する先頭パケットのパケット番号の表示開始時刻を用いて表される。例えば、インデックス(Index)#14のエレメンタリーストリームのエントリー区
間#0は、“T14_0”で表される。このように、表示開始時刻で表せば、記録後における編集等によるパケットの欠落に起因してパケットの連続番号にずれが生じても、表示開始時刻にはずれが生じないで済み、図14に示した如きESアドレス情報等の更新が不要となる。
本実施形態では特に、SCPやSPDを容易且つ迅速に取得可能なように、このように定義されるエントリー区間に対するパケット配置に対して、次のような条件(以下、“第1配置条件”と呼ぶ)を付ける。
即ち、エントリーポイント#iの「表示開始時刻」及び 「パケット番号」と
比較して、SPコントロール情報712(その表示開始時刻“TT”を保持するものとする)を含むサブピクチャ構造701〜703におけるヘッダを、以下のように物理配置する。なお、エントリーポイントとは、アドレス情報で位置が特定されるパケットを指す。
「エントリーポイント#iの表示開始時刻」
<= TT < 「エントリーポイント #i+1の表示開始時刻」
であるとき
「エントリーポイント#iのパケット番号」
< 「SPコントロール情報を含むサブピクチャ構造のヘッダのパケット番号」< 「エントリーポイント #i+1のパケット番号」
このような第1配置条件によって、エントリー区間を再生中に、表示開始されるSPデータ713に必要なSPコントロール情報712を含むサブピクチャ構造702は、エントリー区間内を探すことにより見つけることが可能となる。
例えば、図14及び図15において、表示開始時刻がT14_1以上でT14_2より小さいときには、エントリー区間#1内にそのSPコントロール情報712を含むサブピクチャ構造702のヘッダのパケット番号が記録される。他方、SPデータは、前述の如くヘッダをなす構造情報711が有する「SPデータ
記録位置」(図16参照)から見つけられる。
このような第1配置条件に加えて図18に示すように、第1取得方法では、SCP(前述の如く、SPコントロール情報712の先頭パケット)についても、次の条件(以下、“第2配置条件”と呼ぶ)を付ける。
「i番目のSPデータに作用するSCPのパケット番号」
< 「i+1番目のSPデータに作用するSCPのパケット番号」
即ち図18に示したように、他のSPコントロール情報のSCPを超えて、SPデータを制御するようなパケット配置は認めないこととする。
尚、図18中、SCPから出ている点線矢印は、該SCPを先頭とするSPコントロール情報が、その制御対象たるSPデータに対して作用する関係を示している。
本実施形態に係る第1取得方法では、このような第1配置条件及び第2配置条件の下で、図19に例示した如きSPデータ及びSPコントロール情報の取得を、図20に例示した如きアドレス情報を用いて実行する。
図19では、再生時に、先ず第(0)処理として表示開始PTSが与えられ、次に第(1)処理としてSCPを探して読み、次に第(2)処理としてSPデータを読みに行き、次に第(3)処理としてSPデータを読み、次に第(4)処理として更にSPデータを読み、最後に第(5)処理として再生を開始するという各処理を、時間軸(図中、左から右へ延びる軸)上の対応個所に図式的に記している。
このような一連のSPデータ及びSPコントロール情報の取得並びにそれに伴う静止画の再生制御を行うべく、第1取得方法では特に、図14に示したビデオストリームにより定義されるエントリー区間に対応させた形式で、図20の如きサブピクチャストリームについてのESアドレス情報をESマップテーブル内に記述する。
図20に示すように、サブピクチャストリームについてのESアドレス情報は、インデックス番号情報134e(図34)により示されたエレメンタリーストリームのエントリー区間毎に、SPDが存在するかどうかを示す1ビットのSPデータ識別フラグと、SCPが記録されているかを示す1ビットのSCP識別フラグとからなる2ビットの情報を含んでなる。尚、図20中では、存在する場合に、“1”とし、存在しない場合に“0”としている。そして、第1取得方法では、次に説明するように、SCP識別フラグによりSCPが表示開始時刻に存在しないときには、再生時間軸上で前方(図19における左側)に存在するか否かがチェックされる。
図19において、再生時には先ず、エントリー区間#3内の表示開始PTSが得られると(第(0)処理)、オブジェクト情報ファイルに含まれるESアドレス情報のSCP識別フラグ(図20参照)が参照され、このエントリー区間#3に、SCPが存在するか否かがチェックされる。そして本例では、存在しないことが判明するので、更にSCP識別フラグが参照され、再生時間軸上で前方に位置する他のエントリー区間でSCPが存在するものが探される。これにより本例では、先ず読み込むべきSCPは、エントリー区間#1内に存在することが判明する。
そこで図19において、今度はオブジェクトデータファイル内で、このエントリー区間#1内で、SCPデータが探される(図19図の第(1)処理)。より具体的には、先ず図14のESアドレス情報が参照されて、エントリー区間#1の先頭パケット(本例では、“r”)が取得され、その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケットに対するアクセスが実行される。その後、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#1内にて、SCPを含むサブピクチャ構造702が探し出されることになる。
その後、取得したSCPを含むサブピクチャ構造内のSPコントロール情報に記録されている「SPデータ位置」(図16参照)が参照され、このSPコントロール情報の制御対象であるSPデータの位置(エントリー区間)が特定される。そして、この位置が特定されたSPデータに対するアクセスが実行される(図19図の第(2)処理)。例えば、SPデータの位置(エントリー区間)として表示開始時刻T14_0が記述されているとすれば、先ずはオブジェクト情報ファイル内にて図14に示したESアドレス情報が参照されて、パケット番号“q”が取得される。即ち本例では、読み込むべきSPDは、エントリー区間#0内に存在することが判明する。その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケット(パケット番号“q”)に対するアクセスが実行される。続いて、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#0内にて、SPDを含むサブピクチャ構造701又は703(図19では、“SCP+SPD#1”で示されるサブピクチャ構造701)が探し出されることになる。
