JP2006178626A - パラメータ変化に対応するエネルギーシステム運用計画の修正方法および装置およびプログラム - Google Patents

パラメータ変化に対応するエネルギーシステム運用計画の修正方法および装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 予測値に基づき一旦作成されたエネルギーシステムの運用計画を、予測値と実測値とのずれが明らかとなった場合に、迅速に且つ運用計画策定時の目標を損なうことなく修正する。
【解決手段】 入力パラメータの一部または全部の変化に対応して電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の一部または全部の構成機器の出力量を調整する修正案を予め用意すると共に、修正案について入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め求めておき、予測したパラメータ値から真のパラメータ値への実際の入力パラメータの変化量が明らかとなった場合に、関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して調整対象機器の出力調整量を求めて、運用計画における電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の一部または全部の構成機器の出力量を修正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一旦作成されたエネルギーシステムの運用計画を修正する方法および装置およびプログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、タービン発電機や燃料電池などのコジェネレーション装置、ボイラー装置、電動冷凍機、吸収式冷凍機などの複数のエネルギー機器で構成されるエネルギーシステムに関し、予測したパラメータ値に基づき一旦作成された当該エネルギーシステムの運用計画を、予測パラメータ値と実測パラメータ値とのずれが明らかとなった場合に、迅速に且つ運用計画策定時の目標を損なうことなく修正する方法および装置およびプログラムに関する。
図1は、一般的なエネルギーシステムの構成の一例およびエネルギーのフローの一例を示す。このエネルギーシステムは、ガスや灯油またはディーゼルなどの燃料を動力源として、電力と温熱を同時に出力する例えばタービン発電機やエンジン発電機または燃料電池などのコジェネレーション装置と、ガスや灯油またはディーゼルなどの燃料を動力源として温熱を出力するボイラー装置と、電力を動力源として冷熱を出力する電動冷凍機と、温熱を動力源として冷熱を出力する吸収式冷凍機とを有している。エネルギーシステムの構成機器をエネルギー機器とも呼ぶ。このエネルギーシステムでは、コジェネレーション装置が出力する電力で、電動冷凍機を作動するのに必要な電力および電力需要をまかない、コジェネレーション装置の出力電力の不足分を、例えば電力会社から購買する商用電力(購買電力とも呼ぶ。)によって補うようにしている。コジェネレーション装置およびボイラー装置からは温熱が出力され、この温熱は収式冷凍機と、温熱需要(例えば給湯も含む)をまかなう熱交換器に送られる。吸収式冷凍機では与えられた温熱を利用して冷熱を発生する。吸収式冷凍機と電動冷凍機とで冷熱需要をまかなっている。なお、余った温熱は、例えば冷却塔を通して捨てられる。
このエネルギーシステムの運用計画は、設定された目標に従って、例えば電力・冷熱・温熱の各需要を満足し尚且つ最も低コストとなるように、実際の運転時以前に予め策定される。各種システムの最適な運用計画を事前に策定する従来技術として、例えば特許文献1〜6に開示されたものがある。エネルギーシステムの運用計画は、予測値を少なからず含むパラメータを用いて作成される。運用計画を実際の運転時以前に策定するために、電力・冷熱・温熱の各需要は予測値を用いざるを得ないからである。また、最も低コストとなる運用計画を策定するためには、電気料金やガスや灯油またはディーゼルなどの燃料の料金もパラメータとして用いられるが、これらの料金も運用計画策定時と実際の運転時とで一定であるとの仮定に基づいている。予測値に基づくこれらのパラメータを、数理計画法に基づく最適化計算やエネルギーシステムの運転を模擬するシミュレーションを実行するプログラムが実装されたコンピュータに入力することで、電力・冷熱・温熱の各予測需要を満足し尚且つ最も低コストとなる各エネルギー機器の出力値が、当該コンピュータにて算定される。このように運用計画で事前に算定された各エネルギー機器の出力値に基づいて、各エネルギー機器の運転を行うようにしている。
特開2001−211696号 特開平8−249005号 特開2000−105019号 特開2003−16374号 特開2003−111275号 特開2003−216205号
しかしながら、エネルギーシステムの運用計画に用いるパラメータ値は予測に基づくものであり、特に電力・冷熱・温熱の各需要は時々刻々と変化し得るものであるため、実際値とのずれは避けられない。また、電気料金などの料金パラメータも時々刻々と変化することが将来的には考えられ、計画策定時とずれが生じる場合があると予想される。特許文献1〜6の従来技術では、このずれに対して如何に各エネルギー機器の出力値を調整するかについては考慮されていない。
上記予測値と実際値とのずれを解消するべく、運転当日など、実際の入力パラメータの値が明らかとなった時点で、当該実際の入力パラメータの値を用いて、数理計画法に基づく最適化計算やエネルギーシステムの運転を模擬するシミュレーションを再度実行し、エネルギーシステムの運用計画を策定し直すことが考えられる。しかし、実際の入力パラメータの値が明らかとなる時点は、運転当日、例えば現実の運転時中もしくは運転時直前であり、時間的制約から、最適化計算やシミュレーションを再度実行することは極めて難しい。加えて、最適化計算やシミュレーションの再実行は、エネルギーシステムを構成する全てのエネルギー機器が対象となっており、最適な各エネルギー機器の出力値を算定するまでの計算負荷が高く、多大な計算時間を要してしまう。
このため、予測値と実際値とのずれが生じた場合、運用者の経験と勘に頼ってエネルギー機器の出力の調整量が決められているのが実状である。この場合、時々刻々変化するパラメータに合わせて、多くのエネルギー機器の出力を同時に調整するのは困難であるため、パラメータ変化に対応するために運転出力を同時に調整するエネルギー機器はいくつかに絞られることとなる。これにより出力調整対象のエネルギー機器をどれにするかで組み合わせができ、その組み合わせによって計画修正の方法には代替案がいくつもあることになる。しかし、エネルギー機器の運転出力の変更は相互に影響を及ぼし合い、さらにエネルギー機器同士が及ぼし合う影響の度合いも運転状態で様々なので、パラメータ変化に見合うだけの運転出力の調整量を簡単に求めることができず、コストの変化を予め見通すことが極めて難しい。
例えば電力需要が増えた場合、計画修正方法の代替案として、電力会社からの買電を増やすか、複数台あるコジェネレーション装置の中から1台もしくは複数台を選んで運転出力を増やす場合が考えられる。買電を増やす場合は、簡単にコストの増加分を算出できるが、コジェネレーション装置の出力を増やす場合、簡単には算出できない。即ち、電力需要の増加をまかなおうとコジェネレーション装置の出力を上げると、同時に発生する温熱も増えるので、増えた温熱分だけ吸収式冷凍機で発生する冷熱も増える。すると、冷熱の供給量が増えるので、電動冷凍機で発生させる冷熱を減少させることができ、その分だけ電力需要も減る。したがって、例えば100kW電力需要が増えたとしても、コジェネレーション装置が本当に必要な出力増分は100kWではなく、コジェネレーション装置で電力需要の増加をまかなおうとすると、一筋縄では行かなくなる。また、複数台あるコジェネレーションは、発生する電力と温熱との関係のみならず、必要とする燃料量との関係もそれぞれ異なり、さらにはそれらの関係の特性式も非線形なので、どのコジェネレーションを使って電力需要の増加に対応すればコストが最も安いのかを直ちに求めるのは不可能である。同様に、冷熱需要が増加した場合、電動冷凍機の出力を上げることで対応したとすると、電力需要が増え、上記と同じ対応をしなくてはならない。一方、吸収式冷凍機の出力を上げて対応する場合、ボイラー装置かコジェネレーション装置の出力を上げて発生する温熱を増やす必要がある。ボイラーの出力を上げる場合は、直ちにコストの増加量が算出できるが、コジェネレーション装置の出力を上げると、発生する電力も増えて買電量を減らすか、電動冷凍機の出力を上げるか、どちらか一方もしくは両方可能となり代替案がいくつもあることになる。また、この代替案では、各エネルギー機器の変化量を算出するのが簡単ではなく、したがって、代替案のコストを算出するのは容易ではない。一方、電気料金が増加した場合、買電量を減らす方がいいが、その場合はコジェネレーション装置で発生する電力を増やす必要があり、同時に発生する温熱も増えるので、吸収式冷凍機で発生する冷熱も増える、という具合に一筋縄では行かなくなる。また、コジェネレーション装置の燃料費が増えた場合も、それに対応するようコジェネレーション装置で発生する電力と温熱を減らすと、吸収式冷凍機を始めとする各エネルギー機器の運転出力に影響を及ぼす。また、燃料費増加に対応する方法にはいくつもの代替案が存在し、各エネルギー機器の入力−出力特性が非線形であるために、簡単に代替案およびそのコストを求めることはできない。
よって、いくつもの代替案の中から、運用計画策定時の目標に最も沿うもの、例えばトータルコストが最小となるもの、を直ちに選択することは難しい。このため、エネルギー機器の出力の調整はパラメータ変化に対応することに専念したものとなり、必ずしも運用計画策定時の目標に沿ったものとはならず、例えばコスト低減を意識した対応とはならず、トータルコストの増加を招く虞がある。
そこで本発明は、予測したパラメータ値に基づき一旦作成されたエネルギーシステムの運用計画を、予測パラメータ値と実測パラメータ値とのずれが明らかとなった場合に、迅速に且つ運用計画策定時の目標を損なうことなく、修正する方法および装置およびプログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する方法であり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する修正案候補を予め用意すると共に、前記修正案候補について入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め求めておき、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量が明らかとなった場合に、前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求めて、前記運用計画を修正するようにしている。
