JP2006152504A - 吸収性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 高粘性液の吸収が良好な吸収性シート及び吸収性物品を提供すること。
【解決手段】 吸収性シート4は、高吸収性ポリマーの粒子6を介して繊維5が結合しシート形態が保持されており、吸液によって繊維間の結合状態及び/又は高吸収性ポリマー粒子間の結合状態が解除されシート形態が崩壊可能になっている。この吸収性シート4を有する吸収性物品1においては、表面シート2における肌対向面と反対側に該吸収性シート4が配されている。表面シート2の繊維間距離が400〜1000μmであり、吸収性シート4の繊維間距離が100〜600μmであることが好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吸収性シート及びそれを用いた吸収性物品に関する。
本発明者らは、先に、繊維シートの構成繊維上で重合性モノマー又はその重合進行物を重合させて、該繊維に高吸収性ポリマーの粒子を付着させる吸収性シートの方法を提案した(特許文献1参照)。この方法では、非成形繊維と呼ばれる、繊維シートの形態を保持する前の状態の繊維を空気流よって搬送させる間に、該繊維に重合性モノマー又はその重合進行物を含む液滴を付着させて重合を行っている。そして、高吸収性ポリマーの粒子が付着した繊維どうしを熱融着などの接合手段によって接合させ繊維シートの形態を保持させている。
この方法により得られる吸収性シートは、高吸収性ポリマーを多量に付着させても該ポリマーの偏りや脱落が起こりにくいので、吸収性物品の吸収体として好適に用いられる。
ところで軟便や経血、おりものなどの高粘性液は、その流動性が低いことから吸収体に吸収されにくく、表面シート上を流れて吸収性物品から漏れ出やすい。このことは、吸収体として前記の吸収性シートを用いた場合にも起こり得ることである。
特開平11−93073号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る吸収性シート及び吸収性物品を提供することにある。
本発明は、高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維が結合しシート形態が保持されており、吸液によって繊維間の結合状態及び/又は高吸収性ポリマー粒子間の結合状態が解除されシート形態が崩壊可能になっている吸収性シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維が結合しシート形態が保持されており、吸液によって繊維間の結合状態及び/又は高吸収性ポリマー粒子間の結合状態が解除されシート形態が崩壊可能になっている吸収性シートが、表面シートにおける肌対向面と反対側に配されており、該表面シートはその繊維間距離が400〜1000μmである吸収性物品を提供するものである。
更に本発明は、前記吸収性シートの好ましい製造方法として、
重合性モノマー及び/又は該モノマーの重合進行物を含有する液状物を繊維に付着させつつ、該液状物または液状物が複数合一した凝集体が付着した該繊維を堆積させ、次いで該モノマー及び/又は該重合進行物を重合させて高吸収性ポリマーの粒子を生成させ、生成した高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維どうしを結合させシート形態を保持させる吸収性シートの製造方法を提供するものである。
本発明の吸収性シートは、液の吸収によって繊維間又は高吸収性ポリマー粒子間の結合が解除されて崩壊状態になるので、高吸収性ポリマーおよび繊維が液中を移動可能になる。その結果、高吸収性ポリマーが繊維に固定されている場合や、高吸収性ポリマーがパルプ中に分散されている場合に比較して液を効率よく吸収するようになる。特に高粘性液の吸収が良好になる。さらに高吸収ポリマー又はそれが付着した繊維が液中に分散することにより液の粘度が極めて高くなり吸収性物品に体重などの圧力が加わっても液戻りしにくくなる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一実施形態が示されている。図1は、吸収性物品の厚さ方向の断面を示している。吸収性物品1は、液透過性の表面シート2及び液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3を備えている。表面シート2における肌対向面と反対側、即ち、表面シート2と裏面シート3との間には、液保持性の吸収体としての吸収性シート4が配されている。
