本発明の特徴は電話交換機に収容された加入者回線に接続した通信端末機の主機能を持つ伝送装置を加入者回線に侵入する雷による雷被害から安全に保護するものである。
雷により伝送装置に誘導ノイズが発生するメカニズムは、雷が発生し稲妻の放電が起き、稲妻の放電に伴って発生する雷ノイズを含んだ電波か大気空間に放出され大気空間を伝搬していく。大気空間に放出された雷ノイズを含んだ電波は周辺に存在する様々な対象物である機器や設備に誘導され侵入していく。本発明における実施の形態の場合は、大気空間に放出された雷ノイズを含んだ電波が電話局に収容された伝送装置が接続されている加入者回線へ誘導され侵入して来る。
雷による稲妻の放電が起き場合、対象物(本発明における実施の形態の加入者回線)に落雷し直接放電する現象と、落雷に至らない誘導雷として雷ノイズを含んだ電波が対象物(本発明における実施の形態の加入者回線)に誘導され侵入する現象がある。
落雷による場合は稲妻の放電による膨大なエネルギーが加入者回線に印加されることになる。このようなことから加入者回線に接続された伝送装置は破壊に至ってしまう。
しかし、落雷に至らない誘導雷としての雷ノイズのレベルは小さいため、誘導雷が加入者回線へ誘導され侵入する現象が起きても伝送装置は破壊されない。
本発明は落雷前の誘導雷の状態で雷ノイズを検出し、伝送装置を加入者回線から切り離すことにより落雷の危険から通信端末機を安全に保護できるようにするものである。
即ち誘導雷の状態で雷ノイズを検出し、雷対策を実行すれば、誘導雷の雷ノイズのレベルでは加入者回線に接続された伝送装置は破壊に至らないことである。本発明における実施の形態では、誘導雷の状態で雷ノイズが自然に加入者回線に到来したことで特にレベルの閾値を設けることなく検出できるが、検出の過剰検出反応による伝送装置を加入者回線から切り離され通信ができなくなることが生じないような防衛策として誘導雷の雷ノイズのレベルの下限値を閾値として設定して過剰検出反応を抑える構成にもできるようにしてある。
電話交換機に収容された加入者回線に接続した通信端末機の主機能を持つ伝送装置の通信信号周波数帯域は300Hz〜3400Hz(4KHz帯域)である。このような通信信号周波数帯域で通信されている加入者回線に雷による誘導ノイズが侵入してくる。加入者回線に直撃の落雷時には膨大な雷被害を受け通信端末機の伝送装置が破壊されてしまう。
本発明の特徴は落雷前の誘導雷の状態で雷による誘導ノイズを検出し、雷被害から通信端末機の伝送装置を保護するものである。
雷の特性として、種々さまざまなものが発生するが、雷の高周波ノイズとして、以下のような周波数帯が存在していると考えられている。
LF(長波:30〜300KHz)
MF(中波:300KHz〜3MHz)
VHF(短波および中短波:3MHz〜300MHz)
UHF(極超短波:300MHz〜3GHz)
上記周波数帯でMF(中波:300KHz〜3MHz)以下およびUHF(極超短波:300MHz〜3GHz)以上の周波数はすぐに減衰してしまい近距離しか伝達しないが、VHF(短波帯および中短波帯:3MHz〜300MHz)だけが遠方まで伝達するものである。3.5MHz帯がよく伝達すると考えられている。
雷の雛形として、波形立ち上がり時間が0.1μs〜数μs程度で継続期間が10μs〜数百μsの範囲で想定する。このような雷波形においては数MHz近辺の周波数のものが、含まれる雷の高周波ノイズのなかでも高いレベルを構成し伝達距離も長いものである。
以上のようなことから加入者回線での通常の通信で伝送されている通信信号帯域が4KHzであることを考慮し、雷ノイズの検出帯域を通信信号帯域の4KHz以上にする。このように雷ノイズの検出を通信信号帯域の4KHz以上の帯域で行うことで通常の通信で伝送されている通信信号と雷ノイズを分別して検出することが可能になる。通信信号帯域外で雷ノイズを検出することで加入者回線に直撃による膨大な雷被害を受ける落雷前の誘導雷の状態で雷被害を防止し通信端末機の伝送装置を破壊から保護できることになる。
加入者回線に侵入してくる雷ノイズのレベルとしては考慮するものとして以下のようなものがある。
加入者回線に侵入してくる雷ノイズのあるものは加入者回線を収容している電話局に電力会社が配電する電力配電線から侵入するものがある。これは電力配電線に直接落雷するもの、電力配電線から分岐して配電されている種々の装置、設備からの回り込みによるもの、直接落雷しないまでも、電力配電線に誘導されるものがある。電力配電線はかなり遠方から配電されていることを考慮すると、直撃による数KV電圧レベルが電力配電線に侵入し、かなり高いレベルの雷ノイズが加入者回線に侵入する。また、電話局の他の加入者回線および電話局間中継回線からの該当加入者回線へ侵入してくる雷ノイズもある。電話局に収容され加入者回線は電話局の四方八方(360度全方向)から配設されており、該当外の加入者回線に直接落雷するもの、直接落雷しないまでも、加入者回線に誘導されるものがある。同じく、電話局間中継回線に直接落雷するもの、直接落雷しないまでも、電話局間中継回線に誘導されるものがある。これら加入者回線および電話局間中継回線に侵入する雷ノイズのレベルは直撃による数KV電圧レベルが侵入することを考慮すると、かなり高いレベルの雷ノイズが該当加入者回線に侵入する。
当然該当加入者回線についても直接落雷するもの、直接落雷しないまでも、該当加入者回線に誘導されるものがある。これについても雷ノイズのレベルは直撃による数KV電圧レベルが侵入することを考慮すると、かなり高いレベルの雷ノイズが該当加入者回線に侵入する。該当加入者回線に関しては直撃による雷被害を防止するため、考慮される電力配電線、電話局の他の加入者回線、電話局間中継回線、および該当自己加入者回線からの、該当加入者回線へ侵入してくる誘導雷の雷ノイズを監視し、検出することで、通信端末機の伝送装置を破壊から保護できることになる。
誘導雷により数Vの電圧が電力配電線、電話局の他の加入者回線、電話局間中継回線、および該当自己加入者回線からの、該当加入者回線へ侵入してくる。この誘導雷により数Vの電圧レベルは発生源の雷の大きさ、および受信側の条件にもよって変わるがこの程度の範囲のものが該当加入者回線へ侵入してくる。この誘導雷による電圧レベルの大きさは距離と共に減少していき、最終的には零になる。誘導雷により電圧は数Vから零の範囲に距離のパラメータにより分布していることになる。
誘導雷を検出する場合、誘導雷はかなり大きなレベル(数V程度の電圧レベル)で検出ができることになる。そこで、誘導雷はかなり大きなレベルで検出ができることから本発明の誘導雷を検出する方法として以下のような検出手段を取っている。
本発明における実施の形態においては、落雷前の誘導雷の雷ノイズを検出することにより、伝送装置を誘導雷の雷ノイズのレベルの状態では破壊に至らしめない状態で伝送装置を保護することができることになる。
落雷前の誘導雷の状態で雷ノイズが自然に加入者回線に到来したことで特にレベルの閾値を設けることなく検出できるが、過剰検出反応による伝送装置を加入者回線から切り離され通信ができなくなることが生じ場合が起こる。このような防衛策として誘導雷の雷ノイズのレベルの下限値を閾値として設定して過剰検出反応を抑える構成にする方法が取れる。この誘導雷の雷ノイズのレベルの下限値を閾値として設定する理由は、レベルの閾値を設ける設けないにはなんら関係なく誘導雷の雷ノイズは十分に検出できことであって検出できないための救済方法として閾値を設定するのではなく、あくまでも過剰検出反応を抑えるために設定するものである。
この過剰検出反応を抑えるために設定する手段として次の1つの手段と2つ目の手段がある。
1つの手段は、誘導雷の検出レベルを設定しないで誘導雷を検出しようとした場合検出が必要以上に低いレベルで感応してしまい加入者回線を開放するようにすると伝送装置の通信ができなくなってしまう不具合が生じてしまうことになる。
そこで、検出レベルの感応の下限レベルを設定し、この下限レベル以下の誘導雷には検出が感応しないように構成し、加入者回線を開放することによる伝送装置の通信ができなくなるような不必要な感応を防止している。
この検出レベルの感応の下限レベルを設定するにあたり、雷ノイズの検出レベルの閾値を設定する場合は、加入者回線での通常の通信で伝送されている通信信号は加入者回線を構成する2本間に関しては通信信号レベルが−30dbm以上あるものが通信されていたとしても、加入者回線が対地平衡通信特性によりバランスされているため、1本の加入者回線と対地間には漏れ通信信号レベルとしては極めて低いレベルの通信信号になっていることから、−30dbm以下かなり低いレベルを閾値として設定が可能となり通常の通信信号レベルから分別して雷ノイズを検出できる。