また、請求項8記載の発明は、燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する装置であり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する予め用意された修正案候補について、入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式が予め記憶されており、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量が入力されると、該当する前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求めて、前記運用計画の修正案を出力するようにしている。
また、請求項9記載の発明は、燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する予め用意された修正案候補について、入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め記憶しておく手段と、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量の入力を受け付ける手段と、該当する前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求める手段と、前記運用計画の修正案を出力する手段として、コンピュータを機能させるようにしている。
したがって、予測値から真値への実際の入力パラメータの値が明らかとなった場合には、当該実際の入力パラメータの値を用いて数理計画法に基づく最適化計算やエネルギーシステムの運転を模擬するシミュレーションを再度実行することなく、入力パラメータの変化量すなわちパラメータの予測値と真値との実際のずれ量を入力すれば、調整対象機器の出力調整量が単純な計算により直ちに求められる。従って、運用者の経験や勘に頼ることなく、目的関数を最小とする又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる、例えばトータルコストを最小とする又はコストの増加を許容の範囲に抑えられるといった運用計画策定時の目標を損なうことなく、適切な調整対象機器の出力調整量を瞬時に得ることができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記電力・温熱供給手段は、燃料を動力源として電力と温熱を同時に出力する1台または複数台のコジェネレーション装置と、燃料を動力源として温熱を出力する1台または複数台のボイラー装置とを有するものとしている。従って、コジェネレーション装置とボイラー装置を有する一般的なエネルギーシステムについて、本発明を利用できる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記冷熱供給手段は、電力を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の電動冷凍機と、温熱を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の吸収式冷凍機とを有するものとしている。従って、電動冷凍機と吸収式冷凍機を有するエネルギーシステムについて、本発明を利用できる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記関係式の一部または全部が1次関数であり、入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量を予め求めておき、実際の入力パラメータの変化量と、予め求めてある入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量との比例関係から、実際の入力パラメータの変化量に対応する前記調整対象機器の出力調整量を求めるようにしている。
したがって、予め求めてある「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」と、入力パラメータの実際値が明らかとなった場合に入力される「実際の入力パラメータの変化量/入力パラメータの単位変化量」とを単純に掛算することで、「実際の入力パラメータの変化量に対応する調整対象機器の出力調整量」を簡単にかつ迅速に求めることができる。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記特性関数の一部または全部が2次以上の関数であるものとしている。したがって、機器の特性を非線形関数を用いてより正確に表現することで、部分負荷のような非線形特性も考慮した最適な運用計画を作成することが可能となる。
また、請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記修正案候補は、入力パラメータ変化の同一ケースについて複数が用意されると共に、前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部の構成機器の出力量を調整し、当該一部以外の構成機器の出力量は前記運用計画のまま一定とするものであり、且つ当該複数の各修正案候補を選択した場合のそれぞれの前記目的関数の値を求めて、当該目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案候補をパラメータの変化に対応するための修正案として採用するようにしている。
したがって、入力パラメータの変化に一部の構成機器の出力量を調整することで対応するので、全部の構成機器で対応する場合と比べて、出力調整量を算出するまでの計算負荷が軽減され、出力調整量の算定および運用計画の修正が迅速に行える。また、一部の構成機器の出力量を調整する運用計画の修正であるため、機器出力の調整も全部の構成機器で入力パラメータの変化に対応する場合と比べて迅速に行える。また、目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案が採用されるため、運用計画策定時の目標に沿った計画修正、例えばコスト最小化又はコスト増の抑制を意識した計画修正が行える。
また、請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法において、前記入力パラメータは、電気料金および燃料料金の予測値を含み、前記目的関数は、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の稼動に必要な電気料金および燃料料金の合計を表すものとしている。この場合、運用計画はトータルコストが最も低くなるように作成され、計画修正もトータルコストが最も低くなるように行われる。
しかして請求項1記載のエネルギーシステム運用計画の修正方法および請求項8記載のエネルギーシステム運用計画修正装置および請求項9記載のエネルギーシステム運用計画修正プログラムによれば、運用計画の基となった予測に基づく各種パラメータ、例えば電力・冷熱・温熱の各需要や電気料金や燃料の料金が、運転当日等に判明した実際値とずれている場合でも、当該運転当日に、運用計画を再度策定し直すことなく、迅速に適切な調整対象機器の出力調整量を求めることができる。運用者の経験や勘に頼ることなく、例えばトータルコストを最小とするといった運用計画策定時の目標を損なうことなく、パラメータ変化に直ちに対応した適切な運用計画の修正が行える。
さらに請求項2記載の発明によれば、コジェネレーション装置とボイラー装置を有する一般的なエネルギーシステムについて、本発明を利用できる。さらに請求項3記載の発明によれば、電動冷凍機と吸収式冷凍機を有するエネルギーシステムについて、本発明を利用できる。
さらに請求項4記載の発明によれば、予め求めてある「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」と、入力パラメータの実際値が明らかとなった場合に入力される「実際の入力パラメータの変化量/入力パラメータの単位変化量」とを単純に掛算することで、「実際の入力パラメータの変化量に対応する調整対象機器の出力調整量」を簡単にかつ迅速に求めることができる。
さらに請求項5記載の発明によれば、機器の特性を2次以上の関数を用いてより正確に表現することで、部分負荷のような非線形特性も考慮した最適な運用計画を作成することが可能となる。
さらに請求項6記載の発明によれば、入力パラメータの変化に一部の構成機器の出力量を調整することで対応するので、全部の構成機器で対応する場合と比べて、出力調整量を算出するまでの計算負荷が軽減され、出力調整量の算定および運用計画の修正が迅速に行える。また、一部の構成機器の出力量を調整する運用計画の修正であるため、機器出力の調整も全部の構成機器で入力パラメータの変化に対応する場合と比べて迅速に行える。また、目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案が採用されるため、運用計画策定時の目標に沿った計画修正、例えばコスト低減を意識した計画修正が行える。
さらに請求項7記載の発明によれば、運用計画はトータルコストが最も低くなるように作成され、計画修正もトータルコストが最も低くなるように行われる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図4に本発明のエネルギーシステムの運用計画修正方法の実施の一形態を示す。このエネルギーシステム1は、燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段2と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段3とを有している。