その後、取得したSPD(SCP+SPD)を含むサブピクチャ構造内のSPデータが読み込まれる(図19図の第(3)処理)。
その後、図20に示したSPデータ識別フラグが再度参照され、第(3)処理で取得されたSPDを含むエントリー区間(ここでは、エントリー区間#0)から、表示開始時刻を含むエントリー区間(ここでは、エントリー区間#3)までで、SPデータ識別フラグが“1”となっており、SPDが含まれている区間の存在がチェックされる。このようなSPDが仮に存在すれば、表示開始時刻以降における表示される可能性の有るSPデータが存在していることになる。本例では、エントリー区間#2に、このようなSPDが存在しているので、当該SPDを含むサブピクチャ構造に対するアクセスが行われ、これが取得される(図19図の第(4)処理)。
尚、本願では、このように任意の表示開始時刻に対して、当該任意の表示開始時刻に表示する必要がないSPデータであっても、再生時間軸上で当該任意の表示時刻以降における静止画表示を的確に且つ途切れなく行うために予め読み込んでおく必要がある、当該任意の表示開始時刻よりも前方に記録されたSPデータのことを、“先読みSPデータ”と呼ぶ。即ち、先読みSPデータを、再生開始に先んじて読み込んでおかねば、表示開始以降に静止画表示が途切れてしまう可能性が生じるものである。但し、先読みSPデータが先読みされた後に、実際に静止画表示のために使用されなくてもよい。即ちここでは、再生条件に応じて、その後の表示に用いられる可能性があれば、先読みSPデータとして扱い、これを先読みする処理を行なうものとする。
その後、以上の処理によって、得られたSPコントロール情報に基づく表示制御が行われて、SPデータに対応する静止画再生が開始される(図19図の第(5)処理)。ここでは、例えばSPコントロール情報により示された表示開始時刻及び表示時間(図16参照)に基づいて、SPデータに対応するサブピクチャによる静止画表示が一定期間に亘って行われる。
以上図19に示した一連の処理により、タイムサーチ、チャプターサーチ、早送り、巻き戻し等の特殊再生において任意の表示開始時刻から表示を開始する場合であっても、表示開始時刻に本来表示されるべき静止画が、忠実に表示され、しかも、それ以降に本来表示されるべき静止画が表示できない、或いは静止画が途切れる等の事態も発生しない。
以上図14から図20を参照して説明したように、SPデータ及びSPコントロール情報の第1取得方法によれば、二つのフラグで合計2ビット(図20参照)という極めて少データ量のESアドレス情報を利用して、SPデータ及びSPコントロール情報の記録位置の特定を効率的に実行可能となる。例えば、図14に示した如きビデオストリームに係るESアドレス情報が、エントリー区間毎に32ビットであれば、図20に示した如きサブピクチャストリームに係るESアドレス情報は、その1/16の小データ量で足りる。
(B) SPデータ及びSPコントロール情報の第2取得方法
図21から図24並びに図14及び図15を参照して、SPデータ及びSPコントロール情報の第2取得方法並びにそれに伴う静止画の再生制御について説明する。ここで図21は、第2取得方法に係る、構造情報、SPコントロール情報及びSPデータの内容を表で示し、図22は、第2取得方法における取得手順を図式的に示し、図23は、ESマップテーブル内に構築される、図22に示したサブピクチャストリームに係るESアドレス情報におけるデータ構造を表で示したものである。更に、図24は、第2取得方法に係る、構造情報及びSPコントロール情報の具体例を示したものである。
上述した第1取得方法では、前述の第1及び第2配置条件が付けられているが、以下に説明する第2取得方法では、これらのうち図18を参照して説明した第2配置条件を付けないで実行されるものである。そして特に、上述した第1取得方法におけるSPデータ識別フラグ(図20参照)をESアドレス情報内に構築せず、サブピクチャストリーム用のESアドレス情報としては、SCP識別フラグのみを記述するものである。そして、SPデータ識別フラグを、オブジェクト情報ファイル内のESアドレス情報に記述しない代わりに、オブジェクトデータファイル内のSPコントロール情報内に、先読みSPデータを特定するための情報を記述するものである。
図21に示すように、第2取得方法に係る実施形態においては、サブピクチャストリーム上に記録される静止画に係るデータ或いは情報は、構造情報711、SPコントロール情報712’及びSPデータ713を含んで構成されている。これらのうち、構造情報711とSPデータ713についての内容は、図16で示した第1取得方法に係るものと同じである。また、これら三つのデータ或いは情報の組合せにより、図17に示した三種類のサブピクチャ構造701〜703が同様に構築される。
第2取得方法に係るSPコントロール情報712’は、作用するSPデータの表示開始時刻及び係るSPデータの表示時間を示す情報を有する。再生時には、これにより当該SPコントロール情報712’が作用するSPデータが、再生時間軸上における予定された時間だけ再生されることとなり、静止画の表示が実行される。
更にSPコントロール情報712’は、先読みSPデータの総数、先読みSPデータの識別子及び先読みSPデータの位置情報(エントリー区間)を有する。ここでの“先読みSPデータ”は特に、その総数等が記述されるSPコントロール情報のSCPの記録位置を基準に規定されており、当該SPコントロール情報のSCPより再生時間軸上で後方に記録されているSCPを有するSPコントロール情報が作用するSPデータであって、そのSPデータが当該SPコントロール情報のSCPよりも前方に記録されているSPデータのことを指す。従って、以下の第2取得方法に係る説明では、このような条件を満たすSPデータのことを単に“先読みSPデータ”という。
本実施形態に係る第2取得方法では、図22に例示した如きSPデータ及びSPコントロール情報の取得を、図23に例示した如きアドレス情報を用いて実行する。
