JP2006170863A - 測定装置、測定方法、測定システム、測定プログラム、および測定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

測定装置、測定方法、測定システム、測定プログラム、および測定プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 複雑な気液二相流の界面微細構造と輸送機構を解明できる測定装置を提供する。
【解決手段】 測定装置は、気液二相流中に配置され、該気液二相流における気相および液相を検出するセンサからの出力信号を受信するセンサ出力受信部と、上記センサ出力受信部によって受信された出力信号に基づいて、上記気液二相流における気相と液層との間の界面に関する物理特性を算出する測定演算部とを備える。測定演算部は、6つのセンサから、4つのセンサからなるセンサセットを3セット分設定し、センサ出力受信部は、各センサからの出力信号を受信する。そして、測定演算部は、各センサからの出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば軽水型動力炉などにおいて用いられる気液二相流の解析を行う測定装置、測定方法、測定システム、測定プログラム、および測定プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
今日において、気液二相流は、軽水型動力炉をはじめとして蓄熱・冷凍・冷蔵システム、電子回路冷却システムや化学工業分野における気泡反応塔など、多種多様な工業装置に利用されている。これらの機器・システムにおいて、気液二相流の挙動は、運転特性、効率、経済性、および安全性などに多大な影響を及ぼしている。
例えば、軽水型動力炉においては、気液二相流の挙動は、炉心冷却に多大な影響を与えるものであり、炉心冷却不調による事故の支配的要因となる。また、沸騰水型軽水炉(BWR)においては、事故時のみならず通常運転時においても、気液二相流の挙動は炉心特性に大きな影響を及ばすものであり、BWR不安定のような不具合の要因となる。さらに、新型原子炉においては、受動的安全システムの作動に伴う熱流動現象の把握が設計性能を決める重要課題となっている。ランキンサイクルを利用するこのほかの原子力・火力発電システムにおいても、気液二相流は、蒸気発生器やボイラー、蒸気タービンなどの作動特性とエネルギー効率に関与する重要な因子となっている。
近年、これらの機器・システムの設計においては、より高い安全性と経済性との両立が求められ、最適化が要求されている。このため、これらの機器・システムの設計要求を満たすため、気液二相流のより詳細な知見を得ることが必要となっている。
気液二相流を解析するにあたって、界面の存在およびその変化を認識することは最も重要なプロセスであり、運動量、熱、および質量の搬送に大きく寄与している。特に、界面の変化は、流体摩擦損失の発生と流体誘発ノイズの発生とに関わっている。したがって、気液二相流を解析し、解析結果を応用するためには、界面の研究が非常に重要である。
界面の解析手法としては、多センサによる電気的/光学的プローブ法、超音波ドップラー法、レーザドップラー流速測定法(Laser Doppler Velocimetry、LDV)、粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry、PIV)、および、各種関連フォトグラフィック法などが挙げられる。
流体において、気泡の個数あるいはボイド率が非常に低いときには、超音波ドップラー法、LDV、PIV、および各種フォトグラフィック法を用いることによって界面の解析を的確に行うことが可能である。しかしながら、液体における気泡の個数あるいはボイド率が上昇し、音波あるいは光線が測定対象物に到るまでに非常に多数の界面を通らないといけないような状態になると、上記の手法の場合、界面と界面とを区別することが困難となり、界面の状態の的確な把握ができなくなるという問題がある。
複数のセンサを用いた電気的/光学的プローブ法は、気液二相流の局所領域における界面の空間的分布状態を測定する手法である。この手法では、あるセンサから別のセンサまで界面が移動するのにかかる時間に基づいて測定が行われる。この所要時間は主に界面速度と関連している。具体的には、電気的または光学的にセンシングを行う非常に微小な複数のセンサが二相流中に配置され、センサからの出力を高精度に測定することによって、界面の挙動が測定される。これにより、瞬間的な界面方向、界面速度、ボイド率の時間平均値、および、界面面積濃度の時間平均値などを測定することができる。また、ボイド率の時間平均値および界面面積濃度の時間平均値に関しては、この数十年間に盛んに研究が行われている。
複数のセンサを用いた電気的/光学的プローブ法としては、ダブルセンサ・プローブによる測定方法、および4センサ・プローブによる測定方法が挙げられる。
ダブルセンサ・プローブによる測定方法は、2つのセンサを気液二相流中に配置して測定を行うものである(例えば非特許文献1、2参照)。このダブルセンサ・プローブによれば、(1)ボイド率、(2)気泡頻度、(3)一次元気泡流の界面面積濃度、(4)一次元気泡流の界面速度、および(5)一次元気泡流の気泡コード長、を測定することが可能である。
また、4センサ・プローブによる測定方法は、4つのセンサを気液二相流中に配置して測定を行うものである(例えば特許文献1、非特許文献3〜4参照)。この4センサ・プローブによれば、(1)ボイド率、(2)気泡頻度、(3)多次元気泡流の界面面積濃度、(4)一次元気泡流の界面速度、および、(5)一次元気泡流の気泡コード長、を測定することが可能である。
