JP2006156735A - パターン形成方法及びモールド - Google Patents

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Abstract

【課題】離型時のパターン欠けなどの問題が、より容易に解消できるようにする。
【解決手段】
自己架橋性を備えた可塑性を有するフッ素樹脂からなり、膜厚300nm程度のモールド層121を形成し、シリコン基板101のシリコンパターン層102が形成された面にモールド層121を押し付け、シリコンパターン層102の形状が転写(加圧成形)されたフッ素樹脂パターン層(転写パターン層)122が、モールド層121に形成された状態とする。押し付けることでフッ素樹脂パターン層122が形成された後、モールド層121を200℃程度に加熱することで熱硬化された状態とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モールドを用いた転写により微細なパターンを形成するパターン形成方法及びモールドに関するものである。
LSIをはじめとする半導体デバイスを作成するためには、例えばエッチングのマスクとして用いるレジストパターンや、エッチングにより形成されたエッチングパターンなどの極微細パターンが必要となる。レジストパターンは、基板の上に塗布した感光性樹脂膜に所望のパターンを露光した後、現像及び洗浄(リンス)を経て形成される。感光性樹脂膜は、例えば、紫外線,エックス線,電子線などに感光する樹脂膜である。また、露光は、紫外線や電子線を光源とし、回路(パターン)設計に基づいて形成されたパターンを備えた原板を用い、感光性樹脂膜の上に光源によるパターンの潜像を形成することで行われる。
しかしながら、上述したパターンの形成方法では、高価な露光装置が必要とされ、また、工程数が多いという問題がある。これに対し、近年では、インプリントリソグラフィ(非特許文献1参照)が着目されている。インプリントリソグラフィは、従来よりあるインプリント法と同様の技術である。インプリント法は、DVD(Digital Video Disk)の作製などに利用されており、次に示すようにパターンを形成する技術である。
インプリント法について簡単に説明すると、まず、公知のフォトリソグラフィ技術を用いてシリコン基板の上にマスターモールドとなるパターンが形成された状態とする。次に、電解メッキ法によりニッケルを堆積することで、マスターモールドの上にニッケル層が形成された状態とする。この後、マスターモールドよりニッケル層を引き離す(引き剥がす)ことで、マスターモールドのパターン形状が転写されたニッケルモールドが得られる。
このようにして形成されたニッケルモールドのパターンが転写されているパターン面を、パターン形成対象のアルミニウム板に押し付けることで、マスターモールドに形成されているパターン形状のアルミニウムパターンが、アルミニウム板の表面に形成される。このパターンの転写を行うためのインプリント装置は、型押し機構があればよく、露光装置に比較して遙かに安価である。複数のアルミニウム板へのパターン転写を行うと、ニッケルモールドは、パターン面に汚れや破損が生じる。この場合、前述したマスターモールドを用いたニッケル層へのパターン転写を再度行い、新たなニッケルモールドを作製して使用すればよい。
従って、例えば、1枚のニッケルモールドにより100枚のアルミニウム板へのパターン転写が行える場合、1000枚のアルミニウム板へのパターン転写のためには、マスターモールドを用いた転写を10回行えばよいことになる。このように、インプリント法によれば、1枚のマスターモールドを用いることで、安価なインプリント装置により多くの製品が作製できる。マスターモールドの作製には、フォトリソグラフィ技術を行うための高価な露光装置を用いた設備が必要となるが、これらを製品の大量生産のために複数用意する必要がないため、インプリント法による製品の製造は、大幅なコストの低減が見込める。
上述したインプリント法を応用して半導体デバイスの作製に用いるレジストパターンの作製を行うようにした技術が、インプリントリソグラフィである。インプリントリソグラフィでは、上述したアルミニウム板をレジストなどの樹脂層に置き換え、レジストのパターンを形成する。例えば、金属膜の上にレジスト膜が形成された状態とし、このレジスト膜に、前述と同様にしてモールドを押し付けてパターンを転写し、形成されたレジストのパターンをマスクとして金属膜をエッチングすることで、配線層が形成できる。
以下、インプリントリソグラフィについて簡単に説明する。まず、例えば、図2(a)に示すようにシリコン基板201を用意し、図2(b)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とにより、シリコン基板201の上に所定のシリコンパターン層202が形成された状態とする。シリコンパターン層202が、マスターモールドとなる。次に、図2(c)に示すように、スピンオングラスなどの樹脂材料から構成された樹脂層221を用意し、シリコン基板201のシリコンパターン層202が形成された面に樹脂層221を押し付け、図2(d)に示すように、シリコンパターン層202の形状が転写された樹脂パターン層222が、樹脂層221に形成された状態とする。樹脂パターン層222が、レジストパターン形成に用いられるモールドとなる。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
Yuichi Kurashima, et al., "Fabrication of Liw Line Edge Roufhness Mold for Photo-Nanoimprint", Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 43, No. 6b, pp. 4045-4049, 2004.