このエネルギーシステム1の運用計画、即ち、ある将来の運転時間帯における電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の出力量は、次のようにして当該運転時間帯以前に予め決定される。即ち、予め設定された電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の当該運転時間帯における出力量が定められる。ここで、運用計画の策定対象となる運転時間帯を計画対象時間帯と呼ぶ。計画対象時間帯は例えば1時間、30分などの一定時間幅を1単位とし、当該1単位における入力パラメータ値は一定とする。エネルギーシステム1の運用計画は、計画対象時間帯の到来前、例えば該当する運転日の前日に、計画対象時間帯の単位毎に、予め策定される。計画対象時間帯を1単位ずつ順次進めていくことで、エネルギーシステム1の連続した運用計画、例えば翌日の運用計画が作成される。
エネルギーシステム1の運用計画の策定に用いる電力需要などの入力パラメータの値は予測に基づくものであり、運転当日、例えば現実の運転時中もしくは運転時直前に明らかになる現実のパラメータ値との間のずれは避けられない。そこで本実施形態では、入力パラメータの予測値と実際値とのずれを埋めるために、既に策定されたエネルギーシステム1の運用計画を次のように修正する。
即ち、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の一部または全部の構成機器の出力量を調整する複数の修正案候補を予め用意すると共に、修正案候補について入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め求めておき、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量が明らかとなった場合に、関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して調整対象機器の出力調整量を求めて、複数の修正案候補の中から目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案候補をパラメータの変化に対応するための修正案として採用し、運用計画における電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の一部または全部の構成機器の出力量を修正するようにしている。
図1は、一般的なエネルギーシステム1の構成の一例およびエネルギーのフローの一例を示す。エネルギーシステム1の構成機器をエネルギー機器4とも呼ぶ。このエネルギーシステム1の電力・温熱供給手段2は、エネルギー機器4として、1台または複数台のコジェネレーション装置4Aと、1台または複数台のボイラー装置4Bとを有している。コジェネレーション装置4Aは、ガスや灯油またはディーゼルなどの燃料を動力源として、電力と温熱を同時に出力する例えばタービン発電機やエンジン発電機または燃料電池などの発電機である。ボイラー装置4Bは、ガスや灯油またはディーゼルなどの燃料を動力源として温熱を出力する装置である。また、エネルギーシステム1の冷熱供給手段3は、電力を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の電動冷凍機4Cと、温熱を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の吸収式冷凍機4Dとを有している。
このエネルギーシステム1では、コジェネレーション装置4Aが出力する電力と、例えば電力会社から購買する商用電力(購買電力とも呼ぶ。)とによって、電動冷凍機4Cを作動するのに必要な電力および電力需要をまかなっている。尚、コジェネレーション装置4Aの出力電力の不足分を購買電力で補うようにしている。コジェネレーション装置4Aおよびボイラー装置4Bからは温熱が出力され、この温熱は吸収式冷凍機4Dと、温熱需要(例えば給湯も含む)をまかなう熱交換器5に送られる。吸収式冷凍機4Dでは与えられた温熱を利用して冷熱を発生する。吸収式冷凍機4Dと電動冷凍機4Cとで冷熱需要をまかなっている。なお、余った温熱は、例えば冷却塔6を通して捨てられる。
尚、図1は一般的なシステム構成例を示したものであり、本発明に適用可能なエネルギーシステム1が図1の構成に限定されるものではない。例えば、必ずしもボイラー装置4Bを有するものに限らず、1台または複数台のコジェネレーション装置4Aのみで電力・温熱供給手段2を構成しても構わない。また、電動冷凍機4Cと吸収式冷凍機4Dの双方を有するものに限らず、電動冷凍機4Cと吸収式冷凍機4Dの一方のみで冷熱供給手段3を構成しても構わない。
エネルギーシステム1の運用計画は、例えば図4に示すように既存または新規のコンピュータ資源を利用して、作成される。エネルギーシステム1の運用計画の作成に用いるコンピュータを運用計画策定手段7とも呼ぶ。コンピュータに運用計画策定プログラムがインストールされることにより、当該コンピュータが運用計画策定手段7として機能する。
この運用計画策定手段7が備える記憶装置7Aには、エネルギーシステム1を構成する各エネルギー機器4の特性関数がキーボードなどの入力装置7Bを介して予め利用者等により入力され、記憶されている。また、運用計画策定手段7には、例えば入力装置7Bを介して、計画対象時間帯に対応する可変パラメータが利用者等により入力される。運用計画策定手段7が備える演算装置7Cにより、記憶装置7Aに記憶されている各エネルギー機器4の特性関数と、入力されたパラメータとに基づいて、予測電力需要および予測温熱需要および予測冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする計画対象時間帯における各エネルギー機器4の出力量が算出される。計画対象時間帯を1単位ずつ順次進めていくと共に当該計画対象時間帯に対応するパラメータを入力していくことで、例えばエネルギーシステム1の翌日の運用計画が作成される。運用計画のデータは、例えばディスプレイやプリンタまたは外部の情報処理装置と通信するためのネットワークインタフェースなどの運用計画策定手段7が備える出力装置7Dより出力される。
ここで、本実施形態の入力パラメータは、例えば計画対象時間帯における予測電力需要および予測温熱需要および予測冷熱需要を示す需要パラメータと、電気料金および燃料料金を表す料金パラメータとしている。そして、本実施形態の制約条件は、構成機器の出力上下限と電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足することであり、目的関数は電力・温熱供給手段2および冷熱供給手段3の稼動に必要な電気料金および燃料料金の合計を表すものとしている。この場合、運用計画策定手段7に設定される各エネルギー機器4の特性関数は、例えば、コジェネレーション装置4Aの電力出力と消費燃料費との関係式、コジェネレーション装置4Aの電力出力と温熱出力との関係式、ボイラー装置4Bの温熱出力と消費燃料費との関係式、吸収式冷凍機4Dの冷熱出力と消費温熱との関係式、電動冷凍機4Cの冷熱出力と消費電力との関係式となる。また、目的関数は、購買電力の料金と、全てのコジェネレーション装置4Aの総消費燃料費と、全てのボイラー装置4Bの総消費燃料費との合計で表される。運用計画策定手段7は、特性関数と入力パラメータとに基づいて、予測電力需要および予測温熱需要および予測冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする即ち最も低コストとなる計画対象時間帯における各エネルギー機器4の出力量を算出する。
但し、目的関数はコストの最小化を図るものに必ずしも限定されず、例えば環境面の最適化を実現するべく二酸化炭素排出量の最小化を図るものであっても良く、さらには低コストと低二酸化炭素排出量の両立を図る目的関数を設定しても良い。コスト最小化ではなく二酸化炭素排出量の最小化を図る場合、特性関数は、例えば、コジェネレーション装置4Aの電力出力と二酸化炭素排出量との関係式、コジェネレーション装置4Aの電力出力と温熱出力との関係式、ボイラー装置4Bの温熱出力と二酸化炭素排出量との関係式、吸収式冷凍機4Dの冷熱出力と消費温熱との関係式、電動冷凍機4Cの冷熱出力と消費電力との関係式となり、目的関数は二酸化炭素の総排出量で表される。二酸化炭素排出量の最小化を図る場合、入力パラメータとして電気料金および燃料料金を表す料金パラメータを入力する必要はない。
運用計画策定手段7としてのコンピュータは、目的関数を最小とすること及び需要と供給をバランスさせること(すなわち電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足すること)と構成機器の出力上下限を制約条件として、例えば数理計画法により、計画対象時間帯における各エネルギー機器4の出力量を算出する。
需要と供給のバランス、例えば電力需給バランスは、購買電力と全てのコジェネレーション装置4Aの電力出力との合計が、全ての電動冷凍機4Cの消費電力と電力需要との合計に等しい、との制約条件で表される。また、冷熱需給バランスは、全ての電動冷凍機4Cの冷熱出力と全ての吸収式冷凍機4Dの冷熱出力との合計が冷熱需要に等しい、との制約条件で表される。また、温熱需給バランスは、全てのコジェネレーション装置4Aの温熱出力と全てのボイラー装置4Bの温熱出力との合計が、全ての吸収式冷凍機4Dの消費温熱と熱交換器5への供給温熱との合計以上となり、熱交換器5からの出力温熱は温熱需要に等しい、との制約条件で表される。
エネルギー機器4の特性関数が1次関数(線形関数)の場合は線形計画問題となり、特性関数が2次以上の関数(非線形関数)の場合は非線形計画問題となる。運用計画策定手段7としてのコンピュータは、既知又は新規の線形計画法または非線形計画法により、計画対象時間帯における各エネルギー機器4の最適な出力量を算出する。
但し、線形計画法や非線形計画法といった数理計画法により、計画対象時間帯における各エネルギー機器4の最適な出力量を算出するものには限られない。例えば、運用計画策定手段7としてのコンピュータ上で、特性関数と入力パラメータとに基づいてエネルギーシステム1の運転を模擬したシミュレーションを行い、目的関数が目的の範囲となり、且つ電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足するように、各エネルギー機器4の出力量を調整しながら定めるようにしても良い。
例えば本実施形態では、特性関数を線形関数のみならず必要に応じて非線形関数で表現し、非線形計画法により、エネルギーシステム1の運用計画を作成するようにしている。エネルギー機器4の特性を線形関数で表現する場合、例えば部分負荷によりエネルギー機器4の効率が定格出力よりも低下する特性を考慮することが難しい。この結果、エネルギー機器4に低効率での運転を強いるような運用計画が作成されかねず、かえってコスト増加を招く虞がある。本実施形態のように、エネルギー機器4の特性を非線形関数を用いてより正確に表現することで、部分負荷のような非線形特性も考慮した最適な運用計画を作成することが可能となる。
