JP2006192598A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的印字幅の大きな大判インクジェット記録装置において、ユーザーは特別な印字媒体を準備することなく、日常的に使用する印字媒体を用いてレジストレーション調整が可能で、且つ、印字媒体の幅によらず、複数のインクの着弾精度を保証できるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 ユーザーの使用する紙サイズによってレジ調パターンのサイズを変更し、用意した紙サイズに最も近いサイズのレジ調パターンでレジ調整を行う構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、レジストレーション調整方法に関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等における記録装置として、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどで処理した情報を出力する機器として用いられる記録装置として、紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの種々の記録媒体に対して比較的簡潔な構成で記録することができるインクジェット方式の記録装置が普及している。また、この方式は基本的に非接触記録方式であり記録媒体の種類を問わないことから、上記のような通常用いられる記録媒体の他、布、皮革、不織布、さらには金属等を記録媒体として用いる記録装置も提案されている。さらに、この種のインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら画像を記録する、いわゆるシリアル方式が主流であり、この方式の記録装置は、簡潔な構成で比較的再現性、一様性などに優れた画像等の記録を行うことができる、等の利点を有している。特に、電気熱変換素子が発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、この気泡の圧力によってインクを吐出する方式は、比較的高密度に吐出口を配列でき、また、記録動作に伴って発生する騒音が小さいなど、種々の利点を有し近年広く用いられている方式である。また、近年では、フルカラー画像を表現するのに必要な、濃シアン、濃マゼンタ、イエロー、ブラックに加えて粒状間の低減を目的とした濃度の低い淡シアン、淡マゼンタを用いたり、更には色再現範囲の拡大を目的とした、オレンジ、グリーン、ブルー、レッドを用いる場合もあるなど、搭載するインク色は増大する傾向にある。
前記複数のインクを用いて品位の高い画像を形成するためには、複数のインクが記録媒体上に着弾した際の着弾場所が精度良く一致していなければならない。この着弾場所の一致を阻害する要因としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
・各インクを吐出する記録ヘッドの各ノズル位置の相対的なずれ
・記録ヘッドを本体に取り付ける際のずれ
これら複数の要因のばらつきを抑えることで、複数のインク着弾場所を精度良く一致させることは可能である。
例えば、各インクを吐出する記録ヘッドの各ノズル位置の相対的なずれを抑えるためには、記録ヘッドの組み立て精度を向上させれば良い。しかし、歩留まりの低下、製造工程の増加などが発生し、コストが高くなってしまう。
その他の要因も同様に、ばらつきを抑えることはコストの上昇につながることが多い。
そこで、コストを抑えたまま、複数のインクの着弾場所を精度良く一致させて品位の高い画像を形成するために、複数のインクの着弾場所を補正する、いわゆるレジストレーション調整を行うことがインクジェット記録装置では一般的に行われている。
最近では、記録媒体にレジストレーション調整用パターンを印字した後に、得られたパターンを基にレジストレーション調整を行う手法が多く取られている。
例えば、レジストレーション調整を行う際は、複数のインクの着弾場所の補正値を決定することで、複数のインクの着弾場所を精度良く一致させるわけだが、この補正値の候補をあらかじめ複数設定しておく。前記レジストレーション調整用パターンは、前記複数の補正値で、どれが最も適当であるかを判断できるようなパターンとすることで、ユーザーに最も精度良く一致した補正値を選択させることが出来る。
また、同じようなパターンを例えば光学センサなどで自動に読み取ることで、補正値を選択することも出来る。
更に、光学センサなどで自動的に読み取る場合には、前記補正値を複数設定しないで、基準となる補正値、例えば補正無しのパターンをレジストレーション調整用パターンとして印字し、複数のインク間の着弾位置のズレ量を読み取ることで、補正値を自動的に設定することも出来る。
このようにレジストレーション調整を行うことで、コストの上昇を招くことなく、品位の高い画像を形成するために必要な、複数のインクの着弾精度の一致を得ることが出来る。
一方、近年では従来のA4、A3サイズといった比較的小さなインクジェット記録装置だけでなく、36Inch幅、42Inch幅、64Inch幅、更には72Inch幅といった比較的大きなサイズにも対応可能な大判インクジェット記録装置も発売されてきている。
