JP2006196858A - リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法 - Google Patents

リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 加熱炉体を各温度ゾーンに区切るのを不要としながらも正確で迅速に温度プロファイル制御を可能とするリフローはんだ付け装置を提供する。
【解決手段】 気体混合部5により混合比が制御されて送り出された混合水蒸気34は、配管36を通り、リフロー炉部6内に配置されたプリント配線基板40に吹き付けられる。したがって、気体混合部5にあって混合比を温度調整制御に基づいて可変して混合加熱水蒸気34の温度を制御することにより、プリント配線基板40の温度プロファイルを制御することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、リフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法に関し、特にリフロー炉を複数の温度ゾーンに区切る必要がないリフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法に関する。
例えば、表面実装デバイス等の電子部品をプリント配線基板に導電接続して機械的に固定する方法としては、リフローはんだ付け方法がある。予めはんだペーストが印刷されたプリント配線基板に、デバイスのリードや電極を位置合わせして搭載し、プリント配線基板毎に加熱し、一括してはんだを溶融・凝固させることでリードや電極をプリント配線基板にはんだ付けする方法である。このリフローはんだ付け方法を行うリフローはんだ付け装置は、下記特許文献1に記載されているように、加熱炉を複数のゾーンに分けている。
従来、リフローはんだ付け装置においては、未はんだなどのはんだ付けにおける問題の解決のため温度プロファイルと呼ばれる適切な加熱温度、加熱時間によりはんだ温度制御を行いはんだ付けをしている。
特に、ブロー温度制御の温度プロファイル設定のように短時間での昇温、冷却が困難との理由もあり、前記温度プロファイルを達成するため、リフローはんだ付け装置では、例えば、下記特許文献1に記載のように、リフロー炉内を仕切り等で各温度ゾーンに区分けし、温度プロファイルが達成できるようにしている。
図13には特許文献1に記載されている、従来のリフローはんだ付け装置100の概略構成を示す。このリフローはんだ付け装置100は、加熱用の炉体101を第1の予備加熱ゾーン102、第2の予備加熱(恒温加熱)ゾーン103、溶融加熱ゾーン104に分けている。プリント配線基板105には、上述したように予めはんだペーストが印刷されており、デバイスのリードや電極が位置合わせして搭載されている。このプリント配線基板105は、コンベアに載せられて第1の予備加熱ゾーン102、第2の予備加熱ゾーン103及び溶融加熱ゾーン104を搬入されていく。
第1の予備加熱ゾーン102は、室温とほぼ同温度で搬入口102Bから搬入されたプリント配線基板105を下面に設けたヒータ102Aにより所定時間で約150℃まで加熱する。第2の予備加熱ゾーン103は、第1の予備加熱ゾーン102から搬入口103Bを通して搬入されたプリント配線基板105を下面に設けたヒータ103Aにより所定時間150℃〜160℃に保つ。溶融加熱ゾーン104は、第2の予備加熱ゾーン103から搬入口104bを通して搬入されたプリント配線基板105を所定時間で約160℃〜220℃まで加熱する。
このようにしてプリント配線基板105は、第1の予備加熱ゾーン102、第2の予備加熱ゾーン103及び溶融加熱ゾーン104内にそれぞれ所定の時間滞在して所定の温度プロファイルを達成することにより、プリント配線部に印刷されたはんだを溶融しリードや電極をプリント配線基板105上にはんだ付けする。
また、特許文献2には、はんだを加熱する熱媒体として水蒸気を用い、加熱用の炉体の内部に予備加熱工程部とリフロー工程部とを備え、予備加熱工程部にはさらに昇温部と均温部とを有している構成のリフローはんだ付け装置が記載されている。各工程内にはプリント配線板を加熱する加熱手段をそれぞれ備えている。予備加熱工程部でプリント配線板を150℃程度に加熱し、その後にリフロー工程部でプリント配線板を210〜250℃程度に加熱している。
また、特許文献3には、同じくはんだを加熱する熱媒体として水蒸気を用い、加熱炉の内部に予備加熱室と、隣接して設けられている水蒸気加熱室とを備えている構成のリフローはんだ付け装置が記載されている。予備加熱室では、基板を例えば120〜150℃程度に加熱し、水蒸気加熱室では例えば210〜250℃程度に加熱している。
さらに、鉛フリーはんだを使用する場合には、はんだ溶融温度が高くなり、電子部品の耐熱温度付近にまで加熱しなければならない。
特開平9−172253号公報 特開2002−263832号公報 特開2003−152327号公報
ところで、上記特許文献1〜特許文献3に記載されたリフローはんだ付け装置にあっては、上述したようにリフロー炉内を仕切り等で各温度ゾーンに区分けし、温度プロファイルが達成できるようにしているので、より正確な温度プロファイルを要求され、また高密度実装化された基板に対しては熱容量などの違いから炉体の温度区分け(ゾーン)数が増大の傾向にある。
したがって、リフローはんだ付け装置の温度管理は、炉体の温度区分け(ゾーン)数が増大する傾向から、多岐にわたり、構造も複雑化し、装置外形及びエネルギー消費の増大化を招いている。
また、鉛フリーはんだ対応や高密度実装基板対応などによるはんだ酸化抑制のために不活性ガスを充填(例えば窒素ガス充填が実用化されている)し、低酸化雰囲気化でのはんだ付けを行っているリフローはんだ付け装置の例もあるが、前述のように、炉体の温度区分け(ゾーン)数が増大する傾向からリフロー装置の体積増大により、不活性ガス消費の増大化を招いている。
