JP2006197056A - 高周波増幅回路およびそれを用いた無線送信機器 - Google Patents

高周波増幅回路およびそれを用いた無線送信機器 Download PDF

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Hiroki Iwamiya
裕樹 岩宮
Masaya Tamura
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Abstract

【課題】少ない部品点数で所望の高調波帯に対して減衰極を微調整することを可能とし、小型かつ安定した高調波処理回路を含む高周波増幅回路を提供することを目的とする。
【解決手段】高調波処理回路14において、チップコンデンサ17,19によるキャパシタンスと、チップコンデンサ17,19が接続するグランド20,21とビア22,23における寄生インダクタンス32,33がLC共振素子として働き、前記高調波処理回路は、有極ローパスフィルタとして具現化する。また、前記第1のチップコンデンサ17と前記第2のチップコンデンサ19の配置する位置により、寄生インダクタンス32,33を微調整することができる構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報通信分野における通信機器、例えば5GHz帯を使用した無線LANシステムのような高い周波数帯を用いる無線システムにおいて、アンテナから放射される送信信号を増幅する高周波増幅回路およびそれを使用する無線送信機器に関するものである。
図12は、従来の高周波増幅回路の構成を説明するためのブロック図である。この高周波増幅回路1に用いる増幅器2の入力端子3には入力整合回路4が、出力端子5には出力整合回路6が各々接続されることで、使用される無線システムに応じて変調がなされた送信信号が入力端子7から入力され、出力端子10から出力されるまでに、高周波増幅回路1において効率よく信号増幅を行うことができるようになっている。
出力整合回路6は、増幅器2において発生する高調波を除去するための高調波処理回路8と基本波整合回路9を含む。高調波処理回路8は、高調波に対するインピーダンス整合を行い、基本波整合回路9は、送信信号の周波数f0において、アンテナの給電部11とのインピーダンス整合を行っている。
また、高調波処理回路8は、例えばカットオフ周波数fcが送信信号の周波数f0に対してfc>f0となる関係を持つローパスフィルタで構成されており、送信信号の周波数f0を透過し、f0の整数倍の周波数で発生する高調波を除去することで、アンテナから高調波がスプリアス信号として放射されるのを抑圧している。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−368553号公報
しかしながら、上記従来の構成による高周波増幅回路1において、5GHz帯を用いる無線LANシステムのように高調波となる周波数帯が10GHz帯、15GHz帯となると、高調波処理回路8において広帯域に減衰を得る必要がある。そのためには、高調波処理回路8において各整数倍の高調波に対して減衰極を持つ有極ローパスフィルタを用いることが効果的であるが、それぞれの高調波帯に対して減衰極を得るためのLC共振素子が必要となる。また、そのLC共振素子のインピーダンスを整合するための回路も必要となり、少ない部品点数で所望の高調波帯に極を持つローパスフィルタを構成することが困難であった。また、LC共振素子を基板の内層に構成する場合においても、LC共振素子を構成するパターンが煩雑かつ増加するため、基板の層数を増やす必要があり、基板のコストアップにもつながる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、所望の高調波帯に対して減衰極が得られることを可能とし、また各高調波領域において広帯域に高減衰を得ることができる高調波処理回路を含む高周波増幅回路を提供することを目的とするものである。これが実現できれば、高周波増幅器で発生した高調波成分を広帯域、高減衰に除去することができる。また、高調波処理回路として、少ない部品点数で所望の高調波帯に極を持つローパスフィルタを構成することができるため、部品実装面積の削減、つまり小型かつ低コスト化につながる。
上記目的を達成するために本発明は、基板と、この基板上に設けられ入力信号を受けて増幅するための高周波増幅器と、前記基板上に設けられ前記高周波増幅器から発生する高調波を減衰するための高調波処理回路とを備えた高周波増幅回路において、前記高調波処理回路は、前記高周波増幅器の出力端子に第1のチップコンデンサの一端とチップコイルの一端を、前記高調波処理回路の出力端子に前記チップコイルの他端と第2のコンデンサの一端をそれぞれ接続するとともに、前記第1のコンデンサの他端を第1のグランドに、前記第2のコンデンサの他端を第2のグランドにそれぞれ接続しており、前記第1のグランドは、第1の内層グランドパターンを第1のビアで、前記第2のグランドは、第2の内層グランドパターンを第2のビアを介して接続し、前記第1の内層グランドパターンと前記第2の内層グランドパターンは、直流では同電位、高周波帯ではハイインピーダンスとなるようなストリップラインで接続されている。