ところが、上述した従来の技術では、シリコン基板201から樹脂層221を離型させると、条件により、図2(e)に示すように、シリコンパターン層202の一部のパターン間に剥がれパターン223が残り、これに対応する樹脂パターン層222においては、パターン欠け部分224が発生する。このようにパターン欠け部分224がある樹脂パターン層222を、図2(f)に示すように、所定の基板241の上に形成されたレジスト層242に転写すると、図2(g)に示すように、基板241の上には、正常なレジストパターン243とともに異常パターン244が形成される。
加えて、樹脂層221より基板241を離型させると、条件により、図2(h)に示すように、樹脂パターン層222の一部のパターン間に剥がれパターン245が残り、これに対応する基板241の上では、パターン欠け部分246が発生する。この結果、基板241の上には、異常パターン244が形成されるとともに、パターン欠け部分246が発生した状態となり不良となる。
上述した離型時の問題を解消するために、離型剤を用いる技術がある。例えば、パーフルオロオクチルトリエトキシシランなどのフッ素系のシランカップリング剤を、シリコンパターン層202及び樹脂パターン層222の表面に塗布し、離型剤の分子層が形成された状態とすることで、離型時のパターン欠けなどが抑制できるようになる。しかしながら、上述した離型剤の分子層を、必要とする全域に均一な状態で形成することが容易ではなく、この結果、部分的に分子層が形成されず、前述したパターン欠けの発生が抑制しきれない。また、均一な分子層が形成されたとしても、パターン形成を繰り返すことで分子層の剥がれが起こり、離型剤の機能を維持することが容易ではない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、離型時のパターン欠けなどの問題が、より容易に解消できるようにすることを目的とする。
本発明に係るパターン形成方法は、パターン形成面に所定のパターンが形成されたモールド基板を用意する工程と、フッ素樹脂から構成されたモールド層が形成された状態とする工程と、モールド層の主面にモールド基板のパターン形成面を押し付け、パターンがモールド層の主面側に加圧成形されてモールド層に転写パターンが形成された状態とする工程とを少なくとも備えたものである。また、所定の基板の上に樹脂層が形成された状態とする工程と、転写パターンを樹脂層に押し付け、転写パターンが樹脂層に加圧成形されて基板の上に樹脂パターンが形成された状態とする工程とを備えたものである。
上記パターン形成方法において、フッ素樹脂から構成された可塑性を有するモールド層が形成された状態とし、加圧成形により転写パターンが形成されたモールド層は、硬化した状態とすることで、転写パターンの変形が抑制されるようになる。上記パターン形成方法において、フッ素樹脂は、架橋剤が添加されていれば、架橋により硬化させることができる。また、フッ素樹脂が、側鎖に架橋部位を備えていれば、架橋により硬化させることができる。また、加圧成形により転写パターンが形成されたモールド層は、加熱により硬化した状態とすればよい。
また、本発明に係るモールドは、パターン形成面に所定のパターンが形成されたモールド基板のパターン形成面に、フッ素樹脂から構成されたモールド層の主面を押し付け、パターンがモールド層の主面側に加圧成形されてモールド層に転写パターンが形成された状態とするパターン形成方法に用いられるモールド層を備えたモールドであって、モールド層は、架橋型のフッ素樹脂から構成されているようにしたものである。
上記モールドにおいて、モールド層は、フッ素を有する架橋剤が添加されたフッ素樹脂から構成すればよい。また、モールド層は、金属を備えた分子を含んでいてもよく、モールド層は、繊維質を含んでいてもよい。また、モールド層は、3次元骨格の化学構造を備えたフッ素樹脂から構成されていればよりよい。
以上説明したように、本発明によれば、転写パターンが形成されるモールド層をフッ素樹脂から構成したので、離型時のパターン欠けなどの問題が、より容易に解消できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるパターン形成方法例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、シリコン基板(モールド基板)101を用意する。次に、よく知られた電子線リソグラフィ技術により、シリコン基板101の上にマスクパターンが形成された状態とする。ついで、形成されたマスクパターンをマスクとし、塩素ガスを用いたドライエッチングでシリコン基板101の表面をエッチングし、この後、酸素プラズマを用いた灰化処理によりマスクパターンを除去することで、図1(b)に示すように、シリコン基板101の上に、シリコンパターン層102が形成された状態とする。シリコンパターン層102が、マスターモールドとなる。形成されたシリコンパターン層102は、例えば、幅50〜300nmの複数のパターンが、間隔50〜300nmで配置されたものである。
