JP2006159124A - 選択性透過膜の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な操作により膜性能を効果的に回復でき、洗浄液を繰り返し使用して、洗浄液の使用量および排液量を少なくでき、しかも排液の処理が容易な選択性透過膜の洗浄方法を提案する。
【解決手段】
ポリオール、他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分を含む洗浄液を、洗浄液槽7からモジュール1の濃縮液室3に供給して選択性透過膜2と接触させて洗浄を行い、性能を回復させる際、洗浄の前後に洗浄液を吸着槽8において吸着剤10と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜2と接触させて、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去する。
【選択図】図1
【解決手段】
ポリオール、他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分を含む洗浄液を、洗浄液槽7からモジュール1の濃縮液室3に供給して選択性透過膜2と接触させて洗浄を行い、性能を回復させる際、洗浄の前後に洗浄液を吸着槽8において吸着剤10と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜2と接触させて、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去する。
【選択図】図1
Description
本発明は、逆浸透膜、ナノ濾過膜等の選択性透過膜を洗浄するための洗浄方法に関し、さらに詳しくは、液体の濃縮、脱塩、純水製造等の水処理、あるいはその他の処理などによって汚染され、透過流束その他の性能の低下した選択性透過膜を洗浄して性能を回復させるための洗浄方法に関するものである。
逆浸透膜、限外ろ過膜等の選択性透過膜を用いて、液体の濃縮、脱塩、純水製造その他の水処理を行うと、選択性透過膜は種々の汚染物質によって汚染され、透過流束が低下したり、選択透過率が低下する。このため性能の低下した選択性透過膜を洗浄剤で洗浄して、性能を回復させることが行われている。
従来、透過流束等の性能の低下した選択性透過膜の洗浄方法では、酸、アルカリ、有機溶媒または界面活性剤等を洗浄剤として用いることが多い。このような方法では、汚染の度合いが激しいと短時間で透過流束を回復させることは困難であり、また透過流束の回復率も100%には至らない。特に分子量400を超える高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤を含む被処理液を処理し、これらのポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤が付着した選択性透過膜は、上記従来の洗浄剤では性能を回復することができない。
このような選択性透過膜の洗浄方法として、特許文献1には、分子量400以下のポリオールを含む洗浄剤、あるいはさらに有機溶媒を含む洗浄剤で選択性透過膜を洗浄する洗浄方法が示されている。この方法は、透過流束等の透過性能が低下した選択性透過膜を上記の洗浄剤と接触させて洗浄する方法であり、前記のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤が付着した選択性透過膜を効果的に洗浄することができる。
またカルシウム塩等の無機物質が付着した選択性透過膜の洗浄方法として、酸、アルカリ等を含む洗浄剤で洗浄する洗浄方法があるが、特に除去の困難な無機物質が付着した選択性透過膜については、硝酸を含む洗浄剤で選択性透過膜を洗浄する洗浄方法がある。
このような洗浄方法においては、洗浄効果が十分でなく、膜性能を効果的に回復できない場合がある。また多量の洗浄液を必要とするとともに、多量の洗浄排液が生成する。その洗浄排液は、例えばポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤等の膜汚染物質および洗浄剤成分を濃縮状態で含む排液であり、その処理が困難であるという問題点がある。
WO 2004−076040
本発明の課題は、簡単な操作により膜性能を効果的に回復でき、洗浄液を繰り返し使用して、洗浄液の使用量および排液量を少なくでき、しかも排液の処理が容易な選択性透過膜の洗浄方法を提案することである。
本発明は、次の選択性透過膜の洗浄方法である。
(1) 分子量400以下のポリオール、または分子量400以下のポリオールと他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分とを含む洗浄液を吸着剤と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜と接触させて、該選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去することを特徴とする選択性透過膜の洗浄方法。
(2) 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄前の洗浄液である上記(1)記載の方法。
(3) 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄後の洗浄液であり、洗浄液中の膜汚染性物質を除去した後、選択性透過膜の洗浄に繰り返し使用する上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 酸が硝酸である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 吸着剤が、活性炭、ゼオライト、合成吸着剤またはイオン交換樹脂である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(1) 分子量400以下のポリオール、または分子量400以下のポリオールと他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分とを含む洗浄液を吸着剤と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜と接触させて、該選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去することを特徴とする選択性透過膜の洗浄方法。
