JP2006188398A - セメント組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、取り扱いに難点が少なく、均一分散性に優れ、比較的少量で遊離水酸化石灰を固定してセメント製品中の微細な空隙を充填し、水密性を向上させ、耐久性および強度を向上し、寸法安定性を向上しうるセメント組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のセメント組成物は、セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを配合してなり、その配合量は全組成物中の固形分に対する割合が1〜10wt%、好適には2〜5wt%、である。ハロイサイトとしては、ハロイサイト(10Åもしくは7Å)もしくはメタハロイサイトが挙げられる。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明のセメント組成物は、セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを配合してなり、その配合量は全組成物中の固形分に対する割合が1〜10wt%、好適には2〜5wt%、である。ハロイサイトとしては、ハロイサイト(10Åもしくは7Å)もしくはメタハロイサイトが挙げられる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、セメント組成物およびそれを用いて得られるセメント製品に関する。
セメントの水和反応に際して、遊離水酸化石灰(いわゆる遊離石灰)が大量に生成する。このため、これを固定してセメント製品中の微細な空隙を充填し、水密性を向上させ、耐久および強度を向上させるために、従来シリカフュ−ム等がセメント類に配合されている。このシリカフュ−ムはセメント製品に高耐久性および高強度を付与するのに非常に有効である。しかしながらシリカフュ−ムは超微粒であり、凝集力が強く分散性が悪いため、均一な分散が得られず、十分な効果が得られ難く、さらに非常にかさばるためその取り扱いに難がある。
本発明は、このような取り扱いに難点が少なく、均一分散性に優れ、比較的少量で遊離石灰を固定して、フレキシブルボード等のボード建材等のセメント製品中の微細な空隙を充填し、水密性を向上させ、耐久性および強度を向上し、寸法安定性を向上しうるセメント類の配合剤を見出すべく、種々検討を行い本発明に到達したものである。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の発明を提供する。
(1)セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを1〜10wt%(全組成物中の固形分に対する割合)配合してなるセメント組成物;
(2)ハロイサイトが加水ハロイサイトである(1)記載のセメント組成物;
(3)ハロイサイトが板状加水ハロイサイトである(1)もしくは(2)記載のセメント組成物;
(4)ハロイサイトが、セメント類の水和により生成する遊離石灰と結合して遊離石灰を固定してなる(1)〜(3)のいずれか記載のセメント組成物;
(5)さらに骨材を含む(1)〜(4)のいずれか記載のセメント組成物;
(6)さらにパルプ類もしくは補強用繊維を含む(1)〜(5)のいずれか記載のセメント組成物;
(7)ハロイサイトを2〜5wt%(全組成物中の固形分に対する割合)配合してなる(1)〜(6)のいずれか記載のセメント組成物;ならびに
(8)(1)〜(7)のいずれか記載のセメント組成物を用いて製造されたセメント製品、
である。
(1)セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを1〜10wt%(全組成物中の固形分に対する割合)配合してなるセメント組成物;
(2)ハロイサイトが加水ハロイサイトである(1)記載のセメント組成物;
(3)ハロイサイトが板状加水ハロイサイトである(1)もしくは(2)記載のセメント組成物;
(4)ハロイサイトが、セメント類の水和により生成する遊離石灰と結合して遊離石灰を固定してなる(1)〜(3)のいずれか記載のセメント組成物;
(5)さらに骨材を含む(1)〜(4)のいずれか記載のセメント組成物;
(6)さらにパルプ類もしくは補強用繊維を含む(1)〜(5)のいずれか記載のセメント組成物;
(7)ハロイサイトを2〜5wt%(全組成物中の固形分に対する割合)配合してなる(1)〜(6)のいずれか記載のセメント組成物;ならびに
(8)(1)〜(7)のいずれか記載のセメント組成物を用いて製造されたセメント製品、
である。
本発明は、取り扱いに難点が少なく、均一分散性に優れ、比較的少量で遊離水酸化石灰を固定してセメント製品中の微細な空隙を充填し、水密性を向上させ、耐久性および強度を向上し、寸法安定性を向上しうるセメント組成物を提供することができる。
本発明のセメント組成物は、セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを配合してなり、その配合量は全組成物中の固形分に対する割合が1〜10wt%、好適には2〜5wt%、である。
セメント類としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等のセメント類が挙げられる。
ハロイサイトとしては、ハロイサイト(10Åもしくは7Å)もしくはそれらを100〜600℃程度で焼成したメタハロイサイト等、が挙げられるが、好適には加水ハロイサイト(10Åおよび7Å)が挙げられ、さらに好適には板状加水ハロイサイト(10Åおよび7Å)である。
セメント類に適宜水を配合されたセメント組成物にハロイサイトが配合されると、セメント類の水和により遊離石灰が生成するが、ハロイサイトがこの遊離石灰と結合して遊離石灰を固定する。
セメント組成物はさらに砂、砂利、等の細骨材もしくは粗骨材、およびパーライト、フライアッシュ、膨張バーミキュライト等の軽量骨材、等の骨材を含んでいてもよい。また、さらにパルプ類もしくは補強用繊維を含んでいてもよい。パルプ類は抄造成形のために有効であり、補強用繊維としてはセメントの密着性向上のためのビニロン、靭性向上のためのレイヨン、疎水性向上のためのポリプロピレン、等の短繊維が挙げられる。これらの配合材は得られるセメント製品の目的に応じて他の混和材とともに適宜選定し得、それらの配合量は常法によることができる。
