JP2006189170A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006189170A
JP2006189170A JP2004381685A JP2004381685A JP2006189170A JP 2006189170 A JP2006189170 A JP 2006189170A JP 2004381685 A JP2004381685 A JP 2004381685A JP 2004381685 A JP2004381685 A JP 2004381685A JP 2006189170 A JP2006189170 A JP 2006189170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
heat
heat medium
cooling water
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004381685A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Yoshio Yamashita
芳雄 山下
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004381685A priority Critical patent/JP2006189170A/ja
Publication of JP2006189170A publication Critical patent/JP2006189170A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Abstract

【課題】蓄熱装置において、熱媒体と蓄熱材との間の熱伝達効率の向上を図ると共に構成の簡素化及び低コスト化を図る。
【解決手段】2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部45aと溝部45bが交互に設けたシート部材45を製造し、このシート部材45をパイプ51に巻き取ることで複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と溝部45bに対応した複数の冷却水通路47を形成した状態で、真空部44により断熱機能を有する蓄熱容器41内に挿入して第1室52及び第2室53を区画し、第1室52にエンジン冷却水の送水管55を連結し、第2室53に配水管51を連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷却水やオイルなどの熱媒体が持つ熱を蓄熱する蓄熱装置に関するものである。
一般的な水冷式エンジンでは、エンジンに冷却水通路としてウォータジャケットを設け、エンジン冷却水をこのウォータジャケットに循環することで、エンジン全体を均一に冷却するようにしている。ところが、エンジンを冷間始動するときには、低温のエンジン冷却水がウォータジャケットを循環することとなり、エンジンを早期に暖機することができない。この場合、エンジンの吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなるため、燃料が霧化し難くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが誘発されてしまう。
そこで、従来、水冷式エンジンにおいて、エンジン冷却水が持つ熱を蓄熱タンクに一時的に蓄熱し、エンジンが冷間始動されるときに、この蓄熱タンク内の高温のエンジン冷却水をエンジンのウォータジャケットに循環させることで、エンジンを早期に暖機するようにした蓄熱装置が提案されている。
なお、従来の蓄熱装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この下記特許文献1に記載された「蓄熱槽」は、蓄熱槽内に複数の蓄熱体を配置することで、その間に熱媒体流路を形成し、流入口から槽内に入った熱媒体が熱媒体流路を流動することで熱媒体と蓄熱体との間で蓄熱または放熱を行うものである。
特開平6−050121号公報
ところで、エンジン冷却水などの熱媒体と蓄熱体との間で蓄熱及び放熱を行う場合、熱の出入りを迅速に行うために、この熱媒体と蓄熱体との伝熱面積を大きくする必要がある。上述した特許文献1では、蓄熱槽内に複数の蓄熱体を配置してその間に熱媒体流路を形成し、熱媒体がこの熱媒体流路を流動するときに蓄熱体に接触して熱交換を行っている。そのため、時間当たりの熱伝達量が十分でなく、蓄熱体による熱媒体の加熱、即ち、エンジンの暖機を短時間で行うことができず、エンジン始動性や排気エミッションを十分に向上させることができない。また、熱媒体と蓄熱体との伝熱面積を大きくするために、蓄熱槽内における蓄熱体の位置を考慮して熱媒体流路を長くしたり、蓄熱体にフィンなどを設けることが考えられるが、装置自体の構成が複雑となり、製造コストの増加を招いてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、熱媒体と蓄熱材との間の熱伝達効率の向上を図ると共に構成の簡素化及び低コスト化を図った蓄熱装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の蓄熱装置は、断熱機能を有する蓄熱容器と、該蓄熱容器内に設けられた蓄熱部と、該蓄熱部に設けられた熱媒体通路と、該熱媒体通路の一端部に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記熱媒体通路の他端部から熱媒体を排出する熱媒体排出部とを具えた蓄熱装置において、複数の棒状をなす蓄熱材封入部を並列状態で連結してシート部材を形成し、該シート部材を巻き取ることで前記蓄熱部が形成されると共に、前記シート部材の重合部に前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明の蓄熱装置では、前記シート部材は、2枚のシート材を所定間隔で接合してその間に蓄熱材を封入することで前記蓄熱材封入部が並列状態に形成されると共に、前記シート部材を巻き取ることで前記シート材の接合位置に対応して前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置では、前記シート材の接合位置に管状部材を装着した状態で前記シート部材を巻き取ることで、該管状部材により前記熱媒体通路が形成されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置では、前記シート部材と共に炭素繊維からなる熱伝達シートが重ねて巻き取られたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置では、前記シート部材は、蓄熱材を封入したパイプ部材を連結部材により連結することで前記蓄熱材封入部が並列状態に形成されると共に、前記シート部材を巻き取ることで前記パイプ部材の連結位置に対応して前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置は、断熱機能を有する蓄熱容器と、該蓄熱容器内に設けられた蓄熱部と、該蓄熱部に設けられた熱媒体通路と、該熱媒体通路の一端部に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記熱媒体通路の他端部から熱媒体を排出する熱媒体排出部とを具えた蓄熱装置において、複数の棒状をなす蓄熱材封入部材が束状となって前記蓄熱部が形成されると共に、この束状となって隣接した前記蓄熱材封入部材の隙間に前記熱媒体通路が形成されたことを特徴とするものである。