例えば、今検出レベルの閾値を−30dbmに設定したとすると、誘導雷によりレベルが−25dbmで該当加入者線に侵入してきたとしますと(このレベルは誘導雷が該当加入者線からある離れた距離に対応して発生する電圧レベルの大きさである)、誘導雷として検出できる。また誘導雷によりレベルが−35dbmで該当加入者線に侵入してきたとしますと(このレベルは前記誘導雷が該当加入者線からある離れた距離に対応して発生した−25dbmの電圧レベルの大きさより小さいことから更に離れた距離に対応して発生した誘導雷である)この−35dbmは検出できなく、当然伝送装置に印加されることになる、しかしこのレベルでは伝送装置は破壊されない。しかしながら、誘導雷の起生レベルからみて検出レベルの閾値は小さく設定することはできるが、反面小さくすることで加入者回線を開放することによる伝送装置の通信ができなくなる不具合が出てくる欠点が生じる。このよなことから雷ノイズの検出レベルの閾値を設けて不必要な感応を防ぐようにするため、検出レベルの閾値を設定できるようにしてある。
以上のように検出レベルの下限レベルの閾値として設定することにより、検出レベルの閾値以上の該当加入者線に侵入してくる誘導雷の大きさのものだけを誘導雷として検出するようにするものである。当然検出レベルの閾値を下げれば低いレベルで該当加入者線に侵入してくる誘導雷を検出可能になることは言うまでもありません。即ち検出レベルの閾値により不必要な検出の感応を抑えられる検出の調整ができるものである。
2つ目の手段は、前記1つ目の手段で設定した検出レベルの感応の下限レベルの閾値を雷防止通信端末機が設置される現場のフィールド状況に合わせ可変調整できるように構成するものである。このような2つ目の手段のような構成をとることにより実態がわからない雷に対しても設置環境状況に合わせた対応が可能となる。
以上の1つの手段と2目の手段はあくまでも過剰検出反応を抑えるために設定するものであるが敢えて過剰検出反応を抑えるように構成することもなく単に誘導雷の発生を検出するようにした次の3つ目の手段をとることもできる。だだし、この3つ目の手段では過剰検出反応を抑える調整できなくなる欠点は生じるが安価な検出手段が構成することができる。
3つ目の手段は、1つ目の手段はまたは2つ目の手段のように検出レベルの感応の下限レベルの閾値を設定し、閾値(Ref)を設定できる比較増幅器を用いて誘導雷を検出する構成にしているが、敢えて高価な比較増幅器を用いて検出レベルの感応の下限レベルの閾値を設定し誘導雷を検出することもなく単に増幅器により誘導雷の発生を検出するようにし、安価な検出手段としてもよい。
本発明を実施するに当たり、次のような事項につき考慮しておかなければならない。
[1]:誘導ノイズの大きさと、雷と伝送装置との間の距離、の関係。
[2]:伝送装置が雷の被害を受けないためには、雷と伝送装置との間の距離がどれくらいの時点で、加入者回線から伝送装置を切り離す必要があるか。
[3]:前記[2]で決まる距離に対応する、前記[1]で説明した誘導ノイズの大きさ。
[4]:閾値レベルを、前記[3]で求めた誘導ノイズの大きさよりも小さく、回路の過剰検出レベルよりも大きい値に設定する。
[5]:誘導ノイズの大きさは外部環境等に左右されるため、伝送装置にある決まった範囲のレベルで誘導ノイズが発生するようには思われず、このため、閾値レベルを決定することが困難ではないかとの懸念がある。
[1]に関しては、従来から加入者回線に誘導される雷ノイズを以下のように想定する。加入者回線に侵入してくる誘導雷は発生源の雷の大きさ、および受信側の条件によって変わるが、誘導雷による電圧レベルの大きさは距離と共に減少していき、最終的には零になる。誘導雷により加入者回線に侵入してくる電圧レベルの一例として公開実用昭和57−108329に開示されているような加入者回線L1,L2間に挿入した雷ノイズ短絡用のバリスタにより吸収し、通話に影響する雷ノイズを防いでいた、このようなことから誘導ノイズの大きさは、少なくともバリスタの双方向順電圧降下分相当のレベル(電圧レベルで0.7Vオーダ)が誘導される。勿論これ以上のレベルのものも到来するが上限がどのくらいの値があるかはデータがなく定かでない。このように加入者回線に侵入してくる誘導雷は発生源の雷の大きさ、発生源と加入者回線との間の距離によっても変わるが、誘導雷による電圧レベルの大きさは距離と共に減少していき、零Vから0.7Vそしてさらに大きい上限値の範囲に発生源の雷の大きさおよび発生源と加入者回線との間の距離のパラメータにより分布していることになる。例えば0.7Vオーダの誘導ノイズは発生した雷そのもの大きさが大きいものであれば大きい誘導ノイズが加入者回線に誘導される。また、発生した雷と加入者回線との間の距離によって誘導ノイズの大きさは変わってくる。即ち雷と伝送装置との間の距離に関しましては、近距離で小さく発生するものと、遠距離でも大きく発生するものとは加入者回線に同じレベルとして侵入する。0.7Vオーダの誘導ノイズは発生した雷そのもの大きさおよび雷と加入者回線との間の距離によって変わるが、0.7Vオーダの誘導ノイズを検出できれば、誘導雷を検出したこと、検出した時点で加入者回線から伝送装置を切り離すことを行えば伝送装置は雷の被害を受けないで雷被害から保護することができる。いずれにしても0.7Vオーダの誘導ノイズを検出できるように検波回路4および雷ノイズ測定手段5からなる制御回路2を構成する。特に検波回路4の増幅器は高感度のものを使用すればいくらでも低い電圧を検出できるもので0.7Vオーダのレベルのものは検出可能なレベルである。
[2]に関しては、なにがしかの誘導ノイズを(伝送装置が破壊されないレベルで)検出した時点(最も影響があると考えられる雷が加入者回線の真上にある場合の最接近距離於いても、ましては真上にある場合の最接近距離から離れている時点)で加入者回線から伝送装置を切り離すことが可能であるため(伝送装置が破壊されない状態で)、雷と伝送装置との間の距離は最接近距離で、加入者回線から伝送装置を切り離しても、伝送装置が破壊されなく、伝送装置は雷の被害を受けない済むことになる。
[3]に関しては、雷が加入者回線の真上にある場合の最接近距離於いて、0.7Vオーダの誘導ノイズを検出できるため、伝送装置が破壊されなく、伝送装置は雷の被害を受けないで済むことになる。
[4]に関しては、誘導雷の雷ノイズは十分に検出できることであって検出できないための救済方法として閾値を設定するのではなく、誘導雷の検出レベルを設定しないで誘導雷を検出しようとした場合検出が必要以上に低いレベルで感応してしまい加入者回線を開放するようにすると破壊されないような状態でも伝送装置が加入者回線から切り離され通信ができなくなってしまう不具合が生じてしまうことになる。そこで、検出レベルの感応の下限レベルを設定し、この下限レベル以下の誘導雷には検出が感応しないように構成し、加入者回線を開放することによる伝送装置の通信ができなくなるような不必要な感応を防止している。このようなことから、あくまでも過剰検出反応を抑えるための不具合を防止するための効果を目的とするために雷ノイズのレベルの下限値を閾値『誘導ノイズの大きさよりも小さく(当然動作検出を行っているレベルで動作検出を行わなくするレベルであることから当然誘導ノイズの大きさよりも小さく)、回路の過剰検出反応を抑えるための不具合を防止するために雷ノイズのレベルの下限値を閾値に設定するもので必要以上に動作検出しないレベル(当然動作検出を行わなくするレベルであることから当然回路の過剰検出レベルよりも大きく)』として設定する。
[5]に関しては、伝送装置にある決まった範囲のレベルで誘導されるのでなく、発生した雷と加入者回線との間の距離によって誘導ノイズの大きさは変わってくる。到来した誘導雷を到来したそのままの範囲のレベルで検出し、検出しない場合は何ら雷被害も受けなく良いことであり、検出した場合は加入者回線から伝送装置を切り離すことを行えば伝送装置は雷の被害を受けないことである。誘導雷の状態で雷ノイズを検出し、雷対策を実行すれば、誘導雷の雷ノイズのレベルでは加入者回線に接続された伝送装置は破壊に至らない。検出レベルの感応の下限レベルの閾値はいくら小さくても低くてもよく、無しでもよいことで、1つの実施の形態として前述の1つ目の手段または2つ目の手段のように閾値を設定する構成をとることにり、有効なレベル調整が可能となり無駄な検出を抑えられる効果ができることである。また、検出レベルの感応の下限レベルの閾値を特に設けない無し場合の1つの実施の形態として前述の3つ目の手段でもよい。しかし3つ目の手段に於いては、伝送装置が破壊されないような状態でも伝送装置が加入者回線から切り離され通信ができなくなってしまう不具合が生じてしまうことの防止調整ができなくなる効果ある手段は失われることになる。