大判インクジェット記録装置でも品位の高い画像を得るためには、レジストレーション調整が必須であるが、特に主走査方向のサイズが比較的大きくなるため、比較的小さなインクジェット記録装置と比較して、着弾場所の一致を阻害する要因としては、次のような要因の影響が大きくなる。
・記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動する際の速度のばらつき
・記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動する際に軸となる、キャリッジガイド軸のゆがみ
・記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動する際に、キャリッジ位置を読み取るリニアエンコーダのばらつき
これら複数の要因のばらつきを抑えることで、複数のインク着弾場所を精度良く一致させることは可能である。
例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動する際に軸となる、キャリッジガイド軸のゆがみを抑えるためには、キャリッジガイド軸の部品精度を向上させれば良い。しかし、複数のインク着弾場所を精度良く一致させるほどに部品精度を向上させた場合には、コストが高くなってしまう。
その他の要因も同様に、ばらつきを抑えることはコストの上昇につながることが多い。
そこで、主走査方向のサイズが大きな大判インクジェット記録装置においても、コストを抑えたまま複数のインクの着弾場所を精度良く一致させて品位の高い画像を形成するために、レジストレーション調整を主走査方向全域に渡って行うことが一般に行われている。
つまり、比較的小さなインクジェット記録装置と同様なレジストレーション調整パターンを主操作方向に繰り返したパターンをレジストレーション調整パターンとして設定し、主走査方向全域に渡ってレジストレーション調整を行うのである。
この場合には、主走査方向にサイズが大きくなることで顕在化する要因があっても、複数のインクの着弾場所を精度良く一致させることが目的であるので、当然、レジストレーション調整パターンの印字幅は、大判インクジェット記録装置の最大印字幅と略同等であることが望ましい。
前記レジストレーション調整パターンの印字幅を最大印字幅と比較して小さく設定してしまうと、レジストレーション調整パターンの印字幅を超えた部分の領域では、複数のインクの着弾場所を精度良く一致させることが出来ない可能性が出てくるからである。
つまり、例えば64Inch幅の大判インクジェット記録装置ならば、レジストレーション調整パターンの印字幅も、64Inchとするのが望ましい。
又、別の従来例としては、特許文献1をあげることが出来る。
特開2000-103088号公報
しかしながら、大判インクジェット記録装置は最大印字幅だけでなく、最大印字幅よりも小さい印字幅にも対応できる。つまり、最大印字幅が64Inch幅の大判インクジェット記録装置でも、日常的には42Inch幅の印字媒体を使用し、最大幅である64Inch幅を使用するのは極めて頻度が小さい、という使用方法も想定される。
そういった場合は、従来の技術のように最大印字幅である64Inch幅のみに対応したレジストレーション調整パターンを用いてレジストレーション調整を行うには、64Inch幅の印字媒体を用意しなければならなく、大きな問題となる。
つまり、現在では、64Inch幅、72Inch幅など、幅が大きくなればなるほど、流通している印字媒体も限られており、単価も高くなってくる。従って、ユーザーはレジストレーション調整のためだけに、高価な64Inch幅の印字媒体を用意しなければならなくなってしまう。
この課題を解決するために、レジストレーション調整パターンの設定を、最大印字幅よりも小さい、例えば24Inch幅に収まるように設定すれば、ユーザーにとっては日常的に使用する印字媒体、例えば、36Inch幅や42Inch幅の印字媒体を用いてレジストレーション調整が行える。しかし、前記手法で複数のインクの着弾場所を精度良く一致させることが出来るのは24Inch幅までの範囲で、それ以外の領域、24〜64Inch幅の範囲の着弾精度は保証できなくなる。
その結果、36Inch幅や42Inch幅の印字媒体を使用した場合には、品位の高い画像を形成することができなくなってしまい、課題の解決とはならない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的印字幅の大きな大判インクジェット記録装置において、ユーザーは特別な印字媒体を準備することなく、日常的に使用する印字媒体を用いてレジストレーション調整が可能であり、且つ、印字媒体の幅によらず、複数のインクの着弾精度を保証できるインクジェット記録装置を提供することが目的である。
そのために、本発明(請求項1)の構成では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部とを有し、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体幅によって異なるような構成とした。