(2) 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄前の洗浄液である上記(1)記載の方法。
(3) 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄後の洗浄液であり、洗浄液中の膜汚染性物質を除去した後、選択性透過膜の洗浄に繰り返し使用する上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 酸が硝酸である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 吸着剤が、活性炭、ゼオライト、合成吸着剤またはイオン交換樹脂である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
従来の洗浄方法において、洗浄効果が十分でなく、膜性能を効果的に回復できない原因を調べた結果、洗浄液に用いるポリオール、他の有機溶媒、酸、アルカリ等の薬品として、一般に工業薬品グレードの薬品が用いられており、このような薬品自体に選択性透過膜に対する汚染性物質が不純物として含まれていて、洗浄の際にこれらの汚染性物質が選択性透過膜に付着して膜性能を低下させ、膜性能を効果的に回復できない結果を招いていたことが推測された。本発明では、このような不純物を除去した洗浄液で洗浄することにより、効果的に洗浄を行うとともに、洗浄後の洗浄液については、不純物を除去することにより繰り返し使用を可能にし、洗浄液の使用量および排液量を少なくする。
本発明において洗浄の対象となる選択性透過膜は、透過流束、選択透過率、その他の性能の低下した選択性透過膜である。ここで選択性透過膜とは、逆浸透膜あるいはナノ濾過膜など、特定の物質、成分等を選択的に透過させる半透膜であり、その用途は制限されず、一般的な用途のものが対象となる。選択性透過膜の材質としては特に制限されず、例えばポリアミド系透過膜、ポリスルホン系透過膜、ポリイミド系透過膜、セルロース系透過膜などが挙げられる。また洗浄の対象となるのは選択性透過膜自体でもよく、膜モジュールでもよい。洗浄の対象となる膜モジュールには特に制限はなく、例えば管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを挙げることができる。
選択性透過膜の性能低下の原因は何でもよいが、液体の濃縮、脱塩、純水製造等の水処理、あるいはプロセス処理、その他の処理など、逆浸透膜の使用によって汚染されたものが一般的である。汚染物質としても制限はなく、無機物、有機物(TOC成分: 全有機炭素)など、あらゆる汚染物質が対象となる。特に分子量400を超える高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤が付着した選択性透過膜、あるいはこれらの化合物とカルシウム塩等の無機物質が複合して付着した有機・無機複合汚染選択性透過膜のように、洗浄が困難とされた選択性透過膜であっても、洗浄が可能である。有機物(TOC成分)としては、上記化合物以外に蛋白、多糖類、糖蛋白、フミン(humin:例えばフミン酸)等が挙げられる。
本発明において洗浄に使用する洗浄液としては、分子量400以下のポリオールを含む洗浄液、または分子量400以下のポリオールと、他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分とを含む洗浄液が挙げられる。洗浄が困難な分子量400を超える高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤(特にアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤)が付着した選択性透過膜に対しては、分子量400以下のポリオールを含む洗浄液、または分子量400以下のポリオールと他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分とを含む洗浄液により効果的に洗浄を行うことができる。特にこれらの有機物とカルシウム塩等の無機物質が複合して付着した選択性透過膜に対しては、分子量400以下のポリオールと硝酸を含む洗浄液が好ましい。これらの洗浄液は、上記の洗浄剤成分のみからなるものでもよく、また水その他の溶媒を含むものでもよい。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール、あるいはこれらを構成成分とするノニオン性界面活性剤は、選択性透過膜との親和性が高いため、選択性透過膜の表面や細孔に付着して性能低下の原因となる。このうち分子量400以下のものは親水性が高いため、水洗等により容易に洗浄除去されるが、分子量400を超える高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤が付着した選択性透過膜は、水の透過では除去されず、性能低下の原因となり、水による洗浄除去が困難である。
このような分子量400を超える高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤が付着した選択性透過膜の洗浄液に用いられるポリオールは複数のOH基を有する化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール等のアルキレングリコール;グリセリン;ジエチレングリコール、その他のポリアルキレングリコール等のポリグリコール;およびエリトリトール、マンニトール等の糖アルコールなどが挙げられる。これらのポリオールは親水性のものが好ましく、炭素数2〜6、OH/C比が0.5〜1のものが好ましい。これらのポリオールは一種単独で用いてもよいが、2種以上の混合物として用いることにより洗浄効果を上げることができるので好ましい。汚染物質にノニオン界面活性剤が含まれている場合には、ノニオン界面活性剤の溶解性を増加させて洗浄効果を高めるために、ジエチレングリコール等のポリアルキレングリコールと他のポリオールとを併用するのが好ましい。
