JP2006169982A - 燃料又は還元剤添加装置、内燃機関及び排ガス浄化装置 - Google Patents

燃料又は還元剤添加装置、内燃機関及び排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 添加する燃料又は還元剤を効率的に軽質化できる燃料又は還元剤添加装置、並びにこの燃料又は還元剤添加装置を使用する内燃機関及び排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】 ガスをプラズマ化するプラズマ発生装置と、液体の燃料又は還元剤を気化してキャリアガスに同伴させ、プラズマ化されるガスとしてプラズマ発生装置に供給する燃料又は還元剤気化装置とを有する、燃料又は還元剤添加装置とする。また、この燃料又は還元剤添加装置を使用する内燃機関及び排ガス浄化装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマを利用して燃料又は還元剤の軽質化等を達成する燃料又は還元剤添加装置、並びにこの燃料又は還元剤添加装置を使用する内燃機関及び排ガス浄化装置に関する。
内燃機関の燃焼室に直接に又はその吸気流路に燃料を噴射するための従来のインジェクターは例えば、図12に示すようなものである。このインジェクター100は、内部に中空空間13を有するほぼ円筒状のノズル12と、このノズル12の中空空間13内で摺動(移動)するほぼ円柱形のニードル弁14とを具備している。このノズル12とニードル弁14とはこれらの軸線Aが同軸になるように配置されている。またこのノズル12には中空空間13に通じる供給通路15が設けられている。供給通路15は燃料供給源(図示せず)に接続され、この供給通路15を介して中空空間13内に高圧の燃料が供給される。供給された燃料は、ニードル弁14とノズル12の内壁面との間の環状流路16を介してノズル12の先端部分へと流れ、ノズル12の先端部分の噴射孔19から噴射される。ここでは、ニードル弁14を中空空間13内で摺動させ、ニードル弁14の先端をノズル先端部分の内壁面と接触させることによって、噴射孔19の入口を開閉し、噴射口19からの燃料の噴射を制御する。
このようなインジェクターは、内燃機関からの排ガスが流れる排気管内に燃料を噴射するためにも使用され、これについては特許文献1で開示されている。この特許文献1では、排気管内において触媒の上流側の放電装置で放電を発生させ、この放電装置の更に上流側で還元剤を噴射することを提案している。これによれば炭化水素(HC)の存在によって放電装置におけるNOからNO2への酸化を促進できるとしている。またこの特許文献1では、触媒上流で還元剤を噴射し、触媒上で放電プラズマを発生させることも提案している。これによれば、更に触媒表面での反応が促進され、浄化活性を上げることができるとしている。
自動車の排ガスを浄化するための放電プラズマの使用については特許文献2でも示されている。この特許文献2は、ディーゼルエンジンからの排ガス中のパティキュレート(以下では「PM」とする)をPMトラップで捕集し、このPMトラップに新気を供給して再生するPM除去装置に関する。ここではPMトラップに供給される新気に対して水を注入し、そしてコロナ放電を提供することによってOHラジカルを発生させ、このOHラジカルによってPMトラップに捕集されたPMの燃焼を促進することを提案している。
また自動車の排ガスを浄化するための放電プラズマの使用に関して、引用文献3では、水蒸気をプラズマ発生装置に供給し、そして得られた水蒸気プラズマガスを排ガス中に供給することによって、排ガス中の有害成分を酸化し、無害化することを提案している。ここでは水蒸気をプラズマ発生装置に供給することによって、O、OH、H、H2O、O3などの活性な化学種が得られることが開示されている。
特開2001−159309 特開平5−321634 特開平6−363820
上述のように、燃料又は還元剤を噴射するインジェクターは様々な用途で使用されている。これらの用途においては、燃料又は還元剤が軽質化され、活性を高められていることが好ましい場合がある。
例えば、内燃機関、特に直噴式内燃機関の燃焼室への燃料の噴射では、燃料の軽質化によって不完全燃焼を抑制し、またPMの発生を抑制できる。