以上記載したように閾値は誘導雷の雷ノイズを検出できないための救済方法として閾値を設定するのではなく、誘導雷を検出する場合閾値を設けないで誘導雷を検出しようとした場合、検出が必要以上に低いレベル(増幅器そのものが持っている能力のレベル)で感応してしまい、加入者回線を開放してしまうことを抑制できない。即ち破壊されないような状態でも伝送装置が加入者回線から切り離され通信ができなくなってしまう不具合が生じてしまうことになる。そこで、閾値として検出レベルの感応の下限レベルを設定し、この下限レベル以下の誘導雷には感応しないように検出抑止を行うように構成し、加入者回線を開放することによる伝送装置の通信ができなくなるような不必要な感応を防止している。このようなことから、あくまでも過剰検出反応を抑えるための不具合を防止するための効果を目的とするために雷ノイズのレベルの下限値である閾値は、誘導ノイズの大きさよりも小さく(当然動作検出を行っているレベルで動作検出を行わなくするレベルであることから当然誘導ノイズの大きさよりも小さく)、回路の過剰検出反応を抑えるための不具合を防止するために雷ノイズのレベルの下限値に設定するもので必要以上に動作検出しないレベル(当然動作検出を行わなくするレベルであることから当然回路の過剰検出レベルよりも大きく)として設定する。
本発明においては、前述の1つ目の手段または2つ目の手段により閾値を設けた実施の形態による無駄な検出を抑えられる有効なレベル調整が可能となる手段を用いている。
実際の実施の形態として閾値の決定方法は次のようにして実施できる。実際に加入者回線に伝送されている通信レベルが最高値レベルで0dbm(電圧レベルで0.776V)程度のものである。このようなことからも従来から加入者回線に誘導される雷ノイズを、加入者回線L1,L2間に挿入した雷ノイズ短絡用のバリスタにより吸収し、通話に影響する雷ノイズを防いでいた。バリスタのレベルは双方向順電圧降下分相当のレベル(電圧レベルで0.7Vオーダ)である。閾値を最高値レベルの通信レベル0dbm(電圧レベルで0.776V)から来る従来並みの雷ノイズ防止用のレベル0.7Vに設定する方法が取れる。閾値を0.7Vに設定すると0.7Vより低いレベルの誘導雷には感応しなく0.7V以上の誘導雷に感応することで従来並みの通信状態と同じ状態が達成できる。即ち0.7Vより低い誘導雷では感応しなく加入者回線を開かないため0.7Vまでの不必要な過剰検出反応を抑えることができることになる。前記は0.7Vより低い誘導雷に対する従来並みの作用効果が発揮されているが、本発明においては0.7V以上の誘導雷が加入者回線に到来したときに、従来よりもよりよい効果が発揮される。従来は0.7V以上になっても加入者回線を開かないでいるため落雷がきたときに伝送装置が破壊されてしまう。しかし、本発明においては0.7V以上で加入者回線を開放してしまうため落雷が到来しても伝送装置は保護されることになる。
以上は閾値のレベルを高く決定した実施の形態であるが、閾値のレベルを低く決定する方法につき記載する。これは加入者回線に接続するものが電話機であるような場合である。電話機を使う場合は人間が会話を行うため、少々加入者回線が開放され会話が中断しても伝送装置のように通信データが遮断されることに比較して影響が少ない。加入者回線に電話機が接続された場合は閾値のレベルを低く決定することができる。閾値の下限の方はいくら低くしてもよく、低くすればするほど雷被害からの影響を少なくできる方向にある。
極端な場合の方法として閾値を零V(無し)の状態に決定することができる。閾値を零(無し)の状態に決定した状態は増幅器が保有する固有の能力の状態と同じ状態になることから、閾値を零(無し)の設定の場合は前述した閾値を持たない単なる増幅器による3つ目の手段により行うことで安価な効果が得られる。
以上のように閾値のレベルの決定方法は低い方の下限値は零Vから高い方は0.7Vまでの範囲で決定できることにある。このようなことから本明細書の中で本発明の閾値のレベルの実施の形態は1つの実施の形態として−30dbmとして説明する。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の雷防止通信端末機の構成の第1の実施の形態を示す構成図である。
図2は本発明の検波回路の第1の実施の形態を示す構成図である。
図1を参照すると、電話交換機10に収容される加入者回線L1,L2を介して通信端末機30が接続されている。通信端末機30はメインの通信を行う伝送装置6と、伝送装置6を雷被害から保護する種々の回路から構成されている。
本発明の雷防止通信端末機の構成の第1の実施の形態においては、伝送装置6を雷被害から保護する回路として、コンデンサー3と、制御装置2と、開閉器1と、伝送装置6に内蔵された雷情報判断手段7とから構成している。コンデンサー3は加入者回線L1,L2に誘導される雷ノイズを制御装置2へ接続する。制御装置2は雷ノイズの高周波成分を検出する検波回路4と雷ノイズ測定手段5で構成されている。検波回路4は雷ノイズの高周波成分を検出し雷ノイズ測定手段5に出力する。雷ノイズ測定手段5は検波回路4から出力される高周波成分による検波信号の状態を監視し、それが雷によるノイズと判断し、落雷を予知した場合は開閉器1を開くように制御する。開閉器1は加入者回線L1,L2と伝送装置6の接続状態(閉じた状態)と遮断状態(開放した状態)を作り加入者回線L1,L2に侵入する雷を遮断し伝送装置6を保護する。
開閉器1を介して加入者回線L1,L2に伝送装置6が接続されている。開閉器1は制御装置2により制御される。制御装置2では、加入者回線L1,L2からの信号はコンデンサー3により直流分を含む極めて低い周波数分がカットされ加入者回線L1,L2で通常の通信で伝送されている通信信号波の加入者回線L1,L2と対地不平衡により生じた漏れ通信信号波を含む高周波成分のみが通過され、検波回路4へ接続される。本発明の検波回路4の第1の実施の形態において、検波回路4は加入者回線L1,L2からの雷ノイズ波を含む高周波成分をハイパスフィルタ41により通信信号帯域(4KHz以下)をカットし(ハイパスフィルタ41では遮断周波数foを4KHzから、通信信号と雷ノイズによる高周波成分を分別するに十分な4KHz以上の高い遮断周波数foに余裕を持って設定できる)、通信信号帯域以上の高周波成分を通過させる。
ハイパスフィルタ41により通信信号帯域(4KHz以下)がカットされ、雷ノイズの高周波成分は同調器42により同調され、次段の検波器43にて検波される。検波された雷ノイズの高周波成分のレベルは次段の比較増幅器44に入力される。比較増幅器44に入力された高周波成分のレベルは、予め設定された比較レベルRefと比較される。この比較レベルRefは雷ノイズの高周波成分の検出レベルの閾値として設定するもので、雷ノイズによる高周波成分を通信信号波の加入者回線L1,L2と対地不平衡により生じた漏れ通信信号波の漏れレベルから分別可能なレベルに設定するものである。この比較増幅器44にて比較レベルRefと比較され比較レベルRefを超えた雷ノイズの高周波成分のレベルは比較増幅器44で増幅され論理HIGH信号として出力される。雷ノイズの高周波成分のレベルが比較レベルRefを超えない場合は比較増幅器44の出力は論理LOW信号のままである。
以上の検波回路4を構成するハイパスフィルタ41、同調器42、検波器43、および比較増幅器44は、加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線毎に対応して設けられている。このような2対の構成をとることにより各加入者回線に誘導された雷ノイズの高周波成分を独立に検出できる構成になっている。最終的には検波回路4でそれぞれの加入者回線L1,L2に誘導された雷ノイズの高周波成分は比較増幅器44で増幅され、論理値が出力される。出力された論理信号は次段の論理和回路45にて加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線に対応して論理和が取られ、雷ノイズ測定手段5へ出力される。
以上の検波回路4の第1の実施の形態においては雷ノイズの高周波成分は完全な形で検出が可能になる。
雷ノイズ測定手段5は、高周波成分に含まれるノイズの状態を監視する。それが雷によるノイズと判断し、落雷を予知した場合は開閉器1を開くように制御する。開閉器1が開くことにより伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離す。雷ノイズ測定手段5のノイズの状態の監視と判断は、前段の検波回路4の論理和回路45からの論理和信号出力の状態を監視することで判断される。実際の動作の第1の実施の形態として出力論理和信号の論理HIGHの出力継続時間は予め決められた時間継続しているか(例として10μs〜100μsの長さがあるか)、および予め決められた時間内(例えば5分間内)に発生する回数はどのぐらいの回数か(例えば10回か)を監視することによって、雷ノイズを判断する。
以上のように本発明の誘導雷と判断する構成は、雷ノイズ測定手段5が、加入者回線L1,L2の通信信号を監視し、伝送装置6で本来通信している通信信号帯域300Hz〜3400Hz(4KHz以下)を除外し、誘導雷の高周波成分(4KHz以上)に含まれるノイズのレベル(本第1の実施の形態における閾値−30dbm以上の雷ノイズ0.7V)を検出し、その検出信号の出力継続時間は予め決められた時間継続しているか(例として10μs〜100μsの長さがあるか)、および予め決められた時間内(例えば5分間内)に発生する回数はどのぐらいの回数か(例えば10回か)を監視することによって、雷ノイズを判断する。
