JP2006196572A - 発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造工程を従来よりも削減できる発光ダイオードを提供すること。
【解決手段】 SiC基板1上に、複数の半導体層としてのGaN(又はAlN)バッファ層、n型GaN層、n型AlGaN層、InGaN発光層2、p型AlGaN層及びp型GaN層を備え、p型GaN層の表面にp電極4を備えると共に、SiC基板1の下面にn電極5を備える。p型GaN層の表面から発光層2に達すると共にV字形断面を有する溝3を備える。溝3は、断面において発光層2が露出する第1の面3aと、この第1の面3aに対向する第2の面3bで形成され、第1の面3aは、最上層のp型GaN層の表面に対して略90°の角度を有する一方、第2の面3bは、第1の面3aに対して略45°の角度を有する。溝3は、最上層のp型GaN層の表面が接する気体と同じ気体に晒されている。
【選択図】図1

Description

本発明は発光ダイオードに関し、特に、輝度及び指向性を改善した発光ダイオードに関する。
従来、発光ダイオードの発光層の側面から放出される光の進行方向を表面側に向ける構造としては、表面から発光層に達するV字形溝を形成し、このV字形溝の第1の面に露出した発光層からの光を、上記V字形溝の第2の面に設けた反射膜で反射させるようにしたものがある。(例えば、特開平7−131066号公報:特許文献1参照)。上記発光ダイオードは、上記反射膜をアルミニウムで形成する一方、上記第1の面に保護膜としてのシリコン酸化膜を設けている。
しかしながら、上記従来の発光ダイオードは、製造時に、上記保護膜の形成のためにシリコン酸化物の成膜とパターニングを行い、かつ、上記反射膜の形成のためにアルミニウムの成膜とパターニングを行う必要があるので、工程数が多くて製造に手間がかかるという問題がある。
そこで、従来、側面からの放出光を表面側に向ける他の発光ダイオードとして、V字形溝の第2の面の反射膜を、化学的に安定な金で形成したものが提案されている(特開2004−95944号公報:特許文献2参照)。この発光ダイオードの製造工程では、第2の面に金からなる反射膜を形成した後、この反射膜が露出した状態で、酸化性溶液を用いた処理工程とアニール工程を行って、第1の面に保護膜を形成する。これにより、反射膜上にレジストを形成する工程を削除して、比較的少ない工程で発光ダイオードを製造するようにしている。
しかしながら、上記従来の発光ダイオードは、いずれも上記溝の第1の面と第2の面に保護膜と反射膜をそれぞれ形成するので、製造工程が依然として多いという問題がある。
特開平7−131066号公報 特開2004−95944号公報
そこで、本発明の課題は、製造工程を従来よりも削減できる上に、良好な輝度及び指向性を有する発光ダイオードを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の発光ダイオードは、基板と、
上記基板上に形成されていると共に、発光層を含む複数の半導体層と、
上記半導体層の最上層の表面から上記発光層に達する深さを有する溝とを備え、
上記溝は、上記発光層が露出する第1の面と、この第1の面に対向する第2の面とを有し、
上記溝内に、上記溝の第1の面と第2の面とに接する物質が位置していることを特徴としている。
上記構成によれば、上記溝内に位置する物質は、上記第1の面と第2の面とに接するので、従来のように第1の面と第2の面とに互いに異なる膜を形成する必要が無い。したがって、この発光ダイオードは、従来よりも少ない工程数で製造できる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記溝内の物質は、蛍光体である。
上記実施形態によれば、上記溝内に蛍光体を配置することにより、上記発光層の側面から出射された光が、所定の波長の光に変換されて表面側に出射される。したがって、従来よりも簡易な構成により、発光ダイオードの輝度を増大できる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記溝内の物質は、樹脂である。
上記実施形態によれば、上記溝内に樹脂を配置し、この樹脂として上記発光層からの出射光に対して透明な樹脂を用いることにより、上記発光層が露出する第1の面からの光を第2の面で反射させて表面側に出射させることができ、これにより、発光ダイオードの輝度と指向性を簡易な構成で向上できる。また、上記樹脂として着色された樹脂を用いることにより、上記発光層が露出する第1の面からの光の出射量を低減することができて、発光ダイオードの指向性を簡易な構成で向上できる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記半導体層はGaN系半導体からなり、
