JP2006198493A - 液晶パネル処理装置及び液晶パネル処理方法 - Google Patents

液晶パネル処理装置及び液晶パネル処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶パネルからの液晶の分離を短時間に効率よく行うことができる液晶パネル処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明の液晶パネル処理方法は、チャンバー20内に収容した液晶パネル10を減圧加熱処理することで前記液晶パネル10から液晶を分離するに際して、前記液晶パネル10にレーザー光を照射することで、該液晶パネル10に封止された液晶を前記チャンバーの内部空間20aに蒸散させるためのリーク路を形成することを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶パネル処理方法及び液晶パネル処理装置に関するものである。
近年、一般廃棄物や産業廃棄物の量が増加の一途を辿っており、廃棄量の増加の抑制や、廃棄物による環境の悪化を抑制するための無害化に対する要請が高まっている。
例えば、家電製品や情報機器等の表示部に用いられている液晶パネルは、省電力、省スペースという利点から今後も急速に使用量が増大することが予想され、それに伴う廃棄量の増大を抑えるためのリサイクル技術の確立は非常に重要である。
液晶パネルは、一般的には、2枚のガラス基板を、それらの間に枠状のシール材を介在させて貼り合わせ、前記シール材の内側に液晶を封入した構成を備えている。ガラス基板の内側(液晶側)には、ITO等の透光性導電材料からなる電極や、着色した樹脂材料からなるカラーフィルタが設けられており、ガラス基板の間に封入された液晶は、有機物を主成分とするものである。一方、ガラス基板の外側には、樹脂フィルムからなる偏光板や位相差板が設けられている。
上述した構成を備える液晶パネルからガラスや希少金属を回収する方法や回収装置の提案が既に成されている。例えば下記特許文献1に記載の技術は、液晶パネルを破砕しないで反応炉に配置し、反応炉内を減圧状態にして加熱することで、液晶パネルを構成する有機物(液晶、カラーフィルタ、偏光板等)を蒸発ないし炭化させることでガラス基板を回収するものである。
特開2004−230229号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術を用いて液晶パネルの処理を行う場合、液晶パネルの液晶はシール材によって封止された状態であるから、ガラス基板と液晶とを分離するには、加熱によってシール材又は封止材(シール材の開口部を封止する部材)を脆弱化させてパネル内部から液晶を蒸発させる必要がある。ところが、上記特許文献1に記載の技術を用いて液晶とガラス基板とを分離しようとすると、液晶パネルを減圧下で加熱する際に、処理容器内が真空状態であるため昇温しにくく、液晶パネルへの加温の効率が低くなるために処理時間が長くなるという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、液晶パネルからの液晶の分離を短時間に効率よく行うことができる液晶パネル処理方法を提供することを目的としている。また本発明は、上記方法を用いた液晶パネルの処理に好適な液晶パネル処理装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、処理容器内に収容した液晶パネルを減圧加熱処理することで前記液晶パネルから液晶を分離するに際して、前記液晶パネルにレーザー光を照射することで、該液晶パネルに、その内部に封止されている液晶を前記処理容器の内部空間に蒸散させるためのリーク路を形成することを特徴とする液晶パネル処理方法を提供する。
上記減圧加熱処理は、密閉容器内に被処理物を収容するとともに密閉容器内を減圧、加熱状態に保持することで、前記被処理物から有機物等を蒸散させたり、構成部材を炭化させて被処理物を分解処理する方法である。このような減圧加熱処理により液晶パネルから液晶を分離回収するには、液晶パネルのシール材や基板等に液晶のリーク路を形成することで、液晶が封入されたシール材の内側の領域とシール材の外側の領域とを連通させ、このリーク路を介して液晶を処理容器内に蒸散させることが必要であるが、本発明の液晶パネル処理方法では、前記リーク路を形成するために液晶パネルに対するレーザー光照射を行うようになっている。
このような処理方法とすることで、液晶パネルの全体を加熱しなくても液晶のリーク路を容易に形成することができるので、加熱によってシール材や封止材を脆弱化させる場合に比して液晶の蒸散の開始を大幅に早めることができ、処理時間を短縮して処理量の増大と処理コストの低減を図ることができる。
また、処理容器内壁の熱により液晶パネルを加熱する必要がないので、処理容器内の加熱温度を液晶の蒸発温度程度にまで下げることができ、処理容器の加熱に要する時間とエネルギーとを節約することができ、処理の迅速化と低コスト化を同時に実現できる処理方法となる。さらに、減圧加熱処理では、閉空間で液晶パネルの処理が行われるので、液晶パネルから発生するガス成分や飛散する固体成分を外気から遮断して処理ができ、安全に効率よく液晶パネルの処理を行うことができる。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記レーザー光を、前記液晶パネルのシール材及び/又は封止材に、直接又は該液晶パネルの基板を透過して照射することが好ましい。
この処理方法によれば、レーザー光の照射によってシール材及び/又は封止材を加熱し、これらのシール材や封止材を脆弱化させ、あるいは一部除去して、シール材の内側に封止されている液晶のリーク路を形成することができる。シール材や封止材は一般的に樹脂材料からなるものであるから上記レーザー光の照射によって容易にシール機能を失わせることができ、極めて迅速に液晶パネルの処理を行うことができる。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記レーザー光を、前記シール材と封止材との境界領域に照射することもできる。
この処理方法によれば、シール材と封止材との境界領域(境界面)を含む部位にレーザー光を照射してシール材と封止材との密着性を低下させ、両者の境界領域に液晶のリーク路を形成することができる。この場合、シール材と封止材との密着性を失わせる程度の照射強度でよいため、比較的低出力のレーザー光を用いることも可能である。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記レーザー光を前記液晶パネルの封止材に照射するに際して、前記封止材のうち、該液晶パネルの基板から外側に突出している部位に照射することもできる。
