JP2006151879A - 血管新生阻害剤 - Google Patents

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秀子 永澤
Yoshihiro Uto
義浩 宇都
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Abstract

【課題】低毒性であり且つ高い血管新生阻害作用を有し、血管新生の異常増殖を伴う種々の疾患の予防及び治療に有用な血管新生阻害剤を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表されるアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物又はその塩を有効成分として含有する血管新生阻害剤。

Figure 2006151879

(式中、R、R及びRは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基、又はニトロ基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物を有効成分として含有する血管新生阻害剤に関する。
血管新生とは、既存の血管から新しい血管が形成される現象をいい、女性の排卵時や妊娠時、また創傷治癒過程で起こる自然な生理現象である。しかし、その一方、血管新生は多くの病気の発症又は病態の悪化に深く関与していることが知られている。このような血管新生の異常増殖に基づく疾患としては、悪性固形腫瘍の増殖や転移、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、加齢性黄斑変性、血管腫、緑内障、乾癬などが挙げられ、血管新生を阻害することができれば、これらの疾患の進行を抑制できると考えられている。
このような理由から、世界中で様々な血管新生阻害剤の開発が進められている。現在承認されている血管新生阻害剤は、米国食品医薬品局(FDA)で結腸直腸癌治療薬として承認されたアバスチン(Genentech社)のみであるが、これに続く新薬として約20種類ほどの血管新生阻害剤が現在臨床試験中である。これらの血管新生阻害剤はその作用メカニズムの違いによりいくつかに分類できる。血管新生因子の一種である血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、血管内皮細胞に結合することでその増殖を促す働きがあり、血管新生に重要な役割を担っている。このVEGFを標的にしているものとしては、SU5416のようにVEGFの受容体に結合してその機能を阻害するものや、VEGFの中和抗体であるアバスチンのようにVEGFに結合することでその機能を阻害するものがある。他にも、フマギリン誘導体であるTNP−470のように血管内皮細胞を直接阻害するもの、ネオバスタットのように血管内皮細胞で産生されるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の活性を阻害するものなどがある。
しかしながら、現在唯一血管新生阻害剤として承認されているアバスチンは全ての癌や上述したような血管新生の異常増殖に基づく疾患に効果があるわけではなく、また承認後に心臓障害などの深刻な副作用の危険性が発表されている。血管新生阻害剤は、その性質上、使用が長期にわたる為、副作用ができるだけ少なく、且つ強い血管新生阻害作用を有することが望まれる。
アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物としては、腹水腫瘍sarcoma−180に対する抗腫瘍活性を示すことが報告されている(非特許文献1参照)。また、本発明者らは、2−ヒドロキシアリリーデン4−シクロペンテン−1,3−ジオン化合物について、抗腫瘍活性を有することを報告した(非特許文献2参照)。更に、本発明者らは、2−[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−1123」と略記する)について、同じく2−メチレン−4−シクロペンテン−1,3−ジオン構造を有するtyrphostin AG17(CAS登録番号:10537−47−0)と構造活性比較を行い、チロシンキナーゼ活性、抗腫瘍活性、ミトコンドリア毒性、血管新生阻害作用について報告を行った(非特許文献3参照)。しかしながら、アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物が血管新生阻害剤として有用であることは知られていない。
Journal ofMedical Chemistry Vol.19,No.3,p433-436,1976年 Bioorganic& Medicinal Chemistry Vol.10,Issue 10,p3257-3256,2002年 Biochimica etBiophysica Acta Vol.1967,p29-38,2004年
本発明の目的は、低毒性であり且つ高い血管新生阻害作用を有し、血管新生の異常増殖を伴う種々の疾患の予防及び治療に有用な血管新生阻害剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物が低毒性で且つ高い血管新生阻害作用を有することを見出した。更に検討を重ねた結果、アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物のいくつかについて、著しく高い血管新生阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)に記載のものを提供する。
(1)下記一般式(I)で表されるアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
Figure 2006151879
上記一般式(I)中、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基、又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。
(2)Rが水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基であり、Rが水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である上記(1)に記載の血管新生阻害剤。