また、鉛フリーはんだ対応や高密度実装基板対応等によるはんだ酸化抑制の為に不活性ガス(例えば窒素ガス、本発明では水蒸気)を加熱、充填してはんだ付けを行うが、この時水蒸気は窒素ガスと比較し、水(液体)から水蒸気(気体)まで加熱するために膨大なエネルギー(蒸発熱)が必要となる。したがって、はんだ付けの為に充填した水蒸気を回収、再利用することが考えられる。
しかしながら、リフロー炉内部への基板の出し入れなどがあり、すべての水蒸気を回収することは不可能である。また、基板冷却時においては、水蒸気により基板表面に結露するのを防ぐために水蒸気以外の媒体(空気、窒素など)で冷却する必要がある。このため、バッチ型リフロー装置では水蒸気供給の瞬時停止、水蒸気量高速制御が求められる。
従来の水蒸気発生器は、さまざまな形態のものがあるが基本的には、水蒸気連続安定量発生は可能であるが、瞬時発生、停止及び高速水蒸気制御は困難であった。従来の方法ではある一定量の水蒸気を常に発生させて配管経路途中に流量制御弁や給止弁を設けて行っている。この方法では水蒸気停止時、流量絞り時において余剰蒸気を捨てるしかない。また回収するにしても水蒸気貯蓄タンクを加熱し続ける必要と、貯蓄タンク分のスペースが必要となる。
このことは、常に水から水蒸気への加熱の為に莫大なる蒸発熱分のエネルギーを消費することになり、はなはだ非効率であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、加熱炉体を各温度ゾーンに区切るのを不要としながらも正確で迅速に温度プロファイル制御を可能とするリフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法の提供を目的とする。
また、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、瞬時に水蒸気供給、停止が可能で、かつ水蒸気量調整が可能なリフローはんだ付け装置の提供を目的とする。
また、本発明は、水蒸気を再加熱し、乾き蒸気化及び加熱水蒸気化することによりドレン排出量を低減化するリフローはんだ付け装置の提供を目的とする。
さらに、本発明は、余剰蒸気の排出を無くし、ドレン量低減による効率化を実現できるリフローはんだ付け装置の提供を目的とする。
本発明に係るリフローはんだ付け装置は、上記課題を解決するために、リフローはんだ付け装置において、気体を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱部と、気体を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱部と、上記第1の加熱部によって加熱された気体と上記第2の加熱部によって加熱された気体を混合する気体混合部と、電子部品が実装された基板を配置し、当該基板に対して上記気体混合部によって混合された気体が吹き付けられて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするリフロー炉部とを備える。
気体混合部は第1の加熱部からの気体と第2の加熱部からの気体を混合する。このため、気体の温度制御が容易となる。リフロー路内部では、気体混合部からの混合気体を電子部品が実装された基板に吹き付ける。
本発明に係るリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法は、上記課題を解決するために、気体を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱工程と、気体を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱工程と、上記第1の加熱工程によって加熱された気体と上記第2の加熱工程によって加熱された気体を混合する気体混合工程と、電子部品が実装された基板をリフロー炉内部に配置し、当該基板に対して上記気体混合工程によって混合された気体を吹き付けて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするはんだ付け工程と、上記はんだ付け工程が行われるリフロー炉内部に配置された上記基板に対する上記混合気体の吹き付け温度を測定する温度測定工程と、上記温度測定工程によって測定された温度に応じて上記気体混合工程における上記混合比を可変し、上記基板への混合気体の吹き付け温度を制御する温度制御工程とを備える。
本発明に係るリフローはんだ付け装置は、上記課題を解決するために、リフローはんだ付け装置において、微粒子状態で噴霧された水を電熱ヒータにより加熱して水蒸気を発生する水蒸気発生器と、上記水蒸気発生器により発生された水蒸気を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱部と、上記水蒸気発生器により発生された水蒸気を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱部と、上記第1の加熱部によって加熱された気体と上記第2の加熱部によって加熱された気体を混合する気体混合部と、電子部品が実装された基板を配置し、当該基板に対して上記気体混合部によって混合された気体が吹き付けられて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするリフロー炉部とを備える。
水蒸気発生器は微粒子状態で噴霧された水を電熱ヒータにより加熱して水蒸気を発生する。第1の加熱部は水蒸気発生器により発生された水蒸気を500℃〜600℃の高温で加熱する。第2の加熱部は水蒸気発生器により発生された水蒸気を25℃〜150℃の低温で加熱する。気体混合部は第1の加熱部からの気体と第2の加熱部からの気体を混合する。このため、気体の温度制御が容易となる。リフロー路内部では、気体混合部からの混合気体を電子部品が実装された基板に吹き付ける。また、瞬時に水蒸気供給、停止が可能でかつ、水蒸気量調整が可能である。