ポリオールとともに用いる有機溶媒としては、1価アルコール、エーテル、ケトンおよびアミドなど、従来から用いられている有機溶媒が使用できる。これらの有機溶媒としては、極性溶媒が好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。1価アルコールとしては例えばメタノールやエタノールなど、エーテルとしては例えば上記1価アルコールまたはポリオールのエーテル、ケトンとしては例えばアセトン、アセチルアセトンなど、アミドとしては例えばホルムアミドなどが挙げられる。これらの有機溶媒も一種単独で含まれていてもよく、2種以上の混合物でもよい。
選択性透過膜の洗浄剤として用いるポリオール、またはポリオールと他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分との混合物は、それぞれ水を含まない状態で用いてもよいが、水溶液として用いてもよい。これらの水溶液の濃度は特に限定されないが、通常15〜90重量%、好ましくは30〜80重量%とすることができる。ポリオールおよび有機溶媒を用いる場合は、ポリオールを通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、残部を有機溶媒とすることができる。ポリオールおよび酸(またはアルカリ)を用いる場合は、ポリオールを15〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、酸(またはアルカリ)を1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、残部を水とすることができる。
本発明の洗浄方法では、上記の洗浄液を吸着剤と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜と接触させて、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去する。吸着剤と接触させる洗浄液は、選択性透過膜洗浄前の洗浄液および選択性透過膜洗浄後の洗浄液の一方または両方でもよい。吸着剤と接触させる洗浄液が選択性透過膜洗浄前の洗浄液である場合は、洗浄剤成分中の不純物を除去することにより、洗浄効果を高めることができる。また吸着剤と接触させる洗浄液が選択性透過膜洗浄後の洗浄液である場合は、洗浄後の洗浄液中の膜汚染性物質を除去することにより、洗浄液を再生して選択性透過膜の洗浄に繰り返し使用することができ、これにより洗浄液および排液の量を少なくすることができる。
吸着剤としては、洗浄液と接触させることにより、洗浄液中の膜汚染性物質を吸着除去できるものが用いられ、洗浄液との接触により汚染性物質が溶出しない固形の吸着剤が好ましく、除去対象とする汚染性物質の種類により異なるが、活性炭、ゼオライト、合成吸着剤、イオン交換樹脂などが挙げられる。
活性炭としては、木炭系、ヤシガラ系等の植物由来の活性炭や、石炭系、石油系等の鉱物由来の活性炭などが用いられる。その形態としては、粉末状、繊維状、破砕状などが挙げられる。
ゼオライトとしては、クリノプチロライト、モルデナイト、カバサイト、フィリップサイト等の天然ゼオライトや、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトL、フェリエライト、モルデナイト、エリオナイト等の合成ゼオライトなどが用いられる。
合成吸着剤としては、ポリアミド等の芳香族系、置換芳香族系、アクリル系などの合成樹脂製吸着剤が用いられる。
イオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂、キレート樹脂などが用いられる。
活性炭としては、木炭系、ヤシガラ系等の植物由来の活性炭や、石炭系、石油系等の鉱物由来の活性炭などが用いられる。その形態としては、粉末状、繊維状、破砕状などが挙げられる。
ゼオライトとしては、クリノプチロライト、モルデナイト、カバサイト、フィリップサイト等の天然ゼオライトや、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトL、フェリエライト、モルデナイト、エリオナイト等の合成ゼオライトなどが用いられる。
合成吸着剤としては、ポリアミド等の芳香族系、置換芳香族系、アクリル系などの合成樹脂製吸着剤が用いられる。
イオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂、キレート樹脂などが用いられる。
膜汚染性物質が高分子のポリアルキレングリコールまたはノニオン性界面活性剤、その他の有機物である場合は、例えば活性炭を用いることができる。この場合でも、洗浄液が酸性であれば、活性炭を用いると金属イオン等が溶出し、逆に洗浄液を汚染してしまう可能性があるが、合成吸着剤を用いることにより酸性の洗浄液中からノニオン界面活性剤等の溶解性有機物およびカチオン、アニオンを除去することができる。
選択性透過膜洗浄前の洗浄液でも、膜汚染性物質が含まれるので、吸着剤と接触させて膜汚染性物質を除去する。例えばアルキレングリコールのような分子量400以下のポリオールを含む洗浄液の場合、分子量400以上のポリオールが不純物として含まれており、これが吸着剤と接触させることにより除去される。
膜汚染性物質が無機塩を含む場合は、吸着剤としてゼオライト、イオン交換樹脂などを用いることにより、無機塩から膜汚染性のイオンを除去して洗浄液を再生し、洗浄液の循環使用を可能にする。洗浄液が酸またはアルカリを含む場合、特に硝酸を含む場合でも、洗浄液を再生して循環使用することができる。