上記溝内の物質は、上記半導体層の最上層の表面が接する気体と同一の気体である。
上記実施形態によれば、上記GaN系半導体は比較的安定であるので、従来のように保護膜を設ける必要が無くて、上記半導体層の最上層の表面が接する気体と同一の気体に晒すことができる。また、上記GaN系半導体は、例えばエッチングによって平滑な面が得られるので、反射膜を設けることなく、第1の面の発光層が露出した部分からの光を平滑な上記第2の面で効率良く反射して、表面側に向けることができる。その結果、保護膜や反射膜が不要で比較的簡易に製造できる発光ダイオードが得られる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記溝は、V字形断面を有する。
上記実施形態によれば、上記V字形断面をする溝は比較的容易に形成できるので、輝度及び指向性が比較的良好な発光ダイオードが容易に得られる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記溝は、上記第1の面と第2の面との間の幅方向距離が上記半導体層の最上層から上記基板側に向かうにつれて狭まるように形成されていると共に、上記第1の面の下端と上記第2の面の下端とに連なる底を含むテーパ形状断面を有する。
上記実施形態によれば、上記溝はテーパ形状断面を有するので、この溝内に配置される例えば樹脂への応力集中を低減して、発光ダイオードの強度を向上できる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記第1の面の少なくとも上記発光層が露出する部分は、上記半導体層の最上層の表面に対して略90°の角度を有する。
上記実施形態によれば、上記第2の面の上記半導体層の最上面の表面に対する角度を調節することにより、上記発光層の側面から出射した光を高精度に上記表面側に向くように調節できる。
一実施形態の発光ダイオードは、同一の上記基板上に、複数の上記発光層と、上記発光層が露出する上記第1の面を各々有する複数の上記溝とを備え、
上記複数の溝に、複数の蛍光体が各々配置されている。
上記実施形態によれば、上記複数の蛍光体の種類及び量を調節することにより、所望の色の光を比較的簡易な構成によって得られる。また、上記複数の発光層及び上記複数の蛍光体を上記同一の基板上に配置するので、効果的に発光ダイオードの小型化を図ることができる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記複数の発光層は、分離溝によって互いに隔てられている。
上記実施形態によれば、上記複数の発光層を、分離溝によって簡易な構造で効果的に分離することができるので、所望の色の光を容易かつ確実に得ることができる。
一実施形態の発光ダイオードは、上記発光層、溝及び蛍光体を各々4個備え、
上記4個の蛍光体は、上記発光層からの光の色を各々赤、緑、青及び白色に変換する蛍光体である。
上記実施形態によれば、簡易な構成により、フルカラー発光の発光ダイオードが得られる。
本発明の発光ダイオードの製造方法は、
基板上に、発光層を含む複数の半導体層を形成する工程と、
上記半導体層の最上層から上記発光層に達する溝を形成する工程と、
上記溝内に、蛍光体を充填する工程とを備える。
上記構成によれば、上記溝の表面に、例えば保護膜や反射膜を形成することなく、少ない工程数で輝度及び指向性が良好な発光ダイオードが得られる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、上記溝は、エッチングによって形成する。
上記実施形態によれば、上記溝を従来より用いられる方法によって、容易に形成できる。
一実施形態の発光ダイオードの製造方法は、上記溝は、ダイシングによって形成する。
上記実施形態によれば、上記ダイシングを、例えばV字形断面またはテーパ形状断面を有する刃を用いて行うことにより、比較的高精度に所定形状を有する溝を形成できる。
以上のように、本発明の発光ダイオードは、発光層が露出する第1の面と、この第1の面に対向する第2の面とを有する溝内に、この第1の面と第2の面とに接する物質が位置しているので、従来のように第1の面と第2の面とに互いに異なる膜を形成する必要が無いから、従来よりも少ない工程数で容易に製造できる。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