この処理方法では、液晶パネルから外側に突出している封止材に対してレーザー光を照射するので、液晶パネルの基板の内面側に設けられているシール材にレーザー光を照射する場合のように、基板によるレーザー光の減衰や反射が生じることがなく、レーザー光による加熱効率を高め、迅速に封止材の脆弱化あるいは除去を行うことができる。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記液晶パネルを構成する基板に前記レーザー光を照射することで、前記基板に亀裂又は貫通孔を形成することもできる。
この処理方法でも、前記亀裂又は貫通孔が液晶のリーク路となり、液晶パネルからの液晶の分離回収を効率よく行うことができる。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記液晶パネルに対して、複数本のレーザー光を照射することもできる。
この処理方法によれば、レーザー光の強度を高めて液晶パネルに対するレーザー加工の速度を向上させることができ、処理の迅速化に寄与する。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記液晶パネルにレーザー光を照射するに際して、複数の前記液晶パネルを配列して支持し、該複数の液晶パネルに対し前記レーザー光を走査して照射することもできる。
この処理方法によれば、複数の液晶パネルの処理をレーザー光の走査により行うことができるため、複数の液晶パネルの一括処理を効率よく行うことができる。
本発明の液晶パネル処理方法では、前記液晶パネルにレーザー光を照射するに際して、複数の前記液晶パネルを配列して支持し、該複数の液晶パネルに対応して複数本に分岐した前記レーザー光を前記各液晶パネルに照射することもできる。
複数の液晶パネルのそれぞれに対してレーザ光を案内して照射することで、レーザー光を無駄なく液晶パネルに照射することができ、また同時処理が可能になることから処理の迅速化を実現することができる。
本発明の液晶パネル処理装置は、減圧加熱処理によって液晶パネルから液晶を分離する液晶パネル処理装置であって、内部に液晶パネルを収容する処理容器と、前記処理容器内部を加熱する加熱手段と、前記処理容器内部を減圧する排気手段と、前記処理容器内に収容された前記液晶パネルに対してレーザー光を照射するレーザー光出力手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、減圧加熱状態に保持可能な処理容器内において、液晶パネルに対してレーザー光を照射できる液晶パネル処理装置が得られる。そして、前記レーザー光出力手段から出力されたレーザー光によって、液晶パネルに液晶のリーク路を容易かつ迅速に形成することができ、液晶パネルからの液晶の分離回収を容易かつ迅速に行うことができる処理装置となっている。また液晶のリーク路を形成するための加熱を要しないことから、消費エネルギーを節約できる処理装置となっている。
本発明の液晶パネル処理装置では、前記レーザー光出力手段が前記処理容器の外側に設けられており、前記処理容器の壁部に、前記レーザー光出力手段から出力されるレーザー光を該処理容器内部に導入するための窓部が設けられている構成とすることができる。
本発明の液晶パネル処理装置では、前記レーザー光出力手段が、前記処理容器の壁部に設けられた接続部材を介して該処理容器に接続され、該レーザー光出力手段のレーザー光出力部が、前記処理容器内に配置されていることもできる。
レーザー光出力手段について、上記いずれの配置形態も適用することができ、レーザー光出力手段から出力されるレーザーの種類等に応じて適宜選択できる。レーザー光出力手段を処理容器の外側に配設すれば、レーザー光出力手段のメンテナンスや光軸調整が容易になるという利点が得られる。またレーザー光出力部が処理容器内部に配置された構成とすれば、窓部によってレーザー光が減衰することがなく、加工におけるレーザー光の利用効率を高めることができ、またレーザーの種類の制限が緩和されることから液晶パネルの加工に最適なレーザー光出力手段を選択できるという利点が得られる。
本発明の液晶パネル処理装置では、前記処理容器内に、前記レーザー光出力手段から出力されたレーザー光を走査して複数の前記液晶パネルに照射するレーザー光走査手段が設けられている構成とすることもできる。
このような構成とすることで、複数の液晶パネルに対して順次均一な強度のレーザー光を照射することができる、処理効率に優れた液晶パネル処理装置が得られる。
本発明の液晶パネル処理装置では、前記処理容器内に、前記レーザー光出力手段から出力されたレーザー光を複数本のレーザー光に分岐して複数の前記液晶パネルに照射するレーザー光分岐手段が設けられている構成とすることもできる。
このような構成とすることで、複数の液晶パネルの正確な位置に、均一な強度のレーザー光を照射することができる液晶パネル処理装置が得られる。
本発明の液晶パネル処理装置では、不可視光レーザーを出力する第1のレーザー光出力手段と、可視光レーザーを出力する第2のレーザー光出力手段とを備えている構成とすることもできる。
このような構成とすれば、不可視光レーザーを用いる場合に、不可視高レーザーの案内用レーザーとして可視光レーザーを用いることができ、不可視光レーザーの光軸調整等を安全に行うことが可能な液晶パネル処理装置を得ることができる。
本発明の液晶パネル処理装置では、前記処理容器内に、前記液晶パネルを移動自在に支持するパネル支持手段が設けられており、該パネル支持手段の移動動作によって前記液晶パネルに対する前記レーザー光の照射位置及び/又は照射角度が調整可能であることが好ましい。
この構成によれば、前記液晶パネルを支持しているパネル支持手段によって、液晶パネルに対するレーザー光の照射状態を調整することができ、正確な位置に正確な角度で液晶パネルにレーザー光を照射することができる。これにより、迅速に液晶のリーク路を形成することができ、またレーザー光による液晶の分解等も低減することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る液晶パネル処理装置の一構成例を示す概略構成図である。図2は、液晶パネル処理装置の主要部たるチャンバーの断面構成図である。