(3)R及びRがメチル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基である上記(1)に記載の血管新生阻害剤。
(4)2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン又はその塩を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物は優れた血管新生阻害作用を有し、しかも低毒性であるため、血管新生の異常増殖に関与する多くの疾患、例えば癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、加齢性黄斑変性、血管腫、緑内障、乾癬等の治療薬や予防薬として有用である。
一般式(I)で表される本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物は、例えば次に示す反応式に従い、一般式(II)で表されるベンズアルデヒド類と化学式(III)で表される4−シクロペンテン−1,3−ジオンとを反応させることで容易に製造することができる。具体的なアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物の製造方法については、実施例で後述する。
Figure 2006151879
上記反応式中、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基、又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。
上記一般式(I)で表される化合物中の、R、R及びRで規定された各基について詳しく説明する。
アルキル基としては、炭素数は特に制限されないが、通常炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられ、更に好ましくは、メチル基又はエチル基である。
アラルキル基としては、具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アリール基としては、具体的には例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
アルコキシ基としては、炭素数は特に制限されないが、通常炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルコキシ基、具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基等が挙げられ、更に好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基である。
アルカノイル基としては、具体的には例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基等が挙げられる。
アロイル基としては、具体的には例えば、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基等が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物のうちで好適なものは、Rが水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基であり、Rが水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である化合物若しくはその塩である。
このような化合物として具体的には、下記表1に示す置換基(R,R,R)を有する化合物、2−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−1918」と略記する)、2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−1934」と略記する)、2−(フェニルメチレン)−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−814」と略記する)、2−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−815」と略記する)、2−[(3−トリフルオロメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−821」と略記する)、2−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「TX−1841」と略記する)、2−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「KIH−200」と略記する)、2−[(4−ニトロフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「KIH−212」と略記する)、及び2−[(4−メトキシフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン(以下、「KIH−205」と略記する)が挙げられる。
これらの化合物の中でも、特に好適な化合物はR及びRがメチル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基である化合物若しくはその塩である。このような化合物としては、TX−1918及びTX−1934が挙げられ、最も好ましくはTX−1934である。
Figure 2006151879
上記一般式(I)で表される化合物は、優れた血管新生阻害作用を有し、ヒトやマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ウシ、サル等の哺乳動物に対して、血管新生阻害剤として使用することができる。該血管新生阻害剤は、血管新生の異常増殖に関与する多くの疾患、例えば癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、加齢性黄斑変性、血管腫、緑内障、乾癬等の治療薬や予防薬として投与できる。その投与形態としては、経口投与の他、経皮投与や静脈注射等の非経口投与による方法が挙げられ、安全に効果的に投与することができれば、これらに限定されるものではない。
