JP2006182351A - キャップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 閉じトルク伝達機構は、クラッチ部材50と、閉じトルク部材60とを備えている。クラッチアーム52はクラッチ係合突部62に係合して閉じ方向の回転トルクを伝達する。クラッチアーム52は、周方向に60゜の等間隔で配置されている。クラッチ係合突部62は30゜の間隔で連続して形成され120゜の間隔で3箇所配置されている。係合端52bはクラッチ係合突部62により押されることでクラッチ係合突部62を乗り越える。複数のクラッチアーム52およびクラッチ係合突部62は、所定角度(30゜)の回転により、クラッチアーム52がクラッチ係合突部62を乗り越えるものと、乗り越えないものとが繰り返されるように配置されている。
【選択図】 図5
Description
こうしたアームは、係合突起からの反力で弾性変形し、特に根元の付近で大きな繰り返し応力を受ける。アームがこうした繰り返し応力を受けると、アームの根元付近で、ヘタリ易く、耐久性の低下の要因になっていた。また、アームが係合突起を弾性的に押圧して位置決めする力を大きくしてガタツキをなくそうとすると、アームが大きく弾性変形するために、アームの耐久性が低下する要因となる。
タンク開口をシールした状態で閉じる閉止体と、
上記閉止体の上部に回転可能に配置されたハンドル機構と、
上記ハンドル機構と上記閉止体との間に介在し、上記ハンドル機構に加わる回転トルクを上記閉止体に伝達するトルク伝達機構を備えたキャップ装置において、
上記トルク伝達機構は、
円周上に複数形成された係合部を有する係合機構と、
片持ち梁から形成されたアーム本体と、該アーム本体に突設された被係合部とを有する複数のアームを円周上に配置した被係合機構とを備え、
上記係合機構と上記被係合機構とが相対的に第1方向へ回転したときに上記係合部と上記被係合部との係合により回転トルクを伝達し、上記係合機構と上記被係合機構とが第1方向と反対方向である第2方向へ回転して上記被係合部が上記係合部を乗り越えるときに、上記回転トルクを伝達しない一方向クラッチであり、
上記係合機構および被係合機構が静止している状態にて、上記被係合部のいずれかが上記第2方向に対して上記係合部に当接した位置決め状態となるように配置され、
上記アームは、上記被係合部が上記係合部に当接した位置決め状態から、上記係合部とアームとが相対的に上記第2方向へ所定角度回転したときに上記アーム本体が弾性変形することで上記被係合部が上記係合部を乗り越えるように構成し、
複数の上記アームおよび上記係合部は、上記所定角度の回転により、上記被係合部が、上記係合部を乗り越えるものと、乗り越えないものとが繰り返されるように配置されていること、を特徴とする。
図1は本発明の一実施例にかかる燃料キャップを備えたキャップ装置を一部破断して示す側面図、図2は燃料キャップの分解斜視図である。図1および図2において、燃料キャップ10は、図示しない燃料タンクに燃料を補給するための注入口FNa(タンク開口)を有するフィラーネックFNに装着されており、ポリアセタール等の合成樹脂材料から形成されたケーシング本体20(閉止体)と、ケーシング本体20の上部に装着されハンドル機構を構成する蓋体30および内蓋体40と、クラッチ部材50と、閉じトルク部材60と、開きトルク伝達部材70と、キーシリンダ90と、ケーシング本体20の上部外周に装着されてケーシング本体20とフィラーネックFNとの間をシールするガスケットGSとを備えている。燃料キャップ10において、クラッチ部材50、閉じトルク部材60などにより閉じトルク伝達機構が構成され、開きトルク伝達部材70、キーシリンダ90などにより開きトルク伝達機構が構成されている。
次に、本実施の形態にかかる燃料キャップ10の各部の構成について詳細に説明する。
(2)−1 ケーシング本体20
ケーシング本体20の上部のフランジ21の下面には、ガスケットGSが外装されている。ガスケットGSは、フランジ21のシール保持部23とフィラーネックFNの注入口FNaとの間に介在しており、燃料キャップ10を注入口FNaに締め込むと、フィラーネックFNのシール面に対して押しつけられてシール作用を果たす。フランジ21の外周部には、外環体22が配置されている。外環体22は、蓋体30および内蓋体40を構成するハンドル機構を回転自在に支持している。