エネルギーシステム1の運用計画の修正も、例えば図4に示すように既存または新規のコンピュータ資源を利用して、実行する事が可能である。エネルギーシステム1の運用計画の修正に用いるコンピュータを運用計画修正装置8とも呼ぶ。コンピュータに運用計画修正プログラムがインストールされることにより、当該コンピュータが運用計画修正装置8として機能する。尚、運用計画修正装置8と運用計画策定手段7とを1一台のコンピュータで実現しても良い。
入力パラメータの変化の仕方には、電力需要、温熱需要、冷熱需要、電気料金、燃料料金のどれが変化するのかによって、さらにはこれらのパラメータの2以上について同じ時間帯に同時に変化する場合もあるため、複数のケースが想定される。本実施形態では、入力パラメータ変化の想定し得る各ケース毎に、複数の修正案候補を用意すると共に、各修正案候補は、エネルギーシステム1内の全てのエネルギー機器4で入力パラメータの変化に対応するのではなく、一部のエネルギー機器4を使って入力パラメータの変化に対応するものとしている。即ち、一部のエネルギー機器4の出力を調整して入力パラメータの変化に対応し、他のエネルギー機器4の出力は運用計画策定時のまま一定とする。これは、時々刻々と変化するパラメータに瞬時に対応するために、全てのエネルギー機器4の出力を同時に調整するのは非現実的であるからである。したがって、どの種のエネルギー機器4を何台使うかによって、同じケースの入力パラメータ変化であっても、修正案候補は複数あり得る。
入力パラメータ変化の各ケースの各修正案候補について、入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め求めておく。ある入力パラメータがA→A+ΔAと変化したときに、あるエネルギー機器4の出力がX→X+ΔXと変化したとすると、そのエネルギー機器4の出力調整量は、ΔXである。また、パラメータ1単位あたりの増分出力はΔX/ΔAとなる。ΔA→0としてAについて偏微分を求めると、増分出力は∂X/∂Aとなる。∂X/∂Aは一般に感度係数と呼ばれる。
一方、テーラー展開より、次式の関係が成り立つ。
Figure 2006178626
従って、ΔXは次式で表される。
Figure 2006178626
結局、入力パラメータがA→A+ΔAと変化したときのエネルギー機器4の出力調整量ΔXは、テーラー展開の1次近似であれば数式3で表され、テーラー展開の2次近似であれば数式4で表される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
従って、入力パラメータ変化の各ケースの各修正案候補について、数式3または数式4を予め求めておけば、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量ΔAが明らかとなった場合に、上記予め求めておいた関係式に当該実際の入力パラメータの変化量ΔAを代入することで、調整対象機器の出力調整量ΔXを直ちに求めることができる。数式4は、数式3よりも出力調整量ΔXの精度が高いが、算定式が複雑になるのでより多くの計算時間やより高度な計算機資源を要する。このため、例えば用途に応じて計算速度と精度のどちらを優先させるかを検討し、数式3か数式4のいずれかを適宜選択して良い。本明細書では、便宜上、数式3に基づく方法を簡易計算法と呼び、数式4に基づく方法を詳細計算法と呼ぶ。
簡易計算法を用いる場合、入力パラメータの変化量ΔAと調整対象機器の出力調整量ΔXとの関係式は1次関数(線形関数)となり、入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量を予め求めておけば、実際の入力パラメータの変化量が明らかとなった時点で、当該実際の入力パラメータの変化量と、予め求めてある入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量との比例関係から、実際の入力パラメータの変化量に対応する調整対象機器の出力調整量を直ちに求めることができる。即ち、「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」と、「実際の入力パラメータの変化量/入力パラメータの単位変化量」とを単純に掛算することで、「実際の入力パラメータの変化量に対応する調整対象機器の出力調整量」を簡単かつ迅速に求めることができる。
例えば入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量を示す感度係数∂X/∂Aを予め求めておけば、実際の入力パラメータの変化量ΔAと、予め求めてある感度係数∂X/∂Aとから、数式3に基づき、実際の入力パラメータの変化量ΔAに対応する調整対象機器の出力調整量ΔXを直ちに求めることができる。
なお、「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」を求める方法には、例えば数理計画法により求められる各エネルギー機器4の出力を表す関数を、対象となる入力パラメータで偏微分して求められる感度係数∂X/∂Aを利用する方法の他に、対象となる入力パラメータを1単位だけ増やして、数理計画法による最適化計算やエネルギーシステム1の運転を模擬したシミュレーションを再度実行して求める方法がある。最適化計算やシミュレーションを再度実行する場合は、各修正案候補において出力調整の対象となっていないエネルギー機器4は、その出力を運用計画策定時のままで固定しておく。出力調整の対象となっているエネルギー機器4は、出力を固定せずに最適化を実行する。上記最適化計算やシミュレーションの再実行後に得られた各エネルギー機器4の出力と運用計画策定時の出力とを比較して、その差分が「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」となる。尚、入力パラメータの単位変化とは、例えば電力需要パラメータの変化であれば1kWの電力需要増加、例えば冷熱需要パラメータの変化であれば1冷凍トンの冷熱需要増加、のように表される。
入力パラメータ変化の各ケースに対応する修正案の候補は、例えば解析者等の人的能力または解析プログラム等を利用して、計画対象時間帯の到来以前、例えば計画対象時間帯の運用計画作成に併せて、例えば図2のフローチャートに示す手順に従って、予め作成される。先ず、予測値に基づく入力パラメータを用いて運用計画を作成する(ステップ1)。この運用計画をAとする。次に、どの入力パラメータを変化させるか選択する(ステップ2)。例えばn個ある入力パラメータの中から、ある一つの入力パラメータk(k=1,2,3,・・・,n)が1単位変化したとする。他の入力パラメータは固定する。次に、ステップ2で決定された入力パラメータの変化に対応する複数の修正案候補を作成する(ステップ3)。例えば入力パラメータkの変化に対応する修正案候補をB(k,i)と表記する。iは1から始まる連続番号(i=1,2,3,・・・,m)で、入力パラメータkの変化に対応する想定し得る修正案候補の数mまで続く。iの値が異なれば、出力調整の対象となるエネルギー機器4の機種または台数が異なるものとなる。次に、ステップ3で作成されたすべての修正案候補について、入力パラメータの1単位の変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を求める(ステップ4)。例えば、数式3また数式4に基づき、あるいは運用計画Aから修正案候補B(k,i)に計画を変更した場合の各エネルギー機器4の出力の変化量を算定し、これにより「入力パラメータkの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」を求める。
上記のステップ2からステップ4の処理を、入力パラメータの変化の全ての組み合わせについて行う(ステップ5)。例えば入力パラメータk=1,2,3,・・・,nが個々に変化した場合の全て、さらに複数の入力パラメータが同時に変化した場合の全ての組み合わせについて、ステップ2からステップ4の処理を同様に行う。
尚、図2の処理は、解析者等の人的能力または解析プログラム等を利用して実行される。特にステップ4において、対象となる入力パラメータを1単位だけ増やして、数理計画法による最適化計算やエネルギーシステム1の運転を模擬したシミュレーションを再度実行して、「入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量」を求める場合には、例えば図2の処理を完全にコンピュータで実行することも可能である。この場合、入力パラメータの種類およびエネルギーシステム1を構成するエネルギー機器4の機種や台数は既知であるから、想定される入力パラメータの組み合わせ及びエネルギー機器4の組み合わせの全てについて(ステップ2,5,3)、ステップ4の処理を繰り返せば良い。
運用計画修正装置8の記憶装置8Aには、上記のように求められた入力パラメータ変化の各ケースの各修正案候補についての入力パラメータの変化量ΔAと調整対象機器の出力調整量ΔXとの関係式が、例えばキーボードなどの入力装置8Bを介して利用者等により入力され、記憶される(図3のステップ6)。尚、図2の処理を実行したコンピュータより運用計画修正装置8の記憶装置8Aに関係式のデータを書き込むようにしても良く、運用計画修正装置8により図2の処理を実行して、得られた関係式のデータを記憶装置8Aに記憶するようにしても良い。
そして、例えば入力パラメータの真値が明らかとなった時点で、当該入力パラメータの1単位の変化量、すなわち入力パラメータの予測値と真値の差分量が、例えば入力装置8Bを介して、利用者等により運用計画修正装置8に入力される(ステップ7)。運用計画修正装置8が備える演算装置8Cにより、変化が起きた入力パラメータの種別に対応する複数の修正案候補が選択され、選択された各修正案候補について、記憶装置8Aに記憶されている入力パラメータの1単位の変化量と調整対象機器の出力調整量との関係式に、入力されたパラメータ変化量が代入されて、調整対象機器の出力調整量が算出される(ステップ8)。
ここで本実施形態では、複数の修正案候補の中から次のようにして一つを採用するようにする。即ち、当該複数の各修正案候補を選択した場合のそれぞれの目的関数の値を求めて、当該目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案候補を採用する。本実施形態の目的関数はコストを表すため、最も低コストとなる修正案候補が採用される。具体的には、各修正案候補に対応する調整対象機器の出力調整量を、既定の運用計画における該当するエネルギー機器4の出力値に足し込み、目的関数を再計算する。修正案候補同士で目的関数値を比較し、最もコストが低くなる修正案候補を選択する(ステップ9)。
