JP2006161840A - 低摩擦すべり材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新たな優れた特性を有する免震すべり支承を提供すること
【解決手段】 本発明のすべり材は、充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されている。この充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材と、すべり板、好ましくはコーティングされたすべり板とを組み合わせることにより、耐震性に優れたすべり支承が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、免震装置などに用いられるすべり材、およびこのすべり材を用いる免震すべり支承に関する。
ビルや橋梁などの重量建築物には、免震装置が配設されている。免震装置には、重量建築物に作用する地震力を低減する機能を有する免震材料として、支承材、減衰材、復元材などが備えられている。支承材は、水平に設置され、主として建築物に作用する鉛直加重を支持し、建築物の水平方向の変形性能を確保するものである。このような支承材は、積層ゴムなどの弾性体からなる弾性系材料、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)などのすべり体からなるすべり系材料(すべり材)、および鋼球などの転がり体からなる転がり系材料に大別される。減衰材は、すべり速度および変形の程度に応じた減衰の作用により上部構造の振動エネルギーを吸収するものであり、鉛材、鋼材などの材料からなる弾塑性系材料、および作動油などからなる流体系からなる流体系材料に大別される。復元材は、免震建築物の周期を調整する機能を有し、地震時に大きな弾性エネルギーを蓄積し、そして地震後に上部構造を元の位置に戻す機能を有する材料である。
しかし、これらの免震材料は、上記機能で明確に区別されるものではない。例えば、支承材には、水平変形性能に加えて、減衰性能および/または復元性能を有するものがある。また、減衰材には、さらに復元機能を有するものもある。そして、上記3つの性能を有するように、これらの免震材料を単独であるいは組み合わせて使用することにより、免震装置が構成される。
ところで、免震材料のうち、支承材としては、建築の鉛直加重を支える水平変形性能ならびにベアリング(すべり材)の摺動によって振動エネルギーを減衰する機能を有するすべり支承が用いられている。すべり支承は、一般にすべり材とすべり板とで構成されており、いずれか一方が建物の上部構造に結合され、他方が建物の下部構造に結合され、それぞれが摺動可能に当接するように構成されている。このようなすべり支承において、一般にすべり材としては、充填材が添加されたPTFEが用いられ(例えば、特許文献1および2)、すべり板としては、ゴム弾性体、鏡面研磨したステンレス板、あるいは潤滑性のあるPTFEなどでコーティングしたステンレス板などが使用されている。
しかし、すべり支承のすべり材としてPTFEを使用した場合、PTFEの摩擦係数が0.1程度であるため、復元材に大きな負担がかかり、免震効果が低減されるおそれがある。そのため、摩擦係数は0.1より低いことが好ましい。しかし、摩擦係数が極端に低いと、建築物が風などにより揺れやすくなるため、好ましくない。
特公平3−24921号公報 特開2000−2016号公報 特開平9−118822号公報 特開平5−148417号公報
本発明は、優れた水平変形性能および優れた復元能を有する免震すべり材、およびこの免震すべり材を備える免震すべり支承を提供することを目的とする。
本発明は、充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材を提供する。
本発明はまた、充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材とすべり板とからなるすべり支承を提供する。
好適な実施態様では、上記すべり板はコーティングされている。
