JP2006185609A - 複合同軸ケーブル,それを用いたテレビ共同受信システム及び配線方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストが安価で,配線のしやすい複合同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】内部導体と,内部絶縁体と,外部導体とを有する2つの同軸ユニットを,互いに並列した状態に配置し,これらを外部絶縁体により一体に連結してなる複合同軸ケーブルにおいて,
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用であり,前記一方の同軸ユニットを通過する前記第1周波数帯内の第1所定周波数F1(MHz)における単位長当たりの通過損失α1と,前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数F2(MHz)における単位長当たりの通過損失α2と,が略等しいように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】内部導体と,内部絶縁体と,外部導体とを有する2つの同軸ユニットを,互いに並列した状態に配置し,これらを外部絶縁体により一体に連結してなる複合同軸ケーブルにおいて,
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用であり,前記一方の同軸ユニットを通過する前記第1周波数帯内の第1所定周波数F1(MHz)における単位長当たりの通過損失α1と,前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数F2(MHz)における単位長当たりの通過損失α2と,が略等しいように構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は,主にテレビ共同受信システムに利用される複合同軸ケーブルに関し,詳しくは受信アンテナからの信号を建造物内に引き込むために使用される複合同軸ケーブルに関する。
従来,携帯電話用アンテナ基地局の,アンテナと基地局装置とを結ぶアンテナ給電線は送信用と受信用それぞれ一本ずつ,あわせて2本1組で使用されている。これに対して互いに並列配置された複数の同軸ユニットの外周を,結合被覆で全長に亘って覆うように形成した複合同軸ケーブルが提供され,これによって2本の同軸ケーブルが並列した状態に結合されていることになり,複数の同軸ケーブルのように扱うことができ,効率的な布設作業が可能となっていた。
更に,アンテナの送受信エリアや,アンテナと基地局の関係によって,同軸ケーブルの外形を変化させたい場合などがあり,これに対応するために径の異なる同軸ユニットを,例えば2本配列したものが提案されている。即ち送受信エリアが小さい場合は送信電力を押えることができるので,細径の同軸ユニットでもよかったり,アンテナと基地局の距離が短い場合は同軸ユニットによる伝送損失も小さいので,細径の同軸ケーブルでもよかったりし,このようなシステムの要求に対応可能なように構成されていた。
(例えば,特許文献1参照)
更に,アンテナの送受信エリアや,アンテナと基地局の関係によって,同軸ケーブルの外形を変化させたい場合などがあり,これに対応するために径の異なる同軸ユニットを,例えば2本配列したものが提案されている。即ち送受信エリアが小さい場合は送信電力を押えることができるので,細径の同軸ユニットでもよかったり,アンテナと基地局の距離が短い場合は同軸ユニットによる伝送損失も小さいので,細径の同軸ケーブルでもよかったりし,このようなシステムの要求に対応可能なように構成されていた。
(例えば,特許文献1参照)
しかし,携帯電話に用いられる周波数帯は例えば800MHz帯や1,5GHz帯であり,比帯域としてはあまり広くないものであるので,前記使用周波数帯におけるケーブルロスだけを考慮して複合同軸ケーブルを配設すれば問題がなかった。
ところがテレビ共同受信システムにおいては,地上アナログ放送のVHF帯やUHF帯に加えて,最近開始された地上ディジタル放送のUHF帯が有り,更に加えてBS衛星やCS衛星などの衛星放送からの信号を受信アンテナで受信し,該受信信号を受信アンテナに備えた衛星コンバーターにおいて中間周波数帯であるBS−IF帯やCS−IF帯に周波数変換した信号までを含めて,広帯域に亘る周波数帯の信号を伝送しなければならない。ところでこれらの信号は受信機毎に望ましい入力レベルがあるので,それぞれの周波数帯についてケーブル等の通過損失を考慮しなければならないといった問題があった。
具体的に言えば,地上波を受信すると共に,衛星放送であるBS・110°CS放送を受信する場合を考えると,70〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)までに亘る広帯域な周波数帯を低損失に通過する高周波特性に優れた同軸ケーブルが求められるのである。
つまりこの例に示すような地上波と衛星放送とを受信する場合には,受信機(例えばテレビ受信機,地上波ディジタルチューナ,BS・110°CSディジタルチューナー)夫々に最適な受信入力レベルが決められているので,システムを構築する時にそれぞれの周波数帯域について,テレビ端子の出力レベルが所定レベルとなるように検証しておく必要があるのである。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,コストの安価な複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さい複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易い複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,コストの安価なテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さいテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易いテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,コストの安価な配線方法を提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さい配線方法を提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易い配線方法を提供することにある。