図1に示す液晶パネル処理装置は、内部に液晶パネルを収容するチャンバー(処理容器)20と、チャンバー20内部を減圧可能に接続された減圧ポンプ(排気手段)24とを主体として構成されている。チャンバー20と減圧ポンプ24との間に、チャンバー20の排気から液晶を凝集、分離する凝集器22が介挿されており、凝集器22には、凝集器22で分離した液晶を回収する回収装置23が接続されている。減圧ポンプ24には、その排気を処理するガス処理装置25が接続されている。チャンバー20には、収容された液晶パネルを加熱する加熱装置(加熱手段)21が設けられている。
チャンバー20は、本実施形態の場合、図2に示すように、内部に密閉可能な空間を有する略球状を成して構成されている。チャンバー20の内部空間20aには、収容した液晶パネル10を所望の姿勢に支持する支持装置(パネル支持手段)17が設けられている。この支持装置17は、それと接続された制御装置17aから入力される信号に基づいて、内部空間20aにおける液晶パネル10の姿勢を調整できるようになっている。
なお、本実施形態では、支持体17の上面に液晶パネル10を載置する構成について図示しているが、支持体17の態様は図示のものに限定されない。例えば、板状の基体に液晶パネル10を挿入するための溝部を設け、この溝部によって液晶パネル10を縦位置に支持する構成とすることもできる。また、液晶パネル10をクリップのように挟んで支持する構成とすることもできる。さらには、先端が鈎状になった支持部材を複数備え、これらの支持部材によって液晶パネル10をその側端面で支持する構成とすることもできる。
また上記支持体17には、液晶パネル10を加熱するための伝熱手段ないし加熱手段が設けられていてもよい。液晶パネル10に当接する支持体17により直接的に液晶パネル10を加熱することで液晶パネル10の昇温速度を高め、処理時間の短縮を図ることができる。
チャンバー20の外側にはレーザー装置(レーザー光出力手段)60が配設されており、チャンバー20の壁部には、レーザー装置60から出力されるレーザー光を透過して内部空間20a内に同舟する窓部20wが設けられている。そして、前記窓部20wを介してチャンバーの内部空間20a内に導入されたレーザー光を液晶パネル10の所定位置に照射できるようになっている。
チャンバー20に併設された加熱装置21は、内部空間20aに収容された液晶パネル10を加熱して液晶を蒸散させる主熱源として機能するものである。加熱装置21の方式としては、チャンバー20の内壁を加熱してその輻射熱により液晶パネル10を加熱する方式や、ヒータ線やランプヒータ等を用いて直接に液晶パネル10を加熱する方式等、種々の方式が採用でき、複数の加熱手段を併設してもよい。
レーザー装置60としては、特に限定はなく、処理に供する液晶パネル10のレーザー光被照射部位(被加工部位)の材質等により適宜選択することができる。したがって、固体レーザー装置(Nd:YAGレーザー、Ti:サファイアレーザーなど)、気体レーザー装置(COレーザー、COレーザー、Arイオンレーザー、He−Neレーザーなど)、半導体レーザー装置、色素レーザー装置、エキシマレーザー装置、自由電子レーザー装置等、種々のものを用いることができる。また発振方式も連続発振、パルス発振のいずれであってもよい。
なお、上記に挙げたレーザー装置のうちには、不可視光のレーザーを出力するものも含まれているが、不可視光レーザーを用いる場合には、その光路に対して重畳可能な可視光レーザーを併用することが好ましい。このような構成とすることで、レーザー光の光軸調整が容易になり、また安全性の面でも有効である。このように複数種のレーザー装置を併用する構成としては、後述する第5の実施形態(図8参照)に例示している。
図1に戻り、減圧ポンプ24は、チャンバー20の内部空間20aを例えば0.01〜10kPa程度に減圧可能なポンプである。減圧ポンプ24とチャンバー20との間に配設された凝集器22は、減圧加熱処理により液晶パネル10から蒸発した液晶のガスを冷却し、液化させて排気から分離するものである。凝集器22で分離された液晶は回収装置23に送られ、リサイクルするために回収される。あるいは回収装置23は、液晶を分解して低分子化したり、無害化する分解装置であってもよい。ガス処理装置25は、液晶を分離した後の排気を清浄化する装置であり、例えば活性炭フィルタ等を用いて排気に含まれる有機物のガス等を吸着除去するものを適用できる。
本実施形態の液晶処理装置による減圧加熱処理に供される液晶パネル10は、液晶パネルの製造工場より排出されたり、市場において使用済みとなった表示装置等から取り出されたものである。
ここで、図3は、液晶パネル10の平面構成図であり、図4は、図3のA−A線に沿う断面構成図である。本実施形態では液晶パネル10としてパッシブマトリクス型のものを例示して説明するが、液晶パネル処理装置を用いて処理できる液晶パネルの種類は、パッシブマトリクス型に限られず、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)が基板上に形成されたアクティブマトリクス型のパネルであってもよい。また、基板内面にアルミニウムや銀等からなる反射膜が形成された反射型や半透過反射型の液晶パネルであってもよい。
液晶パネル10は、図3及び図4に示すように、シール材7を介して所定間隔に対向配置された2枚のガラス基板11,12を備え、ガラス基板11,12とシール材7とに囲まれる領域に注入された液晶をシール材7の開口部に設けられた封止材7bによって封止したものとなっている。なお、図3には封止材7bを有する液晶パネル10を示しているが、シール材に開口部が設けられていない、いわゆる封口レスタイプの液晶パネルであっても、本発明に係る処理装置は問題なく処理することが可能である。封口レスタイプの液晶パネルを加熱のみで処理しようとすると、封止材を有するタイプの液晶パネルのように封止材が先に脆弱化されるということがないため、液晶のリーク路を形成するのにシール材を全体的に脆弱化させる必要がある。そのために処理時間が長くなったり、パネル間で液晶の蒸散状態に差異が生じることもある。これに対して本発明の処理方法では、シール材又は封止材の特定部位をレーザー光照射によって脆弱化等させることができるので、封口レスタイプであっても迅速かつ均一な減圧加熱処理が可能である。