本発明の構成の第1の実施の形態においては、伝送装置6は雷情報判断手段7を内蔵し、ネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20から気象情報を抽出し、落雷の危険性を予知する。ネットワーク100としてはインターネットとか専用の通信回線で構成されるものである。また、雷情報提供センター20は、特開2002−152380号公報(特許文献4参照。)に記載されている雷害管理システムの監視局の気象情報に基づいて雷の発生地点の移動を予測するものや、特開2003−067477号公報(特許文献5参照。)に記載されている地域関連情報提供システムの雷情報を提供するサーバから地域の雷情報を提供するものと同じように、雷情報を含む気象情報を観測し、情報収集し、ネットワーク100を介して伝送装置6の雷情報判断手段7へ気象情報を提供している。
雷情報提供センター20は各地域の雷情報を観測し、ネットワーク100を介して気象情報を提供する場合、雷情報を要求する伝送装置6の雷情報判断手段7からの地域(位置)情報を受信し、その地域(位置)の雷被害の危険度を示す指標を雷情報判断手段7に提供する。実施の形態としては雷被害の危険度を示す指標を決定する元は雷雲による発生電界を測定し、電界の強弱度合いによるものである。例えば指標1から5までの5段階の指標を伝送装置6の雷情報判断手段7にある一定の観測周期で送信するか、指標か変化したことにより送信するようにする。
雷情報判断手段7が雷情報提供センター20から受信した気象情報から自地域に関する雷被害の危険度を示す指標、および指標の変化間隔等から落雷の危険性を予知したときには、制御装置2へ信号を送り、開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離す。また、開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離した後、開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する場合、2つの方法がある。1つは予め設定された時間(例えば1時間)開閉器1を開放した後に伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する。2つ目は雷情報提供センター20から指標を継続して受信し、落雷の危険性が無くなったと予知したときに開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する。
次に、本発明を実施するための最良の形態の動作について図面を参照して説明する。
電話交換機10に収容される加入者回線L1,L2には、雷が発生した場合、雷による誘導ノイズが加入者回線L1,L2に侵入する。誘導ノイズは特有の高周波成分を含んだノイズである。
この雷による誘導ノイズは加入者回線L1,L2で伝送される通常の通信で使用する周波数よりも高い周波数でも観測できるため、コンデンサー3を通過させると、加入者回線L1,L2からの信号はコンデンサー3により直流分を含む極低い周波数分がカットされ加入者回線L1,L2で通常の通信で伝送されている通信信号波の加入者回線L1,L2と対地不平衡により生じた漏れ通信信号波を含む高周波成分を含む高周波成分のみが通過され、検波回路4へ接続される。
検波回路4はノイズ成分を特定の周波数帯から切り出して検波する。
雷ノイズ測定手段5は、図5に示すような流れ図により雷の発生を予測する。
雷が予測された場合は、開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2を伝送装置6から切り離し、落雷による雷サージ電流や誘導電圧から伝送装置6を保護する。
また、雷ノイズ測定手段5は開閉器1を開いた後も引き続き測定を続け、雷ノイズが検出されなくなり、落雷の危険が無くなったと判断された場合に開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2と伝送装置6を接続する。
図6は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法のインターネットを介して気象情報を受信して雷防止制御を行う動作の第1の実施の形態を示す流れ図である。
伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7は、インターネット等のネットワーク100を介して雷情報提供センター20から気象情報を取得し、自局付近に雷が発生したことを予知すると、制御装置2に信号を送り開閉器1を予め設定された一定時間開いて加入者回線L1,L2から伝送装置6を切り離す。また、開閉器1を一定時間開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離した後、一定時間経過後開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する。
雷の予測として誘導ノイズの高周波成分を用いることは以下のような目的効果からである。実際に加入者回線L1,L2に落雷し加入者回線L1,L2に雷サージ電流が侵入してくることによる雷サージ電流を用いた雷検出方法では伝送装置6を落雷による雷サージ電流から伝送装置6を保護できない。この理由としては、雷サージ電流は電力エネルギー的にも大きいことである。さらに、雷サージ電流により直接開閉器1をする場合は、雷サージ電流が加入者回線L1,L2に到来してから、加入者回線L1,L2と伝送装置6を開閉器1を使用して遮断開放するまでの動作遅延がある。そのため、開閉器1が遮断開放されるまでどうしても電力エネルギー的にも大きい雷サージ電流が伝送装置6に加わってしまい伝送装置6が破壊される場合が多々生じてしまう。
そこで、本発明の実施の形態に示すような誘導雷の誘導ノイズの高周波成分を用いる雷検出方法では落雷による雷サージ電流が加入者回線L1,L2に直撃する前の誘導雷の状態に誘導ノイズの高周波成分を検出し開閉器1を開放することにより伝送装置6を保護できる。即ち誘導雷の誘導ノイズの高周波成分を用いる雷検出方法では高周波成分による検出時の信号レベルが誘導雷の誘導ノイズのレベルである。この検出時の信号レベルとしては落雷時の雷サージ電流に比べて極めて電力エネルギーの低いものである。この誘導ノイズが開閉器1の開放前に伝送装置6に加わっても電力エネルギー的には低いものであるので伝送装置6を破壊することには至らない。
電力配電線、電話局の他の加入者回線、電話局間中継回線、および該当自己加入者回線からの、該当加入者回線へ侵入してくる誘導雷の雷ノイズを監視し、検出することで、通信端末機の伝送装置を破壊から保護できることになる。高周波成分による検出信号レベルが誘導雷の誘導ノイズのレベルであるものであることから、直に加入者回線L1,L2に落雷しなくても電力配電線、電話局の他の加入者回線、電話局間中継回線からの、該当加入者回線へ侵入してくる誘導雷のノイズを監視し、検出することが可能になる。このことは雷が該当加入者回線L1,L2に落雷する前の誘導雷の状態で開閉器1を開放でき伝送装置6を破壊から十分に保護することができる。
また、開閉器1を開放して伝送装置6を破壊から保護する方法として、伝送装置6は雷情報判断手段7がインターネット等のネットワーク100を介して雷情報提供センター20から気象情報を入手し、雷が自局地域に接近し落雷前の誘導雷の状態で雷到来を予知し開閉器1を開くようにする構成にする。
以上のように加入者回線L1,L2に侵入してくる雷による誘導雷の誘導ノイズの高周波成分による信号検出方法と、伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7で雷情報提供センター20から気象情報を入手する方法の2つの方法を併用することで落雷の前の誘導雷の状態で開閉器1を開放し伝送装置6を破壊から十分に保護することができる。即ち伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7で雷情報提供センター20から気象情報を入手する方法だけによると時間的に間に合わないとか地域的に情報がもれてしまって前もって対策ができないことが生じて伝送装置6を破壊から十分に保護することができない。そこで誘導雷の誘導ノイズの高周波成分による信号検出方法を併用することで落雷前の誘導雷の状態で検出するため伝送装置6を破壊から保護することができる。
つぎに本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第1の実施の形態につき図5を参照して説明する。
図5は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第1の実施の形態を示す流れ図である。
雷ノイズ測定手段5は加入者回線L1,L2に侵入している信号の高周波信号ノイズを検波回路4で検出して出力された信号を一定時間(例えば5分間の区間)測定する(ステップS10)。次に、ノイズ一回当たりの長さがそれぞれ規定内(例えば10μ秒から100μ秒の長さ)かを判断する(ステップS11)。
