JP2006162177A - 防爆型乾燥装置 - Google Patents

防爆型乾燥装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006162177A
JP2006162177A JP2004355876A JP2004355876A JP2006162177A JP 2006162177 A JP2006162177 A JP 2006162177A JP 2004355876 A JP2004355876 A JP 2004355876A JP 2004355876 A JP2004355876 A JP 2004355876A JP 2006162177 A JP2006162177 A JP 2006162177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer tube
drying
explosion
dried
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004355876A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Negishi
俊次 根岸
Seiichi Nakamu
誠一 中務
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEGISHI SEISAKUSHO
NEGISHI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
NEGISHI SEISAKUSHO
NEGISHI SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEGISHI SEISAKUSHO, NEGISHI SEISAKUSHO KK filed Critical NEGISHI SEISAKUSHO
Priority to JP2004355876A priority Critical patent/JP2006162177A/ja
Publication of JP2006162177A publication Critical patent/JP2006162177A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】 防爆型で乾燥能力が高く、また装置全体の小型化や部品点数の削減、被乾燥物の送り長さの短縮が図られるとともに、熱風の吹き付けによる風紋の発生も抑えられる乾燥装置を提供する。
【解決手段】 波長3μmおよび6μmの近傍にていずれも分光放射輝度の極大値を与える赤外線を被乾燥物たる溶媒に照射することによって、スチーム式の従来型の乾燥装置や、いずれかの波長のみを中心波長とする赤外線を照射するセラミクスヒータに比して効率よく該溶媒分子を励振させ、これを揮発させることができる。また、かかる赤外線放射セラミクスをリング状に成形して伝熱管に環装することで、該伝熱管の中心線形状によらずセラミクスヒータを好適に得ることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、中赤外線を照射することにより塗装物などの被乾燥物を輻射乾燥させる乾燥装置に関する。更に詳しくは、加熱流体を熱源とし、中赤外領域における所定の波長を放射するセラミクスヒータを用いた防爆型の乾燥装置に関するものである。
有機溶剤系のインク塗料を乾燥させる場合、直火型ヒータによる加熱では揮発した溶剤に引火して爆発する危険性がある。また、ニクロム線などの電熱線による加熱乾燥方式についても点火時の火花が揮発した溶剤の爆発を引き起こす可能性がある。また、織物やプラスチックフィルム等を乾燥させる場合も材料そのものが可燃性ゆえ、同様に防爆性が求められる場合が多い。
そこで従来の防爆型乾燥装置のほとんどは、基本的にスチームを熱交換して熱風を吹きかける方式を採っている。しかし、かかる伝熱方式による乾燥装置ではヒータから被乾燥物に対して熱風を吹き付け、乾燥を促進することが不可欠であるため、塗装面に風紋が形成されたり、空気中のゴミ類の付着量が増えたりするなど、被乾燥物の品質を低下させる要因となっている。
また従来の防爆型乾燥装置は乾燥能力が充分ではないため、例えば長尺のロール印刷物を被乾燥物とする場合、乾燥工程として長さ30m以上にわたるヒータ照射域を要する場合がある。したがって乾燥装置の大型化を招くだけではなく、乾燥装置通過中にロール送りされる印刷物の蛇行量が必然的に増え、乾燥後の巻取り作業に悪影響を及ぼすという問題点があった。
そこで先行文献1(特許文献1:特開平3−278853号公報)では、遠赤外線放射セラミクスをコーティングした伝熱部材の内部に加熱流体を通し、遠赤外線を放射させる防爆型遠赤外線ヒータの発明が提案されている。輻射加熱に基づく本方式によれば無風状態で塗装物や印刷物を乾燥させることができるため、被乾燥物の浮動や風紋の発生、ゴミ類の付着等を避けることができる。
