JP2006156458A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 応答速度が改善される内部狭窄型の半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1導電型クラッド層と、第2導電型クラッド層と、前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、前記第2導電型の半導体層の上に設けられた光取り出し側電極と、を備え、前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、は、電気抵抗を上昇させる不純物がイオン打ち込みにより導入されたイオン打ち込み領域を有し、前記光取り出し側電極の輪郭の少なくとも一部は、前記イオン打ち込み領域の輪郭と同一であることを特徴とする半導体発光素子を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体発光素子及びその製造方法に関し、特に、応答速度を改善した半導体発光素子及びその製造方法に関する。
III−V族化合物半導体などによって構成される半導体レーザ(LD:laser diode)や半導体発光ダイオード(LED:light emitting diode)などの半導体発光素子は、光通信・光記録(DVDなど)・ディスプレイなどの分野において、幅広く使用されるようになった。このうち、LEDを使用した半導体発光装置は、車のストップランプ・表示パネル・照明・交通信号などの用途において、高輝度化(すなわち高出力化)が要求されている。
LEDを使用する他の重要な応用分野として、光通信(特に、短距離通信)がある。この用途は、半導体レーザを用いる長距離大容量通信(通常500Mbps以上)とは異なり、短距離かつ小容量が多い(変調速度で表すと通常50kbps〜500Mbps)。しかし、外来ノイズの影響を受けず、電磁輻射(EMI)もなく、素子の変調が比較的容易であるという光システムの特徴を生かして、LAN・工作機械の制御・AV機器などへの応用が拡大している。LEDを使用した光システムにおいては、ファイバー径が大きく(通常は、コアの直径が50マイクロメータ以上のマルチモードファイバーが使われる)、LEDの発光径も大きいので、発受信モジュールの光軸アラインメントが極めて容易である。また、受光素子にはシリコン材料が使用できるので、信号処理回路と一体にしてOEIC(Opto−Electronic Integrated Circuit)化が可能となり、受信モジュールの小型化が実現できる。
ところで、このような短距離光システムにおいても、要求される通信容量は増している。これに対処するには、システムの高速化が必要となる。すなわち、従来は125Mbps程度であった上限が、500Mbps程度まで広がる状況にある。しかし、従来の通信用LEDの応答速度では250Mbpsシステムにも対応できず、高速応答LEDの開発がシステムの高速化を律速する状態となっている。
一般に、受信感度が同一であれば、光出力が大きいほうが伝送距離を大きくできる。従来の全面発光型のLEDにおいては、電流密度の高い電極直下で発光強度が大きい。しかし、直上へ向かう放射光は電極に阻止され外部には取り出せない。また、斜め上方へ向かう光の一部分は角度が大きいと全反射を起こすため、チップ外部へ有効に取り出せない。すなわち、無効な発光や無効電流が多い。伝送に必要な所定の光出力を確保するために、低発光効率の場合は接合面積を増やさねばならない。この結果、静電容量が増加し、全面発光型LEDの動作上限は10Mbps程度と低くなる。これでは、システム要求に応えられない。
このような無効な発光・無効電流を減らすために、内部狭窄構造が考案された。
すなわち、発光層上部にpn逆接合を形成し内部狭窄構造とする(特許文献1)。このpn逆接合は電極パターン下に形成されて、電流を流さない領域である。注入電流はこの領域の外部に高い密度で流れる。このため、電極で遮蔽される光は減少して、発光効率が上がる。さらにMQW構造も導入することにより、駆動回路にピーキングのような対策を講じることなく、100Mbps程度の動作が可能となった。
しかし、このような内部狭窄構造においても、発光に寄与しないpn接合の部分が残る。この結果、動作上限は125Mbpsを越えるのが困難である。また、複数回の複雑な結晶成長工程を必要とする点でも不利である。
特開2003−37285号公報
本発明は、応答速度が改善される内部狭窄型の半導体発光素子及びその製造方法を提供するものである。
