JP2006185972A - マスク及び露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 露光処理時に発塵を起こすことなく投影光学系等の被検光学系の光学特性を精度よく計測する。
【解決手段】 光透過部PH1、PH2を有する本体部RHと、本体部RHに相対移動自在に設けられ、本体部RHへの入射光を拡散する拡散部DFとを有するマスクを露光装置に搭載し、拡散部を回転しながら投影光学系のレンズの収差を測定する。拡散回転板がマスクに設けられているため、測定前後の着脱によるゴミの発生を抑制することができかつ照度ムラも低減でき精度よく計測できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、マスク及び露光方法に関し、例えば、投影光学系のキャリブレーションを行う際に用いて好適なマスク及び露光方法に関するものである。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「マスク」と総称する)に形成されたパターン(以下、「レチクルパターン」とも呼ぶ)を投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「基板」と総称する)上に転写する露光装置が用いられている。かかる露光装置においては、マスクに形成されたパターンを基板に、高い解像力で、忠実に投影する必要がある。このため、投影光学系は、諸収差が十分に抑制された良好な光学特性を有するように設計されている。
しかし、完全に設計どおりに投影光学系を製造することは困難であり、実際に製造された投影光学系には様々な要因に起因する諸収差が残存してしまう。このため、実際に製造された投影光学系の光学特性は、設計上の光学特性とは異なるものとなってしまう。そこで、実際に製造された投影光学系のような被検光学系の収差等の光学特性を測定するための様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、極小ピンホールを用いて発生させた球面波に基づいて被検光学系の波面収差を測定する収差測定装置が開示されている。
また、特許文献2には、投影光学系に入射する光の光量の確保と、広範囲で均一性の高い光の投影光学系への入射の確保とを両立させるために、ピンホールパターンに代えて測定用光の波長程度より大きな径の開口パターンをレチクルに形成し、照明光を、レモンスキン板等の拡散板を介した後にレチクルに照射する方法が提案されている。
さらに、この特許文献2には、レチクル近傍に設けた可動保持部材に拡散板を保持させる技術が開示されている。この技術では、投影光学系の瞳面において発生する、拡散板による光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を、拡散板を移動させることによる平均化効果によって低減させている。
また、特許文献1には、投影光学系に入射する光の光量の確保と、広範囲で均一性の高い光の投影光学系への入射の確保とを両立させるために、ピンホールパターンに代えて測定用光の波長程度より大きな径の開口パターンをレチクルに形成し、照明光を、レモンスキン板等の拡散板を介した後にレチクルに照射する方法が提案されている。
国際公開WO99/60361号公報 特開2003−214984号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
発塵の原因となる可動部材が露光装置内に設けられるため、収差測定が終了して拡散板が露光装置から搬出された後に露光処理を実施する際にも発塵する可能性があり、パターンの転写精度に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、露光処理時に発塵を起こすことなく投影光学系等の被検光学系の光学特性を精度よく計測できるマスク及び露光方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図13に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスクは、光透過部(PH1、PH2)を有する本体部(RH)と、本体部(RH)に相対移動自在に設けられ、本体部(RH)への入射光を拡散する拡散部(DF)とを有することを特徴とするものである。
従って、本発明のマスクでは、本体部(RH)への入射光を拡散する拡散部(DF)が本体部(RH)に対して相対移動することによる平均化効果により拡散性が向上するため、拡散部(DF)による光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を低減することが可能である。また、本発明では、拡散部(DF)が本体部(RH)に設けられているため、相対移動自在な拡散部(DF)及びマスク(RK)を収差計測後に搬出することができ、露光処理時に発塵原因となることを防止できる。
また、本発明の露光方法は、エネルギービーム(IL)を用いてマスク(RK)のパターンを照明するとともに、投影光学系(PL)を介して基板(W)に前記パターンを露光する露光方法であって、エネルギービーム(IL)を拡散する拡散部(DF)をマスク(RK)に設けるステップと、拡散部(DF)とマスク(RK)とを相対移動させ、拡散部(DF)で拡散したエネルギービーム(IL)を用いて投影光学系(PL)の光学特性を検出するステップと、を含むことを特徴とするものである。
従って、本発明の露光方法では、マスク(RK)に入射するエネルギービームを拡散部(DF)がマスク(RK)に対して相対移動して拡散するため、平均化効果により拡散性が向上し、拡散部(DF)による光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を低減することが可能である。そのため、本発明では、投影光学系(PL)の光学特性を高精度で検出することが可能になる。また、本発明では、収差計測後に、拡散部(DF)をマスク(RK)とともに搬出することにより、露光処理時に発塵原因となることを防止できる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明では、平均化効果により拡散性を向上させ、光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を低減することができ、投影光学系の光学特性を高精度で検出することができる。また、本発明では、波面収差計測後の露光処理時には本体部と拡散部との相対移動に要する機構が装置内に存在せず、従ってこの機構に起因する発塵を防止することができる。
以下、本発明のマスク及び露光方法の実施の形態を、図1ないし図14を参照して説明する。図1は、本発明の露光方法を実施する露光装置の概略構成を示す側面図である。図1に示す露光装置EXは、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウエハWに逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置である。
尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1に示すXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWの移動面に平行な面に含まれるよう設定され、Z軸が投影光学系PLの光軸AXに沿う方向に設定されている。また、本実施形態ではレチクルR及びウエハWを同期移動させる方向(走査方向)をY方向に設定している。
図1に示す通り、本実施形態の露光装置EXは、照明光学系ILS、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、基板としてのWを保持する基板ステージとしてのウエハステージWSTと計測ステージMSTとを有するステージ装置ST、及びこれらの制御系を含んで構成される。照明光学系ILSは、不図示のレチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域を照明光(露光光、エネルギービーム)ILによってほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、パターン面(図1における−Z側の面)にパターンが形成されたレチクルRや、後述する波面収差計測に用いられるいわゆる工具レチクルRKが、例えば真空吸着により保持される。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータを含むレチクルステージ駆動部11(図1では不図示、図4参照)によって、照明光学系ILSの光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能に構成されている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置(Z軸周りの回転を含む)は、レーザ干渉計(以下、レチクル干渉計という)12によって、移動鏡13(実際にはY軸に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。このレチクル干渉計12の計測値は主制御装置20(図1では不図示、図4参照)に出力され、主制御装置20は、このレチクル干渉計12の計測値に基づいてレチクルステージRSTのX方向、Y方向、及びθZ方向(Z軸周りの回転方向)の位置を算出するとともに、この算出結果に基づいてレチクルステージ駆動部11を制御することで、レチクルステージRSTの位置(及び速度)を制御する。