また、先行文献2(特許文献2:特開2003−185338号公報)では、最大中心波長が2〜4μmの中赤外線ヒータによる厚膜ペーストの乾燥装置に関する発明が提案されている。かかる波長領域の中赤外線は、遠赤外線に比べペースト透過力が強いため、ペーストと下地との密着力を向上させることができるものである。但しかかる発明においてはヒータの種別は特に限定されていない。またこれと最大中心波長4〜20μmの遠赤外線ヒータを別途組み合わせて乾燥を行うことにより低コスト性、クリーン性、面内温度の制御性など、遠赤外線ヒータの利点もあわせて得ることができるものである。
特開平3−278853号公報 特開2003−185338号公報
しかし、これらの各発明、またはこれらを組み合わせた発明によっても、有機溶剤系塗料に対する防爆型乾燥装置としていまだ充分なものは得られていない。特に乾燥工程の短縮化による設備のダウンサイズの要望はとどまるものではないため、乾燥効率の高い装置の出現は常に望まれているといえる。先行文献1に記載の防爆型遠赤外線ヒータはセラミクスのコーティング厚が0.01〜0.2mmと薄いため、コーティングの欠けや剥離に弱いという問題点があった。また先行文献2に記載の乾燥装置についても、高い乾燥能力を得るために遠赤外線ヒータを組み合わせることは、部品点数が増加し、熱源や設置場所も別途要するなど、コストおよび装置の複雑化の観点から好ましいものではなかった。
そこで上記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討の末、波長約3μmおよび約6μmの近傍にてそれぞれ分光放射輝度の極大値を与える、即ち分光放射出力が少なくとも上記二つのピークを有する中赤外線を被乾燥物たる溶媒に照射することによって、いずれか一方のみを中心波長とする中赤外線を照射する場合と比べて効率よく該溶媒分子を励振させ、これを揮発させることができるとの知見に基づき、従来のセラミクスヒータによる防爆型乾燥装置の乾燥能力を更に高める本発明の完成に到った。
すなわち、3±1μmおよび6±1μmの放射波長域にそれぞれ分光放射輝度の極大値を有する赤外線放射セラミクスを被着した伝熱管と、
該伝熱管の内部を流動する加熱流体と、
該加熱流体を前記伝熱管内部に供給する加熱流体供給手段と、
を備える防爆型乾燥装置
によって上記の各課題を解決することが可能である。
また、本発明は、その具体的な実施の態様として以下の各関連発明をも含むものである。
(1)前記防爆型乾燥装置において、前記赤外線放射セラミクスの前記伝熱管への被着厚が1mm以上である防爆型乾燥装置。
(2)前記伝熱管に被着された前記赤外線放射セラミクスは、該伝熱管に環装されてなる複数個のリング状成形体である防爆型乾燥装置。
本発明によれば、水溶性または有機溶剤系の塗料や、織物、プラスチックフィルムなどの被乾燥物について、効率的にこれを乾燥させることのできる乾燥装置が提供される。よって従来の乾燥装置に比べ、乾燥工程を短縮することが可能となり、乾燥装置の設置スペースの削減を図れるほか、乾燥装置を通過する際の長尺シートの送り長さが短くなることにより蛇行を最小限に抑えることができ、製品品質の向上に資する。また、本発明は伝熱管内部に加熱流体を流動させる方式を利用した乾燥装置であって直火や電熱線を用いないため、有機溶剤系の塗料等に対しても防爆性に優れている。更に、本発明はセラミクスヒータによる輻射方式を利用するため、未乾燥の被乾燥物に熱風を下向きに吹き付ける必要が無く、風紋の発生や空気中に浮遊するゴミの付着も防ぐことができる。
また、本発明では、前記中赤外線を放射するセラミクスを複数のリング状に成形し、これを並べ敷き詰めるように伝熱管に環装する方式を採ることにより、伝熱管の湾曲部についても1mm以上の肉厚で該セラミクスを被着させることができる。これによりセラミクスのコート欠けや剥離を防ぐことができるのみならず、セラミクスを肉厚にすることによりヒータ表面の温度のばらつきが少なく、被乾燥物を斑なく乾燥できるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態につき、以下図面を用いて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の形態に限られるものではない。図1は本発明にかかる乾燥装置、並びに被乾燥物、その製造装置、および送りローラの組み合わせ配置を表わす模式図である。1は全体模式図、2はヒータ部、3はボイラー、4はポンプ、5は配管、6は被乾燥物、7は送りローラ、8は被乾燥物供給装置を表わす。図2はヒータ部2の具体例であり、セラミクス10および伝熱管11よりなる。
被乾燥物6は、ヒータによる乾燥を要するものであれば特に対象を限定するものではないが、本発明は防爆型であることから、有機溶剤系の塗料を塗布された印刷物、プラスチックフィルム、可燃性の織物などが、被乾燥物の対象として好適である。本実施の形態ではトルエンやメチルエチルケトン、酢酸エチルなどの炭化水素系有機溶剤含有塗料によるシート状の印刷物を被乾燥物6として例示する。