次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断する(ステップS12)。
次に、ノイズレベルが規定以上かを判断する(例えば−30dbm以上)(ステップS13)。実際はこのノイズレベルが規定以上かを判断する動作は検波回路4を構成している比較増幅器44の予め閾値として設定された比較レベルRefと比較されていることからステップS11およびステップS12がYES実行されることで達成されている。
本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の実施の形態として比較レベルRefを設定する場合、電力配電線、電話局の他の加入者回線、および電話局間中継回線からの、該当加入者回線へ侵入してくる誘導雷の雷ノイズを監視し、検出することで、誘導雷の雷ノイズは高いレベルにあることと、高周波成分の比較レベルRefを通信信号波の加入者回線L1,L2と対地不平衡により生じた漏れ通信信号波の漏れレベルが十分低い。そのため分別可能な比較レベルとして低いレベルに設定することができる。しかし低い比較レベルRefに設定してしまうと必要以上にこの低い比較レベルRefで検出反応が起き開閉器1をオープン(開放)してしまい伝送装置6の通信ができなくなってしまい不具合が生じることになる。この比較レベルRefの設定は誘導雷の雷ノイズでは伝送装置6が破壊されることもないことからは必要以上に検出反応が起き伝送装置6の通信ができなくなってしまい不具合が生じないように下限値を設けて設定している。実施の形態としては−30dbmとして説明する。
ステップS11〜ステップS13の判断をすべて通過した場合は落雷の危険が有ると判断し、開閉器1をオープン(開放)とする(ステップS14)。さらに引き続き加入者回線L1,L2のノイズを一定時間(例えば5分間の区間)測定し(ステップS15)、一定時間(例えば5分間の区間)ノイズが発生していないかを判断する(ステップS16)。
ここで引き続きノイズ発生していれば(ステップS15)に戻り、測定を継続し、ノイズ発生が一定期間(例えば5分間の区間)無かった場合は落雷の危険が無くなったと判断し、開閉器1を閉じて伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続し通常状態に戻す(ステップS17)。
次に雷情報判断手段7の動作について、図6を参照して説明する。
伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7は通常外部のネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20に接続されているので、ネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20から伝送装置6が設置されている位置(雷情報判断手段7が雷情報提供センター20に自己の位置情報を送信すること)の雷被害の危険度を示す指標を入手する(ステップS20)。
次に、雷情報提供センター20から受信した雷被害の危険度を示す指標、および指標の変化間隔等から自地域に関する落雷の危険性を予知する(ステップS21)。
落雷の危険性を予知した場合は、雷警報の解除予測時間の間もしくは予め設定された時間(例えば1時間)の間、開閉器1を開くように制御し、加入者回線L1,L2から伝送装置6を切り離す(ステップS22)。
加入者回線L1,L2から伝送装置6を切り離し、予め設定された時間(例えば1時間)開閉器1を開放したかを計り予め設定された時間が経過したことで(ステップS23)、開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する(ステップS24)。
つぎに本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第2の実施の形態につき図7を参照して説明する。
図7は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第2の実施の形態を示す流れ図である。
雷ノイズ測定手段5は、図7に示すような流れ図により雷の発生を予測する。
雷が予測された場合は、開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2を伝送装置6から切り離し、落雷による雷サージ電流から伝送装置6を保護する。
また、雷ノイズ測定手段5は開閉器1を開いた後も引き続き測定を続け、雷ノイズが検出されなくなり、落雷の危険が無くなったと判断された場合に開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2と伝送装置6を再接続する。
本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第1と第2の実施の形態の目的、効果の違いは、第1の雷防止方法の動作の実施の形態においては、雷ノイズ測定手段5のノイズの状態の監視と判断は、前段の検波回路4の論理和回路45からの論理和信号出力の状態を監視し、出力論理和信号の論理HIGHの出力継続時間は予め決められた時間継続しているか(例として10μs〜100μsの長さがあるか)、を監視することで雷の継続特性を見ることでより雷ノイズを判別している。しかし第2の雷防止方法の動作の実施の形態においては、雷ノイズ測定手段5のノイズの状態の監視と判断は、雷の継続時間を監視しないで雷ノイズを判別している。これは雷の継続を監視しなくとも一定時間(例えば5分間の区間)測定し、次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断することにより雷の性格を判断できることができる。それと雷ノイズの継続時間が例として10μs〜100μsの長さのように比較的短く、第1の雷防止方法の動作の実施の形態のように雷ノイズの継続時間を監視するために、検波回路4を構成するハイパスフィルタ41、同調器42、検波器43、および比較増幅器44等の回路の応答速度を早くする必要がないことで安価な回路構成にできるからである。
図9は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法のインターネットを介して気象情報を受信して雷防止制御を行う動作の第2の実施の形態を示す流れ図である。
伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7は、インターネット等のネットワーク100を介して雷情報提供センター20から気象情報を取得し、自局付近に雷が発生したことを予知すると、制御装置2に信号を送り開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離す。また、開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離した後、落雷の危険性が無くなったと予知したときには、開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する。
次に雷ノイズ測定手段5の動作について、図7を参照して説明する。
雷ノイズ測定手段5は加入者回線L1,L2に侵入している信号の高周波信号ノイズを検波回路4で検出して出力された信号を一定時間(例えば5分間の区間)測定する(ステップS30)。次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断する(ステップS32)。
次に、ノイズレベルが規定以上かを判断する(例えば−30dbm以上)(ステップS33)。実際はこのノイズレベルが規定以上かを判断する動作は検波回路4を構成している比較増幅器44の予め閾値として設定された比較レベルRefと比較されていることからステップS32がYES実行されることで達成されている。
ステップS32およびステップS33の判断をすべて通過した場合は落雷の危険が有ると判断し、開閉器1をオープン(開放)とする(ステップS34)。さらに引き続き加入者回線L1,L2のノイズを一定時間(例えば5分間の区間)測定し(ステップS35)、一定時間(例えば5分間の区間)ノイズが発生していないかを判断する(ステップS36)。
ここで引き続きノイズ発生していれば(ステップS35)に戻り、測定を継続し、ノイズ発生が一定期間(例えば5分間の区間)無かった場合は落雷の危険が無くなったと判断し、開閉器1を閉じて伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続し通常状態に戻す(ステップS37)。
次に雷情報判断手段7の動作について、図9を参照して説明する。
伝送装置6に内蔵される雷情報判断手段7は通常外部のネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20に接続されているので、ネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20から伝送装置6が設置されている位置(雷情報判断手段7が雷情報提供センター20に自己の位置情報を送信すること)の雷被害の危険度を示す指標を入手する(ステップS40)。