レチクルステージRSTの上方には、露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系からなる一対のレチクルアライメント検出系14a,14b(図1では不図示、図4参照)がX方向に所定距離隔てて設けられている。レチクルアライメント検出系14a,14bは、レチクルR上の一対のレチクルアライメントマークと、これらに対応する計測ステージMST上の一対の基準マーク(以下、第1基準マークという)の投影光学系PLを介した共役像とを同時に観察するものである。これらのレチクルアライメント検出系14a,14bとしては、例えば特開平7−176468号公報(対応する米国特許第5,646,413号)等に開示されるものと同様の構成のものが用いられている。
また、レチクルステージRSTの上方には、主制御装置20の制御下で、レチクルRの所定位置に向けて検知光Bを投光する投光器61aと、検知光Bの反射光を受光する受光器61bとが設けられている。受光器61bの受光結果は主制御装置20に出力される。なお、実際には、投光器61a及び受光器61bは二対設けられているが、図1では一つずつのみ図示している。
レチクルステージRSTのY軸方向両側には、レチクルRの上面(図1における+Z側の面)とほぼ同じ高さでY軸方向に沿ってエアを吹き出す吹出ノズル62a、62bがそれぞれ設けられている。これら吹出ノズル62a、62bからのエアの吹き出しは、主制御装置20によって制御される。なお、吹出ノズル62a、62bは、各側において1つずつ配置されているが、吹出ノズル62a、62bの配置の詳細については後述する。また、吹出ノズル62a、62bに供給するエアは、例えばレチクルステージRSTの移動に用いられるエアベアリングに供給するエアを分岐して用いれば、エア供給路を別途設置する必要がなくなり、効率的である。
投影ユニットPUは、鏡筒15と、鏡筒15内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を含む投影光学系PLとを含んで構成されている。投影光学系PLとしては、例えばZ方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)からなる屈折光学系が用いられている。また、図示は省略しているが、投影光学系PLを構成する複数のレンズのうち、特定の複数のレンズは、主制御装置20からの指令に基づいて結像特性補正コントローラ16(図4参照)によって制御され、投影光学系PLの光学特性(結像特性を含む)、例えば倍率、ディストーション、コマ収差、及び像面湾曲(像面傾斜を含む)等の調整が可能である。
また、投影ユニットPUを保持する保持部材には、オフアクシス型のアライメント系45が設けられており、対象マーク(ウエハWに形成されたアライメントマーク等)の位置を計測する。
また、本実施形態の露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子としてのレンズ(以下、先玉ともいう)GLの近傍には、液浸装置17を構成する液体供給ノズル18aと、液体回収ノズル18bとが設けられている。液体供給ノズル18aは、主制御装置20からの指示に応じて先玉GLとウエハWとの間に水を供給する。また、液体回収ノズル18bは、主制御装置20からの指示に応じて先玉GLとウエハWとの間から水を回収する。
上記の液体としては、ここではArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する超純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。超純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、ウエハW上に塗布されたフォトレジスト及び光学レンズ等に対する悪影響を及ぼさないという利点がある。ここで、水の屈折率nはほぼ1.44であり、この水の中では照明光ILの波長は193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
以上説明した通り、本実施形態の露光装置が備える液浸装置17は、液体供給ノズル18a、及び液体回収ノズル18b等を含んで構成された局所液浸装置である。尚、投影ユニットPUの下方に計測ステージMSTが位置する場合にも、上記と同様に計測テーブルMTBと先玉GLとの間に水を満たすことが可能である。
ステージ装置STは、例えば半導体工場の床面FL上に配置されたフレームキャスタFC、フレームキャスタFC上に設けられたベース盤(定盤)21、ベース盤21の上方に配置されベース盤21の上面(移動面)21aに沿って移動するウエハステージWST及び計測ステージMST、これらのステージWST,MSTの位置を検出する干渉計22,23を含む干渉計システム24(図4参照)、並びにステージWST,MSTを駆動するステージ駆動部25(図4参照)を含んで構成される。上記のウエハステージWSTは、レチクルRのパターンをウエハWに露光転写するためにウエハWを保持して移動するものである。一方、計測ステージMSTは、ウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間に投影光学系PLの下方に位置して各種の計測(例えば波面収差計測)を行うものである。
次に、ステージ装置STの構成について説明する。図2は、ステージ装置STの構成を示す斜視図である。図2に示す通り、フレームキャスタFCは、X方向の一側と他側との端部近傍にY方向を長手方向として上方に突出した突部FCa,FCbが一体的に形成された概略平板状からなるものである。ベース盤(定盤)21は、フレームキャスタFCの突部FCa,FCbに挟まれた領域上に配置されている。ベース盤21の上面21aは平坦度が極めて高く仕上げられ、ウエハステージWST及び計測ステージMSTのXY平面に沿った移動の際のガイド面とされている。
ウエハステージWSTは、セラミックス等の材料で形成されており、図2に示す通り、ベース盤21上に配置されたウエハステージ本体26とウエハステージ本体26上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含んで構成されている。ウエハステージ本体26は、断面矩形枠状でX方向に延びる中空部材によって構成されている。このウエハステージ本体26の下面には、本願出願人が先に出願した特願2004−215439号に記載されているような自重キャンセラ機構が設けられている。この自重キャンセラ機構は、ベローズに内圧をかけてウエハステージWSTを支える支持部と、ガイド面としての移動面21aに対向してウエハステージWSTを移動面21aに対して浮上させるエアベアリング部とを有している。
また、ウエハステージWSTは、ウエハステージ本体26をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx(X軸周りの回転方向)、θy(Y軸周りの回転方向)、θz(Z軸周りの回転方向)に微小駆動する第1駆動系27と、ウエハステージ本体26及び第1駆動系27をY方向にロングストロークで駆動する第2駆動系28a,28bとを備えている。更に、ウエハステージWSTは、X方向に等速運動をするチューブキャリア29と、真空又はエア等の用力をチューブキャリア29からウエハステージ本体26に非接触で伝達する不図示の6自由度パイプを備えている。ここで、チューブキャリア29がX方向に等速運動するのは、チューブキャリア29の駆動により発生する反力がウエハステージ本体26に及ぼす影響を少なくするためである。