選択された修正案に対応する調整対象機器の出力調整量は、例えば計画修正データとして、ディスプレイやプリンタまたは外部の情報処理装置と通信するためのネットワークインタフェースなどの運用計画修正装置8が備える出力装置8Dより出力される(ステップ10)。尚、運用計画策定手段7が出力した運用計画データを、運用計画修正装置8が読み込んで、選択された修正案に対応する調整対象機器の出力調整量を、既定の運用計画における該当するエネルギー機器4の出力値に反映させ、運用計画データを修正するようにしても良い。なお、修正案において調整対象機器として選択されていないエネルギー機器4については、運用計画策定時の出力値のままである。そして、修正後の運用計画に基づいて、エネルギーシステム1の運転が行われる。尚、修正後の運用計画データに係る各エネルギー機器4の出力値を、エネルギーシステム1の制御部に入力して、エネルギーシステム1を自動運転するようにしても良い。さらに、運用計画策定手段7が出力する運用計画データと、運用計画修正装置8が出力する修正データとをエネルギーシステム1の制御部に入力して、エネルギーシステム1を自動運転するようにしても良い。
ここで、複数の修正案候補の中から選択された修正案が、エネルギーシステム1の運用上の問題等(例えば修正後のエネルギー機器4の出力値が上限値を超えてしまっている又は下限値を下回ってしまっている等)により、実行できないものに該当する場合は、当該選択された修正案候補を微調整する(例えばエネルギー機器4の出力値の制限を満足するように調整対象機器の出力調整量を微調整する)ようにしても良く、あるいは次にコストが低くなる修正案候補を選択し直すようにしても良い。さらに、複数の修正案候補および各修正案候補を選択した場合の目的関数値(本実施形態ではトータルコスト)を、運用計画修正装置8が備えるディスプレイなどの出力装置8Dに表示して、運用者の判断で修正案を選択できるようにしても良い。
また、複数の修正案候補について、入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量に基づくコストの大きさの順位と、実際の入力パラメータの変化量に対する調整対象機器の出力調整量に基づくコストの大きさの順位が変わらないのであれば、運用計画を修正する時点でコスト比較により複数の修正案候補の中から1つに絞る必要は必ずしも無く、該当運転時の到来前に予め最もコストの低い修正案を決定しておいても良い。この場合、入力パラメータ変化の各ケース毎に想定される複数の修正案候補のすべてについて、入力パラメータの変化量ΔAと調整対象機器の出力調整量ΔXとの関係式を、運用計画修正装置8に予め入力しておく必要はなく、入力パラメータ変化の各ケース毎に予め決定された最も低コストとなる1つの修正案について、入力パラメータの変化量ΔAと調整対象機器の出力調整量ΔXとの関係式を、運用計画修正装置8に予め入力しておけばよい。
以下に、エネルギーシステム1の運用計画作成方法および作成された運用計画の修正方法について、具体例を挙げて、さらに詳細に説明する。
本実施形態では目的関数を例えば数式5で表現し、電力需給バランスによる制約条件を数式6で表現し、冷熱需給バランスによる制約条件を数式7で表現し、温熱需給バランスを数式8および数式9で表現する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
また、購買電力料金を数式10に示す1次式で表現する。
Figure 2006178626
i番目コジェネレーション装置4Aiの電力出力と消費燃料費との関係を例えば数式11に示す2次式で表現し、コジェネレーション装置4Aiの電力出力と温熱出力との関係を例えば数式12に示す2次式で表現する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
また、m番目吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力と消費温熱との関係を例えば数式13に示す2次式で表現し、n番目電動冷凍機4Cnの冷熱出力と消費電力との関係を例えば数式14に示す2次式で表現し、j番目ボイラー装置4Bjの温熱出力と消費燃料費との関係を例えば数式15に示す2次式で表現する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
計画対象時間帯における予測に基づく入力パラメータと、数式10から数式15に示す特性関数に基づいて、数式6〜数式9に示す制約条件を満足し、且つ数式5に示す目的関数を最小とする計画対象時間帯における各エネルギー機器4の最適な出力量を算出する。特性関数に非線形関数を用いているため、この最適化問題は非線形計画問題である。非線形計画問題の最適解の求解法は、ラグランジュ関数を使ったラグランジュの未定定数法(参考文献;相吉、志水:「数理計画法演習」、朝倉書店、1985年、福島:「数理計画入門」、朝倉書店、1996年など)が良く用いられる。この方法は、非線形計画問題において最適もしくは局所最適解で成立する条件である、クーンタッカー条件から最適解の算定式を導くものである。
本実施形態の非線形計画問題におけるラグランジュ関数は、次式で表現される。尚、本実施形態では、「熱交換器5に供給される温熱」および「熱交換器5から供給される温熱」および「温熱需要」は等しい、即ちQ HE=Q HE=Q とする。
Figure 2006178626
ここに、λ,μはラグランジュ乗数と呼ばれる係数である。また、常にμ≧0で、数式9の不等号が成立している場合にμ=0となり、等号が成立している場合はμ>0である。本実施形態の非線形計画問題におけるクーンタッカー条件は、数式6〜数式9および数式16のラグランジュ関数を使って表現される以下の数式17〜数式23で記述される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
数式17より次式が成立する。
Figure 2006178626
数式19より次式が成立する。
Figure 2006178626
また数式20と数式21を整理すると次式が成立する。
Figure 2006178626
最適解におけるラグランジュ乗数をλ ,λ ,μとして、数式10〜数式15を、数式17〜数式21に代入すると、クーンタッカー条件は以下の数式27〜数式33となる。
Figure 2006178626
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Figure 2006178626
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これにより、コジェネレーション装置4Aiの電力出力は数式34で表現され、購買電力は数式35で表現され、ボイラー装置4Bjの温熱出力は数式36で表現され、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力は数式37で表現され、電動冷凍機4Cnの冷熱出力は数式38で表現される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
ここに、λ は数式39で表現される。
Figure 2006178626
λ は、数式30と数式31を数式7に代入して、次式に示すようにμの関数となる。
Figure 2006178626
結局、最適運用状態における各エネルギー機器4の出力はμを決定することで一意に定められる。μは例えば二分法などの方法で求めることができる。従って、エネルギーシステム1の1日の運用計画を策定するには、計画対象時間帯毎に、予測電力需要、予測温熱需要、予測冷熱需要を数式34〜数式40に入力し、μを例えば二分法などで求める、という操作を繰り返せばよい。
なお、商用電力からの電力を購入しない場合は、λ は定数にならない。その場合、数式28を、E=0とした数式6に代入することで、次式が得られる。この場合、λ は定数ではなく、μの関数となる。
Figure 2006178626
エネルギーシステム1における各種入力パラメータ(電力需要、冷熱需要、温熱需要、電気料金、燃料料金)が変化した事例およびその場合に想定される修正案候補の例を以下に示し、修正案候補毎の各エネルギー機器4の出力調整量を定式化する。但し、以下に事例および修正案候補は一例であって、修正案候補の全てを示したものではない。ここで、一部のケースについての計算式は、簡易計算法としてテーラー展開1次近似、詳細計算法としてテーラー展開2次近似の2種類を示す。また、本事例では、ボイラー装置4Bを稼動するとコストメリットが出ないため、ボイラー装置4Bの増分はないものとした。
<事例1:冷熱需要が変化するケース>
事例1は、策定した運用計画案から冷熱需要Q が変化した場合、すなわちQ →Q +ΔQ となった場合である。この場合、修正案候補は大きく分けて、以下に示す4つがある。但し、複数台ある同種のエネルギー機器4の中からどの機器を選択するかで、4つの修正案候補がさらに細分化される場合もある。
<事例1の修正案候補1>
修正案候補1では、購買電力と電動冷凍機4Cnで冷熱需要の変化に対応する。より具体的には、冷熱需要の変化分はNRE台ある電動冷凍機4Cのある1台の出力調整で対応し、それにより変化した消費電力は商用電力からの購買電力を調整して対応する。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補1の簡易計算法>
数式42と数式44から次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式45、数式14、数式31から次式が成立する。
Figure 2006178626
したがって、購買電力の増分は次式で表される。尚、電動冷凍機4Cnの冷熱出力の増分は、数式42で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補1の詳細計算法>
テーラー展開の2次近似より次式が導かれる。
Figure 2006178626
数式45と数式48より、購買電力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補2>
