以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の人体情報管理装置は、人体の状態(例えば、肝臓の状態、心臓の状態など)を検出し管理するものである。人体情報管理装置は、図1に示すように、各種の情報を入力するための情報入力部1と、交流電圧印加部2と、入力端子部3と、出力端子部4と、測定部5と、波形情報生成部6と、人体状態判定部7と、人体状態出力部8と、各種の情報を記憶する記憶部9と、各部を制御する制御部10とを有する。以下、各部の機能を必要に応じて、図2を用いながら、説明する。
交流電圧印加部2は、異なる周波数ごとに、一定振幅の交流電圧を発生させて、入力端子部3と出力端子部4との間に、上記交流電圧を印加する。この交流電圧印加部2の交流電圧の発生処理、印加処理の具体的な説明は以下の通りである。制御部10は、交流電圧印加部2に対して、所定時間(例えば、時間Tの間)、ある周波数を有する一定振幅の交流電圧を発生し上記印加処理を行うように指示する。交流電圧印加部2は、上記指示に基づいて、上記発生処理、上記印加処理を行う。制御部10は、後述する波形情報生成部6により、上記ある周波数に対するインピーダンスを算出したことを示す情報を取得した場合、交流電圧印加部2に対して、所定時間(例えば、時間Tの間)、上記ある周波数と異なる周波数を有する一定振幅の交流電圧を発生し上記印加処理を行うように指示する。このようにして、制御部10は、交流電圧印加部2に対して、異なる周波数(例えば、f1、f2、…、fn)ごとに、所定時間(例えば、時間Tの間)、一定振幅の交流電圧を発生し上記印加処理を行うように指示し、交流電圧印加部2は、異なる周波数ごとに、上記発生処理、上記印加処理を行う。
ここで、交流電圧印加部2による印加処理は、入力端子部3に対して、上記交流電圧により発生する交流電流を入力する処理に相当する(図2(a)参照)。そして、上記印加処理の結果、上記交流電流を人体の内部に通過させ、出力端子部4から出力する処理が行われる(図2(b)参照)。この結果、上記入力する処理、上記出力する処理は、異なる周波数ごとに行われる。
また、交流電圧印加部2は、印加した交流電圧の時間変化(時間に対する電圧値の変化)を示す情報を、周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。また、制御部10は、上記周波数を示す情報を測定部5に送る。
入力端子部3は、交流電圧印加部2により印加された交流電圧により発生する交流電流を、人体の経穴(以下、第1の実施の形態において「入力経穴」という。)を通じた人体の内部に入力する。入力端子部3は、入力経穴に対応する人体の表面上に接触される。なお、経穴とは、東洋医学において診断に用いられる人体内部の器官(例えば、心臓、肝臓など)に通じる経路(例えば、肺経や心経など、以下、単に「経路」という。)の始点に相当する穴のことであり、いわゆる「ツボ」のことである。
出力端子部4は、人体の経穴(以下、出力経穴という)から交流電流を出力し、出力経穴に対応する人体の表面上に接触される。ここで、入力端子部3から入力された交流電流は、入力経穴、経路、器官、経路、出力経穴を通過して、出力端子部4から出力されるので、出力端子部4は、入力端子部3に交流電流が入力され、入力経穴、経路、器官、経路、出力経穴を通過した交流電流を出力する。
入力経穴は、経路と器官と経路とを介して、出力経穴と接続されており、経路と器官と経路とは、抵抗とコンデンサーとを並列に接続した電気回路に近似することができる。また、直流電流印加により得られた抵抗値は器官の状態(例えば、器官が病気の状態、器官が健康の状態)に応じて変化し、この出力信号は器官の状態(人体の状態)を示す情報(以下、「人体情報」という。)になる。
また、交流電圧印加部2が印加する交流電圧の周波数が周波数f1の場合に、出力端子部4から出力される交流電流は、第1の人体情報(例えば、肝臓を構成する細胞内部あるいは肝臓機能を制御する神経細胞内部の情報)を含むものであり、上記交流電圧の周波数が周波数f1と異なる周波数f2の場合に、出力端子部4から出力される電流は、第1の人体情報と異なる第2の人体情報(例えば、肝臓を構成する細胞の外部あるいは肝臓機能を制御する神経細胞外部の情報)を含み、出力端子部4から出力される交流電流は、交流電圧印加部2が印加する交流電圧の周波数に応じて変化する。
従って、入力端子部3と出力端子部4との間に、第1の周波数(例えば、f1)の交流電圧が印加され、入力端子部3に、第1の周波数の交流電圧による交流電流が入力された場合に、出力端子部4から出力される交流電流は、第1の人体情報を含む情報といえ、入力端子部3と出力端子部4との間に、第2の周波数(例えば、f2)の交流電圧が印加され、入力端子部3に、第2の周波数の交流電圧による交流電流が入力された場合に、出力端子部4から出力される交流電流は、第2の人体情報を含む情報といえる。
測定部5は、出力端子部4から出力される交流電流の時間変化(時間に対する電流値の変化)を測定し、制御部10から送られてきた周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。
波形情報生成部6は、交流電圧印加部2から送られてきた交流電圧の時間変化を示す情報と、測定部5から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報とから、インピーダンス(例えば、電圧/電流で算出される)の時間変化(時間に対するインピーダンスの変化)を算出する。波形情報生成部6は、周波数に対応するインピーダンスの算出を、周波数ごとに行う。そして、波形情報生成部6は、各周波数ごとに算出したインピーダンスを連結することにより周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報を生成する(図2(d)参照)。
即ち、波形情報生成部6は、入力端子部3に入力される交流電流(第1の周波数の交流電圧が入力端子部3と出力端子部4との間に入力されたことにより入力端子部3に入力される交流電流)と、出力端子部4から出力される交流電流とから抽出された第1の人体情報を含むインピーダンス(第1の周波数に対応するインピーダンス)と、入力端子部3に入力される電流(第2の周波数の交流電圧が入力端子部3と出力端子部4との間に入力されたことにより入力端子部3に入力される交流電流)と、出力端子部4から出力される交流電流とから抽出された第2の人体情報を含むインピーダンス(第2の周波数に対応するインピーダンス)と、…、入力端子部3に入力される電流(第N(Nは整数)の周波数の交流電圧が入力端子部3と出力端子部4との間に入力されたことにより入力端子部3に入力される交流電流)と、出力端子部4から出力される交流電流とから抽出された第Nの人体情報を含むインピーダンス(第Nの周波数に対応するインピーダンス)とを連結した波形情報を生成する。