フレームキャスタFCの突部FCa,FCbの上方には、第2駆動系28a,28bを構成するY方向に延びるY軸用の固定子38a,38bがそれぞれ配設されている。これらの固定子38a,38bの間には、可動子39a,39bが固定子38a,38bの内側からそれぞれ挿入されている。これらのY軸用の固定子38a,38bは、それぞれの下面に設けられた不図示の気体静圧軸受、例えばエアベアリングによって突部FCa,FCbの上方において所定のクリアランスを介して浮上支持されている。これはウエハステージWSTや計測ステージMSTのY方向の移動により発生した反力により、固定子38a,38bがY方向のYカウンタマスとして逆方向に移動して、この反力を運動量保存の法則により相殺するためである。尚、ウエハステージWSTをX方向に駆動した際の反力は、第2駆動系28a,28bに設けられる固定子38a,38bと可動子39a,39bとの間の電磁的な結合を介して不図示のXカウンタマスに伝わる。このXカウンタマスは、フレームキャスタFCの突部FCa,FCbと固定子38a,38bとの間に設けられており、Y方向のカウンタマスとして用いられる固定子38a,38bを支持してX方向に移動可能に構成され、ウエハステージWSTのX方向の移動とは逆方向に移動してウエハステージWSTをX方向に駆動した際の反力を相殺する。
ウエハテーブルWTB上には、ウエハWを保持するウエハホルダ40が設けられている。ウエハホルダ40は、板状の本体部と、この本体部の上面に固定されその中央にウエハWの直径よりも大きな円形開口が形成された撥液性(撥水性)を有する補助プレートとを備えている。この補助プレートの円形開口内部の本体部の領域には、多数(複数)のピンが配置されており、その多数のピンによってウエハWが支持された状態で真空吸着されている。この場合、ウエハWが真空吸着された状態では、そのウエハWの表面と補助プレートの表面との高さがほぼ同一の高さとなるように形成されている。尚、補助プレートを設けずに、ウエハテーブルWTBの表面に撥液性を付与してもよい。
また、ウエハテーブルWTBのX方向の一端(+X側端)には、X方向に直交する(Y方向に延在する)反射面41Xが鏡面加工により形成されており、Y方向の一端(+Y側端)には、Y方向に直交する(X方向に延在する)反射面41Yが同様に鏡面加工により形成されている。これらの反射面41X,41Yには、干渉計システム24(図4参照)を構成するX軸干渉計42,43、Y軸干渉計44,44aからの干渉計ビーム(ビーム)がそれぞれ投射される。尚、図2に示すX軸干渉計42,43及びY軸干渉計44,44aは、図1においてはまとめて干渉計23として図示している。
X軸干渉計42は、ウエハテーブルWTB又は計測テーブルMTBのX方向の位置を、Y方向の投影中心位置及びアライメント中心位置のそれぞれで計測可能となっている。Y軸干渉計44は、Y軸に平行な測長軸を有し、ウエハテーブルWTBのY方向の位置を主として検出するとともに、ウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間には計測ステージMTBのY方向の位置を検出する。上記のX軸干渉計43及びY軸干渉計44aはウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間にウエハステージWSTのXY面内における位置を補助的に検出する。
計測ステージMSTは、チューブキャリア29及び不図示の6自由度パイプを除いてほぼウエハステージWSTと同様の構成である。つまり、図2に示す通り、ベース盤21上に配置された計測ステージ本体46と、計測ステージ本体46上に搭載されたプレート部としての計測テーブルMTBとを備えている。また、計測ステージ本体46をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx、θy、θzに微小駆動する第1駆動系47と、計測ステージ本体46及び第1駆動系47をY方向にロングストロークで駆動する第2駆動系48a,48bとを備えている。計測ステージ本体46は、断面矩形枠状でX方向に延びる中空部材によって構成されている。また、計測ステージMSTは、露光に関する各種計測を行うための計測器群を備えている。
以上説明したウエハステージWSTを駆動する第1駆動系27及び第2駆動系28a,28b、並びに計測ステージMSTを駆動する第1駆動系47及び第2駆動系48a,48bによって図4に示すステージ駆動部25が構成されている。このステージ駆動部25を構成する各種駆動機構は図4に示す主制御装置20によって制御される。つまり、主制御装置20は、ステージ駆動部25を介して、例えばウエハWの露光前における計測ステージMSTの移動、及び露光時におけるウエハステージWSTの移動を制御する。
計測テーブルMTBは、上面が撥液性(撥水性)を有している。計測テーブルMTBのY方向の一端(+Y側端)には、Y方向に直交する(X方向に延在する)反射面50が鏡面加工により形成されている。更に、計測テーブルMTBのX方向の一端(+X側端)には、X方向に直交する(Y方向に延在する)反射面51Xが鏡面加工により形成されており、Y方向の一端(−Y側端)には、Y方向に直交する(X方向に延在する)反射面51Yが同様に鏡面加工により形成されている。反射面50には、ウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間に、ウエハステージWSTのY方向の位置を検出するY軸干渉計44からの干渉計ビーム(ビーム)が投射される。また、反射面51X,51Yには、干渉計システム24(図4参照)を構成するX軸干渉計42、Y軸干渉計52からの干渉計ビーム(ビーム)がそれぞれ投射され、計測テーブルMTBのX軸方向の位置及びY軸方向の位置が計測される。Y軸干渉計52は、Y軸干渉計44と同様に、ウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間以外は、計測テーブルMTBのY方向の位置を検出する。尚、図2に示すX軸干渉計42及びY軸干渉計52は、図1においてはまとめて干渉計22として図示している。
また、計測ステージMSTは、露光に関する各種計測を行うための計測器群を備えている。計測器群としては、例えば特開2002−14005号公報(対応する米国特許出願公開第2002/0041377号明細書)等に開示されている空間像計測装置や、例えば特開平11−16816号公報(対応する米国特許出願公開第2002/0061469号明細書)等に開示され、投影光学系PLを介して計測テーブルMTB上に照射される露光光の露光エネルギーに関する情報(光量、照度、照度むら等)を検出する露光検出装置(図4においては、以上説明した空間像計測装置及び露光検出装置を計測器群63として示している)、さらには投影光学系PLを介してスリット開口58(図2参照)を通過した露光光の波面をマイクロレンズアレイで分割し、分割された各々の波面の受光素子上における結像位置により投影光学系PLの波面収差を測定する波面収差測定装置が挙げられる。
以下に、波面収差測定装置について詳述する。
図3には、投影光学系PLの波面収差測定のための光学的配置について、波面収差測定装置100の光軸AX1及び投影光学系PLの光軸に沿って展開したものが模式的に示されている。この波面収差測定装置100は、波面センサ(検出光学系)90と、波面データ処理装置80(図4参照)とから構成されている。
波面センサ90は、計測テーブルMTBに形成されたスリット開口58、コリメータレンズ92、レンズ93a及びレンズ93bから成るリレーレンズ系93(図3ではリレーレンズ系93のみ図示)、波面分割素子としてのマイクロレンズアレイ94、並びに撮像装置としてのCCD95を備えており、この順序で光軸AX1上に配置されている。
スリット開口58は、例えばガラス基板を基材とし、ウエハホルダ40に保持されたウエハWの表面と同じ高さ位置(Z方向位置)に、光軸AX1と直交するように配置されている。
コリメータレンズ92は、開口58を通って入射した光を平面波に変換する。
マイクロレンズアレイ94は、マトリクス状に正の屈折力を有する正方形状の多数のマイクロレンズ94aが稠密に配列されたものである。ここで、各マイクロレンズ94aの光軸は互いにほぼ平行となっている。なお、マイクロレンズ94aは、正方形状に限らず長方形状であってもよく、また、マイクロレンズ94aは、全てが同一形状でなくともよい。また、マイクロレンズアレイ94におけるマイクロレンズ94aの配列は、不等ピッチ配列でもよいし、また、斜め並び配列であってもよい。
こうしたマイクロレンズアレイ94は、平行平面ガラス板にエッチング処理を施すことにより作成される。マイクロレンズアレイ94は、リレーレンズ系93を介した光を入射したマイクロレンズ94aごとに、スリット開口58の像をそれぞれ異なる位置に結像する。なお、コリメータレンズ92、リレーレンズ系93、マイクロレンズアレイ94等から成る光学系を、以下では適宜、波面収差測定光学系と称する。