本発明の蓄熱装置では、前記蓄熱容器は縦型形状をなし、内部に蓄熱部が設けられることで前記熱媒体通路により連通する下端部の第1室と上端部の第2室とが形成され、前記蓄熱容器の下部から前記第1室に前記熱媒体供給部が連結される一方、前記蓄熱容器の下部から前記蓄熱部を貫通して前記第2室に熱媒体排出部が連結されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置では、蓄熱部の中心位置に所定長さのパイプを配設することで前記熱媒体排出部が形成されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置では、前記蓄熱容器は、内部に蓄熱部が設けられることで前記熱媒体通路により連通する第1室と第2室とが形成され、前記第1室に整流部材が装着されると共に前記熱媒体供給部が連結される一方、前記第2室に前記熱媒体排出部が連結されたことを特徴としている。
本発明の蓄熱装置によれば、断熱機能を有する蓄熱容器内に蓄熱部を設けると共に、この蓄熱部に熱媒体通路を設け、熱媒体通路の一端部に熱媒体を供給する熱媒体供給部を設ける一方、熱媒体通路の他端部から熱媒体を排出する熱媒体排出部を設けて構成し、複数の棒状をなす蓄熱材封入部を並列状態で連結してシート部材を形成し、このシート部材を巻き取ることで蓄熱部を形成すると共に、シート部材の重合部に熱媒体通路を複数形成したので、熱媒体供給部から蓄熱容器に高温の熱媒体が供給された場合、この高温の熱媒体が熱媒体通路を通過するときに蓄熱部に熱伝達して蓄熱される一方、熱媒体供給部から蓄熱容器に低温の熱媒体が供給された場合、この低温の熱媒体が熱媒体通路を通過するときに蓄熱部から熱伝達されて高温となり、簡単な構成で伝熱面積を拡大することができ、蓄熱量及び放熱量を増加して熱媒体と蓄熱材との間の熱伝達効率を向上することができると共に、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明に係る蓄熱装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る蓄熱装置の断面図、図2は、図1のII−II線に沿った断面図、図3は、実施例1の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図、図4は、シート部材の正面図、図5は、図4のV−V線に沿った断面図、図6は、実施例1の蓄熱装置が適用されたエンジンの冷却装置を表す概略図である。
本実施例の車両は、ガソリンエンジンと電気モータの2種類の動力源を組み合わせて使用するパワートレーンを有するハイブリッド車両である。従って、イグニッションキースイッチのオン操作時に、エンジン冷却水の温度が所定温度以下であると、エンジンが始動し、発進時や低速走行時には、エンジンを停止して電気モータにより走行し、通常走行時には、エンジンまたは電気モータにより走行し、高負荷時には、エンジン及び電気モータにより走行するように制御される。
まず、上述したハイブリッド車両に搭載されたエンジンの冷却装置について説明する。実施例1の蓄熱装置が適用されたエンジン冷却装置において、図6に示すように、エンジン11は水冷式直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック12の上部にシリンダヘッド13が締結されて構成され、シリンダブロック12には4つの気筒14が直列に形成されている。そして、このシリンダブロック12には、各気筒14の周囲に位置してウォータジャケット15が形成される一方、シリンダヘッド13にも、図示しない吸気ポート及び吸気ポートを避けるように、シリンダブロック12のウォータジャケット15に連結するウォータジャケット16が形成されている。
シリンダブロック12のウォータジャケット15の入口側には、エンジン11によって駆動する機械式のウォータポンプ17が装着されると共に、このウォータポンプ17の吸入側にはサーモスタット弁18が装着されている。従って、このウォータポンプ17によりエンジン冷却水をシリンダブロック12及びシリンダヘッド13の各ウォータジャケット15,16に供給して循環することができる。
シリンダヘッド13のウォータジャケット16の出口側には、第1冷却水循環通路19の基端部が連結されており、この第1冷却水循環通路19の先端部はラジエータ20に連結され、このラジエータ20は第2冷却水循環通路21を介してサーモスタット弁18に連結されている。なお、ラジエータ20には連結通路22を介してリザーバタンク23が連結されている。また、ウォータジャケット16の出口側には、バイパス通路24の基端部が連結されており、このバイパス通路24の先端部はサーモスタット弁18に連結されている。更に、ウォータジャケット16の出口側には、第1ヒータ通路25の基端部が連結されており、この第1ヒータ通路25の先端部はヒータコア26に連結され、このヒータコア26は第2ヒータ通路27を介してサーモスタット弁18に連結されている。
このサーモスタット弁18は、エンジン冷却水の温度に応じて開閉するものであり、シリンダヘッド13のウォータジャケット16の出口部には、エンジン11内を流れるエンジン冷却水の温度を検出する温度センサ28が設けられている。従って、サーモスタット弁18にて、エンジン11の始動直後など、温度センサ28が検出したエンジン冷却水の温度が所定温度以下のときには、バイパス通路24と連通し、エンジン11の始動から所定時間経過後などエンジン冷却水の温度が所定温度より高いときには、第2冷却水循環通路21と連通する。
また、エンジン11には、エンジン冷却水が高温であるとき、この高温のエンジン冷却水の熱を蓄熱する一方、エンジン冷却水が低温であるとき、この蓄熱した熱により低温のエンジン冷却水を加熱する蓄熱装置が設けられている。ここで、本実施例の蓄熱装置について詳細に説明する。
即ち、本実施例の蓄熱装置において、第1ヒータ通路25の中途部と第2ヒータ通路27の中途部を連結してヒータコア26をバイパスするように予熱通路29が設けられており、この予熱通路29に蓄熱タンク30が設けられている。そして、第1ヒータ通路25と予熱通路29との連結部に切換弁31が設けられ、予熱通路29における第2ヒータ通路27側に電動式のウォータポンプ32が設けられている。
この蓄熱タンク30において、図1乃至図3に示すように、蓄熱容器41は、外側容器42と内側容器43が所定の隙間をあけて重合し、端部が溶接により固定されており、外側容器42と内側容器43との間を真空部44とすることで、断熱機能を有するものとなっている。そして、この蓄熱容器41は縦型形状をなし、下端部に開口部41aが形成され、この開口部41aから内部にかけて同一径となるように形成されている。