次に、雷情報提供センター20から受信した雷被害の危険度を示す指標、および指標の変化間隔等から自地域に関する落雷の危険性を予知する(ステップS41)。
落雷の危険性を予知した場合は、制御装置2へ信号を送り、開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離す(ステップS42)。また、開閉器1を開き伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離した後、開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する場合、雷情報提供センター20から指標を継続して受信し、落雷の危険性が無くなったと予知したとき(ステップS43)、に開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する(ステップS44)。
次に、本発明の雷防止通信端末機の構成の第2の実施の形態について図8を参照して詳細に説明する。
図8は本発明の雷防止通信端末機の構成の第2の実施の形態を示す構成図である。
本発明の構成の第2の実施の形態においては、伝送装置6を雷被害から保護する回路として、コンデンサー3と、制御装置2と、開閉器1と、雷情報判断手段7とから構成している。コンデンサー3は加入者回線L1,L2に誘導される雷ノイズを制御装置2へ接続する。制御装置2は雷ノイズの高周波成分を検出する検波回路4と雷ノイズ測定手段5で構成されている。
本発明の構成の第1と第2の実施の形態の違いは、雷情報判断手段7を第1の実施の形態においては伝送装置6に内蔵しているものと、第2の実施の形態においては雷情報判断手段7を伝送装置6に内蔵してなく、伝送装置6外の通信端末機30外の通信端末機30内に備えているものによる違いである。
このような構成にすることによって、第1の実施の形態のように直接ネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20にアクセスもできる。
第2の実施の形態においては加入者回線L1,L2を経由してネットワーク100に接続し、外部の雷情報提供センター20から気象情報を入手する接続形態も構成できる。
雷情報判断手段7の機能として制御装置2に対し開閉器1の開閉指示は、インターネット等のネットワーク100を介して雷情報提供センター20から気象情報を取得し、自局付近に雷が発生したことを予知すると、開閉器1を開放し伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離す。開閉器1を開放した後再び閉じる場合、伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離した後、1つ目の方法は一定時間経過後開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する方法がとれる。また別の2つ目の方法として雷情報提供センター20から指標を継続して受信し、落雷の危険性が無くなったと予知したときに開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続することもできる。
通信端末機30が外部の雷情報提供センター20にアクセスし雷に関する気象情報を入手する場合で、接続形態として加入者回線L1,L2を経由してネットワーク100に接続し、外部の雷情報提供センター20から気象情報を入手する接続形態を取る場合も、第2の実施の形態では、1つ目の方法に加えて2つ目の方法として雷情報提供センター20から指標を継続して受信し、落雷の危険性が無くなったと予知したときに開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続することができる効果がある。
しかし第1の実施の形態では、通信端末機30が外部の雷情報提供センター20にアクセスし雷に関する気象情報を入手する場合は、接続形態として加入者回線L1,L2を経由してネットワーク100に接続し、外部の雷情報提供センター20から気象情報を入手する接続形態を取る場合、開閉器1を開放した後気象情報を入手する場合は前述の1つ目の方法でしか気象情報を入手することはできない。それは雷情報判断手段7が伝送装置6に内蔵されているため開閉器1を開放した後は、加入者回線L1,L2と伝送装置6が切り離されるため、1つ目の方法の一定時間経過後開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続する方法でしか再接続することはできないからである。
次に検波回路4の第2の実施の形態について図3を参照して詳細に説明する。
図3は本発明の検波回路の第2の実施の形態を示す構成図である。
本発明の検波回路4の第2の実施の形態において、検波回路4は加入者回線L1,L2からの雷ノイズ波を含む高周波成分をハイパスフィルタ41により通信信号帯域(4KHz以下)をカットする。ハイパスフィルタ41では遮断周波数foを4KHzから、通信信号と雷ノイズによる高周波成分を分別するに十分な4KHz以上の高い遮断周波数foに余裕を持って設定できる。ハイパスフィルタ41により通信信号帯域以上の高周波成分を通過させる。
ハイパスフィルタ41により通信信号帯域(4KHz以下)がカットされ、雷ノイズの高周波成分は次段の比較増幅器44に入力される。比較増幅器44に入力された高周波成分のレベルは、予め設定された比較レベルRefと比較される。この比較レベルRefは雷ノイズの高周波成分の検出レベルの閾値として設定するもので、雷ノイズによる高周波成分を通信信号帯域の漏れレベルから分別可能なレベルに設定するものである。この比較増幅器44にて比較レベルRefと比較され比較レベルRefを超えた雷ノイズの高周波成分のレベルは比較増幅器44で増幅され論理HIGH信号として出力される。雷ノイズの高周波成分のレベルが比較レベルRefを超えない場合は比較増幅器44の出力は論理LOW信号のままである。
以上の検波回路4を構成するハイパスフィルタ41および比較増幅器44は、加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線毎に対応して設けられている。このような2対の構成をとることにより各加入者回線に誘導された雷ノイズの高周波成分を独立に検出できる構成になっている。最終的には検波回路4でそれぞれの加入者回線L1,L2に誘導された雷ノイズの高周波成分は比較増幅器44で増幅され、論理値が出力される。出力された論理信号は次段の論理和回路45にて加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線に対応して論理和が取られ、雷ノイズ測定手段5へ出力される。
以上の検波回路4の第2の実施の形態においては雷ノイズの高周波成分をハイパスフィルタ41、比較増幅器44および論理和回路45だけで検出が可能になる。これはハイパスフィルタ41を通すことで通信信号帯域の通信信号レベルをカットできため、あえて雷ノイズの高周波成分を同調器42の同調および検波器43での検波を行わなくても、雷ノイズの高周波成分だけを比較増幅器44に導き比較レベルRefを超えた雷ノイズの高周波成分を検出できるからである。
次に検波回路4の第3の実施の形態について図4を参照して詳細に説明する。
図4は本発明の検波回路の第3の実施の形態を示す構成図である。
本発明の検波回路4の第3の実施の形態において、検波回路4は加入者回線L1,L2からの雷ノイズ波を含む高周波成分は次段の比較増幅器44に入力される。比較増幅器44に入力された高周波成分のレベルは、予め設定された比較レベルRefと比較される。この比較レベルRefは雷ノイズの高周波成分の検出レベルの閾値として設定するもので、雷ノイズによる高周波成分を通信信号帯域の通信信号レベルから分別可能なレベルに設定するものである。この比較増幅器44にて比較レベルRefと比較され比較レベルRefを超えた雷ノイズの高周波成分のレベルは比較増幅器44で増幅され論理HIGH信号として出力される。雷ノイズの高周波成分のレベルが比較レベルRefを超えない場合は比較増幅器44の出力は論理LOW信号のままである。
以上の検波回路4を構成する比較増幅器44は、加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線毎に対応して設けられている。このような2対の構成をとることにより各加入者回線に誘導された雷ノイズの高周波成分を独立に検出できる構成になっている。最終的には検波回路4でそれぞれの加入者回線L1,L2に誘導された雷ノイズの高周波成分は比較増幅器44で増幅され、論理値が出力される。出力された論理信号は次段の論理和回路45にて加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線に対応して論理和が取られ、雷ノイズ測定手段5へ出力される。