図22では、再生時に、先ず第(0)処理として表示開始PTSが与えられ、次に第(1)処理として前方エントリー区間のSCPを探して読み、次に第(2)処理としてSPデータを読みに行き、次に第(3)処理として後方エントリー区間のSCPを読み、次に第(4)処理としてSPデータを読み、次に第(5)処理として先読みSPデータを読み、最後に第(6)処理として再生を開始するという各処理を、時間軸(図中、左から右へ延びる軸)上の対応個所に図式的に記している。
このようなSPデータ及びSPコントロール情報の取得並びにそれに伴う静止画の再生制御を行うべく、第2取得方法では特に、例えば図14に示したビデオストリームにより定義されるエントリー区間に対応させた形式で、図23の如き、サブピクチャストリームについてのESアドレス情報をESマップテーブル内に記述する。
図23に示すように、サブピクチャストリームについてのESアドレス情報は、エントリー区間毎に、SCPが記録されているかを示す1ビットのSCP識別フラグを含んでなる。尚、図23中では、存在する場合に、“1”とし、存在しない場合に“0”としている。そして、第2取得方法では、次に説明するように、SCP識別フラグによりSCPが表示開始時刻に存在しないときには、まず、再生時間軸上で前方にSCPが存在するか否かがチェックされ、次に、再生時間軸上で後方にSCPが存在するか否かがチェックされる。
尚、図24に示すように、SPデータを含む図21のサブピクチャ構造と異なり、SPデータを含まないサブピクチャ構造は、構造情報711とSPコントロール情報712”とから構成される。図24では、図22及び図23に対応する具体例として、エントリー区間#4内に配置されたSCP#2aを先頭パケットとするSPコントロール情報712”の具体的な内容を例示している。
図22において、再生時には先ず、エントリー区間#3内の表示開始PTSが得られると(第(0)処理)、オブジェクト情報ファイルに含まれるESアドレス情報のSCP識別フラグ(図23参照)が参照され、このエントリー区間#3に、SCPが存在するか否かがチェックされる。そして本例では、存在しないことが判明するので、更にSCP識別フラグが参照され、まず、再生時間軸上で前方に位置する他のエントリー区間でSCPが存在するものが探される。これにより本例では、先ず読み込むべきSCPは、エントリー区間#1内に存在することが判明する。
そこで図22において、今度はオブジェクトデータファイル内で、このエントリー区間#1内で、SCPデータが探される(図22の第(1)処理)。より具体的には、先ず図14のESアドレス情報が参照されて、エントリー区間#1の先頭パケット(本例では、“r”)が取得され、その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケットに対するアクセスが実行される。その後、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#1内にて、SCPを含むサブピクチャ構造702が探し出されることになる。
その後、取得したSCPを含むサブピクチャ構造内のSPコントロール情報に記録されている「SPデータ位置」が参照され、このSPコントロール情報の制御対象であるSPデータの位置(エントリー区間)が特定される。そして、この位置が特定されたSPデータに対するアクセスが実行される(図22の第(2)処理)。例えば、SPデータの位置(エントリー区間)として表示開始時刻T14_0が記述されているとすれば、先ずはオブジェクト情報ファイル内にて図14に示したESアドレス情報が参照されて、パケット番号“q”が取得される。即ち本例では、読み込むべきSPDは、エントリー区間#0内に存在することが判明する。その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケット(パケット番号“q”)に対するアクセスが実行される。続いて、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#0内にて、SPDを含むサブピクチャ構造701又は703(図22では、“SCP#1a+SPD#1”で示されるサブピクチャ構造703)が探し出されることになる。
その後、取得したSPDを含むサブピクチャ構造内のSPデータが読み込まれる(図22の第(2)処理)。
次に、再生時間軸上で後方に位置する他のエントリー区間でSCPが存在するものが探される。これにより本例では、先ず読み込むべきSCPは、エントリー区間#4内に存在することが判明する。
そこで図22において、今度はオブジェクトデータファイル内で、このエントリー区間#4内で、SCPデータが探される(図22の第(3)処理)。より具体的には、先ず図14のESアドレス情報が参照されて、エントリー区間#4の先頭パケット(本例では、“u”)が取得され、その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケットに対するアクセスが実行される。その後、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#4内にて、SCP#2aを含むサブピクチャ構造702とSCP#1cを含むサブピクチャ構造702が探し出され、図24に示した構造からなるSPコントロール情報712”が取得される。なお、図24はSCP#1cに対するSPコントロール情報712の具体的な内容を示している。
その後、取得したSCP#2aを含むサブピクチャ構造内のSPコントロール情報に記録されている「SPデータ位置」(図24参照)が参照され、このSPコントロール情報の制御対象であるSPデータの位置(エントリー区間)が特定される。そして、この位置が特定されたSPデータに対するアクセスが実行される(図22の第(4)処理)。例えば、SPデータの位置(エントリー区間)として表示開始時刻T14_2が記述されているとすれば、先ずはオブジェクト情報ファイル内にて図14に示したESアドレス情報が参照されて、パケット番号“s”が取得される。即ち本例では、読み込むべきSPDは、エントリー区間#2内に存在することが判明する。その後、オブジェクトデータファイル内で、この先頭パケット(パケット番号“s”)に対するアクセスが実行される。続いて、この先頭パケットに続く、同一サブピクチャストリーム上のパケットのヘッダ(構造情報711)が順次チェックされ、当該エントリー区間#2内にて、SPDを含むサブピクチャ構造701又は703(図22では、“SPD#2”で示されるサブピクチャ構造703)が探し出されることになる。