これにより、第1のグランドと第2のグランドにおいても、直流では同電位、高周波帯、特に送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数で、ハイインピーダンスにすることができる。
さらに、前記第1のチップコンデンサと前記第2のチップコンデンサの配置する位置を変えることができるように第1のグランドと第2のグランドを形成する。
このような構成とすることで、前記第1のチップコンデンサによるキャパシタンスと、前記第1のチップコンデンサが接続する前記第1のグランド、および前記第1のビアにおける寄生インダクタンス、また、前記第2のチップコンデンサによるキャパシタンスと、前記第2のチップコンデンサが接続する前記第2のグランド、および前記第2のビアにおける寄生インダクタンスが、それぞれLC共振素子として働き、前記高調波処理回路は、有極ローパスフィルタとして具現化することができる。
また、前記第1のチップコンデンサと前記第2のチップコンデンサの配置する位置により、前記第1のチップコンデンサが前記第1のグランドで接続する接続点と前記第1のビアまでの距離、および前記第2のチップコンデンサが前記第2のグランドで接続する接続点と前記第2のビアまでの距離を変えることで、寄生インダクタンスを微調整することができるため、所望の高調波帯が減衰極となるように微調整することが可能となると共に、第1のグランドと第2のグランドでは、送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数でハイインピーダンスであるため、LC共振素子により発生する減衰極の周波数帯より高い周波数でも、安定した減衰特性を得ることが可能となる。
さらに、前記高周波増幅器において送信周波数の整数倍で発生する高調波帯において減衰極を得るために、別途LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要がない。
本発明の高周波増幅回路は、前記高周波増幅器の出力端子に有極ローパスフィルタとして機能する前記高調波処理回路を接続した構成を有する。また、前記高調波処理回路は、前記第1のチップコンデンサと前記第2のチップコンデンサの配置する位置を変えることができるように第1のグランドと第2のグランドを形成する。
このような構成とすることで、前記高調波処理回路に用いられる前記第1のチップコンデンサと前記第2のチップコンデンサの配置する位置により、前記第1のチップコンデンサが前記第1のグランドで接続する接続点と前記第1のビアまでの距離、および前記第2のチップコンデンサが前記第2のグランドで接続する接続点と前記第2のビアまでの距離を変えることで、各々の寄生インダクタンスを微調整することができる。
これにより、所望の高調波帯が減衰極となるように、チップコンデンサのキャパシタンスと寄生インダクタンスによるLC共振周波数を微調整することが可能となり、前記高周波増幅器において送信周波数の整数倍で発生する高調波帯において減衰極を得るために、別途LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要がないため、前記高周波増幅回路の小型化と基板の層数の増加によるコストアップを防ぐことが可能となる。
また、本発明の無線送信機器は、この安価で小型の高周波増幅回路を備えるため、安価で小型の無線送信機器を実現することができる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の高周波増幅回路の構成を示す図である。図示のように、高周波増幅回路15は、基板12に、入力信号を受けて増幅するための高周波増幅器13、および高周波増幅器13から発生する高調波を減衰するための高調波処理回路14を備えている。この高周波増幅器13は、図1(b)の概略ブロック図で示すように、変調器によって使用する無線システムに応じた変調がなされた送信信号が入力端子30から入力されるが、この入力端子30に接続されるデバイスとのミスマッチを防ぐために、増幅器25の入力端子26に入力整合回路27を接続している。また、増幅器25の出力端子28には、増幅器25の出力効率を最適化するための出力整合回路29を接続している。これらの増幅器25と入力整合回路27、および出力整合回路29の一部は、一般に高周波増幅器13としてIC化されることが多い。
高周波増幅器13より発生する高調波は、例えば5GHz帯を使用する無線LANシステムでは、信号周波数の整数倍にあたる10GHz帯、15GHz帯において発生する。これらの高調波が出力端子16から出力される信号レベルは高周波増幅器13の性能により異なるが、高調波処理回路14において30dB以上の減衰量を確保することで、前記高周波増幅器13から発生する高調波を所望のレベルまで抑圧することが可能である。このように高調波処理回路14において処理された送信信号は、アンテナと接続するためのアンテナ接続端子31からアンテナへと出力される。