人体状態判定部7は、波形情報生成部6により生成された波形情報に基づいて、人体の状態を判定するものである。この判定処理の具体的な説明の一例を以下に示す。PC端末やサーバ等の記憶部9には、波形情報(周波数に対するインピーダンスの分布)の範囲と、人体の状態との対応関係を示す膨大な波形情報対応データが記憶され、この波形情報対応データに基づいた統計処理により、取得した人体情報の良/不良が判定される。例えば、東洋医学において多く用いられる主要経穴や経路ごとに、統計データに基づいた各周波数範囲に対するインピーダンスの波形情報の正常/異常のデータが記憶されている。また、記憶部9には、所定の経穴や経路のある周波数範囲のインピーダンスの異常波形と、生体の異常箇所や疾患との対応関係に関する膨大なデータも記憶されている。
ある人体の波形情報に関する例を示す。入力経穴X1及び出力経穴X2に対応する波形情報を取得したところ、ある周波数範囲において、インピーダンスの波形が、通常は(正常な場合は)周波数の増加に対して単調減少を示すのに対し、山状の波形を示した。測定した全周波数範囲について抵抗成分およびコンデンサー成分を含む電気的等価回路を算出したところ、算出した等価回路の周波数に対するインピーダンスの波形と、取得した被検体の波形情報はおおまかに一致したが、山状の波形部分は抵抗成分とコンデンサー成分のみからなる等価回路の波形とは一致しない。この山状の波形部分はアクティブ素子成分を等価回路に含めた場合の波形と一致し、生体内に陰性電位が発生していることが分かった。入力経穴X1及び出力経穴X2との対応から、記憶部9に記憶されている膨大な人体情報データに基づき、生体内の異常な部位(組織)が示され、また異常波形が得られた周波数範囲の波形情報および陰性電位の量などから、正常状態からどの程度逸脱しているか(例えば、やや悪い、非常に悪い、または××疾患であるなど)などの情報を得ることができる。
この生体情報測定および判定法においては、生体の恒常性(ホメオスタシス)からの微小なズレを検知することができる。すなわち、西洋医学において病気であると診断される以前の微小な生体変化を検知することができ、またその生体情報の微小なズレと各種疾患との関連性なども、前述の膨大な生体情報データに基づく統計処理により得ることができ、各種疾患になりうる危険性などを把握することができる。
人体状態出力部8は、人体状態判定部7により判定された人体の状態を示す情報を出力する。例えば、人体情報出力部は、肝臓の状態が良好であることや、通常であることを示す情報を画面により表示する。また、人体状態出力部8は、人体状態判定部7により判定された人体の状態が不良状態である場合には、人体の状態が不良状態であることを示す情報を出力する。具体的には、人体状態判定部7により判定された肝臓の状態が、やや悪い状態又はかなり悪い状態の場合には、例えば、警告音を出力する。
次に、上述した構成を有する人体情報管理装置を用いた人体情報管理方法について図3を用いて、以下に説明する。
先ず、人体情報管理装置のユーザは、自分の人体の入力経穴に入力端子部3を接触固定させるとともに、出力経穴に出力端子部4を接触固定させる。そして、上記ユーザは、情報入力部1を用いて、人体情報の判定、出力を行う要求、入力経穴及び出力経穴を示す情報を入力すると、上記要求は、制御部10に送られ、入力経穴及び出力経穴を示す情報は、人体状態判定部7に送られる。
ステップ10においては、制御部10は、交流電圧印加部2に対して、所定時間、所定の周波数(例えば、周波数f1)を有する一定振幅の交流電圧を発生し上記印加処理を行うように指示すると、交流電圧印加部2は、上記指示に基づいて、上記発生処理、上記印加処理を行う。また、交流電圧印加部2は、印加した交流電圧の時間変化(時間に対する電圧値の変化)を示す情報を、周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。また、制御部10は、上記周波数を示す情報を測定部5に送る。
ステップ20においては、入力端子部3は、上記交流電圧により発生する交流電流を入力経穴に入力する。
ステップ30においては、出力端子部4は、入力端子部3から入力され、入力経穴、経路、器官、経路、出力経穴を通過した交流電流を出力する。
ステップ40においては、測定部5は、出力端子部4から出力される交流電流の時間変化を測定し、制御部10から送られてきた周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。
ステップ50においては、波形情報生成部6は、交流電圧印加部2から送られてきた交流電圧の時間変化を示す情報と、測定部5から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報とから、インピーダンスの時間変化を算出し、算出したインピーダンスの時間変化を、フーリエ変換することにより、制御部10から送られてきた周波数に対応するインピーダンスを算出する。波形情報生成部6は、上記周波数に対応するインピーダンスの算出が終了したことを示す情報を、制御部10に送る。
ステップ60においては、制御部10は、全ての周波数(例えば、f1、f2、…、fn)に対応するインピーダンスの算出処理が終了したか否かを判定し、終了した場合には、ステップ70の処理が行われ、終了していない場合には、ステップ10の処理が行われる。この際、ステップ10の処理においては、制御部10は、インピーダンスの算出が終了していない周波数を有する一定振幅の交流電圧を発生し上記印加処理を行うように指示する。
ステップ70においては、波形情報生成部6は、各周波数ごとに算出したインピーダンスを連結することにより周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報を生成する。波形情報生成部6は、生成した波形情報を人体状態判定部7に送る。
ステップ80においては、人体状態判定部7は、情報入力部1により入力された入力経穴及び出力経穴に対応する波形情報対応テーブルを記憶部9から読み出す。人体状態判定部7は、波形情報対応データ中の波形情報の範囲のうち、生成した波形情報が含まれる範囲を決定し、決定した波形情報の範囲に対応する人体の状態を取得することにより、人体の状態を判定する。人体状態判定部7は、判定した人体の状態を示す情報を人体状態出力部8に送る。また、人体状態判定部7は、判定した人体の状態が不良状態(例えば、人体状態判定部7により判定された肝臓の状態が、やや悪い状態又はかなり悪い状態)の場合には、不良状態であることを示す情報も、人体状態出力部8に送る。
ステップ90においては、人体状態出力部8は、人体状態判定部7により判定された人体の状態を示す情報を出力するとともに、判定された人体の状態が不良状態の場合には、警告音を出力する。