ところがテレビ共同受信システムにおいては,地上アナログ放送のVHF帯やUHF帯に加えて,最近開始された地上ディジタル放送のUHF帯が有り,更に加えてBS衛星やCS衛星などの衛星放送からの信号を受信アンテナで受信し,該受信信号を受信アンテナに備えた衛星コンバーターにおいて中間周波数帯であるBS−IF帯やCS−IF帯に周波数変換した信号までを含めて,広帯域に亘る周波数帯の信号を伝送しなければならない。ところでこれらの信号は受信機毎に望ましい入力レベルがあるので,それぞれの周波数帯についてケーブル等の通過損失を考慮しなければならないといった問題があった。
具体的に言えば,地上波を受信すると共に,衛星放送であるBS・110°CS放送を受信する場合を考えると,70〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)までに亘る広帯域な周波数帯を低損失に通過する高周波特性に優れた同軸ケーブルが求められるのである。
つまりこの例に示すような地上波と衛星放送とを受信する場合には,受信機(例えばテレビ受信機,地上波ディジタルチューナ,BS・110°CSディジタルチューナー)夫々に最適な受信入力レベルが決められているので,システムを構築する時にそれぞれの周波数帯域について,テレビ端子の出力レベルが所定レベルとなるように検証しておく必要があるのである。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,コストの安価な複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さい複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易い複合同軸ケーブルを提供することにある。
他の目的は,コストの安価なテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さいテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易いテレビ共同受信システムを提供することにある。
他の目的は,コストの安価な配線方法を提供することにある。
他の目的は,外形形状の小さい配線方法を提供することにある。
他の目的は,配線工事のやり易い配線方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,内部導体と,内部絶縁体と,外部導体とを有する2つの同軸ユニットを,互いに並列した状態に配置し,これらを外部絶縁体により一体に連結してなる複合同軸ケーブルにおいて,
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用である,ように形成した。
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用である,ように形成した。
請求項2の発明は,請求項1に記載の複合同軸ケーブルにおいて,前記一方の同軸ユニットを通過する前記第1周波数帯内の第1所定周波数における単位長当たりの通過損失と,
前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数における単位長当たりの通過損失と,が略等しいように構成した。
前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数における単位長当たりの通過損失と,が略等しいように構成した。
請求項3の発明は,請求項1又は請求項2に記載の同軸複合ケーブルにおいて,前記一方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は2.0〜3.9mmであり,前記他方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は4.8〜7.6mmであるように構成した。
請求項4の発明は,周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を介して引き込むように構成されたテレビ共同受信システムにおいて,
前記伝送線は請求項3に記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したことを特徴としたテレビ共同受信システム。
前記伝送線は請求項3に記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したことを特徴としたテレビ共同受信システム。
請求項5の発明は,周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を介して引き込むための配線方法において,
アンテナと建造物内との間に介設する前記伝送線は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したことを特徴とした配線方法。
アンテナと建造物内との間に介設する前記伝送線は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したことを特徴とした配線方法。
上記課題を解決するために,請求項1の発明によれば,内部導体と,内部絶縁体と,外部導体とを有する2つの同軸ユニットを,互いに並列した状態に配置し,これらを外部絶縁体により一体に連結してなる複合同軸ケーブルにおいて,
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用である,ように伝送帯域を区分して使用するように形成したので,
それぞれの信号を伝送する同軸ケーブル(即ち,前記一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニット)の伝送帯域を異なるものとなるように構成した複合同軸ケーブルを提供でき,これによってコストが安価にできたり,外形寸法を小さくできたりするのである。
つまり,例えば地上放送と衛星放送とを受信する場合を考えた場合,地上放送を受信する地上放送用アンテナの出力周波数帯は最大770MHzであり,またBS・110°CS放送を受信する衛星放送用アンテナの出力周波数帯は1032〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)である事から,この複合同軸ケーブルを構成する一方の同軸ユニットは,特に全ての帯域に亘って良好な特性を有する必要がなく,770MHzまで対応するような構成にされておればよく,また,他方の同軸ユニットは,2150MHzまでの全ての帯域に亘って対応するように構成しておけば,一方の同軸ユニットのコスト削減や外形寸法の小型化ができ,延いては複合同軸ケーブルを安価にできたり,外形寸法を小さくできたりするのである。