図3はハンドル機構を一部破断して示す側面図である。ハンドル機構を構成する蓋体30は、上壁31と、上壁31の外周部に形成された側壁32とを備え、カップ形状に一体成形されている。蓋体30の上部には、使用者により開閉操作される操作ハンドル33が形成されている。一方、内蓋体40は、蓋体30の下面に一体化されている。内蓋体40は、上壁41と、上壁41の外周部から下方に突設された側壁42と、上壁41の中心部に下方に円筒状に突設された支持筒体43とを備えている。側壁42の外周部には係合突部42aが突設され、蓋体30の側壁32の下部内側に形成された支持突部32aに係合することにより、内蓋体40が蓋体30に一体化されている。また、側壁42の内周部には、係合突起42bが突設されており、ケーシング本体20の外環体22に係合することにより、内蓋体40がケーシング本体20に回転可能に組み付けられている。
蓋体30および内蓋体40の中央部には、キーシリンダ90を収納する収納孔31aおよび収納孔41aが形成されている。また、支持筒体43の側部には、キーシリンダ90のキープレートを出没可能にするキー穴43aが貫通形成されている。さらに、支持筒体43には、収納室44が形成されている。収納室44は、開きトルク伝達部材70(図1参照)をスライド可能に収納するものであり、その形状などについては開きトルク伝達部材70の構成とともに後述する。
図1に示す閉じトルク伝達機構は、燃料キャップ10で注入口FNaを閉じる動作の際に、操作ハンドル33に加わる回転トルクをケーシング本体20に伝達し、所定以上の回転トルクとなったときに節度感を与えて、燃料キャップ10が所定の回転トルクでフィラーネックFNに装着したことを確認できる機構である。図4は閉じトルク伝達機構の各構成要素を分解して示す斜視図であり、閉じトルク伝達機構は、クラッチ部材50と、閉じトルク部材60と、ケーシング本体20の内周上部に形成された第2係合部25とを主要な構成としている。
トルク部材本体61の貫通穴61aには、内蓋体40の支持筒体43が貫通し、支持筒体43により閉じトルク部材60が回転可能に支持されている。
クラッチ係合突部62は、所定角度(30゜)で連続して配置された係合領域Raと、係合領域Raの間でありかつ上記係合領域Raと同じ角度でクラッチ係合突部62が配置されていない非係合領域Rbとを備え、係合領域Raと非係合領域Rbとを円周上に順次、配置している。クラッチ係合突部62は、連続した2つの断面三角形の突起であり、これを120゜の間隔で3箇所設けられている。各クラッチ係合突部62には、クラッチアーム52の係合端52bに係合する係合面62aおよびクラッチアーム52を径方向に撓ませて滑らせる傾斜面62bが形成されている。
すなわち、クラッチ部材50が閉じ方向に回転すると、クラッチアーム52の係合端52bが係合面62aに係合して、閉じ方向の回転トルクをクラッチ部材50から閉じトルク部材60に伝達する。このとき、6つのクラッチ部材50のうち120゜の間隔で配置された3つだけがクラッチ係合突部62に係合して回転トルクを伝達する。
一方、クラッチ部材50が開き方向に回転すると、クラッチアーム52の3つが径方向の外方に撓みつつ、クラッチ係合突部62の乗り越える。他の3つのクラッチアーム52は、トルク部材本体61の外周面に沿って移動するだけで、弾性変形をしない。
弾性トルク片63の第1係合部65は、係合突部25aを乗り越えた後に、緩斜面25cに倣ってから係合凹所25bに移動するから、弾性力により急激に元の状態に戻って第2係合部25の周辺部分に衝突して大きな音が生じることがなく、使用者に違和感を生じさせない。
このように、クラッチ部材50が開き方向に回転するときに、クラッチアーム52が弾性変形するものと、弾性変形しないものとを間欠的に繰り返すことになり、弾性変形する回数が1/2に減し、クラッチアーム52の根元付近に加わる繰り返し応力が緩和されるから、耐久性に優れている。
また、図7(A)および図8(B)のいずれの状態においても、クラッチアーム52の半数がクラッチ係合突部62の傾斜面62bに当接して位置決めされているので、ハンドル機構とトルク機構のガタツキが生じない。
図9は開きトルク伝達機構の各構成要素を分解して示す斜視図である。開きトルク伝達機構は、キーシリンダ90と、内蓋体40の収納室44に収納された開きトルク伝達部材70と、ケーシング本体20に形成された第3係合部26とを主要な構成としている。