本発明によれば、加熱炉体を従来のように各温度ゾーンに区切るのを不要としながらも正確で迅速に温度プロファイル制御を可能とするリフローはんだ付け装置及びリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法を提供できる。
詳細には、リフロー炉を従来のように複数の温度ゾーンに区切る必要なく、温度プロファイル制御が可能となる。複数の温度ゾーンを不要とするので、従来のように炉内温度制御時に隣接した温度ゾーンなどによる温度制御外乱がなくなる。つまり、熱的に閉じた系にしやすくなる。また、各品種の基板の温度プロファイル制御調整が簡易化できる。また、温度プロファイル制御時の温度バラつきなどの精度を向上できる。また、温度区切りゾーンをなくし、リフロー炉を単一化したことにより、リフロー炉及び装置全体を小型化、簡易化できる。さらに、ヒーターの数の削減により省エネルギー化を実現できる。
本発明に係るリフローはんだ付け装置によれば、瞬時に水蒸気供給、停止が可能で、かつ水蒸気量調整が可能となる。また、水蒸気を再加熱し、乾き蒸気化及び加熱水蒸気化することによりドレン排出量を低減化できる。さらに、余剰蒸気の排出を無くし、ドレン量低減による効率化を実現できる。
以下、本発明を実施するためのいくつかの最良の形態を説明する。第1の実施の形態は、はんだを加熱する熱媒体として、弱不活性雰囲気を形成する気体である水蒸気を用い、かつ二つの気体(水蒸気)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(水蒸気)の混合量を調整することにより気体(水蒸気)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うリフローはんだ付け装置である。
図1にあって、リフローはんだ付け装置1は、水蒸気を発生させる水蒸気発生器2と、水蒸気発生器2によって生成された水蒸気を加熱し、一方は高温の加熱水蒸気を発生させ、他方は低温の加熱水蒸気を発生させる二つの加熱部(以下、適宜、第1の加熱部3、第2の加熱部4という)と、第1の加熱部3と第2の加熱部4によって発生された異なる温度の加熱水蒸気を混合する気体混合部5と、気体混合部5出口側にプリント配線基板を配置し、はんだ付けを行うリフロー炉部6とを備えてなり、上記リフロー炉部6内に配置されたプリント配線基板に上記気体混合部5で混合された加熱水蒸気を吹き付けて、プリント配線基板上に実装された電子部品を基板上に形成された導電パターンにはんだ付けする。
水蒸気発生器2は、二つの加熱部(第1の加熱部3と第2の加熱部4)の前に備えられており、水槽7からポンプ8によって浄化軟水機9を通して汲み上げられた水をヒータ2Aによって約100℃に加熱して水蒸気を発生する。この際、水蒸気発生器2内の水量は水量監視センサ10によって監視されており、浄化軟水機9で浄化された水が入り込む量を上記水量監視センサ10からのセンサ値に基づいて水量調整部11により調整している。また、水蒸気発生器2内の水の温度は、温度センサ12により検出されており、温度センサ12は温度調節機13に接続している。温度調節機13は、温度センサ12によって検出された温度値が予め設定された温度範囲内になるようにヒータ2Aと電源間14のスイッチ15をオン、オフ制御することにより、水蒸気発生器2内の水の温度を調節する。
二つの加熱部3,4の内、高温の加熱水蒸気を発生させる第1の加熱部3は、水蒸気発生器2からの水蒸気を500℃〜600℃の高温で加熱する。また、低温の加熱水蒸気を発生させる第2の加熱部4は、水蒸気発生器2からの水蒸気を25℃〜150℃の低温で加熱する。これら二つの加熱部3,4は、水蒸気の配管自身を電熱ヒータ3A,4Aで加熱する。あるいは、配管内部にコイル状に電熱ヒータを配置し、水蒸気を加熱してもよい。各電熱ヒータ3A,4Aの制御は、各加熱部3,4の出口側に配置した各温度センサ16,20に接続した各温度調節機17,21によって行われる。各温度調節機17,21は、各温度センサ16,17によって検出された温度値に基づいてヒータ3A,4Aと電源18,22間のスイッチ19,23をオン、オフ制御することにより、各加熱部3,4の加熱温度を調節する。ただし、本実施の形態では、加熱能力の理由からある設定温度の一定温度保持のみを行っている。
気体混合部5は、第1の加熱部3によって加熱された水蒸気と第2の加熱部4によって加熱された水蒸気を、混合比を可変して混合する。具体的に、気体混合部5は、図2に示すような3方弁を有する混合バルブ24を備えてなる。図2(a)は3方弁の混合バルブ24を有する気体混合部5の水蒸気の流れる方向に沿った断面図である。図2(b)は気体混合部5の混合バルブ24を開閉するバルブ開閉モータ25と温度調節機26の接続状態を表す側面図である。
図2(a)に示すように、気体混合部5が備える混合バルブ24は、第1の加熱部3からの高温加熱水蒸気28が配管29を通って流れ込んでくる一方の流入路30と、第2の加熱部4からの低温加熱水蒸気31が配管32を通って流れ込んでくる他方の流入路33と、上記一方の流入路30と他方の流入路33とを一つに、上記高温加熱水蒸気28と低温加熱水蒸気31とを合流させ、かつ混合水蒸気34を配管36に流出させる合流流出路(以下、単に合流路と記す)35とを、Y字状に形成してなる。混合バルブ24の一方の流入路30は上記高温加熱水蒸気28が流れてくる配管29よりも、径の小さい管状であり、また他方の流入路33も上記低温加熱水蒸気31が流れてくる配管32よりも、径の小さい管状である。また、混合バルブ24の合流路35も、混合水蒸気34が流れ出て行く配管36よりも径の小さい管状である。混合バルブ24は、バルブ開閉モータ25の回転軸37にその中心点を接続させており、中心点Oを中心にしてバルブ開閉モータ25の回転にしたがい図2(a)に記す矢印R又はL方向に回転する。バルブ開閉モータ25は、温度調節機26によってその開閉度が制御される。温度調節機26は、上記混合水蒸気34が流れ出ていく配管36中に配置された温度センサ27からの検出温度値に基づいて、上記検出温度値が設定された所望温度になるようにバルブ開閉モータ25を制御し、上記混合バルブ24の上記一方の流入路30及び他方の流入路33の、上記配管29及び配管32に対する通気口38及び39の広さを可変する。つまり、この気体混合部5は、3方弁バルブ(混合バルブ)24の開閉度をバルブ開閉モータ25により可変し、第1の加熱部3によって加熱された水蒸気28と第2の加熱部4によって加熱された水蒸気31の混合量を可変することができる。さらに言えば、混合水蒸気温度34を低温加熱水蒸気温度から高温加熱水蒸気温度まで任意に温度調整することが可能となる構造を採る。