また、内燃機関からの排ガスが流れる排気管内への還元剤の噴射では、噴射される還元剤が軽質化されることによって、触媒上でのNOxの還元を改良することができる。また、噴射される還元剤が軽質化されることによって、還元剤成分自身が未反応のまま大気中に放出されること抑制できる。
排ガス浄化のためのプラズマの使用は、特許文献1で示されるように従来から知られている。しかしながら、特許文献1でのように、燃料を排ガスに噴射し、その後で排ガスの処理の際にプラズマを提供する場合、排ガス流れ全体をプラズマ状態にしているので、プラズマを発生させるために必要とされるエネルギーが比較的大きく、またプラズマ密度は低くなる。
よって、添加する燃料又は還元剤を効率的に軽質化等できる燃料又は還元剤添加装置が必要とされている。
本発明の排ガス浄化装置は、ガスをプラズマ化して噴出させるプラズマ発生装置と、液体の燃料又は還元剤を気化してキャリアガスに同伴させ、プラズマ化されるガスとしてプラズマ発生装置に供給する燃料又は還元剤気化装置とを有する。
本発明の燃料又は還元剤添加装置によれば、燃料又は還元剤をラジカル化、クラッキングして、反応性の高い低分子量成分に転化させることができる。特にプラズマ発生装置に供給される燃料又は還元剤が予め気化され、キャリアガスと混合されているので、プラズマ中の燃料又は還元剤の濃度を低下させて、すすの発生を抑制すること、及びプラズマと燃料又は還元剤との接触性を改良して、低分子量成分への転化を促進することができる。
また本発明の燃料又は還元剤添加装置によれば、プラズマ発生装置が、燃料又は還元剤を供給される空間の全体でではなく、キャリアガスと燃料又は還元剤のみをプラズマ化している。従ってプラズマ化される空間を比較的狭くすること、すなわち比較的少ない消費エネルギーで大きいプラズマ密度を得ることができる。
本発明の燃料又は還元剤添加装置では、燃料又は還元剤気化装置が、貯留液体燃料又は還元剤内にキャリアガスを流通させることによって、又はキャリアガスに燃料又は還元剤を噴射することによって、キャリアガスに燃料又は還元剤を同伴させることができる。
また本発明の燃料又は還元剤添加装置では、キャリアガスに水分を同伴させる水気化装置を更に有すること、又はプラズマ発生装置が形成するプラズマ空間に水を噴射する水噴射装置を更に有することができる。
この態様によれば、燃料又は還元剤と共に水をプラズマ化してOHラジカル、Oラジカル等を生成させることができる。これらのOHラジカル、Oラジカル等は、燃料又は還元剤のクラッキング、軽質化を促進し、またプラズマによって切断された燃料又は還元剤の分子鎖の末端に結合して、不飽和炭化水素の生成を防ぎ、すすの生成を抑制することができる。
本発明の燃料又は還元剤添加装置では、キャリアガスを、窒素、空気、アルゴン及び排ガスの一部、特に再循環排ガス(EGRガス)からなる群より選択することができる。
特に空気又は排ガスの一部をキャリアガスとして使用してプラズマ化する場合、空気又は排ガスに含有される水分によって、燃料又は還元剤の軽質化を促進し、またすすの生成を抑制することができる。空気及び排ガスはそれぞれ外気から及び排気流れから得られるので、キャリアガスを貯蔵するタンク等が必要ない点で好ましい。
排ガスの一部、特にEGRガスをキャリアガスとして使用してプラズマ化する場合、排ガスは比較的酸素濃度が低く、従って燃料又は還元剤を酸化によって消費する傾向が低い点、及び排ガスが、例えば約5%〜10%といった比較的安定した濃度の水分を含有する点でも有利である。
本発明の内燃機関は、本発明の燃料又は還元剤添加装置によって、燃焼室又はその上流の吸気流路に燃料を噴射して燃焼室で燃焼させる内燃機関である。
本発明の内燃機関、特に燃料を直接に燃焼室に噴射する直噴式内燃機関によれば、燃焼室における燃料の燃焼性を改良して、未燃焼燃料の排出やPMの生成を抑制することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、排気管内に設けた触媒、特にNOx浄化触媒の上流側において排ガスに還元剤を添加する排ガス浄化装置であって、本発明の燃料又は還元剤添加装置によって還元剤を添加する排ガス浄化装置である。