本実施形態によれば、人体の入力経穴(入力部位)に、第1の周波数(例えば、周波数f1)を有する交流電圧による第1の交流電流(以下、第1の交流入力電流)、第2の周波数(例えば、周波数f2)を有する交流電圧による第2の交流電流(以下、第2の交流入力電流)、…、第Nの周波数(例えば、周波数fn)を有する交流電圧による第Nの交流電流(以下、第Nの交流入力電流)を入力する。ここで、第1の周波数、第2の周波数、…、第Nの周波数は、相互に値が異なっている。そして、第1の交流入力電流、…、第Nの交流入力電流を入力経穴から人体の内部(入力経穴−経路−器官−経路−出力経穴)に通過させ、第1の人体情報(例えば、器官の細胞内部あるいは器官を制御する神経細胞内部の情報)を含む第1の交流電流(以下、第1の交流出力電流)、第2の人体情報(例えば、器官の細胞の表面あるいは器官を制御する神経細胞表面の情報)を含む第2の交流電流(以下、第2の交流出力電流)、…、第Nの人体情報(例えば、器官の細胞の外部あるいは器官を制御する神経細胞外部の情報)を含む第Nの交流電流(以下、第Nの交流出力電流)を、出力経穴から出力する。そして、第1の交流入力電流及び第1の交流出力電流から抽出された第1の人体情報(第1の情報を含む、第1の周波数に対応するインピーダンス)と、…、第Nの交流入力電流及び第Nの交流出力電流から抽出された第Nの人体情報(第Nの情報を含む、第Nの周波数に対応するインピーダンス)とを連結した波形情報(周波数に対するインピーダンスの分布)を生成する。
ここで、例えば、人体の周囲の湿潤度、人体の発汗状態、人体の表皮の厚さなどにより、第1の人体情報、第2の人体情報、…、第Nの人体情報の各々に対応する値(例えば、1つの周波数に対応するインピーダンス)は変化するが、周波数に対するインピーダンスの分布において、上記波形情報に対応する波の形が変化することはなく、波が上下方向に移動するだけである。このため、波の形ごとに、人体の状態を対応させておくことにより、人体の周囲の湿潤度、人体の発汗状態、人体の表皮の厚さなどの影響に関わらず、生成された波形情報に対応する波の形に基づいて、人体の状態を正確に判定することが可能となる。
また、第1の実施の形態によれば、入力端子部3及び出力端子部間に印加される交流電圧と、出力端子部4から出力される交流電流とに基づいて、インピーダンスが算出されるので、上記インピーダンスには、周波数と関係するリアクタンス(例えば、ωL−1/ωC、Lはコイルのインダクタンス、Cはコンデンサーの容量、ωは周波数に対応する角周波数)が含まれる。このため、上記インピーダンスには、人体内部(入力経穴−経路−器官−経路−出力経穴)を近似した等価回路におけるコンデンサー容量成分などに関する情報が含まれるので、生成された波形情報には、上記等価回路におけるコンデンサー容量成分などに関する情報が含まれており、生成された波形情報に基づいて、人体の状態をより正確に判定することが可能となる。
また、第1の実施の形態によれば、人体状態判定部7は、波形情報対応データに基づいて、波形情報生成部6により生成された波形情報に対応する人体の良/不良状態を判定し、人体状態出力部8は、人体状態判定部7により判定された人体の状態を示す情報を出力するので、人体情報管理装置のユーザは、波形情報を見て、自分自身で人体の健康状態を判定する必要がない。このため、ユーザが、自分の健康状態などを判定する負担を軽減することができる。
また、第1の実施の形態によれば、人体状態出力部8は、人体状態判定部7により判定された人体の状態が不良状態である場合に、人体の状態が不良状態であることを示す情報(例えば、警告音)を出力するので、人体情報管理装置のユーザに対して、自分の健康に問題があるという印象を強く抱かせ、健康管理に気をつかうように意識させたり、予め病気の予防を行おうという意識を高めさせることになる。
また、第1の実施の形態によれば、病気のため投薬などを行なっている人が上記人体情報管理装置を用いて、波形情報を生成し、生成された波形情報に基づいて、人体の状態が異常(健康状態が不良状態)と判定される場合、投薬を続け、人体の状態が正常(健康状態が良好又は通常状態)と判定された場合、投薬を止めるようにすることができる。また、病人のリハビリテーションの経過、病院の入院患者などにも、本実施形態の人体情報管理装置の適用が可能である。
さらに、第1の実施の形態によれば、常時、間欠的又は定期的に波形情報を生成することも可能であり、波形情報を、臓器などの組織、脳の活動状態又は細胞内外の情報などの生体情報や、自律神経又は精神状態に関する情報や、その変化(異常)などの情報と関連づけることにより、季節の変化や人体の発汗状態などによらず、癌や生活習慣病、痴呆、アレルギー疾患など種々の重大な病気の前兆を知ることも可能となり、日々の健康管理に役立て、病気の予防を行うことができる。
以上のことから、第1の実施の形態によれば、個人がQOL(Quality of life)を高め、健康で楽しい生活を送り、健康寿命を延ばすための病気の予防に貢献することができる。
なお、第1の実施の形態並びに後述する他の実施の形態において、人体情報管理装置に備える共通アース電極部の図示は省略している。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態並びに後述する他の実施の形態において、第1の実施の形態に係る人体情報管理装置の構成と同一の構成には同一符号を付し、その説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態に係る人体情報管理システムは、図4に示すように、PC端末装置15と、人体情報通信装置20とを有する。なお、第2の実施の形態においては、PC端末装置15を用いて説明するが、この端末は携帯通信端末装置、サーバ装置などであってもよい。
PC端末装置15は、情報入力部1と、アンテナ部11と、交流電流発生部21と、記憶部9と、測定部5と、波形情報生成部6と、人体状態判定部7と、人体状態出力部8と、各部を制御する制御部10とを有する。
交流電流発生部21は、異なる周波数ごとに、一定振幅の交流電流を発生させて、アンテナ部11に送る。この交流電流発生部の発生処理の具体的な説明は以下の通りである。制御部10は、交流電流発生部21に対して、所定時間(例えば、時間Tの間)、ある周波数を有する一定振幅の交流電流を発生するように指示する。交流電流発生部21は、上記指示に基づいて、電磁誘導による起電力を用いて、上記ある周波数を有する交流電流を発生させる。電磁誘導による起電力を用いて交流電流を発生させる方法は、良く知られた技術であるので、ここでは、その説明を省略する。制御部10は、後述する波形情報生成部6により、上記ある周波数に対する反射率を出したことを示す情報を取得した場合、交流電流発生部21に対して、所定時間、上記ある周波数と異なる周波数を有する一定振幅の交流電流を発生するように指示する。このようにして、制御部10は、交流電流発生部21に対して、異なる周波数(例えば、f1、f2、…、fn)ごとに、所定時間(例えば、時間Tの間)、一定振幅の交流電流を発生するように指示し、交流電流発生部21は、異なる周波数ごとに、上記発生処理を行う。また、交流電流発生部21は、発生させた交流電流の時間変化(時間に対する電流値の変化)を示す情報を、周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。また、制御部10は、上記周波数を示す情報を測定部5に送る。
アンテナ部11は、交流電流発生部21により発生された交流電流を示す電気信号を無線通信用の信号に変換して人体情報通信装置20に送信するとともに、人体情報通信装置20からの交流電流を示す電気信号をPC端末装置15で処理できる信号に変換し、測定部5に送る。