特開2000−136962号公報(2000年5月16日公開) Kataoka, I., Ishii, M. & Serizawa, A., 1986. Local formulation and measurements of interfacial area concentration in two-phase flow. Int. J. Multiphase Flow 12, 505-529 Hibiki, T., Hogsett, T. & Ishii, M., 1998. Local measurement of interfacial area, interfacial velocity and turbulence in two-phase flow. J. Nucl. Engng. & Design 184, 287-304 Revankar, S. T. & Ishii, M., 1993. Theory and measurement of local interfacial area using a four sensor probe in two-phase flow. Int. J. Heat Mass Transfer. 36(12), 2997-3007. Shen, X., Saito, Y., Mishima, K., Nakamura, H., Improved measurement method for interfacial area concentration in a large diameter tube, in: Proceeding of the 6th ASME-JSME Thermal Engineering Joint Conference, Hawaii Island, Hawaii, 2003, Paper no. TED-AJ03-389
上記したように、気液二相流を利用する各種装置では、大小様々な流路形状の変化や流れの方向の変化があり、また相変化を伴うことも多い。よって、気液二相流における流れは多次元を帯び、未発達の流れの特性を有することになる。
これに対して、上記したダブルセンサ・プローブおよび4センサ・プローブでは、一次元気泡流における界面速度や気泡コード長の測定しかできず、多次元気泡流の解析としては不十分である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な気液二相流の界面微細構造と輸送機構を解明できる測定装置、測定方法、測定システム、測定プログラム、および測定プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明に係る測定装置は、上記課題を解決するために、気液二相流中に配置され、該気液二相流における気相および液相を検出するセンサからの出力信号を受信する出力受信部と、上記出力受信部によって受信された出力信号に基づいて、上記気液二相流における気相と液相との間の界面に関する物理特性を算出する測定演算手段とを備え、上記出力受信部が、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットの少なくとも3セット分の出力信号を受信するとともに、各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでおり、上記測定演算手段が、上記出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出することを特徴としている。
また、本発明に係る測定方法は、上記課題を解決するために、気液二相流中に配置され、該気液二相流における気相および液相を検出するセンサからの出力信号に基づいて、上記気液二相流における気相と液相との間の界面に関する物理特性を算出する測定演算ステップを含み、上記出力信号が、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットの少なくとも3セット分の出力信号であって、各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでおり、上記測定演算ステップにおいて、上記出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出することを特徴としている。
上記の構成および方法では、受信された出力信号に基づいて、気相と液相との間の界面に関する物理特性が算出されている。この際に、界面の物理特性の算出は、4つのセンサからなるセンサセットの3セット分の出力信号に基づいて行われている。なお、4つのセンサからなるセンサセットの3セット分とは、各センサセットに含まれるセンサが全て異なるものである必要はなく、あるセンサが複数のセンサセットに含まれていてもよい。ただし、この場合でも、各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでいることが必要である。
ここで、4つのセンサからなるセンサセットの出力信号に基づけば、前記した4センサ・プローブを用いた場合のように、界面の速度の法線方向成分を算出することが可能である。そして、1セット分のセンサセットの出力信号に基づいて得られる界面の速度の法線方向成分を3セット分考慮することによって、界面の3次元速度を算出することが可能となる。これにより、多次元気泡流の解析をより的確に行うことを可能とする測定装置および測定方法を提供することができる。
よって、上記本発明に係る測定装置および測定方法によれば、複雑な気液二相流の界面微細構造と輸送機構を解明できるので、上記のような様々な工業装置における安全性と経済性の向上に寄与するものと期待される。
また、本発明に係る測定装置は、上記の構成において、上記測定演算手段が、各センサセットの出力信号に基づいて、界面の法線方向成分の速度と、界面の法線方向の単位ベクトルを算出するとともに、各センサセットの出力信号に基づいて得られた界面の法線方向の単位ベクトルが等しいという仮定に基づいて、上記界面の3次元速度を算出する構成としてもよい。