本発明の排ガス浄化装置によれば、下流の触媒への還元剤の拡散及び還元剤と触媒との接触を促進して、触媒上でのNOの還元反応を促進し、また還元剤自身が未反応のまま大気中に放出されることを抑制する。
以下では、図に示した実施形態に基づいて本発明を具体的に説明するが、これらの図は本発明の概略を示す図であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
<本発明の燃料又は還元剤添加装置>
本発明の燃料又は還元剤添加装置では、キャリアガスに燃料又は還元剤を同伴させ、このようにして得た気化燃料又は還元剤をプラズマ発生装置に供給する。気化燃料又は還元剤を供給されたプラズマ発生装置は、この気化燃料又は還元剤をプラズマ化し、プラズマ処理された燃料又は還元剤を噴出させる。
ここでこのキャリアガスへの燃料又は還元剤の同伴は、燃料又は還元剤の気化とそれに続くキャリアガスとの混合といった任意の様式によって行うことができるが、図1又は図2に示すようにしても達成することができる。すなわち、図1に示すように、燃料又は還元剤気化装置1aにおいて、貯留液体燃料又は還元剤3内にキャリアガス4を流通させてキャリアガスに燃料又は還元剤を同伴させること、又は図2で示すように、燃料又は還元剤気化装置1bにおいて、キャリアガス中に燃料又は還元剤を噴射5して気化させ、同伴させることができる。尚、この図1及び2の態様では、このようにして得た燃料又は還元剤を同伴するキャリアガスをプラズマ発生装置2でプラズマ化して、排ガス流れ中に噴射9している。
本発明の燃料又は還元剤添加装置の使用においては、用途に応じて様々なキャリアガスと燃料又は還元剤との組み合わせを使用することができる。すなわち例えば、キャリアガスとして、窒素、空気、アルゴン及び排ガスの一部からなる群より選択されるガスを用いることができ、また燃料又は還元剤として、ガソリン、軽油等の炭化水素、エーテル、又はアルコール等を用いることができる。
キャリアガスとして窒素又はアルゴンを用いる場合、これらのガスを保持するタンクから供給することができる。また、キャリアガスとして空気を用いる場合、随意にポンプを用いて、周囲から供給することができる。また更に、キャリアガスとして排ガスの一部を用いる場合、排ガス浄化触媒の上流側又は下流から再循環させることができる。
尚、用語「燃料」及び「還元剤」は、用途によって使い分けられる用語である。一般的には、「燃料」は、添加装置からの供給物を爆発的に燃焼させることを意図した用途において、この供給物を表すために使用される用語であり、また「還元剤」は、添加装置からの供給物によって他の物質を還元させることを意図した用途において、この供給物を表すために使用される用語である。従ってこれらの用語は同じ対象を示すこともあり、相互に交換可能に用いることができる。すなわち、内燃機関の動力エネルギーを発生させるために「燃料」としてガソリンを燃焼室内に噴射し、同時にこの内燃機関から排出される排ガス中のNOxを還元するために「還元剤」としてガソリンを排気管内に噴射することもある。当然に、内燃機関の動力源としての「燃料」と排ガスの浄化のための「還元剤」とが異なっていてもよい。
尚、水気化装置によってキャリアガスに水分を同伴させて、燃料又は還元剤のクラッキング、軽質化等を促進する場合、燃料又は還元剤気化装置によって燃料又は還元剤をキャリアガスに同伴させるのと同様にして、キャリアガスに水分を同伴させることができる。すなわち例えば、貯留水内にキャリアガスを流通させてキャリアガスに水分を同伴させること、又はキャリアガス中に水を噴射してキャリアガスに水分を同伴させること等ができる。キャリアガスに燃料又は還元剤を同伴させ、その後で水分を同伴させること、反対にキャリアガスに水分を同伴させ、その後で燃料又は還元剤を同伴させること、また燃料又は還元剤を同伴しているキャリアガスと水分を同伴しているキャリアガスとを混合することができる。
また、プラズマ発生装置が形成するプラズマ空間に水を噴射して燃料又は還元剤のクラッキング、軽質化等を促進する場合、例えば図12で示すインジェクター100を水噴射装置として使用して、水を噴射することができる。
以下では、本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できるプラズマ発生装置を例示する。
