JP2006188666A - 生成物製造装置ならびにそれを用いた微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、均質な生成物を効率よく容易に作製することのできる生成物製造装置を提供することを目的とするものである。また、均質な微粒子、特にナノメートルサイズの半導体ナノ粒子を効率よく容易に作製するための製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】流体を流路を経由して、内径が5mm以下の反応路1に流通させ、該反応路1内にて、前記流体から所定の生成物を生成せしめるための生成物製造装置において、前記反応路1にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生器3を具備することを特徴とする生成物製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に均質な生成物を効率よく容易に作製することのできる生成物製造装置ならびにそれを用いた微粒子の製造方法に関するものである。
近年、ナノテクノロジーの発達が著しく、いろいろな分野にナノテクノロジーの適用や応用がなされている。それに伴い、微粒子の合成技術も発達し、種々の合成技術が考案され、ホットソープ法やマイクロリアクター法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特に、半導体微粒子の粒径制御として、逆ミセルを用いたホットソープ法を用いた量産化技術の検討がなされている。
特開2002−79075号公報 特開2003−160336号公報 特開2003−225900号公報
しかしながら、ホットソープ法では反応場が大きく、温度分布が大きくなるため、粒径分布が広くなるという問題がある。
これに対して、マイクロリアクター方式では、直径が1mm以下の管を用いて微少領域で反応場を与えるため、反応場内での温度分布が小さくなり粒径分布が狭く、非常に均一なサイズの粒子を得ることができるものの、このマイクロリアクター方式では、反応場を形成する管が非常に小さいため、時間あたりの生産量が非常に少ないという問題がある。
本発明は、超微粒子の粒径分布が非常に狭く、かつ、量産化が可能な生成物製造装置ならびにそれを用いた微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の生成物製造装置は、流体を流路を経由して、反応路に流通させ、該反応路内にて、前記流体から所定の生成物を生成せしめるための生成物製造装置において、前記反応路にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生器を具備することを特徴とする。
また、本発明の生成物製造装置は、前記反応路が、螺旋状であることが望ましい。
また、本発明の生成物製造装置は、前記マイクロ波発生器を、複数具備することが望ましい。
本発明の微粒子の製造方法は、以上説明した生成物製造装置の反応路の入り口側から流体を前記反応路に流通させるとともに、該反応路で流体から微粒子を形成することを特徴とする。
また、本発明の微粒子の製造方法は、前記微粒子が半導体ナノ粒子であることが望ましい。
本発明によれば、反応路に供給される流体をマイクロ波により加熱することで、流度分布が狭く、しかも、ナノメートルサイズの微粒子を効率よく生産することができる。
また、反応路を螺旋状に形成することで、反応路にマイクロ波を効率よく照射することができるため、反応炉内の流体をさらに効率よく加熱することができ、生産性の向上、装置の小型化を達成できる。
また、マイクロ波発生器を複数設けることで、加熱能力が向上し、生産性を向上させることができる。
本発明の微粒子の製造方法によれば、以上説明した生成物製造装置の反応路の入り口側から流体を前記反応路に流通させるとともに、前記流体にマイクロ波を照射して前記反応路で流体から微粒子を形成することで、流度分布が狭く、しかも、ナノメートルサイズの微粒子を効率よく生産することができる。
また、本発明の微粒子の製造方法によれば、特に、半導体ナノ粒子を製造する場合に効率よく、粒度分布の狭いナノサイズの生成物を得ることができる。
本発明の生成物製造装置は、例えば、図1に示すように、反応路1と、この反応路1にマイクロ波を照射するマイクロ波発生器3とマイクロ波を伝播する導波管4を備えたものである。
この反応路1には、この反応路1に流体を供給するための供給流路5が接続され、この供給流路5には、反応路1に供給する流体を貯蔵する流体タンク9が接続されている。
また、反応路1には、反応路1から流体および流体から生成した生成物を排出するための排出流路7とが接続されており、この排出流路7には、流体および流体から生成した生成物を貯蔵するための回収タンク11が接続されている。