本発明の充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材とすべり板とから構成されるすべり支承は、摩擦係数が、最適とされる0.03〜0.08の間になり得る。特に、すべり板がPTFEでコーティングされている場合は、加振回数を大きくしても(振動が大きくなっても)摩擦係数の変化は小さく、摩擦係数の絶対値も小さく、安定した値を示す。したがって、本発明すべり支承は、耐震性が良好である。
本発明のすべり材(ベアリング)は、充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されている。このすべり材の特徴としては、従来すべり材として用いられていなかったポリアミド樹脂をすべり材として用いること、およびこのポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されていることが挙げられる。
(ポリアミド樹脂)
本発明に用いられるポリアミド樹脂には特に制限はない。ラクタムの開環重合によるもの、アミノカルボン酸の重縮合によるもの、あるいはジアミンと二塩基酸との重縮合によるもののいずれの重合形式のものも用いることができる。強度などの点から、ポリ−ε−カプロラクタム(ナイロン6)あるいはポリアミド6−6(ナイロン6−6)を用いることが好ましい。
(充填材)
充填材としては、オイル類、ワックス類、およびシリコーンゴムからなる群から選択される少なくとも一つが用いられる。
オイル類としては、合成潤滑剤、芳香族系潤滑剤、ナフテン系潤滑剤、およびパラフィン系潤滑剤が挙げられる。
ワックス類としては、例えば、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ペトロタラムワックス、パラフィンワックス、変性ワックスなどが挙げられる。変性ワックスには、末端および/または側鎖に水酸基またはエポキシド基を有する変性ポリエチレンワックス、側鎖にカルボキシル基を有する変性ポリエチレンワックス、および側鎖にカルボニル基を有する変性ポリエチレンワックスが挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば0.1〜200μmの粉末状のシリコーンゴムが好ましく用いられる。
これらのオイル類あるいはワックス類を用いるときはそれぞれ複数種を組み合わせて用いてもよい。あるいは、ワックス類もしくはオイル類またはこれらの混合物とシリコーンゴムとを組み合わせて用いてもよい。
これらの充填材は、上記ポリアミド樹脂に配合される。充填材は、ポリアミド樹脂の種類や成形方法、充填材の種類などに応じて、原料モノマーとともに混合、あるいはポリアミド樹脂と溶融混練され得る。例えば、重合性官能基を有する変性ポリエチレンワックスなどを用いる場合は、ポリアミド樹脂の重合時に、原料モノマーとともに加えて重合反応を行ってもよい。
充填材の配合量は、単独であるいは2種以上配合する場合に合計量で、ポリアミド樹脂100質量部に対して2〜15質量部、好ましくは2〜10質量部添加される。2質量部未満では潤滑性に欠けるおそれがある。充填材の配合量が多くなるほど摩擦係数は低下する。しかし、15質量部を超えるとポリアミド樹脂の成形性が悪くなり、さらに後述の圧縮特性も低下して、すべり支承に利用するには好ましくない場合がある。
ワックス類とシリコーンゴムとを混合する場合、ワックス類:シリコーンゴムの割合は、質量比で6:4〜8:2、好ましくは7:3である。この範囲を外れると、摩擦係数が高くなる傾向、あるいは変動しやすくなる傾向がある。
このように、好ましい範囲の量の充填材を配合することにより、ポリアミド樹脂の潤滑性および耐摩耗性が向上する。
