JP2006201753A - 画像形成装置、現像装置、及び微粉回収方法 - Google Patents

画像形成装置、現像装置、及び微粉回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トナーの帯電量低下を抑制して、現像剤の長寿命化をはかることのできる現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナーとキャリアとを含む現像剤3を用いて感光体ドラム21上に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置であって、現像剤3を担持して搬送する現像ローラ241と、現像ローラ241と対向配置されるバッファローラ242と、現像ローラ241とバッファローラ242とが対向配置される位置よりも現像剤搬送方向下流側において現像ローラ241と対向配置される感光体ドラム21とを備え、現像ローラ241とバッファローラ242に、トナーを現像ローラ241からバッファローラ242へ移動させるための第1の電界と、現像ローラ241と感光体ドラム21に、トナーを現像ローラ241から感光体ドラム21へ移動させるための第2の電界とを発生させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤で感光体ドラム上に形成された潜像を現像する現像装置及び画像形成装置に関し、トナーの帯電特性を改善する技術に関する。
画像形成装置の現像装置として、いわゆる2成分現像方式のものがある。この現像方式では、トナー粒子とキャリア粒子とを混合攪拌して摩擦帯電させて、キャリアにトナーを付着させた状態で現像スリーブ表面に担持して、キャリアを介してトナーを感光体ドラム上の潜像に搬送することによって現像を行う。2成分現像方式では、トナー及びキャリアの帯電特性が現像性能に大きく影響するため、現像剤の初期から寿命に達するまでにおいて、帯電特性を良好な状態で維持することが求められる。
例えば、特許文献1には、画像比率の低い画像の現像が続いたときに、現像剤担持体上の2成分現像剤をトナーとキャリアに分離して、トナーのチャージアップ(過剰帯電)やキャリア劣化を防止するようにした画像形成装置が開示されている。
特開平10−26885号公報
ところで、2成分現像剤においては、その寿命に至るまでの間にキャリアとトナーとの摩擦により、トナー粒子の削れ、割れ等によりトナーの微粉(以下、「トナー微粉」という。)が生じる。
このトナー微粉は、キャリア粒子表面に付着しやすく、キャリア表面に徐々に蓄積される。トナー微粉のキャリアへの蓄積が多くなるほど、本来のキャリア粒子とトナー粒子との間の摩擦帯電が行われ難くなるため、トナーの帯電量が低下していく。
上述の特許文献1では、トナーとキャリアを分離する技術は記載されているが、トナー微粉については考慮されていないため、上記公報に係る画像形成装置においてもトナーの帯電量の低下が見受けられる。
トナーの帯電量が低下すると画質が劣化するので、トナー微粉が表面に蓄積していないキャリアを得るためには、トナー微粉が表面に蓄積して寿命末期をむかえた現像剤を新たな現像剤に交換する必要がある。しかしながら、頻繁に現像剤の交換を迫れられると、メンテナンスに手間がかかるとともにコストもかかることになるので、現像剤の長寿命化が望まれている。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、キャリアへのトナー微粉の蓄積を抑制して、現像剤の長寿命化をはかることのできる画像形成装置、現像装置及び微粉回収方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置であって、前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において、第2の電界を発生させて、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを回収する第2の回収手段とを備えることを特徴としている。
上記構成とすることにより、第1の回収手段により現像剤から正規の粒径をしたトナーが回収され、第2の回収手段によって、トナーの削れや割れ等により発生する廃棄すべきトナー微粉がキャリア表面から回収される。これにより、キャリアにトナー微粉がほとんど付着していない良好な状態でキャリアとトナーとの摩擦帯電が行われるので、印刷枚数の増加に伴うトナーの帯電量低下を抑制することができ、もって、現像剤の長寿命化をはかることができる。
また、前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていることが望ましい。
本発明者らの鋭意研究により、現像剤にトナーとは逆極性の外添剤を含ませることにより、電界によってトナー微粉が回収されることが見出された。
すなわち、第1の回収手段により正規粒径のトナーが回収された現像剤が、現像剤搬送体によって搬送される間に、トナー微粉とは逆極性の外添剤が、トナー微粉に対して電気的及び機械的に作用することにより、トナー微粉がキャリア表面から剥離しやすい状態となると考えられ、これにより、第2の回収手段が発生させる第2の電界によってトナー微粉が回収されるのである。
ここで、現像剤に新たなトナーを補給する補給手段を備え、前記補給手段による補給位置は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向上流側にあることが望ましい。
補給位置が第1の位置と第2の位置との間にあると、補給手段により供給されたトナーが第2の回収手段に回収されて正規粒径のトナーが無駄に消費されるとともに、供給されたトナーの影響を受けて第2の回収手段によってトナー微粉が回収されにくくなるからである。
また、前記第1の回収手段によって回収されたトナーを、搬送中の現像剤の中へ戻す返還手段を備え、前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでには、遅くとも前記第2の回収手段によるトナーの回収が停止されることが望ましい。
第1の回収手段によって回収されたトナーにはトナー微粉が含まれていないので、このトナーを現像剤に戻すことにより、トナー消費を抑制することができ、現像剤の長寿命化をはかることができる。また、返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、第2の位置に搬送されるまでに、第2の回収手段によるトナーの回収が停止されないと、トナーが第2の回収手段によって回収されて、トナーが無駄に消費されてしまうので、上記の構成とすることが好適である。
