JP2006154982A - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 入力された画像データを記憶する入力画像記憶部11と、その画像データを解析する画像解析部12と、画像データに含まれる特定の文字又は記号の色とその他の文字又は記号の色とが予め定めた混色の関係にあるかどうか、及び、特定の文字又は記号の色が意味を持つものであるかを判定する変換要否判定部14と、混色の関係にあると判定された場合に特定の文字又は記号に対し他の文字又は記号と識別可能にするための処理を施す変換処理部15と、変換処理後の画像データを記憶する出力画像記憶部16とを備える。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、このようなカラードキュメントにおいて、多様な色を使い過ぎた場合、却って見づらくなってしまうという問題がある。特に、ある範囲の色を感じにくい色覚障害者にとって、そのような問題は無視できないものである。
このような問題に鑑み、認識しにくい色として予め特定された文字の色を、特定の目的に合致するように事前に定められたルールに従って変換することで、文字の識別性を向上させるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、変換対象の文字の色を黒に変換するというルールが定められていたとする。この場合、変換対象の文字以外の文字の色も黒であったとすると、そのような変換を行うことによって全ての文字の色が黒になってしまい、その変換対象の文字を強調したいという書き手の意図は、読み手に伝わらないことになる。
また、複数のルールを組み合わせて連続して色を変換するような設定がなされていたとする。この場合、何回かの変換を行えば、変換対象の文字の色を、認識し易く、かつ、変換対象の文字以外の文字の色から識別可能に変更できるかもしれない。しかし、このような色に決定するまでに何回もの不必要な変換を行わなければならない虞もあり、決して効率的な処理であるとは言えない。
また、本発明の他の目的は、ある色の文字の他の色の画像要素に対する識別性を、色が持つ意味を考慮した上で向上することにある。
尚、本明細書において、文字というときは、文字と同様にテキストデータとして表現可能な記号も含むものとする。
図1は、本実施の形態における画像処理装置の機能構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態における画像処理装置は、入力画像記憶部11と、画像解析部12と、解析結果記憶部13と、変換要否判定部14と、変換処理部15と、出力画像記憶部16とを備えている。
変換要否判定部14は、その解析結果と自身で管理する混色関係の情報とに基づいて各文字の変換が必要かどうかを判定する機能を有する部分であり、判定手段として把握することができる。ここで、混色関係の情報は、変換要否判定部14が、図示しない記憶装置から読み込むことにより管理するようにしてもよい。
また、出力画像記憶部16は、変換後の画像を記憶する機能を有する部分であり、磁気ディスク装置等の記憶装置によって実現される。
尚、これらの各機能は、ハードウェアのみによっても実現可能であるが、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても実現可能である。後者の場合は、画像処理装置の図示しないCPUが、例えば、図示しないメモリに記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより各機能部が実現される。
まず、図2を参照して、画像解析部12の動作について述べる。
画像解析部12は、まず、指定されたファイルの1ページ分の画像データを入力画像記憶部11から取り出す(ステップ101)。ここでは、例えば、図3のような1ページ分の画像データを取り出したものとする。尚、図3では、文字についてのみ、その色に関する説明の都合上、黒色を「K」で、赤色を「R」で、青色を「B」で表している。また、次ステップの画像解析の結果として得られる個々の画像要素に対し、画像要素ID(以下、単に「ID」という)を付している。
次に、画像解析部12は、この1ページ分の画像データを解析し、この画像データを画像要素に分割する(ステップ102)。この画像データの分割は、例えば、文字と絵、写真等を分離する処理であるT/I分離処理等を用いて行うことができる。
その後、画像解析部12は、他にページがあるかどうかを判定し(ステップ104)、ページがあれば、ステップ101へ戻るが、ページがなければ、処理を終了する。
まず、図4の解析結果は、個々の画像要素について、そのID、属性、色、文字数、位置を対応付けたものとなっている。また、図4には、「要否」、「変換方法」の欄も設けられているが、これらの欄には、後述する処理によって値が書き込まれるので、この時点では空欄になっている。
