JP2006151940A - 細胞活性剤 - Google Patents

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Tatsuyoshi Takahashi
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真也 土田
Keisuke Umeda
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明男 吉田
Michiei Nakamura
道衛 中村
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Abstract

【課題】大量に産出される廃羽毛の有効利用できる用途を見出すこと、および動物細胞の増殖、創傷治癒、あるいは発毛/育毛に有効な細胞活性剤の機能を有する薬剤、例えば医薬品、医薬部外品、化粧品などを安価に提供すること。
【解決手段】細胞活性剤が、羽毛から加工処理をして取り出されたタンパク質、ポリペプチド、低級ペプチドおよび/またはアミノ酸からなる成分を主成分として含む加工処理品および/または羽毛由来のそれら成分に反応性化合物を反応して得られた誘導体を主成分とすることを特徴とする細胞活性剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞活性剤に関する。更に詳しくは、線維芽細胞を活性化させ、真皮細胞間マトリックスのコラーゲン(膠原線維)、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、エラスチン(弾力線維)、グリコサミノグリカン、HGF(肝細胞増殖因子)などの産生を促し、動物細胞増殖、創傷治癒、さらには発毛/育毛にも有効な細胞活性剤、およびそれら細胞活性剤を含む医薬品、医薬部外品および化粧品の提供を目的とする。
従来から、羊毛は衣料用以外の用途にも利用開発は進んでおり、羊毛の抗菌/脱臭性能を活かした利用法が検討されたり、羊毛粉末や羊毛ケラチン加水分解物をヘアケア製品などに利用した例も見られる。しかしながら、羽毛については、アミノ酸組成がやや異なるものの同様にケラチンを主構成タンパク質としているにもかかわらず、その利用法については遅々として進んでおらず、動物用飼料や有機質肥料などに一部が用いられているにすぎず、廃羽毛の高次的利用はほとんど進んでいない。ところが、現在国内では凡そ7億4千羽のブロイラーが生産されており、排出される羽毛の量は4万トンにも昇るといわれ、そのほとんどの羽毛は焼却されるか廃棄されているのが現状であるが、廃棄された廃羽毛から悪臭が発生し、その膨大な量の廃羽毛の故に深刻な環境汚染問題を引き起こしている。それ故一刻も早い廃羽毛の高次利用の開発が期待されている。また、羽毛は貴重な天然資源であり、天然資源の有効利用の見地からも、羽毛の高次利用の開発はぜひ検討しなければならない課題となっている。
また、羊毛ケラチンはコラーゲンとほぼ同等の線維芽細胞(マウスL929)増殖活性が認められおり、この細胞活性を利用した製品の開発が進められてきたが、羊毛ケラチンはシステイン残基が多く、ケラチンモノマー分子間は高度に架橋されていて、不溶性の強靭なタンパク質構造を作り上げており、ポリペプチドを抽出しようとすると、比較的強い条件で抽出しなければならず、しかもプロセスも複雑になり、産業上利用する際の欠点となっていた。
一方、動物細胞の細胞培養における課題として、培地成分としての血清の使用が挙げられる。血清は動物細胞の培養の際には、細胞増殖のために広く使われてきた培地成分であるが、血清は(1)組成が明瞭ではなく、(2)その作用も不明な点が多く、(3)ロット毎の変動も無視できず、(4)コンタミの危険度が高く、(5)牛海綿状脳症(BSE;Bovine spongiform encephalopathy)プリオンなどの病原体に接触する危険性があり、(6)生産コストがかかり、(7)培養産物の精製を困難にする、等々の多くの欠点を有していた。これらのことから、定量性や再現性を実現し、安全性を確保するために化学的組成のはっきりしている無血清培地、あるいはできるだけ血清の添加量を抑えた低血清培地の開発が進められてきており、血清に代わる、あるいは一部を代替できる効果的でコストのかからない細胞増殖剤の出現が期待されている。
本発明の目的は上記の課題を解決する一手段として、比較的容易に抽出できる廃羽毛由来のポリペプチド成分を外用素材として安価に有効利用することにより線維芽細胞を活性化させ、コラーゲン、エラスチンなどの真皮細胞間マトリックス成分や毛成長に促進的に働く細胞増殖因子を増加させ、動物細胞の増殖、創傷治癒、並びに発毛/育毛にも有効な細胞活性剤、およびそれら細胞活性剤を含む医薬品、医薬部外品および化粧品を提供することである。
本発明は、上記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、廃羽毛由来の抽出ポリペプチドがヒト線維芽細胞増殖作用などの生理活性機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
1.細胞活性剤が、羽毛から加工処理をして取り出されたタンパク質、ポリペプチド、低級ペプチドおよび/またはアミノ酸からなる成分(以下、これら成分を「羽毛由来ポリペプチド」と総称する。)を主成分として含む加工処理品、および/またはそれら羽毛由来ポリペプチド成分に反応性化合物を反応して得られた誘導体を主成分とすることを特徴とする細胞活性剤。
2.羽毛由来ポリペプチドが羽毛アルカリ加水分解物である前記1に記載の細胞活性剤。
3.羽毛由来ポリペプチドが羽毛由来ポリペプチドにカルボキシル基、スルホン基、硫酸エステル基、リン酸エステル基からなるアニオン性基、ポリエチレングリコール基、ポリアルコール基からなるノニオン性基、アミノ基からなるカチオン性基からなる群から選ばれた水溶性基を導入された羽毛由来ポリペプチドの水溶性誘導体である前記1に記載の細胞活性剤。
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた創傷治癒剤。
5.前記1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた発毛/育毛剤。