ここで、前記第2の回収手段によって回収されたトナーを廃棄する廃棄手段を備えるが望ましい。
第2の回収手段によって回収されるトナー微粉が現像剤中に存在すると、キャリアに付着して、正規粒径のトナーとキャリアとの帯電摩擦がなされ難くなり、トナーの帯電量が低下する。したがって、第2の回収手段によって回収された不要なトナー微粉は廃棄することが好ましい。
また、前記第1の回収手段及び第2の回収手段によるトナーの回収は、通常の画像形成処理が行われていないときに実行されることが望ましい。
画像形成処理が行われているときには、現像にトナーが使用されるので、このトナーを回収すると、正常な現像が行われず画像が形成されないからである。
ここで、前記第1の回収手段は、前記現像剤搬送体と前記第1の位置において対向配置される第1の回動体と、前記現像剤搬送体と前記第1の回動体との間に前記第1の電界を発生させる電界発生手段とを備え、前記第2の回収手段は、前記現像剤搬送体と前記第2の位置において対向配置される第2の回動体と、前記現像剤搬送体と前記第2の回動体との間に前記第2の電界を発生させる電界発生手段とを備えることが望ましい。
これにより、簡易な構成によって第1の回収手段と第2の回収手段とを製造することができるので、装置のコストを低減することができる。
また、前記第2の回動体として、前記像担持体が利用されることが望ましい。
画像形成装置において通常利用される像担持体を第2の回動体として併用することによって、装置の部品点数を削減することができるので、装置の省スペース化、及びコストの低減をはかることができる。
また、前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいことが望ましい。
このような構成とすることにより、第1の電界によって現像剤から回収されなかった正規の粒径をしたトナーが、第2の電界によっても回収されないので、正規粒径トナーとトナー微粉とが第2の回収手段によって混合して回収されない。これにより、正規粒径トナーの消費が抑制される。
上記目的を達成するために、本発明に係る現像装置は、帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において、第2の電界を発生させて、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを回収する第2の回収手段とを備えることを特徴としている。
このような構成とすることにより、第1の回収手段により現像剤からトナーが回収され、第2の回収手段によって廃棄すべきトナー微粉が回収される。これにより、キャリアにトナー微粉がほとんど付着していない良好な状態でキャリアとトナーとの摩擦帯電が行われるので、印刷枚数の増加に伴うトナーの帯電量低下を抑制することができ、もって、現像剤の長寿命化をはかることができる。
また、本発明に係る他の現像装置は、帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、を備え、前記像担持体は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において前記現像剤搬送体と対向配置され、前記第2の位置において、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを前記像担持体へ移動させる第2の電界が発生されることを特徴としている。
このような構成とすることにより、回収手段により現像剤からトナーが回収され、廃棄すべきトナー微粉が像担持体へ回収される。これにより、キャリアにトナー微粉がほとんど付着していない良好な状態でキャリアとトナーとの摩擦帯電が行われるので、印刷枚数の増加に伴うトナーの帯電量低下を抑制することができ、もって、現像剤の長寿命化をはかることができる。
上記各現像装置において、前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていることが望ましい。
これは、第1の電界によりトナーが回収された現像剤が、現像剤搬送体によって搬送される間に、トナー微粉とは逆極性の外添剤が、トナー微粉に対して電気的及び機械的に作用することにより、トナー微粉がキャリア表面から剥離しやすい状態となり、第2の電界によりトナー微粉が回収されやすくなると考えられるからである。
また、前記第1の回収手段によって回収されたトナーを、前記現像剤の中へ戻す返還手段を備え、前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでに、遅くとも前記第2の回収手段によるトナーの回収が停止されることが望ましい。
第1の回収手段によって回収されたトナーにはトナー微粉が含まれていないので、このトナーを現像剤に戻すことにより、トナー消費を抑制することができ、現像剤の長寿命化をはかることができる。また、返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、第2の位置に搬送されるまでに、第2の回収手段によるトナーの回収が停止されないと、トナーが第2の回収手段によって回収されて、トナーが無駄に消費されてしまうので、上記の構成とすることが好適である。
また、前記回収手段によって回収されたトナーを、前記現像剤の中へ戻す返還手段を備え、前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでには、遅くとも前記第2の電界が停止されることが望ましい。
回収手段によって回収されたトナーにはトナー微粉が含まれていないので、このトナーを現像剤に戻すことにより、トナー消費を抑制することができ、現像剤の長寿命化をはかることができる。また、返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、第2の位置に搬送されるまでに、第2の電界が停止されないと、トナーが像担持体によって回収されて、トナーが無駄に消費されてしまうので、上記の構成とすることが好適である。
ここで、現像剤に新たなトナーを補給する補給手段を備え、前記補給手段による補給位置は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向上流側にあることが望ましい。