この高調波処理回路14は、図1(a)で示すように、高周波増幅器13の出力端子16に、第1のチップコンデンサ17の一端とチップコイル18の一端を、高調波処理回路14の出力端子31に前記チップコイル18の他端と第2のチップコンデンサ19の一端をそれぞれ接続するとともに、第1のチップコンデンサ17の他端を第1のグランド20に、第2のチップコンデンサ19の他端を第2のグランド21にそれぞれ接続した構成とする。
また、第1のグランド20は、基板12の内層24に形成された第1の内層グランドパターン34と第1のビア22を、第2のグランド21は、基板の内層24に形成された第2の内層グランドパターン35と第2のビア23を介して接続される。また前記高調波処理回路14は、第1のチップコンデンサ17と第2のチップコンデンサ19の配置する位置を変えることができるような第1のグランド20と第2のグランド21の形状を形成する。
このような構成とすることで、図2の高調波処理回路14の等価回路図で示すように、第1のチップコンデンサ17によるキャパシタンスと、第1のチップコンデンサ17が接続する第1のグランド20、および第1のビア22における第1の寄生インダクタンス32、また、第2のチップコンデンサ19によるキャパシタンスと、第2のチップコンデンサ19が接続する第2のグランド21、および第2のビア23における第2の寄生インダクタンス33が、それぞれ2次高調波帯である10GHz帯におけるLC共振素子として働くため、高調波処理回路14は、図3で示すように2次高調波帯域38の減衰極を持つ有極ローパスフィルタとして実現することができる。例えば、第1のチップコンデンサ17のサイズが1.0mm×0.5mmで、公称値が0.5pFの場合、並列抵抗成分Rp1は約0.5Ω、直列インダクタンス成分Ls2,Ls3の合計は約0.55nHである。
また、第1の内層グランドパターン34と第2の内層グランドパターン35は、送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数でハイインピーダンスとなるようなストリップライン36で接続された構成であるため、第1の内層グランドパターン34に流れるイメージ電流は、ストリップライン36を介して第2の内層グランドパターン35に流れるが、ストリップライン36は、例えば高調波の周波数帯で1/4波長の長さとすれば、送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数の電流に対してチョークコイルとして働く。これにより、LC共振素子により発生する減衰極の周波数帯より高い周波数でも、図3で示すような安定した減衰特性を得ることが可能となる。
また、図4(a)および図4(b)に示すように、高調波処理回路14に用いられる第1のチップコンデンサ17と第2のチップコンデンサ19の配置する位置を変えることで、第1のチップコンデンサ17が第1のグランド20で接続する接続点と第1のビア22までの距離、および第2のチップコンデンサ19が第2のグランド21で接続する接続点と第2のビア23までの距離を変えることで、第1の寄生インダクタンス32、および第2の寄生インダクタンス33を微調整することができる。例えば、図4(a)のようにチップコンデンサを配置した場合は、第1のチップコンデンサ17においては、第1のグランド20で接続する接続点と第1のビア22までの距離は短いため、第1の寄生インダクタンス32は、図4(b)の場合と比べ小さくなる。つまり、第1の寄生インダクタンス32と、第1のチップコンデンサ17によるキャパシタンスとで決定されるLC共振周波数は、図4(b)の場合と比べ、図4(a)はLC共振周波数を高く設定することができる。
なお、第1のチップコンデンサ17と、第2のチップコンデンサ19の配置する位置は、減衰極の周波数帯域を見ながら各々個別に変えても構わないものである。
また、第1のグランド20や第2のグランド21の一部を切除することでも、第1の寄生インダクタンス32や第2の寄生インダクタンス33を微調整することができる。
以上のように、本実施の形態では、チップコンデンサが接続するグランドパターンと、基板の内層グランドに接続するビアにより発生する寄生インダクタンスを利用し、チップコンデンサの配置する位置を変えたり、グランドパターンの一部を切除したりして寄生インダクタンスを微調整することで、所望の高調波帯で共振する有極ローパスフィルタを具現化することができる。これにより、LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要がないため、前記高周波増幅回路の小型化と基板の層数の増加によるコストアップを防ぐことが可能となるとともに、LC共振素子により発生する減衰極の周波数より高い周波数でも、安定した減衰特性を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の請求項2に記載の発明について説明する。