蓄熱容器41内には、シート部材45により構成された蓄熱部46と冷却水通路(熱媒体通路)47とが設けられている。このシート部材45は、詳細を後述するが、複数の棒状をなす蓄熱材封入部を並列状態で連結してなり、このシート部材45を巻き取ることで蓄熱部46が形成されると共に、このシート部材45の重合部に熱媒体通路47が複数形成されている。
即ち、図4及び図5に示すように、蓄熱容器41の長さより短い幅Wで、所定長さLを有する軟質性の樹脂からなる2枚のシート材48,49を用意し、このシート材48,49の間に粉末状の蓄熱材50を挟み、外周部を接合すると共に、長さL方向に所定間隔で両シート材48,49を複数位置で接合する。この場合、接合方法としては、熱による溶着や接着剤による接着などが望ましい。このように接合すると、内部に蓄熱材50を封入した幅W方向に沿った蓄熱材封入部45aが長さL方向に並列状態に形成されると共に、各蓄熱材封入部45aの間に溝部45bが形成されたシート部材45が製造される。そして、このように製造されたシート部材45を、図1乃至図3に示すように、蓄熱容器41の長さより長いパイプ51に、蓄熱材封入部45a及び溝部45bがこのパイプ51と平行となるように巻き取ってシート部材45を密着するように重合させる。すると、複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と、この重合部におけるシート材48,49の接合位置、つまり、溝部45bに対応して複数の冷却水通路47が形成される。この場合、パイプ51に巻き取ったシート部材45の外径が蓄熱容器41の内径とほぼ等しくなるように、シート材48,49の長さLを設定する。なお、このシート材48,49に封入される蓄熱材50は、エンジン冷却水よりも多くの熱量を蓄熱することが可能である潜熱蓄熱材である。
パイプ51に巻き取ったシート部材45を蓄熱容器41内に挿入することで、この蓄熱容器41内の下端部に第1室52と上端部に第2室53が区画して形成され、この第1室52と第2室53と複数の冷却水通路47により連通されている。そして、蓄熱容器41の開口部41aを閉塞するように、ウレタン製のキャップ54が図示しないOリングを介して嵌着されており、このキャップ54の中心部からずれた位置に外部から短いパイプ55を貫通して第1室52に連通することで、このパイプ55を外部から第1室52にエンジン冷却水を供給する送水管(熱媒体供給部)として機能させる。一方、キャップ54の中心部に前述したパイプ51の一端部を貫通して第2室53に連通することで、このパイプ51を外部にエンジン冷却水を排出する配水管(熱媒体排出部)として機能させる。なお、送水管55の他端部は、予熱通路29におけるウォータポンプ32側に連結(図6参照)され、配水管51の他端部は、予熱通路29における切換弁31に連結(図6参照)されている。
なお、パイプ51にシート部材45を巻き取るとき、シート部材45の重なった面同士を接着剤により固定することで、封入した蓄熱材50の固液状態に拘らず、冷却水通路47の形状を維持することができる。また、シート部材45の重なった面同士の間にシール材を介装することで漏れをなくし、第1室52のエンジン冷却水を冷却水通路47を通して確実に第2室53に流動させることができる。更に、パイプ51に巻き取ったシート部材45を蓄熱容器41内に挿入するとき、巻き取られたシート部材45の外周面と蓄熱容器41の内面とを接着剤により固定し、且つ、シール部材を介装することで、冷却水通路47の形状維持とエンジン冷却水の漏れを防止することができる。
また、キャップ54の先端部には、複数の送水孔56aが均一に形成された整流部材56が装着されており、キャップ54が蓄熱容器41に固定された状態で、この整流部材56は第1室52の中間部に位置し、送水管55から第1室52に供給されたエンジン冷却水を全ての冷却水通路47に均等に供給するようにしている。
従って、高温のエンジン冷却水が送水管55から蓄熱容器41の第1室52に供給された場合、高温のエンジン冷却水は整流部材56により全ての冷却水通路47に均等に配分され、各冷却水通路47を上昇して第2室53に流れる。このとき、シート部材45にて、冷却水通路47に隣接して蓄熱部46が形成されており、高温のエンジン冷却水の熱が蓄熱部46に伝達されることとなり、蓄熱部46と冷却水通路47との伝熱面積が拡大されることで、蓄熱部46は熱を効率的に蓄熱することができる。そして、シート部材45で熱交換したエンジン冷却水は低温となって第2室53に至り、配水管51を通って外部に排出される。
一方、エンジン11の始動時など、低温のエンジン冷却水が送水管55から蓄熱容器41の第1室52に供給された場合、低温のエンジン冷却水は整流部材56により全ての冷却水通路47に均等に配分され、各冷却水通路47を上昇して第2室53に流れる。このとき、シート部材45にて、冷却水通路47に隣接して蓄熱部46が形成されており、蓄熱部46に蓄熱された熱が低温のエンジン冷却水に伝達されることとなり、蓄熱部46と冷却水通路47との伝熱面積が拡大されることで、蓄熱部46の熱をエンジン冷却水に効率的に放熱することができる。そして、シート部材45で熱交換したエンジン冷却水は高温となって第2室53に至り、配水管51を通って外部に排出される。
ここで、本実施例の蓄熱装置が適用されたエンジン冷却装置の制御について説明する。図6に示すように、エンジン11が暖機された状態では、エンジン冷却水の温度が所定温度より高くなっており、サーモスタット弁18は第2冷却水循環通路21及び第2ヒータ通路27をウォータジャケット15,16側と連通している。従って、エンジン冷却水は、図6に実線で示すように、ウォータポンプ17によりシリンダブロック12のウォータジャケット15からシリンダヘッド13のウォータジャケット16に供給され、エンジン11を冷却する。そして、シリンダヘッド13のウォータジャケット16から排出された高温のエンジン冷却水は、第1冷却水循環通路19からラジエータ20に循環されてここで冷却される。また、シリンダヘッド13のウォータジャケット16から排出された高温のエンジン冷却水は、第1ヒータ通路25からヒータコア26に循環され、暖房に寄与する。
また、予熱通路29に装着されたウォータポンプ32を駆動することで、高温のエンジン冷却水を蓄熱タンク30内に循環する。すると、図1に示すように、高温のエンジン冷却水が送水管55を通して蓄熱容器41の第1室52に供給され、高温のエンジン冷却水が整流部材56により整流されてから各冷却水通路47を通って第2室53に流動するとき、この高温のエンジン冷却水の熱が多数の蓄熱部46に伝達されて蓄熱される。従って、エンジン11が停止した後は、ウォータジャケット15,16内のエンジン冷却水が低温となっても、蓄熱タンク30内の蓄熱部46には大量の熱が蓄熱されることとなる。
そして、運転者がエンジン11を始動しようと、イグニッションキースイッチをオン操作したとき、水温センサ28が検出したウォータジャケット16内のエンジン冷却水の温度が所定温度以下の場合には、エンジン11が始動する前に、エンジン冷却水の予熱処理を行う。