修正案候補2では、コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmで冷熱需要の変化に対応する。より具体的には、冷熱需要の変化分はNRS台ある吸収式冷凍機4Dのある1台の出力調整で対応し、それにより変化した消費温熱はNCU台あるコジェネレーション装置4Aのある1台を調整して対応する。また、コジェネレーション装置4Aiの出力を上げた分、商用電力からの購買電力を減らす。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補2の簡易計算法>
数式53より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式12、数式28より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式13、数式30、数式50より次式が成立する。
Figure 2006178626
数式55、数式56を数式54に代入すると、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。尚、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力の増分は数式50で表され、購買電力の増分は数式52で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補2の詳細計算法>
テーラー展開の2次近似より次式が導かれる。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
数式54、数式58、数式59より、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
尚、数式12より次式が導かれる。
Figure 2006178626
また、数式62と数式55から次式が導かれる。従って、数式58が導出される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補3>
修正案候補3では、コジェネレーション装置4Aiと電動冷凍機4Cnで冷熱需要の変化に対応する。より具体的には、冷熱需要の変化分はNRE台ある電動冷凍機4Cのある1台の出力調整で対応し、それにより変化した消費電力はNCU台あるコジェネレーション装置4Aのある1台を調整して対応する。コジェネレーション装置4Aiの出力調整により、温熱が余った場合は捨てる。尚、温熱が足らない場合はボイラー装置4Bの温熱出力を増せばよいが、本事例では、ボイラー装置4Bの増分はないものとした。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補3の簡易計算法>
数式65、数式67より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式14、数式31から次式が成立する。
Figure 2006178626
したがって、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は数式68と数式69より次式で表される。尚、電動冷凍機4Cnの冷熱出力の増分は、数式65で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補3の詳細計算法>
テーラー展開の2次近似と数式65より次式が導かれる。
Figure 2006178626
数式68と数式71より、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補4>
修正案候補4では、コジェネレーション装置4Aiと複数台の吸収式冷凍機4Dと複数台の電動冷凍機4Cで冷熱需要の変化に対応する。より具体的には、冷熱需要の変化分は、全て若しくは一部の吸収式冷凍機4Dと電動冷凍機4Cの出力調整で対応し、それにより変化した消費温熱および消費電力はNCU台あるコジェネレーション装置4Aのある1台を調整して対応する。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。但し、NRS,NREは出力調整の対象となる吸収式冷凍機4Dと電動冷凍機4Cの台数とする。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補4の簡易計算法>
数式73より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式79、数式13、数式30、数式12、数式28から次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式77、数式14、数式31から次式が成立する。
Figure 2006178626
数式82、数式83を数式81に代入すると、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
また、数式83から複数台の電動冷凍機4Cの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
また、数式82から複数台の吸収式冷凍機4Dの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補4の詳細計算法>
電動冷凍機が複数台集まったときの冷熱出力と消費電力の関係を数式87とする。
Figure 2006178626
数式77、数式73より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、数式77、数式79、数式13、数式30、数式14、数式31より次式が成立する。
Figure 2006178626
また、テーラー展開の2次近似より次式が導かれる。
Figure 2006178626
数式90を数式89に代入して次式が得られる。
Figure 2006178626
また、テーラー展開の2次近似より次式が導かれる。
Figure 2006178626
ここで、数式92の右辺の第2項は第1項よりも充分に小さいことから、第2項のΔQREの値として、次式に示すテーラー展開の1次近似を用いることにする。
Figure 2006178626
数式93を数式92に代入して次式が得られる。
Figure 2006178626
数式91、数式94を数式88に代入して、次式が得られる。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
数式95にはΔpCUiが含まれるが、ΔpCUiの項の影響は小さいことから、この項のΔpCUiの値として、次式の1次近似を用いることにする。
Figure 2006178626
数式97、数式96を数式95に代入すると、次式が得られる。
Figure 2006178626
数式98よりコジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
また、数式79、数式13、数式30より、複数台の吸収式冷凍機4Dの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
また、数式73より複数台の電動冷凍機4Cの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
コジェネレーション装置4Aiの温熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
<事例2:電力需要が変化するケース>
事例2は、策定した運用計画案から電力需要Pが変化した場合、すなわちP→P+ΔPとなった場合である。この場合、修正案候補は大きく分けて、以下に示す2つがある。但し、複数台ある同種のエネルギー機器4の中からどの機器を選択するかで、2つの修正案候補がさらに細分化される場合もある。
<事例2の修正案候補1>
修正案候補1では、コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dと電動冷凍機4Cとで電力需要の変化に対応する。より具体的には、コジェネレーション装置4Aiの電力出力を電力需要の変化に合わせて変える。それに伴ってコジェネレーション装置4Aiからの温熱出力も変わるので、その分だけ吸収式冷凍機4Dの冷熱出力も変わる。さらに、吸収式冷凍機4Dの冷熱出力が変わった分だけ電動冷凍機4Cの冷熱出力を変える。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。尚、冷凍機の入出力はそれぞれ等価機器1台に総合して記述する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例2の修正案候補1の簡易計算法>
数式102より次式が導かれる。
Figure 2006178626
また、数式105、数式110より次式が導かれる。
Figure 2006178626
従って、数式12、数式28、数式21、数式22より、次式が成立する。
Figure 2006178626
数式113を数式111に代入すると、次式が得られる。
Figure 2006178626
従って、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
また、吸収式冷凍機4D、電動冷凍機4Cの冷熱出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例2の修正案候補1の詳細計算法>
2次偏微分を求めるのは複雑な計算が必要となるため、詳細計算法は省略する。
詳細計算法は行わない。
<事例2の修正案候補2>
修正案候補2では、電力需要の変化分は購買電力で賄う。全てのエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。購買電力の増分は次式で表される。尚、この場合は、1次式であるため詳細計算法は行えない。
Figure 2006178626
<事例3:電気料金が変化するケース>
事例3は、策定した運用計画案から電気料金αが変化した場合、すなわちα→α+Δαとなった場合である。この場合、修正案候補として例えば以下に示すものがある。但し、複数台ある同種のエネルギー機器4の中からどの機器を選択するかで、修正案候補がさらに細分化される場合もある。
<事例3の修正案候補>
コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmと電動冷凍機4Cnとで電気料金の変化に対応する。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。
Figure 2006178626