測定部5は、人体情報通信装置20からの交流電流の時間変化を測定し、制御部10から送られてきた周波数と対応づけて波形情報生成部6に送る。
波形情報生成部6は、交流電流発生部21から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報と、測定部5から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報とから、反射率(例えば、測定部5から送られてきた電流/交流電流発生部21から送られてきた電流で算出される)の時間変化(時間に対する反射率の変化)を算出する。そして、波形情報生成部6は、算出した反射率の時間変化を、フーリエ変換することにより、制御部10から送られてきた周波数に対応する反射率を算出する。波形情報生成部6は、周波数に対応する反射率の算出を、周波数ごとに行う。そして、波形情報生成部6は、各周波数ごとに算出した反射率を連結することにより周波数に対する反射率の分布を示す波形情報を生成する。人体状態判定部7及び人体状態出力部8は、実施形態1の機能と同じ機能を有する。
人体情報通信装置20は、アンテナ部23と、入力端子部3と、出力端子部4と、接地用端子部22とを有する。アンテナ部23は、PC端末装置15から送信されてくる交流電流を示す電気信号を受信し、人体情報通信装置20内で処理できる信号に変換し、入力端子部3に送るとともに、出力端子部4から送られてきた交流電流を、無線通信用の信号に変換して、PC端末装置15に送信する。
入力端子部3及び出力端子部4は、第1の経穴に対応する体の表面上に接触される。接地用端子部22は、一方の端部が接地されており、他方の端部が第2の経穴に対応する人体の表面上に接触される。
アンテナ部23から送られてきた信号は、入力端子部3(第1の経穴)から入力し、経路―器官−経路を通過させ、出力端子部4(第2の経穴)からPC端末装置15に出力信号を送信する方法と、また第1の経穴を入力かつ出力端子部とし、経路−器官−経路と反射してきた信号をPC端末装置15に送信する方法がある。出力される信号の特性(例えば、器官の状態に変化し、人体情報を含むなど)は、第1の実施の形態において説明したとおりである。
出力端子部4は、第1の経穴から出力された交流電流を、アンテナ部23に送る。
次に、上述した構成を有する人体情報管理システムを用いた人体情報管理方法について図5に示すフローチャート図を用いて、以下に説明する。なお、図3と同じ処理は、その説明を省略する。
先ず、ユーザは、自分の人体の第1の経穴に入力端子部3及び出力端子部4を接触固定させるとともに、第2の経穴に接地用端子部22を接触固定させる。そして、上記ユーザは、情報入力部1を用いて、人体情報の判定、出力を行う要求、第1の経穴及び第2の経穴を示す情報を入力すると、上記要求は、制御部10に送られ、第1の経穴及び第2の経穴を示す情報は、人体状態判定部7に送られる。
ステップ100においては、PC端末装置15の制御部10は、交流電流発生部21に対して、所定時間、所定の周波数(例えば、周波数f1)を有する一定振幅の交流電流を発生するように指示すると、交流電流発生部21は、上記指示に基づいて、上記発生処理を行う。交流電流発生部21は、発生させた交流電流をアンテナ部11に送る。また、交流電流発生部21は、発生させた交流電流の時間変化を示す情報を、周波数と対応づけて、波形情報生成部6に送る。また、制御部10は、上記周波数を示す情報を測定部5に送る。
ステップ110においては、アンテナ部11は、上記発生された交流電流を示す信号を人体情報通信装置20に送信する。
ステップ120においては、人体情報通信装置20のアンテナ部23は、上記発生された交流電流を示す信号を受信し、入力端子部3に送る。
ステップ130においては、入力端子部3は、上記交流電流を第1の経穴に入力する。
ステップ140においては、出力端子部4は、入力端子部3から入力され、経路、器官、経路を通過して、第2の経穴で反射され、経路、器官、経路を通過した交流電流を出力する。
ステップ150においては、アンテナ部23は、出力端子部4から出力された交流電流を示す信号をPC端末装置15に送信する。
ステップ160においては、アンテナ部11は、人体情報通信部からの交流電流を示す信号を受信し、測定部5に送る。
ステップ170においては、測定部5は、人体情報通信装置20からの交流電流の時間変化を測定し、制御部10から送られてきた周波数と対応づけて波形情報生成部6に送る。
ステップ180においては、波形情報生成部6は、交流電流発生部から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報と、測定部5から送られてきた交流電流の時間変化を示す情報とから、反射率の時間変化を算出し、算出した反射率の時間変化を、フーリエ変換することにより、制御部10から送られてきた周波数に対応する反射率を算出する。波形情報生成部6は、上記周波数に対応する反射率の算出が終了したことを示す情報を、制御部10に送る。
ステップ190においては、制御部10は、全ての周波数(例えば、f1、f2、…、fn)に対応する反射率の算出処理が終了したか否かを判定し、終了した場合には、ステップ200の処理が行われ、終了していない場合には、ステップ100の処理が行われる。この際、ステップ100の処理では、反射率の算出が終了していない周波数を有する一定振幅の交流電流を発生するように指示する。
ステップ200においては、波形情報生成部6は、各周波数ごとに算出した反射率を連結することにより周波数に対する反射率の分布を示す波形情報を生成する。波形情報生成部6は、生成した波形情報を人体状態判定部7に送る。ステップ210、ステップ220においては、それぞれ、ステップ80、ステップ90の処理が行われる。
第2の実施の形態によれば、PC端末装置15と、PC端末装置15から、人体の第1の経穴(入力部位)に入力する第1の周波数(例えば、周波数f1)を有する交流電流(第1の交流入力電流)と、…、第1の経穴に入力する第Nの周波数(例えば、周波数fn)を有する交流電流(第Nの交流入力電流)とを受信するアンテナ部23を有する。アンテナ部23は、第1の交流入力電流を第1の経穴から人体の内部(第1の経穴−経路−器官−経路−第1の経穴)に通過させ、人体の第1の経穴(出力部位)から出力される第1の人体情報を含む第1の周波数を有する交流電流(第1の交流出力電流)と、…、第Nの交流入力電流を第1の経穴から人体の内部(第1の経穴−経路−器官−経路−第1の経穴)に通過させ、人体の第1の経穴(出力部位)から出力される第Nの人体情報を含む第Nの周波数を有する交流電流(第Nの交流出力電流)とを、PC端末装置15に送信する。PC端末装置15は、第1の交流入力電流及び第1の交流出力電流から算出(抽出)された第1の周波数に対応する反射率(第1の人体情報を含む)と、…、第Nの交流入力電流及び第Nの交流出力電流から算出(抽出)された第Nの周波数に対応する反射率(第Nの情報を含む)とを連結した波形情報(周波数に対する反射率の分布)を生成する。このため、第1の実施の形態における波形情報として、周波数に対するインピーダンスの分布の代わりに、周波数に対する反射率の分布が用いられるが、算出される反射率は、第1の実施の形態において算出されるインピーダンスと等価(人体情報を含む)なので、第1の実施の形態により得られる効果と同等の効果が得られる。