本発明の一態様によれば、
第1導電型クラッド層と、
第2導電型クラッド層と、
前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、
前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、
前記第2導電型の半導体層の上に設けられた光取り出し側電極と、
を備え、
前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、は、電気抵抗を上昇させる不純物がイオン打ち込みにより導入されたイオン打ち込み領域を有し、
前記光取り出し側電極の輪郭の少なくとも一部は、前記イオン打ち込み領域の輪郭と同一であることを特徴とする半導体発光素子が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
第1導電型クラッド層と、
第2導電型クラッド層と、
前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、
前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、
前記第2導電型の半導体層の上に設けられた光取り出し側電極と、
を備え、
前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、は、電気抵抗を上昇させる不純物がイオン打ち込みにより導入されたイオン打ち込み領域を有し、
前記光取り出し側電極は、前記イオン打ち込み領域を包含しさらにその周囲にはみ出してなることを特徴とする半導体発光素子が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
第1導電型クラッド層と、第2導電型クラッド層と、前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、を有する積層体を形成する工程と、
前記積層体の上に開口を有するマスクを形成する工程と、
前記開口を介して、前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、を貫通するイオン打ち込みを実施することにより高抵抗の内部イオン打ち込み領域を選択的に形成する工程と、
前記マスクの上から導電性材料を堆積し前記マスクを除去することにより、前記開口に電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、応答速度が改善される内部狭窄型の半導体発光素子及びその製造方法を提供できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる半導体発光素子(LED)を表す模式図である。すなわち、図1は、その縦断面図であり、図2は、平面図であり、図3は、図1におけるA−A線に沿った水平断面を表す横断面図である。
本実施形態のLEDは、n型GaAs基板11の上に、n型AlGaAs層12、n型InGaAlPクラッド層13、MQW活性層14(ともにアンドープであるInGaP及びInGaAlPからなる)、p型InGaAlPクラッド層15、p型AlGaAs電流拡散層16そしてp型GaAsコンタクト層17が積層された構造を有する。この構造は、いわゆる「ダブルへテロ構造」と呼ばれる。MQW活性層14は、アンドープInGaP層とアンドープInGaAlP層を繰り返し積層させた量子井戸構造を有する。
この結晶成長には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法が使われる。MOCVD法は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well) のような薄い層を形成するのに適している。p型GaAsコンタクト層17は、電極金属に対するバリアハイトが低いので、接触抵抗を低減できる。ただし、p型AlGaAs電流拡散層16上部における不純物濃度を高くすれば、p型GaAsコンタクト層17は必ずしも必要ではない。
本実施形態においては、素子の中央部に、プロトンイオン打ち込みがなされている。このうち、内部イオン打ち込み領域20は、プロトン濃度が高い領域であり、高抵抗である。一方、表面イオン打ち込み領域21は表面に近い領域であり、プロトン濃度が内部より低いため電気抵抗は内部イオン打ち込み領域20よりも低い。ウェーハ上面の光取り出し側には、パターニングされた電極18が、ウェーハ下面には、基板側電極19が形成される。通常は、基板側電極19が、マウント面とされる。