各実施形態の発光ダイオードは、透明なサファイア(Al)基板又はSiC基板上に、GaN(又はAlN)バッファ層、n型GaN層、n型AlGaN層、ZnドープInGaN層(発光層)、p型AlGaN層及びp型GaN層を順に積層したものを用いることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の発光ダイオードを示す概略構成図である。この発光ダイオードは、SiC基板1上に、複数の半導体層としてのGaN(又はAlN)バッファ層、n型GaN層、n型AlGaN層、InGaN発光層2、p型AlGaN層及びp型GaN層が順次積層されており、このp型GaN層の表面にp電極4が形成されていると共に、上記SiC基板1の下面にn電極5が形成されている。上記InGaN発光層2は、上記n型AlGaN層上に形成されたZnドープInGaN層のうち、後述する溝3によって囲まれた部分で形成されている。なお、上記InGaN発光層2以外の半導体層は、互いの境界を図示していない。
上記SiC基板1上の半導体層には、上記発光層2に達すると共にV字形断面を有する溝3が形成されている。この溝3は、発光ダイオードの表面(p電極)側から見て上記p型電極2の周りを取り囲むように形成されている。また、上記溝3は、断面において発光層2が露出する第1の面3aと、この第1の面に対向する第2の面3bで形成されている。この第2の面3bは、発光ダイオードの表面側から見て外縁側に位置している。上記第1の面3aは、最上層のp型GaN層の表面に対して略90°の角度を有している。一方、上記第2の面3bは、上記第1の面3aに対して略45°の角度を有している。上記溝3は、図1に示すように、最上層のp型GaN層の表面が接する気体と同じ気体に晒されている。
上記GaN系材料は、化学的に比較的安定であるので、上記溝3の第1の面3aに従来のような保護層を設ける必要が無い。また、例えばエッチングにより第2の面3bを比較的平滑に形成できるので、従来のような反射膜を設ける必要が無い。したがって、図1に示すように、溝の第1及び第2の面3a,3bを雰囲気気体に露出した状態で、発光動作をすることができる。すなわち、上記n電極とp電極との間に電流を流すことにより、上記発光層2において電子−正孔の再結合が起こり、約470nmの青色光が生成される。この青色光のうち、発光層2の厚み方向に進む光は、p型AlGaN層及びp型GaN層を進んで表面から出射される。一方、発光層2の幅方向に進む光は、上記溝の第1の面3aの発光層2が露出する部分、すなわち、発光層2の側面から第2の面3bに向かって出射される。この光は、上記第2の面3bで反射されて、発光ダイオードの表面側に出射される。このように、上記発光層2で生成された光の大部分が表面側に出射されるので、この発光ダイオードは、良好な輝度および指向性を有する。また、この発光ダイオードは、従来における保護層及び反射膜が不要であるので、従来よりも大幅に少ない工程で製造できる。したがって、輝度及び指向性が比較的良好な発光ダイオードを、比較的簡易に製造できる。
また、本実施形態の発光ダイオードは、上記発光層2に達する溝3を有し、この溝3はV字形断面を有するので、外部に接する面積が比較的大きい。したがって、発光動作時に発光層2で生成される熱を効果的に放熱できるので、発光特性の劣化を低減することができ、その結果、信頼性の向上を図ることができる。
図2は、本実施形態の発光ダイオードの変形例を示す図である。この発光ダイオードは、図1の発光ダイオードの溝3に、蛍光体6を配置して形成されている。この発光ダイオードは、上記発光層2の側面が露出する第1の面3aから溝3内に出射した光により、この溝3内の蛍光体を励起して、所定の波長の光を発光ダイオードの表面側に向けて出射させる。これにより、指向性及び輝度を向上することができる。また、例えば、発光層2で青色系の光を生成する発光ダイオードの溝3に、青色光で励起されて黄色光を発光する蛍光体を配置することにより、これらの光の混色を利用して白色系の光を得ることができる。この発光ダイオードは、上記溝3の第1及び第2の面3a,3bに同一の蛍光体が接するので、第1及び第2の面3a,3bに保護膜及び反射膜を形成する必要が無いから、容易に製造できる。
なお、上記発光ダイオードの溝3に、蛍光体6に換えて黒色の樹脂を配置してもよい。この場合、発光層2の側面からの光を遮ることにより、指向性を向上することができる。
図3は、上記発光ダイオードを用いて形成されたLEDデバイスを示す図である。このLEDデバイスは、基体7の表面に縁部を取り囲むように形成された反射板11の内側に、上記発光ダイオード12を搭載している。この反射板11は、ポリフタルアミド樹脂(芳香族ポリフタルアミド)からなり、上記基体7の表面に対して所定角度で傾斜している。上記反射板11の内側に、上記発光ダイオード12をモールドするモールド樹脂10を充填しており、このモールド樹脂は、蛍光体を含有している。上記発光ダイオード12は、上記基体7の表面に形成されたn配線8上にn電極5が接するように搭載されていると共に、表面のp電極4が、上記基体7の表面に形成されたp配線9にワイヤ13で電気的に接続されている。