6.前記1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた動物細胞培養用細胞増殖剤。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた医薬品。
8.前記1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた医薬部外品。
9.前記1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた化粧品。
本発明によれば、羽毛由来ポリペプチド、羽毛アルカリ加水分解物あるいは羽毛由来ポリペプチド誘導体を主成分とした水溶液、分散液、ゲル剤、粉末、錠剤などを生理活性剤として使用し、線維芽細胞を活性化、増殖化することにより線維芽細胞の持つ様々な機能が発現され、動物細胞増殖、創傷治癒、あるいは発毛/育毛にも有効な細胞活性剤として極めて有用に、しかも極めて安価に提供できる。これらは単独成分として使用したり、あるいは他の薬剤、薬品類に添加し、複合効果を発揮させることも可能であり、それら細胞活性剤を含む医薬品、医薬部外品および化粧品として使用される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をより詳細に説明する。 本発明で用いられる羽毛由来ポリペプチド、羽毛アルカリ加水分解物あるいは羽毛由来ポリペプチド誘導体を主成分とした液あるいは粉末などの製剤は、公知の処理方法で羽毛から処理して取り出されたタンパク質類、ポリペプチド類、低級ペプチド類、アミノ酸類などを主成分として含む加工処理品および、それら羽毛由来ポリペプチド成分に反応性化合物を反応して得られた誘導体を主成分として含むものであり、更には脱脂処理などの何らかの処理を施した羽毛または羽毛そのものを粉末化したものも含まれる。本発明において、上記の羽毛の処理品を「羽毛由来ポリペプチド」と総称することがある。
羽毛からのポリペプチドの加工処理法としては、例えば、脱脂した羽毛に過酢酸や過蟻酸で処理し、アルカリ溶液でpHを調整後、不溶部分を濾別し、得られた溶液を透析することにより羽毛ポリペプチド溶液が得られる。また別の例では、尿素水溶液を加えながら、2−メルカプトエタノールやチオグリコール酸などのチオアルコールを作用させると羽毛ケラチン中のS−S結合がSH基になり、羽毛ポリペプチドとなって溶出される。また別の例では、上記の方法におけるチオアルコールの替わりにチオ硫酸ソーダを用いる方法やドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤の存在下チオアルコールやチオ硫酸ソーダなどの還元剤を用いる方法もある。また別の方法では、脱脂した羽毛をアルカリ溶液で処理し、可溶化部分を酸で中和した後、透析によって羽毛由来ポリペプチドを得ることもできる。
それら羽毛由来ポリペプチド成分に反応性化合物を反応させて羽毛由来ポリペプチドの誘導体を得ることができる。特に重要な誘導体は水溶性誘導体であり、羽毛由来ポリペプチドに水溶性基あるいは水溶性基に変性し得る基を有する親水性反応性化合物を反応させることによって水溶性基を導入された羽毛由来ポリペプチドの水溶性誘導体が得られる。誘導体に導入される水溶性基としては従来公知のアニオン性、ノニオン性、および/またはカチオン性の水溶性基が挙げられる。例えば、カルボキシル基、スルホン基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ポリエチレングリコール基、ポリアルコール基、アミノ基などである。羽毛由来ポリペプチド成分の有する水溶性基や導入された水溶性基に対して対イオン(カウンターイオン)となるアルカリ類あるいは酸類で中和することで水溶液にすることができる。誘導体として、好ましい水溶性基はカルボキシル基であり、例えばアシル化反応やカルボン酸塩化物によるアミノ基への化学修飾反応などによって導入させることができ、アルカリ金属水酸化物、アンモニアなどで中和することで水溶液とすることができる。この際、アシル化反応には、アシル化剤となる無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの酸無水物あるいはカルボン酸塩化物が好適に用いられ、また、α−ハロゲン化アルキルカルボン酸による反応にはモノクロル酢酸などが好適に用いられる。
本発明で使用される羽毛とは、鳥類由来の羽毛であって、フェザー部分およびダウン部分が含まれる。鳥の種類は特に限定されないが、入手しやすい鶏や水鳥の羽毛が好適に用いられる。
本発明の細胞活性剤は羽毛由来ポリペプチドを主成分として含有するもので、形態としては、上記の諸法により得られた加工処理品をそのまま溶液、分散液などの液状として用いる形態が好ましいが、必要に応じてポリペプチドを精製固体化し、粉末状にしても良い。細胞活性剤中の羽毛由来ポリペプチドの量は目的に合わせて差異があり、特に限定されないが、目安としては、細胞活性剤100質量部に対して羽毛由来ポリペプチド20〜50質量部程度の割合である。また、必要に応じてコラーゲン合成促進物質であるアスコルビン酸誘導体などの添加物を添加することもできる。
本発明の細胞活性剤の有する線維芽細胞増殖活性について説明する。線維芽細胞とは真皮を構成している細胞である。ヒトの皮膚は表皮、真皮および皮下組織から成っているが、真皮は表皮の下にある結合組織層である。真皮組織において細胞と細胞の間には細胞間マトリックスと呼ばれる部分があり、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ムコ多糖、プロテオグリカンなどから構成されている。この中で、基質タンパク質であるコラーゲンはマトリックス全体の70%〜80%を占め、コラーゲンの変質は皮膚の老化に繋がる。エラスチンはマトリックス全体の2〜4%を占め、ペプチド鎖間に架橋結合が多く弾性に富んだ構造タンパク質である。フィブロネクチンは細胞の接着や伸展を担う糖タンパク質で、ムコ多糖は動物の粘性分泌物から得られる多糖であり、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸はこれに該当する。また、プロテオグリカンはムコ多糖とタンパク質の共有結合化合物の総称である。これらの細胞間マトリックス成分は皮膚に弾力性を付与する機能を有している。