また、反応路1は、マイクロ波発生器3から照射されたマイクロ波を遮断あるいは反射する遮断壁13で覆われている。
本発明によれば、このような反応路1に流体を流通させ、流体をマイクロ波で加熱することで、反応路1内に発生する温度分布を非常に小さくできるため、ホットソープ法と比べ格段に均一な反応場を提供でき、均一な生成物を得ることができる。
しかも、マイクロリアクター法と比べ、格段に反応場を大きくすることができるため、生産性を向上させることができる。
また、反応路1は、図1に示すようにマイクロ波が照射される空間の有効利用の点から螺旋状に形成されることが望ましい。
また、反応路1を螺旋状に形成した場合には、反応路1同士の間に隙間を形成することで反応路1の両側からマイクロ波を照射することができる。特に、反応路1同士の隙間を反応路1の外径以上とすることが反応路1へのマイクロ波の照射量を増加させるという点で望ましい。
また、マイクロ波の均一で高出力の照射を実現するためには、複数のマイクロ波発生器3を用いることが望ましいである。
本発明の製造装置は、特に、反応路1がマイクロ波にて照射され、反応路1で流体から微粒子を形成する反応に好適に用いられる。
通常、マイクロ波の照射により発熱するメカニズムは、マイクロ波の波長と、流体分子の振動波長が合致することにより、マイクロ波のエネルギーが流体分子を振動させ、高いエネルギーへ励起させ、この振動励起した流体分子が通常のエネルギーに戻る際に熱を発することで起こるものである。
なお、流体分子とは、流体を構成する溶媒やプリカーサーを総称するものである。
この振動は、熱伝導とは異なり、流体分子に直接エネルギーを供給するものなので、非常に速く、流体分子に熱エネルギーが供給されるのである。
よって、マイクロ波が供給される空間であれば、その空間に存在する流体分子は均一に発熱されることになる。すなわち、マイクロ波による加熱では、熱流体による熱伝導を利用した加熱機構と比較して、速くしかも均一な加熱が可能となる。
ただし、マイクロ波は流体に吸収され、減衰するものであるから、略均一な粒度のナノサイズの微粒子を生成するためには、従来のミクロンサイズの粒子の製造では不必要であった反応路1の直径の制御が重要である。
すなわち、本発明の生成物製造装置によれば、反応路1の内径は5mm以下であることが望ましく、特に4mm以下、さらに3mm以下とすることが望ましい。
また、生産性の観点から、反応路1の内径は1mm以上とすることが望ましく、特に、1.1mm以上、さらに、2mm以上とすることが望ましい。
また、本発明の生成物製造装置を用いて、生成する生成物としては、200℃以上の高温で急激な温度上昇と冷却制御が必要な半導体ナノ粒子が非常に好ましい。ナノサイズの微粒子の粒径分布を小さくするには急加熱、急冷却が好ましく、マイクロ波加熱は適切な加熱方法である。
また、上述した様にマイクロ波による加熱は素早い加熱の手段として使われるが、メカニズムは明確ではないものの、さらに、生成物としてナノサイズの半導体ナノ粒子を選択した場合には、通常の熱伝導を利用した加熱方法に比べ、低温で反応が進行させることができるという効果もある。
すなわち、本発明の生成物製造装置によれば、特に、ナノサイズの半導体ナノ粒子を均質に低温で多量に製造するのに適している。
また、マイクロ波は電波法により、波長が2.2cm、周波数が2.45GHzのものしか使用できず、定在波を発生させるためには少なくとも12.2cm以上の空間が必要となる。この空間を有効利用するにはマイクロ波の減衰を阻害しない範囲で反応路1を配置する事が必要であり、反応路1の変形を考慮すると管を大きな螺旋状に配置することが有効である。
そのため、本発明の生成物製造装置によれば、生産性を考慮し、流量を多くしながら、狭い空間に長い滞留時間を確保するために、細い管を螺旋状にして、反応路1として用いることで、長い反応路1をマイクロ波が照射される空間に配設することができる。
反応路1の材質はマイクロ波が透過すればよく、耐熱性ガラスなどが好適に用いられる。
この反応路1の断面形状としては、流体の滞留がなく、均一に流れることから略円形とすることが望ましい。なお、反応路1を螺旋状に加工する上でも断面積は略円形が好ましい。ただし、流体の滞留が無く、加工も簡単であれば、矩形であってもかまわない。
また、反応路1の入り口側に複数の反応路1が形成され、複数の反応路1が合流してもかまわない。反応原料が複数ある場合はマイクロTAS等の技術を用いて混合が可能となる。
本発明の生成物製造装置を用いて反応を細かく制御する反応系としては半導体微粒子(半導体ナノ粒子)がある。半導体微粒子は微妙な温度のずれ、反応時間で粒径分布が生じる。本発明は粒径分布の少なく更に量産性のある製造装置である。