このLEDデバイスにおいて、上記発光ダイオード12の表面から出射された青色光によって、上記モールド樹脂10中の蛍光体が励起され、所定波長の光が出射される。ここで、上記発光ダイオード12は溝3を有して比較的良好な輝度及び指向性を有するが、上記溝3の第1の面3aから出射した光であって、第2の面3bによって反射されなかった光や、第2の光によって反射されたが表面側以外の方向に進む光が存在する。これらの光が、上記反射板11に入射して反射されて、上記発光ダイオード12の表面の法線方向に進む。その結果、このLEDデバイスは、上記発光ダイオード12から出射される光よりも更に高い輝度及び指向性の光を出射することができる。
図4Aは、本実施形態の発光ダイオードを用いて形成されたLEDランプのリードフレームを示す正面図である。図4Bは、上記リードフレームの側面図である。
このLEDランプのリードフレームは、発光ダイオードを搭載すると共に発光ダイオードのn電極5に電気的に接続される第1リード15と、上記発光ダイオードのp電極4にワイヤで電気的に接続される第2リード16を有する。上記第1リード15及び第2リード16の上部を、透明樹脂又は蛍光体を含有する樹脂によって砲弾形状にモールドすることにより、LEDランプを構成するものである。上記発光ダイオードの溝3と最上層の表面が、いずれも上記樹脂に接することにより、上記溝3内に保護膜や反射膜を設けることなく、良好な輝度及び指向性の光を出射するLEDランプが得られる。このLEDランプは、例えば、屋内及び屋外用表示パネルや、車載用表示灯や、信号機等に用いた場合、良好な視認性が得られる点で有効である。特に、屋外において西日が照射された場合における視認性の低下を効果的に軽減できる。
従来、LEDランプは、図5A及び5Bに示すように、第1リード55の発光ダイオード52を搭載する部分に、この発光ダイオード52を取り囲む反射板57を第1リード55と一体に形成する必要があった。これに対して、本実施形態のLEDランプは、発光ダイオード12が良好な輝度及び指向性を有するので、従来のような反射板57が不要になる。したがって、リードフレームのプレス加工を簡単にして、LEDランプの製造を容易にすることができる。
なお、上記LEDランプに搭載する発光ダイオード12は、上記溝3内に、蛍光体や黒色樹脂等を配置してもよい。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の発光ダイオードを示す平面図である。この発光ダイオード24は、SiC基板1上に、複数の半導体層としてのGaN(又はAlN)バッファ層、n型GaN層、n型AlGaN層、InGaN発光層、p型AlGaN層及びp型GaN層を順に積層し、このp型GaN層の表面に、4つのp電極4を形成している。この発光ダイオードは平面において略正方形状を有し、最上層のp型GaN層から発光層に至るダイシング溝7を対角線に沿って形成して、発光層から表面側の半導体層を4つの部分に分割している。これにより、平面において4つの発光ダイオード部を共通のSiC基板1上に形成している。また、この発光ダイオード24は、略正方形状の平面において、4つの縁に隣接する4つの溝を備え、この4つの溝内に、赤色発光の蛍光体Aと、青色発光の蛍光体Bと、緑色発光の蛍光体Cと、赤、青及び緑色発光の蛍光体を混合してなる蛍光体Dを各々配置している。上記溝は、第1実施形態の発光ダイオードの溝3と同様に、発光層が露出する第1の面と、この第1の面に対向する第2の面で形成している。
本実施形態の発光ダイオードは、上記4つのp電極4に独立して電流を印加することにより、上記蛍光体Aで赤色光を出射し、上記蛍光体Bで青色光を出射し、上記蛍光体Cで緑色光を出射し、上記蛍光体Dで白色光を出射することができる。
図7は、上記発光ダイオード24を用いたLEDデバイスを示す平面図である。このLEDデバイスは、リードフレーム8に設けられたカソード端子25に上記発光ダイオード24のn電極を接続して、この発光ダイオード24を搭載している。この発光ダイオード24の4つのp電極4は、上記リードフレーム8に設けられた4つのアノード端子26,26・・・にワイヤで電気的に接続されている。このLEDデバイスによれば、共通のSiC基板1上に、赤、青、緑及び白色発光の4つの発光ダイオード部を有する発光ダイオード24を用いるので、良好な輝度及び指向性を有し、しかも、小型のフルカラー発光のLEDデバイスが得られる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の発光ダイオードを用いたバックライトを示す断面図である。このバックライトは、液晶表示装置に用いられるものであり、配線基板30の表面に、本発明の発光ダイオード12を複数個搭載し、この複数の発光ダイオードを封止樹脂31でモールドしている。このバックライトでは、本発明の溝3を有して良好な輝度及び指向性を有する発光ダイオード12を用いるので、反射板等を設ける必要が無い。図9は、従来のバックライトを示す断面図である。