CCD95は、マイクロレンズアレイ94の各マイクロレンズ94aによってスリット開口58に形成された後述する開口パターンの像が結像される結像面、すなわち、波面収差測定光学系におけるスリット開口58の形成面の共役面に受光面を有し、その受光面に結像された多数の開口パターンの像を撮像する。この撮像結果は、撮像データとして波面データ処理装置80に供給される。
波面データ処理装置80は、主制御装置20の制御の下で、波面センサ90からの撮像データに基づいてスポット像の位置を算出するとともに、検出されたスポット像位置に基づいて、投影光学系PLの波面収差を算出する。
図4は、露光装置EXの制御系の構成を示すブロック図である。図4に示す制御系は、露光装置EXの全体的な動作を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)からなる主制御装置20を中心として構成されている。また、主制御装置20には、メモリ65、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等のディスプレイ66が接続されている。メモリ65は、露光装置EXの動作を制御する上で必要な情報、例えばベースライン量、EGA演算を行って得られたショット配列、露光量の履歴等を記憶し、ディスプレイ66は主制御装置20から出力される露光装置EXの装置状態を示す情報及びエラー情報等の各種情報を表示する。
続いて、波面収差計測に用いられる工具レチクルRKについて説明する。
図5は、工具レチクルRKの平面図であり、図6は要部断面図である。
工具レチクルRKは、レチクル本体(本体部)RHと、レチクル本体RHの上面側(+Z側)に対角に配置された2つの回転体70とを備えている。
回転体70は、両面テープ等によりレチクル本体RHに接着固定された支持体(第1支持部)71にベアリング(ボールベアリング)72を介して対向状態で回転自在に結合されており、キャップ体73、押さえ環74、羽根車75、拡散板(拡散部)DFから構成される。支持体71は、ベアリング72の内径部に嵌合固定される軸部71aと、軸部71aよりも外周側に同心で回転体70に向けてにリング状に突設された壁部(第1壁部)71bとを有している。ベアリング72としては、例えばテフロン(登録商標)コート等、非油性で低発塵のものが用いられている。
キャップ体73は、レチクル本体RHと対向する下面側(−Z側の面)に開口する有底筒状に形成されている。キャップ体73の外壁(第2壁部)73aは、支持体71の壁部71bの外側に隙間をあけて設けられ、且つ先端がレチクル本体RHとの間に隙間をあけて配置されており、その先端にはXY平面(レチクル本体RHの上面)と平行に外側に向けて延出するフランジ部73bが設けられている。外壁73aの外周面には、羽根車75及び拡散板DFが+Z側から順次嵌合している。これら羽根車75及び拡散板DFは、外壁73aの外周面に嵌合固定される押さえ環74とフランジ部73bとの間に挟持されることでキャップ体73に固定される。
また、キャップ体73には、支持体71の壁部71bよりも内周側に位置し下面側に(支持体71に向けて)突出する壁部(第2壁部)73cが設けられており、この壁部73cの内周面においてベアリング72の外周と嵌合固定されている。これら外壁73a及び壁部73bは、支持体71の壁部71bに対して対向方向(Z方向)で互いに重なり合うように形成されるラビリンス構造となっている。従って、支持体71とキャップ体73との間に形成されベアリング72に臨む隙間は屈曲した状態で外方へ開口する構成となる。
羽根車75は、例えば金属製の薄板で形成され、図7に示すように、プレス加工等により一部を折り曲げることにより、+Z側に向けて、且つ開口部75bの一側縁に半径方向に沿って立設された翼部75aを有している。図5に示すように、翼部75aは、周方向に一定の間隔をあけて複数(図では12個)設けられている。
拡散板DFは、円盤状のガラス板の下面(−Z側の面)に、より詳細には少なくとも羽根車75よりも外径側に突出する範囲に拡散処理が施されレチクル本体RHへの入射光(照明光IL)を拡散するレモンスキン板から構成されている。また、拡散板DFの上面には、羽根車75の開口部75bの一つから上方に露出する位置に蒸着等により反射膜(反射部)76が形成されている。より詳細には、反射膜76は、図1に示した投光器61aから投光される検知光Bにより照射される位置に形成されている。
なお、羽根車75を金属を用いて高反射とし、拡散板DFのうち開口部75bと対向する部分のガラス反射(低反射)との明暗差を利用した場合には、反射膜76を省略することも可能である。
レチクル本体RHは、X方向両側の端部に位置しレチクルステージRSTに吸着支持される支持領域A1と、支持領域A1の内側に位置しパターンが形成されるパターン領域A2とを有している。パターンエリアA2の両外側のY軸方向中央部には、レチクルアライメントマークRMが形成されている。図6に示すように、レチクル本体RHの下面(−Z側の面)には、クロムを蒸着すること等によりパターンPが形成されている。このパターンPには、2つの回転体70のそれぞれについて、羽根車75の外周側に突出(露出)する拡散板DFの直下のパターン領域A2に位置して開口するピンホール(第1開口部、光透過部)PH1と、ピンホールPH1よりも大きく開口する大開口部(第2開口部、光透過部)PH2とが形成されている。ピンホールPH1は、平面視円形に形成されており、回転体70の軸周りに一定間隔で複数(図では10°間隔で19個)配置されている。また、2つの回転体70の直下に形成されたピンホールPH1は、X方向に関してパターン領域A2の全体に亘って形成されている。大開口部PH2は、回転体70の軸周りに略半周に亘って形成されている。
そして、上述した吹出ノズル62a、62bは、レチクル本体RHのY軸方向(走査方向)両側に、回転体70毎に設けられている。吹出ノズル62aは、一方の回転体70の回転中心よりも+X側の翼部75aに向けて+Y方向にエアを吹き出す構成となっている。また、吹出ノズル62bは、回転体70の回転中心よりも−X側の翼部75aに向けて−Y方向にエアを吹き出す構成となっている。
続いて、上記構成の露光装置EXを用いた露光方法(露光処理)について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の動作の前提として、波面センサ90はウエハステージWSTに装着されており、また、波面データ処理装置80と主制御雄値20とが接続されているものとする。
また、工具レチクルRKは予め別工程において、一体的に固定されたキャップ体73、押さえ環74、羽根車75及び拡散板DFからなる回転体70が、レチクル本体RHに接着固定された支持体71にベアリング72を介して結合されて設けられているものとする(拡散板DFをレチクル本体RHに設けるステップ)。
図8に示される処理では、まず、サブルーチンS101において、投影光学系PLの波面収差が測定される。この波面収差の測定では、図9に示されるように、まず、ステップS111において、回転体70を有する工具レチクルRKを不図示のレチクルローダによりレチクルステージRST上に載置する。レチクルステージRST上の工具レチクルRKに対しては、レチクルアライメント検出系14a、14bによりアライメントマークRMを計測することによりレチクルアライメントが行われる。
なお、工具レチクルRKに形成されたピンホールPH1の直径は、照明光ILの波長程度あるいは波長以下に設定される。なお、本実施形態では、円形開口パターンの直径は、被検光学系のNAの範囲内では球面波と見なせる光を通過させる程度であればよく、照明光ILの波長よりも大きく設定されている。
そして、収差測定が行われる最初のピンホールPH1が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レチクルステージRSTを移動させる。かかる移動は、レチクル干渉計12が検出したレチクルステージRSTの位置情報(速度情報)に基づいて、主制御装置20がレチクルステージ駆動部25を制御することにより行われる。