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用である,ように伝送帯域を区分して使用するように形成したので,
それぞれの信号を伝送する同軸ケーブル(即ち,前記一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニット)の伝送帯域を異なるものとなるように構成した複合同軸ケーブルを提供でき,これによってコストが安価にできたり,外形寸法を小さくできたりするのである。
つまり,例えば地上放送と衛星放送とを受信する場合を考えた場合,地上放送を受信する地上放送用アンテナの出力周波数帯は最大770MHzであり,またBS・110°CS放送を受信する衛星放送用アンテナの出力周波数帯は1032〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)である事から,この複合同軸ケーブルを構成する一方の同軸ユニットは,特に全ての帯域に亘って良好な特性を有する必要がなく,770MHzまで対応するような構成にされておればよく,また,他方の同軸ユニットは,2150MHzまでの全ての帯域に亘って対応するように構成しておけば,一方の同軸ユニットのコスト削減や外形寸法の小型化ができ,延いては複合同軸ケーブルを安価にできたり,外形寸法を小さくできたりするのである。
請求項2の発明によれば,請求項1に記載の複合同軸ケーブルにおいて,前記一方の同軸ユニットを通過する前記第1周波数帯内の第1所定周波数における単位長当たりの通過損失と,
前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数における単位長当たりの通過損失と,が略等しいように構成したので,
複合同軸ケーブルの一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットとの構成が異なる伝送特性を有したものであっても,減衰量の計算が直感的に簡単にできる複合同軸ケーブルを提供できるのである。
つまり,例えば地上放送と衛星放送とを受信する場合を考えると,地上放送を受信する地上放送用アンテナの出力周波数帯である最大770MHzまでの周波数帯域における所定周波数(例えば770MHz)と,BS・110°CS放送を受信する衛星放送用アンテナの中間周波数帯の出力である1032〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)の周波数帯域における所定周波数(例えば1800MHz)との単位長あたりの減衰量が略同じとなるよう,一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットを構成しておくことによって,ユーザーはアンテナからテレビ端子までの同軸ケーブルの寸法が分かれば,UHF帯の端末レベル,中間周波数帯の端末レベルが同じ減衰量を用いて直感的に計算できるので概略のレベル計算が簡単にでき,配線工事の手間が省けるのである。
前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数における単位長当たりの通過損失と,が略等しいように構成したので,
複合同軸ケーブルの一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットとの構成が異なる伝送特性を有したものであっても,減衰量の計算が直感的に簡単にできる複合同軸ケーブルを提供できるのである。
つまり,例えば地上放送と衛星放送とを受信する場合を考えると,地上放送を受信する地上放送用アンテナの出力周波数帯である最大770MHzまでの周波数帯域における所定周波数(例えば770MHz)と,BS・110°CS放送を受信する衛星放送用アンテナの中間周波数帯の出力である1032〜2072MHz(衛星アンテナの局発周波数が10.678GHzの場合)の周波数帯域における所定周波数(例えば1800MHz)との単位長あたりの減衰量が略同じとなるよう,一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットを構成しておくことによって,ユーザーはアンテナからテレビ端子までの同軸ケーブルの寸法が分かれば,UHF帯の端末レベル,中間周波数帯の端末レベルが同じ減衰量を用いて直感的に計算できるので概略のレベル計算が簡単にでき,配線工事の手間が省けるのである。
請求項3の発明によれば,請求項1又は請求項2に記載の同軸複合ケーブルにおいて,前記一方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は2.0〜3.9mmであり,前記他方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は4.8〜7.6mmであるように構成したので,一般的にアンテナやテレビ端子等のテレビ共同受信機器に対して汎用性の高い複合同軸ケーブルを提供できるのである。
請求項4の発明によれば,周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を介して引き込むように構成されたテレビ共同受信システムにおいて,
前記伝送線は請求項1若しくは請求項2の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したので,
それぞれの信号を伝送する同軸ケーブル(即ち,前記一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニット)の伝送帯域を異なるものとなるように構成した複合同軸ケーブルを用いて,それぞれの同軸ユニットに適した信号を伝送可能なテレビ共同受信システムが構成でき,これによってケーブルはコストが安価となると共に,外形寸法を小さくした場合は建造物内への引き込みが容易となる作業性のよいテレビ共同受信システムが提供できる。