図9に示すように、従来は、基体上に発光ダイオードと反射板とを形成してなるLEDデバイス33を、配線基板30上に配置してバックライトを構成していた。従来のバックライトは、発光ダイオードの輝度及び指向性が比較的低いので反射板が形成されたLEDデバイス33が必要であり、したがって、平面における発光ダイオードの配置密度が比較的低かった。また、上記反射板を支持する基体により、バックライトの厚みが増大するという問題があった。これに対して、本実施形態のバックライトは、良好な輝度及び指向性を有する発光ダイオード12を用いるので、発光ダイオード12を配線基板30上に直接搭載できるから、平面における配置密度を大幅に増大できると共に、厚みを大幅に削減できる。近年、液晶表示装置に用いられるバックライトは、冷陰極管から発光ダイオードへの切り換えが進みつつある。本実施形態によれば、例えば屋外の高精細フルカラー表示の液晶表示装置に適したバックライトが得られる。
(第4実施形態)
本実施形態は、図2に示す本発明の発光ダイオードの製造方法について説明する。まず、SiCウエハ上に、GaN(又はAlN)バッファ層、n型GaN層、n型AlGaN層、InGaN層、p型AlGaN層及びp型GaN層を順に積層する。その後、ダイシングにより、上記p型GaN層の表面からInGaN発光層に達する溝を形成する。この溝は、上記p型GaN層の表面において、所定領域を取り囲むように形成する。上記溝を形成するためのダイシングに用いるダイシングブレード35は、図10に示すように、刃の先端が、ブレードの回転軸に対して直角の辺35aと、この辺に対して約45°程度に傾斜した辺35bとを含む断面を有する。このような断面を有するダイシングブレード35で溝を形成することにより、p型GaN層の表面に対して約90°の角度を有する第1の面3aと、この面に対して約45°の角度を有する第2の面3bとを有する溝3を容易に形成することができる。なお、上記第1の面3aは、上記p型GaN層の表面に対して90°よりも大きい角度を有してもよい。
続いて、上記溝3内に、蛍光体を含有するエポキシ樹脂又は黒色樹脂を配置する。詳しくは、樹脂材料をウエハの表面に滴下し、スピンコートによって均一に広げる。樹脂材料の粘度等に応じて、溝3に樹脂材料が流入するように、スピンコートの回転時間と回転数を調整する。
上記樹脂材料が溝3内に配置されたウエハをオーブンに入れ、150℃以上の温度で2時間以上の間熱処理して、上記樹脂材料を硬化させる。
その後、p型GaN層の表面にレジストを塗布する。そして、露光・現像工程を経て、上記溝3内に配置された樹脂の上のレジストの部分は残す一方、他のレジストの部分を除去するようにパターニングを行う。続いて、上記レジストの部分が除去された部分であって、上記溝3内以外の部分の樹脂を、エッチングによって除去する。この後、上記溝3内の樹脂の上のレジストを除去する。硬化していない不要な樹脂を、シンナーやアセトン等で溶かして除去する。また、固化した不要な樹脂を、80℃程度に加熱したUresoruve plus(ダイナロイ社の商品名:エチレングリコール主体の溶剤)に10分から30分間浸漬することにより、除去する。その後、p型GaN層の表面にp電極を形成すると共に、上記SiC基板1の下面にn電極を形成し、プロービングテストを行い、公知のダイシング工程によってウエハをチップ化して、発光ダイオードが完成する。
この発光ダイオードは、例えば図3に示したLEDデバイスに用いる場合、SiC基板1の下面のn電極を、導電性ペーストで接着、硬化させてn配線8に接続する。そして、p電極をAu線によってp配線に接続する。その後、反射板11の内側に、透明樹脂及び蛍光体を混ぜた樹脂を充填し、硬化させる。上記樹脂はエポキシ樹脂やシリコン樹脂等が一般的である。
上記実施形態において、上記溝3を形成する際に用いるダイシングブレード35は、図11のような断面のものを用いることが可能である。このダイシングブレード35は、刃の先端が、断面においてブレードの回転軸と平行な辺を35cを有するように形成されている。このダイシングブレードを用いることにより、溝3の断面形状を、第1の面3aと第2の面3bとに連なる底を有する形状にできる。この有底の溝3内に樹脂を配置することにより、V字形断面の溝3内に配置された樹脂のような溝の先端に対応する鋭角部分に応力集中が生じてクラックが生じる虞を防止することができる。
なお、上記各実施形態では、発光層を含む複数の半導体層としてGaN系半導体を用いたが、本発明の半導体層の材料はGaN系半導体に限定されるものではない。