次に、プロトンイオン打ち込みについて説明する。
一般に、GaAsのようなIII−V族化合物半導体にプロトン(H)などをイオン打ち込みすると、照射ダメージやディープレベルを生じる。この結果、自由キャリアがこれらに相殺されて、自由キャリアが減少するので、高抵抗層を生じる。イオン種としては、水素・ヘリウム・ボロン・アルゴン・酸素などでも良い。ここでは、加速エネルギーが200keVであるプロトン(H)を用いた。
図4は、ウェーハ表面からの深さ方向の距離Zに対する、プロトン濃度の相対値の測定結果を表すグラフ図である。プロトン濃度は、対数目盛りで表した。
プロトン濃度の最大値は、ウェーハ表面からRp(投影飛程)の位置にあり、この例では、この深さ位置Rpは、図1におけるMQW活性層14の中央となる位置Dとほぼ等しくなるように設計されている。そして、活性層14の中心位置Dは、1.5マイクロメータとなるように設計されている。イオン打ち込みによるプロトン濃度の最大値Rpは深い位置にあるが、表面側のプロトン濃度は相対的に低いことが理解される。図4における21及び20は、図1におけるイオン打ち込み領域21及び20を表している。
活性層中心位置Dを1.5マイクロメータとするため、電流拡散層16の深さHは、例えば、1.2マイクロメータとされる。なお、活性層(または発光層)近辺に電流が注入されることを阻止することが目的であるから、プロトン濃度の最大値の位置Rpは、必ずしも活性層中心位置Dと完全に一致させる必要はない。プロトン濃度最大値位置Rpが、電流拡散層深さHより浅くとも、容量低減や電流狭窄効果はあるが、Hより深くすると、活性層付近での電流狭窄及び容量低減効果がより大きくできるのでより好ましい。
また、活性層14の中心位置Dは、本実施形態では表面から1.5マイクロメータの深さとしたが、これに限定されることはない。横方向への電流拡散、クラッド効果、オーミックコンタクトを確保するには、0.5マイクロメータ以上とすることが好ましい。また、活性層14の中心位置Dが深すぎると、光の吸収や発散が増えるとともに、プロトン打ち込みの加速電圧を高くしなければならない。この観点からは、活性層14の中心位置Dは、4.0マイクロメータ以下とすることが望ましい。これに対応して、プロトン濃度の最大値の位置Rpも、0.5〜4.0マイクロメータの範囲であることが望ましい。
ところで、一般に、プロトン照射部にはダメージがあるとされ、表面イオン打ち込み領域21も、内部イオン打ち込み領域20と同様に高抵抗化されているとも考えられる。しかし、本発明者が実施した検討結果によれば、内部イオン打ち込み領域20と比較すると、表面イオン打ち込み領域21は、2桁〜3桁程度も電気抵抗率が低いことが判明した。このことは、実際に表面イオン打ち込み領域21に電流が流れることからも確認できるし、図4に例示したように、表面イオン打ち込み領域21においては、内部イオン打ち込み領域20と比較すると、2桁〜3桁程度プロトン濃度が低い事実からも理解できる。つまり、本実施形態によれば、プロトンを打ち込んだ部分に電極18を形成しても十分に良好なコンタクトが得られる。
本実施形態において採用した条件である、加速エネルギー200keVのプロトン打ち込みの場合に、プロトンピーク濃度は約1.8×1019cm−3である。また、シート抵抗は、イオン打ち込み温度やアニール温度にも依存するが、このピーク濃度近辺で、10〜10Ω/□であり、イオン打ち込み前より2桁以上高い。
表面イオン打ち込み領域21の輪郭は、図3に表した内部イオン打ち込み領域20の輪郭と同一である。このイオン打ち込み時のマスクは、酸化膜及びフォトレジストにパターニングにより形成される。そして、本実施形態では、電極18とプロトン照射部はほぼ同一パターンとされている。
図5乃至図8は、本実施形態のLEDの製造工程の一部を表す工程断面図である。すなわち、これらの図は、電極18とプロトン照射部とがほぼ同一パターンを有する構造の製造工程を例示する。
まず、図5に表したように、半導体多層膜上に酸化膜50(例えば、SiO)を形成し、さらにフォトレジスト52を塗布し、パターニングによりプロトン照射のための開口を形成する。
次に、図6に表したように、プロトンを照射して、内部イオン打ち込み領域20と表面イオン打ち込み領域21が形成される。
さらに、図7に表したように、表面イオン打ち込み領域21の上に、蒸着などの方法により光取り出し側電極18を形成する。このとき、酸化膜50及びレジスト52の段差により、開口部に電極18がパターニングできて、レジスト上の金属は、レジスト除去工程でリフトオフ法により取り除かれる。
