JP2006172243A - フォルトトレラントコンピュータ装置およびその同期化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 同期制御部13からメモリコントローラ121へ順次リードリクエストを行いその都度カウンタ1223をインクリメントする。そのリクエストに対し読み出しが行われたらカウンタ1224をインクリメントすると共にそのデータをスタンバイ側コンピュータへ転送する。メモリコピーの工程中にメモリライトの命令が発行された場合には、アドレス比較器1221はそのライトアドレス(RA)とカウンタ1223,1224のカウント値とを比較し、RAが1223のカウント値より大きい場合には単にメモリライトを許可する。RAが1223のカウント値に等しい場合にはデータ読み出しが終わるのを待って、またRAがそれ以外の場合は直ちにライトを許可し、ライトデータを同期制御部13へ転送する。
【選択図】 図2
Description
すなわち、この従来のロックステップ方式のフォルトトレラントコンピュータ装置では、障害の発生したコンピュータシステムの再組み込み処理の間、フォルトトレラントコンピュータ装置全体が長期間(一般に3〜5秒間、乃至分オーダの時間)、業務を停止させなければならなかった。
そこで、転送の完了した領域のアドレスを保持するレジスタを用意し、ライト命令がが発生した場合にはそのライトアドレスが既に転送の完了した領域のアドレスに対するライト命令であるか否かを調べ、転送の完了した領域のアドレスに対する要求である場合には、そのアドレスを記憶して置き、メモリコピーが完了した後に、そのアドレスに対して読み出しを行いそのデータを転送先コンピュータへ転送することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2により提案された方式では、メモリコピーのためにメモリリードを実行しようとしている際にそのメモリリードのアドレスに対するメモリライト命令が発生するとライト命令が先行してしまう可能性があり、転送元メモリの内容を完全に転送先メモリに転送できない可能性がある。また、特許文献2に記載されたような、メモリライトの実行されたアドレスのデータを読み出して転送する方式では、ライトデータの転送のために長い時間がかかるという問題点があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、アクティブ側のコンピュータシステムの運用を停止することなくスタンバイ側コンピュータシステムの再組み込み処理を実現できるようにすることであり、第2に、ソフトウェアに特別の処理を要求しなくても済むようにすることであり、第3に、再組み込み処理時にアクティブ側のコンピュータシステムの性能低下を招くことのないようにすることであり、第4に、極力すくないプロセスにてデータ転送を完了できるようにして同期化を短時間で実現できるようにすることである。
第2の効果は、アクティブ側のコンピュータシステムのメインメモリへのライトアクセスをソフトウェアに対して制限してないためにソフトウェアのメモリアクセスについて特に意識する必要がなくなり、通常運用時と同様にコンピュータを使用することが可能となり、ソフトウェアの制御が複雑化することを回避することができることである。
第3の効果は、ソフトウェア、ファームウェアに対してメモリへのアクセスを制限してないために、コンピュータシステムの性能低下が同期化処理のためのメモリアクセスに限られ、システムのメモリアクセスを止めた場合に比べはるかに高速に同期化処理を終了することが可能となることである。
第4の効果は、同期化処理中にメインメモリに対するライト命令が発行されてもこのライトデータのスタンバイ側コンピュータシステムへの2重転送を最低限にとどめることができ、システムの性能低下を最小限に抑えることができることである。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の概略の構成を示すブロック図である。なお、図1において、各部を結ぶ線はバスないし配線を意味しており、また矢印は信号の伝達方向を示している(図2、図6においても同様である)。図1に示すように、本実施の形態のフォルトトレラントコンピュータ装置100は、コンピュータシステム101と、これと同一構成のコンピュータシステム102とによって構成されている。本実施の形態では、接続されるコンピュータシステムは2つのみであるが3個以上のコンピュータシステムによってフォルトトレラントコンピュータ装置が構成されていてもよい。コンピュータシステム101と102には、それぞれCPU(Central Processing Uuit)101、102;201、202が装備されている。本実施の形態では、各コンピュータシステムにはCPUは2個ずつ備えられているが、CPUは1個のみであっても3個以上であってもよい。CPU101、102(201、202)はバスを介してブリッジ回路11(21)に接続されている。ブリッジ回路11(21)には、ルーティング制御部12(22)、同期制御部13(23)、IO制御部14(24)が備えられており、ルーティング制御部12(22)はメインメモリ15(25)に、IO制御部14(24)はIO機器16、17(26、27)にそれぞれ接続されている。