図4に示す断面構造をみると、液晶パネル10を構成するガラス基板11,12は、それらの間に分散配置されたスペーサ34により所定間隔に離間され、基板端部に設けられたシール材7によって貼り合わされており、ガラス基板11,12とシール材7とに囲まれた空間に液晶35が封入されている。各ガラス基板11,12の外面側には、それぞれ粘着材を介して偏光板や位相差板等の光学素子31,32が設けられている。
ガラス基板11の内面側(液晶側)には、カラーフィルタ18R、18G、18Bが配列形成されており、これらのカラーフィルタの間には遮光膜(ブラックマトリクス)16が形成されている。カラーフィルタ18R、18G、18Bを覆って樹脂材料等からなる平坦化膜13が形成され、平坦化膜13上にITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料かからなる平面視略ストライプ状の電極パターン40と、ポリイミド等からなる配向膜21とが順に形成されている。
ガラス基板12の内面側には、平面視略ストライプ状を成して前記電極パターン40と交差する方向に延びる電極パターン50が形成されており、電極パターン50上に、樹脂材料等からなるオーバーコート膜29と、ポリイミド等からなる配向膜22とが順に形成されている。
上記構成の液晶パネル処理装置を用いて液晶パネル10の減圧加熱処理を行うには、図1及び図2に示したように、チャンバー20内に液晶パネル10を配置した後、チャンバー20を密閉して加熱装置21及び減圧ポンプ22を動作させ、内部空間20aを所定の圧力(0.01〜10kPa)と温度(例えば液晶の蒸発温度である150℃程度)に保持する。
その後、レーザー装置60からレーザー光を出力し、窓部20wを透過して液晶パネル10の所定位置に照射する。
図5は、上記レーザー装置60によるレーザー光の照射形態を説明するための図であって、(a)は液晶パネル10の部分平面構成図、(b)は(a)に対応する部分側面構成図である。図5において図3と共通の構成要素には同一の符号を付している。
本実施形態の液晶パネル処理方法では、図5に示すように、シール材7の内側に液晶を封止している封止材7bの周辺にレーザー光を照射することができる。この場合、シール材7の開口部におけるシール材7と封止材7bとの境界部に、液晶パネル10の基板法線方向(図示X方向)にレーザー光L1を照射する(レーザースポットLs1)。あるいは、ガラス基板11端縁であって封止材7bの端部に対して、図示X方向にレーザー光L2を照射する(レーザースポットLs2)。
図5ではレーザー光L1,L2の照射方向が互いに逆向きであるとして示しているが、かかる図示は図面を見易くするために過ぎず、レーザー光L1,L2の照射方向は同一方向であってもよく、液晶パネル10に対する入射角度も、基板面と垂直である場合に限られない。このことは、図5に示す他のレーザー光L3〜L7についても同様である。
このようにしてレーザー光を照射することで、照射部位のシール材7及び封止材7bを加熱し、それらを脆弱化あるいは一部除去することができる。すると、この脆弱化ないし一部除去された部位に、液晶のリーク路が形成され、加熱減圧状態に保持されている内部空間20aに液晶が蒸発するようになる。これにより液晶パネル10から液晶を効率よく分離することができる。
なお、シール材7又は封止材7bに対するレーザー光の照射形態としては、上記レーザー光L1,L2に限らず、液晶パネル10の側端面部に部分的に突出して形成されている封止材7bに対して、封止材7bの周りから照射することもできる(レーザー光L3〜L5)。この場合、照射位置で封止材7bの脆弱化又は一部除去を行うことができ、液晶のリーク路を形成することができる。また、レーザー光L1,L2を照射する場合のようにガラス基板11,12を透過させるのではなく、パネルから突出している封止材7bに対して直接にレーザー光を照射するので、レーザー光の減衰や反射が無く、効果的に封止材7bの脆弱化又は除去を行うことができる。
また本実施形態の液晶パネル処理方法では、図5に示すように、液晶パネル10に対してレーザー光L6を照射するとともに、図5(a)に符号Ls6を付して示すようにシール材7を横切るように走査することで、当該走査領域のシール材7を部分的に脆弱化又は除去してもよい。このようにレーザー光を走査する場合にも、シール材7に液晶のリーク路を形成でき、封止されている液晶を内部空間20aに蒸散させることが可能になる。
なお、図5ではレーザー光L6の走査領域をシール材7を横切る位置としているが、封止材7b上でレーザー光を走査してもよいのは勿論である。
このようにシール材7及び封止材7bの脆弱化ないし一部除去を目的としてレーザー光L1〜L6を照射する場合、分解温度が180℃程度の樹脂部材を少なくとも脆弱化することができればよいので、レーザー装置60としては、比較的低出力のレーザーを出力するものを用いることができ、例えば、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー等を用いることができる。
上記液晶パネル10へのレーザー加工によって液晶パネル10に形成されたリーク路を介して内部空間20aに蒸散された液晶は、チャンバー20の内壁が加熱装置21により所定温度(例えば液晶の気化温度程度)に保持されているので、気体の状態で減圧ポンプ24側へ排出される。そして、凝集器22により液化された液晶が回収装置23へ回収され、液晶を除去された排ガスは、ガス処理装置25を介して無害化された後排出される。
本実施形態の液晶パネル処理装置において、上記液晶の分離回収を行う際の加熱装置21による加熱温度は、150℃程度でよい。一般的に、液晶パネル10に封止されている液晶の蒸発温度は150℃程度であり、この蒸発温度を大きく上回る加熱温度とすると、液晶が変質して有害物質を発生させる可能性があり、またリサイクルが困難になる場合もあるからである。
なお、上記液晶の分離回収を行った後、加熱装置21の出力を上昇させて液晶パネル10の温度をさらに上昇させ、シール材7や封止材7b、ガラス基板11,12上に形成された各構成部材(光学素子31,32やカラーフィルタ等)を気化あるいは炭化させて、ガラス基板11,12から有機物の構成部材を除去することもできる。このようにして有機物を処理した後のガラス基板11,12は、チャンバー20から取り出した後、基板上に残る有機物の灰や金属類(反射膜や配線等)を溶解除去することでリサイクル品として回収することができる。