温度調節機26の温度調整制御は、上記温度センサ27の温度が設定された温度になるように演算し、その結果からバルブ開閉モータ25を制御することにより、バルブ開閉量を制御、つまり混合加熱水蒸気温度を制御する。
図3には、上記温度調整制御に基づいて混合バルブ24をバルブ開閉モータ25により回転することにより、高温加熱水蒸気28と低温加熱水蒸気31の混合量が調整され、温度調整が行われる状態を示す。特に、図3(a)は、温度調整制御に応じて高温加熱水蒸気28と低温加熱水蒸気31の混合比を5:5とするときの状態を示している。バルブ開閉モータ25により、上記混合バルブ24の上記一方の流入路30及び他方の流入路33の、上記配管29及び配管32に対する通気口38及び39の広さが等しくされている。図3(b)は、同じく温度調整制御に応じて高温加熱水蒸気28と低温加熱水蒸気31の混合比を9:1とするときの状態を示している。バルブ開閉モータ25により、上記混合バルブ24の上記一方の流入路30及び他方の流入路33の、上記配管29及び配管32に対する通気口38及び39の広さが、9:1とされている。図3(c)は、同じく温度調整制御に応じて高温加熱水蒸気28と低温加熱水蒸気31の混合比を1:9とするときの状態を示している。バルブ開閉モータ25により、上記混合バルブ24の上記一方の流入路30及び他方の流入路33の、上記配管29及び配管32に対する通気口38及び39の広さが、1:9とされている。
気体混合部5により混合比が制御されて送り出された混合水蒸気34は、図4に示すように、配管36を通り、リフロー炉部6内に配置されたプリント配線基板40に吹き付けられる。したがって、気体混合部5にあって上記混合比を温度調整制御に基づいて可変して混合加熱水蒸気34の温度を制御することにより、プリント配線基板40の温度プロファイルを制御することができる。
リフロー炉部6は、図4に断面を示すように、上記混合水蒸気34を路内に配置されたプリント配線基板40に均一に吹き付けるために多孔性の通気部材41を設けている。多孔性通気部材41の直後にプリント配線基板40が配置されていることになる。リフロー路部6内にてプリント配線基板40に吹き付けられた上記混合加熱水蒸気34は出口42から図1に示した冷却部43に導入され冷却されたのち大気に開放される。
図5は、バルブ開閉量に対しての混合水蒸気温度の測定実験結果を示す相関図である。第1の加熱部3によって加熱された高温水蒸気温度を500℃、第2の加熱部4によって加熱された低温水蒸気温度を125℃と設定し測定を行った結果である。横軸は高温水蒸気28が入り込む、一方の流入路30側から見たバルブ開閉量(%)を示す。縦軸は温度センサ27によって測定された温度(℃)を示す。実線は実験値であり、波線は理想値である。この結果から、ほぼバルブ開閉量と混合水蒸気温度は比例関係にあると言える。また、バルブ開閉量90%(高温水蒸気量:低温水蒸気量=9:1)のときの混合温度は385℃であり、上記第1の加熱部3によって加熱された高温水蒸気温度500℃との差が大きいことが判る。これは配管29や気体混合部5における熱損失によるものである。理想的には、混合温度は、「(500℃−125℃)×バルブ開閉度+125℃」となり、バルブ開閉率90%のときには、波線の特性(理想値特性)が示すように462.15℃となるはずである。しかし、実線で示した実験値では、上記熱損失分を指し引いた温度となる。
また、その熱損失量は、バルブ開閉量を大きく(高温水蒸気量を多く)するに従い増加する。例えば、バルブ開閉量が30%であるとき、混合温度の理想値237.5℃に対する実験値は225℃であり、その差は12.5℃である。バルブ開閉率が90%のときには、その差は、77.15℃となる。以上に説明した、熱損失は温度ばらつきの要因となるので気体混合部5では熱容量を少なくまた断熱性に十分考慮しておかなければならない。
また、理想値と実験値との関係を利用して所望の混合温度を得るためにバルブ開閉量を補正することができる。例えば、図5にあって、混合温度200℃を得るためには理想的にはバルブ開閉量を20%とするべきであるが、実験では23%の開閉量が必要であった。よって、バルブの開閉量を23%と補正すれば混合温度200℃を得ることができる。同様に、混合温度350℃を得るためには、理想的にはバルブ開閉量を60%とすべきであるが、実験では80%の開閉量が必要であった。よって、バルブの開閉量を80%と補正すれば混合温度350℃を得ることができる。
設定温度を低温(130℃)〜高温(330℃)までとし、温度切替時間を0秒と設定した場合の実際の温度勾配の変化を測定した。その結果に基づいた温度最大変化率特性を図6に示す。横軸は時間(秒:s)であり、縦軸は温度(℃)である。実線が実験値であり、波線が設定温度である。バルブ動作としては、約0.3秒で動作完了する。
実験では、25秒から30秒までの5秒間に150℃から305℃まで温度を上げることができた。よって1秒間に約30℃だけ上昇させることができる。また、55秒から60秒までの5秒間に320℃から150℃まで下げることができた。よって1秒間に約30℃だけ下降させることができる。つまり、実験の結果、図1の構成のリフローはんだ付け装置1によれば、30℃/sの温度勾配で混合水蒸気温度を制御できることが判る。