請求項2の構成は、請求項1の構成に加え、前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整基本パターンを有し、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記レジストレーション調整基本パターンを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に繰り返すような構成としたので、より一層効率良く前記目的を達成するものである。
請求項3の構成は、請求項1の構成に加え、前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整画像を複数有し、前記複数のレジストレーション調整画像は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の画像サイズが異なる構成としたので、より簡素な構成で前記目的を達成するものである。
請求項4の構成は、請求項3の構成に加え、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記複数のレジストレーション調整画像から1つを選択するような構成としたので、より一層効率良く前記目的を達成するものである。
以上説明したように、本発明では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部とを有し、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体幅によって異なるような構成としたので、比較的印字幅の大きな大判インクジェット記録装置において、ユーザーは特別な印字媒体を準備することなく、日常的に使用する印字媒体を用いてレジストレーション調整が可能であり、且つ、印字媒体の幅によらず、複数のインクの着弾精度を保証できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明を適用する最大印字幅64Inchの大判インクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。
図1において、キャリッジ1には記録ヘッド2が搭載されている。キャリッジ1はキャリッジガイド軸3に沿って移動可能なようにキャリッジガイド軸3に指示されている。キャリッジ1の一部はキャリッジベルト4に固定されている。キャリッジベルト4は、モータプーリ5に張架されている。主走査モータ6の駆動によってキャリッジベルト4が往復移動されることによりキャリッジ1がキャリッジガイド軸3に沿って走査される。また、7は印字媒体、8は副走査方向に印字媒体7を搬送する搬送ローラである。
キャリッジ1にはエンコーダセンサ9が設けられており、このエンコーダセンサ9によってキャリッジガイド軸3と並行に張架されたリニアエンコーダスケール10上のスケールを検出することにより、キャリッジ1の位置や走査速度等を検出できるようになっている。この場合には、光学式のエンコーダを採用しており、リニアエンコーダスケール10には、透明フィルム上に所定のピッチ間隔でスケールが描かれている。エンコーダセンサ9は、フォトインタラプタで構成され、上記所定ピッチ間隔に設けられたスケールを検出することで、このピッチに対応したエンコーダパルス信号を出力する。なお、エンコーダ9、10は光学式に限らず、磁気式でも構わない。
図2は、記録ヘッド2が搭載されているキャリッジ1の構成を示すものである。
図2において、記録ヘッド2には6個のチップ、21〜26が搭載されている。21はブラック(以後Bkと記述する)、22は淡シアン(以後Pc)、23はシアン(以後C)、24はマゼンタ(以後M)、25は淡マゼンタ(以後Pm)、26はイエロー(以後Y)をそれぞれ、吐出タイミング制御部30の信号に基づき、印字する。
キャリッジ1の主走査方向Xaに沿ってリニアエンコーダスケール10が配置されており、キャリッジ1にはリニアエンコーダスケール10のスケールを検出するためのエンコーダセンサ9が配置されている。キャリッジ1上には、記録ヘッド2の主走査方向Xaの位置決めを行う位置決め部材31と、副走査方向Xbの位置決めを行う位置決め部材32とが配置されており、記録ヘッド2を位置決め部材31、32当接することで、記録ヘッド2を位置決めする。
キャリッジ1にはさらにセンサ33が取り付けられている。センサ33は、印字媒体7上に印字されるレジストレーション調整用パターンを読み取る際に使用される。
図3はインクジェット記録装置の制御系の構成例を示すものである。
通信部40は、所定のインターフェース回路を含んで構成され、当該インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータ41と画像データおよび制御データの送受信を実行する。制御ユニット42は、画像データメモリ部43、調整画像データメモリ部44、モータドライバ45、46などを統括的に制御する。モータドライバ45、46は、受信した制御データに基づいてキャリッジ1をスキャンさせるための駆動制御信号を形成しそれを主走査モータ6に供給するとともに、記録動作に応じて印字媒体7を断続的に搬送させる搬送制御信号を形成し、それを副走査モータ47に供給する。
画像データメモリ部43は、受信された画像データを蓄積し、画像データを記録ヘッド動作制御部48に出力する。