補給位置が第1の位置と第2の位置との間にあると、補給手段により供給された正規粒径のトナーが第2の電界によって回収されてトナーが無駄に消費されるとともに、供給されたトナーの影響を受けて第2の電界によってトナー微粉が回収されにくくなるからである。
また、前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいことが望ましい。
これにより、第1の電界によって現像剤から回収されなかった正規の粒径をしたトナーが、第2の電界によっても回収されないので、正規粒径トナーと廃棄すべきトナー微粉とが混合して回収されず、正規粒径トナーの消費が抑制される。
上記目的を達成するために、本発明に係る微粉回収方法は、帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置において、前記トナーの削れ、割れ等により発生するトナー微粉を回収する微粉回収方法であって、第1の電界によって、前記現像剤から前記トナーを回収する第1の回収ステップと、第2の電界によって、前記トナーが回収された後の現像剤から、前記トナー微粉を回収する第2の回収ステップとを含むことを特徴としている。
このような構成にすることによって、第1の回収ステップにより現像剤から正規粒径のトナーが回収され、第2の回収ステップによって、現像剤から廃棄すべきトナー微粉が回収される。これにより、キャリアにトナー微粉がほとんど付着していない良好な状態でキャリアとトナーとの摩擦帯電が行われるので、印刷枚数の増加に伴うトナーの帯電量低下を抑制することができ、もって、現像剤の長寿命化をはかることができる。
上記微粉回収方法において、前記第1の回収ステップにより、第1の回収部材へトナーを回収するともに、前記第2の回収ステップにより、前記第1の回収部材とは異なる第2の回収部材へ前記トナー微粉を回収することが望ましい。
これにより、第1の回収部材には正規の粒径をしたトナーが回収され、第2の回収部材には廃棄すべきトナー微粉が回収され、正規の粒径をしたトナーとトナー微粉とが混合して回収されない。これにより、第1の回収部材に回収された正規の粒径をしたトナーを再利用することができるので、トナーの消費を抑制することができる。
上記微粉回収方法において、前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていることが望ましい。
これは、現像剤において、トナー微粉とは逆極性の外添剤が、トナー微粉に対して電気的に作用することにより、トナー微粉がキャリア表面から剥離しやすい状態となり、第2の回収ステップにおいてトナー微粉が回収されやすくなると考えられるからである。
また、上記微粉回収方法において、前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいことが望ましい。
これにより、第1の電界によって現像剤から回収されなかった正規の粒径をしたトナーが、第2の電界によっても回収されない。これにより、第2の回収手段によって、正規の粒径をしたトナーとトナー微粉とが混合して回収されないので、正規粒径のトナーの消費が抑制される。
ここで、上記微粉回収方法において、前記第1の回収ステップ及び第2の回収ステップは、通常の画像形成処理が行われていないときに実行されることが望ましい。
画像形成処理が行われているときには、現像にトナーが使用されるので、このトナーを回収すると、正常な現像が行われず画像が形成されないからである。
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置の実施の形態を、モノクロのデジタル複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した例について説明する。
<構成>
はじめに、図1を参照しながら、複写機の全体の構成について説明する。図1は、複写機1の全体構成を示す模式図である。
同図に示すように、この複写機1は、大きく分けてイメージリーダ部2とプリンタ部10とからなる。
イメージリーダ部2は、原稿の画像をCCDセンサ(不図示)により読み取って、電気信号を得る公知のものであり、得られた電気信号は、制御部100に送られる。制御部100は、この電気信号に必要な処理を加えて画像データを生成し、これをプリンタヘッド11のレーザダイオード(不図示)を駆動させるための駆動信号に変換する。
プリンタ部10は、プリンタヘッド11、画像プロセス部20、給紙部30、及び定着部50を備えている。
プリンタヘッド11は、制御部100から出力される駆動信号に基づきレーザーダイオードを駆動してレーザ光を出射し、感光体ドラム21上を露光走査する。
画像プロセス部20は、矢印Aの向きに回転駆動される感光体ドラム21と、これを中心にしてその周囲に配された、除電ランプ22、帯電チャージャ23、現像装置24、転写チャージャ25およびクリーナ26などから構成される。
給紙部30は、用紙Sを収納しておくための給紙カセット31と、用紙Sを繰り出すためのピックアップローラ32と、繰り出された用紙Sを搬送する搬送ローラ対33〜35と、上記の露光走査タイミングに合わせて用紙Sを感光体ドラム21に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対36などを有する。
感光体ドラム21は、プリンタヘッド11による露光を受ける前にクリーナ26で表面の残存トナーが除去され、除電ランプ22により残留電荷が除去された後、帯電チャージャ23により一様に帯電(ここではマイナス帯電)されており、このように一様に帯電した状態で上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像位置Zにおいて現像装置24により現像され、これにより感光体ドラム21表面にトナー像が形成される。ここでは、トナーとして感光体ドラム21と同極性(負極性)のものが用いられ、いわゆる反転現像が行われる。このトナー像の形成動作と同期して、用紙Sがタイミングローラ対36によって感光体ドラム21下方の転写位置251まで搬送される。
感光体ドラム21表面に形成されたトナー像は、転写位置251において転写チャージャ25によるコロナ放電により用紙S上に転写される。トナー像が転写された用紙Sは、感光体ドラム21から分離し、搬送ベルト27により定着部50に搬送され、定着部50において加熱、加圧されて、その表面のトナー粒子が用紙S表面に融着して定着し、その後、排出ローラ対51により排出トレイ52に排出される。