上記の構成によれば、各センサセットの出力信号に基づいて得られる界面の速度の法線方向成分を3セット分考慮することによって、界面の3次元速度を的確に算出することが可能となる。
また、本発明に係る測定装置は、上記の構成において、上記測定演算手段が、上記界面によって囲まれた気泡が球状であることを仮定して、上記界面の3次元速度に基づいて気泡の直径を算出する構成としてもよい。
上記の構成によれば、特定の箇所に気泡が最初に接触した時点での3次元速度、該気泡が該特定の箇所を離れる時点での3次元速度、およびこの2つの時点の時間間隔を算出することが可能である。ここで、気泡が球状であることを仮定すれば、上記の3つの値を用いて気泡の直径を算出することが可能となる。
また、本発明に係る測定装置は、上記の構成において、上記測定演算手段が、界面上の特定位置における測定可能速度の全てにおいて、それぞれの界面の法線方向成分の大きさは全て等しく、測定可能速度における界面の法線方向成分の大きさは、界面の速度の法線方向成分に等しくなる、という法則を利用して、上記界面の3次元速度を算出する構成としてもよい。
ここで、上記の測定可能速度とは、各センサセットによって界面を測定する際に、各センサからの出力に基づいて測定することが可能な方向の速度である。上記の構成によれば、気相および液相を検出するセンサからの出力信号によって、界面の速度の法線方向成分を算出することが可能となる。
また、本発明に係る測定システムは、上記課題を解決するために、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットを少なくとも3セットと、上記本発明に係る測定装置とを備え、上記各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、界面の3次元速度を算出することにより、多次元気泡流の解析をより的確に行うことを可能とする測定システムを提供することができる。
また、本発明に係る測定システムは、上記の構成において、上記3セットのセンサセットが、6つのセンサによって構成されている構成としてもよい。
6つのセンサが設けられている場合、4つのセンサからなるセンサセットを、互いに異なる組み合わせのセンサを含んだ状態で3セット設定することが可能となる。すなわち、上記の構成によれば、センサの数を最小限にした状態で、4つのセンサからなるセンサセットを3セット互いに独立した状態で設定することが可能となる。よって、センサ部分の大きさを最小限にすることが可能となるとともに、コストと測定誤差も低減することが可能となる。
本発明に係る測定装置、測定方法、および測定システムは、以上のように、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットの少なくとも3セット分の出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出するようになっている。よって、多次元気泡流の解析をより的確に行うことを可能とするという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。
(システム構成)
図2は、本実施形態に係る測定システムの概略構成を示している。同図に示すように、測定システムは、測定装置1およびセンサ装置2を備えた構成となっている。
センサ装置2は、流路管3中の気液二相流中に配置される複数のセンサによって検出された検出結果を出力する装置である。図3は、このセンサ装置2の概略構成を示している。同図に示すように、センサ装置2は、出力部2Aおよびプローブ部2Bを備えている。なお、同図中に示す寸法はあくまで一例であり、この寸法に限定されるものではない。
プローブ部2Bは、複数のセンサから構成されており、このプローブ部2Bが気液二相流中に配置される。各センサは、電気的あるいは光学的な手法によって気液二相流における気相および液相を検出する。電気的なセンサは気相と液相の電気伝導度の相違によって相検出を行う。光学的なセンサは気相と液相に対する光学屈折率の相違によって相検出を行う。出力部2Aは、プローブ部2Bにおける各センサによって検出された結果を電気信号あるいは光学信号として出力する。
測定装置1は、センサ装置2から送られてきたセンシング結果に基づいて、気液二相流の挙動を解析する装置である。具体的には、測定装置1は、センサ出力受信部4、測定演算部5、および測定結果出力部6を備えている。
センサ出力受信部4は、センサ装置2から送られてきたセンシング結果としての電気信号あるいは光学信号を受信する。受信された電気信号はA/D変換され、測定演算部5に送られる。受信された光学信号は光電変換器を経由して電気信号に変換され、更にA/D変換され、測定演算部5に送られる。測定演算部5は、センサ出力受信部4から送られてきたセンシングデータに基づいて、気液二相流における各種パラメータの解析演算処理を行う。この測定演算部5における処理内容の詳細については後述する。測定結果出力部6は、測定演算部5による演算結果を出力する。この測定結果出力部6は、例えば測定結果を表示する表示手段や、測定結果を印刷する印刷手段などによって構成される。
なお、測定装置1は、上記のような構成および機能を有する装置であればどのような装置であっても構わないが、例えば一般的なPC(Personal Computer)によって測定装置1を実現することができる。この場合、センサ出力受信部4は、PCにおけるセンサ装置2との間のインターフェースボードなどによって実現され、測定結果出力部6は、PCが備えるディスプレイやプリンタなどによって実現される。また、測定演算部5は、該測定演算部5が行う演算処理を記述したプログラムが実行されることによって実現される。
