JP2006198654A - 部品の結合方法およびロウ材とその製造方法 - Google Patents

部品の結合方法およびロウ材とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロウ材を用いて少なくとも一方が焼結材からなる部品の結合を行う際の、接合品質の安定化を図る。
【解決手段】 相対する面の面積が小さい側の部品20と断面形状を一致させたロウ材22を、一対の部品18、20の接合面に挟み込み、溶融前のロウ材22を、一対の部品18、20の接合面の全体に密着させる。この状態で、ロウ材22と一対の部品18、20とを共に加熱することで、ロウ材22の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材22のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品18、20の接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロウ材を用いた部品の結合技術に関するものである。
従来から、ロウ材を用いて、複数の部品を結合する手法が広く用いられている(例えば、特許文献1、引用文献2参照。)。
また、図3に示すように、焼結部品10が、幾つかの部位に分離することが容易な形状を有している場合には、単純な形状の部品12、14に分割し、各部品12、14毎に粉末成形型で成形を行った後、各部品12、14をロウ材16によってロウ付けする手法が用いられることがある。ここで、各部品12、14の結合に用いられるロウ材16は、予め円柱等のタブレット状に成形され、一方の部品12には、タブレット状のロウ材16の装填穴12aが穿孔されたものである。そして、各部品12、14を重ね合わせた状態で装填穴12aにロウ材16を装填し、各部品12、14とロウ材16とを焼結炉に投入して加熱することにより、各部品12、14の焼結と、ロウ材16の各部品12、14への溶融含浸とを同時に行うものである。
特開平10−52753号公報(〔請求項5〕、〔0038〕、〔図4〕) 特開平8−119761号公報(〔0014〕、〔図4〕)
しかしながら、図3に示す手法では、ロウ材16の成分や焼結時の温度条件を高度に管理しないと、各部品12、14の接合面の全体にわたるロウ材のぬれ性にバラツキを生じ、
ロウ材16の各部品12、14への溶融含浸が、各部品12、14の接合面の全体に均等に行われず、接合不良が発生するおそれがあった。また、ロウ材16の各部品12、14への溶融含浸後は、部品12の装填穴12aは空洞となって露出することから、必要に応じ装填穴12aを塞ぐことが必要となる場合もあった。さらに、装填穴12aの開口面積だけ、各部品12、14の接合面の面積を減少させることとなり、接合強度の低下を招くことにもなった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロウ材を用いて部品の結合を行う際の、接合品質の安定化を図ることにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る部品の結合方法は、相対する面の面積が異なる一対の部品の間に、相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状を一致させたロウ材を挟み込み、該ロウ材と共に前記一対の部品を加熱することを特徴とするものである。
本発明では、相対する面の面積が異なる一対の部品の接合面の形状は、相対する面の面積が小さい側の部品の、相対する面の形状によって決定されることに着目し、当該相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状を一致させたロウ材を、一対の部品の接合面に挟み込むことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させる。この状態で、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
また、本発明においては、前記一対の部品のうち、少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、前記ロウ材を、相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することとしても良い。
この構成によれば、相対する面の面積が小さい側の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係る部品の結合方法は、一対の部品の間に、少なくとも一方の部品と断面形状を一致させたロウ材を挟み込み、該ロウ材と共に前記一対の部品を加熱することを特徴とするものである。
本発明は、少なくとも一方の部品と断面形状一致させたロウ材を、一対の部品の間に挟み込むことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させるものである。そして、この状態から、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
また、本発明においては、前記一対の部品のうち、少なくとも一方の部品が焼結部品であり、前記ロウ材を、一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することとしても良い。
この構成によれば、一方の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係るロウ材は、相対する面の面積が異なる一対の部品を結合するためのロウ材であって、相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状が一致するように成形されていることを特徴とするものである。
本発明では、相対する面の面積が異なる一対の部品の接合面の形状は、相対する面の面積が小さい側の部品の、相対する面の形状によって決定されることに着目し、一対の部品の接合面に挟み込むロウ材を、当該相対する面の面積が小さい側の部品と、断面形状を一致させたことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させる。この状態で、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