電源部150は、制御部100からの指示により、現像装置24内のバッファローラにバイアス電圧を印加させる。このバイアス電圧の詳細については後述する。
つぎに、図2を参照しながら、現像装置24の構成について説明する。図2は、感光体ドラム21及び現像装置24の構成を示す拡大図である。
同図に示すように、現像装置24は、キャリアとトナーとを含む現像剤3を用いて現像を行うものであり、現像剤収容部240とトナー収容部2401とを備えている。なお、同図は、現像装置24の構成を説明するための図であり、実際の寸法・比率に基づき正確に記されたものではない。
現像剤収容部240は、現像剤3を収容するものであり、現像ローラ241、バッファローラ242及び現像剤規制板244を備える。
現像ローラ241は、矢印B方向に回転駆動される金属製の円筒部材2411と、円筒部材2411の内部に非回転の状態で遊挿されたマグネットローラ2412からなり、マグネットローラ2412の磁力により現像剤3を円筒部材2411表面に磁気吸着させた状態で現像位置Zに搬送する。この意味で、現像ローラ241は、現像剤搬送体として機能するものである。現像剤3中のトナー粒子は、現像位置Zにおいて感光体ドラム21上の露光された部分に移動し、これにより感光体ドラム21上にトナー像が形成される(静電潜像が現像される)。
現像剤規制板244は、現像ローラ241と所定の間隔、ここでは0.4[mm]をおいて配置され、現像ローラ241表面との間隙を通る現像剤量を規制して、現像ローラ241表面に現像剤3による均一な薄層を形成させる。現像剤3中のキャリアとトナーは、現像ローラ241上を搬送される際、および現像剤規制板244により規制される際の摩擦帯電により現像に必要な量まで帯電される。
バッファローラ242は、矢印C方向に回転駆動されるアルミ材からなる円筒状のローラであって、現像ローラ241による現像剤搬送路の現像剤規制板244と感光体ドラム21との間において、現像ローラ241と対向配置される。すなわち、感光体ドラム21は、現像ローラ241とバッファローラ242とが対向配置される対向位置Yよりも、現像剤搬送方向下流側の現像位置Zおいて現像ローラ241と対向配置される。
また、本実施の形態では、対向位置Yにおける現像ローラ241とバッファローラ242との距離は、現像位置Zにおける現像ローラ241と感光体ドラム21との距離にほぼ等しいものとする。
バッファローラ242は、電源部150からの電源の供給により、ローラ表面の電位を変化させることができる。バッファローラ242は、通常のプリント処理実行時には関与しないが、後述する微粉回収処理実行時に動作して、現像剤3からトナーを回収する回収部材として機能する。
トナー収容部2401は、補給用のトナー4を収容するものであり、トナー補給ローラ243、トナー規制板245、トナー除電部材246およびトナー攪拌軸247を備えている。トナー4は、現像剤3中に含まれるトナーと同じもの(負極性)である。
トナー攪拌軸247は、矢印E方向に回転駆動され、トナー収容部2401内のトナー4を攪拌してトナーの固化を防ぐと共に流動性を保持する。
トナー規制板245は、トナー補給ローラ243表面に付着されるトナー量を規制してトナー4による均一な薄層を形成させると共にトナー4を予備帯電させる。ここでは、金属製、例えばステンレスからなる薄板(厚さ;約80μm)が用いられ、その先端が線圧5〜40[N/m]でトナー補給ローラ243表面に押圧されるように配置される。なお、トナー規制板245としては、トナー補給ローラ243長手方向における押圧ムラをできるだけ少なくでき、トナー粒子に過度のストレスを与えず薄層を形成できるものであれば良く、材料、線圧等が上記のものに限定されないことはいうまでもない。
トナー補給ローラ243は、現像ローラ241と所定の間隔、ここでは0.8[mm]をおいて対向配置され、矢印D方向に回転駆動されて、トナー4をトナー規制板245を介して現像ローラ241と対向する補給位置Xまで搬送し、搬送したトナー4を補給トナーとして現像剤収容部240(現像剤3)に補給する。
なお、補給位置Xは、対向位置Yよりも現像剤搬送方向上流側に位置している。これは、補給位置Xが、対向位置Yと、現像位置Zとの間にあると、補給されたトナーが、後述する微粉回収処理において、感光体ドラム21に回収されて、正規粒径のトナーが無駄に消費されるからである。
トナー補給ローラ243としては、ここでは金属製、例えばアルミニウムからなる外径18[mm]のローラ表面にブラスト処理により所定の粗さを設けて搬送性を向上させたものが用いられる。もちろん、これに限定されず、例えば導電性ローラ部材、または導電性ローラ部材の表面に半導電性膜をコーティングしたもの等を用いても良い。
トナー除電部材246は、補給位置Xにおいて現像剤収容部240に供給されずにトナー補給ローラ243表面に残ったトナー4を除電させるためのものであり、トナー収容部2401の内部に戻る前にトナー補給ローラ243との静電的付着力を低下させてトナー4がトナー補給ローラ243表面から離脱され易いようにする。ここでは、導電性を付与した合成樹脂からなるフィルム状の部材が用いられる。なお、トナー除電部材246は、トナー4との帯電列の関係においてトナー4との接触によりその帯電量を低下させる関係を有するものであれば良く、その材料は特に限定されない。
現像剤3には、キャリアとトナーとが含有されている。キャリアは粒径40μmのフェライト粒子にシリコン系樹脂を被覆したものを用いる。
トナーはスチレンアクリル系重合トナーに、疎水性シリカ及びチタン酸ストロンチウムを外添処理したものを用いる。疎水性シリカはマイナスに帯電しており、チタン酸ストロンチウムはアミノ系シランで表面処理することによりプラスに帯電している。
例えば、これらのキャリアとトナーとをトナーの重量比が8%となるように混合することにより現像剤3が得られる。
図3は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、全体制御部101と現像制御部102とを備えている。全体制御部101及び現像制御部102は、主な構成要素としてCPU、ROM、RAM等を含むものである。
全体制御部101は、イメージリーダ部2とプリンタ部10の動作を統括的に制御して、複写動作を円滑に実行させる。
現像制御部102は、プリント枚数を積算して記憶する枚数記憶部103を備え、電源部150によるバイアス電圧の出力制御を行う。
<微粉回収処理>