本発明のセメント組成物を用いてセメント製品を製造するに際しては、常法により成形(たとえば抄造、プレス等)、硬化、養生、乾燥して目的とするセメント製品、たとえばフレキシブルボード等のボード建材等を得ることができる。必要に応じて、プレス後にオートクレーブ養生を行うこともできる。本発明によれば、養生期間が短くても強度が低下せず、促進養生の効果も得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されない。
実施例1
次の組成を有するセメント組成物を配合、混練して調製した。
実施例1
次の組成を有するセメント組成物を配合、混練して調製した。
パーライト 100質量部
パルプ 70質量部
ビニロン 10質量部
セメント 650質量部
フライアッシュ 250質量部
セピオライト 15質量部
未膨張バーミキュライト 70質量部
加水ハロイサイト 50質量部
この組成物に固形分濃度が約5wt%となるように水と混合し、抄造してボード(900×1820×9.6mm)として、常温で3週間養生した。得られたボードは、曲げ強度15.7N、かさ比重1.19および縦方向長さ変化率0.164%であった。
比較例1
実施例1において加水ハロイサイトを除くほかは同様な組成を有するセメント組成物を配合、混練して調製した。この組成物に固形分濃度が約5wt%となるように水と混合し、抄造してボード(900×1820×9.6mm)として、常温で3週間養生した。得られたボードは、曲げ強度14.7N、かさ比重1.22および縦方向長さ変化率0.444%であった。
パルプ 70質量部
ビニロン 10質量部
セメント 650質量部
フライアッシュ 250質量部
セピオライト 15質量部
未膨張バーミキュライト 70質量部
加水ハロイサイト 50質量部
この組成物に固形分濃度が約5wt%となるように水と混合し、抄造してボード(900×1820×9.6mm)として、常温で3週間養生した。得られたボードは、曲げ強度15.7N、かさ比重1.19および縦方向長さ変化率0.164%であった。
比較例1
実施例1において加水ハロイサイトを除くほかは同様な組成を有するセメント組成物を配合、混練して調製した。この組成物に固形分濃度が約5wt%となるように水と混合し、抄造してボード(900×1820×9.6mm)として、常温で3週間養生した。得られたボードは、曲げ強度14.7N、かさ比重1.22および縦方向長さ変化率0.444%であった。
本発明は、取り扱いに難点が少なく、均一分散性に優れ、比較的少量で耐久性および強度を向上し、寸法安定性を向上しうるセメント組成物を提供しうる。
Claims (8)
- セメント類および水を含むセメント組成物にハロイサイトを1〜10wt%(全組成物中の固形分に対しする割合)配合してなるセメント組成物。
- ハロイサイトが加水ハロイサイトである請求項1記載のセメント組成物。
- ハロイサイトが板状加水ハロイサイトである請求項1もしくは2記載のセメント組成物。
- ハロイサイトが、セメント類の水和により生成する遊離石灰と結合して遊離石灰を固定してなる請求項1〜3のいずれか記載のセメント組成物。
- さらに骨材を含む請求項1〜4のいずれか記載のセメント組成物。
- さらにパルプ類もしくは補強用繊維を含む請求項1〜5のいずれか記載のセメント組成物。
- ハロイサイトを2〜5wt%(全組成物中の固形分に対する割合)配合してなる請求項1〜6のいずれか記載のセメント組成物。
- 請求項1〜7のいずれか記載のセメント組成物を用いて製造されたセメント製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005002351A JP2006188398A (ja) | 2005-01-07 | 2005-01-07 | セメント組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005002351A Pending JP2006188398A (ja) | 2005-01-07 | 2005-01-07 | セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006188398A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100805936B1 (ko) | 2006-08-03 | 2008-02-21 | 조민주 | 건축 내장재용 조성물 |
JP2014136665A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Akio Maru | 膨張抑制材、コンクリート及びコンクリートの膨張抑制方法 |
WO2023137517A1 (en) * | 2022-01-21 | 2023-07-27 | Andromeda IP Pty Ltd | Cementitious material additive |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5269433A (en) * | 1975-11-29 | 1977-06-09 | Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyus | Waterproof composite of cement |
JPH01206003A (ja) * | 1988-02-15 | 1989-08-18 | Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd | ノンアスベスト押出製品の製法 |
JPH01242454A (ja) * | 1988-03-23 | 1989-09-27 | Kubota Ltd | セメント製品の押出成形方法 |
JPH04154650A (ja) * | 1990-10-15 | 1992-05-27 | Kuraray Co Ltd | 水硬性押出成形用組成物 |
-
2005
- 2005-01-07 JP JP2005002351A patent/JP2006188398A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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