ホームポジションセンサ49は、キャリッジ1が所定の待機位置(ホームポジション)に位置しているとき、検出信号を記録ヘッド動作制御部48に出力するものである。エンコーダセンサ9は位相が互いに90度ずれた2つのエンコーダパルス信号を出力する。カウンタ50は、一方のエンコーダパルス信号に対する他方のエンコーダパルス信号の位相の進み、遅れによってキャリッジ1の移動方向を検出するとともに、一方のエンコーダパルス信号をカウントすることによってキャリッジの移動量を示す信号を記録ヘッド動作制御部48に出力する。
センサ33は、レジストレーション調整パターンを検出し、該検出した信号を記録ヘッド動作制御部48に出力する。
記録ヘッド動作制御部48は、記録ヘッド2の駆動制御を実行するものであり、記録ヘッド2から吐出されるインクの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部30を有している。
図4はBkチップ21の構成を示すものである。
図4において、Bkチップ21はノズル列61とノズル列62の2列から構成されている。ノズル列61とノズル列62は千鳥上に配置され、ノズル列を構成するノズル63は、1列辺り640個配置されている。ノズル列61とノズル列62のノズル間隔64は等しく、どちらも600dpi間隔とした。Bkチップ21は千鳥上に配置されたノズル列61とノズル列62を有すので、ノズル間隔65は1200dpi間隔で、1280個のノズルを有することになる。
チップ22〜26についてもBkチップ21と同様な構成である。
図5はレジストレーション調整パターンの最小単位であるレジストレーション調整基本パターンを示す図である。
501は、図5中のXa方向にキャリッジ1が移動する際に、Bkチップ21のノズル列61のみで印字を行うパターンである。511は、Xa方向にキャリッジ1が移動する際に、Bkチップ21のノズル列62のみで印字を行うパターンである。501と511のパターンを基に、後述するレジストレーション調整を行うことで、Bkチップ21のノズル列61とノズル列62の着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
同様に、502はPcの列61、512はPcの列62、503はCの列61、513はCの列62、504はMの列61、514はMの列62、505はPmの列61、515はPmの列62、506はYの列61、516はYの列62のみの印字であって、それぞれのパターンを基に、レジストレーション調整を行うことで、Pc、C、M、Pm、Yそれぞれの列61と列62の着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
521は、Xa方向にキャリッジが移動する際に、Bkチップ21の列61のみで印字を行うパターンである。522はXa方向にキャリッジが移動する際に、Pcチップ22の列61のみで印字を行うパターンである。521と522のパターンを基に、レジストレーション調整を行うことで、Bkチップ21とPcチップ22のXa方向にキャリッジが移動する際の着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
同様に、523はCチップの列61、524はMチップの列61、525はPmチップの列61、526はYチップの列61のみの印字であって、それぞれのパターンを基に、レジストレーション調整を行うことで、BkとPc、BkとC、BkとM、BkとPm、BkとYそれぞれのXa方向にキャリッジが移動する際の着弾精度を精度良く一致させることが出来る。つまり、Xa方向にキャリッジが移動する際のBk、Pc、C、M、Pm、Yどの色同士の組み合わせにおいても、着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
531はXa方向にキャリッジが移動する際に、Bkチップ21の列61のみで印字を行うパターンである。541はXa*方向にキャリッジが移動する際に、Bkチップ21の列62のみで印字を行うパターンである。531と541のパターンを基に、レジストレーション調整を行うことで、Bkチップ21のXa方向とXa*方向に移動する際の着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
531と541のパターンは、Bkのみであるが、このパターンを基にレジストレーション調整を行った際に算出する補正値を、その他の5色に対してもXaとXa*方向の補正値として展開している。
図5に示すようなレジストレーション調整基本パターンを用いることで、レジストレーション調整パターンを印字している部分(本実施例では、レジストレーション調整基本パターンの画像幅=Mの領域)での着弾精度を精度良く一致させることが出来る。
なお、本発明に適用されるレジストレーション調整基本パターンは図5に示すパターンに限らず、レジストレーション調整基本パターンを印字した領域内の着弾精度を精度良く一致させるためのパターンであれば、どんなパターンでも構わない。
例えば、本実施例のインクジェット記録装置では、Xa方向とXa*方向の補正値はチップが異なっても略等しくなったため、531と541のパターンはBkのみとしているが、Bk以外の色に対しても同様なパターンを挿入しても構わない。
また、本実施例のインクジェット記録装置では、副走査方向の着弾精度は、レジストレーション調整を行わなくても精度よく一致していたので、副走査方向のレジストレーション調整は行っていないが、副走査方向の着弾精度を補正するためのレジストレーション調整パターンを挿入しても構わない。