洗浄液を吸着剤と接触させる方法は特に限定されず、粒状、粉状の吸着剤を洗浄液中に浸漬する方法、あるいは粒状の吸着剤の充填層に洗浄液を通液する方法などが挙げられる。洗浄液を吸着剤と接触させることにより、洗浄液中の膜汚染性物質は吸着剤に吸着されて除去される。このような洗浄液と吸着剤の接触による膜汚染性物質の吸着除去は、選択性透過膜の洗浄前または洗浄後に行うこともできるが、洗浄液を循環して膜汚染性物質を吸着除去しながら洗浄を行ってもよい。吸着除去を選択性透過膜の洗浄前または洗浄後に行う場合は、洗浄液の貯留槽で吸着剤と接触させることができる。
選択性透過膜の洗浄は、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜と接触させて、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去する。洗浄時の洗浄液と選択性透過膜との接触の具体的な方法は、選択性透過膜の洗浄剤液への浸漬、平行流または攪拌流による洗浄などが好ましいが、洗浄剤を選択性透過膜に透過させて洗浄を行うこともできる。洗浄時の圧力は特に制限はなく、浸漬の場合は加圧しなくてもよいが、平行流、攪拌流または透過による洗浄の場合は、被処理液透過時の圧力以下の圧力で加圧することができる。洗浄時間、すなわち洗浄剤と接触させる時間は、汚染の程度、洗浄剤の濃度等により変動するが、一般的には1〜24時間とすることができる。
上記の洗浄では、各洗浄剤成分を混合状態で含む洗浄液で洗浄してもよく、各洗浄剤成分を別々に含む洗浄液により前後して洗浄してもよく、またこれらの洗浄の前後に前処理洗浄、後処理洗浄などを行ってもよい。
本発明では、吸着剤と接触させて膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を、選択性透過膜と接触させることにより、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を効果的に溶解除去することができる。この場合、選択性透過膜洗浄前の洗浄液を吸着剤と接触させて洗浄すると、洗浄剤成分中の不純物を除去することにより、洗浄効果を高めることができる。また選択性透過膜洗浄後の洗浄液を吸着剤と接触させて洗浄すると、洗浄後の洗浄液中の膜汚染性物質を除去することにより、選択性透過膜の洗浄に繰り返し使用することができ、これにより洗浄液および排液の量を少なくすることができる。
洗浄液を吸着剤と接触させて膜汚染性物質を吸着除去することにより、洗浄液中の洗浄剤成分を吸着することなく、膜汚染性物質だけを選択的に吸着除去することができ、また洗浄液と吸着剤との分離も、重力分離、ろ過分離塔により容易に分離することができる。また吸着剤に吸着した膜汚染性物質は、脱離剤と接触させることにより、膜汚染性物質を濃縮状態で容易に分離することができる。このため排液処理も容易である。
本発明によれば、吸着剤と接触させて膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を、選択性透過膜と接触させて、選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去するようにしたので、簡単な操作により膜性能を効果的に回復でき、洗浄液を繰り返し使用して、洗浄液の使用量および排液量を少なくでき、しかも排液の処理が容易な選択性透過膜の洗浄方法が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施形態による選択性透過膜の洗浄方法を示すフロー図である。図1において、1はモジュールで、選択性透過膜2により濃縮液室3と透過液室4に区画されている。5は被処理液槽、6は水槽、7は洗浄剤槽、8は吸着槽、9はフィルタ、10は吸着剤である。P1は高圧ポンプであり、P2は洗浄用ポンプ、P3は移送用ポンプであって、高圧ポンプP1よりも低圧でよい。V1〜V16は弁、L1〜L16はラインである。
図1の選択性透過膜装置で膜分離を行うには、弁V1〜V4を開き(他は閉)、高圧ポンプP1を駆動し、被処理液槽5からラインL1を通して被処理液をモジュール1の濃縮液室3に供給し、加圧下に選択性透過膜2を通して選択性透過を行い、透過液を透過液室4からラインL2を通して処理液として流出させる。濃縮液は濃縮液室3からラインL3を通して排出する。このような膜分離を継続すると、選択性透過膜2に汚染物質が付着し、透過流束、選択透過率等の性能が低下するので、選択性透過膜の洗浄を行う。
選択性透過膜の洗浄は、定期的に、または透過流束等の性能の低下を検出した時などに行う。洗浄操作は、洗浄剤をモジュール1の濃縮液室3に供給して選択性透過膜2の洗浄を行い、選択性透過膜の性能を回復する。この場合、弁V5〜V7を開き(弁V1は閉)、ラインL4〜L6を通して水槽6、洗浄剤槽7にそれぞれ処理液(処理水)を導入する。ここで洗浄剤槽7にはポリオールまたはポリオールと有機溶媒等を注入して洗浄液を調製する。洗浄前に洗浄液に含まれる膜汚染性物質を吸着除去する場合は、弁V16を開き(他は閉)、ラインL16から洗浄液を吸着槽8に導入し、吸着剤10と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去する。膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液は、移送用ポンプP3によりラインL11を通してフィルタ9に送って、吸着槽8で混入した吸着剤を分離し、ラインL13を通して洗浄剤槽7に貯留する。
洗浄剤で洗浄する場合は、弁V10、V2、V5、V7、V12、V14を開き(他は閉)、洗浄用ポンプP2を駆動し、洗浄剤槽7からラインL10、L9を通して洗浄剤をモジュール1の濃縮液室3に供給して洗浄剤を濃縮液室3に充満させ、選択性透過膜2と接触させて洗浄を行う。濃縮液室3からラインL12、L14を通して洗浄剤槽7に循環して洗浄を行ってもよい。また洗浄剤を加圧下に選択性透過膜2を透過させて洗浄を行う場合は、透過液は透過液室4からラインL4、L6を通して洗浄剤槽7に循環する。