そして、本発明の生成物製造装置により得られる半導体微粒子の例としては、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II,IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(本発明においては第13−15族化合物半導体と称する)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GeSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(本発明においては第12−16族化合物半導体と称する)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、ヨウ化銀(AgI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物(本発明においては第11−17族化合物半導体と称する)、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素との周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素との周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。
上述した中でも特に、AgI等の第11−17族化合物半導体、CdSe、CdS、ZnS、ZnSe等の第12−16族化合物半導体、InAs、InP等の第13−15族化合物半導体を主体とする化合物半導体のいずれかである。なお、本発明で使用する周期
表は、IUPAC無機化学命名法1990年規則に従うものとする。
なお、本発明によれば、いわゆるホットソープ法の考え方に基づいて、半導体ナノ粒子を製造することができる。
すなわち、本発明では、ホットソープ法のように、液相の原料を混合加熱することで微粒子を製造することができるのである。
ホットソープ法は、半導体原料を例えば100℃以上の高温に加熱された配位性有機化合物中で熱分解させた結果開始する反応により半導体結晶の核生成と結晶成長を進行させる方法である。
かかる結晶核生成と結晶成長の過程の反応速度を望ましく制御する目的で、半導体構成元素に適切な配位力のある配位性有機化合物が必須成分として反応に使用される。かかる配位性有機化合物が、半導体結晶に配位して安定化する状況が、石鹸分子が油滴を水中で安定化する状況に似ているため、この反応形式はホットソープ(Hot soap)法と呼ばれる。
ホットソープ法に用いられる半導体原料は、製造操作上の簡便性の理由で液状であるのが好ましい。原料物質自身が常温で液体であればそのまま使用して良く、必要に応じて適当な有機溶媒の溶液としても構わない。かかる有機溶媒としては、n−ヘキサン等のアルカン類、トルエン等の芳香族炭化水素等の適当な有機溶媒が用いられる。
反応に使用される配位性有機化合物が、高温液相において半導体結晶に配位して安定化する物質の例としては、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン等のアルキルアミン類が代表的であり、中でもアルキル基の炭素数が4〜10のトリアルキルホスフィン類、特にトリオクチルホスフィンオキシドは高沸点であり、空気の存在下でも安定に存在するので最も好適に用いられる。かかる配位性有機化合物は、必要に応じ複数種を混合して使用しても構わない。また、適当な有機溶媒の溶液としても構わない。
化合物半導体ナノ粒子を本発明により得る場合、使用する半導体原料における前記の第11〜13族元素の第15〜17族元素に対するモル比は、通常0.5〜5、好ましくは0.8〜3、最も好ましくは0.9〜2.5程度である。本発明では、陽性元素と陰性元素の比率(陽性元素/陰性元素)を1.1倍以上とすることにより、半導体ナノ粒子上の配位子量を多くすることができ、このように原料の量比をかえることで、流体(溶媒、ポリマー)の性質により最適な分散性能を有する超微粒子を制御できる。
本発明の生成物製造装置により得られる半導体ナノ粒子の大きさは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される平均粒径として、通常0.5〜20nm、好ましくは1〜8nm程度となる。本発明の製造方法で得られる半導体ナノ粒子は、前記のようにその表層として有機成分を含有する場合があるが、TEMで観察される粒子像(平均粒径)はかかる有機成分を含まない部分、即ち半導体組成の部分に由来する。
この半導体ナノ粒子は、蛍光体として利用することができる。