(気液二相流解析方法)
次に、上記測定演算部5における演算処理の内容について説明する。ここでは、まず前提となるダブルセンサ・プローブによる解析方法、および4センサ・プローブによる解析方法について説明した後に、本実施形態に係る4センサ・プローブを3セット用いた解析方法について説明する。
(ダブルセンサ・プローブ)
まず、2つのセンサを気液二相流中に配置した場合の界面の測定方法(ダブルセンサ・プローブ)について説明する。図5(a)は、ダブルセンサ・プローブによる測定の概略を示している。同図に示すように、ダブルセンサ・プローブでは、2つのセンサS0・S1が気液二相流中に配置されている。なお、センサS0・S1のそれぞれの下端部分に実際にセンシングを行うセンサが配置されており、このセンサ間距離をベクトルs01とする。同図に示す例では、気泡Bは、時間tf0においてセンサS0に最初に接触し(気泡Bf0の位置)、時間tf1においてセンサS1に接触し(気泡Bf1の位置)、時間tr0においてセンサS0から離れている(気泡Br0の位置)。
以上の場合において、2つのセンサS0・S1からの出力信号は、図5(b)に示すような信号となる。この2つのセンサS0・S1から得られる2つの出力信号には、基本的に2種類の情報が含まれている。つまり、(1)2個のセンサにおける、相を特定する点同士の時間差Δt01l(=tf1−tf0)と(2)気相の滞留時間Δt0b(=tr0−tf0)である。
滞留時間Δt0bは、液体から気体へ変化する界面があるセンサ(センサS0)を通過してから、気体から液体へ変化する界面がこのセンサを通過するまでの時間を示している。すなわち、滞留時間Δt0bは、あるセンサ(センサS0)に対する気相の通過時間を示していることになる。よって、滞留時間Δt0bによって、ボイド率αが次式のように求められる。
Figure 2006170863
上式において、Ωは要求された測定時間、NはΩ内でセンサS0に測定される気泡の数を示している。
また、気泡頻度fは次式のように求められる。
Figure 2006170863
また、時間差Δt01lは、気泡Bの界面lがあるセンサ(センサS0)に接触してから、別のセンサ(センサS1)に接触するまでの時間を示している。よって、この時間差Δt01lによって、一次元気泡流の界面の移動速度(界面速度)を測定することができる。すなわち、界面速度ベクトルVは、次式で表される。
Figure 2006170863
また、一次元気泡流の界面面積濃度a1は次式のように求められる。
Figure 2006170863
ここでω0は界面速度と主流方向とのなす角度wの最大値を表す。最大角ω0は界面速度の揺らぎによって決まる。
また、あるセンサ(センサS0またはセンサS1)が気泡Bを通過する際の通過距離としての気泡コード長Lchは、次式で表される。
Figure 2006170863
ここで、上記の界面速度および気泡コード長の算出方法は、気泡Bが、センサS0の先端からセンサS1の先端へ至る直線方向に進んでいるということを前提としている。すなわち、ダブルセンサ・プローブによる界面速度および気泡コード長の算出は、一次元気泡流でのみ有効であり、気泡が、センサS0の先端からセンサS1の先端へ至る直線方向に対して斜めに移動することが考えられる場合には、上記算出方法の信頼性は低くなる。
したがって、ダブルセンサ・プローブによれば、(1)ボイド率、(2)気泡頻度、(3)一次元気泡流の界面面積濃度、(4)一次元気泡流の界面速度、および(5)一次元気泡流の気泡コード長、を測定することが可能である。
(4センサ・プローブ)
次に、4つのセンサを用いた場合の界面の解析方法について説明する。図6は、4つのセンサS0・S1・S2・S3によって界面の変化を検出する様子を模式的に示している。同図に示す例では、時間t0lにおいてセンサS0が界面lを検出し、時間t1lにおいてセンサS1が界面lを検出し、時間t2lにおいてセンサS2が界面lを検出し、時間t3lにおいてセンサS0が界面lを検出している。すなわち、界面lが時間t0lにおける界面K0に、時間t1lにおける界面K1に、時間t2lにおける界面K2に、および時間t3lにおける界面K3になり、同図に示すように移動していることになる。なお、同図において、センサS0・S1・S2・S3の下端部にセンサが設けられているものとする。
この4センサ・プローブによる界面の挙動解析に関して、Shen et al.(2002)が「界面測定の法則」を導き出している。この法則は、局所的瞬間界面速度と局所的測定可能速度との一般的関係を示している。界面測定の法則によると、界面上の特定位置における測定可能速度の全てにおいて、それぞれの界面法線方向成分の大きさは全て等しくなる。また、測定可能速度における界面法線方向成分の大きさは、局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分に等しくなる。ここで、測定可能速度とは、多センサ・プローブによって界面を測定する際に、各センサからの出力に基づいて測定することが可能なセンサとセンサの間の距離方向の速度である。4センサ・プローブの場合、測定可能速度は3つとなる。この界面測定の法則は次式で表される。
Figure 2006170863
上式において、ベクトルnilは、時間t0lにおける第l番目の界面の、特定の点0(x,t0l)(センサS0による測定位置)における界面法線方向の単位ベクトルを示している。また、ベクトルVilは、時間t0lにおける第l番目の界面が特定の点0(x,t0l)(センサS0による測定位置)を通過する速度を示しており、次式で表される。
Figure 2006170863