その後、取得したSPDを含むサブピクチャ構造内のSPデータが読み込まれる(図22の第(4)処理)。
その後、図22の第(3)処理で取得されたSCP#1cを含むサブピクチャ構造内のSPコントロール情報内に記述された先読みSPデータの総数、識別子及び位置情報(エントリー区間)に基づいて(図24参照)、先読みSPデータの読込が実行される。例えば、図24に示したように、先読みSPデータの総数が“1個”であり、その識別子が“#1”であり、これにより識別される先読みSPデータ“#1”の位置情報が、T14_0であれば、先ず図14のESアドレス情報が参照され、パケット番号qが取得される。そして、このパケット番号qのパケットへのアクセス後に、エントリー区間#0内におけるこのパケットに続く複数のパケットの中からSPデータを含むサブピクチャか構造が探し出され、先読みSPデータとして読み込まれる(図22の第(5)処理)。
なお、本具体例では、先読みSPデータ#1は第(2)処理において既に取得しているため、再度取得動作を行わなくともよい。
その後、以上の処理によって、得られたSPコントロール情報に基づく表示制御が行われて、SPデータに対応する静止画再生が開始される(第(6)処理)。ここでは、例えばSPコントロール情報により示された表示開始時刻及び表示時間(図21参照)に基づいて、SPデータに対応するサブピクチャによる静止画表示が一定期間に亘って行われる。
図22に示した一連の処理により、タイムサーチ、チャプターサーチ、早送り、巻き戻し等の特殊再生において任意の表示開始時刻から表示を開始する場合であっても、表示開始時刻に本来表示されるべき静止画が表示され、しかも、それ以降に本来表示されるべき静止画が表示できない、或いは静止画が途切れる等の事態も発生しない。
以上図21から図24並びに図14及び図15を参照して説明したように、SPデータ及びSPコントロール情報の第2取得方法によれば、一つのフラグで合計1ビット(図23参照)という極めて少データ量のESアドレス情報を利用して、SPコントロール情報の記録位置の特定を効率的に実行可能となる。例えば、図14に示した如きビデオストリームに係るESアドレス情報が、エントリー区間毎に32ビットであれば、図23に示した如きサブピクチャストリームに係るESアドレス情報は、その1/32の小データ量で足りる。
以上図14から図24を参照して説明した本実施形態における第1取得方法及び第2取得方法のいずれの取得方法によっても、図17に示した如き、三種類のサブピクチャ構造701〜703を採用することによって、再生時における、SPコントロール情報712による表示制御の都度に、その制御対象であるSPデータ713を含むサブピクチャ構造を読み込む必要がなくなる。逆に、一つのSPデータ713に対して、これとは別に記録されたSPコントロール情報により表示制御でき、特に複数のSPコントロール情報を同一SPデータに作用させることも可能となる。或いは、複数のSPデータ713を、これらとは別に記録された同一SPコントロール情報により表示制御することも可能となる。
尚、このようなSPデータ713を含むサブピクチャ構造701又は703と、これに作用するSPコントロール情報712を含むサブピクチャ構造702とは、同一のサブピクチャストリーム上に記録されてよいが、複数のサブピクチャストリーム上に別々に記録されてもよい。
(SPコントロール情報による静止画の再生制御の具体例)
次に、本実施形態における、上述の如く取得されるSPデータに対してSPコントロール情報を作用させることによる、静止画の再生制御の具体例について、図25から図29並びに前述の図14から図17を参照して説明する。この取得方法は、前述の情報記録再生装置500(図8参照)によって、主にサブピクチャ構造中のSPデータ及びSPコントロール情報に基づいて、実行されるものである。
ここでは、同一サブピクチャストリーム上で、図17(a)又は(c)に示した一のサブピクチャデータ構造701又は703に含まれるSPデータに対して、これとは異なる図17(a)又は(b)に示した他のサブピクチャ構造701又は702に含まれるSPコントロール情報を作用させる再生制御について、説明する。ここで図25は、SPデータにSPコントロール情報を作用させて新たな静止画(サブピクチャ)を形成する方法を図式的に示し、図26は、サブピクチャからサブフレームを切り出す方法を図式的に示し、図27は、サブピクチャからサブフレームを切り出し、そのサブフレームを用いて表示する方法を図式的に示すものである。更に図28及び図29は、サブピクチャからサブフレームを切り出し、表示する方法を図式的に示したものである。
本具体例における再生制御は、サブピクチャストリーム上から上述した第1又は第2取得方法と同様に取得されたSPデータに対して、これとは別に同一サブピクチャストリーム上から上述した第1又は第2取得方法により取得されたSPコントロール情報を作用させて、新たな静止画を表示させるものである。
図25に示すように、本具体例の再生制御では、例えば、一の静止画たるサブピクチャ901の表示用に用いられる一のサブピクチャ構造701又は703(図17(a)又は(c)参照)内のSPデータに対して、異なるサブピクチャ構造701又は702(図17(a)又は(b)参照)内のSPコントロール情報が作用されて、新たな静止画たるサブピクチャ902が表示される。より具体的には、サブピクチャ901が、サブフレーム903a、903b及び903cの夫々の範囲で切り出され、更に表示画面上で、切り出されたサブフレーム903aが回転してサブピクチャ902の右下に配置され、サブフレーム903bが回転して左上に配置され、サブフレーム903cが左下に配置されるように新たなサブピクチャ902が表示される。