コンピュータシステム101のCPU101、102から発行された命令の一部は、ルーティング制御部12を介してコンピュータシステム102の同期制御部23へ伝達され、一方、同一の命令はCPU201、202からも発行され、その命令はルーティング制御部22を介して同期制御部23へ伝達され、両方のCPUから発行された命令のタイミングのずれが同期制御部23において検証される。同様に、同期制御部13においても両方のCPUから発行された命令のタイミングのずれが検証される。
メモリアクセス監視機構122には、同期制御部13がメモリコントローラ121に対してリードリクエストを行う度にカウントアップされるリードリクエストカウンタ1223と、リードが完了する度にカウントアップされるリード終了カウンタ1224と、メモリライト命令が発行された際にそのライトアドレスとカウンタ1223、1224のカウント値とを比較する比較器1221と、ライトデータの同期制御部13への転送を行うライトデータ送受信部1222とが備えられている。なお、メインメモリ15のコンピュータシステム102への転送は昇順で行うことも降順で行うこともできるが本明細書では便宜上昇順にて転送が行われるものとする。
図3のフローにおいて、ステップS101にてコンピュータシステム101のCPUより同期化開始命令が同期制御部13宛に発行されると、ステップS102にてカウンタ1223、1224がリセットされる。その後、同期制御部13からメモリリクエストが発行されそのリードリプライが同期制御部13に戻されそのデータがコンピュータシステム102宛に転送され、カウンタが順次カウントアップされるが、今リードリクエストカウンタ1223とリード終了カウンタ1224のカウント値が“5”であって、5番地までメモリデータの転送が完了した状態にあるものとする。ステップS103にて同期制御部13よりルーティング制御部12宛6番地のリードリクエストが発行されると、ルーティング制御部12は、CPUにそのキャッシュに6番地のデータを持っていないかどうかを問い合わせる(図5のa)。CPUからの回答の如何によらずルーティング制御部12はそのメモリコントローラ121宛にリードリクエストが発行され(図5のb)、ステップS104にてリードリクエストカウンタ1223が更新され、メインメモリに対してリードが開始される(図5のc)。ステップS105にてリードデータリプライが行われる(図5のd)とそのリードデータ(そのデータをAとする)はステップS106にて同期制御部13へ転送される。すると、ステップS107にてリード終了カウンタ1224の更新が行われ、更にそのリードデータはステップS108にてコンピュータシステム102の同期制御部へ転送される(図5のe)。次いで、ステップS109にてメインメモリ15の全領域のデータの転送が完了したか否かがチェックされ、完了していない場合にはステップS103に戻って上記のフローが繰り返される。ステップS109にてデータの転送が完了したと判断された場合には、同期化が終了したことになるのでメモリのコピー作業は終了する。そして、コンピュータシステム101と102によるフォルトトレラントコンピュータ装置100の通常運用が開始される。
なお、図3のフローにおいて、ステップS106とS107とはいずれか先であってもよくまた同時であってもよい。
なお、図4のフローにおいて、ステップS204とS203とはいずれか先であってもよくまた同時であってもよい。
図6は、本発明の第2の実施の形態のブリッジ回路11の構成を示すブロック図である(第2の実施の形態の全体の構成図は図1に示される第1の実施の形態のものと同じである)。図6において、図2に示される第1の実施の形態のブロック図と同等の部分には同一の参照符号が付せられているので、ブリッジ回路11に関する重複する説明は省略する。本実施の形態においては、リード終了カウンタは削除され、リードリクエストカウンタ1223のみが用いられる。