また、工具レチクルRKが所定位置(例えば吹出ノズル62からのエアフローを受ける位置)に位置決めされると、ステップS112では、測定対象のピンホールPH1の直上に位置する回転体70に対応する吹出ノズル62a、62bからエアを吹き出させる。吹出ノズル62a、62bから吹き出されたエアは、翼部75aに偶力として作用するため、ベアリング72で支持された回転体70は支持体71の軸部71a周りに円滑に回転する。このときのエアの風量は、回転体70の回転によりピンホールPH1に対して相対移動する拡散板DFが当該ピンホールPH1への入射光を十分に拡散でき、拡散ムラを抑制できる値に設定されている。ピンホールPH1に対する拡散板DFの最低相対移動速度は、ピンホールPH1と拡散板DFの距離及び照明光学系ILSの開口数等に基づいて決定されるため、回転体70はピンホールPH1が位置する回転半径において上記最低相対移動速度が確保できる回転数(例えば1000rpm)で回転される。
このとき、回転体70に対しては、投光器61aから検知光Bが投光されており、検知光Bは拡散板DFに形成された反射膜76で反射し、受光器61bで受光される。換言すると、検知光Bは回転体70の回転により反射膜76が検知光Bの光路上に位置したときに反射して受光器61bで受光される。そのため、主制御装置20は、受光器61bの受光結果(反射光の受光周期)と、反射膜76が形成された半径方向の位置とから回転体70の回転数を算出できる。従って、主制御装置20は、ピンホールPH1と拡散板DFとの相対移動速度を検出して、最低相対移動速度が確保されているかどうかをモニターすることができる。
図9に戻り、次に、ステップS113において、計測テーブルMTBのスリット開口58がピンホールPH1の投影光学系PLに関する共役位置、すなわちピンホールPH1に関する測定初期位置に計測ステージMSTを移動させる。この際、主制御装置20は、ピンホールPH1の像が結像される像面に計測テーブルMTBのスリット開口58の上面を一致させるべく、第1駆動系47を介して計測ステージMSTをZ軸方向に微小駆動する。以上のようにして、最初のピンホールPH1からの球面波に関する投影光学系PLの波面収差測定のための光学的な各装置の配置が終了する。
こうした光学配置において、照明光学系ILSから照明光ILが射出されると、回転する回転体70の拡散板DFで拡散され、レチクル本体RHのピンホールPH1に到達した光が、球面波となってピンホールPH1から出射する。そして、投影光学系PLを介した後、波面センサ90のスリット開口58に集光される。こうしてスリット開口58に集光された光の波面は、投影光学系PLの波面収差を含んだものとなっている。
スリット開口58を通過した光は、コリメータレンズ92によりほぼ平行光に変換され、さらにリレーレンズ系93を介した後、マイクロレンズアレイ94に入射する。ここで、マイクロレンズアレイ94に入射する光の波面は、投影光学系PLの波面収差を反映したものとなっている。すなわち、投影光学系PLに波面収差が無い場合には、図3において点線で示されるように、その波面WFが光軸AX1と直交する平面となるが、投影光学系PLに波面収差が有る場合には、図3において二点鎖線で示されるように、その波面WF’は位置に応じた角度で傾くことになる。
マイクロレンズアレイ94は、各マイクロレンズ94aごとに、スリット開口58の像を、スリット開口58の共役面すなわちCCD95の撮像面に結像させる。マイクロレンズ94aに入射した光の波面が光軸AX1と直交する場合には、そのマイクロレンズ94aの光軸と撮像面の交点を中心とするスポット像が、撮像面に結像される。また、マイクロレンズ94aに入射した光の波面が傾いている場合には、その傾き量に応じた距離だけ、そのマイクロレンズ94aの光軸と撮像面の交点からずれた点を中心とするスポット像が撮像面に結像される。
次いで、ステップS114において、ピンホールPH1とスリット開口58との共役位置関係を維持した状態で、CCD95により、その撮像面に形成された像の撮像を行う。
以上のようにして行われる撮像では、マイクロレンズアレイ94によって波面分割される光、すなわちピンホールPH1、投影光学系PL、スリット58、コリメータレンズ92、及びリレー光学系を順次介した光における拡散板DFによる拡散ムラに起因する光強度分布の不均一性は、上述した撮像期間における回転体70の回転により低減されている。この結果、波面形状を精度良く反映した位置にスポット像が結像される。
この撮像により得られた撮像データは、波面データ処理装置80に供給される。
次に、ステップS115において、撮像結果に基づいて、各スポット像の位置情報が検出される。かかる位置情報の算出にあたり、波面データ処理装置80はマイクロレンズアレイ94によりCCD95の撮像面に形成された各スポット像の光強度分布の重心を算出することにより、各スポット像の中心位置を算出し、マイクロレンズアレイ94によりCCD95の撮像面に形成された各スポット像の位置情報として記憶する。
そして、ステップS116において、波面データ処理装置80はスポット像位置の検出結果に基づいて、工具レチクルRKにおける最初のピンホールPH1を介した光に関する投影光学系PLの波面収差を算出する。かかる波面収差の算出は、波面収差が無いときに期待される各スポット像位置と、検出されたスポット像位置の差から、ツェルニケ多項式の係数を求めることにより行われる。こうして、算出された波面収差は、ピンホールPH1の位置とともに記憶される。
次に、ステップS117において、全てのピンホールに関して投影光学系PLの波面収差を算出したか否かが判定され、測定が完了していない場合にはステップS118において、波面センサ90のスリット開口58が次のピンホールの投影光学系PLに関する共役位置、すなわちピンホールに関する測定初期位置に計測ステージMSTを移動させる。
なお、このときも、主制御装置20が、ピンホールの像が結像される像面に波面センサ90のスリット開口58の上面を一致させるべく、必要に応じて、第1駆動系47を介して計測ステージMSTをZ軸方向に微小駆動する。
以後、上記と同様にして、全てのピンホールPH1に関する投影光学系PLの波面収差が順次測定され、ピンホールごとの測定結果がピンホールの位置とともに記憶される。こうして全てのピンホールに関する投影光学系PLの波面収差が測定されると、ステップS117において肯定的な判定がなされる。そして、波面データ処理装置80は、波面収差の測定結果を主制御装置20へ供給する。この後、処理が図8のステップS102に移行する。
なお、吹出ノズル62からのエアの吹き出しは常時でなくてもよい。例えば1つのピンホールを用いた撮像データの撮像後に吹出ノズル62からのエアを羽根車75に供給してもよいし、受光器61bの受光結果から求められる回転数が所定の回転数(例えば300〜500rpm)よりも低下した場合にエアを供給するようにしてもよい。
ステップS102では、主制御装置20が波面測定結果データに基づいて、投影光学系PLの波面収差の測定が許容値以下であるか否かを判定する。この判定が肯定的である場合には、処理がステップS104に移行する。一方、判定が否定的である場合には、処理はステップS103に移行する。この段階では、判定が否定的であり、処理がステップ103に移行したとして、以下の説明を行う。
ステップS103では、主制御装置20が、投影光学系PLの波面収差の測定結果に基づき、現在発生している波面収差を低減させるように、投影光学系PLの波面収差の調整を行う。かかる波面収差の調整は、結像特性補正コントローラ16を介してレンズエレメントの移動制御を行うことや、場合によっては、人手により投影光学系PLのレンズエレメントのXY平面内での移動やレンズエレメントの交換を行うことによりなされる。
引き続き、サブルーチンS101において、調整された投影光学系PLに関する波面収差が上記と同様にして測定される。以後、ステップS102において肯定的な判断がなされるまで、投影光学系PLの波面収差の調整(ステップS103)と、波面収差の測定(ステップS101)が繰り返される。そして、ステップS102において肯定的な判断がなされると、レチクルステージRSTから工具レチクルRKが除去された後、処理はステップS104に移行し、不図示のレチクルローダにより、転写したいパターンが形成されたレチクルRがレチクルステージRSTにロードされる。また、不図示のウエハローダにより、露光したいウエハWがウエハステージWSTにロードされる。
次に、ステップS105において、主制御装置20の制御のもとで、露光準備用計測が行われる。すなわち、計測ステージMST上に配置された不図示の基準マーク板を使用したレチクルアライメントや、アライメント系45を使用したベースライン量の測定等の準備作業が行われる。また、ウエハWに対する露光が第2層目以降の露光であるときには、既に形成されている回路パターンと重ね合わせ精度良く回路パターンを形成するため、アライメン系45を使用したEGA計測(特開昭61−44429号公報等に開示されているいわゆるエンハンストグローバルアライメント)により、ウエハW上におけるショット領域の配列座標が高精度で検出される。