即ち、予熱通路29に装着されたウォータポンプ32を駆動すると共に、切換弁31により第1ヒータ通路25におけるシリンダヘッド13のウォータジャケット16側の通路と予熱通路29とを連通することで、図6に点線で示すように、蓄熱タンク30内の高温のエンジン冷却水を予熱通路29及び第1ヒータ通路25を介してシリンダヘッド13のウォータジャケット16に循環する。この場合、ウォータポンプ32の駆動により低温の冷却水が蓄熱タンク30内に供給されることで、図1に示すように、蓄熱タンク30内の高温のエンジン冷却水が予熱通路29に送り出される。そして、蓄熱容器41の第1室52に供給された低温の冷却水は、各冷却水通路47を通って第2室53に流動するとき、蓄熱部46から熱を受け取って第2室53から流動し、高温となって配水管51から送り出される。
そして、予熱通路29の電動式のウォータポンプ32だけが駆動し、エンジン11の機械式のウォータポンプ17が停止していることで、ウォータポンプ32、蓄熱タンク30、予熱通路29、第1ヒータ通路25、ウォータジャケット16、ウォータジャケット15、ウォータポンプ17、サーモスタット弁18、第2ヒータ通路27、ウォータポンプ32の順でエンジン冷却水が流れることとなる。従って、高温のエンジン冷却水が始動前のエンジン11のウォータジャケット15,16に循環されることとなり、事前にエンジン11を加熱することができる。
その後、エンジン11が始動されると、ウォータポンプ32の駆動を停止すると共に、切換弁31によりシリンダヘッド13のウォータジャケット16側からヒータコア26側への第1ヒータ通路25の流れを可能とし、サーモスタット弁18はバイパス通路24と連通することとなる。すると、エンジン冷却水は、図6に実線で示ように、ウォータポンプ17、ウォータジャケット15、ウォータジャケット16、バイパス通路24、サーモスタット弁18、ウォータポンプ17の順に流れる。この場合、各通路には蓄熱タンク30で加熱された高温のエンジン冷却水が循環されることで、エンジン11が予熱されており、エンジン11の暖機を促進することができる。
このように実施例1の蓄熱装置にあっては、2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部45aと溝部45bが交互に設けられたシート部材45を製造し、このシート部材45をパイプ51に巻き取ることで複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と溝部45bに対応した複数の冷却水通路47を形成し、真空部44により断熱機能を有する蓄熱容器41内にこのシート部材45を挿入することで、第1室52及び第2室53を区画し、第1室52にエンジン冷却水の送水管55を連結し、第2室53に配水管51を連結している。
従って、送水管55から蓄熱容器41の第1室52に高温の熱媒体が供給された場合、この高温のエンジン冷却水が冷却水通路47を通過するときに蓄熱部46に熱伝達して蓄熱される一方、送水管55から蓄熱容器41に低温のエンジン冷却水が供給された場合、この低温のエンジン冷却水が冷却水通路47を通過するときに蓄熱部46から熱伝達されて高温となり、簡単な構成で蓄熱部46と冷却水通路47との伝熱面積を拡大することができ、蓄熱量及び放熱量を増加してエンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達効率を向上することができる。
その結果、エンジン11の暖機後におけるエンジン冷却水の熱を蓄熱タンク30に蓄熱し、エンジン始動前に蓄熱タンク30に蓄熱した熱によりエンジン冷却水を加熱し、高温のエンジン冷却水をエンジン11に送って予熱することで、エンジン11の暖機を促進することができる。そして、エンジンの暖機を短時間で行うことで、エンジン始動性や排気エミッションを向上させることができる。
また、蓄熱材封入部45aと溝部45bとが交互に設けられたシート部材45をパイプ51に巻き取って蓄熱部46と冷却水通路47を形成し、また、このシート部材45を2枚のシート材48,49により蓄熱材50を挟んで複数位置を接合して製造している。従って、伝熱面積の広い蓄熱部46と冷却水通路47とを簡単に形成することができ、装置の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
図7は、本発明の実施例2に係る蓄熱装置におけるシート部材の正面図、図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、実施例2の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の蓄熱装置の全体構成は、前述した実施例1とほぼ同様であり、蓄熱容器内に配置されたシート部材の構成のみが相違している。即ち、実施例2の蓄熱装置において、図7及び図8に示すように、所定の幅Wで所定長さLを有する軟質性の樹脂からなる2枚のシート材48,49を用意し、このシート材48,49の間に粉末状の蓄熱材50を挟み、外周部を接合すると共に、長さL方向に所定間隔で両シート材48,49を複数位置で接合する。すると、内部に蓄熱材50を封入した幅W方向に沿った蓄熱材封入部62aが長さL方向に並列状態に形成されると共に、各蓄熱材封入部62aの間に溝部62bが形成され、この各溝部62bに管状部材としての冷却水用細管61を装着することで、シート部材62が製造される。
このように製造されたシート部材62をこの冷却水用細管61の軸方向を軸心として巻き取り、このシート部材62の表面部が密着するように重合させる。すると、図9に示すように、複数の蓄熱材封入部62aからなる蓄熱部46と、溝部62bに位置する冷却水用細管61により冷却水通路47が形成される。この場合、シート部材62に対して冷却水用細管61を固定しなくても良いが、固定することで位置ずれを防止することができる。また、シート材48,49の間に蓄熱材50を挟んだ状態で外周部を接合する必要はあるが、所定間隔で複数位置を接合しなくても良く、溝部62bに該当する位置に冷却水用細管61を装着して巻き取っても良い。
そして、巻き取ったシート部材62を、前述した実施例1と同様に、蓄熱容器内に挿入することで、この蓄熱容器内に蓄熱材封入部62aからなる蓄熱部46と、冷却水用細管61からなる冷却水通路47を容易に配設することができる。
このように実施例2の蓄熱装置にあっては、2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部62aと溝部62bとを交互に形成し、各溝部62bに冷却水用細管61を装着してシート部材62を製造し、このシート部材62を巻き取ることで複数の蓄熱材封入部62aからなる蓄熱部46と冷却水用細管61からなる冷却水通路47を形成し、断熱機能を有する蓄熱容器内にこのシート部材62を挿入して用いるようにしている。
従って、溝部62bに冷却水用細管61を装着してこれを冷却水通路47として活用することで、シート部材62を巻き取っても冷却水通路47の通路断面形状が変形することはなく、断熱容器内でエンジン冷却水が均一に流動することとなり、簡単な構成で蓄熱部46と冷却水通路47との十分な伝熱面積を確保することができ、エンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達時間を短縮して熱伝達効率を向上することができる。