図6はレジストレーション調整パターンの印字から読み取りまでの一連の流れを示すフローチャートである。
ステップ601でレジストレーション調整開始信号が発生する。この信号は、着弾精度を精度良く一致させたいタイミングにおいて任意のタイミングで発生させることが可能であるが、本実施例では、記録ヘッドの交換が行われた際、及びユーザーが、図示しないオペレーションパネルから指示した際にレジストレーション調整開始信号を発生する構成とした。
レジストレーション調整開始信号が発生すると、ステップ602で印字媒体7の給紙動作を行う。給紙動作が正常に終了すると、ステップ603でキャリッジ1にとりつけられたセンサ33の図示しない汚れ防止カバーを開放し、センサ33を使用状態にする。センサ33はキャリッジ1の主走査方向への移動と共に、給紙された印字媒体7を読み取り(ステップ604)、印字媒体の紙幅を検知して、記録ヘッド動作制御部48に紙幅の情報を書き込む(ステップ605)。正常に紙幅の検知が終了したら、センサ33の汚れ防止カバーを閉じて33を待機状態にする(ステップ606)。記録ヘッド動作制御部48に書き込まれた紙幅Lを基に、調整画像データメモリ部44に保持した図5に示すようなレジストレーション調整基本パターンの主走査方向のデータ幅Mから、レジストレーション調整基本パターンの繰り返し回数Nを、N=L/Mとして算出する(ステップ607)。ここで、繰り返し回数Nは整数とし余りは切り捨てることで、紙幅Lに対してレジストレーション調整用基本パターンが最も多く入るように、繰り返し回数Nが設定されることになる。ステップ608では、レジストレーション調整基本パターンと繰り返し回数Nを基に、画像データメモリ部44がレジストレーション調整パターンを設定する。
図7はレジストレーション調整パターンの一例を示す図である。
図7は、レジストレーション調整基本パターンの主走査方向Xaの幅M=10Inch、紙幅L=42Inchの場合のレジストレーション調整用パターンを示しており、N=L/M=4となることから、基本パターンが4回、主走査方向Xaに繰り返されたパターンとなっている。
ステップ609において、吐出タイミング制御部への補正値として0を入力した後、設定されたレジストレーション調整パターンに基づいて、記録ヘッド動作制御部48は記録ヘッド2に吐出信号を発生させ、レジストレーション調整パターンを印字する(ステップ610)。レジストレーション調整パターンの印字が終了すると、レジストレーション調整パターンが印字された領域は、記録ヘッド2から見て給紙方向の下流側にずれてしまっている。そこで、ステップ611において、印字媒体を副走査方向に巻き戻すことで、レジストレーション調整パターンが印字された領域を、キャリッジ1と共に移動するセンサ33が読み取れるようにする。巻き戻し動作が正常に終了すると、ステップ612で、キャリッジ1にとりつけられたセンサ33の図示しない汚れ防止カバーを開放し、センサ33を使用状態にする。センサ33はキャリッジ1の主走査方向への移動と共に、レジストレーション調整パターンを読み取り(ステップ613)、センサ33の汚れ防止カバーを閉じてセンサ33を待機状態として(ステップ614)、レジストレーション調整パターンの読み取りを終了する(ステップ615)。
続いてレジストレーション調整について説明を行う。
図8は、レジストレーション調整パターンのうち、図5中の501と511をセンサ33で読み取った際のセンサ読み取り値を示すグラフである。横軸は主走査方向の位置を示しており、実際には501と511以外のパターンについても読み取っているが、ここでは説明のため、501と511以外の読み取り値は省略した。
501と511は、レジストレーション基本パターンの中に1組含まれており、本実施例では図7に示すように、繰り返し回数は4回となっているので、図8には計4組のセンサ読み取り値が含まれる。
図9は、図8のセンサ読み取り値からA/D変換を行った後のセンサ読み取り値である。記録ヘッド動作制御部48は、図9のセンサ出力値から、501と511のズレ量91を算出する。本実施例では、501の中心値と511の中心値の距離をズレ量91として算出する。501と511のセンサ読み取り値は、4組あるので、同様にズレ量92、93、94を算出していく。続いて、ズレ量を基にして、インクの着弾場所を精度良く一致させるための補正値を算出する。
ズレ量をe(μm)、補正値をδ(Pix)とすると、補正値δの算出方法は、次の計算式で算出する。
δ=e/21.2μm
補正値δは、整数である。
補正値δが正の値となる場合には、吐出タイミング制御部30は補正値δ=0と比較して吐出タイミングを遅らせ、補正値δが負の値となる場合には、吐出タイミング制御部30は補正値δ=0と比較して吐出タイミングを早める。
図9では補正値δは4つ算出されるので、4つの補正値δ1、δ2、δ3、δ4を基にして、主走査方向全域に渡って、複数のインクの着弾場所を精度良く一致させるために、1つの補正値δ’を算出する。補正値δ’は次の計算式で算出する。
δ’=(δ1+δ2+δ3+δ4)/4
なお、補正値δ’の算出方法は、これに限らず、本発明を適用するインクジェット記録装置に適した方法で算出すれば良い。例えば、δ’−δi(i=1〜4)で算出される4つの値の中での最大値が、最小になるようにδ’を設定することも出来る。