また、第2の実施の形態によれば、上記入力部位と上記出力部位は、同じ部位(第1の経穴)であり、第1の交流入力電流、第2の交流入力電流、…、を受信する受信部と、第1の交流出力電流、第2の交流出力電流、…を送信する送信部とは、同じアンテナ部23によって構成されており、アンテナ部23は、第1の経穴に接触固定された入力端子部3及び出力端子部4(この場合、入力端子部3=出力端子部4である)に、設けられている。このため、アンテナ部23を入力端子部3及び出力端子部4を介して人体の第1の経穴に取り付け、第2の経穴を接地させるだけでよいので、人体の状態を簡易かつ正確に判定できる。
また、PC端末装置15は、電磁誘導により発生した起電力に関する交流入力電流を発生させ、人体情報通信装置20に送信できるので、交流電流を発生する設備は汎用のものを使用でき、交流電流の発生のための設備のコストの低減化を図れる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る人体情報管理システムは、図6に示すように、PC端末装置35と、PC端末装置35に接続された電極部36と、ICタグ40とを有する。
ICタグ40は、人体に着脱可能であり、I/O部41と、制御部42と、交流電流発生部21と、入力端子部3と、出力端子部4とを有する。
交流電流発生部21は、微小電源21aと、周波数可変発振回路21bとを有し、周波数を周波数可変発振回路21bにより変化させ、微小電源21aからの供給を用いて、異なる周波数ごとに、一定振幅の交流電流を発生させる。交流電流発生部21は、制御部10の指示に基づいて、上記発生処理を行うことは、第2の実施の形態と同じである。交流電流発生部21は、発生させた交流電流の時間変化を、周波数と対応づけて、制御部42に送る。
入力端子部3及び出力端子部4は、経穴(第2の実施の形態の第1の経穴に相当)に対応する人体の表面上に接触される。入力端子部3は、交流電流発生部21により発生された交流電流を、上記経穴を通じた人体の内部に入力する。
出力端子部4は、上記経穴から交流電流を出力し、上記経穴に対応する人体の表面上に接触される。ここで、第2の実施の形態のように、第2の経穴を接地しない場合には、入力端子部3から入力された交流電流は、上記経穴、経路を通過して、器官で反射され、経路、上記経穴を通過して、出力端子部4から出力されるので、出力端子部4は、入力端子部3に交流電流が入力され、上記経穴、経路を通過し、器官で反射され、経路、上記経穴を通過した交流電流を出力する。
ここで、上記経穴は、経路を介して、器官と接続されており、上記器官は、経路から入力されてきた信号に対して、ある反射率で、経路に上記信号を出力するように近似可能である。そして、上記反射率は、器官の状態(例えば、器官内の細胞に損傷がある状態(器官の異常状態)や器官内の細胞などに損傷などがない状態(器官の正常状態))に応じて変化するので、出力端子部4から出力される電流は、器官の状態に応じて、変化するので、器官の状態(人体の状態)を含む情報(人体情報)といえる。
制御部42は、出力端子部4から出力された交流電流の時間変化を測定し、交流電流発生部21により発生された交流電流の時間変化と、測定した交流電流の時間変化とから、反射率の時間変化を、周波数と対応づけて、I/O部41に送る。制御部42は、異なる周波数ごとに、上記処理を行う。
I/O部41には、人体の上記経穴に対応する部位以外の第1の通信用部位(人体の部位)に接触固定され、電極部36には、人体の第2の通信用部位が接触される。I/O部41は、周波数に対応する反射率の時間変化を示す信号を、人体、電極部36を介して、PC端末装置35に送信する。
PC端末装置35は、情報入力部1と、I/O部44と、記憶部9と、波形情報生成部6、人体状態判定部7、人体状態出力部8の各部を制御する制御部10とを有する。
波形情報生成部6は、I/O部44から送られてきた反射率の時間変化(時間に対する反射率の変化)から、周波数に対応する反射率を算出する。波形情報生成部6は、周波数に対応する反射率の算出を、周波数ごとに行う。そして、波形情報生成部6は、各周波数ごとに算出した反射率を連結することにより周波数に対する反射率の分布を示す波形情報を生成する。人体状態判定部7及び人体状態出力部8は、第1の実施の形態の機能と同じ機能を有する。
第3の実施の形態によれば、PC端末装置35と、人体の経穴(入力部位)に入力する第1の周波数を有する交流電流(第1の交流入力電流)と、上記第1の交流入力電流を上記経穴から人体の内部(経穴−経路−器官−経路−上記経穴)に通過させ、人体の上記経穴(出力部位)から出力される第1の人体情報を含む第1の周波数を有する交流電流(第1の交流出力電流)とから、第1の周波数に対応する反射率(第1の人体情報を含む)を算出(抽出)し、…、人体の上記経穴(入力部位)に入力する第Nの周波数を有する交流電流(第Nの交流入力電流)と、上記第Nの交流入力電流を上記経穴から人体の内部(上記経穴−経路−器官−経路−上記経穴)に通過させ、人体の上記経穴(出力部位)から出力される第Nの人体情報を含む第Nの周波数を有する交流電流(第Nの交流出力電流)とから、第Nの周波数に対応する反射率(第Nの人体情報を含む)を算出(抽出)する制御部42と、算出された第1の周波数に対応する反射率、…、第Nの周波数に対応する反射率を、PC端末装置に送信するI/O部41、人体、電極部36とを有し、PC端末装置35の波形情報生成部6は、第1の周波数に対応する反射率、…、第Nの周波数に対応する反射率とを連結した波形情報(周波数に対する反射率の分布)を生成する。
このため、本実施形態では、以下のような効果が得られる。例えば、人命にかかわるような重大な病気の診断には、高価な医療診断装置が必要であり、このような装置は、通常、病院などの専門機関にしか備えられていない。このため、各自が体の異変などを自覚し、又は、病気が進行した状態で、病院で診断を受ける場合が多い。このような場合、病状がかなり悪化している場合が多かった。このため、近年、各自が健康管理を行い、生活習慣を見直し、病気にならないように予防することの重要性が認識される傾向にある。このような予防として、各自が安価な健康管理装置を用いて、簡易に、体温、体重、体脂肪、血圧などのデータを測定し、このようなデータに基づいて、自分の健康状態を管理している。しかし、これらのデータによる健康管理だけでは、癌、生活習慣病、アレルギー疾患病などの特定の病気の予防を行うことはできなかった。このため、各自が安価な健康管理装置を用いて、自分の健康状態を管理していても、結局、上記特定の病気が進行した状態で、病院で診断を受けることになってしまうことが多かった。