更に加えて,複合同軸ケーブルの一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットとの構成が異なる伝送特性を有したものであっても,一方の同軸ユニットを通過する周波数帯の所定周波数と,他方の同軸ユニットを通過する周波数帯の所定周波数との単位長当たりの減衰量が同じであるように構成されていることによって,減衰量の計算が直感的に簡単にでき,端末レベルの計算が容易なテレビ共同受信システムが提供できるのである提供できるのである。
前記伝送線は請求項1若しくは請求項2の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したので,
それぞれの信号を伝送する同軸ケーブル(即ち,前記一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニット)の伝送帯域を異なるものとなるように構成した複合同軸ケーブルを用いて,それぞれの同軸ユニットに適した信号を伝送可能なテレビ共同受信システムが構成でき,これによってケーブルはコストが安価となると共に,外形寸法を小さくした場合は建造物内への引き込みが容易となる作業性のよいテレビ共同受信システムが提供できる。
更に加えて,複合同軸ケーブルの一方の同軸ユニットと他方の同軸ユニットとの構成が異なる伝送特性を有したものであっても,一方の同軸ユニットを通過する周波数帯の所定周波数と,他方の同軸ユニットを通過する周波数帯の所定周波数との単位長当たりの減衰量が同じであるように構成されていることによって,減衰量の計算が直感的に簡単にでき,端末レベルの計算が容易なテレビ共同受信システムが提供できるのである提供できるのである。
請求項5の発明によれば,周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を介して引き込むための配線方法において,
アンテナと建造物内との間に介設する前記伝送線は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したので,
簡単且つ安価にそれぞれの伝送帯域に適した同軸ケーブルを通してテレビ端子との間を接続できる配線方法を提供できる。
また,テレビ端子におけるそれぞれの周波数帯域の端末レベルが簡単に計算できる配線方法を提供できる。
アンテナと建造物内との間に介設する前記伝送線は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複合同軸ケーブルであって,受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,ように構成したので,
簡単且つ安価にそれぞれの伝送帯域に適した同軸ケーブルを通してテレビ端子との間を接続できる配線方法を提供できる。
また,テレビ端子におけるそれぞれの周波数帯域の端末レベルが簡単に計算できる配線方法を提供できる。
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1(a)は本願に係る複合同軸ケーブルの断面図であり,(b)は単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示す。図2は同軸ケーブルの減衰量を求める計算式である。図3は(a)本願に係る複合同軸ケーブルの他の実施例であり,(b)はこの複合同軸ケーブルの単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示す。図4は本願に係る複合同軸ケーブルを用いて配線したテレビ共同受信システムである。
図1(a)は本願に係る複合同軸ケーブルの断面図であり,(b)は単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示す。図2は同軸ケーブルの減衰量を求める計算式である。図3は(a)本願に係る複合同軸ケーブルの他の実施例であり,(b)はこの複合同軸ケーブルの単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示す。図4は本願に係る複合同軸ケーブルを用いて配線したテレビ共同受信システムである。
図1(a)において1は本願に係る複合同軸ケーブルを示す。この複合同軸ケーブルは内部導体2,内部絶縁体3,外部導体4とから成る同軸ユニット1Aと,内部導体6,内部絶縁体7,外部導体8とから成る同軸ユニット1Bと,をそれぞれ並行に配設して外部絶縁体5,9によって被覆されている。この外部絶縁体5,9は一体的に形成されても良いし,別体で形成されたものを所定の方法で接続してもよい。
尚,この図1(a)においてa1,a2は内部導体の外形寸法であり,b1,b2は外部導体の内径寸法である。従ってこの複合同軸ケーブル1は異なる線径の同軸ケーブルからなり,図1(b)に示す表から分かるように,一方の同軸ケーブル1Aは,対応する周波数が最大F1(MHz),他方の同軸ケーブル1Bは,対応する周波数が最大F2(MHz)で,且つF1(MHz)<F2(MHz)となるように構成されており,それぞれの同軸ケーブルは異なる周波数帯に対応するように構成されている。尚,図1(b)はこの複合同軸ケーブル1における同軸ケーブル1Aと同軸ケーブル1Bの単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示しており,同軸ケーブル1AのF1(MHz)における減衰量がα1,同軸ケーブル1BのF2(MHz)(F2>F1)における減衰量がα2であることを示している。
このように,異なる線径の同軸ケーブルを並列に配設して複合同軸ケーブル1を構成したので,線径が同じ物を並べた複合同軸ケーブルに比べて,外形寸法が小型になると共に,一方の同軸ケーブルのコストを安価にすることができ,延いては複合同軸ケーブル1としてのコストが安くなるのである。
尚,この図1(a)においてa1,a2は内部導体の外形寸法であり,b1,b2は外部導体の内径寸法である。従ってこの複合同軸ケーブル1は異なる線径の同軸ケーブルからなり,図1(b)に示す表から分かるように,一方の同軸ケーブル1Aは,対応する周波数が最大F1(MHz),他方の同軸ケーブル1Bは,対応する周波数が最大F2(MHz)で,且つF1(MHz)<F2(MHz)となるように構成されており,それぞれの同軸ケーブルは異なる周波数帯に対応するように構成されている。尚,図1(b)はこの複合同軸ケーブル1における同軸ケーブル1Aと同軸ケーブル1Bの単位長当たりの減衰量を示す表の一部を示しており,同軸ケーブル1AのF1(MHz)における減衰量がα1,同軸ケーブル1BのF2(MHz)(F2>F1)における減衰量がα2であることを示している。