また本発明の血管新生阻害剤は、一般式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分とし、これをそのまま用いてもよいが、通常、充填剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、分散剤、賦形剤等の公知の医薬品担体を加えて、常法に従い製剤化される。例えば、経口剤の場合では、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、丸剤、トローチ剤、チュアブル剤等の固形製剤、及びシロップ剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁剤等の液剤の形態に製剤化することができる。非経口剤の場合では、注射剤、点滴剤、外用剤、塗布剤、座剤等の形態に製剤化することができる。
本発明の血管新生阻害剤の投与は、投与される者の年齢、体重、投与方法、対象疾患、症状等によって異なるが、経口投与の場合には、通常成人1日当り、一般式(I)で表される化合物の重量として0.1g〜10g程度、好ましくは1g〜5g程度であり、非経口投与の場合には、通常成人1日当り、一般式(I)で表される化合物の重量として0.01g〜1g程度、好ましくは0.1g〜0.5g程度である。この投与量を一日一回、又は数回に分けて投与することもできる。また、必要であれば上記範囲外の量を使用することも可能である。
また本発明の血管新生阻害剤は、血管新生の異常増殖を伴う上述したような疾患の予防・治療のために、一般式(I)で表される化合物の血管新生阻害作用に悪影響を与えることのない限り、他の薬剤と併用することもできる。更に、外科療法や放射線療法等の他の治療法と組み合わせて用いることもできる。
次に、製造例及び実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
(製造例1)
2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン (TX−1934)の合成
4−メトキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒド 322mgと4−シクロペンテン−1,3−ジオン 226mgとp−トルエンスルホン酸 186mgとをクロロホルムに加え、15時間加熱還流した。反応終了後、反応液を冷却し、水を注いでクロロホルム層を切り取り、水相をジクロロメタンで抽出した。有機相をあわせて飽和炭酸水素ナトリウム溶液、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。洗浄後、有機相をMgSOで乾燥蒸発させ、残留した黒色の油をカラムクロマトグラフ[シリカゲル 20g、0.04−0.05mm、溶離液:ジクロロメタン−メタノール(10:1)]により精製し、生成物であるTX−1934を146mg(収率31%)得た。クロロホルムからの再結晶後、融点87〜88℃を有する黄色板状結晶を得た。
HNMR(TMS/CDCl)d:8.04(2H,s),7.53(1H,s),7.27(1H,d,J=6Hz),7.23(1H,d,J=6Hz),3.79(3H,s),2.35(6H,s)
Figure 2006151879
(製造例2)
2−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン (TX−1918)の合成
下記化学反応式に示すように、4−メトキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドの代わりに4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドを用いたこと以外は製造例1と同様に実験を行い、TX−1918を167mg(収率34%)得た。
HNMR(TMS/CDCl)d:8.10(2H,s),7.51(1H,s),7.23(1H,d,J=6Hz),7.19(1H,d,J=6Hz),5.28(1H,s),2.32(6H,s)
Figure 2006151879
(製造例3)
2−[(4−メトキシフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン (KIH−205)の合成
下記化学反応式に示すように、4−メトキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒドの代わりに4−メトキシ−ベンズアルデヒドを用いたこと以外は製造例1と同様に実験を行い、KIH−205を171mg(収率42%)得た。
HNMR(TMS/CDCl)d:8.38(1H,d,J=2Hz),8.36(1H,d,J=2Hz),7.57(1H,s),7.24(2H,dd,J=6 and 20Hz),6.99(2H,dd,J=2 and 6Hz),3.90(3H,s)
Figure 2006151879
(実施例1)
薬理試験
本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物について、以下に示す鶏卵漿尿膜を用いたin vivo試験、CAM assay(鶏卵漿尿膜法)により血管新生阻害活性の評価を行った。
<CAM assay>
(検定化合物の調製)
CAM assayに用いる検定化合物は、99.5%エタノール(和光純薬工業株式会社:Lot No.ASM7066)に無菌的に溶解させた後、生理食塩水で目的の濃度まで希釈する。この作業は検定化合物添加の直前に行う。希釈した検定化合物は等量の2%メチルセルロース/生理食塩水とともに添加する。2%メチルセルロース/生理食塩水は、メチルセルロース(和光純薬工業株式会社:Lot No.DWR2395,TCG4309)500mgを生理食塩水25mlに溶解したものを使用した。
(0日目)
受精卵(0日:ヤマギシ)を39℃の転卵機にて、3日間インキュベートした。
(3日目)
卵の尖った方(鋭端)を下にして、平たい方(鈍端)と卵の赤道よりやや鋭端側に錐で穴を開け、鋭端側の穴から卵白を3〜4ml取り、次いで、卵底部の穴を2mlスポイトで塞ぎ、卵殻膜が剥がれる程度に軽く吸引した。卵の先端側の穴を1×1cmに切ったOpsite(Smith+Nephew)で塞いだ後、底部の殻を取り除き、直径1cm程度の穴を開けた。さらに卵殻膜を一部取り除いてから,ステンレス製のキャップを被せ,39℃にて1日培養した.