本発明の羽毛由来ポリペプチドとして羽毛アルカリ加水分解物の細胞活性化性能を評価するために培養試験を行ない、非常に優れた効果を示した。正常ヒト真皮線維芽細胞を用いて継代培養を行った結果、牛血清アルブミン(以下、「BSA」と称する。)と同等の効果であり、カゼイン酵素分解物(以下、「NZcase」と称する。)より非常に優れた効果を示した。しかも、線維芽細胞賦活効果が知られているシルクプロテインやセリシンとのヒト真皮線維芽細胞に対する比較試験で顕著な賦活効果を示した。また、ヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞に対しても、線維芽細胞活性化の効果があり、カゼインやNZcaseよりも高い活性化の効果を示し、細胞活性化の作用が知られているシルクプロテインやセリシンよりも高い細胞活性賦活効果があった。
本発明の羽毛アルカリ加水分解物が細胞活性賦活効果を示した真皮組織における線維芽細胞は下記に代表されるような様々な機能を有している。細胞が活性賦活化されることによりそれらの機能が活発に発現するという優れた効果を与えられるものと考えられる。
(1) 線維芽細胞は上記の細胞間マトリックス成分を生産、分泌し、皮膚の弾力性維持、皮膚の薄化抑止、微生物感染防止に貢献している。細胞間マトリックス成分は皮膚に弾力性を付与する機能を有しているが、皮膚の弾力性維持に特に貢献していると考えられているのはコラーゲンとエラスチンである。これらの物質の生産、分泌が抑制されると、真皮のコラーゲンやエラスチンの量が減少するので皮膚が薄化する。また、血管の周囲のコラーゲン量が減少するので弾力性が無くなり、拡張した血管が作られる。皮膚の薄化や拡張した血管は細菌や真菌の感染を引き起こしやすくなる。従って、線維芽細胞が活性化されコラーゲンやエラスチンが多く分泌されると血管の拡張が抑えられ、皮膚の薄化が抑制され、細菌や真菌の感染防止効果が生じ、総じて皮膚の保護効果が期待できる。
(2) 線維芽細胞はコラーゲンの新陳代謝を促進する。コラーゲンは細胞間マトリックスのうちの70%以上を占めるタンパク質であり、皮膚の老化に伴い、コラーゲン自体が増加する架橋やメイラード反応により変質し、細胞機能の低下をもたらす。このような状況下で、線維芽細胞はコラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼを分泌し、老化したコラゲナーゼを分解することにより、新しいコラーゲンの合成を促進する。即ち、線維芽細胞活性化により肌の弾力性を担うコラーゲンの代謝を促し、常に新鮮なコラーゲンの保持が期待できる。
(3) 線維芽細胞は創傷治癒を促進する。線維芽細胞は外胚葉由来の細胞であり、創傷治癒の増殖期の主役として、様々な物質を生産し分泌する。まず、第一に線維芽細胞は創傷治癒を促進する生理活性物質を放出し肉芽形成、表皮化の促進を促す。第二に細胞間マトリックスの基質タンパク質であるコラーゲンや細胞接着に寄与するフィブロネクチンなどを分泌し、真皮組織を構築する。第三にサイトカイン、例えば血管内皮増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor:以下、「VEGF」と称する。)などを分泌して血管内皮細胞を増殖させ、プロテアーゼ合成、透過性、管腔形成などを促し、余分なマトリックスを分解し、延いては血管新生を促進する。従って、線維芽細胞の増殖、活性化により創面における肉芽形成の促進、さらには表皮化が実現する可能性が考えられる。
(4) 線維芽細胞は毛成長促進作用を有する肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor;以下、「HGF」と称する。)を産生する。ヒトの毛組織は皮膚の付随器官で、皮膚が形を変えて分化したものであり、外胚葉由来の上皮系マトリックスおよび毛乳頭を含む真皮エレメントから成っている。毛の発生プロセスにおいては線維芽細胞とケラチノサイトの相互作用により制御されつつ、次第に毛包が形成される。毛包では間葉系の線維芽細胞が構成要素である毛乳頭細胞と未分化な毛母細胞が接して存在し、これらの細胞間の相互作用により毛の発育分化がなされる。HGFは線維芽細胞や肝細胞などの間葉系細胞から産生される細胞成長因子で、毛乳頭細胞から毛母細胞への情報伝達に関わるパラクリン因子(paracrine factor)の一つであり、毛包の伸長とDNA合成を促進する作用を有することが明らかになっている。すなわち、毛乳頭細胞の構成要素である線維芽細胞は毛の成長促進作用を有するHGFを作り出しているので線維芽細胞が活性化されれば、HGFの産生が増加し毛の成長も促進され、発毛/育毛効果が具現化される。
本発明の羽毛由来ポリペプチドを主成分とする細胞活性剤は、上記の線維芽細胞を活性化し、増殖させ、動物細胞培養用細胞増殖剤として有効に用いられると共に線維芽細胞の持つ機能に基づく様々な製品、例えば、創傷治癒剤や発毛/育毛剤、に有効に使用することができる。
本発明おける線維芽細胞活性化機構については、羽毛アルカリ加水分解物中に塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor;以下、「bFGF」と称する。)様の線維芽細胞賦活因子が存在し、または羽毛由来ポリペプチド自体がbFGF様の活性を有し、これらの物質が線維芽細胞に働きかけて、線維芽細胞の増殖をもたらすものと考えられる。
本発明の細胞活性剤はその主成分である羽毛由来ポリペプチドの作用により、線維芽細胞を増殖または活性化させ、その増殖または活性化された線維芽細胞より様々な物質、例えば、グリコーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、などの真皮組織の細胞間マトリックス成分やVEGFに代表されるサイトカイン、生理活性物質などが分泌され、皮膚の弾力性保持、皮膚の薄化防止、皮膚の保水性保持、創傷治癒、毛包成長、血管新生などの効果が発揮されるものと思われる。
本発明の動物細胞培養用細胞増殖剤は上記の細胞活性剤を主成分として含有させたもので、既存の細胞増殖剤であるウシ血清アルブミン(BSA)と同等な細胞増殖効果が得られる(非特許文献1)。また、BSA代替品になり得ると示唆され、ヒト線維芽細胞活性も報告されたセリシン(シルクプロテインの成分)と同等以上の細胞増殖効果が得られる(非特許文献2)。