「ID」欄には、個々の画像要素を一意に識別するためのIDが記憶される。また、「属性」欄には、個々の画像要素が、文字であるか、領域であるか、線であるか等の属性情報が記憶される。尚、本実施の形態では、文字に着目して変換を行うので、文字であるか文字以外であるかを「属性」欄に記憶することとしてもよい。
ところで、図4では、各画像要素に対し、その属性に関わらず一連のIDを付与し、「ID」欄とは別に「属性」欄を設けているが、IDの一部によって属性を表すこととし、「属性」欄を設けないような構成も考えられる。
「文字数」欄には、画像要素に含まれる文字の数が記憶される。例えば、画像要素「C01」の文字数として「5」が、画像要素「C06」の文字数として「6」が、画像要素「C07」の文字数として「3」が、「文字数」欄に記憶される。尚、「文字数」欄に記憶された値は、「属性」欄に「文字」が記憶されている場合のみ、有効となる。
また、図示しないが、この他にも、後述する変換要否判定部14の処理で用いられる文字のサイズ、太さ、アンダーラインが施してあるか等の情報を記憶するようにしてもよい。例えば、アンダーラインは、文字の下方の所定の位置に一定の太さで線が引かれているかどうかを調べることにより、検出することができる。図3では、画像要素「C10」にアンダーラインが施されているので、図4において、このことを画像要素「C10」の行に記憶するようにしてもよい。
変換要否判定部14は、まず、解析結果記憶部13に記憶された解析結果と、自身で保持する混色関係の情報とに基づき、解析された1ページ分の画像データの中に混色関係にある色が含まれるかどうかを判定する(ステップ201)。
尚、図6(a)〜(c)では、作図の都合上、限られた数の混同色線しか示していないが、それらの混同色線の間にも図示しない無数の混同色線は存在している。また、図6(a)〜(c)において、混同色線の近傍にある各点で表される色についても、例えば、特願2003−428103に記載した手法を採用することにより、混色関係にあるとみなすようにしてもよい。
一方、1ページ分の画像データの中に混色関係にある色が含まれることが判明した場合、変換要否判定部14は、このページにおける標準文字色を調査する(ステップ202)。ここで、「標準文字色」とは、そのページにおいて強調する必要のない文字を記述する際に用いる色を指す。例えば、文章を記述する際に、強調する必要のない文字を黒で記述し、強調すべき文字のみを赤で記述したような場合は、黒が標準文字色となる。通常、標準文字色は、そのページ内で最も多くの文字に用いられている色となっている場合が多いので、このような傾向を利用して標準文字色を決定することができる。
その結果、文字のサイズや太さが規定以下でないと判定された場合は、その文字ブロックについては領域属性として変換する(ステップ205)。例えば、見出し文字等については、文字の中に網掛けを施すといった別の強調方法を採用することができるので、本発明による変換処理の対象からは除外するのである。
その結果、文字ブロックでないと判定された場合は、着目している文字ブロックを変換するのではなく、混色先の画像要素の方を変換する(ステップ207)。これは、文字を強調するよりも文字以外の部分を識別可能に変換した方が、画像の見た目を煩雑にすることなく変換を行うことができると考えられるためである。
その結果、隣接していないと判定されれば、変換処理を行うことなくステップ211に進む。一方、隣接していると判定されれば、その文字ブロックの色の重要性(色に意味があるか)を判定する(ステップ209)。
第一に、各ページの同じ位置に、同じ形状、色で現れる文字ブロックの色(例えば、テンプレートに含まれる色)は、重要性が低いと判定する。具体的には、入力画像記憶部11に記憶された処理対象のファイルの全ページを参照し、全ページにわたって同じ位置に同じ形状、色の文字ブロックが存在するかどうかを調べることにより、判定することができる。例えば、図3において、画像要素「C03」と「C04」とに混色関係があったとしても、画像要素「C02」〜「C05」が各ページに現れるテンプレートであれば、画像要素「C04」は変換対象としない。
第二に、標準文字色や、健常者の感覚においても標準文字色に近い色と判定されるような文字色は、重要性が低いと判定する。または、背景色や、健常者の感覚においても背景色に近い色と判定されるような文字色は、重要性が低いと判定する。ここで、標準文字色は、ステップ202で得られたものを用いることができる。また、背景色を重要性の判定に用いる場合は、ステップ202において背景色の調査も行うようにすればよい。
第三に、文字のサイズが標準サイズよりも小さい文字の色は、重要性が低いと判定する。具体的には、図4の解析結果に各文字のサイズも含めておき、これを参照して判定することができる。
第五に、他の画像要素においても頻繁に用いられている色は、重要性が高いと判定する。このような場合は、書き手が特定の色に特定の意味を込めて記述していると推測されるので、重要であると判定するのである。具体的には、図4の解析結果に各画像要素の色が格納されているので、これを参照することにより判定することができる。