以上の検波回路4の第3の実施の形態においては雷ノイズの高周波成分を比較増幅器44および論理和回路45だけで検出が可能になる。これはハイパスフィルタ41を通さなくても、通信信号波の加入者回線L1,L2と対地不平衡により生じた漏れ通信信号波は極めて低いレベルのであり、雷ノイズの高周波成分のみが検波回路4へ接続される。このようなことからハイパスフィルタ41を通さなくても通信信号帯域の通信信号レベルは検波回路4へ入力されないことから、あえて雷ノイズの高周波成分を同調器42の同調および検波器43での検波を行なう必要がなく、雷ノイズの高周波成分だけを比較増幅器44に導き比較レベルRefを超えた雷ノイズの高周波成分を検出できるからである。
さらに本発明の検波回路4の第4の実施の形態がある。この検波回路4の第4の実施の形態について図14を参照して詳細に説明する。
図14は本発明の検波回路の第4の実施の形態を示す構成図である。
本発明の検波回路4の第4の実施の形態においては、検波回路4の第1の実施の形態から第3の実施の形態で使用している予め設定された比較レベルRefとした半固定型の比較増幅器44とは異なる比較増幅器44を使用するものである。
可変型の抵抗器を使用し比較増幅器44の比較レベル(V.Ref)を誘導雷の影響により自由に変更可能とする可変型(V.Ref)構成にしたものである。この検波回路4の第4の実施の形態にも検波回路4の第1の実施の形態から第3の実施の形態で使用している半固定型の比較増幅器44の代わりに可変型の比較増幅器44を使用した第1の実施の形態から第3の実施の形態に対応した実施の形態が構成できる。
以上の検波回路4の第4の実施の形態においては、誘導雷が実際どのように発生し、加入者回線L1,L2に誘導されてくるかも解らなくても、実際に現場に設置し、異常に反応し、伝送路が必要以上に開放し通信が妨げられる場合は、可変型の抵抗器を使用し比較増幅器44の比較レベル(V.Ref)を可変することにより通信が妨げられることを防止できる効果がある。
さらに本発明の検波回路4の第5の実施の形態がある。この検波回路4の第5の実施の形態について図15を参照して詳細に説明する。
図15は本発明の検波回路の第5の実施の形態を示す構成図である。
本発明の検波回路4の第5の実施の形態においては、前記検波回路4の第1および第2の実施の形態の通信信号帯域(4KHz以下)をカットし、雷ノイズの高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ41を、雷ノイズの高周波成分(例えば雷ノイズの遠方まで伝達する3.5MHz帯域を中心とするある幅を周波数帯域)のみを通過させるバンドパスフィルタ46により構成し、雷ノイズの高周波成分を通過させるようにしてもよい。このようにバンドパスフィルタ46を使用することで、通常の加入者回線L1,L2で伝送されている通信信号帯域300Hz〜3400Hz(4KHz帯域)が加入者回線L1,L2以外のような信信号帯域を使用するものに効果的に適用できる。
さらに本発明の検波回路4の第6の実施の形態がある。この検波回路4の第6の実施の形態について図16を参照して詳細に説明する。
本発明の検波回路4の第6の実施の形態は、誘導雷が実際どのように発生し、加入者回線L1,L2に誘導されてくるか解らないことから、敢えて比較レベルを設定した増幅器44を使用する代わりに増幅器47を使用した第1の実施の形態から第5の実施の形態に対応した実施の形態を構成したものである。
以上の検波回路4の第6の実施の形態においては、誘導雷が加入者回線L1,L2に誘導されたことで比較レベルを設定する煩わしいことも不要になり、比較増幅器44を簡単で安価な増幅器47を使用することで効果がある。
以上検波回路4の第1から第6の実施の形態について雷ノイズの高周波成分の検出は、加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線毎に対応して設け、論理和回路45にて加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線に対応して論理和が取られ、雷ノイズ測定手段5へ出力される。しかし検波回路4のさらに別の実施の形態として、雷ノイズの高周波成分の検出を、加入者回線L1,L2のそれぞれのL1,L2線毎に対応して設けない、加入者回線L1,L2のどちらか一方の加入者回線L1またはL2でだけ行うように構成し、ハイパスフィルタ41またはバンドパスフィルタ46、同調器42、検波器43、および比較増幅器44または増幅器47を1組に削減し、されに論理和回路45を不要にする構成にすることができる。
理由としては誘導の形態のためである。加入者回線L1,L2は互いにペアを組んで配設されているため加入者回線L1,L2のそれぞれの回線L1,L2線にはほとんど同様の誘導ノイズが印加されるため一方の加入者回線L1,またはL2だけを監視し雷ノイズを検出すれば十分であるかである。
つぎに検波回路4の第6の実施の形態の増幅器47を使用する本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第3および第4の実施の形態につき図面を参照して説明する。
第3および第4の実施の形態につき図面を参照して説明する。
まず、本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第3の実施の形態につき図17を参照して説明する。
図17は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第3の実施の形態を示す流れ図である。
雷ノイズ測定手段5は加入者回線L1,L2に侵入している信号の高周波信号ノイズを検波回路4で検出して出力された信号を一定時間(例えば5分間の区間)測定する(ステップS50)。次に、ノイズ一回当たりの長さがそれぞれ規定内(例えば10μ秒から100μ秒の長さ)かを判断する(ステップS51)。
次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断する(ステップS52)。
次に、ステップS51およびステップS52の判断を通過した場合は落雷の危険が有ると判断し、開閉器1をオープン(開放)とする(ステップS54)。さらに引き続き加入者回線L1,L2のノイズを一定時間(例えば5分間の区間)測定し(ステップS55)、一定時間(例えば5分間の区間)ノイズが発生していないかを判断する(ステップS56)。
ここで引き続きノイズ発生していれば(ステップS55)に戻り、測定を継続し、ノイズ発生が一定期間(例えば5分間の区間)無かった場合は落雷の危険が無くなったと判断し、開閉器1を閉じて伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続し通常状態に戻す(ステップS57)。
つぎに本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第4の実施の形態につき図18を参照して説明する。
図18は本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第4の実施の形態を示す流れ図である。
雷ノイズ測定手段5は、図18に示すような流れ図により雷の発生を予測する。
雷が予測された場合は、開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2を伝送装置6から切り離し、落雷による雷サージ電流から伝送装置6を保護する。
また、雷ノイズ測定手段5は開閉器1を開いた後も引き続き測定を続け、雷ノイズが検出されなくなり、落雷の危険が無くなったと判断された場合に開閉器1を制御して、加入者回線L1,L2と伝送装置6を再接続する。
本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第3と第4の実施の形態の目的、効果の違いは、第3の雷防止方法の動作の実施の形態においては、雷ノイズ測定手段5のノイズの状態の監視と判断は、前段の検波回路4の論理和回路45からの論理和信号出力の状態を監視し、出力論理和信号の論理HIGHの出力継続時間は予め決められた時間継続しているか(例として10μs〜100μsの長さがあるか)、を監視することで雷の継続特性を見ることでより雷ノイズを判別している。しかし第4の雷防止方法の動作の実施の形態においては、雷ノイズ測定手段5のノイズの状態の監視と判断は、雷の継続時間を監視しないで雷ノイズを判別している。これは雷の継続を監視しなくとも一定時間(例えば5分間の区間)測定し、次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断することにより雷の性格を判断できることができる。それと雷ノイズの継続時間が例として10μs〜100μsの長さのように比較的短く、第1の雷防止方法の動作の実施の形態のように雷ノイズの継続時間を監視するために、検波回路4を構成するハイパスフィルタ41またはバンドパスフィルタ46、同調器42、検波器43、および増幅器47等の回路の応答速度を早くする必要がないことで安価な回路構成にできるからである。