Cytotechnology, Vol.40, pp3-12, 2002 Biosci.Biotechnol.Biochem., Vol.69,pp403-405, 2005
一般に、動物細胞の培養の際は、イーグルの基礎培地(以下、「MEM」と称する。)あるいはその改良培地であるダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)などの基本培地に細胞増殖用の添加剤(細胞増殖剤)を加えた培地が用いられる。細胞増殖剤としては、ウシ胎児血清(FBS)、ウシ血清アルブミン(BSA)、フィブロネクチン、インシュリン、トランスフェリン、ヒドロコーチゾン、デキサメタゾン、プトレシン、上皮細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)等々、様々な物質が用いられてきたが、信頼性の面からFBSとBSAの使用が一般的となっている。
FBSは牛の胎児のみから採取された血清であり、高価であるが動物細胞の培養には最も一般的な細胞増殖剤である。血清は様々な物質、例えばアミノ酸、ビタミン類、成長促進因子、エネルギー源などからなる天然混合物であり、対象の培養細胞によっては、毒性因子を含む場合もあり、組成が明白な合成培地の使用が推奨される見地から判断すると、細胞培養においてできるだけその使用量を制限したいとする考え方が主流である。また、BSAはアルブミンを主成分とする牛の血清からの分画であり、低分子量のポリペプチドや脂肪酸、ステロイドなどの未知成分を含んでおり、FBSと同様に培養細胞によっては毒性を示す場合もある。アフィニティクロマトグラフィーなどで精製したBSA製品もあるが、もともと高価なBSAがさらに高価な試薬となってしまっている。さらに、双方ともウシの血液からの産物であり、BSEの病原体であるプリオンによって汚染される危険性も存在する。
セリシンはシルクプロテインの成分で、最近動物細胞に対する細胞活性が研究されてきた。それらの研究によると、セリシンは動物細胞株の増殖を促進し、BSAの代替品として使用しうることや、培養されたヒト皮膚線維芽細胞の増殖活性を有することから、損傷を受けた皮膚の治療に重要な役割を果たすことが明らかにされている。
本発明の動物細胞培養用細胞増殖剤は、BSAと同等なヒト線維芽細胞活性効果を有すると共に、BSAの代替品として有望と考えられているセリシンと同等以上のヒト皮膚線維芽細胞の増殖活性を有しており、BSA代替の動物細胞培養用増殖剤として十分な効果・機能を有すると共に血清や血清成分を使用しないことからFBSやBSAに比して高度な安全性と優れた経済性を具備していると考えられる。
本発明の動物細胞培養用細胞増殖剤は、比較的安価な羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤を主成分として含有させたものである。形態としては、前記の諸処理法により得られたポリペプチドを含む処理液を精製固体化し、粉末状にして貯蔵し、使用しても良い。また、必要に応じて、該粉末を一定量の水に溶かして水溶液となし、液状細胞増殖剤としても用いられる。液状細胞増殖剤の場合、該液状細胞増殖剤中の羽毛由来ポリペプチドの量は目的に合わせて差異があり、特に限定されないが、目安としては、細胞増殖剤100質量部に対して羽毛由来ポリペプチド1〜50質量部程度の割合である。また、必要に応じてバッファーなどの各種の添加物を添加することもできる。
本発明の動物細胞培養用細胞増殖剤は、粉末状、液状のいずれの細胞増殖剤の場合も、使用時には必要量をMEMなどの細胞培養培地に添加する。単独で用いても良いし、FBSなどの他の細胞増殖剤と併用して用いても良い。細胞培養培地中の羽毛由来ポリペプチドの濃度は目的や細胞の種類、更には併用するFBS濃度などの培養条件により異なるが、目安としては培地100質量部に対して羽毛由来ポリペプチド0.01〜0.5質量部程度の割合である。このようにすれば、羽毛由来ポリペプチド中のbFGF様の線維芽細胞賦活因子により作用個所の線維芽細胞が活性化され、線維芽細胞の増殖が惹起される。
本発明の創傷治癒剤は、羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤が担体若しくは媒体に保持されたもので、例えば、溶液、分散液、エマルジョン、乳液、ペースト状、クリーム状、コロイド状、ゲル状、ゾル状など様々な形態のものが用いられる。使用の際には該創傷治癒剤を羽毛由来ポリペプチド換算で0.00001〜0.05g/cm2に量を塗布、散布、貼付けなどにより創面に作用させる。このようにすれば、羽毛由来ポリペプチドにより作用個所の線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやフィブロネクチンなどを分泌し真皮組織構築を促進し、VEGFなどのサイトカインを分泌して血管新生を促進し、総じて創面における肉芽形成、表皮化を促進し、創傷治癒の効果を得ることができる。
本発明の創傷治癒剤に用いられる羽毛由来ポリペプチドは、損傷した皮膚の治療効果が示唆されたセリシンと同等以上のヒト線維芽細胞増殖活性を有しており、顕著な創傷治癒の効果が期待できる。
本発明の創傷治癒剤の使用形態は特に制限されないが、上記の羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤を、必要に応じて種々の添加剤とともに溶液、分散液、コロイド液、ゲル状などとして使用されるが、適当な担体に担持して粉体または顆粒状としも用いられる。また、ポリマー中に上記の羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤を、練り込み、粉末、顆粒あるいはフィルム、シートなどに成型して使用することもできる。本発明の創傷治癒剤中の細胞活性剤の量は目的に合わせて差異があるが、目安としては、創傷治癒剤100質量部に対して1〜50質量部程度の割合である。本発明の創傷治癒剤の使用量は特に限定されない。