図10は、本発明の実施例3に係る蓄熱装置の断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の蓄熱装置において、図10に示すように、蓄熱タンク30は、前述した実施例1と同様に、真空断熱機能を有する蓄熱容器41内に、蓄熱材封入部45a及び溝部45bが交互に形成されたシート部材45を巻き取った状態で挿入し、内部に蓄熱部46と冷却水通路47とを設けている。そして、本実施例では、パイプを用いてシート部材45を巻き取らずにその中心部に冷却水排出通路を確保している。
即ち、図10に示すように、シート部材45は、所定の大きさの2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、所定の位置を接合して複数の蓄熱材封入部45aと溝部45bとを交互に形成して製造する。そして、このように製造されたシート部材45を、中心部に所定の内径を有する冷却水排出通路71が形成されるように、巻き取ってシート部材45の表面が密着するように重合させる。すると、中心部に冷却水排出通路71が形成されると共に、複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と、複数の溝部45bに対応した冷却水通路47が形成される。
巻き取ったシート部材45を蓄熱容器41内に挿入することで、この蓄熱容器41内の下端部に第1室52と上端部に第2室53が区画して形成され、この第1室52と第2室53と複数の冷却水通路47により連通され。開口部41aにキャップ54を嵌着して閉止する。そして、このキャップ54の中心部からずれた位置に外部からパイプ55を第1室52に貫通し、このパイプ55を送水管として機能させる一方、キャップ54の中心部に外部からパイプ72を第1室52に貫通して冷却水排出通路71に連通することで、この冷却水排出通路71及び配水管としてのパイプ72を外部にエンジン冷却水を排出する熱媒体排出部として機能させる。
従って、高温のエンジン冷却水が送水管55から蓄熱容器41の第1室52に供給された場合、高温のエンジン冷却水は整流部材56で整流されてから各冷却水通路47に流入し、この各冷却水通路47を上昇するときに、高温のエンジン冷却水の熱が隣接する蓄熱部46に伝達されることとなり、蓄熱部46は熱を効率的に蓄熱する。そして、シート部材45で熱交換したエンジン冷却水は低温となって第2室53に至り、冷却水排出通路71及び配水管72を通って外部に排出される。
一方、エンジン11の始動時など、低温のエンジン冷却水が送水管55から蓄熱容器41の第1室52に供給された場合、低温のエンジン冷却水は整流部材56により整流されてから各冷却水通路47に流入し、この各冷却水通路47を上昇するときに、低温の冷却水は、隣接する蓄熱部46に蓄熱された熱を受け取ることとなり、蓄熱部46は熱を効率的に放熱する。そして、シート部材45で熱交換したエンジン冷却水は高温となって第2室53に至り、冷却水排出通路71及び配水管72を通って外部に排出される。
このように実施例3の蓄熱装置にあっては、2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部45aと溝部45bとを交互に形成してシート部材62を製造し、このシート部材62を中心部に空洞部を設けるように巻き取ることで、中心部に冷却水排出通路71を形成すると共に、複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と溝部45bからなる冷却水通路47を形成し、蓄熱容器41内にこのシート部材45を挿入することで、第1室52及び第2室53を区画し、第1室52に送水管55を連結し、冷却水排出通路71に配水管72を連結している。
従って、第2室53のエンジン冷却水を外部に排出するために、シート部材45の中心部に設けるパイプを不要として、装置の簡素化及び低コスト化を図ることができると共に、第2室53のエンジン冷却水が冷却水排出通路71を通って外部に排出されるときも、エンジン冷却水と蓄熱部46との間での熱交換が可能となり、伝熱面積を拡大してエンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達効率を向上することができる。
図11は、本発明の実施例4に係る蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の蓄熱装置の全体構成は、前述した実施例1とほぼ同様であり、蓄熱容器内に配置されたシート部材の構成のみが相違している。即ち、実施例4の蓄熱装置において、図11に示すように、所定の幅で所定長さを有する軟質性の樹脂からなる2枚のシート材48,49を用意し、このシート材48,49の間に粉末状の蓄熱材50を挟み、外周部を接合すると共に、長さ方向に所定間隔で両シート材48,49を複数位置で接合することで、内部に蓄熱材50を封入した蓄熱材封入部45aが並列状態に形成されると共に、各蓄熱材封入部45aの間に溝部45bが形成されたシート部材45が製造される。
このように製造されたシート部材45の平面部に炭素繊維からなる熱伝達シート81を重ね、シート部材45及び熱伝達シート81を重ねて巻き取り、互いに密着するように重合させる。すると、複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と、溝部45bに対応して冷却水通路47が形成されると共に、各蓄熱部46と各冷却水通路47とが熱伝達シート81を介して密着することとなる。この場合、シート部材45に対して熱伝達シート81を接着しなくても良いが、接着することで密着性が増し、熱伝達性を向上することができる。
そして、巻き取ったシート部材45及び熱伝達シート81を、前述した実施例1と同様に、蓄熱容器内に挿入することで、この蓄熱容器内に蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と、溝部45bからなる冷却水通路47を容易に配設することができる。
このように実施例4の蓄熱装置にあっては、2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部45aと溝部45bとを交互に形成してシート部材45を製造し、このシート部材45と炭素繊維からなる熱伝達シート81を重ねて巻き取ることで複数の蓄熱材封入部45aからなる蓄熱部46と複数の溝部45bからなる冷却水通路47を形成し、断熱機能を有する蓄熱容器内にこのシート部材45及び熱伝達シート81を挿入して用いるようにしている。
従って、シート部材45と熱伝達シート81とを重ねて巻き取って蓄熱部46及び冷却水通路47を形成したことで、この蓄熱部46と冷却水通路47は、直接または熱伝達シート81を介して接触することとなり、エンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達を促進することができ、短時間で多量の熱交換を可能とし、エンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達効率を向上することができる。