現像剤中のトナーは、トナー攪拌軸247により攪拌されたり、キャリアと摩擦される等、現像装置内において機械的な作用を多く受けるので、トナー粒子の削れや、割れ等が多く発生する。このトナー粒子の削れや、割れ等によって、正規の粒径をしたトナーよりも粒径の小さいトナーの微粉(トナー微粉)が多く発生する。
[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、トナー微粉がキャリア粒子表面に付着すると、キャリア表面にトナー微粉が徐々に蓄積され、その蓄積が多くなるほど本来のキャリア粒子とトナー粒子との間の摩擦帯電が行われ難くなり、トナーの帯電量が低下するという問題があった。
トナー微粉が蓄積されるほどキャリアへの付着力が高まり、このトナー微粉はいずれ層を形成してキャリアに高い付着力で付着する。このようにトナー微粉が層状となってキャリアに付着した状態になると、キャリアからトナー微粉を剥離することは非常に困難になるので、トナー微粉がキャリア粒子の表面に蓄積する前に、トナー微粉を回収する必要がある。そこで、本実施の形態では、後述の微粉回収処理を実施することにより、トナー微粉がキャリア表面に層をなして蓄積する前に、キャリア表面からトナー微粉を回収する構成としている。
以下、図2から図8を参照しながら微粉回収処理について説明する。図4は、微粉回収処理における現像ローラ241、バッファローラ242、及び感光体ドラム21の電位の時間変化を示す図であって、グラフの縦軸は電位であり、横軸は時間である。図5は、微粉回収処理における現像制御部102による制御を示すフローチャートである。
図4に示すように、プリント処理が終了したとき(図中の時点P)の各部材の電位は、現像ローラ241が−500V、バッファローラ242が−650V、感光体ドラム21は−600Vとなっている。なお、現像ローラ241の電位は、一連のプリント処理及び微粉回収処理において−500Vで一定である。
図6から図8は、現像剤の拡大模式図である。図6は、プリント処理が終了した時点Pでの現像剤3の状態を示した図であって、プラスに帯電したキャリア60の表面にマイナスに帯電したトナー70とともにマイナスに帯電したトナー微粉71が付着している。トナー70に外添処理された疎水性シリカ(不図示)はトナーの表面に付着しているが、プラスに帯電しているチタン酸ストロンチウム80は、現像剤搬送中の機械的作用によりトナー70から剥離している。
図4の微粉回収処理の開始時点Qにおいて、現像制御部102は、バッファローラ242に現像ローラ241に対してプラス側のバイアスを印加するように電源部150を制御する。具体的には、現像ローラ241の電位−500Vに対して、バッファローラ242の電位を−100Vにする(ステップS101)。
これにより、バッファローラ242と現像ローラ241との電位差によって、図2に示す両ローラの対向位置Yには電界が発生する。この電界によって、マイナスに帯電している正規粒径のトナー70が、より高電位のバッファローラ242へ移動する。これにより、図7に示すように、現像剤3からトナー70が回収される(現像剤3A)。このとき、トナー微粉71は粒径の大きいトナー70に遮られて、電界の影響をほとんど受けないので、キャリア60の表面に留まる。これにより、バッファローラ242には、トナー微粉71を含まない正規粒径のトナー70が回収される。
なお、トナー70には電界の影響の受けやすさに分布があって、所定の電界を印加しても移動しないものもある。そのため、キャリア60の表面には、正規の粒径をした残留トナー701がわずかに存在することになる。
対向位置Yにおいてトナー70が回収された図7に示す現像剤3Aは、現像ローラ241によりB方向に搬送される。この搬送中において、チタン酸ストロンチウム80は、振動等により現像剤3A中を自由に動き回ると考えられる。こうしてトナー70が回収された現像剤3Aは、現像ローラ241と感光体ドラム21との対向位置である現像位置Zに搬送される(ステップS102:Yes)。このときに、現像制御部102は、感光体ドラム21の表面電位が現像ローラ241に対して高電位となるように制御する(時点R)。具体的には、現像制御部102は、感光体ドラム21の表面をプリンタヘッド11のレーザダイオードによる露光でディスチャージして、時点Rにおける現像位置Zの感光体ドラム21の表面電位が−100Vとなるように制御する(ステップS103)。なお、この電位は、通常のプリント処理において、静電潜像を現像するときの電位に等しい。
これにより、現像ローラ241と感光体ドラム21との電位差により現像位置Zには電界が発生し、この電界によってキャリア60に付着しているマイナス帯電のトナー微粉71がより高電位の感光体ドラム21に回収され、図8に示すようにキャリア60の表面にはトナー微粉71がほとんど存在しなくなる。
トナー微粉71がこの電界によって感光体ドラム21に回収されるのは、バッファローラ242によりトナー70が回収された現像剤3A(図7参照)が、現像ローラ241によって対向位置Yから現像位置Zまで搬送される間に、トナー微粉71とは逆極性のチタン酸ストロンチウム(外添剤)80が、マイナスに帯電しているトナー微粉71に対して電気的及び機械的に作用することにより、トナー微粉71がキャリア60表面から剥離しやすい状態となることに起因していると考えられる。
感光体ドラム21に回収されたトナー微粉71は、クリーナ26のクリーナブレード261によって感光体ドラム21の表面から除去される。
なお、対向位置Yと現像位置Zでは、ほぼ同じ大きさの電界が発生しているので、対向位置Yでの電界によってバッファローラ242へ移動しなかった正規粒径の残留トナー701は、現像位置Zでの電界によっても、感光体ドラム21へは移動しない。これにより、正規粒径のトナー701とトナー微粉71とが感光体ドラム21に混合して回収されないので、正規粒径トナーの消費が抑制される。
ちなみに、通常のプリント処理の際には、現像位置Zでは、感光体ドラム21には直流電圧に加えて交流電圧が重畳され、これにより発生する電界の影響を受けて残留トナー701は感光体ドラム21へ移動しやすくなるので、残留トナー701も静電潜像を現像する際には寄与することになる。
なお、図4における時点Qと時点Rとのタイムラグは、時点Qにおいて対向位置Yを通過した現像剤3Aが現像位置Zに到達するまでの時間に相当する。