図2(a)の吸収性シート4の要部拡大図が示されている。吸収性シート4は、繊維5と高吸収性ポリマーの粒子6とを含んで構成されている。高吸収性ポリマーの粒子6を含んでいることで、吸収性シート4は吸収性を発現する。繊維5どうしは、高吸収性ポリマーの粒子6を介して結合している。この結合が多数形成されていることで、繊維5は不織布様のシート形態を保持している。ここでいう結合とは、複数の繊維どうしがつながり合っており且つ吸水によってつながり合った状態が解除されるようになっている状態をいい、高吸収性ポリマーの有する粘着性等を利用した物理的な結合や、水素結合等の化学的な結合を広く包含する。なお、次に述べる通り、吸収性シート4が崩壊可能であれば、繊維5どうしは高吸収性ポリマーの粒子6を介しての結合以外の様式によって、その一部が結合していてもよい。
吸収性シート4は、吸液によって繊維5間又は高吸収性ポリマーの粒子6間の結合状態が解除され、シート形態が崩壊可能になっている。この状態を図2(b)に示す。吸収性シート4が液と接触すると、高吸収性ポリマーが液を吸収する。これによって高吸収性ポリマーによる繊維5どうしを結合させている力が弱められる。その結果、繊維5どうしの結合又は高吸収性ポリマーの粒子6どうしの結合が解除され、繊維5はばらばらになって液中に分散していく。高吸収性ポリマーの粒子6は繊維5に付着しているので、繊維5が液中に分散していくときには、それに付着している高吸収性ポリマーの粒子6も一緒に分散していく。ここでいう崩壊とは、水のみならず、水を含む体液全般、例えば軟便、経血、尿等を吸収性シート4に含浸させたときに、繊維5間又は高吸収性ポリマーの粒子6間の結合状態が解除されて繊維5が液中に分散していくことをいう。
吸収性シート4が以上の通りの構造を有していることに起因して、本実施形態の吸収性物品1によれば、次の有利な効果(イ)及び(ロ)が奏される。先ず、(イ)吸液前においては、吸収性シート4は高吸収性ポリマーの粒子6が繊維5にしっかりと付着した状態になっているので、多量の高吸収性ポリマーを吸収性シート4に付着させても、その偏りや脱落が起こりにくい。更に、吸収体自体の構造が破壊されにくくなる。高吸収性ポリマーの粒子6が繊維5にしっかりと付着していることは、従来の吸収性物品において、フラップパルプ及び高吸収性ポリマーの粒子の積繊体を包むことで、該粒子の脱落を防止するために用いられてきたティッシュペーパーを用いる必要がないことを意味する。その結果、本実施形態の吸収性物品1では、吸収体の構成材料の数を減らすことができ、製造工程の簡素化や製造経費の低減が可能となる。
次に、(ロ)表面シート2を通過してきた液が吸収性シート4と接すると、液の吸収によって繊維5間又は高吸収性ポリマーの粒子6間の結合が解除されて繊維5は崩壊状態になる。崩壊状態になった繊維は、それに付着している高吸収性ポリマーの粒子6と共に液中を移動可能になる。従って、高吸収性ポリマーが繊維に固定されている場合や、高吸収性ポリマーがフラップパルプ中に分散されている場合に比較して、液を効率よく吸収するようになる。つまり、従来の吸収体では、高吸収性ポリマーが存在する位置に液が到達して初めて吸液が起こるという受動的な液の吸収機構を採用しているのに対して、本実施形態の吸収性シート4を用いた吸収体では、高吸収性ポリマーが液中に移動・分散していき液を吸収するという能動的な液の吸収機構を採用している。このことは、特に、粘性が高く高吸収性ポリマーの存在する位置まで到達するのが遅い液である、軟便や経血、おりものなどの高粘性液の吸収に有利である。本実施形態の吸収性シート4を用いれば高粘性液を効率よく吸収できるのみならず、高粘性液中に高吸収性ポリマーが分散した状態になることから、該高粘性液の見掛け粘度を高めてその漏れ出しを防止し得るという利点もある。
高粘性液の吸収を一層効率良く行う観点から、吸収性シート4は、高粘性液を取り込みやすい構造になっていることが好ましい。例えば吸収性シート4はその目開きが大きくなっており、その厚さ方向へ高粘性液を容易に移動可能にする構造になっていることが好ましい。この観点から、吸収性シート4は、その繊維間距離が100〜600μm、特に300〜500μmであることが好ましい。吸収性シート4の繊維間距離をかかる範囲内に調整するためには、例えばエアレイド法によりシートを形成すればよい。この場合、シートを構成する繊維をシートの厚みおよび面方向の成分がランダムになるように配列させることにより繊維間距離を大きくすることができ、配列を面方向に揃えることで繊維間距離を小さくすることができる。従って、所定の配列を選ぶことで繊維間距離を調整することができる。繊維間距離は次式から算出される。