図7は、ある種類のはんだ推奨温度プロファイル(Re-Pr)に対し、本実施の形態においての理論ブロー温度(Bl-Te)とそのときの理論はんだ表面温度(Su-Te)である。
推奨温度プロファイル(Re-Pr)を達成するための理論ブロー温度(Bl-Te)に基づいて混合温度を0から16秒までの16秒間で250℃から300℃まで上げ、300℃を16秒から42秒まで保持する。42秒から54秒までの12秒間で300℃から175℃まで下げ、54秒から60秒まで175℃を保持する。60秒から67.5秒までの7.5秒間で175℃から250℃まで上げる。67.5秒から90秒まで250℃を保持する。90秒から110秒までの20秒間で250℃から450℃まで上げ、110秒から120秒まで450℃を保持する。
このとき、表面温度(Su-Te)は、はんだ溶融温度240℃〜250℃までに達する。その後、冷却工程に入り、より推奨プロファイル温度(Re-Pr)に近づける。このときは、ほぼ常温(室温:25℃)空気ブローにするために、プリント配線基板40をリフロー炉6より搬出する。リフロー炉6よりプリント配線基板40を搬出し、常温にすることで冷却し、表面温度(Su-Te)を推奨プロファイル(Re-Pr)に近づけることができる。
時間120s付近(はんだは溶融し濡れ拡がった状態)までは当然のことながら低酸素濃度雰囲気(酸化防止)が必要であるが、濡れ拡がった後は必要がない。酸化防止の意味は、はんだが溶融し始めて濡れ拡がる温度のときまでに、はんだ表面に酸化膜が形成されていると、酸化膜は溶融せず、内部のはんだのみ溶融という状態になり濡れ拡がらなくなるのを防止することである。つまり、表面温度(Su-Te)がはんだ溶融温度240℃までに達し、はんだが濡れ拡がった後は酸化防止の必要はないので、120s付近でリフロー炉外へプリント配線基板40を搬出して冷却することは問題ないし、搬出はコンベアや、ターンテーブルを使うことで可能である。
このような理論ブロー温度(Bl-Te)により、得られたはんだ表面温度(Su-Te)は、0から16秒までの16秒間で25℃(常温)から75℃まで上昇し、42秒から54秒まででも上昇を続ける。さらに、上記推奨温度プロファイル(Re-Pr)に近似しながら上昇し、120秒でピークの250℃となる。そして120秒から150秒までで160℃ほどに下がる。
この場合の温度勾配は、冷却工程で常温に戻すのを除けば、最大で6.5℃/sであり、本実施の形態のリフローはんだ付け装置の温度勾配は十分対応できることがわかる。
以上に説明したように、第1の実施の形態のリフローはんだ付け装置は、はんだを加熱する熱媒体として、弱不活性雰囲気を形成する気体である水蒸気を用い、かつ二つの気体(水蒸気)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(水蒸気)の混合量を調整することにより気体(水蒸気)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うので、リフロー炉を従来のように複数の温度ゾーンに区切る必要なく、温度プロファイル制御が可能となる。複数の温度ゾーンを不要とするので、従来のように炉内温度制御時に隣接した温度ゾーンなどによる温度制御外乱がなくなる。つまり、熱的に閉じた系にしやすくなる。また、各品種の基板の温度プロファイル制御調整が簡易化できる。また、温度プロファイル制御時の温度バラつきなどの精度を向上できる。また、温度区切りゾーンをなくし、リフロー炉を単一化したことにより、リフロー炉及び装置全体を小型化、簡易化できる。さらに、ヒーターの数の削減により省エネルギー化を実現できる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、はんだを加熱する熱媒体として、不活性雰囲気を形成する気体である窒素を用い、かつ二つの気体(窒素)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(窒素)の混合量を調整することにより気体(窒素)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うリフローはんだ付け装置である。
図8にあって、このリフローはんだ付け装置50は、窒素を発生させる気体発生部51と、気体発生部51で発生された窒素を例えば100℃に加熱するヒータ52を備えている点が図1に示したリフローはんだ付け装置1と異なる。他の構成は図1に示した構成と同様である。
二つの加熱部3,4の内、高温の窒素を発生させる第1の加熱部3は、ヒータ52で100℃まで加熱された窒素を500℃〜600℃の高温で加熱する。また、低温の窒素を発生させる第2の加熱部4は、ヒータ52からの窒素を25℃〜150℃の低温で加熱する。
気体混合部5は、第1の加熱部3によって加熱された窒素と第2の加熱部4によって加熱された窒素を、混合比を可変して混合する。
気体混合部5により混合比が制御されて送り出された混合窒素は、図4に示すように、配管36を通り、リフロー炉部6内に配置されたプリント配線基板40に吹き付けられる。したがって、気体混合部5にあって上記混合比を温度調整制御に基づいて可変して混合窒素の温度を制御することにより、プリント配線基板40の温度プロファイルを制御することができる。
ただし、窒素の比熱は水蒸気の比熱とことなるので、リフロー炉部6内に必要とされる窒素量はかなり多くなる。