キーシリンダ90は、キーの操作により燃料キャップ10をフィラーネックFNから外すことを可能とする機構であり、キー機構を有するシリンダ本体90aを備えている。このシリンダ本体90aの上部にはキーを挿入するためのキー穴90bが形成され、その下部にはキーピン90cがシリンダ本体90aの軸心から偏心した位置に突設されている。キーピン90cは、キーの操作により反時計方向へ回動すると、同方向に回動する。
ガイド部71aは、伝達部材本体71の側部に形成され、収納室44のガイド突部44aにならって水平方向にガイドする部位である。
第4係合部72は、伝達部材本体71の前部に形成された断面三角形の突部であり、ケーシング本体20の第3係合部26に押圧および係合するように形成されている。
キーガイド凹所73は、伝達部材本体71の上部に凹設されており、キーシリンダ90のキーピン90cが突入して、湾曲面のキーガイド壁73aを押圧するように形成されている。
係合アーム74は、伝達部材本体71の下側部に形成されており、伝達部材本体71の側壁の下部に突設された片持ち梁であるアーム本体74aと、アーム本体74aの先端に突設された係合突部74bとを備えている。
図10の実線で示す開きトルク伝達部材70の待機位置にて、キーシリンダ90のキーピン90cが回転してキーガイド壁73aを押すと、係合アーム74の係合突部74bが係合部44bから外れるとともに、ガイド部71aがガイド突部44aにガイドされて、2点鎖線で示す第4係合部72が収納室44から突出し、開きトルク伝達部材70が係合位置に切り替わる。
一方、図10の2点鎖線で示す開きトルク伝達部材70の係合位置にて、内蓋体40と一体で支持筒体43が時計方向に回転すると、第4係合部72の傾斜面72aは第3係合部26の傾斜面26aから押圧されかつ滑るように退く。そして、係合アーム74の係合突部74bが係合部44bに係合するとともに、係合壁44cで止められ、開きトルク伝達部材70が待機位置に移行する。
また、図16に示すように弾性トルク片63の第1係合部65が第2係合部25の係合凹所25b内で回動する遊び角θは、第4係合部72が第3係合部26に当たることなく、その間に挿入可能な小さい角度に設定されているから、開きトルク伝達部材70が上記待機位置から上記係合位置に確実に移行することができる。
なお、キーを操作しないでハンドル機構を開き方向に空転させた場合には、図7(A)で説明したように、クラッチ部材50のクラッチアーム52は、傾斜面62bを倣って押圧されることでクラッチ係合突部62を30゜毎に位置決めされた状態で乗り越えるとともに、図16(B)に示すようにハンドル機構と一体に回転する開きトルク伝達部材70も30゜毎に回転する。よって、第4係合部72は、第3係合部26の間にセットされ、第3係合部26に当たる位置にならないから、キー操作をスムーズにでき、開き動作を確実に行なうことができる。
燃料キャップ10の蓋体30の操作ハンドル33の上面には、支持凹所34,34が形成されている。支持凹所34,34は、保持部材115の掛かり部115bが突入するように形成されている。また、蓋体30の外周部には、給油蓋112に連結したテザー120が装着されている。テザー120は、給油時に燃料キャップ10の紛失や脱落を防止するためのものであり、回転リング121と、回転リング121の一端に連結された連結部材122とを備え、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂など)から射出成形により一体成形されている。回転リング121は、蓋体30の側壁32に全周にわたって形成された環状溝(図示省略)に回転可能に支持されている。連結部材122は、その一部に折曲を容易にするための折曲部122aを備え、その端部である支持端122bで給油蓋112の補強パネル114に形成された固定端114aに固定されている。
また、キャップ保持機構の配置によると、注入口FNaの手前の給油ガンFGを挿入するスペース53を無理なく確保することができるので、給油蓋112や注入口FNaの周辺の小型化を図ることも簡単である。
さらに、燃料キャップ10は、給油蓋112の上部に一時的に保持する箇所があるので、給油の際に紛失することもなく、しかも、給油を終えて給油蓋112を閉める際に、燃料キャップ10に気が付くから、燃料キャップ10で注入口FNaを閉め忘れることもない。