このように,異なる線径の同軸ケーブルを並列に配設して複合同軸ケーブル1を構成したので,線径が同じ物を並べた複合同軸ケーブルに比べて,外形寸法が小型になると共に,一方の同軸ケーブルのコストを安価にすることができ,延いては複合同軸ケーブル1としてのコストが安くなるのである。
次に,同軸ケーブルの通過損失について説明をしながら,本願に係る複合同軸ケーブルの異なる実施例について説明する。この異なる実施例の複合同軸ケーブル10は,同軸ケーブル10AのF1(MHz)における減衰量α1と,同軸ケーブル10BのF2(MHz)(F2>F1)における減衰量α2とが略同じ値となるように構成された物である。
同軸ケーブルの通過損失は図2に示す式(1)と式(2)によって一般的に求められる。この式(1)において,Z0は同軸ケーブルの特性インピーダンスであり,本願の実施例の場合Z0=75Ωである。またεrは内部絶縁体の実効比誘電率であって,内部絶縁体がポリエチレン(PE)であればεr=略2.3,発砲ポリエチレン(PEF)であればεr=略1.5であることから,式(1)によって内部導体の外形寸法aと外部導体の内径寸法bとの関係(b/a)が求められる。
同軸ケーブルの通過損失は図2に示す式(1)と式(2)によって一般的に求められる。この式(1)において,Z0は同軸ケーブルの特性インピーダンスであり,本願の実施例の場合Z0=75Ωである。またεrは内部絶縁体の実効比誘電率であって,内部絶縁体がポリエチレン(PE)であればεr=略2.3,発砲ポリエチレン(PEF)であればεr=略1.5であることから,式(1)によって内部導体の外形寸法aと外部導体の内径寸法bとの関係(b/a)が求められる。
次に式(2)は通過損失αを示す式である。この式においてk1,k2は内部導体及び外部導体の導電率係数であり,例えば内部導体が銅単線の場合はk1=1,外部導体がアルミの場合はk2=1.28である。次にtanδは内部絶縁体の実効誘電力率であり,例えばtanδ=0.0002程度であることから,任意の周波数f(MHz)における通過損失αと内部導体の外形寸法aと外部導体の内径寸法bとの関係が求められる。
従って,例えばここに示す複合同軸ケーブル10においては,一方の同軸ケーブル10Bの所定周波数F2(MHz)における単位長当たりの減衰量α2を定めれば,他方の同軸ケーブル10Aの所定周波数F1(MHz)における単位長あたりの減衰量α1が,前記減衰量α2と同じとなるような同軸ケーブル10Aにおける内部導体の外形寸法a1と外部導体の内径寸法b1の関係が求められる。
従って,例えばここに示す複合同軸ケーブル10においては,一方の同軸ケーブル10Bの所定周波数F2(MHz)における単位長当たりの減衰量α2を定めれば,他方の同軸ケーブル10Aの所定周波数F1(MHz)における単位長あたりの減衰量α1が,前記減衰量α2と同じとなるような同軸ケーブル10Aにおける内部導体の外形寸法a1と外部導体の内径寸法b1の関係が求められる。
具体的に説明する。尚,同軸ケーブル10B,10A共に,内部絶縁体の材料は発砲ポリエチレン(PEF),外部導体は内側からアルミ箔と銅編組とから成る同じ構成とする。
本願の実施例では,同軸ケーブル10AはUHF帯までを対応させれば良いので,同軸ケーブル10Aの対応可能な周波数は770MHzまででよく,この周波数の内の所定周波数F1(MHz)を770MHzとし,式(2)にf=770MHz,k1=1.0,k2=1.28,εr=1.5,tanδ=0.0002を代入する。これによって同軸ケーブル10Aの通過損失α1と内部導体の外形寸法aと外部導体の内径寸法bの関係を求める。
本願の実施例では,同軸ケーブル10AはUHF帯までを対応させれば良いので,同軸ケーブル10Aの対応可能な周波数は770MHzまででよく,この周波数の内の所定周波数F1(MHz)を770MHzとし,式(2)にf=770MHz,k1=1.0,k2=1.28,εr=1.5,tanδ=0.0002を代入する。これによって同軸ケーブル10Aの通過損失α1と内部導体の外形寸法aと外部導体の内径寸法bの関係を求める。
同軸ケーブル10Bは一般的に知られている5C−FB相当を用いるとする。この同軸ケーブルは2150MHzまで対応可能であり,この周波数の内の所定周波数F2(MHz)を1800MHzとする。一般的に同軸ケーブル10Bを構成する5C−FB相当の構造は,内部導体の外形寸法a2は1.05mmであり,外部導体の内径寸法b2は5.0mmである。従って式(2)より1800MHz(F2(MHz))における単位長当たりの減衰量α2の理論値はα2≒286.5(dB/km)となる。
この複合同軸ケーブル10では前項で述べた同軸ケーブル10Aの770MHz(F1(MHz))における単位長当たりの減衰量α1が前記減衰量α2と同じになるようにすれば良いので,式(2)から同軸ケーブル10Aの内部導体の外形寸法a1と外部導体の内径寸法b1の関係が求められる。この結果と,式(1)により求められるb1/a1の結果(略4.62)とから,b1≒2.92mm,a1≒0.63mmが求められる。
この複合同軸ケーブル10では前項で述べた同軸ケーブル10Aの770MHz(F1(MHz))における単位長当たりの減衰量α1が前記減衰量α2と同じになるようにすれば良いので,式(2)から同軸ケーブル10Aの内部導体の外形寸法a1と外部導体の内径寸法b1の関係が求められる。この結果と,式(1)により求められるb1/a1の結果(略4.62)とから,b1≒2.92mm,a1≒0.63mmが求められる。
即ち,本願の異なる実施例によれば,一方の同軸ケーブル10Bは例えば2150MHzまで対応可能な同軸ケーブル,例えば5C−FB(内部導体の外径寸法=1.05mm,外部導体の内径寸法=5mm,内部絶縁体はPEF)相当の同軸ケーブルと,他方の同軸ケーブル10Aは例えば770MHzまで対応可能な同軸ケーブル(内部導体の外径寸法=0.63mm,外部導体の内径寸法=2.92mm,内部絶縁体はPEF)からなる,異なる周波数帯に対応する同軸ケーブルの組み合わせから複合同軸ケーブル10が構成されており,この複合同軸ケーブル10の単位長当たりの減衰量は,同軸ケーブル10Bにおける例えば1800MHz(F2(MHz))においても,同軸ケーブル10Aにおける例えば770MHz(F1(MHz))においても略同じ減衰量を持つことになる。