コジェネレーション装置4Aiの温熱出力が変わり、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力もそれにより変わる。また、冷熱需要は変わらないので、冷熱供給量が変わらないよう吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力変動分に合わせて電動冷凍機4Cnの出力が変わる。コジェネレーションiの電力も同時に変わるが、電力需要は変わらないので、コジェネレーションiの出力変動分だけ購買電力が変わる。
また、電気料金を1単位だけ増やした時のμの増分をΔMαとする。ΔMαは、例えばコジェネレーションiおよび吸収式冷凍機4Dmおよび電動冷凍機4Cn以外のエネルギー機器4の出力を運用計画策定時のままに固定し、且つΔα=1として、運用計画策定手段7による最適化計算を再実行することで求める。
ここで、以下の数式を定義する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
Figure 2006178626
また、数式34より次式が導かれる。
Figure 2006178626
したがって、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、コジェネレーション装置4Aiの温熱出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、電動冷凍機4Cnの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
電動冷凍機4Cnの消費電力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
従って商用電力からの購買電力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
<事例4:燃料料金が変化するケース>
事例4は、燃料料金β(例えばガス料金)が変化した場合、すなわちβ→β+Δβとなった場合である。この場合、修正案候補として例えば以下に示すものがある。但し、複数台ある同種のエネルギー機器4の中からどの機器を選択するかで、修正案候補がさらに細分化される場合もある。
<事例4の修正案候補>
コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmと電動冷凍機4Cnとで燃料料金の変化に対応する。他のエネルギー機器4の出力は運用計画案策定時のままで一定とする。この条件は、以下の式で表現される。
Figure 2006178626
コジェネレーション装置4Aiの温熱出力が変わり、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力もそれにより変わる。また、冷熱需要は変わらないので、冷熱供給量が変わらないよう吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力変動分に合わせて電動冷凍機4Cnの出力が変わる。コジェネレーションiの電力も同時に変わるが、電力需要は変わらないので、コジェネレーションiの出力変動分だけ購買電力が変わる。
また、燃料料金を1単位だけ増やした時のμの増分をΔMβとする。ΔMβは、例えばコジェネレーションiおよび吸収式冷凍機4Dmおよび電動冷凍機4Cn以外のエネルギー機器4の出力を運用計画策定時のままに固定し、且つΔβ=1として、運用計画策定手段7による最適化計算を再実行することで求める。
燃料料金を考慮するため、数式11に示したコジェネレーション装置4Aiの燃料費関数を次式に書き換える。
Figure 2006178626
ここで、以下の数式を定義する。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
また、数式34より次式が導かれる。
Figure 2006178626
したがって、数式134より次式が導かれる。
Figure 2006178626
数式135に基づき、コジェネレーション装置4Aiの電力出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、コジェネレーション装置4Aiの温熱出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、吸収式冷凍機4Dmの冷熱出力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
また、電動冷凍機4Cnの冷熱出力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
電動冷凍機4Cnの消費電力の増分は次式より求められる。
Figure 2006178626
従って商用電力からの購買電力の増分は次式で表される。
Figure 2006178626
上記に例示した各事例の如く実際に入力パラメータを運用計画策定時から変えて、上記のように定式化した出力調整量と、最適化計算を再実行して求めた値(真の増分とも呼ぶ。)とを比較して、定式化した出力調整量の精度を確認した。また、実際にコストの変化分も計算して、比較した。
本実施例における図1に示すエネルギーシステム1の構成機器の具体例を表1に示す。
Figure 2006178626
また、Y=aX+bX+cのように2次関数で表現される各エネルギー機器4の特性関数の係数の具体例を表2に示す。
Figure 2006178626
また、ある計画対象時間帯について設定した電気料金および燃料(ガス)料金の具体例を表3に示し、当該計画対象時間帯における予測需要の具体例を表4に示す。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
先に説明した非線形計画法に基づく最適化計算を行った結果の各エネルギー機器4の出力を表5に示す。
Figure 2006178626
<事例1:冷熱需要が変化するケース>
冷熱需要が運用計画策定時の予測値から100USRT増えて2360USRTとなった場合の、修正案候補1〜4における真の増分と定式化した出力調整量とを比較する。
<事例1の修正案候補1>
修正案候補1では、購買電力と電動冷凍機4Cnで冷熱需要の変化に対応する。電動冷凍機4Cは1台であるので、電動冷凍機4CではRE1の出力を調整して、冷熱需要の増加に対応する。RE1の出力調整量は100USRTである。表6に計算結果を示す。詳細計算法では真の増分と一致した。
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補2>
修正案候補2では、コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmで冷熱需要の変化に対応する。吸収式冷凍機4DはRS1を用いた。RS1の出力を調整して、冷熱需要の増加に対応する。RS1の出力調整量は100USRTである。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表7にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表8にCU3を用いた場合の計算結果を示す。尚、CU1を用いた場合を事例1の修正案候補2−1とし、CU3を用いた場合を事例1の修正案候補2−2とする。詳細計算法ではほぼ真の増分と一致した。簡易計算法でも真の増分に近い値となった。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補3>
修正案候補3では、コジェネレーション装置4Aiと電動冷凍機4Cnで冷熱需要の変化に対応する。電動冷凍機4Cは1台であるので、電動冷凍機4CではRE1の出力を調整して、冷熱需要の増加に対応する。RE1の出力調整量は100USRTである。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表9にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表10にCU3を用いた場合の計算結果を示す。尚、CU1を用いた場合を事例1の修正案候補3−1とし、CU3を用いた場合を事例1の修正案候補3−2とする。詳細計算法では真の増分と一致した。簡易計算法でも出力の調整量はほぼ一致した。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例1の修正案候補4>
修正案候補4では、コジェネレーション装置4Aiと複数台の吸収式冷凍機4Dと複数台の電動冷凍機4Cで冷熱需要の変化に対応する。吸収式冷凍機4Dは2台とも用い、電動冷凍機4Cは1台だけなので1台用いた。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表11にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表12にCU3を用いた場合の計算結果を示す。尚、CU1を用いた場合を事例1の修正案候補4−1とし、CU3を用いた場合を事例1の修正案候補4−2とする。詳細計算法ではコストの変化に若干の違いがあるがほぼ真値に一致している。簡易計算法でも調整量はほぼ真値に一致している。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例2:電力需要が変化するケース>
電力需要が運用計画策定時の予測値から100kW増えて3260kWとなった場合の、修正案候補1,2における真の増分と定式化した出力調整量とを比較する。
<事例2の修正案候補1>
修正案候補1では、コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dと電動冷凍機4Cとで電力需要の変化に対応する。吸収式冷凍機4Dは2台とも用い、電動冷凍機4Cは1台だけなので1台用いた。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表13にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表14にCU3を用いた場合の計算結果を示す。コストの変化量に若干の違いがあるがほぼ真値に一致している。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例2の修正案候補2>
修正案候補2では、電力需要の変化分は購買電力で賄う。この場合は、購買電力が100kW増えるだけなので、コストの増分は100kW×16円/kW=1600円となる。
<事例3:電気料金が変化するケース>