吸収性シート4を構成する繊維5の材質に特に制限は無く、吸収性シート4及び吸収性物品1の具体的な用途等に応じ適切なものが適宜選択される。繊維の例としては、パルプ、レーヨン、木綿、その他のセルロース系繊維のような天然繊維や準天然繊維、及びポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等に代表される一般的な合成繊維が挙げられる。これらの繊維は、一種または二種以上を併用することができる。また、合成繊維には、必要に応じて界面活性剤等を施用して親水性や親油性を付与してもよい。また合成繊維として、熱溶融性の繊維や、芯鞘型あるいはサイド・バイ・サイド型等の複合繊維を用いることもできる。
特に、繊維5として潜在捲縮繊維を用いると、吸収性シート4が可伸縮性を有するようになることから好ましい。本明細書において「可伸縮性」とは、吸収性シートそれ自体は伸縮性を有しないが、該シートに所定の処理を施すことによって伸縮性が発現する性質をいう。潜在捲縮繊維を含む吸収性シート4は、これを所定の温度に加熱することによって潜在捲縮繊維が捲縮し、その結果、伸縮性が発現するようになる。潜在捲縮繊維としては、例えばポリエステル/ポリオレフィンの芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維などが挙げられる。
更に、繊維5として捲縮繊維又はエラストマーなどからなる弾性伸縮繊維を用いると、吸収性シート4が伸縮性を有するようになることから好ましい。伸縮性を有する吸収性シート4を吸収性物品1の吸収体として用いることで、該吸収性物品1の装着状態において、着用者が激しい動きをしても、吸収性物品1が着用者の身体に追従するようになる。その結果、漏れの発生が一層防止される。なお、先に述べた可伸縮性を有する吸収性シート4を吸収性物品1に組み込む場合には、その組み込み前に吸収性シート4に所定の処理を施して伸縮性を発現させる。
捲縮繊維の捲縮率(JIS L 0208)は、好ましくは20〜90%であり、更に好ましくは40〜90%、一層好ましくは50〜80%である。この範囲の捲縮率の繊維を用いることで、吸収性シート4の伸縮性を十分に高いものとすることができる。また、吸収性シート4に高吸収性ポリマーの粒子を安定的に且つ多量に付着させることができる。繊維の捲縮手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、繊維を引き伸ばしたときの長さと、元の繊維の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率で定義される。
繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。
吸収性シート4が伸縮性を有する場合、吸収性シートは、その流れ方向(MD)に伸縮性を有していてもよく、或いは幅方向(CD)に伸縮性を有していてもよい。更に、MD及びCDの何れにも伸縮性を有するツーウエイのものであってもよい。どのような方向に伸縮性を有している場合であっても、吸収性シートは少なくとも一方向に伸縮性を有し、その20%伸長時の応力が1cm幅当たり0.2〜4.0N、特に0.5〜3.0Nであることが、吸収性シートに十分な伸縮性を与える点から好ましい。特に、吸収性シートを、吸収性物品の吸収体として用いた場合に、該吸収体が着用者の動作に追従して、身体へのフィット性が維持される点から好ましい。応力の測定には引張試験機を用いる。試料のチャック間距離は50mmとし、試料の幅は25mmとする。引張試験機の引張速度は300m/minとする。
繊維5は、吸収性シート4及び吸収性物品1の具体的な用途等に応じ、短繊維の形態で用いてもよく、或いは長繊維の形態で用いてもよい。先に述べた吸収性シート4の吸液による崩壊性を高めることや、後述する製造方法に鑑みると、短繊維の形態で用いることが好ましい。特に繊維長は1〜20mm、特に2〜10mmであることが好ましい。また吸水性シート4の引張強度の不足を補うために、長繊維を一部混合してもよい。この場合、長繊維の混合比は短繊維に対する重量比で1〜30%、特に2〜15%であることが好ましい。長繊維の繊維長は30〜200mm、特に50〜150mmであることが好ましい。繊維5の繊維径に特に制限はないが、後述する製造方法における重合性モノマー等を含む液状物の付着性を考慮すると1〜15dtex、特に2〜10dtexのものを用いることが好ましい。