第3の実施の形態によれば、PC端末装置35と、ICタグ40とがあれば人体の状態を正確に判定できるので、病院などで用いられる高価で大型の最先端医療機器を用いることなく、家庭など日常生活において簡易に、かつ非侵襲、無拘束に臓器などの組織の状態、脳の活動状態などに関する信頼性の高い情報(波形情報)を得ることができる。この結果、ユーザは、病院で医者の診察を受けなくても、通常の日常生活を送りながら、人体の状態を正確に判断することができる。また、頻繁に病院に通うことなく、自宅や通常の生活の中で波形情報を非侵襲、無拘束に生成し、人体の状態(健康状態)を判定したり出力することにより、癌や生活習慣病、アレルギー疾患等にならないよう予防することができる。
また、第3の実施の形態によれば、ICタグ40とPC端末装置35との間のデータ通信を人体を介して行うので、通信端末とICタグ40との間の通信に必要な設備を簡略化でき、人体情報管理システムに必要なコストの低減化が図れる。
(変更例1)
上述の第3の実施の形態に係る人体情報管理システムの変更例を以下に示す。なお、本変更例1及び後述する他の変更例において、第3の実施の形態に係るの人体情報管理システムの構成要素並びにその機能と同一の構成要素及びその機能の説明は、既に説明してあるので、省略する。図7に示すように、本変更例1においては、電極部36が設けられていない。そして、ICタグ40においては、I/O部41の代わりに、アンテナ50と、RF回路51とが設けられており、PC端末装置35においては、I/O部44の代わりに、アンテナ53と、RF回路54とが設けられている。
アンテナ50、53は、PC端末装置35とICタグ40との間において、無線通信を行う。RF回路51、54は、アンテナ50、53が受信した無線通信用の信号を、ICタグ40又はPC端末装置35が処理できる信号に変換するとともに、ICタグ40又はPC端末装置35からの信号を、無線通信用の信号に変換して送信する。これ以外の構成要素並びにその機能は第3の実施の形態の構成要素並びにその機能と同じである。
(変更例2)
上述の変更例1は、以下のように更に変更されてもよい。
入力端子部3は、第1の経穴に対応する人体の表面上に接触され、出力端子部4は、第2の経穴に対応する人体の表面上に接触されるようにしてもよい。
ここでは、第3の実施の形態とは異なり、入力端子部3から入力された交流電流は、第1の経穴、経路、器官を透過して、経路、第2の経穴を通過して、出力端子部4から出力される。この場合には、第1の経穴から入力された信号は、経路を通過して、ある透過率で器官を透過し、経路とを通過して、第2の経穴から出力される。上記透過率は、器官の状態(例えば、器官内の細胞に損傷がある状態(器官の異常状態)や器官内の細胞などに損傷などがない状態(器官の正常状態))に応じて変化するので、出力端子部4から出力される電流は、器官の状態に応じて、変化するので、器官の状態(人体の状態)を含む情報(人体情報)といえる。
そして、第3の実施の形態、変更例1のそれぞれにおいて、反射率を透過率に置き換えることが、変更例2においても可能である。
(変更例3)
上述の第2の実施の形態は以下のように変更されてもよい。図8に示すように、人体情報通信装置20は、出力端子部4から出力された交流電流を示す信号を、異なる周波数ごとに、記憶する記憶部60(メモリなど)と、記憶部60を制御する記憶制御部61とを有する。
そして、PC端末装置15の情報入力部1により、波形情報の生成又は人体状態の判定の指示がユーザにより入力されると、制御部10は、記憶部60に記憶されている交流電流を示す信号を、送信するように指示する指示信号を、アンテナ部11などを介して、人体情報通信装置20に送信する。
記憶制御部61は、上記指示信号に基づいて、記憶部60に記憶されている交流電流を示す信号を、異なる周波数ごとに、アンテナ部21などを介して、PC端末装置15に送信する。この結果、第2の実施の形態において説明したように、波形情報が生成される。
同様に、第3の実施の形態、変更例1、変更例2のそれぞれの説明において、出力端子部4から出力された交流電流を示す信号を、反射率又は透過率の時間変化に置き換え、人体情報通信装置20を、ICタグ40に置き換えることで、変更例3の適用が可能である。
変更例3によれば、PC端末装置が波形情報を生成しないことに基づいて、出力端子部4から出力された交流電流や、透過率、反射率の時間変化を一時的に記憶し、PC端末装置が波形情報を生成することに基づいて、記憶部60から読み出された、出力端子部4から出力された交流電流や、透過率又は反射率の時間変化を、PC端末装置に送信する。このため、人体の状態の判定のためのデータをとるタイミングと、波形情報を生成し人体の状態を判定するタイミングとをユーザの都合により、ずらすことも可能である。
(変更例4)
上述の第1乃至第3の実施の形態、変更例1乃至変更例3のそれぞれは、以下のように変更されてもよい。
波形情報生成部6は、周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報(以下、実測波形情報という)から、シミュレーションにより、実測波形情報と近似する波形情報を算出し、算出した波形情報に対応する等価回路を算出する。ここで、等価回路は、抵抗、コンデンサーを組み合わせた電気回路であり、上記シミュレーションは、例えば、文献1(M.S. Caeci and W.P. Cacheris, "Fitting Curves to Data", Byte, pp. 340-352, (1984).)、文献2(J.R.MacDonald, “Impedance Spectroscopy: Old problem and new developments”, Electrochimica Acta, Vol.15, pp.1483-1492(1990))、文献3(B.A.Boukamp, Equivalent Circuit (EQUIVCRT.PAS) Users Manual for Version 4.55. pp.9-11,(1989)))などに基づくものである。
波形情報生成部6は、以下に示すインピーダンスの算出処理を等価回路のシミュレーションにより行う。波形情報生成部6は、等価回路の入力部と出力部との間に、交流電圧を印加し、入力部に、上記交流電圧の印加による交流電流を入力し、出力部から出力される交流電流を算出し、印加した交流電圧の時間変化と、出力部から出力される交流電流の時間変化とから、インピーダンスの時間変化を算出し、インピーダンスの時間変化をフーリエ変換することで、周波数に対応するインピーダンスを算出する。そして、波形情報生成部6は、周波数ごとに、上述の処理を行い、周波数ごとに、算出されたインピーダンスを連結した波形情報(以下、シミュレーション波形情報)を生成する。
波形情報生成部6は、実測波形情報と、シミュレーション波形情報との差分から、波形情報を生成する。具体的には、波形情報生成部6は、実測波形情報の値と、シミュレーション波形情報の値との差分値を、周波数ごとに、算出し、周波数ごとの差分値を連結して、波形情報(以下、差分波形情報という)を生成する。
そして、人体状態判定部7は、差分波形情報に基づいて、人体の状態を判定するようにしてもよい。この場合は、上述した実施の形態の人体の状態の判定、出力の説明において、波形情報の代わりに、差分波形情報に置き換えた場合の説明が適用される。