本発明に用いられる充填材を含むポリアミド樹脂がすべり材として使用できるのは、以下の理由によると考えられる。従来すべり材として用いられているPTFEは、バンド構造という微細構造を有している。PTFEがすべり板と当接すると摩擦熱によってPTFEがすべり板側に移行し、それによって、すべり板側のPTFE分子とすべり材側のPTFE分子との間ですべると考えられる。そのため、PTFEはすべり速度が遅いときは摩擦係数が小さいが、すべり速度の上昇とともに摩擦係数が大きくなる。その結果、PTFEをすべり材として用いる場合は、強い水平応力がかかると、復元材に大きな負担をかける可能性がある。これに対して、本発明に用いられるポリアミド樹脂は、球晶構造を有する結晶性プラスチックであり、球晶の集合体である。このような球晶構造を有するポリアミド樹脂は、摩擦熱によって摩擦面表層の溶融が起こりやすく、摩擦係数は0.7以上となると言われている。しかし、ポリアミド樹脂中に充填材が含有されていると、ポリアミド樹脂の表層が溶融したときに表層に充填材が現れ、すべり摩擦が低減され、摩擦係数が低減される。したがって、強い水平応力がかかった場合にも摩擦係数の増大はなく、復元材に大きな負担はかからない。そのため、充填材を含むポリアミド樹脂が、優れた免震効果を発揮し得ると考えられる。
(保持板)
本発明のすべり材を構成する保持板としては、通常、金属(SS400、ステンレス材など)が用いられる。この保持板のすべり板と対する側の面には、上記の充填材を含むポリアミド樹脂を挿嵌するための凹部が設けられている。
(保持板へのポリアミド樹脂の挿嵌)
本発明のすべり材は、保持板にポリアミド樹脂が挿嵌されている。図1(A)は、ポリアミド樹脂の保持板への挿嵌を説明するための模式図(挿嵌式)であり、そして図1(B)は、比較である接着式の場合の模式図である。
図1(B)に示す接着式では、ポリアミド樹脂1が接着剤3を介して、例えば、金属性の保持板2に拘束されており、水平応力(せん断力)を受けた場合、水平応力が接着強度より強くなればベアリングとして作用するポリアミド樹脂が剥離し、支承として使用できなくなる。さらに、鉛直方向からの応力(鉛直応力)により、接着剤3の層が徐々に破壊され、水平可動があれば、ポリアミド樹脂1が脱落する恐れがある。
これに対して、本発明で使用する挿嵌式(図1(A))では、ポリアミド樹脂1が保持板2の凹部に、必要に応じて接着剤3を介して挿嵌されている(埋め込まれている)。したがって、ポリアミド樹脂1が大きな水平応力を受けて塑性変形したとしても、ポリアミド樹脂1は保持板2の凹部に拘束されているため、保持板2から脱落しにくい。さらに、鉛直応力に対しても、以下で図2を参照して説明するように、挿嵌式の方が好適である。図2(A)に示す直径Dおよび高さtを有するポリアミド樹脂1は、鉛直応力を受けた場合、図2(B)に示すように圧縮される。圧縮により直径Dは大きくなり、そして高さtは小さくなるため、圧縮後の比率D/tは増加する。しかし、挿嵌されたポリアミド樹脂1は、保持板2の凹部で拘束されているため、その増加の程度は、周囲が拘束されていない接着式のものと比べて非常に小さい。すなわち、圧縮クリープ変形が大幅に減少し、圧縮特性が向上する。
したがって、強度がPTFEよりも劣りかつ摩擦係数が比較的高いポリアミド樹脂中に充填材を含有させ、これを保持板に挿嵌することによって、すべり支承として使用可能な程度の鉛直方向および水平方向の応力に耐え得る強度を、すべり材に付与することができる。
ポリアミド樹脂1の全体の厚みを1とした場合、保持板2の凹部に挿嵌される部分の割合は、0.1以上が好ましく、0.3以上がさらに好ましい。より好ましくは0.4〜0.95の間である。
上術のように、充填材含有ポリアミド樹脂1が保持板2の凹部に挿嵌される場合、必要に応じて接着剤3を介してもよい。ここで用いられ得る接着剤は、すべり支承に通常用いられるものであれば、特に限定されない。あるいは、ボルトやネジなどを用いて固定してもよい。
(すべり板)
すべり支承に用いられるすべり板としては、通常すべり板として用いられるものであれば、特に制限はない。表面粗さが小さいものほど摩擦係数が安定化するという観点から、鏡面研磨したステンレス板などが好ましい。さらにステンレス板などのすべり板に、表面の凹凸を小さくするための処理、例えば、PTFE、PFA、塗料などでコーティングを施したものが好ましく用いられる。最も好ましくは、PTFEでコーティングされたすべり板である。
(すべり支承)
本発明のすべり支承は、上記の充填材を含むポリアミド樹脂が挿嵌された保持板からなるすべり材と、すべり板との組み合わせでなる。例えば、本発明のすべり支承を、図3に模式的に示す。図3のすべり支承10において、すべり材6は建物の上部構造に結合され、すべり板7は建物の下部構造に結合され、そして保持板2に挿嵌された充填材を含むポリアミド樹脂1は、すべり板7と当接するように取り付けられている。