尚、これらは、あくまで例示であり、着目している文字ブロックにおける文字の属性や、着目している文字ブロックの色の使用状況に基づくいかなる判定基準を採用することもできる。
そして、変換要否判定部14は、他に文字ブロックがあるかどうかを判定し(ステップ211)、文字ブロックがあれば、ステップ203に戻り、文字ブロックがなければ、処理を終了する。
まず、変換処理部15は、このページ内の書式を調査する(ステップ301)。本実施の形態では、サイズ変更、フォント変更、斜体化、太線化等の変形をしたり、括弧、囲み枠、網掛け、傍点、アンダーライン等の文字修飾を行ったりすることにより文字を強調するが、そのような変形又は修飾が既に行われていると紛らわしくなってしまうので、そのような変形又は修飾が既に行われているかどうかを調査する。例えば、図3では、画像要素「C10」に対しアンダーラインが既に施されているので、アンダーラインは、施すべき変形又は修飾の候補から除外する。
ところで、本実施の形態では、括弧、囲み枠、網掛け、傍点、サイズ変更、フォント変更、斜体、太字、アンダーライン等、種々の変換方法を採用可能にしているが、変換方法によっては、変換対象の文字ブロックの文字数が大きい場合に使用すると、却って見にくくなるものもある。そこで、図9に示すように、文字ブロックに含まれる文字数の最大値とそれに相応しい変換方法との対応情報を予め規定しておき、これに基づいて変換方法を決定する。
尚、この場合、図4の解析結果では別々の文字ブロックとして管理されていても、画像データ上では、ある文章における前の行の末尾の文字ブロックと次の行の先頭の文字ブロックである場合もある。このような場合は、これらの文字ブロックが連結された状態における文字数を用いて判定するものとする。
その結果、既に行われている変形又は修飾によるものであると判定された場合は、ステップ304に戻って別の変換方法に着目する。一方、既に行われている変形又は修飾によるものでないと判定された場合は、その変換方法に決定する(ステップ307)。具体的には、解析結果記憶部13に記憶された解析結果の「変換方法」欄に、ここで決定した変換方法を書き込む。図10では、画像要素「C07」及び「C12」を、網掛けを施すことにより強調することとしている。
その結果、図11に示すような画像に変換されるので、変換処理部15は、この画像を出力画像記憶部16に記憶する(ステップ310)。
尚、図11は、画像要素「C07」及び「C12」に網掛けを施した例であるが、網掛けは、作図の都合上、単なる囲み枠で示している。
以下、このような場合に、文字を識別可能にする方法を、他の実施の形態として説明する。
まず、画像解析部12の動作は、図2に示したものと同様であるので、詳細な説明を省略する。また、変換要否判定部14の動作は、図5に示したものとは異なるが、解析された1ページ分の画像データの中に混色関係にある色が含まれ、かつ、着目した画像要素が混色先の画像要素と隣接していれば、変換処理を行うことを決定するというものであるので、これ以上の詳しい説明は省略する。
まず、変換処理部15は、変換対象の1つの色に着目する(ステップ401)。具体的には、図7の解析結果の「要否」欄が「要」となっている1つの画像要素(文字ブロックとは限らない)の色に着目する。そして、その色の他の画像要素を全て抽出し、それらの画像要素の中に、文字に接触する領域(例えば、棒グラフの領域)があるかどうかを判定する(ステップ402)。
その結果、文字に接触する領域がなかった場合は、文字が識別されにくくなることに配慮する必要はないので、領域のみについての既定の方法を変換方法として決定し(ステップ403)、ステップ410へ進む。
また、この場合、変換処理部15は、その文字の色も取得する(ステップ406)。そして、文字が識別しにくくならないように、領域に付加するパターンの色として、その文字の色とは離れた色を選択する(ステップ407)。
例えば、隔離処理としては、図13に示したようなものが考えられる。
図13(a)は、文字から一定距離は網掛けしないようにして文字を識別しやすくした例を示したものである。また、図13(b)は、文字を囲む矩形内は網掛けしないようにして文字を識別しやすくした例を示したものである。更に、図13(c)は、文字を、背景色や文字色とは別の色で、かつ、混同色線上にはない色で縁取りすることにより文字を識別しやすくした例を示したものである。
尚、ここでは、パターンの細かさ、パターンの色、パターンから文字の輪郭を目立たせること、の3つを考慮して変換方法を決定しているが、必ずこの3つを考慮しなければならないわけではなく、この中の1つ又は2つを考慮するものであってもよい。
最後に、変換処理部15は、変換後の画像を出力画像記憶部16に記憶する(ステップ412)。