吸収性シート4における繊維5の坪量は、吸収性シート4及び吸収性物品1の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。吸収性シート4を例えば生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には、5〜100g/m2、特に10〜50g/m2であることが、薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。吸収性シート4を例えば使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、10〜200g/m2、特に20〜150g/m2であることが、高吸収容量を確保しつつ薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。
繊維5どうしを結合させる高吸収性ポリマーの粒子6としては、その重合性モノマーの重合により得られ且つ吸水性を有するものであればその種類に特に制限はない。高吸収性ポリマーは、好ましくは自重の20倍以上の生理食塩水を吸収する吸収性を有する。そのような吸収性を有する代表的な高吸収性ポリマーとしては、ポリアクリル酸塩、メタクリル酸塩などが挙げられるが、これに限られるものではない。
吸収性シート4における高吸収性ポリマーの坪量は、吸収性シート4及び吸収性物品1の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。吸収性シート4を例えば生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には、20〜200g/m2、特に30〜150g/m2であることが、薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。吸収性シート4を例えば使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、50〜500g/m2、特に100〜350g/m2であることが、高吸収容量を確保しつつ薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。
高吸収性ポリマーの粒子の平均粒径は、吸収性シートの吸収性を向上させる観点から、好ましくは50〜1000μmであり、更に好ましくは100〜600μmである。粒径は、光学顕微鏡により粒子を拡大して測定する。200個の粒子の粒径を測定し、平均粒径(メジアン径)を算出する。
高吸収性ポリマーの粒子は、繊維5に例えば数珠状に付着していてもよく、或いは複数個の粒子が凝集した凝集体として付着していてもよい。
吸収性シート4における繊維5の坪量と高吸収性ポリマーの坪量との比率は、前者/後者=1/1〜1/10、特に1/2〜1/6であることが、高吸収容量を確保しつつ薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。
吸収性シート4自体の坪量は、これを生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には20〜300g/m2、特に30〜200g/m2であることが薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。吸収性シート4を例えば使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、50〜700g/m2、特に100〜500g/m2であることが、高吸収容量を確保しつつ薄型で且つ柔軟な吸収体を得る点から好ましい。何れの吸収体として用いる場合でも、吸収性シート4の厚みは0.1〜10mm、特に0.2〜2mmであることが好ましい。
図1に示す吸収性物品の変形例として、図3に示す吸収性物品1を挙げることができる。図3に示す吸収性物品1は、吸収体が上下2層構造になっている。上層の吸収体7aは、図1に示す実施形態の吸収性物品と同様であり、高吸収性ポリマーの粒子6を介して互いに結合している繊維5を含む吸収性シート4からなる。下層の吸収体7bは、フラップパルプ8と高吸収性ポリマーの粒子9との積繊体がティッシュペーパー等の吸収紙に包まれて構成されている。下層吸収体7bは、従来の吸収性物品に用いられる吸収体とほぼ同様の構成をしている。図3に示す実施形態の吸収性物品1によれば、図1に示す実施形態の吸収性物品よりも、液の吸収容量が一層高くなる。従って図3に示す実施形態の吸収性物品1は、液を多量に吸収保持するために用いられる吸収性物品、例えば使い捨ておむつとして特に好適である。
図3に示す吸収性物品1においては、下層吸収体7bに含まれるフラップパルプ8はその坪量が30〜300g/m2、特に50〜200g/m2であることが、十分な吸収容量を確保する観点から好ましい。同様の理由により、高吸収性ポリマー9の坪量は、30〜300g/m2、特に50〜200g/m2であることが好ましい。