このようにして、本発明の細胞活性剤を創傷治癒剤に用いれば、羽毛由来ポリペプチドの作用で、線維芽細胞が活性化、増殖化され、線維芽細胞の持つ様々な機能が発現され、皮膚の薄化防止、微生物感染予防、創傷治癒などが実現される。本発明の細胞活性剤、創傷治癒剤には本発明の効果を損しない範囲で添加剤を加えることができる。
本発明の発毛/育毛剤は羽毛由来ポリペプチドの毛包活性作用を利用したもので、毛包の賦活化により効果的な発毛や育毛を達成する。毛包は毛の成長に直接影響を及ぼす組織で、皮膚の真皮内で毛根を包み、毛の栄養をつかさどっている。毛包の活動により毛周期は次の3期に構成されている。すなわち、(1)毛包が長く伸び、毛を盛んに作り出す成長期、(2)毛包が萎縮し、毛の下端が上昇し始める退行期、(3)毛包が完全に萎縮し、毛が抜け始める休止期である。
本発明に使用する羽毛を構成するタンパク質はケラチンであり、毛髪を構成するタンパク質と同じタンパク質成分である。本発明の発毛/育毛剤は羽毛由来ポリペプチドは線維芽細胞活性化作用を有し、毛包活性化作用を有するので、本発明品を毛包に作用させれば、毛包の萎縮を抑制し、毛周期における退行期への移行の時期を遅らすことができる。また、萎縮した毛包に本発明品を作用させることにより毛包を活性化させ、毛周期の休止期から成長期への転換に効果を発揮させることができる。
大別すると髪の毛の発育不良には次の3つのタイプが存在する。すなわち、(1)毛包の未形成、(2)毛包内増殖因子の不具合、(3)毛母細胞の不活化である。(1)の場合の症状は発毛不良となり、対策としては、毛周期の成長期短縮化を遅らせるため、毛包を活性化させる細胞活性剤や毛包周辺の毛細血管中の血液循環を改善させる血行促進剤などが用いられる。(2)の場合の症状は、毛乳頭細胞の不活性化により細毛化や薄毛化が進む。対策としては、細胞活性剤により毛乳頭細胞を賦活化させることなどが考えられる。(3)の場合の症状は、毛母細胞分裂不良により毛が伸長しなくなることであり、対策としては毛母細胞不活性化の原因、(例えば、頭皮の汚れ、皮脂過多、男性ホルモンなど)を削除することである。
これまで市販されている育毛剤に用いられている物質としては、(1)の対策として、ビタミンE、塩化カルプロニウム、センブリエキスなどが知られ、これらは抹消血管を拡張して血行を促進するものである。また、(3)の対策として、塩酸ジフェンヒドラミン、グリチルリチン誘導体、ヒノキチオールなどが知られているが、これらは抗炎症や抗菌効果により頭皮を清浄に保ち、皮脂過多や頭皮細菌類の増殖を抑え、毛母細胞の分裂を促すものである。また、(3)の場合のもう一つの原因として男性ホルモン作用が挙げられるが、この対策としては、オイゲノールやオイゲニルグルコシド、丁子などが知られており、男性ホルモン作用の制御を目的に用いられている。(2)の対策としては各種の細胞活性剤が用いられ、毛の成長に関与する各種酵素活性の賦活化を目的としており、ニンジンエキス、プラセンタエキス、ミノキシジルなどはこれに該当する。
このように市販の育毛剤の成分としてはいろいろなものが用いられているが、これらのうち、より一般普遍的に効果が出やすいのは、作用機作がより直接的な細胞活性剤が有利である場合が多い。本発明の羽毛由来ポリペプチドはケラチンたんぱく質由来のポリペプチドやアミノ酸などを含有するものであり、上記した育毛剤と併せて使用することも出来る。
本発明の発毛/育毛剤は、羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤を担体若しくは媒体に保持されたもので、例えば、溶液、分散液、エマルジョン、乳液、ペースト状、クリーム状、コロイド状、ゲル状、ゾル状など様々な形態のものが用いられる。使用の際には該発毛/育毛剤を羽毛由来ポリペプチド換算で0.00001〜0.05g/cm2量を塗布、散布、貼付けなどにより頭皮に作用させる。このようにすれば、羽毛由来ポリペプチドにより作用個所の線維芽細胞が活性化され、HGFなどを分泌し毛包上皮系細胞の増殖を促進し、また、一方、VEGFなどのサイトカインを分泌して毛包下部の血管新生を促進し、総じて頭皮における毛成長を促進し、発毛/育毛効果を得ることができる。
本発明の発毛/育毛剤の使用形態は特に制限されないが、上記の羽毛由来ポリペプチドを主体とした細胞活性剤を、必要に応じて種々の添加剤とともに溶液、分散液、コロイド液、ゲル状、粉末、錠剤などとして使用される。
本発明の発毛/育毛剤中の細胞活性剤の量は目的に合わせて差異があるが、目安としては、発毛/育毛剤100質量部に対して1〜50質量部程度の割合である。
本発明の発毛/育毛剤の使用量は特に限定されない。
以上のようにして、本発明の細胞活性剤を創傷治癒剤、発毛/育毛剤、動物細胞培養用細胞増殖剤などに用いれば、羽毛由来ポリペプチドの作用で、線維芽細胞が活性化、増殖化され、線維芽細胞の持つ様々な機能が発現され、皮膚の薄化防止、微生物感染予防、創傷治癒、毛包形成、毛成長、効果的な細胞培養などが実現される。本発明の細胞活性剤、創傷治癒剤、発毛/育毛剤、動物細胞培養用細胞増殖剤には本発明の効果を損しない範囲で添加剤を加えることができる。
添加剤としては医薬品、医薬部外品および化粧品に添加される公知の配合成分が使用できる。それらの例としては、植物油、ワックス類、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールなど;水溶性ポリマー、増粘剤、界面活性剤など;ビタミン剤、尿素、グリセリン、湿潤剤、保湿剤、紫外線吸収剤など;防腐剤、酸化防止剤、キレート形成剤、pH調整剤など;色素、香料などが挙げられる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、文中%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
実施例1(羽毛アルカリ加水分解物(以下、「PAH」と略称する。)のヒト真皮線維芽細胞活性試験)
(1)使用細胞
正常ヒト真皮線維芽細胞はヒューマンサイエンス資源バンクより分譲を受けたTIG−112について継代培養を行い、PDL=25〜28の細胞を試験に供した。継代培養は、超純水で作製した0.95%Eagle’s MEM(Gibco社製)培地に10%牛胎児血清(Gibco社製、Lot.No4230883S)を添加し、組織培養用10cmφのディッシュ(IWAKI製)に播種し37℃、5%CO2の条件で行った。これを1.3×10^6cells/ml(10%DMSO含FBS、1ml)の条件で液体窒素中の保存し、試験培養を行うごとに融解再培養した。