これらサブフレームの切り出し範囲や表示する際の配置、拡大縮小、回転等の条件はSPコントロール情報712に記述されている。従って、一のサブピクチャ構造701を用いて、そこに含まれているSPコントロール情報712を同じくそこに含まれているSPデータ713に対して作用させることで、一のサブピクチャ901を表示した後に、他のサブピクチャ構造702に含まれるSPコントロール情報712をこのSPデータ713に対して作用させることで、新たなサブピクチャ902を表示可能となる。或いは、一のサブピクチャ構造702に含まれているSPコントロール情報712を、他のサブピクチャ構造703に含まれているSPデータ713に対して作用させることで、一のサブピクチャ901を表示した後に、更に他のサブピクチャ構造702に含まれるSPコントロール情報712をこのSPデータ713に対して作用させることで、新たなサブピクチャ902を表示可能となる。或いは、一のサブピクチャ構造701に含まれているSPコントロール情報712を、他のサブピクチャ構造703に含まれているSPデータ713に対して作用させることで、一のサブピクチャ901を表示した後に、更に他のサブピクチャ構造701に含まれるSPコントロール情報712をこのSPデータ713に対して作用させることで、新たなサブピクチャ902を表示可能となる。その他にも、SPデータとこれに作用するSPコントロール情報との各種組合せが考えられる。
いずれの場合にも、データ量の多いビットマップテータやJPEGデータからなるSPデータの使い回しによって、ディスク上における限られた記録容量の節約を図ることが可能となり、更に効率的な再生及び表示処理も可能となる。
加えて、いずれの場合にも、他のビデオストリームに記録されたビデオデータに基づく動画或いは主映像上に、このようなサブピクチャ901又は902をスーパーインポーズさせることも可能である。
図26に示すように、サブピクチャ1901からサブフレーム1903の切り出しは、サブピクチャ1901とサブフレーム1903を一致させた場合〔図26(a)〕、サブピクチャ1901よりも狭い任意の範囲で1つのサブフレーム1903を指定した場合〔図26(b)〕、サブピクチャ1901よりも狭い1つ以上の任意の範囲のサブフレーム1903a、1903b・・・の場合〔図26(c)〕、サブピクチャ1901よりも狭い1つ以上の任意の範囲で重なり合うサブフレーム1903a、1903b・・・の場合〔図26(d)〕、サブピクチャ1901よりも狭い1つ以上の任意の範囲で一方を包含するサブフレーム1903a、1903b・・・の場合〔図26(e)〕等、種々の形態でSPコントロール情報に記述可能であり、切り出しが行われる。
次に、上述したサブピクチャ構造を用いた表示の例について、図27及び図8の情報記録再生装置500のブロック図を参照して説明する。尚、本発明のストリーム構成は図27に示すようにSPD(即ち、SPデータの先頭パケット)と時系列的にそのSPDの後に続く複数のSCP(即ち、SPコントロール情報の先頭パケット)が一つのエレメンタリーストリーム上に設けられている場合である。
サブピクチャ2901を規定するSPデータが、SPD♯1を先頭パケットとして記述されていて、時刻t1から読み込みが開始されメモリ540に格納される。このSPデータがメモリ540に全て格納された時刻t11がこのSPデータの有効期間の開始時刻となり、新規のSPデータの読み込みが開始されるまではこの画像は有効となり、メモリ540内に保持される。次にSCP♯1aを先頭パケットとするSPコントロール情報が時刻t2で読み込まれ、ファイルシステム
/論理構造データ判読器522で記述内容が判読され、制御信号Sc5によりメモリ540に格納されているSPデータに作用する。これにより、メモリ540内のSPデータは、サブフレーム2903aの範囲で切り出され、時刻t21から、加算器514を介してビデオ出力される。この加算器514でシステムコントローラ520の制御の下、ビデオデコーダ511からの映像信号にスーパーインポーズされてもよい。
次にSCP♯1bを先頭パケットとするSPコントロール情報が時刻t3で読み
込まれ、同様にメモリ540内のSPデータに作用する。これにより、メモリ540内のSPデータは、サブフレーム2903bの範囲で切り出され、時刻t31から時刻t32までサブフレーム2903aに替わってビデオ出力される。更にSCP♯1cを先頭パケットとするSPコントロール情報が時刻t4で読み込まれ、
同様にメモリ540内のSPデータに作用する。これにより、メモリ540内のSPデータは、サブフレーム2903cの範囲で切り出され、時刻t41から時刻t42までビデオ出力される。映像信号にスーパーインポーズされてもよいことはサブフレーム1903aの場合と同様である。また、上述した表示形態に限らず、サブフレーム2903a〜サブフレーム2903cをオーバーラップして表示するようにSPコントロール情報に記述することが可能なことは当然である。
次に図28を参照して、具体的な例について説明する。
図28(a)に示すように時刻t1でSPDを先頭パケットとするSPデータ
が、時刻t2でSCP♯1aを先頭パケットとするSPコントロール情報が、時刻
t3でSCP♯1bを先頭パケットとするSPコントロール情報が、時刻t4でSCP♯1cを先頭パケットとするSPコントロール情報が、再生されたとする。図28(b)、(c)及び(d)は夫々、SCP♯1a、SCP♯1b及びSCP♯1cに対応する表示制御の結果、表示された画像である。また、図28(b)、(c)及び(d)中の人物像や道路は別のストリームのビデオ映像である。
まず、時刻t1でサブピクチャ3901が再生され、メモリ540に格納され
る。次に時刻t2でSCP♯1aを先頭パケットとするSPコントロール情報が再
生され、サブピクチャ3901中のサブフレーム3903a、3903b及び3903cが切り出され、ビデオ映像上に、このSPコントロール情報で記述された位置、大きさ、角度等に従って表示される。次に時刻t3でSCP♯1bを先頭
パケットとするSPコントロール情報が再生され、サブフレーム3903d及び3903eが切り出され、同様に表示される。更に、時刻t4でSCP♯1cを先
頭パケットとするSPコントロール情報が再生され、サブフレーム3903f、3903g及び3903hが切り出され、同様に表示される。
次に図29を参照して、他の具体的な例について説明する。この例は、表示画像をスクロールさせることができる例である。
図29に示すように、サブピクチャ4901として、スクロールさせたいSPデータを所定の規則に従って配置する〔図29(a)〕。ここで上述したように所定の時間間隔でSPコントロール情報を作用させる。その際に指定するサブフレーム4903は、例えばサブフレーム4903aからサブフレーム4903nに順次移動していくようにSPコントロール情報に記述しておく。