図12は、本発明の実施例5に係る蓄熱装置におけるシート部材の断面図、図13は、実施例5の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の蓄熱装置の全体構成は、前述した実施例1とほぼ同様であり、蓄熱容器内に配置されたシート部材の構成のみが相違している。即ち、実施例5の蓄熱装置において、図12に示すように、所定の幅で所定長さを有する軟質性の樹脂からなる2枚のシート材48,49と炭素繊維からなる熱伝達シート81を用意し、このシート材48,49の間に粉末状の蓄熱材50を挟み込むと共に熱伝達シート81を介装し、外周部を接合すると共に、長さ方向に所定間隔で両シート材48,49を複数位置で接合する。すると、内部に蓄熱材50を封入すると共に熱伝達シート81を挟持した蓄熱材封入部45aが並列状態に形成されると共に、各蓄熱材封入部45aの間に溝部45bが形成され、この各溝部45bに冷却水用細管61を装着することで、シート部材82が製造される。
このように製造されたシート部材82をこの冷却水用細管61の軸方向を軸心として巻き取り、このシート部材82の表面部が密着するように重合させる。すると、図13に示すように、複数の蓄熱材封入部82aからなる蓄熱部46と、溝部82bに位置する冷却水用細管61により冷却水通路47が形成され、各蓄熱部46と各冷却水通路47とが密着すると共に、この蓄熱部46内にある熱伝達シート81を介して互いに密着することとなる。
そして、巻き取ったシート部材82を、前述した実施例1と同様に、蓄熱容器内に挿入することで、この蓄熱容器内に蓄熱材封入部82aからなる蓄熱部46と、溝部82bからなる冷却水通路47を容易に配設することができる。
このように実施例5の蓄熱装置にあっては、2枚のシート材48,49の間に蓄熱材50を挟み込むと共に、炭素繊維から成る熱伝達シート81を介装し、各シート材48,49を所定間隔で複数位置を接合することで、蓄熱材封入部82aと溝部82bとを交互に形成し、各溝部82bに冷却水用細管61を装着してシート部材62を製造し、このシート部材82を巻き取ることで複数の蓄熱材封入部82aからなる蓄熱部46と複数の冷却水用細管61からなる冷却水通路47を形成し、断熱機能を有する蓄熱容器内にこのシート部材82を挿入して用いるようにしている。
従って、シート部材82に熱伝達シート81を内装して巻き取ることで蓄熱部46を形成し、且つ、溝部82bに冷却水用細管61を装着して冷却水通路47を形成したことで、この蓄熱部46と冷却水通路47は、直接または熱伝達シート81を介して接触することとなり、また、冷却水通路47の変形をなくして断熱容器内でエンジン冷却水が均一に流動することとなり、簡単な構成で蓄熱部46と冷却水通路47との十分な伝熱面積を確保し、エンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達を促進することができ、短時間で多量の熱交換を可能とし、エンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達効率を向上することができる。
図14は、本発明の実施例6に係る蓄熱装置におけるシート部材の正面図、図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図、図16は、実施例6の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の蓄熱装置の全体構成は、前述した実施例1とほぼ同様であり、蓄熱容器内に配置されたシート部材の構成のみが相違している。即ち、実施例4の蓄熱装置において、図14及び図15に示すように、所定の長さLpを有する樹脂製のパイプ部材91を多数用意し、この各パイプ部材91内に粉末状の蓄熱材50を充填して開口部を接合して封入する。そして、各パイプ部材91を上部位置と下部位置でひも状の連結部材92により連結すると、内部に蓄熱材50を封入した蓄熱材封入部としてのパイプ部材91が並列状態に形成された幅Wで長さLを有するシート部材93が製造される。
このように製造されたシート部材93を巻き取ってこのシート部材93の表面部が密着するように重合させる。すると、図16に示すように、複数のパイプ部材91からなる蓄熱部46と、各パイプ部材91の隙間により形成された冷却水通路47が形成される。そして、巻き取ったシート部材93を、前述した実施例1と同様に、蓄熱容器内に挿入することで、この蓄熱容器内に蓄熱部46と冷却水通路47を容易に配設することができる。
このように実施例6の蓄熱装置にあっては、パイプ部材91内に蓄熱材50を封入し、各パイプ部材91を連結部材92により複数並列状態で連結してシート部材93を製造し、このシート部材93を巻き取ることで複数のパイプ部材91としての蓄熱材封入部からなる蓄熱部46と、各パイプ部材91が隣接した隙間からなる冷却水通路47を形成し、断熱機能を有する蓄熱容器内にこのシート部材93を挿入して用いるようにしている。
従って、簡単な構成でパイプ部材91としての蓄熱部46とその隙間としての冷却水通路47との伝熱面積を拡大することができ、蓄熱量及び放熱量を増加してエンジン冷却水と蓄熱部46との間の熱伝達効率を向上することができると共に、装置の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
なお、この実施例6では、蓄熱材50を封入した複数のパイプ部材91を連結部材92により連結してシート部材93を製造し、このシート部材93を巻き取った状態で蓄熱容器内に挿入したが、この構成に限るものではない。例えば、蓄熱材50を封入した複数のパイプ部材91をシート形状に連結せずに円柱形状に束ねた状態で蓄熱容器内に挿入してもよい。また、蓄熱材50を封入した複数のパイプ部材91をバラの状態のまま蓄熱容器内に挿入してもよく、この場合、蓄熱容器の開口部の径を内径に比べて小さくすることができ、蓄熱容器外部への放熱量を低減することができる。
また、上述した各実施例では、蓄熱タンク30を起立状態として車両に搭載したが、水平状態として車両に搭載しても良く、この場合、蓄熱容器を筒形状として一端部に熱媒体供給部を設け、他端部に熱媒体排出部を設ければよい。
そして、本実施例では、本発明の蓄熱装置をハイブリッド車両におけるエンジン冷却水を予熱するものとして適用したが、エンジンだけをパワートレーンとする車両におけるエンジン冷却水を予熱するものに適用することもでき、この場合、ドアロックの開錠やドアの開放動作により予熱を開始するようにすると良い。また、本発明の蓄熱装置を熱媒体としてエンジン冷却水を予熱するものとしたが、エンジンオイルやミッションオイルなどを予熱することもでき、更に、エンジンに限らず、他の分野で活用することもできる。
以上のように、本発明に係る蓄熱装置は、棒状をなす複数の蓄熱材封入部により蓄熱部を形成すると共に、この蓄熱部に蓄熱材封入部に隣接して熱媒体通路を設けたものであり、冷却水やオイルなどの熱媒体が持つ熱を蓄熱する蓄熱装置に適用して有用である。