なお、人体内部の等価回路の考え方については、抵抗、コンデンサーだけでなく、特に高周波領域ではコイル成分を持つ受動素子(パッシブ素子)と等価な部位、さらには能動素子(アクティブ素子)と等価な部位の存在なども考慮する必要がある。即ち、上記等価回路には、抵抗、コンデンサー、コイルなど、エネルギーを消費したり蓄えたりする受動素子以外に、増幅、発信などの機能を持つ能動素子(例えば、トランジスタや電池のようにエネルギーを供給する素子)も含まれている。上記等価回路に、能動素子を含める理由は、以下のとおりである。人体は、ある一定の電圧を持つ。人体の電位には、一般的に以下の傾向が見られる。興奮している人体の部位には、陰性の電気が発生し、上記部位の電位は変化し、興奮がなくなると、上記部位の電位は、元の電位に戻ることが知られている。人体の各部は、休養によって一定のバランスを保ち、この調和が保たれている限り、健康体である。しかし、病気という状態が出現すると、その調和が壊れて電位のバランスが大きく乱れる。即ち、内臓に病的変化が起こり、組織の損傷または興奮が起きると、そこに陰性電位(損傷電位)が発生する。これは、内臓に分布している自律神経が疾病のため刺激され電位変化を起こすものである。このような陰性電位の発生は、人体の内部で能動素子的な働きをすると考えられる。
変更例4によれば、第1の人体情報を含む第1の周波数に対応するインピーダンス、第2の人体情報を含む第2の周波数に対応するインピーダンス、…の各々を、人体の内部に対応し抵抗成分及びコンデンサー成分を含む等価回路により算出し、等価回路により算出された第1の人体情報を含む第1の周波数に対応するインピーダンス、第2の人体情報を含む第2の周波数に対応するインピーダンス、…から、インピーダンスに関するシミュレーション波形情報を生成し、実測波形情報と、シミュレーション波形情報との差分から、差分波形情報を生成し、この差分波形情報に基づいて、人体の状態の判定ができる。上記差分波形情報には、人体の内部を等価回路と近似した場合に、抵抗、コンデンサー成分以外の受動素子、能動素子などの情報が含まれるので、差分波形情報を用いて、人体の状態を判定することにより、上記受動素子、能動素子などに関係する人体の状態を正確に判定することができる。
なお、実測波形情報として、上述の周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報に限らず、周波数に対する反射率(上述のインピーダンスと等価)の分布を示す波形情報にした場合にも、変更例4は同様に、適用ができる。
(変更例5)
また、上述の第1乃至第3の実施の形態、変更例1乃至変更例4のそれぞれは、以下のように変更されてもよい。
波形情報生成部6は、生成した波形情報において、周波数に対するインピーダンスの傾きが増加傾向から減少傾向及び/又は減少傾向から増加傾向に変化する領域を抽出する。生成した波形情報とは、例えば、実施形態1に示す波形情報、変更例4に示す実測波形情報、変更例4に示す差分波形情報である。そして、波形情報生成部6は、抽出した上記変化する領域から、波形情報(以下、変化領域波形情報という)を生成するようにしてもよい。そして、人体状態判定部7は、変化領域波形情報に基づいて、人体の状態を判定するようにしてもよい。この上述した実施形態の人体の状態の判定、出力の説明において、波形情報の代わりに、変化領域波形情報に置き換えた場合の説明が適用される。
変更例5によれば、周波数に対するインピーダンスの分布において、増加傾向から減少傾向及び/又は減少傾向から増加傾向に変化する領域の分布を示す変化領域波形情報を生成している。変化領域波形情報は、波形情報(例えば、第1の実施の形態に示す波形情報、変更例4に示す実測波形情報、変更例4に示す差分波形情報)における局所的な特徴を示す分布であるので、変化領域波形情報を用いて人体の状態を判定することにより、上記波形情報から得られる人体の状態(例えば、肝臓全体の状態)よりも、さらに詳細な人体の状態(例えば、肝臓内のある部分の状態)を知ることができる。
なお、波形情報生成部6は、生成した波形情報において、周波数に対する反射率又は透過率の傾きが増加傾向から減少傾向及び/又は減少傾向から増加傾向に変化する領域を抽出し、抽出した上記変化する領域から、変化領域波形情報を生成するようにしてもよい。
(変更例6)
上述の第1乃至第3の実施の形態、変更例1乃至変更例5のそれぞれにおいて、入力端子部3と出力端子部4との間に印加される交流電圧の周波数、又は、入力端子部3に入力される交流電流の周波数は、10kHz以上であるようにしてもよい。
人体の内部は、抵抗、コンデンサーなどを含む等価回路で近似され、生成される波形情報に、コンデンサー成分に関する情報が含まれるためには、交流電流によるインピーダンスのデータが必要であり、またより正確な情報を得るためには、高周波数(例えば、10kHz以上)に対するインピーダンスのデータが必要である。また、人体の電気的特性で細胞レベルの不均質構造に起因するβ分散という構造分散が10kHz乃至数十MHzの範囲で発生するので、この構造分散に関する細胞レベルの詳細な情報が波形情報に含まれるためには、入力端子部3と出力端子部4との間に印加される交流電圧の周波数、又は、入力端子部3に入力される交流電流の周波数は、10kHz以上である必要がある。
変更例6によれば、生成された波形情報には、上記構造分散に関する細胞レベルの詳細な情報などが含まれるので、人体の状態をより正確に判定することができる。
(変更例7)
PC端末装置は、人体状態判定部7により判定された不良状態を解消する刺激信号を、上記不良状態に対応する人体の領域に上記刺激信号を印加する刺激信号印加装置に対して、無線通信により送信するようにしてもよい。この送信の具体的な説明を図9を用いて以下に示す。なお、変更例7では、図7に示すPC端末装置35を例にして説明するが、他の実施の形態のPC端末装置であってもよい。また、図9では、ICタグ40は省略している。
PC端末装置35は、刺激信号生成部70を有する。人体状態判定部7は、例えば、判定した人体の状態(例えば、肝臓の状態がかなり悪いことを示す情報や、肝臓の状態が悪いことを示す情報)を刺激信号生成部70に出力する。刺激信号生成部70は、人体の不良状態と、刺激信号を決定するための情報(例えば、刺激電流を決定するための振幅強度、周波数、波形など)及び刺激信号を入力する人体の部位とが対応づけられた刺激情報対応データを保持している。ここで、刺激信号を決定するための情報に基づいて生成された刺激信号は、対応する人体の不良状態を解消するのに役立つことが予め実験などで確かめられている。また、刺激信号の周波数は、無線通信が行える範囲の周波数(高周波数)である。
そして、刺激信号生成部70は、刺激情報対応データを参照して、人体状態判定部7から出力された人体の状態に対応する、刺激信号を決定するための情報を取得し、取得した情報に基づいて、刺激信号を生成する。例えば、人体状態判定部7から出力された人体の状態が、肝臓の状態がかなり悪いことを示す情報である場合には、刺激信号生成部70は、肝臓の状態がかなり悪いことを解消するのに役立つ刺激信号を決定する情報(例えば、振幅強度X1、周波数F1、波形S1)に基づいて、刺激信号を生成し、肝臓の状態がやや悪いことを示す情報である場合には、刺激信号生成部70は、肝臓の状態がやや悪いことを解消するのに役立つ刺激信号を決定する情報(例えば、振幅強度X2、周波数F2、波形S2)に基づいて、刺激信号を生成する。アンテナ53は、刺激信号生成部70により生成された刺激信号と、刺激信号を入力する人体の部位とを、無線通信により、刺激信号印加装置に送信する。