半導体ナノ粒子の量子効果により生ずる量子準位での電子遷移に起因する光吸収及び/又は発光の波長は、その粒子の大きさにより決まるので、波長を制御するには粒径分布が重要となることから、本発明によって製造されることが望ましい材料と言える。
以上、マイクロ波による加熱について説明したが、付加的に熱伝導による加熱手段を併用しても良いことは言うまでもない。
CdSeの超微粒子を製造する方法について説明する。
まず、39.5g(0.5M)のSe粉末をトリオクチルフォスフィン(TOP)1.25kgに溶解し、これを溶液Aとした。
次に、酢酸カドミウム26.6g(0.1M)及びステアリン酸0.5kgを混合し、130℃にて溶解する。この溶液にトリオクチルフォスフィンオキサド(TOPO)を2kg加え130℃にて溶解した後、100℃以下に冷却した。
冷却したこの溶液に、さきに作製した溶液Aを添加し、さらにTOPを0.75kg添加した。この溶液をプリカーサー液と呼ぶ。
このプリカーサー液を図1に示す原料タンク9に溜め、タンク9からポンプにて供給流路5を経由して、シリカガラス製キャピラリーにより形成した反応路1に供給した。このとき、マイクロ波発生器3から400〜650Wの出力で、波長2.45GHz(12.2cm)のマイクロ波を発生させ、導波管4を通じて、反応路1にマイクロ波を照射した。
なお、図1に示すようなマイクロ波が照射される部分の反応路1の長さが120cm、螺旋のピッチPが2cm、螺旋の直径Lが5cmの装置を用いて試験を行った。
また、表1に示す範囲で、反応路1の内径、反応時間(流量)を変化させて、CdSeの超微粒子分散液を作製した。
また、比較例として、従来用いられているマイクロリアクター法により、CdSeの超微粒子分散液を作製した。
なお、比較例では、実施例と同様の表1に示す内径の反応路を用い、この反応路を表1に示す温度のオイルバスに浸漬させ、表1に示す反応時間(流量)でCdSeの超微粒子分散液を作製した。
作製したCdSeの超微粒子分散液は、排出流路7を経由して回収タンク11で回収した。そして、回収した生成物であるCdSeの超微粒子を含有する反応液200μlに対して、5mlのトルエンを加えて作製した希釈液の発光スペクトルを島津製作所製の蛍光分光光度計(型式RF−5300PC)を用いて測定した。
また、生成物である半導体ナノ粒子の平均粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して測定した。使用した透過型電子顕微鏡はJEOL製JEM2010Fであり、以下の手順で加速電圧200kVの観察を行った。反応液1mlを10mlのエタノール(貧溶媒)にて微粒子を懸濁させ、遠心分離機にて、2000G、10分間処理し、沈澱させる。更に、沈殿させた半導体ナノ粒子をサンプル瓶にとり、粒子濃度が0.002〜0.02モル/リットルの範囲となる量のIPAやトルエンを加えて分散させた。これをTEM観察用マイクログリッドですくい取り、乾燥後、透過型電子顕微鏡にセットした。平均粒子径の測定は格子像より粒子を確認して行った。まず、粒子がメッシュに付着している部分を低倍率で探した。この時、半導体ナノ粒子が多く付着している部分は粒子が電子線の方向に重なっているため平均粒子径の測定には適さない。また、マイクログリッドのCuメッシュの部分に付着している半導体ナノ粒子も格子像が観察できないため平均粒子径の観察には適さない。従って、平均粒子径を測定する半導体超微粒子はマイクログリッドの樹脂の部分にある極力重なりの少ない部分を選んで行なった。次に、この部分を1,000,000倍程度に拡大して格子像の確認を行なう。
このとき、半導体ナノ粒子の周囲に合成時に使用した有機成分が多く残っている場合には格子像がぼやけてしまうため、平均粒子径を正しく測定することができない。このような場合には場所を変えて観察を行なうか、場合によっては合成時の有機成分の除去を繰り返し行なったサンプルを準備し直して観察を行なった。
合成時の有機成分の除去は、沈殿させた半導体ナノ粒子にクロロホルム、トルエンもしくはヘキサンを加えて超音波で分散させた後、ここにアルコール(例えばエタノール)を加えて、遠心分離機にかけることで行なうことができる。合成時の有機成分は上澄みのエタノールに溶解し、半導体ナノ粒子は沈殿する。必要に応じてこの操作を繰り返した。このようにして合成時に使用した有機成分の付着の少ない半導体ナノ粒子を探し出した後、この部分を倍率4,000,000倍として格子像の写真撮影を行なった。このとき電子線を長く当て続けると半導体ナノ粒子は変質してしまうため、速やかに撮影を行なった。
半導体ナノ粒子の平均粒子径は撮影した格子像200個の直径を元に以下の方法で処理することにより求めた。