次に雷ノイズ測定手段5の動作について、図18を参照して説明する。
雷ノイズ測定手段5は加入者回線L1,L2に侵入している信号の高周波信号ノイズを検波回路4で検出して出力された信号を一定時間(例えば5分間の区間)測定する(ステップS60)。次に、一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断する(ステップS62)。
次に、ステップS62およびステップS63の判断を通過した場合は落雷の危険が有ると判断し、開閉器1をオープン(開放)とする(ステップS64)。さらに引き続き加入者回線L1,L2のノイズを一定時間(例えば5分間の区間)測定し(ステップS65)、一定時間(例えば5分間の区間)ノイズが発生していないかを判断する(ステップS66)。
ここで引き続きノイズ発生していれば(ステップS65)に戻り、測定を継続し、ノイズ発生が一定期間(例えば5分間の区間)無かった場合は落雷の危険が無くなったと判断し、開閉器1を閉じて伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続し通常状態に戻す(ステップS67)。
以上のように本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第1および第2の実施の形態と動作の第3および第4の実施の形態の違いは、動作の第1および第2の実施の形態においては比較レベルRefにより検出感度を調整し余分な伝送路の開放を防止できる効果があることと動作の第3および第4の実施の形態においては比較レベルを設定する煩わしいことも不要になり、簡単で安価な増幅器47を使用できる点にある。
前述の本発明の雷防止通信端末機の雷防止方法の動作の第1から第4の実施の形態で説明した雷ノイズ測定手段5の一定時間(例えば5分間の区間)の処理の実行ステップを行わないようにして雷ノイズ測定手段5の処理を早くし雷ノイズの検出判断をするようにしてもよい。
前記一定時間(例えば5分間の区間)の処理の実行ステップは次のステップである。加入者回線L1,L2に侵入している信号の高周波信号ノイズを検波回路4で検出して出力された信号を一定時間(例えば5分間の区間)測定する(ステップS10、S30、S50、またはS60)。一定時間(例えば5分間の区間)のノイズの中で何回(例えば10回以上)規定内のノイズが発生していたかを判断する(ステップS12、S32、S52、またはS62)。さらに引き続き加入者回線L1,L2のノイズを一定時間(例えば5分間の区間)測定し(ステップS15、S35、S55、またはS65)、一定時間(例えば5分間の区間)ノイズが発生していないかを判断する(ステップS16、S36、S56、またはS66)。
以上の実施の形態では、伝送装置6を元に説明したが、伝送装置6以外にも加入者回線L1,L2に接続された通信装置のFAX装置、電話機、電話回線が接続されたゲーム機器、その他の電話回線に接続された通信装置にも適用可能である。
また、加入者回線L1,L2以外にもテレビやFM受信アンテナ線、またはケーブルテレビの加入者ケーブルの開閉にも適用可能である。
また、雷の情報を雷情報提供センター20を運用している情報提供サービス業者がよりきめ細かくインターネットや専用の通信回線等で構成されるネットワーク100を介して提供することにより、雷の判断をより正確に実施することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図10を参照して詳細に説明する。
図10は本発明の雷防止通信端末機の構成の第3の実施の形態を示す構成図である。
図10を参照すると、伝送装置6をコンピューター9により制御し、さらにコンピューター9により開閉器1を制御し、落雷を防ぐように構成してある。この場合のコンピューター9での雷予知の判断手段は前述の実施の形態で示す雷情報判断手段7と同様で図6または図9の雷防止制御を行う動作を示す流れ図と同じとなる。
コンピューター9への落雷による誘導電圧の流入をさけるため、開閉器1とコンピューター9の間にはフォトカプラ8のような光信号と電気信号の変換器をおくように構成してある。更に、伝送装置6を使用していない時は伝送装置6への加入者回線L1,L2の接続が不要になるので、この場合も開閉器1を開いて加入者回線L1,L2から伝送装置6を切り離すことも可能である。
次に、本発明の第4の実施の形態について、図11を参照して詳細に説明する。
図11は本発明の雷防止通信端末機の構成の第4の実施の形態を示す構成図である。
この第4の実施の形態としては、雷情報判断手段7がインターネット等のネットワーク100を介して雷情報センター20にアクセスする場合も、雷情報判断手段7はフォトカプラ11を介してネットワーク100に接続するようにして外部との電気的接続を分断してもよい。
次に、本発明の第5の実施の形態について、図12を参照して詳細に説明する。
図12は本発明の雷防止通信端末機の構成の第5の実施の形態を示す構成図である。
図12を参照すると、加入者回線L1,L2を収容している電話交換機10を運用している回線提供者である電話局が気象情報により落雷の危険性を予知し、加入者回線L1,L2と並列に敷設された制御線で制御信号を通信端末機30に送り開閉器1を制御するように構成してある。
また、図12に示す構成で、制御線で制御信号を通信端末機30に送る代わりに特殊な信号を加入者回線L1,L2に加える、もしくは加入者回線L1,L2に供給する電圧を特殊な状態(例えば通常の加入者回線L1,L2間の電圧−48Vの2分の1の−24V)にすることにより、開閉器1を制御し、制御信号の代わりとする方法もある。
回線提供者である電話局が気象情報により落雷の危険性を予知する方法は、前述の第1および第2の実施の形態における雷情報判断手段7がネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20から気象情報を抽出し、落雷の危険性を予知するものとほぼ同様なもので雷情報判断手段7が行うことを回線提供者がネットワーク100を介して外部の雷情報提供センター20から気象情報を抽出し、落雷の危険性を予知するものである。
雷情報提供センター20は各地域の雷情報を観測し、ネットワーク100を介して気象情報を提供する場合、雷情報を要求する回線提供者からの加入者回線L1,L2位置情報を受信し、その位置の雷被害の危険度を示す指標を回線提供者に提供する。実施の形態としては雷被害の危険度を示す指標を決定する元は雷雲による発生電界を測定し、電界の強弱度合いによるものである。例えば指標1から5までの5段階の指標を回線提供者にある一定の観測周期で送信するか、指標か変化したことにより送信するようにする。
回線提供者である電話局が雷情報提供センター20から受信した気象情報から加入者回線L1,L2位置に関する雷被害の危険度を示す指標、および指標の変化間隔等から落雷の危険性を予知したときには、制御信号を通信端末機30に送り開閉器1を制御する。
以上本発明の雷防止通信端末機の構成の第1から第5の実施の形態を示す構成図で説明したように、加入者回線L1,L2からコンデンサー3を経て制御装置2を構成する検波回路4および雷ノイズ測定手段5に、雷ノイズを導くように接続した実施の形態について説明した。
しかし、加入者回線L1,L2からコンデンサー3を経て制御装置2を構成する検波回路4および雷ノイズ測定手段5に、雷ノイズを導くように接続する接続形態を開閉器1と伝送装置6の間から接続するようにしてもよい。この構成としたものが第6の実施の形態である。
本発明の第6の実施の形態について、図13を参照して詳細に説明する。
図13は本発明の雷防止通信端末機の構成の第6の実施の形態を示す構成図である。
この雷防止通信端末機の構成の第6の実施の形態の場合は、雷ノイズを検出し一定時間開閉器1を開放し伝送装置6を加入者回線L1,L2から切り離し、一定時間経過後に開閉器1を閉じ伝送装置6を加入者回線L1,L2に再接続することしかできないが、コンデンサー3、および検波回路4および雷ノイズ測定手段5を含む制御装置2を雷落雷による破壊から保護できる効果がある。
また、本発明の雷防止通信端末機の構成の第1から第6の実施の形態で、開閉器1を開閉する場合、雷によるノイズを加入者回線L1,L2から検出し、開閉器1を開閉する方法と、雷情報提供センター20から受信した気象情報をもとに開閉器1を開閉する方法が併用される。この場合開閉の制御手順は、開放は早い方の危険性の感知により実行し、閉成は遅い方の危険性がなくなったことで実行するようにする。このような開閉の制御手順を取ることにより安全に伝送装置6を破壊から保護できる効果がある。
以上、本発明の雷防止通信端末機の雷防止につき説明してきたが、手段として機能させることを、および、動作、方法による処理を、プログラムとしてコンピューターに実行させることができる。