次いで、ステップS106において、露光が行われる。
ここで、上記構成の露光装置EXにおけるウエハステージWSTと計測ステージMSTとの並行処理動作について説明する。図10及び図11は、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとの並行処理動作を説明するための平面図である。
図10(a)は、ウエハステージWST上に保持されたウエハW(ここでは例えば1ロットの最後のウエハとする)に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われている状態を示す平面図である。図10(a)に示す通り、投影光学系PLの下方(−Z方向)にウエハステージWSTが配置されており、計測ステージMSTはウエハステージWSTと衝突(接触)しない−Y方向の所定の待機位置にて待機している。ウエハWに対する露光動作は、主制御装置20により、事前に行われた例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)等のウエハアライメントの結果及び最新のアライメント系45のベースライン量の計測結果等に基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へウエハステージWSTが移動されるショット間移動動作と、各ショット領域に対してレチクルRに形成されたパターンを走査露光方式で転写する走査露光動作とを繰り返すことにより行われる。
ここで、上記のウエハステージWSTが移動されるショット間移動動作は、主制御装置20がX軸干渉計42及びY軸干渉計44の検出値をモニタしつつ、ウエハステージWSTに設けられている第1駆動系27及び第2駆動系28a,28bの駆動を制御することにより行われる。また、上記の走査露光は、主制御装置20がX軸干渉計42及びY軸干渉計44及びレチクル干渉計12の検出値をモニタしつつ、レチクルステージ駆動部11並びに第1駆動系27及び第2駆動系28a,28bの駆動を制御して、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW(ウエハステージWST)とをY方向に関して相対的に走査し、その走査中の加速終了後と減速開始直前との間の等速移動時に、照明光ILの照明領域に対してレチクルR(レチクルステージRST)とウエハW(ウエハステージWST)とをY方向に関して等速同期移動することで実現される。尚、上記の露光動作は、先玉GLとウエハWとの間に水Lqを保持した状態で行われる。
ウエハステージWST上に保持されているウエハWに対する露光が終了すると、主制御装置20は、Y軸干渉計52の検出値に基づいて計測ステージMSTに設けられている第1駆動系47及び第2駆動系48a,48bの駆動を制御して、計測ステージMST(計測テーブルMTB)を図10(b)に示す位置まで移動させる。図10(b)は、計測テーブルMTBの+Y側面とウエハホルダ40(補助プレート)の−Y側面とが接触した状態を示す図である。尚、図10に示す例では、計測テーブルMTBとウエハホルダ(補助プレート)とが接触するまでは計測ステージMSTのX方向の位置が検出されないが、この状態のときの計測テーブルMTBのX方向の位置を検出する補助的なレーザ干渉計を備えることが望ましい。また、ここでは、計測テーブルMTBの+Y側面とウエハホルダ(補助プレート)の−Y側面とを接触させる場合を例に挙げて説明するが、干渉44,52の計測値をモニタして計測テーブルMTBとウエハテーブルWTBとをY方向に、例えば300μm程度(水が表面張力により漏出しない隙間)離間させて非接触状態を維持してもよい。
次いで、主制御装置20は、ウエハテーブルWTBと計測テーブルMTBとのY方向の位置関係を保持しつつ、両ステージWST,MSTを+Y方向に駆動する動作を開始する。このようにして、主制御装置20により、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとが同時に駆動されると、図10(b)の状態では、投影ユニットPUに設けられた先玉GLとウエハWとの間に保持されていた水LqがウエハステージWST及び計測ステージMSTの+Y方向への移動に伴って、ウエハW、ウエハホルダ40、計測テーブルMTB上を順次移動する。尚、上記の移動中、ウエハテーブルWTBと計測テーブルMTBとは相互に接触する位置関係を保っている。
次いで、主制御装置20は、ウエハステージWSTの位置をX軸干渉計43及びY軸干渉計44aの検出値に基づいて管理しつつ、ウエハステージWSTに設けられている第1駆動系27及び第2駆動系28a,28bの駆動を制御して、図11に示す所定のローディングポジションにウエハステージWSTを移動させるとともに、先玉GLとの間に水が保持された計測ステージMSTを用いた所定の計測を必要に応じて実行する。上述したステップS101における投影光学系PLの波面収差測定は、この位置で行われる。
なお、ローディングポジションは、図11の−X側に設定してもよい。
そして、ステップS107において、不図示のアンローダにより、露光が完了したウエハWがウエハホルダ40からアンロードされる。こうして、1枚のウエハWの露光処理が終了する。以後のウエハの露光においては、ステップS101〜S103の投影光学系PLに関する波面収差の測定及び調整が必要に応じて行われながら、ステップS104〜S107のウエハ露光作業が行われる。
以上のように、本実施の形態では、レチクル本体RHへの入射光を、当該レチクル本体RHに対して回転する拡散板DFによって拡散しているので、平均化効果により拡散性を向上させることが可能になり、拡散板DFによる光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を低減することができ、投影光学系PLの光学特性を高精度で検出することができる。また、本実施の形態では、拡散板DFがレチクル本体RHに対して回転自在に設けられているため、波面収差計測後にレチクルRKをレチクルステージRSTから搬出することにより、露光処理時にはレチクル本体RHと拡散板DFとの相対移動に要する機構が露光装置EX内に存在せず、従ってこの機構に起因する発塵を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、拡散板DF(回転体70)が回転することによりレチクル本体RHに対して相対移動するので、直線移動する場合と比較して摺動面積が小さくなり、従って、相対移動に伴って生じる発塵を低減させることが可能になる。加えて、本実施の形態では、キャップ体73の外壁73a及び壁部73bが、支持体71の壁部71bに対してZ方向で互いに重なり合うように形成されるラビリンス構造となっており、支持体71とキャップ体73との間に形成されベアリング72に臨む隙間が屈曲しているため、ベアリング72で生じた塵埃が外方へ飛散されづらくすることができる。
また、本実施の形態では、回転体70に設けられた反射膜76で反射した検知光Bを受光することにより、ピンホールPH1と拡散板DFとの相対移動速度を検出して、最低相対移動速度が確保されているかどうかをモニターできるので、回転速度が落ちて拡散性が低下してしまうことを防止でき、投影光学系PLの光学特性の高精度検出を維持することが可能になる。
続いて、波面センサ90のキャリブレーションについて説明する。
本実施形態の波面センサ90には、コリメータレンズ92、リレーレンズ系93、マイクロレンズアレイ94、CCD95などの光学部材が用いられている。これらの光学部材の製造誤差は、投影光学系PLの波面収差の測定時にその測定値に上乗せされる。収差測定系自体で発生する波面収差などの測定値への影響を小さく抑えるには、収差測定系を構成する各光学部材の公差を非常に厳しく設定し、被検光学系である投影光学系PLの波面収差発生量に比して収差測定系の波面収差発生量を十分に小さく抑える方法、あるいは収差測定系自体で発生する波面収差などの影響を予め把握して測定値を補正する方法が考えられる。
従って、波面センサ90自体の波面収差発生量をある程度許容できる範囲に抑え、波面センサ90の誤差に基づいて測定値を補正すること、すなわち波面センサ90について自己キャリブレーションを行うことにより波面センサ90自体で発生する波面収差などの影響を補正するのが望ましい。
以下、本実施形態における波面センサ90の自己キャリブレーションの手順を説明する。まず、波面センサ90の自己キャリブレーションに際して、工具レチクルRKの大開口部PH2が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レチクルステージRSTを移動させるとともに、吹出ノズル62a、62bからエアを吹き出させて、測定対象の大開口部PH2の直上に位置する回転体70を回転させる。