洗浄剤による洗浄終了後は、洗浄剤槽7の洗浄液は、弁V16を開き(他は閉)、ラインL16から吸着槽8に導入し、洗浄液を吸着剤10と接触させた状態で貯留し、膜汚染性物質を吸着除去する。次回の洗浄を行う場合には、弁V11を開き(他は閉)、ラインL11から吸着槽8の洗浄液を洗浄剤槽7に導入し、前記と同様の操作で洗浄を繰り返す。
洗浄前に洗浄液を吸着剤10と接触させて膜汚染性物質を吸着除去する場合は、弁V8を開き、ラインL7から吸着槽8に処理液(処理水)を導入し、ここでポリオールまたはポリオールと有機溶媒等を注入して洗浄液を調製するとともに、洗浄液を吸着剤10と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去することもできる。
また洗浄中に洗浄液に溶出した膜汚染性物質を吸着除去する場合は、弁V8、V15を開き、ラインL7、L15から洗浄液を吸着槽8に導入し、吸着剤10と接触させた後ラインL13を通して洗浄剤槽7に戻し、洗浄剤槽7から洗浄用ポンプP2を介してモジュール1に送ることにより、洗浄液を循環させることもできる。
また洗浄中に洗浄液に溶出した膜汚染性物質を吸着除去する場合は、弁V8、V15を開き、ラインL7、L15から洗浄液を吸着槽8に導入し、吸着剤10と接触させた後ラインL13を通して洗浄剤槽7に戻し、洗浄剤槽7から洗浄用ポンプP2を介してモジュール1に送ることにより、洗浄液を循環させることもできる。
洗浄液で洗浄後、さらに水(処理水)で水洗し、溶液置換する場合は、弁V9、V2、V3、V4を開き、洗浄用ポンプP2を駆動し、水槽6からラインL8、L9を通して、洗浄液として処理水をモジュール1の濃縮液室3に供給して前記と同様に洗浄し、洗浄排液を系外に排出することができる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。各例中、特に言及のない限り、%は重量%である。
〔比較例1〕:
アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル)を含む排水を被処理液として、日東電工(株)製の逆浸透膜NTR-759HR(新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで1.0〜1.2m3/(m2・d))を用いて1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.2 m3/(m2・d)まで低下した。この汚染膜を70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を洗浄液として2時間浸潰した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.98m3/(m2・d)であり、新膜と同程度まで回復していた。
この使用済み洗浄液を繰返し使用し(エチレングリコールとメタノールの損失分を初期濃度となるように追加した:以下同)、同様の洗浄操作を繰り返した。このとき図2に示すように、洗浄液中のノニオン界面活性剤濃度は徐々に上昇し、洗浄後上記と同条件で測定した純水透過流束(flux)は、低下傾向を示した。これは、洗浄液中に膜汚染性有機物であるノニオン界面活性剤が蓄積されたため、膜汚染性物質の洗浄液への溶解能が低下したことによるものと考えられる。
上記実験で、洗浄液を15回繰返し使用したとき、洗浄後の純水透過流束は0.60m3/(m2・d)まで低下した。
アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル)を含む排水を被処理液として、日東電工(株)製の逆浸透膜NTR-759HR(新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで1.0〜1.2m3/(m2・d))を用いて1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.2 m3/(m2・d)まで低下した。この汚染膜を70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を洗浄液として2時間浸潰した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.98m3/(m2・d)であり、新膜と同程度まで回復していた。
この使用済み洗浄液を繰返し使用し(エチレングリコールとメタノールの損失分を初期濃度となるように追加した:以下同)、同様の洗浄操作を繰り返した。このとき図2に示すように、洗浄液中のノニオン界面活性剤濃度は徐々に上昇し、洗浄後上記と同条件で測定した純水透過流束(flux)は、低下傾向を示した。これは、洗浄液中に膜汚染性有機物であるノニオン界面活性剤が蓄積されたため、膜汚染性物質の洗浄液への溶解能が低下したことによるものと考えられる。
上記実験で、洗浄液を15回繰返し使用したとき、洗浄後の純水透過流束は0.60m3/(m2・d)まで低下した。
〔実施例1〕:
比較例1と同じノニオン界面活性剤を250mg/Lの濃度で含む水溶液1L、および70%エチレングリコール、30%メタノールの混合洗浄液1Lに、それぞれ粒状活性炭を0.6g、5g、10g、20gを別々に添加し、20時間攪拌後の洗浄液中ノニオン界面活性剤濃度を測定した。各々の吸着等温線を、水溶液は水系として、混合洗浄液はEG70%−MetOH30%系として図3に示す。図3中、水系およびEG70%−MetOH30%系とも、粒状活性炭の添加量が少ないプロットほど、吸着量および平衡濃度が高くなっている。有機溶媒(EG70%−MetOH30%系)の場合、水溶媒(水系)に比べ吸着能が低下しており、平衡吸着後の濃度を同程度まで処理しようとする場合、10〜100倍の活性炭が必要となることがわかる。しかし、比較例1から界面活性剤濃度10mg/L以下であれば、1回目の洗浄液の界面活性剤濃度より低い値であるため、活性炭が洗浄液の再生に十分使用可能であることが分かる。