本実施形態の液晶パネル処理装置では、図2に示したように、液晶パネル10の所定位置に対してレーザー光を照射してシール材7及び/又は封止材7bを脆弱化あるいは一部除去することで、シール材7及び封止材7bにより封止されている液晶のリーク路を形成し、かかるリーク路を介して液晶を内部空間20aに蒸散させ、液晶パネル10から液晶を分離、回収するようになっている。このような構成とすることで、液晶パネル10からの液晶の分離を迅速に行えるものとなっている。
また本実施形態の液晶パネル処理装置によれば、液晶パネル10を破砕せずにチャンバー内に配置し、密閉された内部空間20a内で液晶を分離できるので、安全に液晶パネルの処理を行うことができる。
また本実施形態の液晶パネル処理装置では、液晶パネル10の温度を上昇させなくともレーザー光の照射によって液晶のリーク路を形成することができるので、チャンバー20内壁の加熱温度を、液晶の蒸発温度程度にまで下げることができる。したがって、過熱による液晶の変質で有害物質が発生したり、液晶のリサイクルが困難になるのを効果的に防止でき、安全かつ効率的に液晶の分離回収を行うことができる。また本実施形態の液晶パネル処理装置では、従来の液晶パネル処理装置に比してチャンバー20の加熱温度を下げることができるので、内部空間の昇温を迅速に行うことができるとともに、チャンバーの加熱に要するエネルギーも低減でき、処理効率及び処理コストの点で有利なものとなっている。
本実施の形態の液晶パネル処理装置では、液晶パネル10に対するレーザー光の照射角度を変更したり、液晶パネル10上でレーザー光を走査することが可能であるが、本実施形態の液晶パネル処理装置には制御装置17aにより制御可能な支持体17が備えられているから、支持体17により液晶パネル10の支持姿勢を調整し、レーザー光の照射位置を変更したり、あるいは支持体17により液晶パネル10を揺動させて液晶パネル10上でレーザー光を走査することが可能である。
また、前記角度調整や走査を行うためのレーザー光移動手段は、レーザー装置60自体に設けられていてもよく、レーザー装置60と液晶パネル10との間に配設した光学系に設けられていてもよい。すなわち、レーザー装置60自体を移動させることで角度調整や走査を行ってもよく、レーザー光の経路を光学系によって変更することで調整や走査を行ってもよい。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、レーザー光の照射によりシール材7及び/又は封止材7bを脆弱化ないし一部除去することで、液晶のリーク路を形成する場合について説明したが、本発明に係る液晶パネル処理方法では、液晶パネル10を構成するガラス基板11,12に対してレーザー加工を施すことで液晶のリーク路を形成することもできる。以下、この液晶パネル処理方法について、図5を参照して説明する。
ガラス基板11,12に液晶のリーク路を形成する場合、図5に示すように、液晶パネル10の液晶が封止されている平面領域にレーザー光L7を照射する(レーザースポットLs7)。あるいは、図5(a)に符号Ls6を付して示すように、レーザー光を液晶パネル10上で走査してもよい。そして、これらのようなレーザー光照射を行うことで、ガラス基板11,12に貫通孔あるいは亀裂を生じさせることができ、かかる貫通孔や亀裂をリーク路として液晶を内部空間20aに蒸散させることができる。
ガラス基板11,12に対してレーザー加工を行う場合には、レーザー装置60に、ガラス基板11,12が吸収可能な波長の高出力レーザー装置を用いる。具体的には、紫外光レーザーや赤外光レーザーを加工に用いることができ、具体例を挙げると、エキシマレーザー、Er−YAGレーザー、COレーザー、COレーザー、NOレーザー等である。
なお、上記に例示したレーザーには不可視光レーザーが含まれているから、不可視光レーザーを用いる場合には、その光路に重畳可能な可視光レーザーを併用することが好ましい。このような構成とすることで、正確かつ安全に不可視光レーザーの光軸調整等を行うことができる。この複数種のレーザー装置を併用する構成については、例えば、後述の第5実施形態(図8参照)に示した構成を適用できる。
なお、上記レーザー光照射によりガラス基板11,12に形成する貫通孔や亀裂は、液晶のリーク路の形成を目的して形成するものであるから、大きく形成する必要はなく、前記貫通孔や亀裂に起因してガラス基板11,12が割れてしまわない程度の大きさとすることが好ましい。チャンバー20内でガラス基板11,12が割れると、その破片が飛散したりするため、ハンドリング性が低下して処理効率が低下したり、ガラス基板11,12からの液晶以外の構成部材の除去を行いにくくなる。
(第3の実施形態)
上記実施形態では、図2に示したように、単一のレーザー装置60をチャンバー20の外側に配設してチャンバー20内の液晶パネル10にレーザー光を照射する場合について説明したが、本発明に係る液晶パネル処理装置は、図6に示すように、複数のレーザー装置(レーザー光出力手段)を具備したものとすることができる。図6において図1から図5と共通の構成要素には同一の符号を付している。
図6に部分断面構成図を示す形態の液晶パネル処理装置は、チャンバー20の壁部に、互いに離間して配置された2つの窓部20b、20cが設けられており、各窓部20b、20cに対応するレーザー装置60,61が、チャンバー20の外側に設けられた構成を備えている。
そして、上記構成を具備した本実施形態の液晶パネル処理装置では、2つのレーザー装置60,61から出力されてそれぞれ窓部20b、20cを透過したレーザー光が、内部空間20aに配置された液晶パネル10上の所定位置(図6では封止材7b)に照射されるようになっている。このように複数のレーザー装置60,61から出力されるレーザー光を、液晶パネル10の略同一位置に照射する構成を採用することで、比較的低出力のレーザー装置を用いた場合にも、液晶パネル10の加工を迅速に行うことができる。
なお、COレーザーやエキシマレーザー等の不可視光レーザーを用いる場合には、その光路に重畳可能な可視光レーザーを併用することが好ましい。このような構成とすることで、不可視光レーザーを用いた場合の光軸や照射位置の調整を正確にかつ安全に行うことができる。この不可視光レーザーと可視光レーザーとを併用する場合の構成については、後述する第5の実施形態(図8参照)に一例を示している。
また、本実施形態では2つのレーザー装置60,61を用いた場合について説明したが、3つ以上のレーザー装置を用いて上記と同様のレーザー加工を行えるのは勿論である。また本実施形態では、2つのレーザー装置60,61を、それぞれから出力されるレーザー光が交差する位置に配置しているが、レーザー装置の配置は図示のものに限定されず、レーザー光を液晶パネル10に正確に導くための光学系との組み合わせも含め、種々に変更可能である。