測定した格子像の直径を、ヒストグラムを書いて統計的に計算することで、長さ平均直径を算出した。長さ平均直径の算出方法は、直径区に属する個数をカウントし、直径区の中心値と個数のそれぞれの積の和を、測定した格子像の個数の総数で割るという方法を用いた(平均粒子径の形状とその計算式、「セラミックの製造プロセス」p.11〜12、窯業協会編集委員会講座小委員会編)。このようにして計算した長さ平均直径を半導体ナノ粒子の平均粒子径とみなした。
また、単位時間あたりの生成量は、反応液を2mlをサンプリングし、粒子を溶媒にて分離し、遠心分離機にて沈殿回収し、さらに乾燥して、重量を測定した。
また、反応路における流体の温度は、Infrared thermometer(US4681740参照)を用いて、直接、反応路内の流体の温度を測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2006188666
まず、マイクロ波を用いて、反応時間を変化させて作製した本発明の試料No.10〜13の結果より、本発明においては、反応時間を制御することにより生成物の平均粒径を精密に制御できることが判る。
これらの生成物のTEM観察により求めた平均粒径と、蛍光分光光度計により測定したピーク波長との関係を図2に示す。
この結果から、生成物の平均粒径と、ピーク波長との間には、相関関係があることが判る。
従って、図3に示す試料No.10〜13の発光スペクトルの波長と蛍光強度との関係は、上記の相関関係を用いることで粒度分布に変換することができる。
そこで、図3に示す試料No.10〜13の発光スペクトルの半値幅を生成物の粒度分布を評価する指標として用いることとした。なお、半値幅とは、発光スペクトルのピーク波長強度の半分の強度となる低波長側のポイントWと高波長側のポイントWの幅のことを指している。
つまり、試料No.10〜13の発光スペクトルの半値幅を、図2の相関図を利用して平均粒径の半値幅に置き換えた値を試料の粒度分布を評価する値として表1に示した。また、他の試料についても同様の評価を行った。
その結果、本発明の製造方法によれば、生成物の平均粒径を精密に制御できるばかりでなく、発光スペクトルより求めた半値幅の換算値が±0.4nm以下の粒度分布の狭い生成物を得ることができることが判った。
また、従来のマイクロリアクター法を用いて作製した同程度の粒度分布を有する試料No.3と比較して、本発明の試料No.17では、単位時間あたり、約13倍の生成物が得られており、生産性も格段に向上できることが判る。
一方、従来のマイクロリアクター法で生成物を作製した試料No.1〜5のうち、反応路の内径が1mm以下の試料No.1〜4では、発光スペクトルより求めた半値幅の換算値が±0.4nm以下の粒度分布の狭い生成物を得ることができるものの、単位時間あたりの製造量が非常に少ない。
また、反応路の内径が2mmの試料No.5では、単位時間あたりの製造量は増加するものの、粒度分布が広くなるという問題があった。
それに対して、本発明では、試料No.4と試料No.7とを比較すると判るように、マイクロリアクター法と同じ内径の反応路を用いた場合でも、粒度分布の狭い生成物を、より多く得ることができた。
また、反応路の内径が変化しても、生成物の平均粒径が変化しにくいことも本発明の大きな特徴である。
本発明の生成物製造装置を説明する断面図である。 本発明の試験結果を説明する相関図である。 本発明の試験結果を説明する相関図である。
符号の説明
1・・・反応路
3・・・マイクロ波発生装置
4・・・導波管
5・・・供給流路
7・・・排出流路
9・・・流体タンク
11・・・回収タンク

Claims (5)

  1. 流体を流路を経由して、反応路に流通させ、該反応路内にて、前記流体から所定の生成物を生成せしめるための生成物製造装置において、前記反応路にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生器を具備することを特徴とする生成物製造装置。
  2. 前記反応路が、螺旋状であることを特徴とする請求項1に記載の生成物製造装置。
  3. 前記マイクロ波発生器を、複数具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の生成物製造装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の生成物製造装置の反応路の入り口側から流体を前記反応路に流通させるとともに、該反応路で流体から微粒子を形成することを特徴とする微粒子の製造方法。
  5. 前記微粒子が半導体ナノ粒子であることを特徴とする請求項4に記載の微粒子の製造方法。

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