図5(a)および図5(b)は本発明の実施の形態2における高周波増幅回路15に用いる高調波処理回路14の構成を示す図である。高調波処理回路14に用いられる第1のグランド20と第2のグランド21は、送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数でハイインピーダンスとなるようなマイクロストリップライン39で接続された構成であるため、第1のグランド20に流れるイメージ電流は、マイクロストリップライン39を介して第2のグランド21に流れるが、マイクロストリップライン39は、例えば高調波の周波数帯で1/4波長の長さとすれば、送信信号の高調波となる周波数帯以上の周波数の電流に対してチョークコイルとして働く。これにより、LC共振素子により発生する減衰極の周波数帯、例えば、5GHz帯を用いる無線LANシステムにおける2次高調波帯域(10GHz帯)38より高い周波数でも、図3で示すような安定した減衰特性を得ることが可能となる。
また、第1のチップコンデンサ17と第2のチップコンデンサ19の配置する位置を変えることで、第1のチップコンデンサ17が第1のグランド20で接続する接続点と第1のビア22までの距離、および第2のチップコンデンサ19が第2のグランド21で接続する接続点と第2のビア23までの距離を変えることで、第1の寄生インダクタンス32、および第2の寄生インダクタンス33を微調整することができる。例えば、図5(a)のようにチップコンデンサを配置した場合は、第1のチップコンデンサ17においては、第1のグランド20で接続する接続点と第1のビア22までの距離は短いため、第1の寄生インダクタンス32は、図5(b)の場合と比べ小さくなる。つまり、第1の寄生インダクタンス32と、第1のチップコンデンサ17によるキャパシタンスとで決定されるLC共振周波数は、図4(b)の場合と比べ、図4(a)はLC共振周波数を高く設定することができる。
なお、第1のチップコンデンサ17と、第2のチップコンデンサ19の配置する位置は、減衰極の周波数帯域を見ながら各々個別に変えても構わないものである。
このように、実施の形態1と同様、チップコンデンサが接続するグランドパターンと、基板の内層グランドに接続するビアにより発生する寄生インダクタンスを利用し、またチップコンデンサの配置する位置を変えて寄生インダクタンスを微調整することで、所望の高調波帯で共振する有極ローパスフィルタを具現化することができる。これにより、LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要がないため、前記高周波増幅回路の小型化と基板の層数の増加によるコストアップを防ぐことが可能となる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の請求項3から4に記載の発明について説明する。
図6はチップコイル18の等価回路を示した図である。それぞれ、チップコイル18が本来インダクタとして機能する直列インダクタンス成分Ls1と、チップ端子に寄生する直列インダクタンス成分Ls2,Ls3、直列抵抗成分Rs1、チップ端子間に寄生する並列キャパシタンス成分Cp1から構成されているとみなすことができる。例えば、サイズが1.0mm×0.5mmで、公称値が1.8nHのチップコイルの場合、直列抵抗成分Rs1は約0.5Ω、並列キャパシタンス成分Cp1は約0.05pFである。このことから、チップコイル18は、直列インダクタンス成分Ls1,Ls2,Ls3と並列キャパシタンス成分Cp1の間で、以下の式(1)で表される自己共振周波数において、LC共振素子として働く。
Figure 2006197056
このことから、図1における高調波処理回路14における有極ローパスフィルタは、式(1)で表された自己共振周波数において、減衰極を持つことになる。このことを利用すれば、例えば公称値が1.8nHのチップコイルを用いた場合、図7に示すように、5GHz帯無線LANシステムの送信信号の3次高調波帯域40である15GHz帯において、減衰極を持った有極ローパスフィルタを実現することができる。
図8は第1のチップコンデンサ17の等価回路を示した図である。それぞれ、第1のチップコンデンサ17が本来コンデンサとして機能する直列キャパシタンス成分Cs1と、並列抵抗成分Rp1、チップ端子に寄生する直列インダクタンス成分Ls4,Ls5、およびチップ端子間に寄生する並列キャパシタンス成分Cp2から構成されているとみなすことができる。実施の形態1で示したように、例えばサイズが1.0mm×0.5mmで、公称値が0.5pFの場合、並列抵抗成分Rp1は約0.5Ω、直列インダクタンス成分Ls4,Ls5の合計は約0.55nHである。
このことから、第1のチップコンデンサ17は、直列キャパシタンス成分Cs1と直列インダクタンス成分Ls4,Ls5の間で以下の式(2)で表される自己共振周波数において、LC共振素子として働く。
Figure 2006197056