一方、計測テーブルMTBのスリット開口58が大開口部PH2の投影光学系PLに関する共役位置に計測ステージMSTを移動させる。この状態では、照明光ILが投影光学系PLを介して、計測テーブルMTBのスリット開口58を照明することになる。
こうして、スリット開口58からの光が、コリメータレンズ92、リレーレンズ系93およびマイクロレンズアレイ94を介して、CCD95の受光面上にスリット開口58の多数の像を形成する。設計値では、スリット開口58の各像が、マイクロレンズアレイ94のマイクロレンズ94aの光軸上に整然と並んで形成されるはずであるが、波面センサ90の波面収差、マイクロレンズアレイ94の製造誤差、CCD95の受光素子の配列誤差等により、実際に測定される各スリット開口像の光量重心位置は設計上仮定した理想位置から位置ずれしてしまう。
ここで、発生した各開口部像の位置ずれは、収差測定系にのみ起因するものであって、投影光学系PLの波面収差などの影響を受けていない。これは、投影光学系PLが照明光学系ILSと波面センサ90との間の光路中に配置された照明リレー光学系の機能を果たしているに過ぎないからである。
そこで、本実施形態では、自己キャリブレーションで得られた各スリット開口像の位置を測定用の各原点に設定する。そして、設定した測定用の各原点に基づいて波面収差の測定を行うことにより、波面センサ90自体が発生する波面収差などの誤差が投影光学系PLの測定結果に実質的に影響することなく、精度の高い波面収差測定を行うことができる。なお、本実施形態では、スリット開口58が波面センサ90に一体的に取り付けられた計測テーブルMTBに形成されているので、自己キャリブレーション用の開口部をキャリブレーションの度に設置する方法と比ベて、開口部の位置ずれに起因する誤差は発生しない。
こうして、上述の実施形態にかかる露光方法では、自己キャリブレーションにより波面センサ90の誤差を測定しておくことで、ステップS101における波面センサ90を用いた投影光学系PLの波面収差計測時に自己キャリブレーションで測定した誤差情報に基づいて補正することにより、投影光学系PLの波面収差をより高精度に調整することが可能になる。
続いて、露光装置EXに付設されたレチクルR、RKの搬送系について説明する。
本実施の形態における露光装置EXは、レチクルR、RK(以下、RKと称する)を収納するレチクルケース118と、レチクル搬送装置119とを備えている。
レチクル搬送装置119は、レチクルケース118とレチクルステージRSTとの間でレチクルR、RKを搬送するものであって、レチクル搬送部128と、ロード部130と、受渡位置CA1、CA2の間を移動してレチクル搬送部128及びロード部130の間でレチクルRKを保持して搬送するキャリア129を備えている。
レチクル搬送部128は、レチクルRKをレチクルケース118に対して搬入、搬出するものであって、Z方向に移動自在な移動体131に連結されレチクルRKを吸着保持するフォーク132を有している。
ロード部130は、Z方向に移動自在な移動体133に連結され、受け渡し位置CA2からレチクルステージRSTにレチクルRKを吸着保持して搬送するロードアーム134およびレチクルステージRSTから受け渡し位置CA2にレチクルRKを吸着保持して搬送するアンロードアーム135とを有している。
図13に示すように、レチクルケース118は、Z方向にレチクルR、RKを複数収容可能であって、レチクル搬送部128と逆側(+Y側)の面には、レチクルケース118を識別するためのバーコード136が設けられている。このレチクルケース118は、一対のホルダ105間にZ軸方向に複数段(図12では2段)、それぞれが着脱自在に支持される。
そして、レチクルケース118の+Y側には、Z方向に移動自在なリーダ駆動アーム141が設けられている。リーダ駆動アーム141には、バーコード136を読み取るバーコードリーダ137が設けられている。バーコードリーダ137の読取結果は主制御装置20に出力される。
そして、レチクルR、RKのパターン面と直交する側面、即ちレチクル搬送部128に対向する端面138には、レチクルR、RKを識別するためのバーコード139が設けられている(図5参照)。
レチクルケース118とレチクル搬送部128との間には、Z方向に相対移動自在なリーダ駆動アーム142が設けられている。リーダ駆動アーム142には、バーコード139を読み取るバーコードリーダ140が設けられている。バーコードリーダ140の読取結果は主制御装置20に出力される。
上記の構成の露光装置EXにおいては、まず、オペレータまたはロボット等が、工具レチクルRK及び露光時に使用されるレチクルRが収納されたレチクルケース118をケースホルダ105に複数装填する。レチクルケース118がホルダ105に装填されると、リーダ駆動アーム141がレチクルケース118に対してZ方向に相対移動することにより、バーコードリーダ137が、レチクルケース118に設けられたバーコード136を順次読み取り、その結果を主制御装置20へ送出する。主制御装置20は、予め入力されているレチクルケース118に関する情報と、バーコードリーダ137が読み取った結果とを照合して、これらが合致していなければ警報を発する。
一方、照合結果が合致していた場合、主制御装置20の制御によりレチクル搬送部128の移動体131およびリーダ駆動アーム142が、工具レチクルRKに対向する位置へZ方向に移動する。そして、リーダ駆動アーム142に設けられたバーコードリーダ140が、この場合、工具レチクルRKに設けられたバーコード139を読み取り、読み取った結果を主制御装置20へ送出する。
このとき、何らかのミスが生じて工具レチクルRKが所定の向きと異なる状態でレチクルケース118に収容されている場合には、工具レチクルRKに貼設されたバーコード139はバーコードリーダ140と対向しないため、バーコードリーダ140は主制御装置20に対してエラー信号を出力し、主制御装置20は警報を発する。
また、主制御装置20は、予め入力されている工具レチクルRKに関する情報と、バーコードリーダ140が読み取った結果とを照合して、これらが合致していない場合にもレチクルRKの搬送を停止するように判断し、例えば不図示のCRTにエラーメッセージを表示して警報を発する。
一方、工具レチクルRKに関する照合結果が合致していれば、フォーク132が移動体131に対してY方向に移動してレチクルRKの下方から吸着保持して上方へ微小量移動した後にレチクルケース118から離間する方向(−Y方向)に移動することにより、工具レチクルRKをレチクルケース118から引き出す。
この後、工具レチクルRKは、キャリア129、ロードアーム134に順次受け渡され、レチクルステージRSTに搬送される。
このように、本実施の形態では、搬送途中で工具レチクルRKの向きを検出することにより、例えば工具レチクルRKが正規の向きに対して90°回転した状態でレチクルケース118に収容されたまま上方へ移動させた際にケース118や他のレチクルRと接触する等の事態を未然に防ぐことが可能になり、安全性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記のレチクル搬送系においては、レチクルR、RKにバーコードを設け、このバーコードを読みとることで当該レチクルR、RKを識別するとともに、レチクルR、RKの向きを検出する構成としたが、これ以外にも、レチクルR、RKに当該レチクルR、RKの識別情報を無線で通信するIDタグを設け、レチクルカセットの近傍に設けたリーダによりIDタグから識別情報を得る構成としてもよい。
この場合、レチクルR、RKが正規の位置に収容された場合のみ無線通信が可能な状態にしておけば、レチクルR、RKが正規とは異なる向きで収容されているときには無線通信が不能になり、正規の向きではない状態で収容されていることを容易に認識することが可能になる。
また、上記実施形態では、レチクルケースにレチクルR、RKを収容する構成としたが、この他にも、底部側が開口するカバーと、この開口を開閉自在とするようにカバーに取り付けられた底板と、この底板の上に配設された保持棚とを有する、いわゆるSMIF(Standard Mechanical InterFace)型のケースを用いる構成であってもよい。
また、上記実施形態における工具レチクルRKにおいては、レチクル本体RHに対して拡散板が回転移動する構成としたが、これに限定されるものではなく、拡散板がレチクル本体に対して直線的に相対移動(直動)する構成であってもよい。この場合でも、平均化効果により入射光に対する拡散性を向上させ、光の拡散ムラに起因する光量分布の不均一を低減することが可能になる。