このように記録ヘッド動作制御部48で算出した補正値δ’を、501と511が主走査方向全域に渡って、着弾場所を精度良く一致させるための補正値として設定して、吐出タイミング制御部30が吐出タイミングを制御する。
501と511以外の組み合わせにおいても、同様にして主走査方向全域に渡って、着弾場所を精度良く一致させるための補正値を設定する。
このように、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部とを有し、前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整基本パターンを有し、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記レジストレーション調整基本パターンを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に繰り返すような構成としたので、比較的印字幅の大きな大判インクジェット記録装置において、ユーザーは特別な印字媒体を準備することなく、日常的に使用する印字媒体を用いてレジストレーション調整が可能であり、且つ、印字媒体の幅によらず、複数のインクの着弾精度を保証できる。
(実施の形態2)
本実施例では、実施の形態1においてレジストレーション調整基本パターンを複数設定する構成とした。前記複数のレジストレーション調整基本パターンは、印字幅Mの異なる3つのパターンとした。印字幅Mは、40Inch、50Inch、60Inchの3種類である。
前記複数のレジストレーション調整基本パターンを使用したレジストレーション調整について説明する。
実施の形態1の図6で示したように、印字媒体の紙幅Lを検知して、記録ヘッド動作制御部48に紙幅の情報を書き込む。記録ヘッド動作制御部48に書き込まれた紙幅Lを基に、調整画像データメモリ部44に保持した複数のレジストレーション調整基本パターンから、レジストレーション調整に行うパターンを選択する。選択する基準は、印字媒体の紙幅Lよりも小さいパターンで、且つ、複数のレジストレーション調整基本パターンのうち最大の印字幅Mであるパターンを選択する。
例えば、本実施例では52Inchの印字媒体を使用していたので、レジストレーション調整基本パターンは50Inch幅のパターンを選択した。
レジストレーション調整パターンの印字、読み取り、補正値の算出等は実施の形態1と同様である。
このように、本実施例では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部とを有し、前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整画像を複数有し、前記複数のレジストレーション調整画像は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の画像サイズが異なり、前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記複数のレジストレーション調整画像から1つを選択するような構成としたので実施の形態1と比較して、比較的簡易な構成で、前記目的を達成することが出来た。
なお、以上の実施の形態1、2の説明から明らかなように、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であれば、記録ヘッドは単一でも複数でも同様に本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。また、同一又は異なる色彩のインクを用いて記録するカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する階調記録装置、さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に本発明を適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。さらに、本発明は、記録手段とインクタンクを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジを用いる構成、記録手段とインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録手段とインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
本発明の一実施形態に係る、最大印字幅64Inchの大判インクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。 記録ヘッドが搭載されているキャリッジの構成を示すものである。 インクジェット記録装置の制御系の構成例を示すものである。 記録ヘッドを構成している、チップの構成を示すものである。 レジストレーション調整パターンの最小単位であるレジストレーション調整基本パターンを示す図である。 レジストレーション調整パターンの印字から読み取りまでの一連の流れを示すフローチャートである。 レジストレーション調整パターンの一例を示す図である。 レジストレーション調整パターンのうち、図5中の501と511をセンサ33で読み取った際のセンサ読み取り値を示すグラフである。 図8のセンサ読み取り値からA/D変換を行った後のセンサ読み取り値である。