図29(b)は最初のSPコントロール情報で制御されたサブピクチャ4902であって、サブフレーム4903a、4913a及び4923が指定された位置に表示されている。図29(c)はn番目のSPコントロール情報で制御されたサブピクチャ4902であって、サブフレーム4903n、4913n及び4923が指定された位置に表示されている。尚、「提供」は常にこの位置に表示されるように夫々のSPコントロール情報に記述されていて変化しない。この結果、サブピクチャ4902上では「提供」欄は移動せず、「Example Name」欄は下から上に向かってスクロールし、「Sponsor」欄は上から下に向かってスクロールする映像が得られることになる。尚、SPコントロール情報の記述によって左右又は任意の方向へのスクロールが可能であることも当然である。
(再生時のアクセスの流れ)
次に図30を参照して、本実施形態における特徴の一つであるAU(アソシエートユニット)情報132及びPU(プレゼンテーションユニット)情報302を用いた情報記録再生装置500における再生時のアクセスの流れについて、光ディスク100の論理構造と共に説明する。ここに図30は、光ディスク100の論理構造との関係で、再生時におけるアクセスの流れ全体を概念的に示すものである。
図30において、光ディスク100の論理構造は、論理階層401、オブジェクト階層403及びこれら両階層を相互に関連付ける論理−オブジェクト関連付け階層402という三つの階層に大別される。
これらのうち論理階層401は、再生時に所望のタイトルを再生するための各種論理情報と再生すべきプレイリスト(Pリスト)及びその構成内容とを論理的に特定する階層である。論理階層401には、光ディスク100上の全タイトル200等を示すディスク情報110dが、ディスク情報ファイル110(図3参照)内に記述されており、更に、光ディスク100上の全コンテンツの再生シーケンス情報120dが、プレイリスト情報ファイル120(図3参照)内に記述されている。より具体的には、再生シーケンス情報120dとして、各タイトル200に一又は複数のプレイリスト126の構成が記述されており、各プレイリスト126には、一又は複数のアイテム204(図7参照)の構成が記述されている。そして、再生時におけるアクセスの際に、このような論理階層401によって、再生すべきタイトル200を特定し、これに対応するプレイリスト126を特定し、更にこれに対応するアイテム204を特定する。
続いて、論理−オブジェクト関連付け階層402は、このように論理階層401で特定された情報に基づいて、実体データであるTSオブジェクトデータ140dの組み合わせや構成の特定を行うと共に論理階層401からオブジェクト階層403へのアドレス変換を行うように、再生すべきTSオブジェクトデータ140dの属性とその物理的な格納アドレスとを特定する階層である。より具体的には、論理−オブジェクト関連付け階層402には、各アイテム204を構成するコンテンツの固まりをAU132という単位に分類し且つ各AU132をPU302という単位に細分類するオブジェクト情報データ130dが、オブジェクト情報ファイル130(図3参照)に記述されている。
ここで、「PU(プレゼンテーションユニット)302」とは、複数のエレメンタリーストリームを、再生切り替え単位ごとに関連付けてまとめた単位である。仮に、このPU302中にオーディオストリームが3本存在すれば、このビジョンを再生中には、ユーザが自由に3本のオーディオ(例えば、言語別オーディオなど)を切り替えることが可能となる。
他方、「AU(アソシエートユニット)132」とは、一つのタイトルで使用するTSオブジェクト中の、ビデオストリームなどのエレメンタリーストリームを複数まとめた単位であり、一又は複数のPU302の集合からなる。より具体的には、PU302を介して間接的に、エレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)を各TSオブジェクト毎にまとめた単位である。このAU132は、例えば多元放送における相互に切り替え可能な複数の番組或いは複数のプログラムなど、コンテンツから考えて相互に特定関係を有する複数の番組或いは複数のプログラムなどの集合に対応している。そして、同一のAU132に属したPU302は、再生時にユーザ操作により相互に切り替え可能な複数の番組或いは複数のプログラムを夫々構成する一又は複数のエレメンタリーストリームの集合に対応している。
従って、再生すべきAU132が特定され、更にそれに属するPU302が特定されれば、再生すべきエレメンタリーストリームが特定される。即ち、図6に示したPATやPMTを用いないでも、光ディスク100から多重記録された中から所望のエレメンタリーストリームを再生可能となる。
尚、このようなAU132及びPU302を夫々定義する、AU情報132I及びPU情報302Iのより具体的なデータ構成については、後に図34を参照して説明する。
ここで実際に再生されるエレメンタリーストリームは、PU情報302から、エレメンタリーストリームのパケットID(図6参照)であるES_PIDによって特定或いは指定される。同時に、再生の開始時間及び終了時間を示す情報が、エレメンタリーストリームのアドレス情報に変換されることにより、特定エレメンタリーストリームの特定領域(或いは特定時間範囲)におけるコンテンツが再生されることになる。
このようにして論理−オブジェクト関連付け階層402では、各アイテム204に係る論理アドレスから各PU302に係る物理アドレスへのアドレス変換が実行される。
続いて、オブジェクト階層403は、実際のTSオブジェクトデータ140dを再生するための物理的な階層である。オブジェクト階層403には、TSオブジェクトデータ140dが、オブジェクトデータファイル140(図3参照)内に記述されている。より具体的には、複数のエレメンタリーストリーム(ES)を構成するTSパケット146が時刻毎に多重化されており、これらが時間軸に沿って配列されることにより、複数のエレメンタリーストリームが構成されている(図5参照)。そして、各時刻で多重化された複数のTSパケットは、エレメンタリーストリーム毎に、論理−オブジェクト関連付け階層402で特定されるPU302に対応付けられている。尚、複数のPU302と、一つのエレメンタリーストリームとを関連付けること(例えば、切り替え可能な複数の番組間或いは複数のプログラム間で、同一のオーディオデータに係るエレメンタリーストリームを共通で利用したり、同一のサブピクチャデータに係るエレメンタリーストリームを共通で利用すること)も可能である。