尚,本願の実施形態によれば,同軸ケーブル1Aが対応する周波数F1(MHz)及び同軸ケーブル10Aが対応している周波数帯(例えば10〜770MHz)が請求項に記載の第1周波数帯の信号であり,この内のF1(MHz)及び770MHzが請求項に記載の第1所定周波数である。また同軸ケーブル1Bが対応するF2(MHz)及び同軸ケーブル10Bが対応している周波数帯(例えば10〜2150MHz)が請求項に記載の第2周波数帯を示し,この第2周波数帯の信号であって,前記第1所定周波数帯より高い周波数であるF2(MHz)及び1800MHzが第2所定周波数である。
尚,本願の実施形態によれば,同軸ケーブル1Aが対応する周波数F1(MHz)及び同軸ケーブル10Aが対応している周波数帯(例えば10〜770MHz)が請求項に記載の第1周波数帯の信号であり,この内のF1(MHz)及び770MHzが請求項に記載の第1所定周波数である。また同軸ケーブル1Bが対応するF2(MHz)及び同軸ケーブル10Bが対応している周波数帯(例えば10〜2150MHz)が請求項に記載の第2周波数帯を示し,この第2周波数帯の信号であって,前記第1所定周波数帯より高い周波数であるF2(MHz)及び1800MHzが第2所定周波数である。
次に,減衰量が略同じ値を有する複合同軸ケーブルの異なる構成例を図3に基づいて説明する。この同軸複合ケーブル20は第1周波数帯用の同軸ケーブル20Aと第2周波数帯用の同軸ケーブル20Bとから成り,それぞれ内部導体の材料と外部導体の構成とを異ならせたものであり,本願の実施例では同軸ケーブル20Aは3C−FV相当を用い,同軸ケーブル20Bは5C−FB相当を用いたものである。この同軸ケーブル20Aは内部導体22の外形寸法a=0.5mm,外部導体24の内径寸法b=3.1mmの銅編組,内部絶縁体23の材料はポリエチレン(PE)からなる。この実施例においては,同軸ケーブル20Aは770MHz対応であり,例えば770MHzにおける一般的な製品の単位長当たりの標準減衰量は略320(dB/km)を示す。また,同軸ケーブル20Bは2150MHz対応であり,この周波数範囲における例えば1800MHzにおける一般的な製品の単位長当たりの標準減衰量は略31(dB/km)を示し,これらの同軸ケーブルからなる複合同軸ケーブル20は長さが同じならば殆ど同じ減衰量を持つことになる。
この3C−2V相当品は内部絶縁体23がポリエチレン(PE)であり,外部導体24が銅編組だけで構成されているので,内部絶縁体に発砲ポリエチレン(PEF)を用い,外部導体にアルミ箔と銅編祖からなる二重のシールド性を備えた前記実施例より更にコスト的に安価に作成できるのである。
この3C−2V相当品は内部絶縁体23がポリエチレン(PE)であり,外部導体24が銅編組だけで構成されているので,内部絶縁体に発砲ポリエチレン(PEF)を用い,外部導体にアルミ箔と銅編祖からなる二重のシールド性を備えた前記実施例より更にコスト的に安価に作成できるのである。
以上のように本願の複合同軸ケーブルは,低域だけを通過させればよいように構成された第1周波数帯用の同軸ユニットと,この第1周波数帯を含む広帯域な帯域を通過させることができるように構成された第2周波数帯用の同軸ユニットと,から成る周波数帯の使い分けの区分を明確にした,それぞれの周波数帯域を伝送するに足りる周波数特性を有した同軸ケーブルによって構成したので,テレビ共同受信システムのように,広帯域な周波数帯の中にあって,異なる周波数帯のテレビ信号をそれぞれ異なるアンテナで受信し,各アンテナの出力を同軸複合ケーブル出引き込むようなシステムに適したコストの安価な複合同軸ケーブルを作成できるのである。
更に加えて,このような複合同軸ケーブルにおいて,長さが同じであれば,第1周波数帯用の同軸ケーブルであっても,第2周波数帯用の同軸ケーブルであっても,それぞれの伝送帯域における第1所定周波数,第2所定周波数の単位長当たりの標準減衰量が略同じとなるように構成すれば,同軸ケーブルの端末におけるレベル計算が770MHzでも,1800MHzのような高い周波数であっても同じ減衰量を用いて計算すればよく,端末レベルが十分であるのか不足するのかを直感的に簡単に判断できる複合同軸ケーブルを提供できるのである。
更に加えて,このような複合同軸ケーブルにおいて,長さが同じであれば,第1周波数帯用の同軸ケーブルであっても,第2周波数帯用の同軸ケーブルであっても,それぞれの伝送帯域における第1所定周波数,第2所定周波数の単位長当たりの標準減衰量が略同じとなるように構成すれば,同軸ケーブルの端末におけるレベル計算が770MHzでも,1800MHzのような高い周波数であっても同じ減衰量を用いて計算すればよく,端末レベルが十分であるのか不足するのかを直感的に簡単に判断できる複合同軸ケーブルを提供できるのである。
次に本願の複合同軸ケーブル10を用いたテレビ受信システムの実施形態について図4を用いて説明する。
11は地上ディジタル放送用のUHFアンテナであり,470〜770MHz帯の信号を受信するためのものである。尚,本願の受信システムでは,このUHFアンテナ11の出力である470〜770MHz帯の信号が請求項に記載の第1周波数帯である。
12はBS・110°CS用の衛星アンテナであり,このアンテナにおいて受信された12GHz帯の信号は衛星コンバータ12aにおいて中間周波数帯である1032〜2072MHz帯(局部発振周波数=10.678GHzの場合)の信号に変換されて出力される。この衛星コンバータの出力である1032〜2072MHz帯の信号が請求項に記載の第2周波数帯である。
11は地上ディジタル放送用のUHFアンテナであり,470〜770MHz帯の信号を受信するためのものである。尚,本願の受信システムでは,このUHFアンテナ11の出力である470〜770MHz帯の信号が請求項に記載の第1周波数帯である。
12はBS・110°CS用の衛星アンテナであり,このアンテナにおいて受信された12GHz帯の信号は衛星コンバータ12aにおいて中間周波数帯である1032〜2072MHz帯(局部発振周波数=10.678GHzの場合)の信号に変換されて出力される。この衛星コンバータの出力である1032〜2072MHz帯の信号が請求項に記載の第2周波数帯である。
前記第1周波数帯の信号である470〜770MHzの信号は複合同軸ケーブル10を構成する前記同軸ケーブル10Aを介して,配管15aから建造物15内部に引き込まれる。前記第2周波数帯の信号である1032〜2072MHzの信号は複合同軸ケーブル10を構成する前記同軸ケーブル10Bを介して,同軸ケーブル10Aと一緒に配管15aから建造物15内部に引き込まれ,16に示す2系統の出力端子を備えたテレビ端子に接続される。この配線時には,一般的な2条ケーブルに比べて外形形状が小さくできているので配管15a等への挿設が容易と成る。