<放電プラズマ発生装置>
放電によってプラズマを発生させる放電プラズマ発生装置は例えば、中心電極とこの中心電極の周囲の外周電極とを有し、これら中心電極と外周電極との間の流路にプラズマ化されるガスを流通させ、またこれら中心電極と外周電極との間に電圧を印加して放電によってプラズマを発生させるものである。またこの放電プラズマ発生装置は、その先端部からプラズマを噴出させるものであっても、その内部にプラズマを発生させるものであってもよい。
これは特に図3に示すようなものでよい。この放電プラズマ発生装置30では、プラズマ化されるガスを流通させる導電性の円筒状導管32の中心軸上に中心電極36が配置されている。また、導管32と中心電極36とは、それぞれが対電極となるようにして、それぞれ接地及び電源38に接続されている。導管32と中心電極36とは、いずれをカソードとすることも、またアノードとすることもできる。また導管32と中心電極36とは、いずれを接地することもできる。尚、この図3においては、導管を一方の電極として使用しているが、中心電極36と対になる別個の電極を用いることも当然に可能である。
この放電プラズマ発生装置30の使用においては、電源38によって導管32と中心電極36との間に放電を発生させ、それによってプラズマ空間39を導管32と中心電極36との間の流路内に形成し、供給されるガス33をここでプラズマ化する。
図3の放電プラズマ発生装置30では、導管32と中心電極36との間の流路内にプラズマ空間39を形成しているが、図4で示す放電プラズマ発生装置30’でのように、プラズマ39’を放電プラズマ発生装置の先端部から噴出させることもできる。これは例えば、導電性の円筒状導管32’とその中心軸上の放電電極36との間に絶縁材34を配置し、導管32’の先端部32aと放電電極36の先端部36aとの間で放電を発生させることによって達成できる。
この図4でのように、プラズマ39’を放電プラズマ発生装置30’の先端部から噴出させる場合、随意に図12に示すようなインジェクター100を水噴射装置として用いてプラズマ39’に水を添加して、燃料又は還元剤のクラッキング、軽質化等を促進することができる。また、図5に示す放電プラズマ発生装置30”でのように、水噴射装置として用いるこのインジェクター100を、導電性の円筒状導管32’の中心軸上に配置して、中心電極として利用することもできる。これは、噴射される水とプラズマとの接触性を改良する。
放電プラズマ発生装置30、30’及び30”において電極として使用する部分は、電極間に電圧を印加して放電電極として使用できる材料で製造することができる。そのような材料として、導電性材料や半導体性材料を用いることができるが、金属材料、例えば銅、タングステン、ステンレス、鉄、アルミニウム等が好ましい。しかしながら特にアーク放電では電極が高温になるので、タングステンのような高融点材料を使用することが好ましい。また、バリア放電を使用するために、これらの導電性又は半導体性材料上に絶縁性材料を配置することもできる。電極上に絶縁性材料を配置してバリア放電を行うことは、プラズマの安定性、電極の耐久性などに関して好ましい。
ここで発生させる放電プラズマは、電極間の放電によって生じる高エネルギーの電子を気体分子に衝突させ、それによって気体分子をプラスイオンとマイナスイオンとにすることによって発生させるプラズマをいう。この放電プラズマを発生させるためには、任意の放電形態を使用できるが、アーク放電、又はコロナ放電、例えばバリア放電を利用できる。
アーク放電を用いてプラズマを発生させる場合、電源は、例えば1〜50Vの電圧及び5〜500Aの電流を供給することができる。このアーク放電ではカソードから放出される電子によって放電が持続される。アーク放電を生じさせるための電流としては、直流のみでなく交流を用いることもできる。
アーク放電は、放電電流や放電電圧を増加することにより出力の増大が容易であり、安定な放電を長時間持続することできる点で有利である。またアーク放電は、アーク放電を発生させる装置及び技術が簡単であり、設備費が比較的廉価である点で有利である。
またコロナ放電を用いてプラズマを発生させる場合、電源は、パルス状の直流又は交流電圧を供給するものでよい。電極間の印加電圧としては、一般的には1kV〜100kV、例えば5kV〜20kVの電圧を使用することができる。また印加電圧のパルス幅は、0.1μs〜10ms、特に0.1〜10μsにすることができる。