(2)被検物および試験培地の調整
超純水99mlにEagle’s MEM粉末培地0.95g、NaHCO30.22gを溶解し、1N塩酸でpHを7.0〜7.2に調整し、そこに1mlの牛胎児血清を混合し基準培地とした。一方、羽毛アルカリ加水分解物(PAH)0.2gを溶解した超純水に上記と同様の調整を行い、被検物0.2%含有試験培地とした。これらを混合し、0、0.05、0.1、0.15、0.2%PAH含有培地を作製し試験培地とした。
(3)培養試験
線維芽細胞は融解再培養1日後、24穴のマイクロプレート(IWAKI製)に8×103cells/wellとなるように播種し、10%FBS含有Eagle MEM培地1ml/wellで1日培養し定着させた。細胞定着後、n=4、1ml/wellで各試験培地に交換し8日間37℃、5%CO2の条件下で培養試験を行った。
(4)アラマーブルーによる細胞増殖評価
上記の条件で所定期間培養を行った後通常の10%FBS含有Eagle’s MEM培地(1ml/well)に交換し、各ウェルに100μlのアラマーブルーを添加し4時間培養を行った。その後各培地を試験管に取り、PBS(−)で1/2に希釈後570nmと600nmの吸光度を測定し、還元率を算出し増殖効果の評価を行った。
(5)試験結果
図1に培養8日後の各サンプルの還元率、図2にPAH0%を基準とした各還元比率を示した。この結果を見ると、羽毛アルカリ加水分解物(PAH)は対照(PAH0%)と比較して高いアラマーブルー還元比率を示しており、PAHにはヒト真皮線維芽細胞に対する賦活効果があることが明らかになった。
実施例2(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)とBSA/NZcaseのヒト真皮線維芽細胞活性比較試験)
(1)使用細胞
正常ヒト真皮線維芽細胞はヒューマンサイエンス資源バンクより分譲を受けたTIG−112について継代培養を行い、PDL=25〜28の細胞を試験に供した。継代培養は、超純水で作製した0.95%Eagle’s MEM(Gibco社製)培地に10%牛胎児血清(Gibco社製、Lot.No.4230883S)を添加し、組織培養用10cmφのディッシュ(IWAKI製)に播種し37℃、5%CO2の条件で行った。これを1.3×10^6cells/ml(10%DMSO含FBS、1ml)の条件で液体窒素中の保存し、試験培養を行うごとに融解再培養した。
(2)被検物および試験培地の調整
超純水99mlにEagle’s MEM粉末培地0.95g、NaHCO30.22gを溶解し、1N塩酸でpHを7.0〜7.2に調整し、そこに1mlの牛胎児血清(FBS)を混合し基準培地とした。一方、羽毛アルカリ加水分解物(PAH)1.0gを溶解した超純水に上記と同様の調整を行い、被検物1.0%含有試験培地とした。これらを混合し、BSA(ウシ血清アルブミン)、NZcaze(カゼイン酵素分解物)の0.1、0.2、0.5、1.0%含有培地を上記と同様に作製し、試験培地とした。また、比較のため、0.2、0.5%PAH含有培地を作製し比較培地とした。
(3)培養試験
線維芽細胞は融解再培養1日後、24穴のマイクロプレート(IWAKI製)に7×103cells/wellとなるように播種し、10%FBS含有Eagle’s MEM培地1ml/wellで1日培養し定着させた。細胞定着後、n=3、1ml/wellで各試験培地に交換し8日間37℃、5%CO2の条件下で培養試験を行った。
(4)アラマーブルーによる細胞増殖評価
上記の条件で所定期間培養を行った後通常の10%FBS含有Eagle’s MEM培地(1ml/well)に交換し、各ウェルに100μlのアラマーブルーを添加し4時間培養を行った。その後各培地を試験管に取り、PBS(−)で1/2に希釈後570nmと600nmの吸光度を測定し、還元率を算出し増殖効果の評価を行った。
(5)試験結果
図3にFBS1.0%を基準とした培養8日後の各サンプルの還元比率を示した。この結果から羽毛アルカリ加水分解物(PAH)には細胞活性増殖剤として用いられるBSAと同等のヒト真皮線維芽細胞に対する賦活効果があることが明らかになった。
実施例3(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)とシルクプロテインのヒト真皮線維芽細胞活性比較試験)
(1)使用細胞
正常ヒト真皮線維芽細胞はヒューマンサイエンス資源バンクより分譲を受けたTIG−112について継代培養を行い、PDL=25〜28の細胞を試験に供した。継代培養は、超純水で作製した0.95%Eagle’s MEM(Gibco社製)培地に10%牛胎児血清(Gibco社製、Lot.No.4230883S)を添加し、組織培養用10cmφのディッシュ(IWAKI製)に播種し37℃、5%CO2の条件で行った。これを1.3×10^6cells/ml(10%DMSO含FBS、1ml)の条件で液体窒素中の保存し、試験培養を行うごとに融解再培養した。
(2)被検物および試験培地の調整
超純水99mlにEagle’s MEM粉末培地0.95g、NaHCO30.22gを溶解し、1N塩酸でpHを7.0〜7.2に調整し、そこに1mlの牛胎児血清(FBS)を混合し基準培地とした。一方、羽毛アルカリ加水分解物(PAH)1.0gを溶解した超純水に上記と同様の調整を行い、被検物1.0%含有試験培地とした。これらを混合し、シルクプロテインを0.1、0.2、0.5、1.0%含有する培地を上記と同様に作製し、試験培地とした。また、比較のため、0.2%PAH含有培地を作製し比較培地とした。
(3)培養試験
線維芽細胞は融解再培養1日後、24穴のマイクロプレート(IWAKI製)に9×103cells/wellとなるように播種し、10%FBS含有Eagle MEM培地1ml/wellで1日培養し定着させた。細胞定着後、n=3、1ml/wellで各試験培地に交換し8日間37℃、5%CO2の条件下で培養試験を行った。
(4)アラマーブルーによる細胞増殖評価