また、本実施の形態では、画像処理を行うハードウェアを特に限定して述べなかったが、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにおいて実現するようにしてもよいし、画像形成装置の画像処理部(IPS)において実現するようにしてもよい。前者の場合は、コンピュータ上で動作するワープロソフト等に対し、本発明の画像処理装置の機能を組み込んで実現するようにしてもよいし、印刷対象の画像データを受けたプリンタドライバが本発明の画像処理を行うようにしてもよい。また、後者の場合は、スキャンされた画像データ又は通信回線を介して受信した画像データを画像形成装置のIPSが受け取り、画像処理を行い、その画像処理後の画像データに基づき画像形成を行うようにすればよい。
このように、本実施の形態では、文字と画像要素とが予め定めた混色関係にある場合に、それらを識別可能にするための変換を行うように構成した。このような構成により、ある色の文字の他の色の画像要素に対する識別性を効率的に向上できる。
また、本実施の形態では、文字の色が持つ意味を判定し、文字の色が重要な場合にのみ文字を識別可能にするための変換を行うよう構成した。このような構成により、ある色の文字の他の色の画像要素に対する識別性を、色が持つ意味を考慮した上で向上することが可能となる。
Claims (10)
- 画像データに含まれる特定の文字又は記号の色と、当該画像データに含まれる特定の画像要素の色とが、予め定めた混色の関係にあるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により混色の関係にあると判定された場合に、前記特定の文字又は記号と、前記特定の画像要素とを識別可能にするための処理を施す処理手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記特定の文字又は記号の色が他の色との区別のために使用されているかどうかを判定し、
前記処理手段は、前記判定手段により他の色との区別のために使用されていると判定された場合に、前記処理を施すことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記特定の文字又は記号の属性に基づいて、当該特定の文字又は記号の色が他の色との区別のために使用されているかどうかを判定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記特定の文字又は記号の色の使用状況に基づいて、当該特定の文字又は記号の色が他の色との区別のために使用されているかどうかを判定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記処理手段は、予め定められた複数の処理のうち、前記特定の文字又は記号を含む当該特定の文字又は記号の色と同様の色の連続する文字又は記号の数に応じた前記処理を施すことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記処理手段は、予め定められた変形又は修飾のうち、前記画像データの所定の範囲内で行われていない変形又は修飾を行う前記処理を施すことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 第1の色と第2の色とが混色の関係にあるかどうかを定義する混色情報を所定の記憶装置に記憶するステップと、
画像データに含まれる特定の文字又は記号の色と当該画像データに含まれる特定の画像要素の色とが混色の関係にあるかどうかを、前記混色情報を参照することにより判定するステップと、
混色の関係にあると判定された場合に、前記特定の文字又は記号と、前記特定の画像要素とを識別可能にするための処理を施すステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記判定するステップでは、前記特定の文字又は記号の色が他の色との区別のために使用されているかどうかを判定し、
前記処理を施すステップでは、他の色との区別のために使用されていると判定された場合に、前記処理を施すことを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。 - コンピュータに、
画像データに含まれる特定の文字又は記号の色と、当該画像データに含まれる特定の画像要素の色とが、予め定めた混色の関係にあるかどうかを判定する機能と、
混色の関係にあると判定された場合に、前記特定の文字又は記号と、前記特定の画像要素とを識別可能にするための処理を施す機能と
を実現させるためのプログラム。 - 前記判定する機能では、前記特定の文字又は記号の色が他の色との区別のために使用されているかどうかを判定し、
前記処理を施す機能では、他の色との区別のために使用されていると判定された場合に、前記処理を施すことを特徴とする請求項9記載のプログラム。
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