本実施の形態では、被乾燥物供給装置8として前記有機溶剤系塗料による印刷機を例示するが、他にグラビアコータ、フィルムや織物製品の製造装置、乾燥対象の半製品を手作業または機械作業により供給する場合なども含まれる。なお、静置した被乾燥物6に対しヒータ部2を図示しない駆動機構により往復または回転運動させて乾燥作業を行う場合なども本発明を実施するための形態として採り得るため、被乾燥物供給装置8は本発明の必須の構成要件ではない。
送りローラ7は、被乾燥物供給装置8から排出される被乾燥物6をヒータ部2まで移送する手段であり、ベルトコンベアなどが例示される。ただし、被乾燥物供給装置8と同様の理由により、送りローラ7もまた本発明の必須の構成要件ではない。
熱流体供給手段は、ガス、熱水、熱油などの加熱流体を加熱/保温するボイラー3と、ヒータ部2を経由して加熱流体を循環させるポンプ4からなるのが一般的であるが、構成はこれに限られない。ポンプ4の駆動方式は特に限定されず、加熱流体を配管5およびヒータ部2の内部で循環駆動させるものであれば足り、便宜上ポンプと呼称しているがその駆動方式は問わない。
ボイラー3による加熱方式は特に限定されないが、加熱流体に熱油を用いる場合は350乃至500℃、熱ガスを用いる場合は500℃程度以上まで加熱できることが好ましい。かかる加熱流体の温度は、後述するセラミクス10から放射される赤外線波長および分光放射輝度を決定する要因となる。
配管5は熱流体供給手段とヒータ部2との間を繋ぎ、その内部に図示しない加熱流体を循環させる。材料は特に限定されるものではないが、熱伝導性、耐熱性および耐腐食性などの観点からSUS、銅が好適に用いられる。ただし、該配管5は後述する伝熱管と連接するが、両管は継ぎ目を介して接続される別部材である必要はなく、配管5の一部または全部がそのまま伝熱管として機能する場合も本発明の形態として採り得るため、配管5は本発明の必須の構成要件ではないといえる。
ヒータ部2は本発明の主要な構成要素であり、熱源にはセラミクスヒータを用いる。該セラミクスヒータは図2に示すようにセラミクス10と伝熱管11からなる。伝熱管11は、その内部を流動する加熱流体から取り出した熱をセラミクス10に伝えることを目的とする。伝熱管11の材料は、熱伝導性、耐熱性および耐腐食性などの観点からSUS、銅が好適に用いられる。断面形状は特に限定されず、加熱流体の循環流動を阻害しないよう、円形、矩形またはその組み合わせ等が好適であるが、毛細管現象を利用して加熱流体の循環流動を促進する場合はヒートパイプの如く、内孔断面を星形等とすることも好適である。
一方、伝熱管11の中心線形状についても特に限定されるものではない。図2では直線形を例示してあるが、U字形、S字形、L字形、またはこれらの組み合わせなども好適に採り得る。また本数も一本または二本以上のいずれでもよく、複数本の場合は中心線形状、断面形状が同一または異なるものを、直列または並列に組み合わせてもよい。被乾燥物6の幅方向長さと伝熱管11の太さの比率に応じて、該中心線形状を適宜選択することができる。このとき、図1ではヒータ部2と配管5との二つのインタフェースが対向している、即ち加熱流体の入口と出口が対面に設けられた状態を例示しているが、好適な実施の形態としてはこれに限られない。例えば伝熱管11の中心線形状がL字形であれば隣り合うサイドに、U字形であれば同一のサイドに、かかる入口と出口を設ける場合もあり、その場合は配管5の敷設ルートは当然図1と異なるものとなるが、いずれも本発明の目的を好適に達成するものである。また実施例として後述するように、複数のU字形の伝熱管を並列に組み合わせる場合、配管5と伝熱管11のインタフェース部を該複数本に分岐させることで、各伝熱管に対して加熱流体を同時に流入および排出させることもできる。この場合、各伝熱管の温度が均質となるため乾燥の斑が減少するという利点がある。
ヒータ部2を構成するセラミクス10は、本発明の主要な構成要素であり、乾燥作業温度に加熱したときに、放射波長3μmおよび6μmの近傍においていずれも分光放射輝度の極大値をとることを特徴とする。従来の中赤外線セラミクスヒータでは、3μm近傍、6μm近傍、またはそれ以外のいずれかひとつにおいてのみ分光放射輝度の極大値を与える最大中心波長をもつものが一般的に用いられているが、本発明の如く両波長においていずれも極大値を与えるセラミクスヒータを用いることにより、水、トルエン、メチルエチルケトンなど、水性/有機溶剤系を問わず溶媒の乾燥が促進され、本発明の目的が達成される。