テレビ端子16の一方の出力端子16aには同軸ケーブルを介して地上ディジタル放送用チューナー17が接続されており,テレビ端子16の他方の出力端子16bには同軸ケーブルを介してBS・110°CS用ディジタルチューナー18が接続されており,それぞれのディジタルチューナーはテレビ受信機19に接続されている。
テレビ端子16の一方の出力端子16aには同軸ケーブルを介して地上ディジタル放送用チューナー17が接続されており,テレビ端子16の他方の出力端子16bには同軸ケーブルを介してBS・110°CS用ディジタルチューナー18が接続されており,それぞれのディジタルチューナーはテレビ受信機19に接続されている。
ここで,各ディジタルチューナーの受信機入力レベルについて考えると,地上ディジタル放送の望ましい入力レベルは,最低で46dBμとされ,同様にBS−IF及びCS−IFでは50dBμとされている。またテレビ端子と受信機との間に介設される同軸ケーブルの通過損失を考慮すれば,テレビ端子における望ましい最低出力レベルは,UHFディジタル=49dBμ,CS−IF=54dBμ必要であるとされている。
従って,このようなテレビ受信システムを構築する場合は,受信する電波の種類や強度が違ったり,アンテナの利得が異なったりするので,帯域毎にテレビ端子に達するまでに介在させる機器の通過損失,分配損失,増幅利得等を考慮してレベル計算をおこない,各帯域におけるテレビ端子出力レベルが前述の望ましい値を下回らないように構成する必要があり,それぞれの帯域毎に機器の通過損失等を考慮してレベル計算する必要がある。
従って,このようなテレビ受信システムを構築する場合は,受信する電波の種類や強度が違ったり,アンテナの利得が異なったりするので,帯域毎にテレビ端子に達するまでに介在させる機器の通過損失,分配損失,増幅利得等を考慮してレベル計算をおこない,各帯域におけるテレビ端子出力レベルが前述の望ましい値を下回らないように構成する必要があり,それぞれの帯域毎に機器の通過損失等を考慮してレベル計算する必要がある。
例えば図4に示すテレビ受信システムにおいて,UHFアンテナ11の出力レベルが55dBμ,衛星アンテナの出力の内,周波数帯の高いCS−IFの出力レベルが76dBμとし,20mの2条ケーブル10によってテレビ端子16に接続されている例を示す。尚,このテレビ端子16の通過損失はUHFでは略1dB,CS−IF帯では略2dBとする。
ここで同軸ケーブルが2本とも例えば5C−FBからなる複合同軸ケーブルである場合を考えると,ケーブルの特性表に示されたUHF帯である770MHzの減衰量(例えば,187dB/km)と,CS−IF帯である1800MHzの減衰量(例えば,310dB/km)とを読み取り,それに基づいてそれぞれ20mにおける減衰量を計算すれば,770MHzでは5.61dB,1800MHzでは9.3の通過損失となる。テレビ端子における出力レベルは,アンテナ出力レベルからケーブルの減衰量とテレビ端子の通過損失を引けば求められることになるので,この結果,テレビ端子におけるUHF帯の出力レベルは55−3.74−1=50.26dBμ,CS−IF帯の出力レベルは76−6.2−2=67.8dBμとなる,といった計算が必要であった。
ここで同軸ケーブルが2本とも例えば5C−FBからなる複合同軸ケーブルである場合を考えると,ケーブルの特性表に示されたUHF帯である770MHzの減衰量(例えば,187dB/km)と,CS−IF帯である1800MHzの減衰量(例えば,310dB/km)とを読み取り,それに基づいてそれぞれ20mにおける減衰量を計算すれば,770MHzでは5.61dB,1800MHzでは9.3の通過損失となる。テレビ端子における出力レベルは,アンテナ出力レベルからケーブルの減衰量とテレビ端子の通過損失を引けば求められることになるので,この結果,テレビ端子におけるUHF帯の出力レベルは55−3.74−1=50.26dBμ,CS−IF帯の出力レベルは76−6.2−2=67.8dBμとなる,といった計算が必要であった。
また,配設工事のやり易さや,コストダウンのためだけに異なる伝送特性を有する複合同軸ケーブルを構成した場合は,それぞれの同軸ケーブルの減衰量が異なるために,それぞれの同軸ケーブルに対応した図2(b)若しくは図3(b)に示すような特性表から,使用する同軸ケーブルと対応させながら減衰量を読み取る手間が生じた。またこれによって表の読み取り間違いが生じ,結果的にレベル計算が正しくなく美しい画像の受信が出来ない恐れもあった。
そこで,上記に示す複合ケーブル10は,並列して配設された外形寸法の異なる同軸ケーブル10A及び10Bの単位長当たりの標準減衰量が略同じとなるように複合同軸ケーブル10を構成するのである。このように構成することによる効果は,UHF帯である770MHzの減衰量(例えば,310dB/km)と,CS−IF帯である1800MHzの減衰量(例えば,310dB/km)とは同じと成るので,配線に使用した20mにおける減衰量は,帯域が異なっても770MHz,1800MHz共に同じ値である6.2dBとなり,この結果,テレビ端子出力におけるUHF帯の出力レベルは55−6.2−1=46.8dBμ,CS−IF帯の出力レベルは76−6.2−2=67.8dBμと簡単に計算できるようになる。
このように本願の複合同軸ケーブルを用いれば,線径に対応させて特性表から減衰量を読み取る必要もないので,読み間違い等のミスが発生し難い配線方法を提供できる。また,簡単にテレビ端子における出力レベルを計算出来るので,設置工事の容易なテレビ共同受信システムを提供できるのである。
このように本願の複合同軸ケーブルを用いれば,線径に対応させて特性表から減衰量を読み取る必要もないので,読み間違い等のミスが発生し難い配線方法を提供できる。また,簡単にテレビ端子における出力レベルを計算出来るので,設置工事の容易なテレビ共同受信システムを提供できるのである。
以上のように,複合同軸ケーブルを低域だけを通過させればよいように構成された第1周波数帯用の同軸ユニットと,この第1周波数帯絵を含む広帯域な帯域を通過させることができるように構成された第2周波数帯用の同軸ユニットとから構成し,それぞれの同軸ユニットは,周波数帯域を伝送するに足りる周波数特性を有した同軸ケーブルでよいように使用帯域を明確に区分したことから,少なくとも低域だけを通過させるための同軸ユニットは細径にしたり,材料を安価にしたりできるので,上記テレビ共同受信システムのように,広帯域な周波数帯の中の異なる周波数帯のテレビ信号を,それぞれ異なるアンテナで受信する必要がある場合のシステムにおいて,建築物内に配管する場合であっても簡単に配線する方法を提供できるばかりでなく,システムのコストが安価に実現できるのである。