以上に説明したように、第2の実施の形態のリフローはんだ付け装置は、はんだを加熱する熱媒体として、不活性雰囲気を形成する気体である窒素を用い、かつ二つの気体(窒素)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(窒素)の混合量を調整することにより気体(窒素)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うので、リフロー炉を従来のように複数の温度ゾーンに区切る必要なく、温度プロファイル制御が可能となる。複数の温度ゾーンを不要とするので、従来のように炉内温度制御時に隣接した温度ゾーンなどによる温度制御外乱がなくなる。つまり、熱的に閉じた系にしやすくなる。また、各品種の基板の温度プロファイル制御調整が簡易化できる。また、温度プロファイル制御時の温度バラつきなどの精度を向上できる。また、温度区切りゾーンをなくし、リフロー炉を単一化したことにより、リフロー炉及び装置全体を小型化、簡易化できる。さらに、ヒーターの数の削減により省エネルギー化を実現できる。ただし、窒素量は水蒸気よりも多く必要とされる。
なお、第2の実施の形態の変形例としては、はんだを加熱する熱媒体として、不活性雰囲気を形成する気体である空気を用い、かつ二つの気体(空気)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(空気)の混合量を調整することにより気体(空気)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うリフローはんだ付け装置がある。図8の気体発生部51としてコンプレッサーを用い、ヒータ52にてコンプレッサーで発生された空気を例えば100℃に加熱する。残りの構成は、図8と同様である。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、はんだを加熱する熱媒体として、水蒸気又は窒素を用い、かつ二つの気体加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体の混合量を調整することにより気体の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行う図9に構成を示すリフローはんだ付け装置60である。上記第1の実施の形態のリフローはんだ付け装置1と、上記第2の実施の形態のリフローはんだ付け装置50を組み合わせた構成となる。三方弁61を備え、水蒸気発生2により発生された水蒸気と、気体発生部51により発生された窒素又は空気とを切り換えて第1の加熱部3及び第2の加熱部4に送る構成となっている。
以上に説明したように、第3の実施の形態のリフローはんだ付け装置は、はんだを加熱する熱媒体として、水蒸気又は窒素(又は空気)を用い、かつ二つの気体加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体の混合量を調整することにより気体の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行うので、リフロー炉を従来のように複数の温度ゾーンに区切る必要なく、温度プロファイル制御が可能となる。複数の温度ゾーンを不要とするので、従来のように炉内温度制御時に隣接した温度ゾーンなどによる温度制御外乱がなくなる。つまり、熱的に閉じた系にしやすくなる。また、各品種の基板の温度プロファイル制御調整が簡易化できる。また、温度プロファイル制御時の温度バラつきなどの精度を向上できる。また、温度区切りゾーンをなくし、リフロー炉を単一化したことにより、リフロー炉及び装置全体を小型化、簡易化できる。さらに、ヒーターの数の削減により省エネルギー化を実現できる。
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第1の実施の形態のリフローはんだ付け装置1と同様に、弱不活性雰囲気を形成する気体である水蒸気を用い、かつ二つの気体(水蒸気)加熱部を用いて、それぞれ加熱された気体(水蒸気)の混合量を調整することにより気体(水蒸気)の温度を制御し、リフロー炉内に送風し、はんだ温度のプロファイル制御を行う装置である。ただし、図10に示すように、水蒸気を発生させる水蒸気発生器72を用いている点が異なる。この水蒸気発生器72は、水蒸気供給システム71を構成するものであり、水槽73から水供給ポンプ74によって浄化軟水機75に汲み上げた水を、給止弁76を通し、さらに、水流量調整弁77によって流量調整してから受け取り、微粒子状態で噴霧してから電熱ヒータにより加熱して水蒸気を発生する。
ここで、水蒸気供給システム71の構成をまとめておく。水蒸気供給システム71は、水を貯めておく水槽73と、水槽73から水を汲み上げて供給する水供給ポンプ74と、水供給ポンプ74により汲み上げられた水を浄化して軟水にする浄化軟水機75とを備える。また、水蒸気供給システム71は、浄化軟水機75からの水を給止する水給止弁76と、水給止弁76から供給された水の流量を調整する水量調整弁77と、水蒸気発生器72とを備える。
水蒸気発生器72は、微粒子状態で水を噴霧する水噴霧部78と、水噴霧部78から噴霧された水を加熱し水蒸気化して第1の水蒸気を生成する第1の水蒸気生成部79と、第1の水蒸気生成部79により生成された第1の水蒸気を再加熱して第2の水蒸気を生成する第2の水蒸気生成部80とを有してなり、この第2の水蒸気生成部80により生成された第2の水蒸気を第1の加熱部3及び第2の加熱部4に供給する。
水噴霧部78は、水噴霧を給止する給止弁76を通過し、水流量調整弁77により流量が調整された水を噴霧する。
第2の水蒸気生成部80は、第1の水蒸気生成部79により生成された第1の水蒸気と水噴霧部78により噴霧された水が混合することにより発生する湿り蒸気を再加熱し、乾き蒸気化する。また、第2の水蒸気生成部80は、生成した第2の水蒸気の温度を制御する。
図11は水蒸気発生器72の具体例の構造図である。水蒸気発生器72は、微粒子状態で水を噴霧する水噴霧ノズル(水噴霧部の具体例)78と、水噴霧ノズル78から噴霧された水を内壁により加熱し水蒸気化して第1の水蒸気を生成する加熱パイプ(第1の水蒸気生成部の具体例)79と、加熱パイプ79により生成された第1の水蒸気を再加熱して第2の水蒸気を生成する加熱ノズル(第2の水蒸気生成部の具体例)80とを有してなり、この加熱ノズル80により生成された第2の水蒸気を第1の加熱部3及び第2の加熱部4に供給する。