また、本発明は上記実施形態に制限されず、液浸法を適用しない露光装置にも用いることができる。また、上記実施形態ではArFエキシマレーザ光を用いる場合を例に挙げて説明したが、これ以外に、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)、又はKrFエキシマレーザ光(波長248nm)、Fレーザ光(波長157nm)、Krレーザ光(波長146nm)、YAGレーザ光、若しくは半導体レーザの高周波を用いることができる。
また、本発明は、ウエハステージが複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
尚、上記各実施形態で移動ステージに保持される基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、或いは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。露光装置EXとしては、液浸法を用いない走査型露光装置やレチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを一括露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。露光装置EXの種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)或いはレチクル又はマスク等を製造するための露光装置等にも広く適用できる。
ウエハステージWSTやレチクルステージRSTにリニアモータ(USP5,623,853又はUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型及びローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST,RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。各ステージWST,RSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージWST,RSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージWST,RSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージWST,RSTの移動面側に設ければよい。
ウエハステージWSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。レチクルステージRSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。尚、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
図14は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造工程の一例を示すフローチャートである。半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図14に示す通り、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に転写する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す側面図である。 ステージ装置の構成を示す斜視図である。 スポット像の撮像時における光学配置を説明するための図である。 露光装置EXの制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による工具レチクルの平面図である。 図5における要部断面図である。 羽根車の翼部を示す部分拡大図である。 露光動作における処理を説明するためのフローチャート図である。 収差測定サブルーチンにおける処理を説明するためのフローチャート図である。 ウエハステージと計測ステージとの並行処理動作を説明するための平面図である。 ウエハステージと計測ステージとの並行処理動作を説明するための平面図である。 レチクル搬送系を備えた露光装置の概略構成図である。 レチクルカセット近傍の図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
B…検知光、 DF…拡散板(拡散部)、EX…露光装置、 IL…照明光(露光光、エネルギービーム)、 PH1…ピンホール(第1開口部、光透過部)、 PH2…大開口部(第2開口部、光透過部)、 PL…投影光学系、 R、RK…レチクル(マスク)、 RH…レチクル本体(本体部)、 W…ウエハ(基板)、 WST…ウエハステージ、 71…支持体(第1支持部)、 71b…壁部(第1壁部)、 73a…外壁(第2壁部)、 73c…壁部(第2壁部)、 76…反射膜(反射部)、 90…波面センサ(検出光学系)

Claims (14)

  1. 光透過部を有する本体部と、
    前記本体部に相対移動自在に設けられ、前記本体部への入射光を拡散する拡散部とを有することを特徴とするマスク。
  2. 請求項1記載のマスクにおいて、
    前記拡散部は、前記本体部に対して回転することを特徴とするマスク。
  3. 請求項1または2記載のマスクにおいて、
    前記本体部は、前記入射光を透過する第1開口部を有していることを特徴とするマスク。
  4. 請求項3記載のマスクにおいて、
    前記本体部は、前記第1開口部よりも大きな開口を有した第2開口部を有していることを特徴とするマスク。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載のマスクにおいて、
    前記本体部に設けられ軸受を支持する第1支持部と、該第1支持部に前記軸受を介して回転自在に対向状態で結合され前記拡散部を支持する第2支持部とを有し、
    前記第1支持部には前記第2支持部へ向けて突設された第1壁部が設けられ、
    前記第2支持部には前記第1支持部へ向けて突設された第2壁部が設けられ、
    前記第1、第2壁部は、前記対向方向で互いに重なり合っていることを特徴とするマスク。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のマスクにおいて、
    前記拡散部は、検知光を反射する反射部を有することを特徴とするマスク。
  7. エネルギービームを用いてマスクのパターンを照明するとともに、投影光学系を介して基板に前記パターンを露光する露光方法であって、
    前記エネルギービームを拡散する拡散部を前記マスクに設けるステップと、
    前記拡散部と前記マスクとを相対移動させ、前記拡散部で拡散したエネルギービームを用いて前記投影光学系の光学特性を検出するステップと、を含むことを特徴とする露光方法。
  8. 請求項7記載の露光方法において、
    前記拡散部を前記マスクに対して回転させることにより前記拡散部と前記マスクとを相対移動させることを特徴とする露光方法。
  9. 請求項8記載の露光方法において、
    前記拡散部に気体を供給して前記回転を行うことを特徴とする露光方法。
  10. 請求項7から9のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記本体部は、前記エネルギービームを透過する第1開口部を有していることを特徴とする露光方法。
  11. 請求項10記載の露光方法において、
    前記本体部は、前記第1開口部よりも大きな開口を有した第2開口部を有していることを特徴とする露光方法。
  12. 請求項11記載の露光方法において、
    前記投影光学系の光学特性は検出光学系を用いて検出され、
    前記第2開口部は、前記検出光学系のキャリブレーションに用いられることを特徴とする露光方法。
  13. 請求項7から12のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記拡散部と前記マスクとの相対移動に関する情報を検出するステップを含むことを特徴とする露光方法。
  14. 請求項7から13のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記マスクの向きを検出するステップを含むことを特徴とする露光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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