刺激信号印加装置80は、刺激信号等を受信すると、刺激信号を入力する人体の部位を表示する。この表示に対して、例えば、刺激信号を入力するための端子部80aが、上記人体の部位に取り付けられる。そして、刺激信号の入力を指示する操作が行われると、刺激信号印加装置80は、受信した刺激信号を、端子部80aに出力する。
ここで、刺激信号は、電気的な刺激信号(電流、電圧)に限定されず、例えば、熱的刺激信号、圧力刺激信号、光刺激信号であってもよい。
変更例7によれば、PC端末装置35は、人体状態判定部7により判定された不良状態を解消するのに役立つ刺激信号を、刺激信号印加装置80に対して、無線通信により送信するので、ユーザが不良状態を解消するためにどのような治療を行ったらよいかなどを考えないで、上記不良状態を解消するのに役立つ刺激信号がユーザの人体に印加されるので、ユーザは自分で有効な治療方法を考えないで済む。また、無線通信により送信されてきた刺激信号が人体に印加され、無線通信で用いられる周波数の帯域と同じ帯域の周波数の刺激信号が送信される。このため、人体の不良状態が著しい場合でも、自動的に高周波数の刺激信号が人体に印加されるので、不良状態の解消を早めることが可能となる。
(変更例8)
波形情報生成部6は、例えば、周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報を生成していたが、これに限定されず、例えば、時間変化する入力電圧に対する電流変化を示す波形情報、複素インピーダンス軌跡を示す波形情報、時間に対するインピーダンスパラメータの変化を示す波形情報を生成するようにしてもよい。複素インピーダンス軌跡とは、周波数を変化させた場合に、インピーダンス(例えば、R+jX)のうち、抵抗(例えば、R)に対するリアクタンス(例えば、X)の分布を示すものである。
人体の等価回路から算出されるインピーダンスは、例えば、文献(K.S.Cole, et.al.: J. Chem. Phys., 9, 341/351 (1941))に基づき、以下の(1)式で表される。
Z=Z∞+(Zd−Z∞)/(1+(jωτm)β) … (1)
この式は、Cole-Coleの円弧則といわれている。ここで、Z∞、Zdはそれぞれ周波数がf=∞、f=0(直流)のときの抵抗であり、τmは秒を単位とする時間定数(円弧則の中心緩和時間)、ω=2πf(fは周波数)、βは0≦β≦1の定数で緩和時間の分布の程度を示すパラメータである。
人体の等価回路から算出されるインピーダンスパラメータ(例えば、抵抗、コンデンサーの容量、コイルのインダクタンス、能動素子のパラメータ、インピーダンスにおける位相φ、Cole-Coleの円弧則の各種パラメータZd、τm、βなど)は、器官の状態(器官が健康である状態、病気である状態など)などにより変化し、経時的に変化することが知られている。
この変更例8における波形情報の生成の具体的な説明の一例を以下に示す。波形情報生成部6は、人体内部の等価回路のシミュレーションを用いて、生成した周波数に対するインピーダンスの分布を示す波形情報に対応する等価回路の人体インピーダンスZ(ω)=R(ω)+jX(ω)を算出する。そして、波形情報生成部6は、周波数に対応するωを変化させた場合における、R(ω)とX(ω)との関係を連結することで、波形情報を生成する。また、X(ω)はL(ω)とC(ω)とを用いて表せるので、波形情報生成部6は、X(ω)、L(ω)、C(ω)、R(ω)の逆フーリエ変換により、抵抗の時間変化などを示す波形情報を生成することもできる。
変更例8により波形情報を生成した場合であっても、上述した実施形態などと同じ効果が得られる。
(その他の変更例)
(1)上述の第1の実施の形態において、インピーダンスを算出する場合、入力端子部3に交流電流を入力し、測定部5は、出力端子部4と入力端子部3との間の電圧を測定するようにしてもよい。
(2)また、入力端子部3や出力端子部4に接触させる人体の部位は、経穴に限定されず、器官などの人体組織の皮膚への反射領域や脳などの器官の活動の反射領域であってもよい。また、出力端子部4から出力される信号に対して、増幅処理を行う増幅部(アンプ)が設けられてもよい。
(3)また、上述の第1乃至第3の実施の形態及び変更例1乃至変更例8において、人体情報管理システムにおいては、人体状態判定部7、人体状態出力部8が設けられていたが、これらは、設けられないようにしてもよい。そして、波形情報生成部6により生成された波形情報が例えば、図2(d)に示すように、表示されるようにして、各ユーザが、上記表示から、人体の状態(健康状態)を判断するようにしてもよい。
(4)また、上述の第1乃至第3の実施の形態及び変更例1乃至変更例8において、波形情報は、周波数に対するインピーダンスや反射率の分布、時間に対するインピーダンスパラメータの分布(変化)であったが、これに限定されず、ある第1のパラメータの変化に対する、人体情報を含む第2のパラメータの分布であればよい。
(5)また、上述の第1乃至第3の実施の形態及び変更例1乃至変更例8において、交流電流などの電気信号が入力端子部3に入力され、出力端子部4から出力される場合の説明を行ったが、入力端子部3に入力され、出力端子部4から出力される信号は、例えば、磁気信号であってもよい。
また、入力端子部3に入力され、出力端子部4から出力される信号は、例えば、光信号であってもよい。例えば、入力端子部3に入力される光信号の波長に対する、出力端子部4から出力される光信号の波長の比が、光信号の周波数ごとに、測定され、周波数に対する上記波長の比の分布を示す波形情報が生成されるようにしてもよい。
(6)また、上述の第1乃至第3の実施の形態及び変更例1乃至変更例8においては、人体に対して適用する場合の説明を行ったが、これに限定されず、動物や植物などの生体(被検体)に対して、適用することも可能である。
(7)また、上述の第1乃至第3の実施の形態及び変更例1乃至変更例8においては、人体情報管理システムはPC端末装置により構築しているが、本発明は、人体情報管理システムをネットワークに接続し、ネットワーク上のサーバや別のPC端末を含めて人体情報管理システムを構築し、サーバや別のPC端末からネットワークを介して人体情報管理システムを制御してもよい。
1…情報入力部、2…交流電圧印加部、3…入力端子部、4…出力端子部、5…測定部、6…波形情報生成部、7…人体状態判定部、8…人体状態出力部、10、42…制御部、11、23…アンテナ部、15、35…PC端末装置、20…人体情報通信装置、21…交流電流発生部、22…接地用端子部、36…電極部、50、53…アンテナ、51、54…RF回路、60…記憶部、61…記憶制御部、70…刺激信号生成部、80…刺激信号印加装置、80a…端子部。