例えば、上記実施例では、自動車の燃料タンクの注入口を開閉する燃料キャップについて説明したが、これに限らず、ラジエータタンクのキャップ装置などにも好適に適用することができる。
20...ケーシング本体
20a...雄ネジ
21...フランジ
22...外環体
23...シール保持部
25...第2係合部
25a...係合突部
25b...係合凹所
25c...緩斜面
26...第3係合部
26a...傾斜面
26b...垂直面
30...蓋体
31...上壁
31a...収納孔
32...側壁
32a...支持突部
33...操作ハンドル
34...支持凹所
40...内蓋体
41...上壁
41a...収納孔
41b...係合突部
42...側壁
42a...係合突部
42b...係合突起
43...支持筒体
43a...キー穴
44...収納室
44a...ガイド突部
44b...係合部
44c...係合壁
50...クラッチ部材
51...クラッチ本体
51a...係合穴
52...クラッチアーム
52a...アーム本体
52b...係合端
53...スペース
60...閉じトルク部材
61...トルク部材本体
61a...貫通穴
62...クラッチ係合突部
62a...係合面
62b...傾斜面
63...弾性トルク片
64...アーム本体
65...第1係合部
65a...係合面
70...トルク伝達部材
71...伝達部材本体
71a...ガイド部
72...第4係合部
72a...傾斜面
73...キーガイド凹所
73a...キーガイド壁
74...係合アーム
74a...アーム本体
74b...係合突部
90...キーシリンダ
90a...シリンダ本体
90b...キー穴
90c...キーピン
100...車体パネル
111...凹部
111a...底壁
112...給油蓋
113...ヒンジ
114...補強パネル
114a...固定端
115...保持部材
115a...基部
115b...掛かり部
120...テザー
121...回転リング
122...連結部材
122a...折曲部
122b...支持端
FG...給油ガン
FN...フィラーネック
FP...フィラーパイプ
GS...ガスケット
KY...キー
Ra...係合領域
Rb...非係合領域
FNa...注入口
FNb...雌ネジ
Claims (2)
- タンク開口をシールした状態で閉じる閉止体と、
上記閉止体の上部に回転可能に配置されたハンドル機構と、
上記ハンドル機構と上記閉止体との間に介在し、上記ハンドル機構に加わる回転トルクを上記閉止体に伝達するトルク伝達機構を備えたキャップ装置において、
上記トルク伝達機構は、
円周上に複数形成された係合部を有する係合機構と、
片持ち梁から形成されたアーム本体と、該アーム本体に突設された被係合部とを有する複数のアームを円周上に配置した被係合機構とを備え、
上記係合機構と上記被係合機構とが相対的に第1方向へ回転したときに上記係合部と上記被係合部との係合により回転トルクを伝達し、上記係合機構と上記被係合機構とが第1方向と反対方向である第2方向へ回転して上記被係合部が上記係合部を乗り越えるときに、上記回転トルクを伝達しない一方向クラッチであり、
上記係合機構および被係合機構が静止している状態にて、上記被係合部のいずれかが上記第2方向に対して上記係合部に当接した位置決め状態となるように配置され、
上記アームは、上記被係合部が上記係合部に当接した位置決め状態から、上記係合部とアームとが相対的に上記第2方向へ所定角度回転したときに上記アーム本体が弾性変形することで上記被係合部が上記係合部を乗り越えるように構成し、
複数の上記アームおよび上記係合部は、上記所定角度の回転により、上記被係合部が、上記係合部を乗り越えるものと、乗り越えないものとが繰り返されるように配置されていること、
を特徴とするキャップ装置。 - 請求項1に記載のキャップ装置において、
上記被係合機構は、上記複数のアームを上記所定角度の倍数で配置し、
上記係合機構は、上記係合部が上記所定角度で連続して配置された係合領域と、該係合領域の間でありかつ上記係合領域と同じ角度で上記係合部が配置されていない非係合領域とを備え、上記係合領域と非係合領域とを円周上に順次、配置しているキャップ装置。
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