これは、例えば溶媒が水分子の場合、3μmの赤外線によって水素原子と酸素原子間の伸縮運動が、6μmの赤外線によって水素原子同士の結合角度の開閉振動がそれぞれ励振されるが、両波長の赤外線を同時に照射することにより、一方のみの場合と比べて水分子の振動を全体としてより活性化し、分子間力を超える運動エネルギーを効率よく与えることが可能となるためと考えられる。これは有機溶剤系の溶媒についても同様であり、例えば本発明にて除去/乾燥することを目的とするトルエンやメチルエチルケトンなどについても、3μmおよび6μm近傍という二つの異なる中赤外線波長によって異なる振動モードが励起され、いずれか一方のみを照射する場合に比べ、乾燥をより促す働きがある。以上より、本発明で用いるセラミクス10は、3μmおよび6μmの近傍の双方を中心波長とすることが好ましく、分光放射輝度の極大値を与える波長が3±1μmおよび6±1μmを逸脱すると本発明の効果は低減し、好ましくないといえる。
かかるセラミクス10を伝熱管11の外表面に被着させることでセラミクスヒータは構成されるが、被着の方法は特に限定されるものではない。100μmオーダー以下の膜厚とする場合は伝熱管11にセラミクスコートにて被着させるのが一般的であり、ミリメートルオーダー以上の厚さとする場合は伝熱管11の外形寸法にあわせた内径を有する管状にセラミクス10を焼成することが一般的である。
しかし、セラミクスコートによる被膜は薄く、コート欠けや剥離によるヒータの劣化は避けられないため、1mm以上の肉厚に焼成したセラミクス10を伝熱管11に環装する方式が本発明にとってより好ましい。また、セラミクス10を肉厚にすることにより、ヒータ表面の温度が均質化し、乾燥能力も場所によらずより一様となるため、被乾燥物を斑なく乾燥できるという利点もある。そこで伝熱管11の長さや嵌め合い精度によらずセラミクス10を好適に環装できるよう、図3の如くセラミクス10をリング状に多数成形し、これらを並べ環装するとよい。その結果、該リングの一部に破損が生じても、そのリングのみを外し、他のリングをスライドさせることで交換の対象を最小限とすることができるほか、伝熱管11の中心線形状がU字形やS字形など、湾曲部を含んでいても肉厚のセラミクス10を環装することが可能となる。
図2または図3において、前記セラミクス10と伝熱管11の間には、図示しないフィラーを挟入して伝熱管11からセラミクス10への熱伝達率を向上することもできる。フィラーとしては、エポキシ系やポリイミド系接着剤、金属酸化物、カーボンブラックなどに代表される熱伝導性フィラーから適宜選択しうる。ただし、上述のように一部のリングに破損が生じた場合、該リングを伝熱管より外し、他のリングをスライドすることでかかる空白部を埋めることが可能であるため、フィラーによるリングの固着を敢えて避けることも好適といえる。
ヒータ部2は被乾燥物6の上方に略水平に架設され、所定の距離をもって被乾燥物6に向け中赤外線を照射する。かかる距離が近すぎると被乾燥物6の乾燥斑が生じ、遠すぎると放射波の拡散・減衰により乾燥効率が低下する。また、ヒータ部2の上方には放射波を被乾燥物6に向けて反射する凹面状の反射板を架設してもよい。反射板の材質は特に限定されないが、赤外線反射率、加工性、耐久性などの観点から金属材料、特にSUS、銅、アルミ合金などが好適に用いられる。
本発明の如きセラミクスヒータによる輻射乾燥方式では、ヒータと被乾燥物の間に熱伝達の媒体は不要であり、熱風の吹きつけによる未乾燥部分における風紋の発生や空気中のゴミの付着を避けることができる。ただし、中赤外線によって励振され溶媒から揮発した分子を効率的に排除し、他の分子の揮発を促進するため、被乾燥物に対して水平に横風を送ることは好適である。かかる横風の場合、未乾燥部分に風紋が発生することも空気中のゴミが付着することもない。
(実施例)
以下、本発明にかかる乾燥装置について、実施例を用いて更に具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。図1のヒータ部2に関する実施例を図4および図5に模式的に示す。伝熱管11はSUS材料を用い、断面は外直径16mmの環形、中心線形状はU字形をなし、半円弧部の直径100mm、直線部の長さ1000mmとし、これを図5に示す如く200mmピッチで25本、並列に並べて乾燥装置を構成した。ただし、両図は模式図であり、縦横比は実機と一致しない。また図5においては途中の21本のU字形ヒータは省略している。配管5は伝熱管11と同一断面および同一材料の円管を用いた。また図5に示すように、加熱流体の流入側および排出側において、ヒータ2と配管5のインタフェース部を分岐させる構造とした。流入側の配管に斜線を付し、加熱流体の流動方向を矢印にて示した。
セラミクス10の材質は、特公昭54−21844号公報に記載の赤外線輻射体用磁器を用いた。かかる磁器は、ジルコン、チタン酸化物、粘土、鉄・マンガン・クロムの中の一種以上の金属酸化物よりなる鉱化剤、を所定の重量比で混合した素地混合物を所定の温度で焼成されることを特徴とするものである。セラミクス10は内径11mm、外径15mm、幅30〜100mmのリング状に成形し、U字形の伝熱管11のうち、直線部に隙間無く環装した。伝熱管11とセラミクス10の間にフィラーは用いない。