<結合誘導プラズマ発生装置>
結合誘導によってプラズマを発生させる結合誘導プラズマ発生装置は例えば、プラズマ化されるガスの流路の周囲に配置された誘導コイルを有し、この誘導コイルに高周波電流を供給して、ガスの流路に磁場を発生させ、渦電流を発生させて、結合誘導プラズマを発生させるものである。
これは例えば図6に示すようなものでよい。この結合誘導プラズマ発生装置40では、プラズマ化されるガスを流通させる導管42の先端部分が電磁波を透過させる材料、例えば石英のような絶縁性材料で作られており、この先端部分の周囲に、誘導電場を発生するための誘導コイル44が配置されている。誘導コイル44の一端には、マッチングボックス47を介して高周波電源48が接続されており、他端は接地されている。
この結合誘導プラズマ発生装置40の使用においては、マッチングボックス47によってインピーダンスを調整して高周波電源48から誘導コイル44に高周波電流を流し、導管42の先端部分の内側において磁場を発生させ、渦電流を発生させ、それによって導管42内及びその付近で誘導的にプラズマ49を発生させる。ここで使用する高周波電流としては、例えば2〜50MHz、特に3〜40MHzの周波数を用いることができる。
この結合誘導プラズマは、電極(金属部分)を高温のプラズマに直接に露出させないことができるので、耐久性に関して好ましい。
結合誘導プラズマ発生装置では、図3〜5で示す放電プラズマ発生装置30、30’及び30”と同様に、プラズマ発生装置内でプラズマを発生させること、発生させたプラズマを先端部から噴出させること、プラズマが発生する領域に更に水を供給すること等ができる。
<マイクロ波プラズマ発生装置>
マイクロ波によってプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ発生装置は例えば、プラズマ化されるガスの流路に配置されたプラズマ励起体を有し、このプラズマ励起体に対してマイクロ波を照射して、プラズマ励起体の周囲でプラズマを発生させるものである。
これは例えば図7に示すようなものでよい。この図7に示すマイクロ波プラズマ発生装置50では、プラズマ化するガスを流通させる導管内に、マイクロ波54の照射を受けてその周囲でのプラズマ59の励起を促進するプラズマ励起体52、例えば導電性セラミック、特にSiC焼結体のような導電性セラミック焼結体が配置されている。
このマイクロ波プラズマ発生装置50の使用においては、マグネトロンのようなマイクロ波発生装置で発生させたマイクロ波54、例えば周波数2.54GHz程度のマイクロ波を、導波管を経由させてアンテナからプラズマ化するガス33に照射し、電場強度を強めてプラズマを発生させる。
特に大気圧又はそれよりも高い気体圧力においてマイクロ波プラズマを発生させる場合、一般にプラズマ励起体52を使用し、このプラズマ励起体にマイクロ波を照射することによって、このプラズマ励起体の周囲でプラズマを発生させることが有利である。
マイクロ波プラズマを使用することは、電極(金属部分)を高温のプラズマに直接に露出させないことができるので、耐久性に関して好ましい。
マイクロ波プラズマ発生装置50では、図3〜5で示す放電プラズマ発生装置30、30’及び30”と同様に、プラズマ発生装置内でプラズマを発生させること、発生させたプラズマを先端部から噴出させること、プラズマが発生する領域に更に水を供給すること等ができる。
<内燃機関>
本発明の燃料又は還元剤添加装置を使用して内燃機関の燃焼室又はその吸気流路に燃料を添加することができる。本発明の燃料又は還元剤添加装置を使用して内燃機関の燃焼室に直接に燃料を添加する直噴式内燃機関は例えば、図8に示すようなものである。
この図8では、本発明の燃料又は還元剤添加装置200、シリンダブロック61、シリンダヘッド62、ピストン63、燃焼室64、吸気弁65、吸気管とともに吸気流路を形成する吸気ポート66、排気弁67、排気ポート68を有する直噴式内燃機関60が示されている。ここでは、制御線200aを通じて本発明の燃料又は還元剤添加装置200での燃料の噴射210を制御できるようにされている。この直噴式内燃機関60では、直噴式内燃機関で一般に使用される燃料、例えばガソリン、軽油等を噴射することができる。