その結果として、図8に表したように、表面イオン打ち込み領域21の上に、全く同一の輪郭を有する電極18を形成することができる。以上説明した工程によれば、プロトンの打ち込みの後に、電極のパターニング工程を改めて行う必要はなく、工程の簡素化が図れる。ただし、本発明の電極形成工程はこれに限定されるものではない。なお、本具体例において、図8に例示した如く酸化膜50を除去し、その後、必要に応じて図示しない保護膜を形成してもよく、あるいは、酸化膜50を除去せずそのまま保護膜として用いてもよい。
図1及び図2に例示したように、表面イオン打ち込み領域21の表面に電極18が設けられると、電流Jは表面イオン打ち込み領域21に注入されて、電流拡散層16中でさらに横方向に広がり、MQW活性層14に向かって流れ込む。MQW活性層14とそれを挟んだクラッド層13及び15とで構成されるダブルへテロ構造が、内部イオン打ち込み領域20を取り囲むように形成されているので、MQWバンド構造で決まる波長の光を四方に放射する。このとき、内部イオン打ち込み領域20は高抵抗層であるため、電流注入はなされず、ダブルへテロ接合も形成されない。つまり、この部分に接合容量は生じない。この点に関して、本発明者が本発明に至る過程で検討した比較例を参照しつつ説明する。
図9は、本発明者が検討した比較例の半導体発光素子の模式断面図である。
また、図10は、図9のB−B線に沿う水平断面図である。
本比較例においては、プロトン照射部による電流狭窄ではなく、pn接合内部狭窄構造が用いられる。発光層14を含むダブルへテロ構造上に、n型InGaAlP電流阻止層22が設けられている。
この素子の製造プロセスについて説明すると以下の如くである。
まず、n型GaAs基板11の上に、電流素子層22まで連続して結晶成長する。次に、電流阻止層22部を残して、最上層のn型InGaAlP層をエッチングにより除去する。このあと、電流拡散層16とコンタクト層17を連続して成長し、上下電極を形成する。すなわち、本比較例においては、最低2回の結晶成長工程が必要とされる。これに対して、本発明の実施形態においては、1回の結晶成長でよく、結晶成長工程が極めて簡素である。
本比較例においては、上部電極18から注入された電流Cは、n型である電流阻止層22とp型であるクラッド層15のpn接合に対して逆バイアスとなるためこの領域を迂回して、周囲の発光層へ流入し、電流阻止層22直下を除いた領域で発光を生じる。
ここで、本発明の実施形態と比較例との特性を比較して説明する。
チップサイズはいずれも一辺が300マイクロメータの正方形状とし、電流狭窄構造以外の構造は同一にした。電流阻止層及びプロトン照射部は、直径100マイクロメータの円形のパターンとした。また、発光波長は、いずれも675ナノメータとし、動作電流20ミリメータにおける諸特性を測定した。
まず、光出力は、本実施形態のLEDにおいては3.1mWであり、比較例のLEDにおいては3.0mWであった。一方、パルス応答の立ち上がり/立下り時間は、本実施形態のLEDにおいては10ns(ナノ秒)であり、比較例のLEDにおいては約15nsであり、本実施形態における改善が顕著であった。
RC(抵抗・容量)パラメータを比較すると、本実施形態においては、容量は20pFで抵抗は30Ωであった。これに対して、比較例においては、容量は60pFで抵抗は25Ωであった。本実施形態において、電極パターンがプロトン照射部パターンと同じであることから、比較例に比べて抵抗が20パーセントほど微増しているが、容量は比較例の1/3であり、大幅に減少している。この結果、CR積は比較例の40パーセントとなり、上述した特性の測定結果から分かるように、応答時間が改善されている。この結果、本実施形態においては、125Mbps動作がきわめて容易に実現できるとともに、ピーキング回路の採用などにより、250Mbps動作も容易となる
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
図11は、本変型例の半導体発光素子の模式断面図である。
また、図12は、本変型例の半導体発光素子の模式平面図である。
本変形例においては、光取り出し側電極は、素子の中心付近に設けられた円形部18と四方に伸びたストライプ部35とにより構成される。円形部18の輪郭は、表面イオン打ち込み領域21の輪郭と同一である。ただし、ストライブ部35の下には、イオン打ち込み領域は設けられていない。つまり、光取り出し側電極の所要部の輪郭が、イオン打ち込み領域の輪郭と同一であるといえる。