このことから、図1における高調波処理回路14における有極ローパスフィルタは、式(2)で表された自己共振周波数において、減衰極を持つことになる。このことを利用すれば、例えば公称値が0.5pFのチップコンデンサを用いた場合、実施の形態1で示した第1のグランド20、および第1のビア22における第1の寄生インダクタンス32と、第1のチップコンデンサ17の直列インダクタンス成分Ls4,Ls5を組み合わせることで、図7に示すように、5GHz帯無線LANシステムの送信信号の2次高調波帯域38である10GHz帯において、減衰極を持った有極ローパスフィルタを実現することができる。
なお、第2のチップコンデンサ19においても、第1のチップコンデンサ17と同じ公称値のものを使用すれば、第1のチップコンデンサ17と同様に適応することができるものである。
従来、このような高調波処理回路を具現化する有極ローパスフィルタを構成するためには、送信信号の整数倍の周波数にあたる高調波帯で共振するLC共振素子が別途必要であり、LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要があったが、チップコイルが本来もつインダクタンス成分と、チップ端子間に寄生するキャパシタンスにより決定される自己共振周波数を利用して、前記高調波処理回路の減衰極を決定することにより、所望の高調波帯で共振する有極ローパスフィルタを具現化することができる。これにより、LC共振素子をチップ部品や基板パターンによる分布定数回路で構成する必要がないため、前記高周波増幅回路の小型化と基板の層数の増加によるコストアップを防ぐことが可能となる。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の請求項5に記載の発明について説明する。
図9は高周波増幅器13の出力整合回路29と、高調波処理回路14の構成を示した図である。このうち、実施の形態1から3で示した高調波処理回路14を用いると、出力整合回路29は例えば図10のように、直列にコイル41、並列にコンデンサ42を接続した構成で実現することができる。
従来、高周波増幅器の出力整合回路に高調波処理回路を接続した状態では、図9におけるアンテナ接続端子31から見たインピーダンスは50Ωに整合されていない。そのため、別途高調波処理回路の出力側に送信信号の周波数帯においてインピーダンス整合を取るための基本波整合回路が必要となり、回路の小型化が困難であったが、高調波処理回路14を出力整合回路29の一部として用いることにより、高調波処理回路14を接続した状態で、アンテナ接続端子31から見たインピーダンスが50Ωに整合されるように、高周波増幅器の出力整合回路29を構成することができる。
この構成により、高調波処理回路に対して、別途基本波整合回路を必要としないため、回路の小型化を実現することができる。
なお、コイル41は、チップコイルおよび基板のパターン等を用いて構成してもよい。
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の請求項6に記載の発明について説明する。
図11は、本発明に関わる高周波増幅回路を用いた無線送信機器を示すブロック図である。所望のシステムで変調された送信信号、例えば5GHz帯を用いた無線LANシステムの場合、OFDM変調された送信信号が変調器43から高周波増幅回路15の入力端子30に入力される。
また、高周波増幅器13で増幅された信号は、実施の形態1から4で示したように、送信信号周波数の整数倍の周波数帯域で発生する高調波帯で減衰極を持つように構成された高調波処理回路14を通過する。ここで、送信信号の周波数帯は透過し、送信信号周波数の整数倍で発生する高調波を減衰させることができる。高調波処理回路14で高調波スプリアスが抑圧された送信信号は、アンテナ接続端子31に接続したアンテナ44を介して放射される。
このような無線送信機器において、高調波スプリアスの抑圧で良好な特性を持ち、安価で小型な回路構成で実現できる高調波処理回路14を含む高周波増幅回路15を用いるため、良好な特性を保ちながら小型の無線送信機器を実現することができる。
本発明は、高周波増幅回路に含まれる高調波スプリアスの抑圧を行う高調波処理回路において、チップコンデンサの配置する位置を変えることで、高調波の周波数帯における減衰極(LC共振周波数)の微調整が可能となり、安定した減衰特性を持つ高調波処理回路を実現することができる。これにより、別途チップ部品や基板パターンによるLC共振素子を設ける必要がなくなるため、小型かつ安価な高周波増幅回路を実現することができるという効果を有し、それを用いた無線送信機器において有用である。
本発明の実施の形態1における高周波増幅回路の構成を示す斜視図とブロック図 本発明の実施の形態1における高周波増幅回路において、高調波処理回路の等価回路構成を示す図 本発明の実施の形態1および2における高周波増幅回路において、送信信号の2次高調波の周波数帯に対する減衰特性を示す図 本発明の実施の形態1における高周波増幅回路に含まれる高調波処理回路の構成を示す上面図 本発明の実施の形態2における高周波増幅回路に含まれる高調波処理回路の構成を説明するための上面図 本発明の実施の形態3におけるチップコイルの等価回路の構成を示す図 本発明の実施の形態3において、送信信号の2次高調波および3次高調波の周波数帯に対する減衰特性を示す図 本発明の実施の形態3におけるチップコイルの等価回路の構成を示す図 本発明の実施の形態4における高周波増幅器の出力整合回路と、高調波処理回路が接続された構成を示す図 本発明の実施の形態4における出力整合回路の構成の一例を示す図 本発明の実施の形態5における高周波増幅器を用いた無線送信機器の構成を示す図 従来の高周波増幅回路の構成を示す図