図4の時点Qから現像ローラ241が2回転するまでの間、バッファローラ242にバイアス電圧が印加されるとともに、感光体ドラム21は全面露光される。これにより、現像ローラ241によって搬送される現像剤3(図6参照)は、対向位置においてトナー70が回収され(図7参照)、現像位置Zにおいてトナー微粉71が回収される(図8参照)ことにより、現像剤3中のトナー微粉71が徐々に回収されていく。
図4中の時点Qから現像ローラ241が2回転したときの時点Sで(ステップS104:Yes)、現像制御部102は、電源部150を制御することによりバッファローラ242の電位を−650Vに戻す(ステップS105)。これにより、現像ローラ241とバッファローラ242との電位差による電界によって、バッファローラ242上のトナーがより高電位の現像ローラ241へ戻される。バッファローラ242によって回収されたトナー70A(図2参照)にはトナー微粉が含まれていないので、バッファローラ242が回収したトナー70Aを現像剤3に戻して再利用することにより、トナーの消費量を抑えることができ、ひいては、現像剤3の長寿命化を実現することができる。
つづいて、時点Sにおいて対向位置Yでトナーが回収された現像剤3Aは、現像ローラ241と感光体ドラム21との対向位置である現像位置Zに搬送される(時点T)(ステップS106:Yes)。時点Sと時点Tとのタイムラグは、時点Sにおいて対向位置Yでトナーが回収された現像剤が、現像ローラ241によって現像位置Zに搬送されるまでの時間に相当する。
現像制御部102は、時点Tにおいて、現像位置Zにおける感光体ドラム21の表面電位が−600Vになるようにプリンタヘッド11のレーザダイオードによる露光を調整する(ステップS107)。これにより、バッファローラ242から現像剤3の中へ戻されたトナーが、現像位置Zに搬送されるまでに、感光体ドラム21へのトナーの回収が停止される。このトナー回収の停止がなされないと、正規粒径のトナーが感光体ドラム21によって回収されて、トナーが無駄に消費されてしまうからである。
また、時点Sから時点Uまでの時間は、バッファローラ242に回収されたすべてのトナーが、対向位置Yにおいて現像剤3に戻されるのに十分な時間に相当する。
なお、図4における時点Qから時点Uまでは、補給位置Xにおいて、トナー補給ローラ243による現像剤3へのトナーの補給は停止する。バッファローラ242によって回収されたトナーは現像剤3に戻されるので、一連の微粉回収処理において減少するトナーの量は、感光体ドラム21で回収されるトナー微粉の量に相当する。このトナー微粉の量は、現像剤におけるトナー全体量と比べて極僅かであるので、時点Qから時点Uまでの微粉回収処理期間において、トナー補給ローラ243によってトナーを補給すると、現像剤3におけるトナーの割合が過多になるからである。
以上の微粉回収処理により、現像剤3からトナー微粉71が感光体ドラム21に回収されて廃棄される。これにより、キャリア60とトナー70との摩擦帯電が正常になされるので、トナー70の帯電量が低下することを抑制することができ、もって、現像剤3の長寿命化をはかることができる。
上述の微粉回収処理は、通常のプリント処理(画像形成処理)が行われていないとき、例えば、複写機1の電源が投入されてからプリントするまでの間、プリントとプリントとの間、又は、待機中などに実行する。さらに、現像剤の長寿命化をはかる観点からは、所定枚数の用紙への画像形成が行われる毎に実行することが望ましい。例えば、図4のシーケンスで示される上述した微粉回収処理を2枚プリントするごとに2回、50枚プリントするごとに5回実施してもよい。プリント枚数は、現像制御部102の枚数記憶部103によって積算され、積算枚数が所定値に達すると、現像制御部102による制御により微粉回収処理が実行される構成となっている。
また、上述した微粉回収処理を実行するための構成において、本実施の形態では、トナー微粉を回収するための部材として、複写機に通常備えられる感光体ドラム21を利用することにより、装置の部品点数を削減しているので、装置の省スペース化、及びコストの低減をはかることができる。
<実施例>
以下、実施例に基づいて、本実施の形態に係る複写機1の効果について説明する。
本発明者らは、本実施の形態に係る複写機1と、従来構成の複写機について、それぞれ特性試験を実施した。具体的には実施例では、本実施の形態に係る複写機1を使用して、図4のシーケンスで示される上述した微粉回収処理を1枚プリントするごとに2回、100枚プリントするごとに10回実施して、120k枚をプリントした(「k」は1000を意味する)。比較例では、従来構成の複写機を使用して、微粉回収処理を一切行わずに120k枚を連続してプリントした。
本発明者らは、120k枚のプリントが終了した時点の現像装置内のトナーを取り出して、当該トナーを溶媒に溶かし、光散乱方式の粒度分布計で粒径の分布を測定した。図9は、粒度分布計による測定結果であって、グラフの縦軸が存在比率(%)で横軸が粒径(μm)である。なお、グラフの実線が実施例のデータで、破線が比較例のデータである。
図9において、10μm近傍の粒子が正規粒径のトナーで、1μm以下の粒子がトナー微粉に相当する。図9より、比較例では、正規粒径のトナーに対してトナー微粉が多く存在することがわかる。それに対して、実施例では、正規粒径のトナーに対するトナー微粉の割合が大幅に減少していることがみてとれる。この結果より、実施例では、現像剤の中からトナー微粉が回収されていると結論づけることができる。
また、本発明者らは、120k枚のプリント試験において、トナーの帯電量の変化を測定した。図10は、プリント枚数に対するトナー帯電量の変化を示すグラフであって、縦軸はトナー帯電量(μC/g)で、横軸は印刷枚数(k枚)である。
図10より、比較例では、印刷枚数の増加とともに、トナーの帯電量が減少していることが分かる。実施例でも、トナーの帯電量が減少しているものの、比較例と較べるとトナー帯電量の減少量が著しく小さいことがわかる。
これは、キャリア表面からトナー微粉が回収されたことにより、キャリアがトナーを帯電させる能力が維持され、印刷枚数が増加しても、キャリアとトナーとが良好な状態で摩擦帯電されているからである。
図9と図10との結果を併せることにより、実施例では、キャリア表面に付着しているトナー微粉が回収されていることにより、トナー帯電量の低下が抑制されていると結論付けることができる。