また、数6において、ベクトルVm0klは、第l番目の界面の測定可能速度を示している。センサS0の先端から、センサSk(k=1、2、3)の先端に至るそれぞれの距離ベクトルs0−kと、第l番目の界面がセンサS0の先端からセンサSk(k=1、2、3)の先端へ移動するまでにかかる時間tkl−t0lとを使って、ベクトルVm0klを次のように定義する。
Figure 2006170863
また、距離ベクトルs0−kは次式で表される。
Figure 2006170863
また、数6において、ベクトルnilは、図7(a)に示す3つの角度によって次式のように定義される。
Figure 2006170863
また、数6において、Vnlは、点0(x,t0l)における界面速度の界面法線方向成分の大きさを示している。
以上のように、界面測定の法則を4センサ・プローブ法に適用することによって、前部センサ(上記の例ではセンサS0)の先端が、該界面を貫通する際の点(点0(x,t0l))における、局所的瞬間界面法線方向単位ベクトルnilと、局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分Vnlとが求められる。この結果より、次式が導かれる。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
ここで、A01l、A02l、A03lは方向行列式である。ここでは、この方向行列式は界面方向を決定するのに用いている。方向行列式自身は、4つのセンサによって測定可能な方向と、それに対応する方向の測定可能速度とで決まる。この方向行列式は次式で与えられる。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
また、Aは、4センサ・プローブの基本行列式であり、上記の測定可能な方向、つまり、プローブの配置形状によって決まる。このAは次式で与えられる。
Figure 2006170863
なお、界面上の任意の点において、界面法線の向きには外向きと内向きの二つがある。よって、数11〜数13中のcosηxi、cosηyi、cosηziには、それぞれ正と負の二つの平方根があり、それぞれ[0,π]でのηxi、ηyi、ηziの2つの余角に対応している。正のコサイン値は鋭角を示し、負のコサイン値は鈍角を示す。この2つの余角を、ηziを例にとって、センサSに対して近づきつつある界面と離れつつある界面とについて図7(b)および図7(c)にそれぞれ示す。通常、外向きの界面の法線方向を正の界面方向とし、また、1つの角度だけが各界面の正しい解であるものとする。数6〜数8の中で、cosηxi、cosηyi、cosηziに対して正のコサインを選択するのか負のコサイン値を選択するのかということは、それぞれA01l、A02l、A03lの符号によって決まる。ベクトルVnlの方向は、どの界面であってもベクトルnの方向と同じである。
なお、4センサ・プローブのように、センサを気液二相流中に嵌入させてセンシングを行う場合、実際の測定では、センサが設けられるプローブによって、閉じかけている界面の局所的な形状が変形してしまうという問題、および、界面速度の大きさと方向との両方が変化してしまうという問題は避けられない。したがって、篏入型多センサ・プローブ測定では、界面形状、界面速度、および、プローブのサイズについて、次のような仮定をする必要がある。(1)界面とセンサとの接触過程においては、界面が連続的かつ変形しない曲面であると仮定することで、界面の湾曲効果を無視する。(2)界面とセンサとの接触過程においては、連続的かつ変形しない曲面上の固定点での法線方向は一定である。(3)界面とセンサとの接触過程においては、界面の速度も一定である。(4)篏入プローブは界面に比べてサイズが小さい。
一般に、4つのセンサを備えるシステムにおいて、センサSk(k=0、1、2、3)のいずれを前部センサとして選択するかによって、4センサ・プローブ測定システムの組み合わせは4セット考えられる。したがって、数11〜数14を4セットの4センサ・プローブ測定システムの全てに適用すると、局所的瞬間界面方向単位ベクトルniklが4つ(k=0、1、2、3)と、異なる界面速度の法線方向成分ベクトルVnkl(x,tkl)が4つ(k=0、1、2、3)得られる。ここで、異なるセンサ端での4つの局所的瞬間界面方向単位ベクトルnikl(k=0、1、2、3)が独立しておらず、互いに同一であること、つまり、次式が成立することは理論的に証明できる。
Figure 2006170863
また、4つの局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分Vnkl(x,tkl)(k=0、1、2、3)も互いに独立してはおらず、上記4センサ・プローブを通過する第l番目の界面と同じ状態が続く。すなわち、次式が成立する。
Figure 2006170863
上記の数19および数20は、測定時に導入した仮定の結果である。このように、上記局所的瞬間界面方向単位ベクトルと局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分との実際の測定演算では、4センサ・プローブ中のセンサSk(k=0、1、2、3)のいずれを前部センサとして選択し、残りを後部センサとしてもよい。
以上より、4センサ・プローブによれば、(1)ボイド率、(2)気泡頻度、(3)多次元気泡流の界面面積濃度、(4)局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分Vnl、および、(5)一次元気泡流の気泡コード長、を測定することが可能である。すなわち、(1)ボイド率、および(2)気泡頻度に関しては、ダブルセンサ・プローブと同様にして測定することができる。
(3)多次元気泡流の界面面積濃度aは、δ関数と上記の界面速度の界面法線方向成分の結果を利用し、次式によって求められる。
Figure 2006170863
上式において、Nは測定される界面の数を示している。