本発明のすべり支承の一実施態様である剛すべり支承の例を、図4に示す。この剛すべり支承11において、すべり板7は建物の上部構造(上部フランジプレート)20に結合されている。他方、すべり材6は、下部構造(下部フランジプレート)21に配設されている。この下部構造21上には、ベースポット22が配置され、このベースポット22内には、底部から順に、ゴム弾性体23、シールリング24、およびすべり材6が配置されている。このすべり材6は、保持板2と、この保持板2の上面に挿嵌された充填材を含むポリアミド樹脂1とで構成される。このように、図4の剛すべり支承11では、下部構造21に配設された充填材を含むポリアミド樹脂1が、上部構造20に結合されたすべり板7と当接する。
本発明のすべり支承の別の実施態様である弾性すべり支承の例を、図5に示す。この弾性すべり支承12において、すべり板7は建物の上部構造(上部フランジプレート)20に結合されている。他方、充填材を含むポリアミド樹脂1は、下部構造21上に配置されたゴム弾性体23の保持板2の上面に挿嵌されて、すべり材6を構成している。このように、図5の弾性すべり支承12では、下部構造21に配設されたポリアミド樹脂1は、上部構造20に結合されているすべり板7と当接する。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
ポリアミド樹脂(ナイロン6−6)100質量部に、ポリエチレンワックス(三井化学 製)およびシリコーン粉末(信越化学製)をそれぞれ0.5質量部添加し、モノマーキャスティング方式に従って、充填材を含有するポリアミド樹脂成形体を製造した。得られた充填材含有ポリアミド樹脂成形体を金属(SS400)の保持板上に設けられた凹部に挿嵌し、すべり材を製造した。すべり板としては、鏡面研磨したステンレス板(以下、SUS研磨板という)を用いた。すべり材に配設されたポリアクリルアミド樹脂とすべり板とを当接させて、面圧20N/mm、加振回数10回および正弦波最大速度10cm/secにおける摩擦係数を、2軸せん断試験機を用いて測定した。結果を以下の表1に示す。
(実施例2〜18)
表1に記載の割合で充填材を添加したこと以外は、上記実施例1と同様にしてすべり材を製造し、摩擦係数を測定した。結果を以下の表1に併せて示す。
(比較例1)
充填材を添加せずにポリアミド樹脂を成形したこと以外は、上記実施例1と同様にしてすべり材を製造し、摩擦係数を測定した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2006161840
表1からわかるように、充填材の量が増加するにつれて、摩擦係数が低下する傾向にあった。一方、成形性は、充填材の添加量が増加すると、低下する傾向が見られた。
(実施例19および20ならびに比較例2)
上記実施例10と同様に製造したポリアミド樹脂(実施例19)、上記実施例13と同様に製造したポリアミド樹脂(実施例20)、および上記比較例1と同様に製造したポリアミド樹脂(比較例2)をそれぞれ挿嵌したすべり材と、すべり板(SUS研磨板)とを用い、面圧20N/mmで、加振回数および正弦波最大速度を変えて、上記実施例1と同じ摩擦係数測定機にて摩擦係数を測定した。結果を、それぞれ図6〜8に示す。
図8に示すように、充填材を含まないすべり材(比較例2)は加振回数が増加するにつれて摩擦係数が低下するが、摩擦係数が0.10を下回ることはなかった。これに対して、実施例19および実施例20のすべり材の摩擦係数は0.1以下であり、正弦波最大速度が速くなり、加振回数が増加すると、低下する傾向が見られた(図6および7)。実施例19では、摩擦係数が0.05〜0.1の範囲にあり、そして実施例20では、摩擦係数が0.03〜0.07の最も好ましい範囲にあった。
(実施例21および22)
上記実施例13と同様に製造したポリアミド樹脂を挿嵌したすべり材を用い、そしてすべり板としてSUS研磨板(実施例21)またはPTFEコーティングしたSUS板(PTFEコーティング板)(実施例22)を用い、面圧20N/mmで、加振回数および正弦波最大速度を変えて、実施例1と同じ摩擦係数測定機にて摩擦係数を測定した。結果を、それぞれ図9および図10に示す。