本発明の一実施例に係る蓄熱装置の断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 実施例1の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。 シート部材の正面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 実施例1の蓄熱装置が適用されたエンジンの冷却装置を表す概略図である。 本発明の実施例2に係る蓄熱装置におけるシート部材の正面図である。 図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。 実施例2の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。 本発明の実施例3に係る蓄熱装置の断面図である。 本発明の実施例4に係る蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。 本発明の実施例5に係る蓄熱装置におけるシート部材の断面図である。 実施例5の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。 本発明の実施例6に係る蓄熱装置におけるシート部材の正面図である。 図14のXV−XV線に沿った断面図である。 実施例6の蓄熱装置におけるシート部材の積層状態を表す断面図である。
符号の説明
11 エンジン
12 シリンダブロック
13 シリンダヘッド
15,16 ウォータジャケット
17 ウォータポンプ
18 サーモスタット弁
20 ラジエータ
24 バイパス通路
25 第1ヒータ通路
26 ヒータコア
27 第2ヒータ通路
28 温度センサ
29 予熱通路
30 蓄熱タンク
31 切換弁
32 ウォータポンプ
41 蓄熱容器
44 真空部(断熱機能)
45,62,82,93 シート部材
46 蓄熱部
47 冷却水通路(熱媒体通路)
48,49 シート材
50 蓄熱材
51,72 パイプ、配水管(熱媒体排出部)
52 第1室
53 第2室
55 パイプ、送水管(熱媒体供給部)
56 整流部材
61 冷却水用細管(管状部材)
71 冷却水排出通路(熱媒体排出部)
81 熱伝達シート
91 パイプ部材
92 連結部材

Claims (9)

  1. 断熱機能を有する蓄熱容器と、該蓄熱容器内に設けられた蓄熱部と、該蓄熱部に設けられた熱媒体通路と、該熱媒体通路の一端部に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記熱媒体通路の他端部から熱媒体を排出する熱媒体排出部とを具えた蓄熱装置において、複数の棒状をなす蓄熱材封入部を並列状態で連結してシート部材を形成し、該シート部材を巻き取ることで前記蓄熱部が形成されると共に、前記シート部材の重合部に前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  2. 請求項1に記載の蓄熱装置において、前記シート部材は、2枚のシート材を所定間隔で接合してその間に蓄熱材を封入することで前記蓄熱材封入部が並列状態に形成されると共に、前記シート部材を巻き取ることで前記シート材の接合位置に対応して前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  3. 請求項2に記載の蓄熱装置において、前記シート材の接合位置に管状部材を装着した状態で前記シート部材を巻き取ることで、該管状部材により前記熱媒体通路が形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  4. 請求項1に記載の蓄熱装置において、前記シート部材と共に炭素繊維からなる熱伝達シートが重ねて巻き取られたことを特徴とする蓄熱装置。
  5. 請求項1に記載の蓄熱装置において、前記シート部材は、蓄熱材を封入したパイプ部材を連結部材により連結することで前記蓄熱材封入部が並列状態に形成されると共に、前記シート部材を巻き取ることで前記パイプ部材の連結位置に対応して前記熱媒体通路が複数形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  6. 断熱機能を有する蓄熱容器と、該蓄熱容器内に設けられた蓄熱部と、該蓄熱部に設けられた熱媒体通路と、該熱媒体通路の一端部に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記熱媒体通路の他端部から熱媒体を排出する熱媒体排出部とを具えた蓄熱装置において、複数の棒状をなす蓄熱材封入部材が束状となって前記蓄熱部が形成されると共に、この束状となって隣接した前記蓄熱材封入部材の隙間に前記熱媒体通路が形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  7. 請求項1または6に記載の蓄熱装置において、前記蓄熱容器は縦型形状をなし、内部に蓄熱部が設けられることで前記熱媒体通路により連通する下端部の第1室と上端部の第2室とが形成され、前記蓄熱容器の下部から前記第1室に前記熱媒体供給部が連結される一方、前記蓄熱容器の下部から前記蓄熱部を貫通して前記第2室に熱媒体排出部が連結されたことを特徴とする蓄熱装置。
  8. 請求項7に記載の蓄熱装置において、蓄熱部の中心位置に所定長さのパイプを配設することで前記熱媒体排出部が形成されたことを特徴とする蓄熱装置。
  9. 請求項1または6に記載の蓄熱装置において、前記蓄熱容器は、内部に蓄熱部が設けられることで前記熱媒体通路により連通する第1室と第2室とが形成され、前記第1室に整流部材が装着されると共に前記熱媒体供給部が連結される一方、前記第2室に前記熱媒体排出部が連結されたことを特徴とする蓄熱装置。
JP2004381685A 2004-12-28 2004-12-28 蓄熱装置 Withdrawn JP2006189170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004381685A JP2006189170A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 蓄熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004381685A JP2006189170A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 蓄熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006189170A true JP2006189170A (ja) 2006-07-20

Family