加熱流体には市販の耐熱用の油を用い、熱流体供給手段であるボイラー3にて500℃を超える程度の温度に加熱し、ポンプ4により毎分50リットルの流量で循環させた。このとき、セラミクス10の表面温度は約490℃であった。同温度におけるセラミクス10の分光放射輝度と放射波長の関係を図6の分光放射出力図に示す。同図より、本実施例に用いたセラミクスヒータは波長2.2μmおよび5.2μmにてそれぞれ分光放射輝度6.4および8.5[W/(m^2・sr・10nm)]に明確に二つのピークをとり、本発明による課題を解決するための手段を与えるものといえる。
被乾燥物6には幅1000mmのフィルムを用い、コーティング装置8にてトルエンを溶媒とする有機溶剤系塗料を厚さ100μmで全面にほぼ均一に塗布した。かかる塗布後のフィルムを送りローラ7にて毎分50mで乾燥装置1に供給した。図4および図5に示すU字形のセラミクスヒータは紙面が水平となるよう図示しない支持枠にて架設保持し、供給される印刷紙6と距離100mmにて一定を保ったままこれを乾燥させた。また、各ヒータ部2の直線部については、上方に厚さ0.5mmのSUS板材を曲げ成形してなる図示しない凹面状の金属反射板を長手方向に沿って架設した。なお、被乾燥物6は図5において、セラミクスヒータの直線部(図中ドットを付す)直下を左から右へ流れることとなる。
以上の条件による実施例にて乾燥作業を試みたところ、前記フィルムがヒータ部2を通過する間に良好かつ充分な乾燥が行われ、乾燥工程後の図示しないワインダー装置による巻取り作業も好適に行われた。
(比較例)
従来の一般的な乾燥装置の例として、100℃程度に加熱したスチームを熱交換して得られた熱風を被乾燥物に吹きかける方式を採用し、実施例と同じ被乾燥物および塗料を用いて乾燥作業を行った。
以上の条件による比較例にて乾燥作業を試みたところ、前記実施例と同程度の乾燥結果を得るためには、被乾燥物たるフィルムの送り速度を毎分10m程度まで抑える必要があった。なお、かかる送り速度は一般的なコーティング装置によるコーティング作業のスピードの範疇である。
以上の実施例および比較例より、本発明の如くセラミクスヒータを防爆型乾燥装置に適用し、かつ放射波長3μmおよび6μm近傍の両者に分光放射輝度のピーク値を有する赤外線放射セラミクスをヒータ材料とすることにより、スチームによる従来型の乾燥装置はもとより、赤外線放射がいずれか一方の波長領域にのみ最大中心波長をとる一般的なセラミクスヒータに比べても、更に乾燥能力を高めることができる。これにより、印刷装置やコーティング装置の運用速度のボトルネックとなる乾燥効率を飛躍的に向上することが可能となり、ひいては防爆型乾燥装置の設備全体の長さを短縮することができるとともに、乾燥工程中にロール送りされる印刷物の蛇行量も減少し、製品巻取りの品質向上にも資することとなる。
本発明は乾燥能力の高い防爆型乾燥装置を提供するものであり、揮発性有機溶剤や可燃性のプラスチックフィルムなどを好適に乾燥させることができる。また、被乾燥物はこれらに限られず、塗装された金属片、水性塗料の塗布物、織物、木工製品、食料品など、広くその対象としうるものである。
本発明にかかる乾燥装置、並びに被乾燥物、その製造装置及び送りローラを表わす全体模式図である。 第一の実施の形態にかかるヒータ部(直線形)の断面図である。 第二の実施の形態にかかるヒータ部(直線形)の断面図である。 実施例にかかるヒータ部(U字形)の断面図である。 実施例にかかるヒータ部の模式的配置図である。 実施例に用いるセラミクスヒータの分光放射出力図である。
符号の説明
1 全体模式図
2 ヒータ部
3 ボイラー
4 ポンプ
5 配管
6 被乾燥物
7 送りローラ
8 被乾燥物供給装置

Claims (3)

  1. 3±1μmおよび6±1μmの放射波長域にそれぞれ分光放射輝度の極大値を有する赤外線放射セラミクスを被着した伝熱管と、
    該伝熱管の内部を流動する加熱流体と、
    該加熱流体を前記伝熱管内部に供給する熱流体供給手段と、
    を備える防爆型乾燥装置。
  2. 前記赤外線放射セラミクスの前記伝熱管への被着厚が1mm以上である請求項1に記載の防爆型乾燥装置。
  3. 前記伝熱管に被着された前記赤外線放射セラミクスは、該伝熱管に環装されてなる複数個のリング状成形体である請求項1または2に記載の防爆型乾燥装置。
JP2004355876A 2004-12-08 2004-12-08 防爆型乾燥装置 Pending JP2006162177A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004355876A JP2006162177A (ja) 2004-12-08 2004-12-08 防爆型乾燥装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004355876A JP2006162177A (ja) 2004-12-08 2004-12-08 防爆型乾燥装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006162177A true JP2006162177A (ja) 2006-06-22