比較例1と同じノニオン界面活性剤を250mg/Lの濃度で含む水溶液1L、および70%エチレングリコール、30%メタノールの混合洗浄液1Lに、それぞれ粒状活性炭を0.6g、5g、10g、20gを別々に添加し、20時間攪拌後の洗浄液中ノニオン界面活性剤濃度を測定した。各々の吸着等温線を、水溶液は水系として、混合洗浄液はEG70%−MetOH30%系として図3に示す。図3中、水系およびEG70%−MetOH30%系とも、粒状活性炭の添加量が少ないプロットほど、吸着量および平衡濃度が高くなっている。有機溶媒(EG70%−MetOH30%系)の場合、水溶媒(水系)に比べ吸着能が低下しており、平衡吸着後の濃度を同程度まで処理しようとする場合、10〜100倍の活性炭が必要となることがわかる。しかし、比較例1から界面活性剤濃度10mg/L以下であれば、1回目の洗浄液の界面活性剤濃度より低い値であるため、活性炭が洗浄液の再生に十分使用可能であることが分かる。
〔実施例2〕:
70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を、活性炭処理(活性炭1g/洗浄液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は、1.04m3/(m2・d)と比較例1に示した未使用の洗浄液よりも高い値を示した。これは、未使用の洗浄液中にも不純物として膜汚染性物質が含まれており、活性炭吸着処理によりそれら膜汚染性物質を除去できたためと考えられる。
70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を、活性炭処理(活性炭1g/洗浄液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は、1.04m3/(m2・d)と比較例1に示した未使用の洗浄液よりも高い値を示した。これは、未使用の洗浄液中にも不純物として膜汚染性物質が含まれており、活性炭吸着処理によりそれら膜汚染性物質を除去できたためと考えられる。
〔実施例3〕:
比較例1で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の6割程度まで低下した洗浄汚濁液を、活性炭処理(活性炭1g/洗浄汚濁液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.04m3/(m2・d)となり、実施例2と同程度まで回復した。また、活性炭処理後の再生洗浄液中には、ノニオン界面活性剤が検出されず、膜透過流束低下能を持つノニオン界面活性剤を除去したため、洗浄能が上昇したことがわかる。
比較例1で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の6割程度まで低下した洗浄汚濁液を、活性炭処理(活性炭1g/洗浄汚濁液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.04m3/(m2・d)となり、実施例2と同程度まで回復した。また、活性炭処理後の再生洗浄液中には、ノニオン界面活性剤が検出されず、膜透過流束低下能を持つノニオン界面活性剤を除去したため、洗浄能が上昇したことがわかる。
〔比較例2〕:
分子量数万程度のタンパク質(BSA:牛血清アルブミン)を50mg/Lの濃度で含む排水を被処理液として、日東電工(株)製逆浸透膜NTR-759HR (新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで0.94m3/(m2・d))を用いて、1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.56m3/(m2・d)まで低下した。この汚染膜を70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を洗浄液として24時間浸漬した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.77m3/(m2・d)まで回復していた。この使用済み洗浄液を繰返し利用し、同様の洗浄操作を繰り返すと、洗浄後上記と同条件で測定した純水透過流束は低下傾向を示し、15回目では0.68m3/(m2・d)までしか回復できなくなった。
分子量数万程度のタンパク質(BSA:牛血清アルブミン)を50mg/Lの濃度で含む排水を被処理液として、日東電工(株)製逆浸透膜NTR-759HR (新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで0.94m3/(m2・d))を用いて、1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.56m3/(m2・d)まで低下した。この汚染膜を70%エチレングリコール、30%メタノールの混合液を洗浄液として24時間浸漬した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.77m3/(m2・d)まで回復していた。この使用済み洗浄液を繰返し利用し、同様の洗浄操作を繰り返すと、洗浄後上記と同条件で測定した純水透過流束は低下傾向を示し、15回目では0.68m3/(m2・d)までしか回復できなくなった。
〔実施例4〕:
比較例2で15回繰返し使用し、洗浄能が低下した洗浄汚濁液を活性炭処理(活性炭1g/洗浄汚濁液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例2に記載のタンパク質による汚染膜(透過流束は0.68m3/(m2・d))を24時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.88m3/(m2・d)となり、未使用の洗浄液よりも高い洗浄能を示した。これは、洗浄汚濁液からクンパク質が活性炭吸着処理によって除去できたためと考えられる。
比較例2で15回繰返し使用し、洗浄能が低下した洗浄汚濁液を活性炭処理(活性炭1g/洗浄汚濁液20mLを添加し、1時間攪拌)した後、比較例2に記載のタンパク質による汚染膜(透過流束は0.68m3/(m2・d))を24時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は0.88m3/(m2・d)となり、未使用の洗浄液よりも高い洗浄能を示した。これは、洗浄汚濁液からクンパク質が活性炭吸着処理によって除去できたためと考えられる。