次に、図1(c)に示すように、自己架橋性を備えた(架橋型の)可塑性を有するフッ素樹脂からなるモールド層121を用意する。モールド層121は、膜厚300nm程度の板状に形成すればよい。また、モールド層121は、図示しない基板の上に形成すればよい。次に、シリコン基板101のシリコンパターン層102が形成された面にモールド層121を押し付け、図1(d)に示すように、シリコンパターン層102の形状が転写(加圧成形)されたフッ素樹脂パターン層(転写パターン層)122が、モールド層121に形成された状態とする。
このとき、押し付けの圧力は、10MPa程度とすればよい。押し付けることでフッ素樹脂パターン層122が形成された後、モールド層121を200℃程度に加熱することで熱硬化された状態とする。熱硬化することで、フッ素樹脂パターン層122の可塑性がなくなる。熱硬化したフッ素樹脂パターン層122が、レジストパターン形成に用いられるモールドとなる。
次に、図1(e)に示すように、シリコン基板101よりモールド層121が離型した状態とする。モールド層121は、フッ素樹脂から構成されているので、離型時にパターンが欠けるなどの問題が抑制され、モールド層121の上には、パターン欠けなどの異常がない状態で、モールドとなるフッ素樹脂パターン層122が形成された状態が得られる。次に、図1(f)に示すように、PMMA(ポリメタクリル酸アクリレート)からなる膜厚300nmのレジスト層142が、所定の基板141の上に形成された状態とする。
次に、レジスト層142が180℃程度に加熱されて軟化した状態とし、加熱されたレジスト層142にモールド層121のフッ素樹脂パターン層122を押し付け、フッ素樹脂パターン層122のパターン形状をレジスト層142に転写することで、図1(g)に示すように、基板141の上にレジストパターン143が形成された状態とする。モールド層121が基板141に押し付けられた状態で、レジストパターン143を室温(15〜25℃)程度まで冷却した後、図1(h)に示すように、モールド層121から基板141が離型された状態とする。
このことにより、パターン欠けなどの不良がない状態で、基板141の上にレジストパターン143が形成された状態が得られる。レジストパターン143は、シリコンパターン層102の形状が反映されたものとなり、幅50〜300nmの複数のパターンが、間隔50〜300nmで配置されたものとなる。
上述したパターン形成方法は、モールド層121(フッ素樹脂パターン層122)を、他の有機材料に比較して表面自由エネルギーが低く、塑性変形し(可塑性を有し)、また、所定の条件で硬化するフッ素樹脂から構成したところに特徴がある。硬化により、例えば、より高い軟化点温度を備えた状態もしくは軟化点を持たない状態が得られればよい。なお、フッ素樹脂は、フッ素ゴムなどフッ素が含まれる有機材料を示している。例えば、低分子量で塑性変形しやすい状態より、架橋して高分子化することで硬化するフッ素樹脂が、モールド層121に適している。
特に、3次元的に架橋して硬化するフッ素樹脂が特に好適である。例えば、低分子の状態で3つ以上の架橋部位を有するもであれば好適である。また、ゴム状の高分子材料であれば、側鎖に架橋部位があり、架橋部位の結合による架橋で3次元架橋して固化する材料であれば、モールド層121に用いることができる。さらには、3次元骨格を有する基が直鎖分子で連結された構造など、3次元骨格を有する分子構造のフッ素樹脂からモールド層121が構成されていてもよい。このようなフッ素樹脂であれば、架橋させて硬化した後、強固な網目構造が形成され、より高い軟化点温度を備えた状態が得られる。なお、この場合、硬化前の状態では、加圧成形が可能な塑性を有する程度の3次元骨格である必要がある。
また、フッ素樹脂は層状もしくは板状に整形して用いるので、例えば、塗布可能な塗布液の状態が構成できるものであればよい。例えば、極性基を有するフッ素化合物であれば、溶剤に溶解した状態とすることで、塗布液を構成することできる。また、プロピレンなどの炭化水素とフッ素化合物との共重合体が形成されるものであってもよい。ところで、分子内のフッ素の割合が多いほど、表面自由エネルギーが低くなる傾向があるので、フッ素の割合がより多いフッ素樹脂が、モールド層121に好適である。また、同様の観点から、モールド層121を硬化させるために架橋剤を用いる場合、フッ素の割合が多い架橋剤を用いた方がよい。