円形部18が円形状で、例えばその直径が100マイクロメータ程度である場合は、電極の下の部分を発光させると電極による遮光の影響が大きいので、電極下を高抵抗して、無効となる光を減少させることによる効果は大きい。そして、図12に例示したように、プロトン照射領域に対応する円形部18(図3に例示した如くである)に対して、ストライプ部35を設けることにより、中心から離れた位置においても、電流注入を促進させることが可能になるので、光出力が改善される。電極ストライプ部35の幅を例えば4マイクロメータ程度とすると、遮光の影響は比較的少ない。遮光分を上回る出力改善は充分に可能であるから、図12に例示した電極パターンにより特性改善、特に光出力改善がなされる。
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。
本変型例においては、図11及び図12に例示した電極部の改善に加えて、電極ストライプ部35の下にもすべてプロトン照射部を設ける。
図13は、図11のA−A線に沿った水平断面図である。
同図に表したように、本変型例においては、プロトン照射部21もチップの対角線方向に向かって伸びて形成されている。この結果として、第1変形例と比べて、ストライプ部35の容量を低減でき、応答速度がさらに改善される。
次に、本実施形態の第3の変形例について説明する。
図14は、本変形例にかかる半導体発光素子の模式断面図である。
図1乃至図3に関して前述した本実施形態の半導体発光素子との相違は、電極18がイオン打ち込み領域パターンより一回り大きい点である。このような電極18は、例えば、図6に関して前述した工程の後に、酸化膜50及びレジスト52に設けられたプロトン打ち込み用の開口の径をエッチングなどの方法により拡げ、しかる後に、図7に関して前述したように、電極18を形成すればよい。
本変型例によれば、電極18のはみ出した部分は、電気抵抗の低い非プロトン照射部とコンタクトを有するので、接触抵抗をさらに低減できる。これにより、素子抵抗を低減でき、高速動作に有利となる。一方で、電極パターンが大きくなると、電極による光遮蔽は増加する。そこで、電極のはみ出し量(片側分)は、1〜10マイクロメータ、好ましくは3マイクロメータ程度とすると良い。また、このはみ出し部23を設けることにより、製造プロセスのマージンが増え、特性のばらつきを低減できる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる半導体発光素子について説明する。
図15は、本実施形態の半導体発光素子の模式断面図である。
また、図16は、図15におけるC−C線に沿った水平断面図である。
ここで、図16に表したパターンは水平断面を表すとともに、プロトン照射部をも表す。つまり、本実施形態においては、例えば、素子の側面から20マイクロメータ程度までの端部がさらにプロトン照射されて周辺イオン打ち込み領域30が形成されている。これら周辺イオン打ち込み領域30は、内部イオン打ち込み領域20へのプロトン照射と同一のプロセスで形成できる。この結果、高抵抗の半導体からなる内部イオン打ち込み領域20及び周辺イオン打ち込み領域30が形成される。そして、周辺イオン打ち込み領域30の光取り出し面側には、イオン濃度が低い表面イオン打ち込み領域31が形成される。
素子の周辺部は、もともと電流注入はきわめて少ないので、非発光領域とされても、光出力の低下はほとんどない。一方で、高抵抗領域が増えることから、第1実施形態と比較して、容量は15pFまで減少する。つまり、容量を25%程度も減少できる。この結果として、パルス応答立ち上がり/立下り時間は約8ns(ナノ秒)に改善され、より早い変調速度が可能となり、ピーキング回路設計も容易となる。なお、本発明者が試作したLEDの出力は、約3.2mWであった。
次に、本実施形態において素子の周辺部に設けられた周辺イオン打ち込み領域30のメリットについて、さらに具体的に説明する。
一般に、InGaAlP系及びAlGaAs系の半導体発光素子においては、電気的破壊が素子端面(特に、発光層近辺の端面)で発生し、進行することが多い。これは、何らかの微小欠陥が、放射光を吸収して一旦温度上昇を始めると、ますます光吸収が進行するという現象などによる。上述した材料には、アルミニウム(Al)が含まれているので、温度上昇がAlの酸化などを引き起こす。また、温度上昇により溶融が生ずることもある。
これに対して、素子端面を含む周辺部を非発光・非吸収とすると、これらの溶融や酸化を阻止でき、素子の寿命・信頼性は大幅に改善される。第2実施形態においては、半導体発光素子の周辺部を高抵抗化することによって、非発光・非吸収が実現される。上述したような端面破壊を低減することにより、耐サージ性が大幅に改善されて、実装工程における不良を減らすこともできる。一例をあげると、1000ボルトの人体モデル静電放電に対する耐圧シムレート試験での破壊率を50パーセントからほぼゼロパーセントにまで改善できる。