また図6には、2本のレーザー光を液晶パネル10の封止材7bに集光させる場合が示されているが、レーザー光の集光位置は図示の位置に限定されるものではない。図5に示したように、液晶パネル10におけるレーザー光の照射位置は種々に変更が可能である。
なお、2本のレーザー光に対して液晶パネル10を位置合わせするに際しては、図2に示した支持体17により液晶パネル10の支持姿勢を調整し、位置合わせすることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態は、図1及び図2に示した液晶パネル処理装置におけるレーザー装置60の配置形態の変形例である。図7において図1から図5と共通の構成要素には同一の符号を付している。
本発明に係るレーザー装置60は、図7(a)に示すように、チャンバー20の壁部に設けた窓部20bの外側に配置し、窓部20bを透過させたレーザー光Lを液晶パネル10に照射する構成としてもよい。しかし、この場合には、窓部20bとレーザー装置60との組み合わせによっては、液晶パネル10のガラス基板11,12を直接加工してリーク路を形成するパネル処理方法を適用できない場合もあり得る。窓部20bは透過し、ガラス基板11,12には吸収されるようなレーザー装置60を用いる必要があるからである。
そこで本発明では、図7(b)に示すように、レーザー装置60が、チャンバー20の壁部に設けられた接続部材(アタッチメント)を介して壁部に直接接続されている構成を採用することもできる。この場合、レーザー装置60のレーザー光出力部60aがチャンバー20内部に配置されるので、液晶パネル10に対して直接にレーザー光Lを照射することができ、レーザー装置60の選択幅が広がるので装置構成が容易になるという利点が得られる。また、レーザー光Lの減衰も防止できることから、レーザー光強度が実質的に向上することになる。
なお、本実施形態で示した構成は、図6に示した2本のレーザー光を同時に液晶パネル10に照射する構成にも好適に用いることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る液晶パネル処理装置における、複数の液晶パネルを処理するのに好適な構成について説明する。図8は、複数の液晶パネル10にレーザー光を案内する手段を具備した液晶パネル処理装置の一例を示す部分断面構成図である。
図8に示す液晶パネル処理装置は、略箱形のチャンバー(処理容器)120と、該チャンバー120の壁部に配設された2つのレーザー装置62,63と、レーザー光を分岐して所定位置に案内するための光学系であるレーザー光分岐手段70とを備えて構成されている。図8にはチャンバー120とそれに併設されている構成部材のみを図示しているが、実際の装置構成は図1に示した先の実施形態の液晶パネル処理装置と同様である。
チャンバー120は、先の実施形態のチャンバー20と概略同様の構成を具備しており、内部空間20aを密閉するとともに、加熱減圧状態に保持可能な処理容器である。また、チャンバー120の内部空間120aには、複数(図示では3枚)の液晶パネル10を収容できるようになっている。
チャンバー120の壁部に配設されたレーザー装置(レーザー光出力手段)のうち、チャンバー120の天井壁部に配設されたレーザー装置63は、エキシマレーザーやCOレーザー、NOレーザー等の不可視光レーザーであり、チャンバー120の側壁部に配設されたレーザー装置62は、He−NeレーザーやArイオンレーザー等の可視レーザーである。これらのレーザー装置62,63は、図7(a)、(b)に例示した配設形態にてチャンバー120の内部空間120a内にレーザー光を射出可能に配置されている。
レーザー光分岐手段70は、複数のビームスプリッタ71〜73と、複数のミラー74,75とを組み合わせた光学系を構成している。レーザー光分岐手段70は、主として加工用に用いられる不可視光レーザーであるレーザー装置63のレーザー光63Lを各液晶パネル10に案内する。また、不可視のレーザー光63Lに対して可視光のレーザー光62Lを重畳し、光軸調整等を容易にする機能を奏する。
ビームスプリッタ71は、レーザー装置63から出力されたレーザー光63Lを透過するとともに、レーザー装置62から出力されたレーザー光62Lを反射することで、レーザー光63Lとレーザー光62Lとを重畳する。この重畳レーザー光64Lはビームスプリッタ72に入射する。ビームスプリッタ72は、前記重畳レーザー光64Lの一部を透過し、一部を反射することで、重畳レーザー光64Lを2つのレーザー光に分割する。
ビームスプリッタ72で反射されたレーザー光は、ミラー74で反射された後、図示左端の液晶パネル10の1つに照射される。ビームスプリッタ72を透過したレーザー光は、先のビープスプリッタ72と同様の構成を備えたビームスプリッタ73に入射して分割される。ビープスプリッタ73で反射されたレーザー光は、ミラー75で反射された後、図示右端の液晶パネル10に照射される。ビームスプリッタ73を透過したレーザー光は、図示中央の液晶パネル10に照射される。
そして、各液晶パネル10では、先の実施形態と同様、レーザー光によってシール材7や封止材7b、あるいはガラス基板11,12が加工(脆弱化、一部除去、溶融等)される結果、これらに液晶のリーク路が形成され、加熱減圧状態に保持されたチャンバーの内部空間120aに、液晶が蒸散するようになる。
このように、本実施形態の液晶パネル処理装置では、単一のレーザー光を複数の液晶パネル10に対して複数のレーザー光に分岐して照射するレーザー光分岐手段70を具備したことで、所定の強度のレーザー光を各液晶パネル10に対して均一に照射できるものとなっている。したがって、複数の液晶パネルからの液晶の分離、回収を迅速に行うことができ、処理効率に優れた液晶パネル処理装置となっている。
また、レーザー光分岐手段70では、不可視光レーザーと可視光レーザーとを重畳することができるので、不可視光レーザーの光路を可視化することができ、不可視光レーザーの光軸調整等を安全に行える構成となっている。
なお、上記実施形態では、不可視レーザーであるレーザー装置63を主としてパネルの加工に用い、可視光レーザーであるレーザー装置62を不可視光レーザーの可視化(案内)に用いることとしたが、液晶パネル10における被加工部位(被照射部位)の材質によっては、可視光レーザーも加工に用いることができる。また液晶パネル10に対して両方のレーザー装置から出力されたレーザー光を同時に照射することもできる。