電気料金が運用計画策定時の設定値から2円/kW増えて18円/kWとなった場合の、修正案候補における真の増分と定式化した出力調整量とを比較する。
<事例3の修正案候補>
コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmと電動冷凍機4Cnとで電気料金の変化に対応する。吸収式冷凍機4DはRS1を用いた。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表15にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表16にCU3を用いた場合の計算結果を示す。若干の違いがあるものの、どちらもほぼ真値に一致した。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
<事例4:燃料料金が変化するケース>
ガス料金が運用計画策定時の設定値から2円/Nm増えて72円/Nmとなった場合の、修正案候補における真の増分と定式化した出力調整量とを比較する。
<事例4の修正案候補>
コジェネレーション装置4Aiと吸収式冷凍機4Dmと電動冷凍機4Cnとで電気料金の変化に対応する。吸収式冷凍機4DはRS1を用い、電動冷凍機4Cは1台だけなのでRE1を用いた。コジェネレーション装置4AについてはCU1とCU3を用いた場合に分けて計算した。表17にCU1を用いた場合の計算結果を示し、表18にCU3を用いた場合の計算結果を示す。若干の違いがあるものの、どちらもほぼ真値に一致した。
Figure 2006178626
Figure 2006178626
電力需要、冷熱需、電気料金、ガス料金といった各種パラメータが運用計画策定時の値から変化した場合の各修正案候補における出力調整量とコストの変化量は、表6から表18に示したとおりである。このように各修正案候補で出力調整量をまず算定し、それを使ってコストの変化量も算定し、該当事例に対応するそれぞれの修正案候補の中で最もトータルコストを安く出来るものを採用すればよい。例えば事例1に対応する各修正案候補のコストの変化量は、以下の表19に示すものとなる。
Figure 2006178626
この表19より、簡易計算法で計算した場合には修正案候補1が選択され、詳細計算法で計算した場合には修正案候補4−1が選択されて、前日以前に策定したエネルギーシステム1の運用計画の修正案となる。なお、実際の現場でこの修正案を検討した結果、運用上の都合などの事情で実行できないとなれば、修正案を微調整して実際のエネルギーシステム1の仕様等に合わせるか、2番目、3番目にコストの安い修正案候補を検討する。
以上のように本発明のエネルギーシステム運用計画の修正方法および装置およびプログラムによれば、運用計画の基となった予測に基づく各種パラメータ、例えば電力・冷熱・温熱の各需要や電気料金や燃料の料金が、運転当日等に判明した実際値とずれている場合でも、当該運転当日に、運用計画を再度策定し直すことなく、迅速に適切な調整対象機器の出力調整量を求めることができる。運用者の経験や勘に頼ることなく、例えばトータルコストを最小とするといった運用計画策定時の目標を損なうことなく、パラメータ変化に直ちに対応した適切な運用計画の修正が行える。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、エネルギー機器4の出力調整量ΔXを表す式としてテーラー展開の1次近似及び2次近似を用いているが、これに限られず、テーラー展開の3次以上の近似を用いても良い。
エネルギーシステムの一例を示す構成図である。 本発明のエネルギーシステム運用計画の修正方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明のエネルギーシステム運用計画の修正方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明のエネルギーシステム運用計画の修正装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 エネルギーシステム
2 電力・温熱供給手段
3 冷熱供給手段
4 エネルギー機器
4A コジェネレーション装置
4B ボイラー装置
4C 電動冷凍機
4D 吸収式冷凍機
5 熱交換器
6 冷却塔
7 運用計画策定手段
8 運用計画修正装置

Claims (9)

  1. 燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する方法であり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する修正案候補を予め用意すると共に、前記修正案候補について入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め求めておき、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量が明らかとなった場合に、前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求めて、前記運用計画を修正することを特徴とするエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  2. 前記電力・温熱供給手段は、燃料を動力源として電力と温熱を同時に出力する1台または複数台のコジェネレーション装置と、燃料を動力源として温熱を出力する1台または複数台のボイラー装置とを有することを特徴とする請求項1記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  3. 前記冷熱供給手段は、電力を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の電動冷凍機と、温熱を動力源として冷熱を出力する1台または複数台の吸収式冷凍機とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  4. 前記関係式の一部または全部が1次関数であり、入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量を予め求めておき、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量と、予め求めてある入力パラメータの単位変化あたりの調整対象機器の出力調整量との比例関係から、実際の入力パラメータの変化量に対応する前記調整対象機器の出力調整量を求めることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  5. 前記特性関数の一部または全部が2次以上の関数であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  6. 前記修正案候補は、入力パラメータ変化の同一ケースについて複数が用意されると共に、前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部の構成機器の出力量を前記関係式に基づいて調整し、当該一部以外の構成機器の出力量は前記運用計画のまま一定とするものであり、且つ当該複数の各修正案候補を選択した場合のそれぞれの前記目的関数の値を求めて、複数の修正案候補の中から当該目的関数の値が最小となる又は目的関数の悪化を目的の範囲に抑えられる修正案候補をパラメータの変化に対応するための修正案として採用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  7. 前記入力パラメータは、電気料金および燃料料金の予測値を含み、前記目的関数は、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の稼動に必要な電気料金および燃料料金の合計を表すことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のエネルギーシステムの運用計画修正方法。
  8. 燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する装置であり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する予め用意された修正案候補について、入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式が予め記憶されており、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量が入力されると、該当する前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求めて、前記運用計画の修正案を出力することを特徴とするエネルギーシステムの運用計画修正装置。
  9. 燃料を動力源として電力と温熱を出力する電力・温熱供給手段と、電力または温熱の一方または双方を動力源として冷熱を出力する冷熱供給手段とを有するエネルギーシステムについて、予め設定された前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の特性関数と、未来の運転時間帯について予測された電力需要および温熱需要および冷熱需要を少なくとも含む入力パラメータとに基づいて、電力需要および温熱需要および冷熱需要を満足し尚且つ目的関数を最小とする又は目的関数を目的の範囲とする前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の当該運転時間帯における出力量が定められた運用計画を修正する装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、入力パラメータの一部または全部の変化に対応して前記電力・温熱供給手段および前記冷熱供給手段の一部または全部の構成機器の出力量を調整する予め用意された修正案候補について、入力パラメータの変化量と調整対象となる機器の出力調整量との関係式を予め記憶しておく手段と、予測値から真値への実際の入力パラメータの変化量の入力を受け付ける手段と、該当する前記関係式に当該実際の入力パラメータの変化量を代入して前記調整対象機器の出力調整量を求める手段と、前記運用計画の修正案を出力する手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするエネルギーシステムの運用計画修正プログラム。
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