PTFEコーティング板をすべり板として用いた場合(図10)、SUS研磨板の場合(図9)と比べて、正弦波最大速度および加振回数が増加しても、摩擦係数はほとんど変化することなく、0.03〜0.06の好ましい範囲にあった。したがって、PTFEコーティング板をすべり板として用いる方が、より好ましいすべり支承が得られ得ることがわかった。
(実施例23および比較例3)
上記実施例22で使用したすべり材およびすべり板(PTFEコーティング板)を用いて、面圧および正弦波最大速度を変化させて、加振回数10回での摩擦係数を、上記実施例1と同じ摩擦係数測定機にて測定した(実施例23)。他方、従来用いられているPTFEをすべり材とし、SUS研磨板をすべり板として、実施例23と同様に摩擦係数を測定した(比較例3)。結果を、それぞれ図11(実施例23)および図12(比較例3)に示す。
この結果からわかるように、充填材含有ポリアミド樹脂を用いたすべり支承は、正弦波最大速度が上昇すると摩擦係数が低下するのに対し、従来のPTFEを用いた場合は、正弦波最大速度が上昇すると摩擦係数も上昇した。このように本発明のすべり支承は、従来のPTFEとは異なる挙動を示し、大きな水平応力を受けたときに、摩擦係数が小さくなるので、PTFEを用いる場合より、免震性が高くなると考えられる。
本発明の充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材は、水平方向に大きな力が加わったときにも摩擦係数が小さくなるという特性を有している。特に、組み合わせるすべり板がPTFEでコーティングされている場合は、加振回数および/または正弦波最大速度を大きくしても(振動が大きくなっても)摩擦係数の変化は小さく、最適とされる0.03〜0.08の間にある。このように、本発明のすべり支承は、免震性に優れているので、耐震装置のすべり支承として利用され得る。また、本発明のすべり材に用いられている充填材含有ポリアミド樹脂は、PTFEよりも安価な材料から製造されるため、コストの面でも好適である。
ポリアミド樹脂の保持板への挿嵌を説明するためのすべり材の模式図である。 ポリアミド樹脂の圧縮特性を説明するための模式図である。 本発明のすべり支承の模式図である。 本発明のすべり支承の一実施態様(剛すべり支承)の断面図である。 本発明のすべり支承の別の一実施態様(弾性すべり支承)断面図である。 本発明のすべり材とSUS研磨板とからなるすべり支承における、摩擦係数と加振回数との関係を表すグラフである。 本発明の別のすべり材とSUS研磨板とからなるすべり支承における、摩擦係数と加振回数との関係を表すグラフである。 充填材を含まないポリアミド樹脂を保持板に挿嵌したすべり材とSUS研磨板とからなるすべり支承における、摩擦係数と加振回数との関係を表すグラフである。 本発明のすべり材とSUS研磨板とからなるすべり支承における、摩擦係数と加振回数との関係を表すグラフである。 本発明のすべり材とPTFEコーティング板とからなるすべり支承における、摩擦係数と加振回数との関係を表すグラフである。 本発明のすべり材とPTFEコーティング板とからなるすべり支承における、摩擦係数と正弦波最大速度との関係を表すグラフである。 従来のPTFEとSUS研磨板とからなるすべり支承における、摩擦係数と正弦波最大速度との関係を表すグラフである。
符号の説明
1 ポリアミド樹脂
2 保持板
3 接着剤
6 すべり材
7 すべり板
10 すべり支承
11 剛すべり支承
12 弾性すべり支承
20 上部構造
21 下部構造
22 ベースポット
23 ゴム弾性体
24 シールリング

Claims (3)

  1. 充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材。
  2. 充填材を含むポリアミド樹脂が保持板に挿嵌されたすべり材とすべり板とからなるすべり支承。
  3. 前記すべり板がコーティングされている、請求項2に記載のすべり支承。
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