符号の説明
12 基板
13 高周波増幅器
14 高調波処理回路
15 高周波増幅回路
16 出力端子
17 第1のチップコンデンサ
18 チップコイル
19 第2のチップコンデンサ
20 第1のグランド
21 第2のグランド
22 第1のビア
23 第2のビア
24 基板の内層
25 増幅器
26 入力端子
27 入力整合回路
28 出力端子
29 出力整合回路
30 入力端子
31 アンテナ接続端子
32 第1の寄生インダクタンス
33 第2の寄生インダクタンス
34 第1の内層グランドパターン
35 第2の内層グランドパターン
36 ストリップライン
38 2次高調波帯域
39 マイクロストリップライン
40 3次高調波帯域
41 コイル
42 コンデンサ
43 変調器
44 アンテナ
Ls1,Ls2,Ls3 直列インダクタンス成分
Cs1 直列キャパシタンス成分
Cp1,Cp2 並列キャパシタンス成分
Rs1 直列抵抗成分
Rp1 並列抵抗成分

Claims (6)

  1. 基板と、この基板上に設けられ入力信号を受けて増幅するための高周波増幅器と、前記基板上に設けられ前記高周波増幅器から発生する高調波を減衰するための高調波処理回路とを備えた高周波増幅回路において、前記高調波処理回路は、前記高周波増幅器の出力端子に第1のチップコンデンサの一端とチップコイルの一端を、前記高調波処理回路の出力端子に前記チップコイルの他端と第2のコンデンサの一端をそれぞれ接続するとともに、前記第1のコンデンサの他端を第1のグランドに、前記第2のコンデンサの他端を第2のグランドにそれぞれ接続しており、前記第1のグランドは、第1の内層グランドパターンを第1のビアで、前記第2のグランドは、第2の内層グランドパターンを第2のビアを介して接続し、前記第1の内層グランドパターンと前記第2の内層グランドパターンは、直流では同電位、高周波帯ではハイインピーダンスとなるようなストリップラインで接続された構成であり、前記第1のチップコンデンサと前記第2のチップコンデンサの配置する位置を変えることで、高調波処理回路の減衰極となる周波数帯域の微調整が可能となることを特徴とする高周波増幅回路。
  2. 第1のグランドおよび第2のグランドは、基板の表層パターン上において、直流では同電位、高周波帯ではハイインピーダンスとなるようなマイクロストリップラインで接続された構成であり、第1のコンデンサと第2のコンデンサの配置する位置を変えることで、高調波処理回路の減衰域となる周波数帯域の調整が可能となることを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅回路。
  3. 高調波処理回路に用いるチップコイルは、前記チップコイルのインダクタンスと、前記チップコイルの端子間に寄生するキャパシタンスにより決定される自己共振周波数を利用して、前記高調波処理回路の減衰極を決定することを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅回路。
  4. 高調波処理回路に用いるチップコンデンサは、前記チップコンデンサのキャパシタンスと、前記チップコンデンサの端子に寄生するインダクタンスとにより決定される自己共振周波数を利用して、前記高調波処理回路の減衰極を決定することを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅回路。
  5. 高調波処理回路は、高周波増幅器の出力整合回路の一部として用いられることを特徴とする請求項3および4に記載の高周波増幅回路。
  6. 少なくとも変調器、高周波増幅回路、アンテナからなる送信機器のうち、請求項1から5のいずれかに記載の高周波増幅回路を用いたことを特徴とする無線送信機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009021938A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Alps Electric Co Ltd 負帰還増幅回路
KR100965808B1 (ko) 2007-01-25 2010-06-24 리서치 인 모션 리미티드 전자 장치의 라디오 주파수 송신을 제어하는 시스템 및방법
JP2017046091A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 日本電信電話株式会社 増幅器

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