〔実施例5〕:
比較例1で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の6割程度まで低下した洗浄汚濁液に、疎水性ゼオライト(東ソー(株)製、HSZ390HUA粉末を圧縮製錠後、再粉砕し、粒径0.5〜1.0mmの粒状としたもの)を添加(ゼオライト1g/洗浄汚濁液20mL)し、1時間攪拌した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.0m3/(m2・d)となり、新膜と同程度まで回復した。また、吸着処理後の再生洗浄液中には、ノニオン界面活性剤が検出されなかった。
比較例1で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の6割程度まで低下した洗浄汚濁液に、疎水性ゼオライト(東ソー(株)製、HSZ390HUA粉末を圧縮製錠後、再粉砕し、粒径0.5〜1.0mmの粒状としたもの)を添加(ゼオライト1g/洗浄汚濁液20mL)し、1時間攪拌した後、比較例1に記載のノニオン界面活性剤による汚染膜を2時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.0m3/(m2・d)となり、新膜と同程度まで回復した。また、吸着処理後の再生洗浄液中には、ノニオン界面活性剤が検出されなかった。
〔比較例3〕:
TOC濃度:1.1mg/L(うち分子量1000以上の高分子成分(以下、高分子有機物という)TOC濃度:0.3mg/L、Ca:0.7mg/L、A1:0.001 mg/L、Fe :0.05 mg/L)を含む機械製造工場排水処理装置の処理液を被処理液として東レ(株)製逆浸透膜SU-720(新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで1.2〜1.3m3/(m2・d))を用いて1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.45m3/(m2・d)まで低下した。蛍光X線で膜面を観察した結果、A1、Ca、Fe等の無機物が付着していた。この汚染膜を50%プロピレングリコール、5%硝酸の混合水溶液を洗浄液として15時間浸漬した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.26m3/(m2・d)であり、新膜と同程度まで回復していた。
この使用済み洗浄液を繰返し使用し(プロピレングリコールと硝酸の損失分を初期濃度となるように追加した)、同様の洗浄操作を15回繰返し行ったとき、洗浄後の純水透過流束は0.90m3/(m2・d)まで低下した。このとき洗浄液汚濁液中の高分子有機物TOC:84mg/L、Ca:76mg/Lであった。洗浄液中に膜汚染性の高分子有機物とCaのような多価カチオンが蓄積されたために、膜汚染性物質の洗浄液への溶解能が低下したと考えられる。
TOC濃度:1.1mg/L(うち分子量1000以上の高分子成分(以下、高分子有機物という)TOC濃度:0.3mg/L、Ca:0.7mg/L、A1:0.001 mg/L、Fe :0.05 mg/L)を含む機械製造工場排水処理装置の処理液を被処理液として東レ(株)製逆浸透膜SU-720(新膜の純水透過流束は操作圧力1.2MPaで1.2〜1.3m3/(m2・d))を用いて1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。その結果、透過流束は0.45m3/(m2・d)まで低下した。蛍光X線で膜面を観察した結果、A1、Ca、Fe等の無機物が付着していた。この汚染膜を50%プロピレングリコール、5%硝酸の混合水溶液を洗浄液として15時間浸漬した後、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束は1.26m3/(m2・d)であり、新膜と同程度まで回復していた。
この使用済み洗浄液を繰返し使用し(プロピレングリコールと硝酸の損失分を初期濃度となるように追加した)、同様の洗浄操作を15回繰返し行ったとき、洗浄後の純水透過流束は0.90m3/(m2・d)まで低下した。このとき洗浄液汚濁液中の高分子有機物TOC:84mg/L、Ca:76mg/Lであった。洗浄液中に膜汚染性の高分子有機物とCaのような多価カチオンが蓄積されたために、膜汚染性物質の洗浄液への溶解能が低下したと考えられる。
〔実施例6〜8〕:
比較例3で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の70%程度まで低下した洗浄汚濁液を、実施例6では合成吸着剤(三菱化学(株)製セパビーズSP206)で吸着処理し、実施例7ではイオン交換樹脂(三菱化学(株)製イオン交換樹脂、ダイヤイオンSK1B)で吸着処理し、実施例8ではイオン交換樹脂(三菱化学(株)製イオン交換樹脂、ダイヤイオンSK1B)で吸着処理後、さらに合成吸着剤(三菱化学(株)製セパビーズSP206)で吸着処理した。吸着処理は、各樹脂1cm3を充填した内径5mのガラスカラムに、洗浄汚濁液をSV20H-1の通水速度で下降流で供給した。
その後、比較例3に記載の汚染膜を、それぞれの処理後の洗浄液に15時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束を表2に示す。実施例6では、合成吸着剤の吸着処理により洗浄液中の高分子有機物は1mg/L以下にまで除去され、洗浄能は未使用の90%程度まで回復した。実施例7では、イオン交換樹脂の吸着処理により洗浄液中のCaは1mg/L以下にまで除去され、洗浄能は未使用の75%程度まで回復した。
実施例8では、高分子有機物とCaを除去することにより、未使用の洗浄液と同程度まで洗浄液を回復させることが出来た。これは、洗浄汚濁液中のCaが膜面に付着した高分子有機物と結合するため、膜汚染性の高分子有機物の洗浄液への溶解能が低下しているためと考えられる。洗浄汚濁液に高分子有機物と多価カチオン等の金属イオンが含まれる場合、異なる働きをする複数種の吸着剤を用いることにより洗浄液をより効果的に再生することができる。