ステップS301において、コンピュータシステム101のCPUより同期化開始命令が同期制御部13宛に発行されると、ステップS302にてリードリクエストカウンタ1223がリセットされる。ステップS303にて同期制御部13よりメモリコントローラ121宛リードリクエストが発行され、ステップS304にてリードリクエストカウンタ1223が更新され、メモリリードが開始される。ステップS305にてリードデータリプライが行われるとそのリードデータはステップS306にて同期制御部13へ転送される。そのリードデータはステップS307にてコンピュータシステム102の同期制御部へ転送される。次いで、ステップS308にて割込みが提起されているか否かがチェックされ、提起されていない場合にはステップS310にてメインメモリ15の全領域のデータの転送が完了したか否かがチェックされ、完了していない場合にはステップS303に戻って上記のフローが繰り返される。
本実施の形態では、リードリクエストカウンタのみが用いられていたが、これを削除しリード終了カウンタのみを用いるようにしても良い。この場合には、リード終了カウンタのカウント値に1を加算して先の説明と同様の方法を実行すればよい。
Claims (12)
- 1ないし複数個のプロセッサと、メインメモリと、ルーティング制御部と同期化制御部とを含み各部間の接続を制御するブリッジ回路と、を含むコンピュータシステムを複数備え、各コンピュータシステムがクロック同期して同じ命令列を処理するフォルトトレラントコンピュータ装置において、メインメモリのデータを他のコンピュータシステムのメインメモリにコピーする際には同期化制御部を介してメインメモリのデータを読み出してこれを他のコンピュータシステムの同期化制御部へ転送するように構成されており、前記ルーティング制御部には、メインメモリのデータを同期化制御部を介して読み出す際にその読み出しの進行状態を把握するためのカウンタ機構と、そのカウンタ機構のカウント値とプロセッサからライト命令が発行された際にその書き込みの行われるアドレス(以下、ライトアドレスと記す)とを比較するアドレス比較器と、を含むメモリアクセス監視機構が備えられており、非動作中のコンピュータシステム(以下、スタンバイコンピュータシステムと記す)を動作中のコンピュータシステム(以下、アクティブコンピュータシステムと記す)へ同期化させるために、アクティブコンピュータシステムのメインメモリのデータをスタンバイコンピュータシステムへ順次転送している際にプロセッサよりメインメモリに対するライト命令が発行された場合に、前記メモリアクセス監視機構は、前記アドレス比較部の比較結果に応じて既にデータ読み出しの完了しているアドレスのライトデータおよび現にデータ読み出し作業の行われているアドレスのライトデータのみをアクティブコンピュータシステム側の前記同期化制御部へ転送することを特徴とするフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 前記カウンタ機構には、読み出しが開始されたデータのアドレスを記憶するリードリクエストカウンタと、その読み出しが完了したデータのアドレスを記憶するリード終了カウンタと、が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 前記アドレス比較器が、ライトアドレスが未だリードリクエストの行われていないアドレスであると判断した場合は、単にメモリライトを許可し、ライトアドレスが既にデータ読み出しの終了しているアドレスであると判断した場合は、メモリライトを許可すると共にライトデータを同期化制御部へ転送し、それ以外の場合には、現に行われている読み出しが終了した後にメモリライトを許可すると共にライトデータを同期化制御部へ転送することを特徴とする請求項2に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- ライトデータの前記同期化制御部への転送のタイミングは、前記リード終了カウンタのカウント値が変化するタイミングによって決定されることを特徴とする請求項2または3に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 