なお、本実施形態の液晶パネル処理装置においても、図2に示した支持体17及びその制御装置17aが設けられている構成とすることが好ましい。支持体17によって液晶パネル10の支持姿勢が調整可能であれば、光学系を固定した状態で液晶パネル10におけるレーザー光照射位置を容易に調整することができ、処理効率の向上を図ることができる。また支持体17によって液晶パネル10を連続的に移動させれば、液晶パネル10上でレーザー光を走査することができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図9は、本実施形態に係る液晶パネル処理装置に備えられている、複数の液晶パネル10にレーザー光を分岐して案内するレーザー光分岐手段80を示す構成図である。
レーザー光分岐手段80は、単一のレーザー光を複数の液晶パネル10のそれぞれに対して分岐して照射するために、レーザー装置60の近傍から各液晶パネル10の近傍に分岐して延びる複数本(図示では3本)の光ファイバー81〜83を備えたものである。
このような構成とすることで、レーザー装置60から出力されたレーザー光を、安全かつ確実に複数の液晶パネル10まで案内することができ、複数の液晶パネル10の処理を円滑に行うことができるようになる。
光ファイバー81〜83の導波路の材質は、使用するレーザー装置60の種類に応じて適宜選択することができる。例えばレーザー装置60が可視光レーザーを出力するものである場合には、一般的な石英系の光ファイバーを用いることができる。一方、レーザー装置60が赤外レーザーを出力するものである場合、石英系の光ファイバーは、波長2μm以上の赤外光に対しては分子振動による赤外吸収が極めて大きくなり高損失になるので、赤外光吸収の少ない材料を用いた赤外ファイバや、中空導波路の光ファイバーを用いることが好ましい。
赤外ファイバの導波路材には、重金属酸化物ガラス(GeO、GeO−Sb等)、カルコゲナイドガラス(As−S、As−Se等)、ハライドガラス(ZnCl、CdF−BaF−ZrF等)、結晶性ハロゲン化物(AgCl、AgBr、KCl、TlBr/TlI等)などを用いることができる。
中空導波路の光ファイバーとしては、例えば、管状の基材の内面に高反射コーティング処理を施した中空導波路を用いることができ、ゲルマニウムや硫化亜鉛等の誘電体をニッケル等の金属管の内面に成膜したものや、石英管の内面に銀からなる反射層を形成し、反射層の表面に光透過性の樹脂膜を形成したものが挙げられる。
なお、本構成においても、レーザー装置60として不可視光レーザーを用いる場合には、先の第5実施形態と同様、その光路に重畳可能な可視光レーザーを併用する構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、レーザー装置60から光ファイバーへのレーザー光の導入を正確にかつ安全に行うことができ、また光ファイバーから出力されたレーザー光の照射位置を正確にかつ安全に調整することができる。
また、本実施形態の液晶パネル処理装置においても、図2に示した支持体17及びその制御装置17aが設けられている構成とすることが好ましい。支持体17によって液晶パネル10の支持姿勢が調整可能であれば、光ファイバーを固定した状態で液晶パネル10におけるレーザー光照射位置を容易に調整することができ、処理効率の向上を図ることができる。また支持体17によって液晶パネル10を連続的に移動させれば、液晶パネル10上でレーザー光を走査することができる。
(第7の実施形態)
次に、図10及び図11を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。図10及び図11は、本実施形態に係る液晶パネル処理装置のチャンバー内部構造を示す構成図である。これらの図にはチャンバー等は図示を省略しているが、本実施形態の液晶パネル処理装置の全体構成は、図1及び図2に示した第1実施形態と概略同様である。
図10に示すように、本実施形態の液晶パネル処理装置は、チャンバー内部に配列された複数(図示では4枚)の液晶パネル10に対して、順次レーザー光を照射するためのポリゴンミラー(レーザー光走査手段)91を備えている。
ポリゴンミラー91は、外周面が反射面とされた六角柱状の部材であり、図示Z方向の軸回りに回転するものとなっている。そして、回転状態に維持されたポリゴンミラー91に対してレーザー装置60からレーザー光が入射させることで、ポリゴンミラー91の一側面部にて反射された光を液晶パネル10に照射するようになっている。ポリゴンミラー91による反射光の進行方向は、ポリゴンミラー91に入射するレーザー光の進行方向と、当該レーザー光に対するポリゴンミラーの側面部との角度に応じて決定される。したがって、ポリゴンミラー91に連続的にレーザー光を入射させると、反射光の進行方向が連続的に変化し、被照射物上の一定の範囲でレーザー光を走査することができる。また、本実施形態のポリゴンミラー91は六角柱状であるため、ポリゴンミラー91が一回転する毎に、被照射物はレーザー光により6回走査されることになる。
このようにレーザー光走査手段としてポリゴンミラー91を用いた場合にも、複数の液晶パネル10に対して均一にレーザー光を照射することができ、複数の液晶パネル10への液晶のリーク路の形成を効率よく行うことができる。また、液晶パネル10上でレーザー光を走査することも容易であるため、シール材又は封止材を横切るようにレーザー光を走査し、シール材や封止材を切断する方法を用いる場合に好適な液晶パネル処理装置となっている。
また、図10に示す形態では、液晶パネル10を平面的に(パネルの側端面同士が対向するように)配列しているが、液晶パネル10の配列形態としては、図11に示すように、複数の液晶パネル10をそれらの厚さ方向に配列した形態も適用できる。液晶パネル10同士は離間されていてもよいし、密着して積層されていてもよい。液晶パネル10を厚さ方向に配列することで、チャンバー内に多くの液晶パネルを収容できるようになり、処理効率を大幅に向上させることができる。
なお、本構成においても、レーザー装置60として不可視光レーザーを用いる場合には、先の第5実施形態と同様、その光路に重畳可能な可視光レーザーを併用する構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、ポリゴンミラーにより反射されるレーザー光の走査範囲やその照射位置を正確にかつ安全に調整することができる。