ID=36796548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004381685A Withdrawn JP2006189170A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 蓄熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006189170A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008215249A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 保温タンク
JP2008241174A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 蓄熱装置
JP2009097746A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Panasonic Corp 蓄熱装置
JP2010084517A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Fuji Heavy Ind Ltd 車載蓄放熱装置
JP2016200168A (ja) * 2015-04-07 2016-12-01 株式会社デンソー 断熱装置および蓄熱システム
JP2021150166A (ja) * 2020-03-19 2021-09-27 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP2021150018A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
KR20230051929A (ko) * 2021-10-12 2023-04-19 주식회사 숨터 상변화를 이용한 축열 전송파이프

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008215249A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 保温タンク
JP2008241174A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 蓄熱装置
JP2009097746A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Panasonic Corp 蓄熱装置
JP2010084517A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Fuji Heavy Ind Ltd 車載蓄放熱装置
JP2016200168A (ja) * 2015-04-07 2016-12-01 株式会社デンソー 断熱装置および蓄熱システム
JP2021150018A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP7399760B2 (ja) 2020-03-16 2023-12-18 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP2021150166A (ja) * 2020-03-19 2021-09-27 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP7399764B2 (ja) 2020-03-19 2023-12-18 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
KR20230051929A (ko) * 2021-10-12 2023-04-19 주식회사 숨터 상변화를 이용한 축열 전송파이프
KR102631593B1 (ko) * 2021-10-12 2024-01-31 주식회사 숨터 상변화를 이용한 축열 전송파이프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6564757B2 (en) Internal combustion engine including heat accumulation system, and heat carrier supply control system
JP7094908B2 (ja) ハイブリッド車両のバッテリ昇温装置
KR101764598B1 (ko) 냉각수 히터
CN103650200B (zh) 供电装置
CN106463762B (zh) 用于在车辆中设置的供电装置的供能模块
JP4733619B2 (ja) 車両用蓄熱システム
US8794195B2 (en) Heat storage system for an engine
US20090236435A1 (en) Warming-up system for vehicle
US20130199751A1 (en) Heat storage device for an engine
CN108346842A (zh) 一种利用相变蓄热器的汽车动力电池低温辅助加热装置
KR20130099462A (ko) 냉각수 가열식 히터
US20160068043A1 (en) Heating system and method for heating a vehicle interior of a vehicle having an internal combustion engine
US8863702B2 (en) Internal combustion engine of an automotive vehicle with a heat storage device that provides reusable heat
WO2014049344A2 (en) Thermal store
US20100186924A1 (en) Heat accumulator, method for manufacturing heat accumulator, and vehicle-mounted thermal system including accumulator
US6457460B1 (en) Fuel delivery system with recirculation cooler
JP2006189170A (ja) 蓄熱装置
EP1249588B1 (en) Internal combustion engine with regenerator
EP0791137A1 (en) Heat-storing device
KR20190051234A (ko) 모터 하우징 가열/냉각장치 및 이를 구비한 자동차
JP2006183943A (ja) 蓄熱装置
JP2003527994A (ja) 自動車の室内を暖める暖房システム
CN109494426A (zh) 带电池温度控制系统的牵引电池
KR101198639B1 (ko) 차량용 냉방 및 난방 시스템
KR20190051222A (ko) 모터하우징 냉각장치 및 이를 구비한 자동차

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070508

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090114