このように、水蒸気発生器72は、円筒部79aを面状電熱ヒータ79bにより加熱されてなる加熱パイプ79の内部に水を粒子状に噴霧する水噴霧ノズル79を配置している。水噴霧ノズル79は、水蒸気供給システム71の構成要件でもある。水蒸気供給システム71は、水流量調整弁77と水噴霧を給止する給止弁76を水供給ポンプ74と水噴霧ノズル78との間に配置している。さらに、水蒸気発生器72は、加熱パイプ79の内部に、加熱パイプ79により発生した水蒸気とその水蒸気により巻き上げられた噴霧水を再加熱するために加熱パイプ出口に加熱ノズル80を配置した構造をとる。
加熱パイプ79は円筒部79aの外側に面状電熱ヒータ79bを巻いて加熱する構造をとる。あるいは円筒部79aの外殻部に穴加工し例えばカートリッジヒータを差込み加熱する形態をとってもよい。いずれも加熱パイプ79に接続された熱電対を温度調整器に接続し、加熱パイプ79の温度制御を行う。
噴霧ノズル78は加熱パイプ79内面に広範囲に均一に噴霧できるように中央部79fは排出しない円錐噴霧とする。
加熱ノズル80はノズル自身を電熱ヒータ80aにより加熱し、加熱ノズル80内部に熱電対を接続し、それを温度調整器に接続し温度制御を行う。また熱伝達をよくするために水蒸気加熱経路79cを多くとる構造とする。
以上の構成から、まず水噴霧ノズル78へ給止弁76を開き水を水供給ポンプ74にて供給し、所望の水蒸気発生量分の水量を水流量調整弁77にて制御して水噴霧水ノズル78より加熱パイプ79内壁に水を噴霧し、内壁79dより熱を吸収することにより水蒸気を発生させる。
この時、加熱パイプ79内部では水蒸気流が発生し水噴霧ノズル78による噴霧した水の一部を水蒸気が吸収してしまい、水分を含んだ湿り蒸気化となる。一部の水分は衝突しあい、水滴化し加熱パイプ79下端79eに落下することとなる。このことは、加熱パイプ79下端79eのみより多くの熱量が必要となって加熱パイプ79の熱分布不均一化となる。よって一部の内壁では熱量不足となり水噴霧ノズル78により噴霧された水を蒸気化することができなくなる。
図12には加熱パイプ79内部における水蒸気水分吸収過程を示す。汽水混合領域Area1、蒸気流領域Area2、水噴霧領域Area3および圧力増加領域Area4からなる。まず、汽水混合領域Area1で液化(水滴径増−各水微粒子衝突によるもの)により、内壁に到達する前に水が下に落下する。次に、蒸気流領域Area2により当然、蒸気出口側が最も圧力が低下し、噴霧された水粒子も出口側に引張られ、水粒子が舞い上がる。すると、舞い上がった水粒子同士が衝突し、粒径増加→水滴化→落下となる。舞い上がった水粒子と水蒸気が衝突しても、効率100%で熱交換しても当然のことながら舞い上がった水は蒸気となるが、蒸気は水となる。
仮に水がたまる箇所のみにヒーターの巻き密度を高密度化する方法も考えられるが、実際にはヒーターの熱量を効率よく加熱パイプ79を通して伝達させて蒸気化するのは難しく、かえって加熱パイプ及びヒーターの過熱を招き漏電等の不具合が生じる。
また、加熱パイプ79より発生した水蒸気は多くの水分を含む湿り蒸気となり、後工程までの配管経路内でドレンが多くたまりやすい。よって、第1の加熱部3及び第2の加熱部4で加熱熱量が増大し、制御効率が落ちることになる。
このような現象を防止するために、図11に示す水蒸気発生器72では、中央部に加熱ノズル80を配置し、内部空間体積の縮小化と水分を含んだ湿り蒸気の再加熱をし、水(液化)となっての水溜りを防ぎ加熱パイプ熱均一化を可能とする。つまり、図11に示した、水蒸気発生器72では、加熱パイプ79内壁で発生し噴霧水などを含む湿り蒸気を再度加熱し、乾き蒸気化するために加熱パイプ79出口部に電熱ヒーター80aにより加熱された加熱ノズル80を配置している。
加熱パイプ79内壁で発生した湿り蒸気は、この加熱ノズル80に開けられた無数の穴を通過することにより、再加熱され水分を水蒸気化する。この時加熱ノズル80の加熱温度を変化させることにより、加熱パイプ出口の水蒸気温度を制御することも可能である。例えば後工程までの配管経路で水蒸気が冷却され液化(ドレン)となることを防ぐことが可能である。
したがって、図11に示した構造の水蒸気発生器72によれば、所望の水蒸気量を瞬時に供給、停止可能で常圧の乾き蒸気を供給することが可能となる。この水蒸気発生器72で発生された乾き蒸気は、図10に示した第1の加熱部3及び第2の加熱部4に供給される。
したがって、第4の実施の形態のリフローはんだ付け装置70は、加熱炉体を従来のように各温度ゾーンに区切るのを不要としながらも正確で迅速に温度プロファイル制御を可能とする。さらに、瞬時に水蒸気供給、停止が可能で、かつ水蒸気量調整が可能となる。また、水蒸気を再加熱し、乾き蒸気化及び加熱水蒸気化することによりドレン排出量を低減化できる。さらに、余剰蒸気の排出を無くし、ドレン量低減による効率化を実現できる。
第1の実施の形態のリフローはんだ付け装置の構成図である。 気体混合部の構造を示す図である。 気体混合部により、高温加熱水蒸気と低温加熱水蒸気の混合量が調整され、温度調整が行われる状態を示す図である。 リフロー炉部の断面図である。 バルブ開閉量に対しての混合水蒸気温度の測定実験結果を示す相関図である。 温度最大変化率特性を示す図である。 ある種類のはんだ推奨温度プロファイル(Re-Pr)に対し、本実施の形態においての理論ブロー温度(Bl-Te)とそのときの理論はんだ表面温度(Su-Te)を示す図である。 第2の実施の形態のリフローはんだ付け装置の構成図である。 第3の実施の形態のリフローはんだ付け装置の構成図である。 第4の実施の形態のリフローはんだ付け装置の構成図である。 水蒸気発生器の具体例の構造図である。 水蒸気水分吸収過程を説明するための図である。 従来のリフローはんだ付け装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1,50,60 リフローはんだ付け装置、2 水蒸気発生器、3 第1の加熱部、4 第2の加熱部、5 気体混合部、6 リフロー炉、25 バルブ開閉モータ