なお、「周辺部」とは、「少なくとも活性層14を囲む外側」を意味する。図16では、「周辺部」がLEDチップの垂直端面を含んでいるが、例えば幅10マイクロメータ程度の枠状またはリング状として活性層14を囲むように配置し、LEDチップの垂直端面には周辺イオン打ち込み領域30の最外周部が露出しないようにしても良い。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図17は、本実施形態にかかる半導体発光素子の縦断面図である。
また、図18は、その平面図であり、図19は、図17におけるA−A線に沿った水平断面を表す横断面図である。
なお、図17は、本実施形態の半導体発光素子とその上部に配置された光ファイバーの端部とを模式的に表す。ただし、半導体発光素子と光ファイバ−42との相対位置関係はこの図に限定されるものではない。
本実施形態においては、素子の中央部を発光領域とし、その周辺を、プロトン照射部とする。すなわち、内部イオン打ち込み領域20及び表面イオン打ち込み領域21は電流阻止領域であるとともに、素子の周辺部においては、第2実施形態と同様に、端面破壊を低減する非発光・非吸収領域として機能する。
本実施形態の構造における特徴は、発光領域が中心部であることから、光ファイバー42へ効率よく光Lを入射できる点である。特に、内部コア40の直径が50マイクロメータ以上のいわゆるマルチモードファイバーを用いた場合にこの効果は顕著となる。なお、内部コア40は、一般にはクラッド部44により囲まれ、LEDからの光を低損失で伝送する媒体である。
またさらに、本実施形態の素子構造では、素子端面周辺に非発光・非吸収領域が形成されるので、落雷や実装工程における静電気による素子ダメージを阻止できる。この結果として、通信用として必要な長期信頼性が確保できる。
以上、説明したように、第1乃至第3の実施形態においては、結晶成長工程が1回でよく、製造プロセスが極めて簡素となる。
また、特性上においても、容量及び抵抗の大幅な低減により、ピーキング補償せずに125Mbps動作が可能であり、ピーキング補償により250Mbps動作も容易である。この特性は、従来のpn接合型の電流狭窄構造を有するLEDをはるかに上回る。
さらに、端面周辺部高抵抗化により、耐サージ性を大幅に改善できる。これは、通信用途としては、大きなメリットである。イオン注入なしには、これは実現困難である。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
例えば、半導体発光素子構造として用いることが出来るものは、GaAs基板上のInGaAlP系に限定されず、GaAs基板上のAlGaAs系・InP基板上のInGaAsP系、サファイヤ上のInGaN系、GaN基板上のInGaNであっても良い。また、電極パターンが円状またはストライプ状で、限定されない。
その他、半導体発光素子を構成する半導体多層膜、イオン打ち込み領域(プロトン照射部など)、電極などの各要素の形状、サイズ、材質、配置関係、導電型、不純物濃度などに関して当業者が各種の設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を有する限りにおいて本発明の範囲に包含される。
本発明の第1の実施の形態にかかる半導体発光素子の模式断面図である。 図1に例示した半導体発光素子の模式平面図である。 図1に例示した半導体発光素子のA−A線に沿った水平断面図である。 図1に例示した半導体発光素子のプロトン濃度を表面からの距離の関数として表したグラフである。 電極とイオン打ち込み部がほぼ同一のパターンを有する半導体発光素子の工程断面図である。 電極とイオン打ち込み部がほぼ同一のパターンを有する半導体発光素子の工程断面図である。 電極とイオン打ち込み部がほぼ同一のパターンを有する半導体発光素子の工程断面図である。 電極とイオン打ち込み部がほぼ同一のパターンを有する半導体発光素子の工程断面図である。 本発明者が本発明に至る過程で検討した比較例の半導体発光素子の模式断面図である。 図9に例示した比較例の半導体発光素子のB−B線に沿った水平断面図である。 第1実施形態の第1の変形例の模式断面図である。 図11に例示した変形例の模式平面図である。 第1実施形態の第2の変形例の内部イオン打ち込み領域の水平断面図である。 第1実施形態の第3の変形例の模式断面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる半導体発光素子の模式断面図である。 図15に例示した第2実施形態の半導体発光素子のC−C に沿った水平断面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる半導体発光素子および光ファイバーの模式断面図である。 図17に例示した第3実施形態にかかる半導体発光素子の平面図である。 図17に例示した第3実施形態にかかる半導体発光素子のA−Aに沿った水平断面図である。