1ないし複数個のプロセッサと、メインメモリと、ルーティング制御部と同期化制御部とを含み各部間の接続を制御するブリッジ回路と、を含むコンピュータシステムを複数備え、各コンピュータシステムがクロック同期して同じ命令列を処理するフォルトトレラントコンピュータ装置において、メインメモリのデータを他のコンピュータシステムのメインメモリにコピーする際には同期化制御部を介してメインメモリのデータを読み出してこれを他のコンピュータシステムの同期化制御部へ転送するように構成されており、前記ルーティング制御部には、メインメモリのデータを同期化制御部を介して読み出す際にその読み出しの進行状態を把握するためのカウンタ機構と、そのカウンタ機構のカウント値とプロセッサからライト命令が発行された際にそのライトアドレスとを比較するアドレス比較器と、を含むメモリアクセス監視機構が備えられており、スタンバイコンピュータシステムをアクティブコンピュータシステムへ同期化させるために、アクティブコンピュータシステムのメインメモリのデータをスタンバイコンピュータシステムへ順次転送している際にプロセッサよりメインメモリに対するライト命令が発行された場合に、前記メモリアクセス監視機構は、前記アドレス比較部の比較結果に応じて既にデータ読み出しの完了しているアドレスおよび現にデータ読み出し作業の行われているアドレスに対してのライト命令である場合に、ライト命令を実行すると共に割込みを提起し、前記同期化制御部はその提起された割込み処理を行う際にライトデータを取得することを特徴とするフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 前記カウンタ機構には、読み出しが開始されたデータのアドレスを記憶するリードリクエストカウンタ、または、読み出しが終了したデータのアドレスを記憶するリード終了カウンタが備えられていることを特徴とする請求項5に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 前記アドレス比較器が、ライトアドレスが未だ同期化制御部によってリードリクエストの行われていないアドレスであると判断した場合は、割込みを提起することなく単にライト命令を許可することを特徴とする請求項5または6に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 前記メモリアクセス監視機構により提起された割込みは、現に行われているデータ読み出し作業の終了後次のデータ読み出しが開始される前に実行されることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のフォルトトレラントコンピュータ装置。
- 1ないし複数個のプロセッサと、メインメモリと、ルーティング制御部と同期化制御部とを含み各部間の接続を制御するブリッジ回路と、を含むコンピュータシステムを複数備え、各コンピュータシステムがクロック同期して同じ命令列を処理するフォルトトレラントコンピュータ装置について、アクティブコンピュータシステムへスタンバイコンピュータシステムを同期化させるフォルトトレラントコンピュータ装置の同期化方法において、アクティブコンピュータシステムのメインメモリのデータをスタンバイコンピュータシステムのメインメモリへ転送する際に、既にデータ転送の完了したアドレスに対するライト命令が発行された場合、および、スタンバイコンピュータシステムへのデータ転送のためにリードが開始されたアドレスに対するライト命令が発行された場合には、そのライト命令のデータをスタンバイ側のコンピュータシステムへ転送することにより、アクティブコンピュータを停止させることなく同期化を行うことを特徴とするフォルトトレラントコンピュータ装置の同期化方法。
- ライト命令のデータのスタンバイコンピュータシステムへの転送はメインメモリを介在させることなく行われることを特徴とする請求項9に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置の同期化方法。
- フォルトトレラントコンピュータ装置は、メインメモリのデータを他のコンピュータシステムのメインメモリにコピーする際には同期化制御部を介してメインメモリのデータを読み出してこれを他のコンピュータシステムの同期化制御部へ転送するように構成されていることを特徴とする請求項9または10に記載のフォルトトレラントコンピュータ装置の同期化方法。
- 前記ルーティング制御部には、メインメモリのデータを同期化制御部を介して読み出す際にその読み出しの進行状態を把握するためのカウンタ機構と、そのカウンタ機構のカウント値とプロセッサからライト命令が発行された際にその書き込みの行われるアドレスとを比較するアドレス比較器と、を含むメモリアクセス監視機構が備えられていることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のフォルトトレラントコンピュータ装置の同期化方法。
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