また、本発明においては、前記ロウ材は、前記一対の部品のうち、少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、前記相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形されていることとしても良い。
この構成によれば、相対する面の面積が小さい側の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係るロウ材は、一対の焼結部品を結合するためのロウ材であって、一方の焼結部品と断面形状が一致するように成形されていることを特徴とするものである。
本発明は、一対の部品の間に挟み込むロウ材を、少なくとも一方の部品の他方の部品との相対する面と、断面形状を一致させたことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させることができる。この状態から、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
また、本発明において、前記一対の部品のうち、少なくとも一方の部品が焼結部品であり、一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形されたものとすることができる。
この構成によれば、一方の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係るロウ材の製造方法は、相対する面の面積が異なる一対の部品を結合するためのロウ材の製造方法であって、前記一対の部品のうち少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、当該相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とするものである。
本発明によれば、一方の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。そして、かかるロウ材を、一対の部品の接合面に挟み込むことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させることが可能となる。この状態で、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
また、上記課題を解決するための、本発明に係るロウ材の製造方法は、一対の部品を結合するためのロウ材の製造方法であって、前記一対の部品のうち少なくとも一方の部品が焼結部品であり、当該一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とするものである。
本発明によれば、一方の焼結部品と断面形状を一致させたロウ材を、ロウ材専用の金型を用いて成形する必要が無く、かつ、確実に焼結部品とロウ材との断面形状を一致させることが可能となる。そして、かかるロウ材を、一対の部品の間に挟み込むことで、溶融前のロウ材を、一対の部品の接合面の全体に密着させることが可能となる。この状態から、ロウ材と一対の部品とを共に加熱することで、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品がいかなる形状であっても、その接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
本発明はこのように構成したので、ロウ材を用いて部品の結合を行う際の、接合品質の安定化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の実施の形態に係る一対の焼結部品18、20と、ロウ材22とを示している。ここで、各部品18、20は、他方の部品と相対する面(本説明では、単に「相対する面」という。)18a、20aの面積が異なっており、部品20の方が、相対する面20aの面積が小さくなっている。図1の例では、部品18は板状をなしている。一方、部品20は三角柱であり、その断面形状は三角形となっている。
ここで、部品18、20の接合面の形状は、部品18の相対する面18aと、部品20の相対する面20aとのオーバーラップ形状であり、相対する面の面積が小さい側の部品20の、相対する面20aによって決定される。よって、部品18、20の接合面の形状は、部品20の断面形状と同じ三角形となる。
また、ロウ材22は、部品20と断面形状が一致したものであり、相対する面20aの面積が小さい側の部品20の、粉末成形型を用いて成形されたものである。一般的に、粉末成形型は、焼結部品の断面形状を決定する穴が上下に貫通するダイスと、前記穴に対し上下から挿入される上・下パンチとからなる。そして、粉末成形時には、下パンチをダイスの下方から穴に挿入して位置固定した状態で、粉末材料をダイスの穴の中に投入し、上パンチをダイスの上方から穴に挿入し、型締めを行うことで、粉末材料を、所望の部品形状に成形するものである。したがって、部品20を成形する際には、ダイスの穴に投入する粉末材料を多くして型締めを行い、ロウ材22を成形する際には、ダイスの穴に投入する粉末材料を少なくして型締めを行うことで、部品20とロウ材22の双方を、同一の粉末成形型によって成形することが可能となる。
以上のように、部品20の粉末成形型を用いて成形したロウ材22を、部品18、20の接合面に挟み込んだ状態で、一対の部品18、20とロウ材22とを共に焼結炉に投入して加熱することにより、各部品18、20の焼結と、ロウ材22の各部品18、20への溶融含浸とを同時に行い、各焼結部品18、20の結合を行うことが可能となる。
図2には、部品18、20およびロウ材22の具体的形状例を立体的に示している。図示の例では、ロウ材22は扇型をなしており、直線状の二辺の長さAが18mm、円弧状の一辺の半径Bが57mm、厚みCが0.5〜1mmとなっている。なお、ロウ材22の厚みCは、粉末成形型に投入する粉末材料の量を変更することにより、自由に設定することができる。また、部品18は、円盤状の部品であり、その面積が部品20の断面積より大きいものである。また、その厚みは任意に設定可能である。さらに、部品20は、ロウ材22と同一の断面形状を有する棒状の部品であり、その長さは任意に設定可能である。