このようにオブジェクト階層403では、論理−オブジェクト関連付け階層402における変換により得られた物理アドレスを用いての、実際のオブジェクトデータの再生が実行される。
以上のように図30に示した三つの階層により、光ディスク100に対する再生時におけるアクセスが実行される。
(各情報ファイルの構造)
次に図31から図34を参照して、本実施形態の光ディスク100上に構築される各種情報ファイル、即ち図3を参照して説明した(1)ディスク情報ファイル110、(2)プレイリスト情報ファイル120及び(3)オブジェクト情報ファイル130のデータ構造について、各々具体例を挙げて説明する。
(1) ディスク情報ファイル:
先ず図31及び図32を参照して、ディスク情報ファイル110について一具体例を挙げて詳細に説明する。ここに図31は、ディスク情報ファイル110のデータ構成の一具体例を図式的に示すものであり、図32は、これに含まれるタイトル情報テーブル(table)114のデータ構成の一具体例を図式的に示すものである。
図31に示すように本具体例では、ディスク情報ファイル110には、ディスク総合情報112、タイトル情報テーブル114及びその他の情報118が格納されている。
このうちディスク総合情報112は、例えば複数の光ディスク100で構成されるシリーズものの通し番号を示すディスクボリューム情報や、総タイトル数情報などの総合的なディスク情報である。
タイトル情報テーブル114は、各タイトルを構成する全プレイリストと、その他の例えばタイトル毎の情報としてタイトル内のチャプタ情報等が格納されており、タイトルポインタ情報、タイトル#1情報、タイトル#2情報、…を含んでなる。ここに「タイトルポインタ情報」とは、タイトル#n情報の格納アドレス情報、即ち図31中の矢印で対応関係を示したように、タイトル情報テーブル114内におけるタイトル#n情報の格納位置を示す格納アドレス情報であり、相対論理アドレスで記述される。そして、光ディスク100内におけるタイトル数分が、相対論理アドレスとしてタイトル順に並べられている。尚、このような格納アドレス情報各々のデータ量は、固定バイトであってもよいし、可変バイトであってもよい。
また、その他の情報118とは、シーケンシャル型や分岐型等のタイトルの種類や総合プレイリスト数等の各タイトルに関する情報などである。
例えば、タイトルが単純に一つのプレイリストからなっている場合であれば、図31に示したディスク情報ファイル110内に格納されるタイトル情報テーブル114(図3参照)は、図32に示したように比較的単純な内容を有するものとして記述される。
(2) プレイリスト情報ファイル:
次に図33を参照して、プレイリスト情報ファイル120について一具体例を挙げて詳細に説明する。ここに図33は、プレイリスト情報ファイル120内に構築されるプレイリスト情報テーブル(table)121におけるデータ構成の一具体例を図式的に示すものである。
図33に示すように本具体例では、プレイリスト情報ファイル120内には、フィールド(Field)別に、プレイリスト総合情報122、プレイリストポインタテーブル124、プレイリスト#1情報テーブル及びプレイリスト#2情報テーブル126が、プレイリスト情報テーブル121(図3参照)として格納されている。
各フィールドは、必要な個数分の各テーブルを追加可能な構造を有してもよい。例えば、プレイリストが4つ存在すれば、該当フォールドが4つに増える構造を有してもよく、これはアイテム情報テーブル129についても同様である。
これらのうち、プレイリスト総合情報(Pリスト総合情報)122には、当該プレイリストテーブルのサイズやその他、総プレイリスト数等が記述される。
プレイリストポインタテーブル(Pリストポインタtable)124には、各プレイリスト記載位置のアドレスが、図33中矢印で対応関係を示したように、当該プレイリスト情報テーブル121内における相対論理アドレスとして格納される。
プレイリスト#1情報テーブル(Pリスト#1情報table)126には、プレイリスト#1に関する総合情報、プレイリスト#1のアイテム情報テーブル(PリストItem情報Table)129及びその他の情報が格納されている。プレイリスト#2情報テーブル126についても、プレイリスト#2に係る同種の情報が記述されている。
「アイテム情報テーブル(Item情報table)129」には、一つのプログラムリストを構成する全アイテム数分のアイテム情報が格納される。ここで、「アイテム#1(Item#1情報)」或いは「アイテム#2(Item#2情報)」に記述されるAU(アソシエートユニット)テーブル内のAU番号とは、当該アイテム再生に使用するTSオブジェクトのアドレスや当該アイテム再生に使用するTSオブジェクト中の各エレメンタリーストリーム(即ち、ビデオストリーム、オーディオストリーム又はサブピクチャストリーム)を特定するための情報を格納したAUの番号である。
(3) オブジェクト情報ファイル:
次に図34を参照して、オブジェクト情報ファイル130について一具体例を挙げて詳細に説明する。ここに図34は、オブジェクト情報ファイル130内に構築されるAU(アソシエートユニット)テーブル131(図3参照)及びこれに関連付けられるES(エレメンタリーストリーム)マップテーブル134(図3参照)におけるデータ構成の一具体例を図式的に示すものである。
図34に示すように本具体例では、オブジェクト情報ファイル130内には、オブジェクト情報テーブル(オブジェクト情報table)が格納されている。そして、このオブジェクト情報テーブルは、図中上段に示すAUテーブル131及び下段に示すESマップテーブル134から構成されている。
図34の上段において、AUテーブル131は、各フィールド(Field)が必要な個数分のテーブルを追加可能な構造を有してもよい。例えば、AUが4つ存在すれば、該当フォールドが4つに増える構造を有してもよい。
AUテーブル131には、別フィールド(Field)に、AUの数、各AUへのポインタなどが記述される「AUテーブル総合情報」と、「その他の情報」とが格納されている。