比較例3で15回繰返し使用し、洗浄能が未使用の洗浄液の70%程度まで低下した洗浄汚濁液を、実施例6では合成吸着剤(三菱化学(株)製セパビーズSP206)で吸着処理し、実施例7ではイオン交換樹脂(三菱化学(株)製イオン交換樹脂、ダイヤイオンSK1B)で吸着処理し、実施例8ではイオン交換樹脂(三菱化学(株)製イオン交換樹脂、ダイヤイオンSK1B)で吸着処理後、さらに合成吸着剤(三菱化学(株)製セパビーズSP206)で吸着処理した。吸着処理は、各樹脂1cm3を充填した内径5mのガラスカラムに、洗浄汚濁液をSV20H-1の通水速度で下降流で供給した。
その後、比較例3に記載の汚染膜を、それぞれの処理後の洗浄液に15時間浸漬し、純水通水を行った。洗浄後の純水透過流束を表2に示す。実施例6では、合成吸着剤の吸着処理により洗浄液中の高分子有機物は1mg/L以下にまで除去され、洗浄能は未使用の90%程度まで回復した。実施例7では、イオン交換樹脂の吸着処理により洗浄液中のCaは1mg/L以下にまで除去され、洗浄能は未使用の75%程度まで回復した。
実施例8では、高分子有機物とCaを除去することにより、未使用の洗浄液と同程度まで洗浄液を回復させることが出来た。これは、洗浄汚濁液中のCaが膜面に付着した高分子有機物と結合するため、膜汚染性の高分子有機物の洗浄液への溶解能が低下しているためと考えられる。洗浄汚濁液に高分子有機物と多価カチオン等の金属イオンが含まれる場合、異なる働きをする複数種の吸着剤を用いることにより洗浄液をより効果的に再生することができる。
液体の濃縮、脱塩、純水製造等の水処理、あるいはその他の処理などによって汚染され、透過流束その他の性能の低下した逆浸透膜、ナノ濾過膜等の選択性透過膜を洗浄して性能を回復させるための洗浄に利用可能である。
1 モジュール
2 選択性透過膜
3 濃縮液室
4 透過液室
5 被処理液槽
6 水槽
7 洗浄液槽
8 吸着槽
9 フィルタ
10 吸着剤
2 選択性透過膜
3 濃縮液室
4 透過液室
5 被処理液槽
6 水槽
7 洗浄液槽
8 吸着槽
9 フィルタ
10 吸着剤
Claims (5)
- 分子量400以下のポリオール、または分子量400以下のポリオールと他の有機溶媒、酸およびアルカリから選ばれる少なくとも1種の成分とを含む洗浄液を吸着剤と接触させ、膜汚染性物質を吸着除去した洗浄液を選択性透過膜と接触させて、該選択性透過膜に付着した膜汚染性物質を溶解除去することを特徴とする選択性透過膜の洗浄方法。
- 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄前の洗浄液である請求項1記載の方法。
- 吸着剤と接触させる洗浄液が、選択性透過膜洗浄後の洗浄液であり、洗浄液中の膜汚染性物質を除去した後、選択性透過膜の洗浄に繰り返し使用する請求項1または2記載の方法。
- 酸が硝酸である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
- 吸着剤が、活性炭、ゼオライト、合成吸着剤またはイオン交換樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004356486A JP2006159124A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 選択性透過膜の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004356486A JP2006159124A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 選択性透過膜の洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006159124A true JP2006159124A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36661708
Family Applications (1)
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JP2004356486A Pending JP2006159124A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 選択性透過膜の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006159124A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508629A (ja) * | 2010-09-02 | 2014-04-10 | フジフイルム プラナー ソリューションズ エルエルシー | 洗浄方法及びシステム |
KR20190062582A (ko) * | 2016-11-18 | 2019-06-05 | 오르가노 코포레이션 | 역침투막 처리 시스템 및 역침투막 처리 방법 |
-
2004
- 2004-12-09 JP JP2004356486A patent/JP2006159124A/ja active Pending
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CN109906204A (zh) * | 2016-11-18 | 2019-06-18 | 奥加诺株式会社 | 反渗透膜处理系统和反渗透膜处理方法 |
KR102358382B1 (ko) * | 2016-11-18 | 2022-02-04 | 오르가노 코포레이션 | 역침투막 처리 시스템 및 역침투막 처리 방법 |
CN109906204B (zh) * | 2016-11-18 | 2022-04-19 | 奥加诺株式会社 | 反渗透膜处理系统和反渗透膜处理方法 |
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