(4日目)
CAMの大きさを確認してそろえ,その上に約直径3ミリのシリコンリングを載せた。上述した方法で調製した検定化合物および2%メチルセルロース/生理食塩水をシリコンリングの中央にそれぞれ10μlずつ添加した。この時、コントロールにはCAMの成長が最もよいものを選び、2%メチルセルロース/生理食塩水とエタノール/生理食塩水を10μlずつ添加した。再びステンレスキャップを被せ、インキュベーターに戻した。
(5日目)
リングがCAMの上に載っているかどうか確認し、移動している場合はCAMの上に戻して、再びステンレスキャップを被せ、インキュベーターに戻した。
(6日目)
卵の中身ぎりぎりの所まで卵殻と卵殻膜を取り除き、シリンジ(1ml、27G)にてイントラリポス(ウェルファイド株式会社:Lot No.G455J)約1mlを、CAMの中に血管の少ないところから注入した。
判定は目で見て行い、血管新生阻害のないものを−、どちらともつかないものを±、リング周り3〜4mmが白くなって血管ができていないものを+、リング周り及びCAMの1/3が白くなって血管ができていないものを++、リング周り及びCAMの半分くらいが白くなって血管ができていないものを+++として5段階で評価し、更に5段階評価の−、±を陰性とし、+、++、+++を陽性と判定し、各化合物、或いはその濃度につき6〜8個の受精卵を使用して、陽性を示した受精卵の割合を血管新生阻害率として表した。
コントロールに阻害が出たときは、−を0点、±を1点、+を2点、++を3点、+++を4点とし、下記式(I)によりコントロール及び試験化合物添加群についてそれぞれポイント値を算出し、得られたポイント値を用いて下記式(II)から血管新生阻害率を算出した。
式(I):ポイント値=点数の合計/評価に使用した受精卵数
式(II):血管新生阻害率(%)=(1−コントロールのポイント値/試験化合物添加群のポイント値)×100
[評価]
上記表1に示したアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物及びTX−1123について、上述したCAM assayで投与量10μg/CAMにおける血管新生阻害作用を評価した。結果を図1に示す。表1に示したアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物は、10μg/CAMにおける血管新生を100%阻害した。TX−1123は、10μg/CAMにおける血管新生の阻害率は92%であった。
更に、本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物のうち、特に血管新生阻害活性の高いTX−1934及びTX−1918について、上述したCAM assayにおける化合物濃度と血管新生阻害率との関係を、同じアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物であるTX−1123及び血管新生阻害剤として知られているTNP−470(武田薬品工業株式会社)と比較した。結果を図2に示す。比較に示したTNP−470は、10μg/CAMで100%であった血管新生阻害率が1μg/CAMでは50%まで低下した。一方、本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物は、TX−1123においては、2.5μg/CAMで血管新生阻害率が50%まで低下したが、TX−1918は0.1μg/CAMで血管新生を80%阻害しており、TNP−470と比較して強い血管新生阻害作用を示した。また、TX−1934においては、0.01μg/CAMで血管新生を100%阻害しており、TNP−470の1/1000という低濃度で強い血管新生阻害作用を有することが示された。
また、上記薬理試験中、毒性作用と思われる所見は認められなかった。従って、本発明のアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物は、低濃度で強い血管新生阻害活性を有し、且つ低毒性で安全性にも優れているため、血管新生阻害剤として非常に有効である。
本発明の血管新生阻害剤は、悪性腫瘍、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、加齢性黄斑変性、血管腫、緑内障、乾癬等の血管新生の異常増殖に関与する疾患の予防や治療の医薬として有用である。
アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物の10μg/CAMにおける血管新生阻害率を示すグラフ図である。 アリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物について、CAM assayにおける化合物濃度と血管新生阻害率との関係を示すグラフ図である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるアリリーデンシクロペンテン1,3−ジオン化合物又はその塩を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
    Figure 2006151879
    〔式中、Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基、又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。Rは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、フェノキシ基、置換フェノキシ基、アルカノイル基、アロイル基又はニトロ基を表す。〕
  2. が水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基であり、Rが水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である請求項1に記載の血管新生阻害剤。
  3. 及びRがメチル基であり、Rが水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基である請求項1に記載の血管新生阻害剤。
  4. 2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチレン]−4−シクロペンテン−1,3−ジオン又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害剤。
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CN109908121A (zh) * 2019-04-29 2019-06-21 江苏理工学院 一种衣壳蛋白组装抑制剂的应用

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