上層吸収体7aと下層吸収体7bとの坪量の比率は、前者/後者の値が1/5〜3/1、特に1/3〜2/1であることが、吸収性シート2を用いることに起因する薄さや柔軟性の利点を維持しつつ、十分な吸収容量を確保する点から好ましい。
図1及び図3に示す吸収性物品の何れにおいても、表面シート2及び裏面シート3としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば表面シート2としては、液透過性の不織布やこれに開孔を形成したもの、穿孔フィルムなどを用いることができる。裏面シート3としては、液不透過性のフィルム、撥水性の不織布、フィルムと不織布とのラミネートなどを用いることができる。液透過性のフィルムは透湿性を有していてもよい。
特に、高粘性液の吸収性を一層高める観点からは、吸収性シート4と同様に、表面シート2もその目開きが大きくなっており、その厚さ方向へ高粘性液を容易に移動可能にする構造になっていることが好ましい。この観点から、表面シート2は、その繊維間距離が400〜1000μm、特に500〜900μmであることが好ましい。表面シート2の繊維間距離をかかる範囲内に調整するためには、例えば5〜20dtexの繊維を用いてエアスルー法によって表面シート2を製造すればよい。また、表面シート2に開孔を施してもよい。その場合には、太さ1〜3dtexの繊維からなる不織布を用い、開孔の下端周縁部の径が0.5〜2.0mm、開孔率が7%以上となるように開孔すればよい。更に、繊維間距離を1000μmまでとすることにより増粘した吸収物の液戻りを低減させやすくなり好ましい。
次に、吸収性シート4の好ましい製造方法について説明する。先ず、繊維5を、ウェブ、織布、不織布等の特定のシート形状に成形する以前に、繊維5に、重合性モノマー及び/又は該モノマーの重合進行物を含有する液状物を付着させる。これにより、繊維5のあらゆる方向に対して均一にポリマーを固定化することができる。また、ポリマーが繊維間の間隙を埋めてしまうことも起きにくいので、繊維本来の柔軟性を損なうことなくポリマーを繊維に固定化できる。
前記液状物を繊維5に付着させる場合、該液状物を液滴の状態で付着させる。こうすることで、重合が安定に行われ、また重合後のポリマーはより均一に固定化され、さらに繊維5からの脱落も起きにくくなる。前記液状物を液滴化する方法としては、公知の微粒化技術を用いることができる。そのような微粒化技術としては、例えば、滴下法、スプレーノズルを用いた液滴化、回転盤形アトマイザーを用いた液滴化、超音波法等が挙げられる。液滴の粒径は、10〜1000μm、特に50〜800μmであることが好ましい。
前記液状物を繊維5に均一に付着させるためには、該液状物と繊維5とを同時に供給しつつ、該液状物を繊維5に付着させることが有効である。この場合、前記液状物および繊維5それぞれの一部または全部を気相中で接触させることにより、該液状物を繊維5に付着させることが有効である。これにより、繊維5に付着した液滴中の重合性モノマーあるいは重合進行物の重合を気相中で直ちに行うことが可能となるので、重合中に該液状物同士が合一しにくくなり、ポリマーを一層均一に固定化させることができる。
前記液状物および繊維5それぞれを気相中で接触させて該液状物を繊維5に付着させる場合には、該液状物が付着した繊維5を堆積させることが有効である。これにより繊維どうしをポリマーの粒子6を介して結合させることができる。更に、液状物の付着、該液状物に含まれる重合性モノマー及び/又は重合進行物の重合、並びに繊維5の成形を同時に行うことができるので、プロセスを簡略化でき経済的である。
以上の説明から明らかなように、吸収性シート4はエアレイ法によって製造されることが好適である。エアレイ法を実施するための装置は、例えば先に述べた特許文献1の図1及び図2に記載されている。
前記液状物中の重合性モノマー及び/又は重合進行物を重合する方法には、例えば重合開始剤を用いる方法、放射線・電子線・紫外線を照射する方法等がある。付加重合性モノマーを用いる場合の重合開始剤、即ち、付加重合開始剤としては、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等のラジカル発生剤や、これらと亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、第一鉄塩等の還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が用いられる。一方、重付加性モノマーを用いる場合の触媒、即ち、重付加反応の触媒としては、三級アミンや錫化合物等が好適に用いられる。