また、硬化した後のモールド層121(フッ素樹脂パターン層122)の硬度(強度)は、前述したように架橋度を上げることや3次元的に架橋させることの他に、金属を含有させるようにすることでも向上させることができる。例えば、金属アルコキシドを、フッ素樹脂に化合もしくは混合することで、フッ素樹脂中に金属が含有された状態が得られる。金属アルコキシドを構成する金属としては、Si,Ti,Zr,Al,Ga,Pb,Ta,Wなどを用いることができる。また、ガラス繊維,炭素繊維,及び合成繊維などの種々の繊維が、強化剤(骨材)として添加されているようにしてもよい。
次に、モールド層121の形成について説明すると、一例として、前述した塗布液を回転塗布法により所定の基板に塗布することで、モールド層121が形成ができる。回転塗布法は、基板の上に塗布液を供給し、基板を回転させながら供給した塗布液を均一に基板外周へ押し広げて塗布液の膜が形成された状態とする方法である。このような回転塗布によるモールド層121の形成段階で、フッ素樹脂溶液とともに架橋剤溶液を基板の上に供給し、架橋剤が添加されたフッ素樹脂層からなるフッ素モールド層121が形成された状態としてもよい。硬化に必要な官能基の多くは極性を有し、酢酸エステルなどの有機溶媒に可溶であり、フッ素樹脂層への上記官能基の導入は、有機溶媒に溶解した状態で行うことが好適である。
硬化の方法としては、加熱、紫外線照射、硬化剤の添加、水との反応を利用した硬化など、種々の方法を用いることができる。この中で、熱硬化が好適である。モールド層121が熱硬化型の樹脂であれば、フッ素樹脂パターン層122が形成された後、加熱のみでモールド層121が硬化した状態とすることができる。また、熱硬化の温度条件が100〜200℃程度であれば、一般的なフォトリソグラフィ工程で利用されるホットプレートが利用でき、好適である。なお、熱硬化する樹脂であれば、熱硬化する前では塑性変形しやすい状態であり、シリコンパターン層102の形状をモールド層121に転写することが容易である。
フッ素樹脂の硬化は、フッ素樹脂中の架橋部位同士、もしくはフッ素樹脂中に添加された架橋剤の作用により得られる。また、硬化の反応が促進される触媒の添加も、硬化を容易にするために好適である。例えば、カルボキシル基,水酸基,炭素二重結合,t−ブトキシ基などが側鎖などに導入されていれば、架橋反応により硬化させることができる。また、これらの反応基を有する架橋剤をフッ素樹脂中に添加することで、硬化した状態を得ることができる。また、ビスアジド化合物における「(−C=C−)+N3→(−C−N−C−)+N2↑」の光反応による架橋を利用し、フッ素樹脂パターン層122が硬化した状態としてもよい。架橋剤としては、様々の種類を用いることが可能であり、特に、2つ以上の官能基を備えるものがよい。例えば、3つ以上の官能基を備えるメラミンなどである。さらには、前述したように、架橋剤がフッ素を含むものであれば、より好適である。
また、バインダーとなる直鎖高分子が添加されたフッ素樹脂から、モールド層121が構成されているようにしてもよい。例えば、分子の構造が3次元状の骨格のフッ素樹脂をバインダーに混合して可塑性を備えた樹脂材料を構成し、この樹脂材料からモールド層121が構成されているようにしてもよい。加圧成形によるフッ素樹脂パターン層122の形成が容易となる。この場合、上記樹脂材料に架橋剤が添加されている状態とすることで、加圧成形によりフッ素樹脂パターン層122が形成された後、熱硬化などにより硬化して架橋させることで、可塑性のない高い硬度の状態が得られる。
次に、レジストパターン形成に用いられるモールドとなるフッ素樹脂パターン層122の離型性について考察する。例えば、フッ素樹脂パターン層122よりレジストパターン143が離型しやすい状態は、フッ素樹脂パターン層122の表面の表面自由エネルギーがより小さい状態とすることで得られる。表面自由エネルギーが小さい状態は、他の物質との密着性が低い状態であり、離型しやすい状態であることを示している。表面自由エネルギーの小さい状態を形成するために、よく知られているように、モールドの表面にフッ素化合物からなる離型剤の被膜を形成しておく技術がある。
しかしながら、モールドの表面に均一に離型剤を吸着させておくことは容易ではない。離型剤の被膜(層)が形成された状態とすることも、時間が要するなど容易ではない。また、モールドの表面に形成された離型剤の層は、離型を繰り返すことにより徐々に剥がれて機能が低下する。離型剤の層の有無の確認は容易ではなく、機能の低下を監視することが容易ではないため、離型時のパターン欠けなどの異常発生により、機能の低下が確認できるのが現状である。