(4)局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分Vnlは、上記したとおりである。
(5)一次元気泡流の気泡コード長は、次式によって求められる。
Figure 2006170863
ここで、一次元気泡流の界面速度の計算は気泡の前方側の界面を利用し、後部センサSk(k=1、2、3のいずれか)の時間(tfk)を選択して行う。
(4センサ・プローブを3セット用いた界面速度測定)
界面速度は独立した3つの速度成分からなるので、界面速度を式から求めるには、少なくとも3つの等式が必要である。そこで、図8に示すように、独立した3セットの4センサ・プローブSPa・SPb・SPcを使って、異なる3地点a、b、cで同じ界面の測定を行うことができれば、それぞれの4センサ・プローブから、独立した局所的瞬間界面法線方向単位ベクトルが1つと、独立した局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分が1つ求められる。界面上の3地点が非常に接近しており、界面法線ベクトルが共通となる場合には、界面測定の法則から得られる独立した3つの等式を解くことによって、第l番目の界面の局所的瞬間界面速度が理論的に求められる。なお、上記の3セットの4センサ・プローブSPa・SPb・SPcのうち、1つ(例えばSPa)が主プローブ、残り2つ(例えばSPb、SPc)が補助プローブとして機能する。
上記のように、3セットの4センサ・プローブSPa・SPb・SPcに対して、界面上の独立した点a、b、cで界面測定の法則を用いることによって、局所的瞬間界面法線方向単位ベクトルnikl(x,tkl)(k=a、b、c)と局所的瞬間界面速度の界面法線方向成分Vnkl(x,tkl)(k=a、b、c)とが求められ、次式で表される。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
ここで、cosηkxi、cosηkyi、cosηkzi(k=a、b、c)は、上記した数11〜数13におけるcosηxi、cosηyi、cosηziとそれぞれ同様であり、Ak1l、Ak2l、Ak3l(k=a、b、c)は、上記した数15〜数17におけるA01l、A02l、A03lと同様の方向行列式であり、A(k=a、b、c)は、上記した数18と同様の基本行列式である。
第l番目の界面の局所的瞬間界面速度ベクトルを知るには、界面測定の法則を(x,tkl)(k=a、b、c)で再度使うことによって、次式を得る。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
ここで、ベクトルVikl(x,tkl)(k=a、b、c)は第l番目の界面の(x,tkl)(k=a、b、c)における局所的瞬間界面速度ベクトルである。
界面速度は、界面とセンサとの接触過程においても一定であると仮定したので、上記の3つの局所的瞬間界面速度ベクトルVikl(x,tkl)(k=a、b、c)は互いに等しい。つまり、次式が成り立つ。
Figure 2006170863
ここで、ベクトルVilは、上記の測定点(x,tal)における局所的瞬間界面速度ベクトルを表し、前記した数7によって定義される。
におけるプローブを主プローブとすると、(x,tal)におけるベクトルVilの解が数25〜数27に基づいて、次のように求められる。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
上式において、Δ、Δ、Δ、Δは次式で与えられる。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
また、測定点、つまり、第a番目のプローブSPaにおける第0番目のセンサS0の先端が第l番目の界面と接触する点における局所的瞬間界面速度の大きさは、次式で表される。
Figure 2006170863
また、測定点における界面速度の方向は、次式で表される。
Figure 2006170863
Figure 2006170863
Figure 2006170863
(界面速度ベクトルと界面法線ベクトルとのなす局所的角度)
前記した数29〜数31におけるVilを考慮に入れて、第a番目のプローブSPaに関して界面測定の法則を適用すると、次式のようになる。
Figure 2006170863
ここで、ベクトルnialは、第l番目の界面上の位置aにおける局所的瞬間界面法線方向単位ベクトルであり、次式で表される。
Figure 2006170863
また、ベクトルVam0kl(kは1、2、3のいずれか)は、第a番目のプローブSPaにおける第0番目のセンサS0と第k番目のセンサSkとの間の測定可能速度を示している。上記の第0番目のセンサS0と第k番目のセンサSkとの間の距離Sa0−kと、この2個のセンサの間を第l番目の界面が移動する際に必要とされる時間Δta0klとの比を用いて、ベクトルVam0klは次式のように定義される。
Figure 2006170863
したがって、局所的瞬間界面速度と局所瞬間界面法線方向単位ベクトルとのなす角度について局所における瞬間値を数式化すると、次式のようになる。
Figure 2006170863
(球状気泡の直径)
界面によって囲まれた液体中の気体領域は気泡と称される。ここで、仮に気液二相流中の気泡が球状であるとすれば、気泡の直径Dは次式で表される。
Figure 2006170863
ここで、Dchkは、前部センサが第k番目の気泡に接触しはじめた点から、前部センサがその気泡から離れる点までの距離に相当するコード長である。また、ΔtFRkを、第k番目の気泡が前部センサに接触している間の時間、すなわち滞留時間とし、Vi(2k)を、第k番目の気泡における前方側半球体の界面の速度、すなわち、前部センサが第k番目の気泡に接触しはじめた点における速度とし、Vi(2k+1)を、第k番目の気泡における後方側半球体の界面の速度、すなわち、前部センサが第k番目の気泡から離れる点における速度とすると、Dchkは次のような式で表される。