また、本実施形態の液晶パネル処理装置においても、図2に示した支持体17及びその制御装置17aが設けられている構成とすることが好ましい。支持体17によって液晶パネル10の支持姿勢が調整可能であれば、光学系を固定した状態で液晶パネル10におけるレーザー光照射位置を容易に調整することができ、処理効率の向上を図ることができる。さらに本実施形態の場合、支持体17により複数の液晶パネル10を支持する構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、液晶パネル10毎に位置調整を行う必要が無くなり、処理効率の向上に大いに寄与する。
実施形態に係る液晶パネル処理装置の概略構成図。 同、チャンバーの内部構成を示す断面構成図。 液晶パネルの平面構成図。 液晶パネルの部分断面構成図。 レーザー光の照射形態について説明するための液晶パネルの概略図。 第3実施形態に係る液晶パネル処理装置の部分断面構成図。 第4実施形態に係るレーザー装置の配置形態を示す説明図。 第5実施形態に係る液晶パネル処理装置の部分断面構成図。 第6実施形態に係るレーザー光分岐手段を示す構成図。 第7実施形態に係るレーザー光の照射形態を示す構成図。 第7実施形態に係るレーザー光の照射形態を示す構成図。
符号の説明
10 液晶パネル、20,120 チャンバー(処理容器)、20a,120a 内部空間、21 加熱装置(加熱手段)、22 凝集器、23 回収装置、24 減圧ポンプ(排気手段)、25 ガス処理装置、60〜63 レーザー装置(レーザー光出力手段)、20b,20c,20w 窓部、70,80 レーザー光分岐手段、91 レーザー光走査手段。

Claims (15)

  1. 処理容器内に収容した液晶パネルを減圧加熱処理することで前記液晶パネルから液晶を分離するに際して、
    前記液晶パネルにレーザー光を照射することで、該液晶パネルに、その内部に封止されている液晶を前記処理容器の内部空間に蒸散させるためのリーク路を形成することを特徴とする液晶パネル処理方法。
  2. 前記レーザー光を、前記液晶パネルのシール材及び/又は封止材に、直接又は該液晶パネルの基板を透過して照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル処理方法。
  3. 前記レーザー光を、前記シール材と封止材との境界領域に照射することを特徴とする請求項2に記載の液晶パネル処理方法。
  4. 前記レーザー光を前記液晶パネルの封止材に照射するに際して、
    前記封止材のうち、該液晶パネルの基板から外側に突出している部位に照射することを特徴とする請求項2に記載の液晶パネル処理方法。
  5. 前記液晶パネルを構成する基板に前記レーザー光を照射することで、前記基板に亀裂又は貫通孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル処理方法。
  6. 前記液晶パネルに対して、複数本のレーザー光を照射することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶パネル処理方法。
  7. 前記液晶パネルにレーザー光を照射するに際して、
    複数の前記液晶パネルを配列して支持し、該複数の液晶パネルに対し前記レーザー光を走査して照射することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶パネル処理方法。
  8. 前記液晶パネルにレーザー光を照射するに際して、
    複数の前記液晶パネルを配列して支持し、該複数の液晶パネルに対応して複数本に分岐した前記レーザー光を前記各液晶パネルに照射することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶パネル処理方法。
  9. 減圧加熱処理によって液晶パネルから液晶を分離する液晶パネル処理装置であって、
    内部に液晶パネルを収容する処理容器と、
    前記処理容器内部を加熱する加熱手段と、
    前記処理容器内部を減圧する排気手段と、
    前記処理容器内に収容された前記液晶パネルに対してレーザー光を照射するレーザー光出力手段と、
    を備えたことを特徴とする液晶パネル処理装置。
  10. 前記レーザー光出力手段が前記処理容器の外側に設けられており、
    前記処理容器の壁部に、前記レーザー光出力手段から出力されるレーザー光を該処理容器内部に導入するための窓部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の液晶パネル処理装置。
  11. 前記レーザー光出力手段が、前記処理容器の壁部に設けられた接続部材を介して該処理容器に接続され、該レーザー光出力手段のレーザー光出力部が、前記処理容器内に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の液晶パネル処理装置。
  12. 前記処理容器内に、前記レーザー光出力手段から出力されたレーザー光を走査して複数の前記液晶パネルに照射するレーザー光走査手段が設けられていることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の液晶パネル処理装置。
  13. 前記処理容器内に、前記レーザー光出力手段から出力されたレーザー光を複数本のレーザー光に分岐して複数の前記液晶パネルに照射するレーザー光分岐手段が設けられていることを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の液晶パネル処理装置。
  14. 不可視光レーザーを出力する第1のレーザー光出力手段と、可視光レーザーを出力する第2のレーザー光出力手段とを備えていることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の液晶パネル処理装置。
  15. 前記処理容器内に、前記液晶パネルを移動自在に支持するパネル支持手段が設けられており、該パネル支持手段の移動動作によって前記液晶パネルに対する前記レーザー光の照射位置及び/又は照射角度が調整可能であることを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載の液晶パネル処理装置。
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