更に加えて,このような複合同軸ケーブルにおいて,長さが同じであれば,第1周波数帯用の同軸ケーブルであっても,第2周波数帯用の同軸ケーブルであっても,それぞれの伝送帯域における第1所定周波数,第2所定周波数の単位長当たりの標準減衰量が略同じとなるように構成すれば,同軸ケーブルの端末におけるレベル計算がUHF帯でも,衛星コンバータの出力である中間周波数帯であっても同じ減衰量を用いて計算すればよく,端末レベルが十分であるのか不足するのかを直感的に簡単に判断できる配線方法を用いたテレビ共同受信システムを提供できるのである。
尚,本願の実施例においては第1周波数帯が770MHzまで,第2周波数帯は2150MHzまでのように使用帯域を区分したが,特にこの実施例に限定されるものではないなど,上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
更に加えて,このような複合同軸ケーブルにおいて,長さが同じであれば,第1周波数帯用の同軸ケーブルであっても,第2周波数帯用の同軸ケーブルであっても,それぞれの伝送帯域における第1所定周波数,第2所定周波数の単位長当たりの標準減衰量が略同じとなるように構成すれば,同軸ケーブルの端末におけるレベル計算がUHF帯でも,衛星コンバータの出力である中間周波数帯であっても同じ減衰量を用いて計算すればよく,端末レベルが十分であるのか不足するのかを直感的に簡単に判断できる配線方法を用いたテレビ共同受信システムを提供できるのである。
尚,本願の実施例においては第1周波数帯が770MHzまで,第2周波数帯は2150MHzまでのように使用帯域を区分したが,特にこの実施例に限定されるものではないなど,上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
1…複合同軸ケーブル,2…内部導体,3…内部絶縁体,4a…外部導体(アルミ箔),4b…外部導体(銅編組),5…外部絶縁体,6…内部導体,7…内部絶縁体,8a…外部導体(アルミ箔),8a…外部導体(銅編組),9…外部絶縁体,10…複合同軸ケーブル,11…UHFディジタルアンテナ,12…衛星アンテナ,12a…衛星コンバータ,15…建築物,15a…配管,16…テレビ端子,17…地上ディジタルチューナー,18…BS・110°CSディジタルチューナー,19…テレビ,20…複合同軸ケーブル,22…内部導体,23…内部絶縁体,24…外部導体(銅編組),25…外部絶縁体
Claims (5)
- 内部導体と,内部絶縁体と,外部導体とを有する2つの同軸ユニットを,互いに並列した状態に配置し,これらを外部絶縁体により一体に連結してなる複合同軸ケーブルにおいて,
一方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯における低域側の第1周波数帯用であり,
他方の同軸ユニットは,この複合同軸ケーブルを介して伝送する伝送周波数帯である第2周波数帯用である,ように形成したことを特徴とした複合同軸ケーブル。
- 前記一方の同軸ユニットを通過する前記第1周波数帯内の第1所定周波数における単位長当たりの通過損失と,
前記他方の同軸ユニットを通過する前記第2周波数帯内の前記第1の周波数帯より高い第2所定周波数における単位長当たりの通過損失と,が略等しいように構成したことを特徴とした請求項1に記載の複合同軸ケーブル。
- 前記一方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は2.0〜3.9mmであり,
前記他方の同軸ユニットは,特性インピーダンスが75Ωであって,内部絶縁体の外形寸法は4.8〜7.6mmである,
ことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載の同軸複合ケーブル。
- 周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を介して引き込むように構成されたテレビ共同受信システムにおいて,
前記伝送線は請求項3に記載の複合同軸ケーブルであって,
受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,
受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,
ように構成したことを特徴としたテレビ共同受信システム。
- 周波数帯の異なる2つの電波を受信し,建造物内に伝送線を引き込むための配線方法において,
アンテナと建造物内との間に介設する前記伝送線は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複合同軸ケーブルであって,
受信した信号の低域側の周波数帯の信号は,前記一方の同軸ユニットを用いて引き込み,
受信した信号の高域側の周波数帯の信号は,前記他方の同軸ユニットを用いて引き込む,
ように構成したことを特徴とした配線方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008192458A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-08-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ハーネスおよびハーネスの製造方法 |
JP2010256036A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Yazaki Corp | 内径計測装置 |
JP2010282972A (ja) * | 2010-07-23 | 2010-12-16 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ハーネス |
CN102751005A (zh) * | 2012-07-06 | 2012-10-24 | 成都大唐线缆有限公司 | 电缆及其生产方法 |
-
2004
- 2004-12-24 JP JP2004374516A patent/JP2006185609A/ja active Pending
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