そして、AUテーブル131内には、各AU#nに対応する各PU#mにおけるESテーブルインデックス#m(ES_table Index #m)を示すAU情報132Iとして、対応するESマップテーブル134のインデックス番号(Index番号=…)が記述されてる。ここで「AU」とは、前述の如く例えばテレビ放送でいうところの“番組”に相当する単位(特に、“マルチビジョン型”の放送の場合には、切り替え可能な複数の“ビジョン”を一まとめとした単位)であり、この中に再生単位であるPUが一つ以上含まれている。また、「PU」とは、前述の如く各AU内に含まれる相互に切り替え可能なエレメンタリーストリームの集合であり、PU情報302Iにより各PUに対応するESテーブルインデックス#が特定されている。例えば、AUでマルチビューコンテンツを構成する場合、AU内には、複数のPUが格納されていて、夫々のPU内には、各ビューのコンテンツを構成するパケットを示す複数のエレメンタリーストリームパケットIDへのポインタが格納されている。これは後述するESマップテーブル134内のインデックス番号を示している。
本実施形態では、AUテーブル131には、前述したTSオブジェクト142内のパケットの連続番号(通し番号)に、編集処理によるパケット欠落が生じた場合における、パケット番号の不連続状態を示す不連続情報が付加されてもよい。係る不連続情報を用いれば、パケット欠落が発生した際に、パケット番号を新たに付与しなくても、不連続情報により示された不連続状態を考慮に入れて(エレメンタリーストリームの指定されるパケットを起点として)パケット数を数えることで、アクセス対象たるパケットのアドレスを特定できる。係る不連続情報は、例えば、不連続の開始点及び欠落したパケット数を示す情報を含んでなる。このように不連続情報は、複数のAUに対して共通に一つだけまとめて記述されており、記録容量を節約する観点から大変優れている。尚、AUテーブル131以外のオブジェクト情報ファイルの内外に、このような不連続情報を記述することも可能である。
図34の下段において、ESマップテーブル134には、フィールド(Field)別に、ESマップテーブル総合情報(ES_map table総合情報)と、複数のインデックス#m(m=1,2,…)と、「その他の情報」とが格納されている。
「ESマップテーブル総合情報」には、当該ESマップテーブルのサイズや、総インデックス数等が記述される。
そして「インデックス#m」は夫々、再生に使用される全エレメンタリーストリームのエレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)と、それに対応するインデックス番号及びエレメンタリーストリームのアドレス情報を含んで構成されている。
本実施形態では特に、このアドレス情報、即ちESアドレス情報134dとして、前述のようにエレメンタリーストリームがMPEG2のビデオストリームである場合には、Iピクチャの先頭のTSパケット番号とこれに対応する表示時間のみが、ESマップテーブル134中に記述されており、データ量の削減が図られている(図14参照)。一方、サブピクチャストリームのESアドレス情報134dについては、エントリー区間として使用するエレメンタリーストリームのインデックス番号情報134eが記述されることにより、SCP識別フラグとSPデータ識別フラグがエントリー区間毎に記述され、データ量の削減が更に図られている(図20及び図24参照)。
このように構成されているため、AUテーブル131から指定されたESマップ134のインデックス番号から、実際のエレメンタリーストリームのエレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)が取得可能となる。また、そのエレメンタリーストリームパケットIDに対応するエレメンタリーストリームのアドレス情報も同時に取得可能であるため、これらの情報を元にしてオブジェクトデータの再生が可能となる。
以上説明した光ディスク100のデータ構造によれば、もし新しいタイトルを光ディスク100に追加する場合でも、簡単に必要な情報を追加できるので有益である。逆に、例えば編集等を行った結果、ある情報が不要になったとしても、単にその情報を参照しなければよいだけであり、実際にその情報をテーブルから削除しなくてもよい構造となっているため有益である。
尚、図34では、上段のAUテーブル131から参照しないES_PIDについても、下段のESマップテーブル134のインデックス別に記述してあるが、当該参照しないES_PIDについては、このように記述する必要はない。但し、このように参照しないES_PIDをも記述することで、より汎用性の高いESマップテーブル134を作成しておけば、例えば、オーサリングをやり直す場合など、コンテンツを再編集する場合にESマップテーブルを再構築する必要がなくなるという利点がある。
以上図1から図34を参照して詳細に説明したように、本実施形態によれば、比較的データ量の大きいビットマップデータ等からなる静止画データを、サブピクチャデータとしてビデオデータやオーディオデータと共に効率的に多重記録できる。
また、サブピクチャデータを複数の画像出力制御によって一枚のサブピクチャを種々の形態で画像出力することが可能となり、そのサブピクチャを保持しておくことにより、何度も同じデータを異なる表現として使用することができ、ソフト形成に極めて簡便で多様性に富んだ手段が提供される。
更に、SCP識別フラグやSPデータ識別フラグといった1ビットのフラグ情報の活用により、SPコントロール情報やSPデータの取得処理や静止画の再生制御処理を効率的に行える。特に、このために必要なデータ量は、少なくて済むので、光ディスク100上の記録容量を節約できる。
尚、上述の実施形態では、情報記録媒体の一例として光ディスク100並びに情報再生記録装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ又はプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク並びにそのレコーダ又はプレーヤに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種情報記録媒体並びにそのレコーダ又はプレーヤにも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、記録又は再生制御用のコンピュータプログラム、並びに制御信号を含むデータ構造もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。