以上の特性試験より、本実施の形態に係る複写機1では、トナー微粉を回収することにより、印刷枚数の増加にともなうトナー帯電量の低下を抑制することができるので、現像剤の長寿命化がはかられることが確認された。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、現像剤3からトナーを回収するための構成として、現像ローラ241とバッファローラ242との間に電界を発生させるものについて説明したが、必ずしも現像ローラ241とバッファローラ242とを用いる必要はなく、電界により現像剤3からトナーを回収できる構成であればよい。また、上記において、トナーが回収された現像剤3からトナー微粉を回収するための構成として、現像ローラ241と感光体ドラム21との間に電界を発生させるものについて説明したが、必ずしも現像ローラ241と感光体ドラム21とを用いる必要はなく、トナーが回収された現像剤からトナー微粉を回収できる構成であればよい。
図11は、現像装置24の変形例を示す図である。例えば、図11のように、現像装置24において、バッファローラ242の配設位置よりも現像剤搬送方向下流側に、トナー微粉を回収する微粉回収ローラ248を現像ローラ241に対して対向配置する構成としてもよい。
当該構成では、図4に示すシーケンスに代えて、図12に示すシーケンスを実行する。時点Qから時点Tまでのタイミングは上記の実施の形態で説明したものと同様である。図12に示すように、現像ローラ241及び感光体ドラム21は、それぞれ−500V、−600Vで一定の電位を維持する。時点Qでバッファローラ242の電位を−650Vから−100Vへ、時点Rで微粉回収ローラ248の電位を−500Vから−100Vへ変化させる。そして、時点Sでバッファローラ242の電位を−100Vから−650Vへ、時点Tで微粉回収ローラ248の電位を−100Vから−500Vへ変化させる。
これにより、Q−S間において現像ローラ241とバッファローラ242との対向位置Yでトナーがバッファローラ242に回収され、R−T間において現像ローラ241と微粉回収ローラ248との対向位置Wでトナー微粉が微粉回収ローラ248に回収される。これにより、現像剤からトナー微粉が回収され、トナーの帯電量低下を抑制することができるので、現像剤の長寿命化をはかることができる。
また、例えば、平らなベルトコンベアによって搬送されている現像剤に対して、位置Aにおいて第1の電界をかけて現像剤からトナーを回収した後に、位置Aよりも搬送方向下流の位置Bにおいて第2の電界をかけてキャリアからトナー微粉を回収する構成としてもよい。
(2)上記においては、プラスに帯電させる外添剤として、チタン酸ストロンチウムを用いた例について説明したが、プラスに帯電させる外添剤としてチタン酸ストロンチウムの代わりに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、又はジルコン酸カルシウム等を用いてもよい。これらの化合物をプラスに帯電させて外添剤として利用することによって、キャリア表面に付着しているトナー微粉が、電気的作用によりキャリアから剥離しやすくなると考えられる。
(3)上記においては、トナーをマイナスに帯電させて、プラスに帯電させた外添剤を用いる構成にしたが、トナーをプラスに帯電させて、マイナスに帯電させた外添剤を用いる構成としてもよい。なおこの場合は、トナー及びトナー微粉を回収するための電界の方向を逆向きにする必要がある。 これにより、上述したのと同様の原理によってトナー微粉を回収することができる。
(4)上記においては、図4におけるシーケンスにおいて、微粉を回収する時点Qから時点Sの期間を現像ローラ241が2回転する時間としたが、これに限定するものではなく、微粉回収処理を実行する時間として適したものにすることが好適である。また、図4及び図12におけるシーケンスにおいては、直流のものについて説明したが、図4及び図12の各波形に同様の交流を重畳する構成としてもよい。
本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を使用する現像装置及び画像形成装置に広く適用することができる。また、本発明は、現像剤の長寿命化をはかることができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
複写機1の全体構成を示す模式図である。 感光体ドラム21及び現像装置24の構成を示す拡大図である。 制御部100の構成を示すブロック図である。 微粉回収処理における現像ローラ241、バッファローラ242、及び感光体ドラム21の電位の時間変化を示す図である。 微粉回収処理における現像制御部102による制御を示すフローチャートである。 現像剤の拡大模式図である。 現像剤の拡大模式図である。 現像剤の拡大模式図である。 粒度分布計による測定結果を示すグラフである。 プリント枚数に対するトナー帯電量の変化を示すグラフ 現像装置の変形例を示す図である。 変形例の微粉回収処理における現像ローラ241、バッファローラ242、感光体ドラム21、及び微粉回収ローラ248の電位の時間変化を示す図である。
符号の説明
1 複写機
10 プリンタ部
11 プリンタヘッド
20 画像プロセス部
21 感光体ドラム
24 現像装置
26 クリーナ
60 キャリア
70 トナー
71 トナー微粉
80 チタン酸ストロンチウム
100 制御部
102 現像制御部
150 電源部
241 現像ローラ
242 バッファローラ
244 現像剤規制板
248 微粉回収ローラ
261 クリーナブレード

Claims (21)

  1. 帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、
    搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、
    前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において、第2の電界を発生させて、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを回収する第2の回収手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 現像剤に新たなトナーを補給する補給手段を備え、
    前記補給手段による補給位置は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向上流側にあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の回収手段によって回収されたトナーを、搬送中の現像剤の中へ戻す返還手段を備え、