これに対し、モールドとなるフッ素樹脂パターン層122は、フッ素樹脂から構成されているので、離型剤の層の剥離などの問題は起こらない。フッ素樹脂パターン層122による離型を繰り返し、フッ素樹脂パターン層122の表面が削られた場合、削られることで新たに露出した表面もフッ素樹脂であるため、表面自由エネルギーが小さい状態が維持される。この結果、フッ素樹脂パターン層122は、離型を繰り返しても、離型しやすい状態が維持される。ここで、フッ素原子の構成比が大きいフッ素樹脂ほど、表面自由エネルギーの小さい状態が得られるので、「−(CF2)−」の分子構造を骨格に有するフッ素樹脂が、フッ素樹脂パターン層122の材料として好ましい。また、側鎖末端に「−CF3」を備えるフッ素樹脂であれば、形成された層の表面にCF3が密に並んだ状態が得られるので、特に好適である。
ところで、シリコンパターン層102の形状をモールド層121に加圧成形することで、フッ素樹脂パターン層122は形成されるため、モールド層121は加圧成型時に塑性変形する状態が必要となる。例えば、熱可塑性を有するフッ素樹脂を用いれば、加温により軟化させて塑性変形可能な状態としてパターンが形成された状態が得られる。ただし、熱可塑性を有するフッ素樹脂は、あまり多くの種類がない。また、より低い温度で塑性が得られる状態の方が、加圧成形が容易となるが、低い温度で形状が変化しやすいという問題も発生しやすい。これに対し、熱硬化や光硬化などにより硬化して可塑性が消滅するフッ素樹脂を用いれば、加圧成形しやすく、かつ成形した後のフッ素樹脂パターン層122の塑性変形を抑制できるようになる。
一方、熱硬化フッ素樹脂として、市販のフッ素塗料があるが、次に示す点により問題がある。まず、低い温度で効果が開始されるため、可塑性が低くパターンの転写性がよくないという問題がある。また、架橋密度が低く、モールドとして必要となる硬度が得られないという問題がある。加えて、塗料として用いられるように調整されているため、離型性がよくないとう問題がある。これらのことから、市販されているフッ素塗料をモールド層121に適用することは、困難である。
次に、本発明の他の実施の形態について、図1を用いて説明する。まず、例えば、図1(a)に示すようにシリコン基板101を用意する。次に、よく知られた電子線リソグラフィ技術により、シリコン基板101の上にマスクパターンが形成された状態とする。ついで、形成されたマスクパターンをマスクとし、塩素ガスを用いたドライエッチングでシリコン基板101の表面をエッチングし、この後、酸素プラズマを用いた灰化処理によりマスクパターンを除去することで、図1(b)に示すように、シリコン基板101の上に、シリコンパターン層102が形成された状態とする。シリコンパターン層102が、マスターモールドとなる。形成されたシリコンパターン層102は、例えば、幅50〜300nmの複数のパターンが、間隔50〜300nmで配置されたものである。
次に、所定の基板(図示せず)の上に架橋剤が添加されている低分子フッ素樹脂を塗布し、図1(c)に示すように、上記低分子フッ素樹脂からなるモールド層121が形成された状態とする。モールド層121は、膜厚300nm程度の板状に形成すればよい。次に、シリコン基板101のシリコンパターン層102が形成された面にモールド層121を押し付け、図1(d)に示すように、シリコンパターン層102の形状が転写されたフッ素樹脂パターン層122が、モールド層121に形成された状態とする。このとき、押し付けの圧力は、5MPa程度とすればよい。押し付けることでフッ素樹脂パターン層122が形成されるとともに、モールド層121を100℃程度に加熱することで熱硬化された状態とする。熱硬化したフッ素樹脂パターン層122が、レジストパターン形成に用いられるモールドとなる。
次に、図1(e)に示すように、シリコン基板101よりモールド層121が離型した状態とする。モールド層121は、フッ素樹脂から構成されているので、離型時にパターンが欠けるなどの問題が抑制され、モールド層121の上には、パターン欠けなどの異常がない状態で、モールドとなるフッ素樹脂パターン層122が形成された状態が得られる。次に、図1(f)に示すように、紫外線硬化型のレジスト材料からなる膜厚300nmのレジスト層142が、所定の基板141の上に形成された状態とする。
次に、レジスト層142にモールド層121のフッ素樹脂パターン層122を押し付け、フッ素樹脂パターン層122のパターン形状をレジスト層142に転写することで、図1(g)に示すように、基板141の上にレジストパターン143が形成された状態とする。押し付ける圧力は0.5MPa程度とすればよい。引き続いて、モールド層121が基板141に押し付けられた状態で、レジストパターン143に紫外線を照射し、レジストパターン143が硬化した状態とする。この後、図1(h)に示すように、モールド層121から基板141が離型された状態とする。