Figure 2006170863
また、数44において、θは、第k番目の気泡における前方側半球体の界面、つまり、第2k番目の界面での、局所的瞬間界面速度と局所瞬間界面法線方向単位ベクトルとのなす角度である。
以上より、3セットの4センサ・プローブによれば、(1)ボイド率、(2)気泡頻度、(3)多次元気泡流の界面面積濃度、(4)多次元気泡流の界面速度、および、(5)気泡直径、を測定することが可能である。すなわち、(1)ボイド率、(2)気泡頻度(3)、および多次元気泡流の界面面積濃度に関しては、4センサ・プローブと同様にして測定することができる。また、(4)多次元気泡流の界面速度、および、(5)気泡直径については、上記した方法によって求められる。
(6センサ・プローブ)
以上に示した4センサ・プローブを3セット用いた界面速度測定法では、全部で12個のセンサが必要になる。ここで、センサを共用することを考慮すれば、センサを6つ備えた6センサ・プローブによって、上記と同様の解析処理を行うことが可能である。以下にこのことについて説明する。
4センサ・プローブの中には、1(=C )セットの独立した4センサ・プローブが含まれる。ここで、さらに1つセンサを増やした5センサ・プローブには、4(=C )セットの4センサ・プローブが含まれることになる。しかしながら、センサが共有されていることが原因により、5センサ・プローブには、独立した4センサ・プローブが2セットしかないことになる。
5センサ・プローブに、さらに1つセンサを増やした6センサ・プローブには、10(=C )セットの4センサ・プローブが含まれることになる。この場合、上記と同様にセンサの共有を考慮すると、6センサ・プローブには独立した4センサ・プローブが3セット含まれることになる。すなわち、6センサ・プローブは、4センサ・プローブを3セット用いた界面速度測定法を実現することが可能である。
ここで、6センサ・プローブにおいて、3セットの独立した4センサ・プローブを構成するための6つのセンサの選択方法について説明する。
まず、6つのセンサのそれぞれに0から5までの番号をつける。そして、0〜3の番号がつけられた4つのセンサをメイン4センサ・プローブとして選択する。これが1セットの独立した4センサ・プローブとなる。
次に、4の番号がつけられたセンサと、0〜3の番号がつけられた4つのセンサのうちの任意の3つのセンサとを、第2の4センサ・プローブとして選択する。この第2の4センサ・プローブの組み合わせのバリエーションは、4(=C )組存在する。
次に、5番のセンサと、0〜4の番号がつけられた5つのセンサのうちの任意の3つのセンサとを、第3の4センサ・プローブとして選択する。この第3の4センサ・プローブの組み合わせのバリエーションは、10(=C )組存在する。
以上より、6センサ・プローブの中に3セットの独立した4センサ・プローブを選択するバリエーションの数は40(=C )となる。
なお、6センサ・プローブから選んだ3セットの4センサ・プローブそれぞれに対しては、基本行列式が0に等しくなってはいけないという条件がある。
図4は、6つのセンサS0〜S5を備えた6センサ・プローブにおける、各センサの配置状態の例を示している。同図において、センサS0の下端部がxyz座標空間における原点Oに位置した場合、センサS1〜S5の下端部の位置の例は、次のようになる。
センサS1:(0.35, 0, 0.8)
センサS2:(0.175, -0.3031, 0.4)
センサS3:(-0.175, -0.3031, 0.8)
センサS4:(-0.175, 0.3031, 0.8)
センサS5:(0.175, 0.3031, 0.4)
上記の座標において、単位はmmである。なお、各センサの配置状態は上記の例に限定されるものではない。
(気液二相流解析処理の流れ)
次に、6センサ・プローブによる上記測定システムにおける処理の流れについて、図1に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。なお、ここでは6センサ・プローブを用いた場合の例について説明するが、7〜12個のセンサを備えた3セットの4センサ・プローブを用いた構成でもほぼ同様の処理が行われる。
まずステップ1(以降、単にS1のように称する)において、6つのセンサの中から3セットの独立した4センサ・プローブをどのように選択するかが決定される。この選択は上記したように行われる。なお、12個のセンサを備えた3セットの4センサ・プローブを用いた構成の場合、このステップは不要である。
次にS2において、6つのセンサそれぞれにおける、他のセンサとの間の距離が算出される。この距離は、前記した数9によって算出される。なお、S1およびS2における処理は、当該測定システムにおける初期値設定処理に相当するものであるので、動作の度に行われる必要はなく、予め求められた値が例えば測定装置1に記憶されていればよい。
次にS3において、実際に気液二相流中における6つのセンサによるセンシング処理が行われる。そして、S4において各センサによる測定結果がセンサ装置2から測定装置1へ伝送される。
測定装置1が測定結果を受信すると、測定演算部5は、受信した測定結果に基づいてS5〜S9までの演算処理を行う。なお、S5〜S9までの処理は、この順番で行われる必要はなく、どの順番で行われてもよいし、並行に行われてもよい。また、必要とされる演算処理だけ行われるようになっていてもよい。