符号の説明
1 キャリッジ
2 記録ヘッド
3 キャリッジガイド軸
4 キャリッジベルト
5 モータプーリ
6 主走査モータ
7 印字媒体
8 搬送ローラ
9 エンコーダセンサ
10 リニアエンコーダスケール
21 Bkチップ
22 Pcチップ
23 Cチップ
24 Mチップ
25 Pmチップ
26 Yチップ
30 吐出タイミング制御部
31 Xa方向の位置決め部材
32 Xb方向の位置決め部材
33 センサ
40 通信部
41 ホストコンピュータ
42 制御ユニット
43 画像データメモリ部
44 調整画像データメモリ部
45,46 モータドライバ
47 副走査モータ
48 記録ヘッド動作制御部
49 ホームポジションセンサ
50 カウンタ
61,62 ノズル列
63 ノズル
64,65 ノズル間隔
91,92,93,94 ズレ量

Claims (4)

  1. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、
    レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、
    前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、
    前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部と、
    を有し、
    前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体幅によって異なることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、
    レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、
    前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、
    前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部と、
    前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整基本パターンを有し、
    前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記レジストレーション調整基本パターンを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、
    レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、
    前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、
    前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部と、
    前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整画像を複数有し、
    前記複数のレジストレーション調整画像は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の画像サイズが異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部と、
    レジストレーション調整画像データを格納する調整画像データメモリ部と、
    前記レジストレーション調整画像データに基づいて、前記記録媒体にレジストレーション調整画像を記録し、前記記録ヘッドの吐出タイミングを制御するための補正値を判断するヘッド動作制御部と、
    前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体幅を判断する記録媒体幅判断部と、
    前記調整画像データメモリ部は、レジストレーション調整画像を複数有し、
    前記複数のレジストレーション調整画像は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の画像サイズが異なるものであって、
    前記記録媒体に記録するレジストレーション調整画像は、前記記録媒体への記録幅が最大となるように、前記複数のレジストレーション調整画像から1つを選択することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008284774A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Canon Inc 画像処理方法およびインクジェット記録装置
JP2009034839A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、着弾位置ずれ補正方法
JP2015189180A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

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