    前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでには、遅くとも前記第2の回収手段によるトナーの回収が停止されること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の回収手段によって回収されたトナーを廃棄する廃棄手段を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の回収手段及び第2の回収手段によるトナーの回収は、通常の画像形成処理が行われていないときに実行されること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の回収手段は、
    前記現像剤搬送体と前記第1の位置において対向配置される第1の回動体と、
    前記現像剤搬送体と前記第1の回動体との間に前記第1の電界を発生させる電界発生手段とを備え、
    前記第2の回収手段は、
    前記現像剤搬送体と前記第2の位置において対向配置される第2の回動体と、
    前記現像剤搬送体と前記第2の回動体との間に前記第2の電界を発生させる電界発生手段とを備えること
    を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2の回動体として、前記像担持体が利用されること
    を特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいこと
    を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置であって、
    前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、
    搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、
    前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において、第2の電界を発生させて、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを回収する第2の回収手段と
    を備えることを特徴とする現像装置。
  11. 帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置であって、
    前記現像剤を搬送する現像剤搬送体と、
    搬送途中の第1の位置において、第1の電界を発生させて、前記現像剤搬送体により搬送されている現像剤からトナーを回収する第1の回収手段と、
    を備え、
    前記像担持体は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向下流側の第2の位置において前記現像剤搬送体と対向配置され、
    前記第2の位置において、トナーが回収された後の現像剤から廃棄すべき残存するトナーを前記像担持体へ移動させる第2の電界が発生されること
    を特徴とする現像装置。
  12. 前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていること
    を特徴とする請求項10又は請求項11記載の現像装置。
  13. 前記第1の回収手段によって回収されたトナーを、前記現像剤の中へ戻す返還手段を備え、
    前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでに、遅くとも前記第2の回収手段によるトナーの回収が停止されること
    を特徴とする請求項10又は請求項12のいずれか一項に記載の現像装置。
  14. 前記回収手段によって回収されたトナーを、前記現像剤の中へ戻す返還手段を備え、
    前記返還手段により現像剤の中へ戻されたトナーが、前記第2の位置に搬送されるまでには、遅くとも前記第2の電界が停止されること
    を特徴とする請求項11又は請求項12のいずれか一項に記載の現像装置。
  15. 現像剤に新たなトナーを補給する補給手段を備え、
    前記補給手段による補給位置は、前記第1の位置よりも現像剤搬送方向上流側にあることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の現像装置。
  16. 前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいこと
    を特徴とする請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の現像装置。
  17. 帯電したトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像担持体上に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置において、前記トナーの削れ、割れ等により発生するトナー微粉を回収する微粉回収方法であって、
    第1の電界によって、前記現像剤から前記トナーを回収する第1の回収ステップと、
    第2の電界によって、前記トナーが回収された後の現像剤から、前記トナー微粉を回収する第2の回収ステップと
    を含むことを特徴とする微粉回収方法。
  18. 前記第1の回収ステップにより、第1の回収部材へトナーを回収するともに、
    前記第2の回収ステップにより、前記第1の回収部材とは異なる第2の回収部材へ前記トナー微粉を回収すること
    を特徴とする請求項17記載の微粉回収方法。
  19. 前記現像剤には、前記トナーとは逆極性の外添剤が含まれていること
    を特徴とする請求項17又は請求項18記載の微粉回収方法。
  20. 前記第1の電界の大きさと前記第2の電界の大きさがほぼ等しいこと
    を特徴とする請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の微粉回収方法。
  21. 前記第1の回収ステップ及び第2の回収ステップは、通常の画像形成処理が行われていないときに実行されること
    を特徴とする請求項17から請求項20のいずれか一項に記載の微粉回収方法。
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