Claims (13)

  1. リフローはんだ付け装置において、
    気体を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱部と、
    気体を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱部と、
    上記第1の加熱部によって加熱された気体と上記第2の加熱部によって加熱された気体を混合する気体混合部と、
    電子部品が実装された基板を配置し、当該基板に対して上記気体混合部によって混合された気体が吹き付けられて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするリフロー炉部と
    を備えることを特徴とするリフローはんだ付け装置。
  2. 上記気体混合部は、上記第1の加熱部によって加熱された気体と上記第2の加熱部によって加熱された気体を、混合比を可変して混合することを特徴とする請求項1記載のリフローはんだ付け装置。
  3. 上記気体混合部は、温度制御に応じて上記混合比を可変することを特徴とする請求項2記載のリフローはんだ付け装置。
  4. 上記リフロー炉部内の上記基板の近傍に温度測定手段を配置して上記気体混合部によって混合された気体の上記基板への吹き付け温度を測定し、上記測定温度に応じて上記気体混合部における上記混合比を可変し、上記基板への混合気体の吹き付け温度を制御することを特徴とする請求項2記載のリフローはんだ付け装置。
  5. 上記第1の加熱部及び上記第2の加熱部の前に水蒸気発生部を備えることを特徴とする請求項1記載のリフローはんだ付け装置。
  6. 上記水蒸気発生部と上記第1の加熱部及び上記第2の加熱部との間に三方弁を有し、三方弁の一方を水蒸気発生部と接続し、他方を窒素又は空気の供給口と接続し、少なくとも2種類の気体を基板の種類や条件に基づいて使い分けることを特徴とする請求項5記載のリフローはんだ付け装置。
  7. リフローはんだ付け装置において、
    微粒子状態で噴霧された水を電熱ヒータにより加熱して水蒸気を発生する水蒸気発生器と、
    上記水蒸気発生器により発生された水蒸気を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱部と、
    上記水蒸気発生器により発生された水蒸気を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱部と、
    上記第1の加熱部によって加熱された気体と上記第2の加熱部によって加熱された気体を混合する気体混合部と、
    電子部品が実装された基板を配置し、当該基板に対して上記気体混合部によって混合された気体が吹き付けられて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするリフロー炉部と
    を備えることを特徴とするリフローはんだ付け装置。
  8. 上記水蒸気発生器は、微粒子状態で水を噴霧する水噴霧部と、水噴霧部から噴霧された水を加熱し水蒸気化して第1の水蒸気を生成する第1の水蒸気生成部と、第1の水蒸気生成部により生成された第1の水蒸気を再加熱して第2の水蒸気を生成する第2の水蒸気生成部とを有してなり、この第2の水蒸気生成部により生成された第2の水蒸気を上記第1の加熱部及び第2の加熱部に供給することを特徴とする請求項7記載のリフローはんだ付け装置。
  9. 上記第2の水蒸気生成部は、上記第1の水蒸気生成部により生成された第1の水蒸気と上記水噴霧部により噴霧された水が混合することにより発生する湿り蒸気を再加熱し、乾き蒸気化することを特徴とする請求項8記載のリフローはんだ付け装置。
  10. 上記第2の水蒸気生成部は、生成した第2の水蒸気の温度を制御することを特徴とする請求項8又は9記載のリフローはんだ付け装置。
  11. 上記水噴霧部は、水噴霧を給止する給止弁を通過し、流量調整弁により流量が調整された水を噴霧することを特徴とする請求項1記載のリフローはんだ付け装置。
  12. 上記水蒸気発生器は、微粒子状態で水を噴霧する水噴霧ノズルと、水噴霧ノズルから噴霧された水を内壁により加熱し水蒸気化して第1の水蒸気を生成する加熱パイプと、加熱パイプにより生成された第1の水蒸気を再加熱して第2の水蒸気を生成する加熱ノズルとを有してなり、この加熱ノズルにより生成された第2の水蒸気を上記第1の加熱部及び第2の加熱部に供給することを特徴とする請求項7記載のリフローはんだ付け装置。
  13. リフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法において、
    気体を500℃〜600℃の高温で加熱する第1の加熱工程と、
    気体を25℃〜150℃の低温で加熱する第2の加熱工程と、
    上記第1の加熱工程によって加熱された気体と上記第2の加熱工程によって加熱された気体を混合する気体混合工程と、
    電子部品が実装された基板をリフロー炉内部に配置し、当該基板に対して上記気体混合工程によって混合された気体を吹き付けて上記電子部品を上記基板上に形成された導電パターンにはんだ付けするはんだ付け工程と、
    上記はんだ付け工程が行われるリフロー炉内部に配置された上記基板に対する上記混合気体の吹き付け温度を測定する温度測定工程と、
    上記温度測定工程によって測定された温度に応じて上記気体混合工程における上記混合比を可変し、上記基板への混合気体の吹き付け温度を制御する温度制御工程と
    を備えることを特徴とするリフローはんだ付け装置における温度プロファイル制御方法。
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