Family

ID=36664385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004355876A Pending JP2006162177A (ja) 2004-12-08 2004-12-08 防爆型乾燥装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006162177A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100938598B1 (ko) * 2009-08-20 2010-01-26 박해용 원적외선방사 수중 세라믹 히터

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4987146U (ja) * 1972-11-16 1974-07-29
JPS4988916A (ja) * 1972-12-27 1974-08-26
JPS61185880A (ja) * 1985-02-12 1986-08-19 豊菱産業株式会社 赤外線放射体
JPH01501073A (ja) * 1986-10-31 1989-04-13 アイアールティー―フィンランド リミテッド 移動ウエブ素材を乾燥するための方法と手段
JPH03278853A (ja) * 1990-03-29 1991-12-10 Noritake Co Ltd 防爆型遠赤外線ヒーター
JP2002267356A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Daito Seiki Co Ltd 遠赤外線乾燥装置、乾燥装置構成体及び乾燥方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4987146U (ja) * 1972-11-16 1974-07-29
JPS4988916A (ja) * 1972-12-27 1974-08-26
JPS61185880A (ja) * 1985-02-12 1986-08-19 豊菱産業株式会社 赤外線放射体
JPH01501073A (ja) * 1986-10-31 1989-04-13 アイアールティー―フィンランド リミテッド 移動ウエブ素材を乾燥するための方法と手段
JPH03278853A (ja) * 1990-03-29 1991-12-10 Noritake Co Ltd 防爆型遠赤外線ヒーター
JP2002267356A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Daito Seiki Co Ltd 遠赤外線乾燥装置、乾燥装置構成体及び乾燥方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100938598B1 (ko) * 2009-08-20 2010-01-26 박해용 원적외선방사 수중 세라믹 히터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6641425B2 (ja) 対流性及び放射性の熱流束により乾燥機内のウェブの乾燥を調節する方法
US6509697B2 (en) Compact microwave-powered lamp, inkjet printer using this lamp, and ultraviolet light curing using this lamp
JP2006226629A (ja) 輻射乾燥装置
JP6882493B2 (ja) 赤外線乾燥ユニットを備える印刷機
JP2006162177A (ja) 防爆型乾燥装置
WO2018139189A1 (ja) シート状非浸透性基材の表面乾燥装置並びに印刷装置及び印刷方法
WO2001031271A1 (en) Coating dryer heating system
AU2013202508B2 (en) Improved infrared float bar
AU2011101450B4 (en) Improved infrared float bar
JP2012020507A (ja) 乾燥ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20071206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A521 Written amendment

Effective date: 20090313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101012