上記の条件で所定期間培養を行った後通常の10%FBS含有Eagle’s MEM培地(1ml/well)に交換し、各ウェルに100μlのアラマーブルーを添加し4時間培養を行った。その後各培地を試験管に取り、PBS(−)で1/2に希釈後570nmと600nmの吸光度を測定し、還元率を算出し増殖効果の評価を行った。
(5)試験結果
図4にFBS1.0%を基準とした培養8日後の各サンプルの還元比率を示した。この結果から羽毛アルカリ加水分解物(PAH)にはシルクプロテインよりも顕著なヒト真皮線維芽細胞に対する賦活効果があることが明らかになった。
実施例4(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)とセリシンのヒト真皮線維芽細胞活性比較試験)
(1)使用細胞
正常ヒト真皮線維芽細胞はヒューマンサイエンス資源バンクより分譲を受けたTIG−112について継代培養を行い、PDL=25〜28の細胞を試験に供した。継代培養は、超純水で作製した0.95%Eagle’s MEM(Gibco社製)培地に10%牛胎児血清(Gibco社製、Lot.No4230883S)を添加し、組織培養用10cmφのディッシュ(IWAKI製)に播種し37℃、5%CO2の条件で行った。これを1.3×10^6cells/ml(10%DMSO含FBS、1ml)の条件で液体窒素中の保存し、試験培養を行うごとに融解再培養した。
(2)被検物および試験培地の調整
超純水99mlにEagle’s MEM粉末培地0.95g、NaHCO30.22gを溶解し、1N塩酸でpHを7.0〜7.2に調整し、そこに1mlの牛胎児血清(FBS)を混合し基準培地とした。一方、羽毛アルカリ加水分解物(PAH)1.0gを溶解した超純水に上記と同様の調整を行い、被検物1.0%含有試験培地とした。これらを混合し、セリシンを0.001、0.002、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1%含有する培地を上記と同様に作製し、試験培地とした。また、比較のため、0.2%PAH含有培地を作製し比較培地とした。
(3)培養試験
線維芽細胞は融解再培養1日後、24穴のマイクロプレート(IWAKI製)に9×103cells/wellとなるように播種し、10%FBS含有Eagle MEM培地1ml/wellで1日培養し定着させた。細胞定着後、n=3、1ml/wellで各試験培地に交換し8日間37℃、5%CO2の条件下で培養試験を行った。
(4)アラマーブルーによる細胞増殖評価
上記の条件で所定期間培養を行った後通常の10%FBS含有Eagle’s MEM培地(1ml/well)に交換し、各ウェルに100μlのアラマーブルーを添加し4時間培養を行った。その後各培地を試験管に取り、PBS(−)で1/2に希釈後570nmと600nmの吸光度を測定し、還元率を算出し増殖効果の評価を行った。
(5)試験結果
図5にFBS1.0%を基準とした培養8日後の各サンプルの還元比率を示した。この結果から羽毛アルカリ加水分解物(PAH)には、線維芽細胞賦活効果が知られているセリシンよりも顕著なヒト真皮線維芽細胞に対する賦活効果があることが明らかになった。
実施例5(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)のヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞に対する活性濃度の検討)
(1)使用皮膚モデル
東洋紡績(株)の三次元皮膚モデル MATREX LDMキットを用いた。本皮膚モデルは、コラーゲン内にヒト線維芽細胞を包埋し、三次元的に培養したヒト皮膚真皮モデルであり、簡便に細胞試験が可能であることから、動物皮膚代替試験、代謝試験、細胞毒性試験などに用いられている。
本試験の原理は、線維芽細胞内のミトコンドリアの脱水素酵素が添加した基質であるMTT(3-[4,5-dimethylthiazol-2-yl]-2,5-diphenyltetrazolium bromide)を還元してホルマザンを生成するが、そのホルマザン量は細胞活性が強いほど多量であることを応用したものである。
(2)試験方法
アッセイ培地1.2mlを入れたアッセイプレート上にヒト線維芽細胞組織ウェルを置き、PAHをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて溶解し、0.75%、1.5%、3.0%、6.0%の各濃度に調製したPAHリン酸緩衝生理食塩水溶液0.5mlをウェル内に添加した。37℃にて20時間培養した後、MTT含有培地に培地交換をし、37℃にて3時間培養した。培養後ヒト皮膚組織部分を切り取り、生成したホルマザンを酸性イソプロパノール2.0mlで抽出した。抽出液は570nmにてその吸光度を測定し、対照であるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)と比較した。
(3)試験結果
表1に各試料の吸光度の測定値と対照(PBS)を1.0としたときのPAH溶液濃度系列の吸光度の比を表した。
Figure 2006151940
PAH溶液は0.75%から3.0%の濃度にかけて、ヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性化の効果があった。図6は対照(PBS)の吸光度を1.0としたときの、PAH溶液の吸光度の比をグラフにしたものである。
実施例6(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)とカゼインのヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性比較試験)
(1)使用皮膚モデル
実施例5と同様に東洋紡績(株)の三次元皮膚モデル MATREX LDMキットを用いた。
(2)試験方法
アッセイ培地1.2mlを入れたアッセイプレート上にヒト線維芽細胞組織ウェルを置き、PAHをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて溶解し、1.0%、2.0%に調製したPAHリン酸緩衝生理食塩水溶液0.5mlをウェル内に添加した。37℃にて20時間培養した後、MTT含有培地に培地交換をし、37℃にて3時間培養した。培養後ヒト皮膚組織部分を切り取り、生成したホルマザンを酸性イソプロパノール2.0mlで抽出した。