ここでは、常にプラズマを発生させておくこともできるが、燃料を噴射する瞬間にのみ、特に暖機がまだ充分ではない条件において燃料を噴射する瞬間にのみプラズマを発生させると、消費エネルギーに関して好ましい。
<排ガス浄化装置>
本発明の燃料又は還元剤添加装置を使用して排ガスを流通させる排気管に還元剤を添加して、触媒、特にNOx浄化触媒での排ガス中のNOxの還元を促進することができる。この排ガス浄化装置は例えば、図9に示すようなものである。
この図9では、本発明の燃料又は還元剤添加装置200、排気管76、触媒、特にNOx吸蔵還元触媒又はNOx選択還元触媒のようなNOx浄化触媒72、ケーシング74を有する排ガス浄化装置70が示されている。矢印79は排ガス流れ方向を示している。また制御線200aを通じて本発明の燃料又は還元剤添加装置200での還元剤の噴射211を制御できるようにされている。
この排ガス浄化装置70では、ガソリン、軽油等の内燃機関の動力源に使用される燃料を還元剤として噴射できるだけでなく、別個の還元剤を噴射することもできる。また、この排ガス浄化装置70で使用できるNOx浄化触媒は、排ガス、特に内燃機関からの排ガス中のNOxの還元を促進する触媒である。
ここでは、常にプラズマを発生させておくこともできるが、還元剤を噴射する瞬間にのみ、特に暖機がまだ充分ではない条件において還元剤を噴射する瞬間にのみプラズマを発生させると、消費エネルギーに関して好ましい。
尚、本発明の排ガス浄化装置で使用できるNOx浄化触媒72は、排気中のNOxを還元してN2にすることができる任意の既知の触媒でよく、これは例えばNOx吸蔵還元触媒、NOx選択還元触媒又は三元触媒と呼ばれるものでよい。
これらの触媒は当該技術分野で知られる任意の適当な量で、ウォッシュコート等の任意の装置によって、セラミックハニカム担体のような担体に担持させて用いることができる。
<プラズマ>
一般に知られているようにプラズマとは、自由運動する正と負の電荷をもつ2種以上の荷電粒子が共存する物質状態を意味する。従ってプラズマ状態では、存在する物質は高いポテンシャルエネルギーを有し、燃料又は還元剤をプラズマ状態にし、ラジカル化、クラッキングを行って、反応性の高い低分子量成分に転化することができる。
<プラズマによる燃料又は還元剤のクラッキング>
燃料又は還元剤を少なくとも部分的にプラズマ化することによって、ラジカル化、クラッキングを行えること自体は、プラズマの非常に高いエネルギー状態を考慮すれば充分に当業者に明らかである。しかしながら以下では、炭化水素(C1328)のプラズマ化によってクラッキング等が行われることを実験によって確認した。
ここでは図10で示すような実験装置を用いた。実験においては、燃料供給部からの燃料(C1328)とN2供給部からのキャリアガスとしてのN2とを混合し、ノズルを経由させてチャンバーに供給した。またノズル内での放電によって放電プラズマを発生させた。実験においては、この放電プラズマがノズルの先端から出ていることが観察された。N2供給部からのN2はチャンバーに直接的にも供給した。またチャンバーからの排気の一部にガスクロマトグラフ分析を行った。
ここでこの実験で使用してプラズマを発生させたノズルは、図11に示すようなものであった。この図11で示されるノズルは、中空円筒状電極92とその中心線上に配置された棒状電極94とからなり、これらの電極間にはガス流れ流路96が形成されている。矢印98はこのガス流れ流路96を流通するガス流れを示している。またこのノズルは、中空円筒状電極92とその中心線上に配置された棒状電極94との間に、電源93によって電圧を印加し、それによって中空円筒状電極92の先端部92aと棒状電極94の先端部94aとの間で放電を行えるようにされている。尚、ここでは円筒状電側の内側にガラス管を配置して、バリア放電が起こるようにされている。
この実験によれば、放電によってプラズマを発生させているときのみ、C1〜C3の成分がガスクロマトグラフ分析で測定された。これはプラズマが比較的大きい分子(C1328)をクラッキングして、比較的小さい分子(C1〜C3)を作れることを示している。