このことにより、パターン欠けなどの不良がない状態で、基板141の上にレジストパターン143が形成された状態が得られる。レジストパターン143は、シリコンパターン層102の形状が反映されたものとなり、幅50〜300nmの複数のパターンが、間隔50〜300nmで配置されたものとなる。なお、フッ素樹脂パターン層122は、レジストパターン143を形成するためのモールドの他に、マイクロ流路などの生体分析装置の部品,光部品などに利用してもよく、また、微細反応を起こさせる反応場として用いるようにしてもよい。
本発明の実施の形態におけるパターン形成方法例を示す工程図である。 従来よりあるパターン形成方法を説明するための工程図である。
符号の説明
101…シリコン基板、102…シリコンパターン層、121…モールド層、122…フッ素樹脂パターン層(転写パターン層)、141…基板、142…レジスト層、143…レジストパターン。

Claims (11)

  1. パターン形成面に所定のパターンが形成されたモールド基板を用意する工程と、
    フッ素樹脂から構成されたモールド層が形成された状態とする工程と、
    前記モールド層の主面に前記モールド基板のパターン形成面を押しつけ、前記パターンが前記モールド層の主面側に加圧成形されて前記モールド層に転写パターン層が形成された状態とする工程と
    を少なくとも備えることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1記載のパターン形成方法において、
    所定の基板の上に樹脂層が形成された状態とする工程と、
    前記転写パターン層を前記樹脂層に押しつけ、前記転写パターン層が前記樹脂層に加圧成形されて前記基板の上に樹脂パターンが形成された状態とする工程と
    を備えることを特徴とするパターン形成方法。
  3. 請求項1又は2記載のパターン形成方法において、
    前記フッ素樹脂から構成された可塑性を有する前記モールド層が形成された状態とし、
    加圧成形により前記転写パターン層が形成された前記モールド層は、硬化した状態とする
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  4. 請求項3記載のパターン形成方法において、
    前記フッ素樹脂は、架橋剤が添加されている
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  5. 請求項3又は4記載のパターン形成方法において、
    前記フッ素樹脂は、側鎖に架橋部位を備えることを特徴とするパターン形成方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法において、
    前記加圧成形により前記転写パターン層が形成された前記モールド層は、加熱により硬化した状態とすることを特徴とするパターン形成方法。
  7. パターン形成面に所定のパターンが形成されたモールド基板のパターン形成面に、フッ素樹脂から構成されたモールド層の主面を押しつけ、前記パターンが前記モールド層の主面側に加圧成形されて前記モールド層に転写パターン層が形成された状態とするパターン形成方法に用いられる前記モールド層を備えたモールドであって、
    前記モールド層は、架橋型のフッ素樹脂から構成されている
    ことを特徴とするモールド。
  8. 請求項7記載のモールドにおいて、
    前記モールド層は、フッ素を有する架橋剤が添加されたフッ素樹脂から構成されている
    ことを特徴とするモールド。
  9. 請求項7または8記載のモールドにおいて、
    前記モールド層は、金属を備えた分子を含んでいる
    ことを特徴とするモールド。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載のモールドにおいて、
    前記モールド層は、繊維質を含んでいる
    ことを特徴とするモールド。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のモールドにおいて、
    前記モールド層は、3次元骨格の化学構造を備えたフッ素樹脂から構成されている
    ことを特徴とするモールド。
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