S5では、ボイド率の算出が行われる。このボイド率は、前記した数1に基づいて算出される。S6では、気泡頻度の算出が行われる。この気泡頻度は、前記した数2に基づいて算出される。S7では、界面面積濃度の算出が行われる。この界面面積濃度は、前記した数21に基づいて算出される。S8では、界面速度の算出が行われる。この界面速度は、前記した数29〜数31に基づいて算出される。S9では、気泡直径の算出が行われる。この気泡直径は、前記した数44に基づいて算出される。
以上のようにして、ボイド率、気泡頻度、界面面積濃度、界面速度、および気泡直径が算出されると、その算出結果が測定結果として測定結果出力部6によって出力される。
なお、上記実施形態の測定演算部5は、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、測定演算部5の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る測定装置、測定方法、および測定システムは、気液二相流を利用する様々な工業装置における気液二相流の解析に利用することが可能である。このような工業装置としては、例えば、軽水型動力炉、蓄熱・冷凍・冷蔵システム、電子回路冷却システム、および、化学工業分野における気泡反応塔などが挙げられる。
本発明の一実施形態に係る測定システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 上記測定システムの概略構成を示す図である。 上記測定システムが備えるセンサ装置の概略構成を示す図である。 6センサ・プローブにおける、各センサの配置状態の例を示す図である。 同図(a)は、ダブルセンサ・プローブによる測定の概略を示す図であり、同図(b)は、2つのセンサからの出力信号の例を示す図である。 4つのセンサによって界面の変化を検出する様子を模式的に示す図である。 同図(a)は、界面法線方向成分の単位ベクトルを定義する角度を示す図であり、同図(b)および同図(c)は、界面の移動方向にと界面法線の向きとの関係を示す図である。 独立した3セットの4センサ・プローブによって界面の測定を行う様子を模式的に示す図である。
符号の説明
1 測定装置
2 センサ装置
3 流路管
4 センサ出力受信部(出力受信部)
5 測定演算部(測定演算手段)
6 測定結果出力部

Claims (9)

  1. 気液二相流中に配置され、該気液二相流における気相および液相を検出するセンサからの出力信号を受信する出力受信部と、
    上記出力受信部によって受信された出力信号に基づいて、上記気液二相流における気相と液相との間の界面に関する物理特性を算出する測定演算手段とを備え、
    上記出力受信部が、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットの少なくとも3セット分の出力信号を受信するとともに、各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでおり、
    上記測定演算手段が、上記出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出することを特徴とする測定装置。
  2. 上記測定演算手段が、各センサセットの出力信号に基づいて、界面の法線方向成分の速度と、界面の法線方向の単位ベクトルを算出するとともに、各センサセットの出力信号に基づいて得られた界面の法線方向の単位ベクトルが等しいという仮定に基づいて、上記界面の3次元速度を算出することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  3. 上記測定演算手段が、上記界面によって囲まれた気泡が球状であることを仮定して、上記界面の3次元速度に基づいて気泡の直径を算出することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  4. 上記測定演算手段が、界面上の特定位置における測定可能速度の全てにおいて、それぞれの界面の法線方向成分の大きさは全て等しく、測定可能速度における界面の法線方向成分の大きさは、界面の速度の法線方向成分に等しくなる、という法則を利用して、上記界面の3次元速度を算出することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  5. 気液二相流中に配置され、該気液二相流における気相および液相を検出するセンサからの出力信号に基づいて、上記気液二相流における気相と液相との間の界面に関する物理特性を算出する測定演算ステップを含み、
    上記出力信号が、少なくとも4つのセンサからなるセンサセットの少なくとも3セット分の出力信号であって、各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでおり、
    上記測定演算ステップにおいて、上記出力信号に基づいて、上記界面の3次元速度を算出することを特徴とする測定方法。
  6. 少なくとも4つのセンサからなるセンサセットを少なくとも3セットと、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の測定装置とを備え、
    上記各センサセットは互いに異なる組み合わせのセンサを含んでいることを特徴とする測定システム。
  7. 上記3セットのセンサセットが、6つのセンサによって構成されていることを特徴とする請求項6記載の測定システム。
  8. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の測定装置が備える測定演算手段が行う処理をコンピュータに実行させることを特徴とする測定プログラム。
  9. 請求項8に記載の測定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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