本発明の燃料又は還元剤添加装置の1つの態様を示す図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置の他の態様を示す図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できる放電プラズマ発生装置を示す断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できる他の放電プラズマ発生装置を示す断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できる更に他の放電プラズマ発生装置を示す断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できる結合誘導プラズマ発生装置を示す断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置で使用できるマイクロ波プラズマ発生装置を示す断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置を使用する直噴式内燃機関を示す概略断面図である。 本発明の燃料又は還元剤添加装置を使用する排ガス浄化装置を示す概略断面図である。 プラズマによる炭化水素分子のクラッキングを行う実験を示す概略図である。 図10で示す実験において使用したノズルを示す概略断面図である。 従来のインジェクターの拡大断面図である。
符号の説明
1、1a 燃料又は還元剤気化装置
2 プラズマ発生装置
3 貯留液体燃料又は還元剤
30、30’、30” 放電プラズマ発生装置
33 プラズマ化されるガスの流れを示す矢印
39、39’ プラズマ
40 結合誘導プラズマ発生装置
43 プラズマ化されるガスの流れを示す矢印
49 プラズマ
50 マイクロ波プラズマ発生装置
56 プラズマ化されるガスの流れを示す矢印
59 プラズマ
60 直噴式内燃機関
70 排ガス浄化装置
100 インジェクター
200 本発明の燃料又は還元剤添加装置

Claims (9)

  1. ガスをプラズマ化して噴出させるプラズマ発生装置と、
    液体の燃料又は還元剤を気化してキャリアガスに同伴させ、プラズマ化される前記ガスとして前記プラズマ発生装置に供給する、燃料又は還元剤気化装置と、
    を有する、燃料又は還元剤添加装置。
  2. 前記燃料又は還元剤気化装置が、貯留液体燃料又は還元剤内に前記キャリアガスを流通させることによって、前記キャリアガスに前記燃料又は還元剤を同伴させる、請求項1に記載の燃料又は還元剤添加装置。
  3. 前記燃料又は還元剤気化装置が、前記キャリアガスに前記燃料又は還元剤を噴射することによって、前記キャリアガスに前記燃料又は還元剤を同伴させる、請求項1に記載の燃料又は還元剤添加装置。
  4. 前記キャリアガスに水分を同伴させる水気化装置を更に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料又は還元剤添加装置。
  5. 前記プラズマ発生装置が形成するプラズマ空間に水を噴射する水噴射装置を更に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料又は還元剤添加装置。
  6. 前記キャリアガスが、窒素、空気、アルゴン及び排ガスの一部からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料又は還元剤添加装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の燃料又は還元剤添加装置によって、燃焼室又はその上流の吸気流路に燃料を噴射して燃焼室で燃焼させる、内燃機関。
  8. 排気管内に設けた触媒の上流側において排ガスに還元剤を添加する排ガス浄化装置であって、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料又は還元剤添加装置によって前記還元剤を添加する、排ガス浄化装置。
  9. 前記触媒がNOx浄化触媒である、請求項8に記載の排ガス浄化装置。
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