抽出液は570nmにてその吸光度を測定し、対照であるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)と比較した。また、比較のため、PAHの代わりにカゼイン(0.5%、1.0%)、NZcase(1.5%、カゼインの酵素分解物)のリン酸緩衝生理食塩水溶液も調製し、PAHと同様に試験した。
(3)試験結果
表2に各試料の吸光度の測定値と対照(PBS)を1.0としたときのPAH溶液の吸光度の比を表した。
Figure 2006151940
PAHは、ヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞に対して、カゼインやNZcaseよりも高い活性化の効果を示した。図7は対照(PBS)の吸光度を1.0としたときの、各試料溶液の吸光度の比をグラフにしたものである
実施例7(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)とシルクプロテイン/セリシンのヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性比較試験)
(1)使用皮膚モデル
実施例5と同様に東洋紡績(株)の三次元皮膚モデル MATREX LDMキットを用いた。
(2)試験方法
アッセイ培地1.2mlを入れたアッセイプレート上にヒト線維芽細胞組織ウェルを置き、PAHをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて溶解し、1.0%の濃度に調製したPAHリン酸緩衝生理食塩水溶液0.5mlをウェル内に添加した。37℃にて20時間培養した後、MTT含有培地に培地交換をし、37℃にて3時間培養した。培養後ヒト皮膚組織部分を切り取り、生成したホルマザンを酸性イソプロパノール2.0mlで抽出した。
抽出液は570nmにてその吸光度を測定し、対照であるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)と比較した。また、比較のため、PAHの代わりにシルクプロテイン(0.5%、1.0%、2.0%)、セリシン(1.5%、0.5%、1.0%、2.0%)のリン酸緩衝生理食塩水溶液も調製し、PAHと同様に試験した。
(3)試験結果
表3に各試料の吸光度の測定値と対照(PBS)を1.0としたときの各試料の吸光度の比を表した。
Figure 2006151940
PAH1.0%溶液は、ヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞に対して、細胞活性化の作用が知られているシルクプロテインやセリシンよりも高い細胞活性賦活効果があった。図8は対照(PBS)の吸光度を1.0としたときの、各試料溶液の吸光度の比をグラフにしたものである。
実施例8(羽毛アルカリ加水分解物(PAH)アシル化物の調製)
PAH5gをイオン交換水200mlに溶解し、2N水酸化ナトリウム溶液にてpH9になるように調整した。室温攪拌下、コハク酸無水物20gを4時間、順次添加し、反応系pH低下を抑えるため、2N水酸化ナトリウム溶液添加により、pHを8〜10に調整しながら反応させた。さらに5時間攪拌を行った後、2N塩酸溶液にて中和後、脱塩、凍結乾燥を行い、PAHアシル化物3.8gを得た。
本発明によれば、比較的容易に加工処理できる廃羽毛由来のケラチン系のポリペプチド成分を外用素材あるいは動物細胞培養用培地素材として有効利用することによりコラーゲン、エラスチンなどの真皮細胞間マトリックス成分を増加させ、創傷治癒、発毛/育毛、動物細胞増殖に有効な細胞活性剤、およびそれら細胞活性剤を含む医薬品、医薬部外品および化粧品を提供することができる。
培養8日後の各濃度別PAHサンプルの還元率 PAH0%を基準とした各濃度別PAHサンプルの還元比率 PAHとBSA/NZcaseのヒト真皮線維芽細胞活性化の比較 PAHとシルクプロテインのヒト真皮線維芽細胞活性化の比較 PAHとセリシンのヒト真皮線維芽細胞活性化の比較 PAH溶液のヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性 PAHとカゼインのヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性 PAHとシルクプロテイン/セリシンのヒト皮膚三次元真皮モデル内線維芽細胞活性の比較

Claims (9)

  1. 細胞活性剤が、羽毛から加工処理をして取り出されたタンパク質、ポリペプチド、低級ペプチドおよび/またはアミノ酸からなる成分を主成分として含む加工処理品および/または羽毛由来のそれら成分に反応性化合物を反応して得られた誘導体(以下、これらの加工処理品および誘導体成分を「羽毛由来ポリペプチド」と総称する。)を主成分とすることを特徴とする細胞活性剤。
  2. 羽毛由来ポリペプチドが羽毛アルカリ加水分解物である請求項1に記載の細胞活性剤。
  3. 羽毛由来ポリペプチドが羽毛由来ポリペプチドにカルボキシル基、スルホン基、硫酸エステル基、リン酸エステル基からなるアニオン性基、ポリエチレングリコール基、ポリアルコール基からなるノニオン性基、アミノ基からなるカチオン性基からなる群から選ばれた水溶性基を導入された羽毛由来ポリペプチドの水溶性誘導体である請求項1に記載の細胞活性剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた創傷治癒剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた発毛/育毛剤。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた動物細胞培養用細胞増殖剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた医薬品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた医薬部外品。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞活性剤を用いた化粧品。
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