符号の説明
11 n型GaAs基板
12 n型GaAlAs層
13 n型InGaAlPクラッド層
14 InGaP/InGaAlP多重量子井戸(MQW)活性層
15 p型InGaAlPクラッド層
16 p型AlGaAs電流拡散層
17 p型GaAsコンタクト層
18 光取り出し側電極
19 基板側電極
20 内部イオン打ち込み領域
21 表面イオン打ち込み領域
22 n型InGaAlP電流阻止層
23 電極はみだし部
30 周辺イオン打ち込み領域
31 表面イオン打ち込み領域(周辺部)
35 電極ストライプ部
40 内部コア
42 光ファイバー
44 クラッド
50 酸化膜
52 レジスト

Claims (5)

  1. 第1導電型クラッド層と、
    第2導電型クラッド層と、
    前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、
    前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、
    前記第2導電型の半導体層の上に設けられた光取り出し側電極と、
    を備え、
    前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、は、電気抵抗を上昇させる不純物がイオン打ち込みにより導入されたイオン打ち込み領域を有し、
    前記光取り出し側電極の輪郭の少なくとも一部は、前記イオン打ち込み領域の輪郭と同一であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 第1導電型クラッド層と、
    第2導電型クラッド層と、
    前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、
    前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、
    前記第2導電型の半導体層の上に設けられた光取り出し側電極と、
    を備え、
    前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、は、電気抵抗を上昇させる不純物がイオン打ち込みにより導入されたイオン打ち込み領域を有し、
    前記光取り出し側電極は、前記イオン打ち込み領域を包含しさらにその周囲にはみ出してなることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 前記イオン打ち込みにより導入された不純物の濃度の深さ方向の分布は、前記活性層においてピークを有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、を貫通するイオン打ち込みにより、前記内部イオン打ち込み領域の周辺に選択的に設けられた高抵抗の周辺イオン打ち込み領域をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 第1導電型クラッド層と、第2導電型クラッド層と、前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層との間に設けられた活性層と、前記第2クラッド層の上に設けられた第2導電型の半導体層と、を有する積層体を形成する工程と、
    前記積層体の上に開口を有するマスクを形成する工程と、
    前記開口を介して、前記第2導電型の半導体層と、前記第2導電型クラッド層と、前記活性層と、前記第1導電型クラッド層と、を貫通するイオン打ち込みを実施することにより高抵抗の内部イオン打ち込み領域を選択的に形成する工程と、
    前記マスクの上から導電性材料を堆積し前記マスクを除去することにより、前記開口に電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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