本発明の第1実施形態の発光ダイオードを示す概略構成図である。 発光ダイオードの変形例を示す図である。 本発明の発光ダイオードを用いて形成されたLEDデバイスを示す図である。 LEDランプのリードフレームを示す正面図である。 図4Aに示すリードフレームの側面図である。 従来のLEDランプのリードフレームを示す正面図である。 図5Aに示すリードフレームの側面図である。 第2実施形態の発光ダイオードを示す平面図である。 本発明の発光ダイオードを用いたLEDデバイスを示す平面図である。 本発明の発光ダイオードを用いたバックライトを示す断面図である。 従来のバックライトを示す断面図である。 本発明の発光ダイオードの製造に用いるダイシングブレードを示す断面図である。 本発明の発光ダイオードの製造に用いる他のダイシングブレードを示す断面図である。
符号の説明
1 SiC基板
2 発光層
3 溝
4 p電極
5 n電極

Claims (12)

  1. 基板と、
    上記基板上に形成されていると共に、発光層を含む複数の半導体層と、
    上記半導体層の最上層の表面から上記発光層に達する深さを有する溝とを備え、
    上記溝は、上記発光層が露出する第1の面と、この第1の面に対向する第2の面とを有し、
    上記溝内に、上記溝の第1の面と第2の面とに接する物質が位置していることを特徴とする発光ダイオード。
  2. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記溝内の物質は、蛍光体であることを特徴とする発光ダイオード。
  3. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記溝内の物質は、着色された樹脂であることを特徴とする発光ダイオード。
  4. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記半導体層はGaN系半導体からなり、
    上記溝内の物質は、上記半導体層の最上層の表面が接する気体と同一の気体であることを特徴とする発光ダイオード。
  5. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記溝は、V字形断面を有することを特徴とする発光ダイオード。
  6. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記溝は、上記第1の面と第2の面との間の幅方向距離が上記半導体層の最上層から上記基板側に向かうにつれて狭まるように形成されていると共に、上記第1の面の下端と上記第2の面の下端とに連なる底を含むテーパ形状断面を有することを特徴とする発光ダイオード。
  7. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記第1の面の少なくとも上記発光層が露出する部分は、上記半導体層の最上層の表面に対して略90°の角度を有することを特徴とする発光ダイオード。
  8. 請求項1に記載の発光ダイオードにおいて、
    同一の上記基板上に、複数の上記発光層と、上記発光層が露出する上記第1の面を各々有する複数の上記溝とを備え、
    上記複数の溝に、複数の蛍光体が各々配置されていることを特徴とする発光ダイオード。
  9. 請求項8に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記複数の発光層は、分離溝によって互いに隔てられていることを特徴とする発光ダイオード。
  10. 請求項8に記載の発光ダイオードにおいて、
    上記発光層、溝及び蛍光体を各々4個備え、
    上記4個の蛍光体は、上記発光層からの光の色を各々赤、緑、青及び白色に変換する蛍光体であることを特徴とする発光ダイオード。
  11. 基板上に、発光層を含む複数の半導体層を形成する工程と、
    上記半導体層の最上層から上記発光層に達する溝を形成する工程と、
    上記溝内に、蛍光体を充填する工程と
    を備えることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  12. 請求項11に記載の発光ダイオードの製造方法において、
    上記溝は、ダイシングによって形成することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012109609A (ja) * 2006-08-21 2012-06-07 Cree Inc 液体注入モールド法による半導体発光デバイスパッケージの形成方法、及びモールドされた半導体発光デバイスリボン
US11935910B2 (en) 2020-02-12 2024-03-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor light-emitting device with groove and method of manufacturing the same

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