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、本発明の実施の形態では、相対する面18a、20aの面積が異なる一対の部品18、20の接合面の形状が、相対する面の面積が小さい側の部品20の相対する面20aによって決定されることに着目し、相対する面の面積が小さい側の部品20と断面形状を意図的に一致させたロウ材22を、一対の部品18、20の接合面に挟み込むことで、溶融前のロウ材22を、一対の部品18、20の接合面の全体に密着させたものである。この状態で、ロウ材22と一対の部品18、20とを共に加熱することで、ロウ材22の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材22のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品18、20の接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。その結果として、各部品18、20の接合不良の発生を確実に防ぐことが可能となる。また、ロウ材に添加するフラックス量も削減され、製造コストも低減される。
しかも、図3に示す例と異なり、ロウ材22の各部品18、20への溶融含浸後に、ロウ材の装填穴12aが空洞となって露出することが無いので、装填穴を塞ぐ作業が不用となり、さらに、装填穴12aの開口面積だけ、各部品12、14の接合面の面積が減少することも無いので、接合強度の低下を防ぐことが可能となる。したがって、ロウ材を用いて部品の結合を行う際の、接合品質の安定化を図ることが可能となる。
以上の作用効果は、各部品18、20の形状の如何にかかわらず得ることが可能である。
また、ロウ材22を、相対する面の面積が小さい側の焼結部品20の粉末成形型を用いて成形することから、相対する面の面積が小さい側の焼結部品20と断面形状を一致させたロウ材22を、ロウ材22専用の金型を用いて成形する必要が無く、設備コストの増大を回避することができ、かつ、確実に焼結部品20とロウ材22との断面形状を一致させることが可能となる。
なお、本発明の実施の形態は、一対の部品の一方のみが焼結部品の場合であっても、相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であれば、そのまま適用することが可能となる。また、一対の部品の双方が焼結部品ではない場合であっても、相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状を一致させたロウ材を専用の粉末成形型で成形することとすれば、当該相対する面の面積が小さい側の部品と、ロウ材の断面形状を意図的に一致させ、ロウ材の成分や加熱時の温度条件のバラツキによるロウ材のぬれ性のバラツキの影響を無くし、各部品の接合面の全体に、均等にロウ材を行き渡らせることが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態は、一対の部品の相対する面の面積が同一である場合にも、適用可能である。
本発明の実施の形態に係る一対の焼結部品と、ロウ材とを示しており、(a)はその側面図、(b)は、一方の焼結部品とロウ材の下面図である。 本発明の実施の形態に係る一対の焼結部品と、ロウ材の形状例を示す斜視図である。 従来の焼結部品と、ロウ材とを示す断面図である。
符号の説明
10:焼結部品、 18、20:部品、22:ロウ材

Claims (10)

  1. 相対する面の面積が異なる一対の部品の間に、相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状を一致させたロウ材を挟み込み、該ロウ材と共に前記一対の部品を加熱することを特徴とする部品の結合方法。
  2. 前記一対の部品のうち、少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、前記ロウ材を、相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とする請求項1記載のロウ材を用いた部品の結合方法。
  3. 一対の部品の間に、少なくとも一方の部品と断面形状を一致させたロウ材を挟み込み、該ロウ材と共に前記一対の部品を加熱することを特徴とする部品の結合方法。
  4. 前記一対の部品のうち、少なくとも一方の部品が焼結部品であり、前記ロウ材を、一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とする請求項3記載のロウ材を用いた部品の結合方法。
  5. 相対する面の面積が異なる一対の部品を結合するためのロウ材であって、相対する面の面積が小さい側の部品と断面形状が一致するように成形されていることを特徴とするロウ材。
  6. 前記一対の部品のうち、少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、前記相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形されていることを特徴とする請求項5記載のロウ材。
  7. 一対の焼結部品を結合するためのロウ材であって、一方の焼結部品と断面形状が一致するように成形されていることを特徴とするロウ材。
  8. 前記一対の部品のうち、少なくとも一方の部品が焼結部品であり、一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形されたことを特徴とする請求項7記載のロウ材。
  9. 相対する面の面積が異なる一対の部品を結合するためのロウ材の製造方法であって、前記一対の部品のうち少なくとも相対する面の面積が小さい側の部品が焼結部品であり、当該相対する面の面積が小さい側の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とするロウ材の製造方法。
  10. 一対の部品を結合するためのロウ材の製造方法であって、前記一対の部品のうち少なくとも一方の部品が焼結部品であり、当該一方の焼結部品の粉末成形型を用いて成形することを特徴とするロウ材の製造方法。
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