特に、重合開始剤としてレドックス系開始剤を用いる場合には、レッドクス系開始剤を構成する酸化剤を含有する重合性モノマーAの液滴と、レドックス系開始剤を構成する還元剤を含有する重合性モノマーBの液滴とを気相中で混合して重合進行物を形成し、該重合進行物の液滴を気相中で繊維5に付着させることが好ましい。液滴どうしの気相中での混合方法は、例えば特開平9−67403号公報の第1図に示されている。或いは、前記の重合性モノマーAの液滴と、前記の重合性モノマーBの液滴とを同時に又は相前後して気相中で繊維5上に付着させ、互いに接触させた後、繊維5上で重合性モノマーをレドックス重合させることも好ましい。こうすることで、重合性モノマーAの液滴と重合性モノマーBの液滴とを気相中で混合する場合に比較して、処理能力を高くすることができ、吸収性シート4の生産性を高める事が容易となる。このような重合方法は、例えば本出願人の先の出願に係る特願2003−134382号に記載されている。
なお、重合に際しては公知の架橋剤を重合系に添加してもよい。これによって、得られる高吸収性ポリマーの吸収性能を所望のものとすることができる。その他、重合反応に関する詳細については、先に述べた特許文献1に記載の諸条件を採用することができる。
シート形態の崩壊性の高い吸収性シート4を得るためには、重合後に行われる乾燥工程を穏やかな条件で行うことが好ましい。或いは、重合後に乾燥工程を行わないことが好ましい。穏やかに乾燥を行う場合には、例えば乾燥温度を低めに設定したり、乾燥時間を短く設定したりすることが好ましい。これによって高吸収性ポリマーの粒子6を介した繊維5どうしの結合力を適度なものとすることができ、シート形態の崩壊性を高めることができる。具体的な条件としては、乾燥温度は90〜150℃、特に100〜135℃であることが好ましく、乾燥時間は0.1〜2分、特に0.2〜1分であることが好ましい。乾燥手段としては熱風の吹き付け、過熱水蒸気の吹き付け、乾燥ドラム等を用いることができる。
以上、詳述した通り、本発明の吸収性シートは、各種吸収性物品の吸収体として特に好適に用いられる。そのような吸収性物品としては、例えば、各種使い捨ておむつや、生理用ナプキン、パンティライナ、失禁パッド等が挙げられる。特に軟便、経血、おりもの等の高粘性液の吸収に用いられる吸収性物品である使い捨ておむつや生理用ナプキン、パンティライナに本発明の吸収性シートを適用することが、高粘性液の効率的な吸収の点から好適である。
また本発明の吸収性シートは、吸収性物品の吸収体のみならず、農業や土木の分野で用いられる土壌の保水材としても好適に用いられる。
本発明の吸収性シートを備えた吸収性物品の一例の構造を示す模式図である。 吸液前後での吸収性シートの要部拡大図である。 本発明の吸収性シートを備えた吸収性物品の他の例の構造を示す模式図(図1相当図)である。
符号の説明
1 吸収性物品
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性シート
5 繊維
6 高吸収性ポリマーの粒子
7a 上層吸収層
7b 下層吸収層
8 フラップパルプ
9 高吸収性ポリマーの粒子
10 ティッシュペーパー

Claims (4)

  1. 高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維が結合しシート形態が保持されており、吸液によって繊維間の結合状態及び/又は高吸収性ポリマー粒子間の結合状態が解除されシート形態が崩壊可能になっている吸収性シート。
  2. シートを構成する繊維の繊維間距離が100〜600μmである請求項1記載の吸収性シート
  3. 高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維が結合しシート形態が保持されており、吸液によって繊維間の結合状態及び/又は高吸収性ポリマー粒子間の結合状態が解除されシート形態が崩壊可能になっている吸収性シートが、表面シートにおける肌対向面と反対側に配されており、該表面シートはその繊維間距離が400〜1000μmである吸収性物品。
  4. 請求項1記載の吸収性シートの製造方法であって、
    重合性モノマー及び/又は該モノマーの重合進行物を含有する液状物を繊維に付着させつつ、該液状物または液状物が複数合一した凝集体が付着した該繊維を堆積させ、次いで該モノマー及び/又は該重合進行物を重合させて高吸収性ポリマーの粒子を生成させ、生成した高吸収性ポリマーの粒子を介して繊維どうしを結合させシート形態を保持させる吸収性シートの製造方法。
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